楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

中韓関係

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習近平も平昌オリンピックに来ない模様。来るのは共産党序列7位。もちろん、安倍総理も……

中国 平昌五輪に党序列7位派遣へ=習主席の出席は不透明に(聯合ニュース)
習近平主席も安倍首相も平昌五輪出席に「不透明」(中央日報)
中国が来月9日に開幕する平昌冬季五輪に共産党序列7位の韓正・政治局常務委員が率いる代表団を派遣する方針を韓国側に伝えたことが16日、分かった。韓国が望む習近平国家主席の平昌五輪出席は現段階では不透明だ。複数の外交消息筋が明らかにした。

 消息筋は「現在、両国が調整している状況で、近く発表があると思う」と伝えた。
(引用ここまで)
日本経済新聞によると、安倍首相は15日(現地時間)、平昌冬季五輪に出席するかどうかに対する質問に「国会の日程を見ながら考える」と一線を画した。彼は「予算案は最大の経済対策だ。しっかりとしなければならない」と述べた。

これに対し、時事通信は「ほぼ同じ時期に本格化する2018年度予算案審議を優先し、五輪期間中の訪韓を見送るという考えを示唆したもの」と分析した。

中国は平昌冬季五輪の時、党序列7位である韓正政治局常務委員が率いる高官代表団を派遣すると韓国側に16日、通知した。このため、習近平国家主席の出席は現在としては不透明な状況だ。複数の外交消息筋は現在、韓中間調整されている中で、常務委員が実際に訪問する場合、中国高官代表団の団長役を果たすことになるだろうと伝えた。

米トランプ大統領は10日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話会談でペンス副大統領を高位代表団長として送ると明らかにした。
(引用ここまで)

 中国が平昌冬季オリンピックに派遣するのは共産党序列第7位の韓正。
 ふむ。
 外交王ムン・ジェインの栄光の訪中で習近平に出席をお願いしてきたはずなのですが。
 ちなみに「出席をお願いした」という文面は韓国大統領府から出されたリリースにはあったのですが、中国からのリリースにはなかったりします(笑)。

 トランプ大統領の名代としてペンス副大統領というのはまあまだ分からないでもない。
 大統領になにかあったらその座を次ぐのは副大統領ですしね。
 まだ「韓国を同盟のパートナーとして見てますよ」という部分はある、ということでしょう。
 でも、習近平が来ないときに序列2位の李克強首相ではなく、序列第7位の党中央政治局常務委員っていう。
 ムン・ジェインがどれだけ「わたしはTHAAD問題を解決し、前政権が混乱に陥れた中韓関係を正常化した」と誇らしげに語ったところで、現実はこんなもんってところでしょうか。

 日本からは大島理森衆議院議長が平昌訪問をするとのこと。
 日韓議員連盟の幹事でもあるので、まあそんなもんかなぁ……。
 大国の国家元首のうち、訪問を宣言しているのはマクロンくらいなものですかね。

米 トランプ大統領 ×
中 習近平国家主席 ×?
日 安倍総理    ×?
仏 マクロン大統領 ○?

 あとは韓国メディアの報道では「北欧の国が何カ国か国家元首を送る」としているのですが、韓国側からの報道なので実際はどんなものか分かりません。
 カナダも首相は出ずに名目上の国家元首であるカナダ総督が来るという話。
 ちょっと前まで「首脳が平昌に集まって外交ができる。安倍がこなかったら仲間はずれだ!」くらいの勢いだったのですけどね……。

 重要なメンツが来ないのであれば「五輪外交」なんてそもそも成立すらしません。
 なお、来週は寒波襲来で平昌の最低気温はマイナス15度を突破する模様。
 ……まあ、がんばってね。


ムン・ジェイン「中国との懸案を解消した」→ネチズン「外交王!」→中国人観光客、韓国に向かわない模様

中国からの旅行、年末年始1位に日本 韓国は圏外転落(日経新聞)
中国の旅行予約サイト最大手、携程旅行網(シートリップ)によると、年末年始の海外旅行の人気旅行先の1位は日本だった。地方都市の一部で団体旅行を制限したが、個人旅行の比率の高まりに加え、口コミで評判が広がったことなどから前年の3位から躍進した。外交関係が悪化した韓国は前年の2位から11位以下の圏外に転落した。 (中略)

 韓国が圏外に転落したのは米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)問題がきっかけだ。中国の旅行会社が団体旅行の販売をとりやめた影響が大きい。個人旅行客も外交関係の悪化を受けて敬遠したとみられる。
(引用ここまで)

 与党や大統領府曰く「120点の訪中」、ハンギョレ曰く「実利を得た」もので、ムン・ジェイン本人曰く「前政権で行き詰まった対中外交を突破することができた」と内輪褒めで絶賛。
 ネチズンらも「我らの外交王!」「外交天才ムン・ジェイン、素敵です!」と熱狂。
 まあ、実際には冷遇に冷遇を重ねられて、随行記者はぶん殴られて謝罪ゼロ大統領府はその事件を隠蔽しようとするというくらいに悲惨な訪中だったのですが。

 まあ、それでも本当に実利があればまだ救われたのですよ。
 中国人観光客が韓国に戻り、インバウンドで韓国が潤うという分かりやすい「実利」があるのなら。
 あるいはそれ以外でもなにか目に見える本当の実利があればいいのですが。例えば習近平が平昌訪問するとか。

 だけども、実際には中国からの観光客数は2位から圏外。
 観光ツアー解禁ってニュースもありました(そしてやっぱり禁止されているというニュースもありました)が、現実に来ていない。
 もっとも観光資源としての韓国が中国人にとって飽きられているという側面が大きいですかね。

 最近は日本に来る中国人観光客も個人客がかなり多くなっている感触です。
 通り一遍の観光ではなく行きたいところ、見たいものが具体的にあって日本に来てる人も増えてきてますね。  もちろん、ツアーもまだまだ多いですけど。

 何度か書いていますが、韓国の観光資源って笑っちゃうくらいにないので、個人客へのアピールは相当に難しいでしょうね。
 よほどの好事家であれば別でしょうけども。

韓国が「全方位外交」を目指し、全方位で失敗……日本からは塩対応、アメリカからは遺憾表明、中国へは土下座するものの……

中国13億人民の“さらし者”にされた文在寅大統領 「属国」扱い→日本にすり寄り(産経新聞)

 かなり長い記事で引用しづらいために引用なしで。
 ざっくり書けばムン・ジェイン政権のトランプ大統領訪韓、ムン・ジェインの訪中、カン・ギョンファの訪日をそれぞれとりあげているこの2ヶ月ほどの総括って感じですかね。
 全方位外交といえば聞こえはいいですが、自分の利しか追求していないことが日米中のいずれの国にも見透かされていて、まともに対応してもらえていないという状況です。

 アメリカからは「晩餐会のゲストや食事に意図的な仕掛けがあるのなら残念」と政府から発言される。
 中国からは例のアレ
 日本も徹底した塩対応であったという状況。

 政権が変わってもコウモリ外交であることにはなんの変わりもないのですよね。
 韓国の生きる道はそれしかないと考えているのでしょうが。
 それを受け容れるかどうかはそれぞれの国による、のですよ。
 いくら韓国が日本に対して「政経分離」だの言い出してツートラック外交をしかけようとも、それを受け容れるかどうかは日本次第。
 アメリカに「日本はひどい国だ」というアピールをしても、それを受け容れるかどうかはアメリカ次第。
 中国には三跪九叩頭する以外にはないのが実際で、その通りのことをやってのけましたが。

 かつての冷戦時代の対ソ連、対共産主義国家に対する最前線であればともかく、現在の対中国においてはその重要度は半減。
 三不の誓いで主権を放棄し、日米印豪を主体としたダイヤモンド構想からもいち早く離脱を宣言
 自らの評価を高く見積もりすぎなんじゃないの、という感じではあるのですけどね。
 君らの売り物はそれほど高価じゃないよ、と誰かが言ってあげるべきだと思うのですが。
 まあ、それは日本の役目ではありませんね。

おおう、これKindle化されてたか……久しぶりに読むかな。
日本の外交 明治維新から現代まで (中公新書)入江昭
中央公論新社
1966/9/1

ムン・ジェイン訪中への評価 → 55%が肯定的、33%が否定的……よーく数字を見てみると……

文大統領の訪中外交の評価、「肯定的」55%「否定的」33%(中央日報)
世論調査専門機関リアルメーターがCBSの依頼で15日に全国成人510人を対象に質問した結果(95%信頼水準に標本誤差±4.3%ポイント)によると、今回の韓中首脳会談に対して「韓半島(朝鮮半島)の平和と安全に役に立った会談で、肯定的に評価する」という回答は55.8%となった。

一方、「外交欠礼・屈辱外交などの話が出るため、否定的に評価する」という回答は33.7%となった。10.5%は「よく分からない」と答えた。

年齢別には30代(71.1%)、20代(68.7%)、40代(67.3%)などで肯定的に評価するという回答の割合が高いことが分かった。一方、50代では肯定的評価(38.5%)より否定的評価(45.7%)の回答がより多く、60代以上でも肯定的評価(40.5%)より否定的評価(45.1%)の割合が高かった。
(引用ここまで)

 記事タイトルを見て「は? あのポンコツ訪中に肯定的って評価が55%? 韓国人終わってんな」くらいな気分になったのですが。
 正直なところちょっと質問のしかたに偏向があるので、数字をそのまま飲み込めない世論調査です。
 「韓半島の平和と安全に役立った会談」と「外交欠礼・屈辱外交などの話が出る」っていう前提だと、特に支持者は「肯定的だった」と答えるんじゃないかなぁ。
 そもそも、「平和と安全に役立った」のかどうか、今回のムン・ジェイン訪中はそこから見ていく必要があると思うのですけどね。
 いわゆる「朝鮮半島4原則」なんてものは以前から韓国と中国が共謀しているかのように唱えているお題目を再確認しただけでなにも新しい話なんてないし。

 ただ単に「あなたは今回のムン・ジェイン訪中を肯定的に見ますか、否定的に見ますか?」っていう質問だったらもうちょっと均衡したんじゃないかと思いますね。
 それでも30代の71.1%、20代の68.7%、40代の67.3%が肯定的っていうのはちょっと衝撃的な話です。
 そして50代が38.5%、60代以上が40.5%しか肯定的ではない。一気に半減。
 40代以下と50代以上が完全に隔絶している韓国の情勢が浮き出てきています。

 韓国ではベビーブームが朝鮮戦争後にありました。
 1955〜63年生まれがベビーブーマーであるとされています。ちょうど現在の50〜60歳くらいがベビーブーマーであったということになりますかね。
 つまり、旧来の「希望のあった」韓国と、「急速に希望のしおれていった」韓国の世代による隔絶。それがそのまま保守系支持と革新系支持にすっぱりと分かれているとイメージすればほぼ間違いないポートフォリオでしょう。

 40代以下の支持者は「社会の破壊者」としてのムン・ジェインに期待しているのだろうと理解しました。
 NAVERのニュースにおける「外交天才!」っていうアレは決してコメント部隊によるものだけではないのだろうな、とも感じましたね。
 それだけ若年層は社会としての行き詰まり、息苦しさを感じているのだろうな、と。

完全独習 統計学入門
小島 寛之
ダイヤモンド社
2006/9/28

ムン・ジェイン訪中によって韓国は日米から信頼を損なった……あの行動は在韓米軍撤退を狙ったもの?

「韓国は日米の信頼を失い、中国は韓国民の心を失った」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領の今回の中国訪問は歴史にどのように記録されるだろうか。欠礼だらけの儀典と日程、核心が抜けた合意、中国警護員の韓国記者暴行まで。国賓訪問の外交現場とは信じられないようなことが立て続けに起こり、論争も収まる兆しが見えない。「中国学の開拓者」として50年以上にわたって中国を見つめてきた高麗(コリョ)大学の徐鎭英(ソ・ジニョン)名誉教授(75)は「文在寅政府は『戦争を防いだ』という成果を前に出すだろうが、日本と米国の信頼と韓国民の自尊心を失った」とし「中国も韓国を屈服させる姿を全世界に確認させたと同時に、韓国民の心を失った」と批判した。

−−今回の会談は成功した会談なのか、失敗した会談なのか。

「文在寅政府は会談の準備過程から戦略的に中国にアプローチした。(中略)文大統領は日本の安倍晋三首相と米国のドナルド・トランプ米大統領の面前で『日本は我々の同盟ではない』と言い放った。日米のインド太平洋戦略に対しても青瓦台(チョンワデ、大統領府)がわざわざ出て『編入の必要はない』と明らかにしたことが代表的だ。さらに一歩進んで、今回の首脳会談を通じて、韓日米の3国安保協力に立脚した20世紀の冷戦的東アジア秩序の代わりに、21世紀を中国と共に切り開いていくというメッセージを明確に出した」

徐教授は、文大統領の今回の訪中で最も大きな損失は「日本と米国の信頼を失った点」と述べた。「米国は、文在寅政府の今後4年間またはその後の韓国政府とどこまで安保協力をしていくべきか、北朝鮮問題を扱うにあたり、韓国政府が果たして助けになるのかどうか疑わざるを得ない状況だ。韓国が中国に傾斜したと批判してきた安倍晋三政権も、韓国が日米との価値を共有して協力するような国ではないことが確実になったと判断するだろう。今後、米国が韓国を排除して独自の北朝鮮措置を取ったり、決定的な瞬間に日米が韓国の味方についてくれなくなったりする可能性がある。20年前、外国為替危機の時が最も恐ろしい事例ではないか。その時は経済的破産だったが、今後は軍事・安保的破産を迎えることになるかもしれない」 (中略)

−−韓国は年内の首脳会談を強く希望した。

「中国は初めから『まだ会談する準備ができていない』と誠意のない態度を示した。反面、韓国政府は平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)を通じて対中関係を復元し、北朝鮮の参加も引き出そうとした。『3不』を中国に譲ればTHAAD問題が解決でき、北朝鮮も平昌に引っ張ってきて、それによって南北関係が改善されれば文在寅政府の国際的地位も上昇するという一連の構想の中で年内に習近平国家主席に会おうとしたようだ。平昌の2年後には東京五輪、その2年後には北京冬季五輪が開かれる。韓日中に集まったオリンピック3つを通じて東アジアを平和と祝祭の場にできるという絵を描いて中国がこれに引き寄せられると考えたかもしれない。問題は中国を読み誤ったところにある。今回の首脳会談の儀典や日程などは最悪だったし、これによって韓国民の自尊心も傷つけられた」 (中略)

徐教授はそれと共に「文在寅政府が向こう20年、国際社会の大きな流れを読んで対応しようとする姿勢は間違っていないが、現実主義的な力と段階別の緻密(ちみつ)さもなく本音を国際社会にそのままさらけ出している」と批判した。(中略)

徐教授は「現政権の臨機応変式外交と言動の不一致が国内外にあまりにも知られすぎた」とし「中国が今回の韓国政府の戦略的アプローチを受け入れないのも不信という側面がある」と解釈した。「思い切って言えば、韓国は米国の立場では裏切り者、中国の立場では日和見主義者に映る。このような形なら、決定的瞬間に強大国数カ国が韓国を排除して韓半島を料理する可能性もある」 (中略)

「国内政治はこちらの道を進んでいて『こちらの道ではなかった』と思えばいつでも方向転換できるが、外交は試行錯誤ができる余地はない。いつも真剣勝負で臨まなければならないのが外交だ」
(引用ここまで)

 この記事で意見を述べている徐鎭英教授は寡聞にして知らなかったかたですが。
 正論ばかり。
 というか、高麗大学の名誉教授がこういう話をすることができる部分が、韓国は国としてまだぎりぎりで絶望の国ではないと言えなくはない……くらいのところ。
 体制批判を毫ほどもできない中国とはさすがに違う、とはいえるかな。

 でもまあ、こういう話は政権には通らないのでしょうね。
 なにしろ、政権中枢の声としてはあの体たらくを採点するなら120点なんですから。
 ムン・ジェインが中国に三跪九頭叩するのはしょうがない部分ではあるのです。念願の統一にしても北朝鮮核問題にしても中国がほぼすべてのカードを握っているのは間違いない。
 どうあがいても21世紀半ばに向けて中国が韓国を自陣営に取り入れていくであろうことは決定的な事実。

 でも、その事実を最悪の形で体現してしまったことが問題なわけで。
 三不の誓いで主権を放り投げただけでも充分なほどだったのに、それに続いて中国の狗であることをわざわざ中国に赴いてまで宣言してしまった。
 正直、ここまで一気に中国傾倒を進めていくとは思いませんでしたね。北朝鮮との統一のためには駐韓米軍基地の存在が邪魔になるので、戦時統制権返還→米軍撤退と10年くらいかけて進むと思ってました。次の政権も左派政権になるでしょうから、なんらかの院政まで敷くかもしれないなと。
 ですが、場合によってはムン・ジェイン政権の間に米軍の撤退までありえる状況になってきました。

 ノ・ムヒョンの系統を継ぐ政権であるだけに、そういう方向性は見せるとは就任時から考えていましたが、さすがにここまで性急とは思いもしませんでした。本当に米軍撤退まで意識した行動なのか、若干の疑問もあります。
 でも、それ以外にこの行動の解釈のしようがないのです。
 本当の無能で、かつ本物のバカであるというのなら話は別ですが。さすがにそこまでではない……と思いたい……のだけどなぁ……。


フルボッコだったムン・ジェインの訪中、あえてよかった探しをしてみれば……

【社説】中国への依存度下げ外交・経済多角化せねば=韓国(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が習近平中国国家主席と韓中首脳会談を行ない16日に帰国した。外交欠礼と「1人飯」議論から中国警護員による韓国記者暴行事件まで、言葉も多く不満も多かった中国訪問だった。文大統領の今回の訪中は改めてさまざまな面で「韓国にとって中国は果たしてどんな隣人なのか」を問い質す契機になった。

21世紀の超強大国に浮上した中国は安保・経済・文化など、ある分野でも韓国だけでなく世界のすべての国に重要な存在であることを否定することはできない。だから文在寅政権も争って北京を訪ね習主席と主要懸案を話し合おうとしたのだ。

ところで訪中結果に対しては批判が多い。さらに「このタイミングでなぜ中国を訪問したのかわからない」とか「韓国が得たものはひとつもない」という酷評もあふれる。中身のない首脳会談と中国の無礼な外交的態度、さらに韓国の低姿勢外交が集まり総体的に屈辱的だったという自嘲も出てくる。「国賓訪問」の意味が果たしてこうしたものだったのかという反問も多い。 (中略)

ただこの機会に中国に対する依存度だけは確実に引き下げなければならないだろう。われわれが中国にばかり深く入れ込むなら差し迫った状況で抜け出すのが難しくなる。高高度防衛ミサイル(THAAD)問題の時にわれわれはすでにこれを骨にしみるほど感じた。中国の経済報復が続き観光産業をはじめ自動車や化粧品に至るまでさまざまな分野で大きな打撃を受けた。 (中略)

これとともに韓国は経済・安保・韓流など諸分野で多角化に邁進しなければならない。THAAD問題で教訓を得た通り、「ポストチャイナ戦略」もさらに具体化しなければならない。そうした意味で先月文大統領が明らかにした韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)による未来共同体構想は積極的に推進すべきだろう。文大統領は先月13日にフィリピンのマニラで「私と韓国政府はASEANとさらに親しい友人になろうとしている」と話した。 (中略)

中国は今回われわれに素顔を残らずさらけだした。習近平主席はトランプ米大統領に「韓国はかつて事実上中国の一部だった」と話したりもした。力が支配する国際社会で生き残るには力を育てなければならない。何がわれわれの力を育てる道なのか本当に深く熟考しなければならない時だ。
(引用ここまで)

 ひとつ前のエントリにあった大統領府高官のセリフのようなバカな話ではなく。
 本当にあえてなんとかよかったことを今回の訪中で探すのであれば、中国というものの本性が骨身に沁みたということでしょう。
 外交、経済等の投資先を分散しなければ、いつまで経ってもこの惨めな状況が変化しないということが、ようやく理解できたかな……という部分を理解した。
 まあ、そんなもんは本来であれば「三不の誓い」の時点で理解すべきなのですが。

 なにしろ2016年の対中国投資額は香港、シンガポールについで3位。香港がほぼ中国本土と同化しつつあり、かつシンガポールが金融中心であることを考えると、純粋な工場等への投資額ではおそらく世界一。
 2016年の上半期の時点で日本をはるかに追い抜いていたくらいで、楽韓さんは「なんでそんなに卵をひとつのバスケットにぎゅうぎゅうになるまで押し込んでいるのやら……」みたいな感想を書いていたほどでした。
 これまでサムスン電子はスマートフォン製造工場をベトナムに作って分散しているようでしたが、ヒュンダイ自動車はとにかくアホほど中国に投資してました。今年は第5工場まで完成して、製造能力は年間265万台
 ですが販売数は130万台以下がほぼ確定的。
 投資先としても販売先としても急激に苦しくなってしまった。もちろん、政治問題的にも。
 卵を入れたバスケットは複数持っておくべきなのです。

 ただ……ムン・ジェイン政権はあくまでも「大成功!」っていうスタンスなのが問題ですかね。

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IVC,Ltd.
2014/10/24

韓国政府「訪中は大成功、THAAD配備による隔たりは克服された!」……ああ……そうですか

文大統領訪中 「THAAD巡る隔たり克服」=韓国大統領府(聯合ニュース)
韓国青瓦台(大統領府)の高官は17日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の中国国賓訪問(13〜16日)について「文政権発足以降、外交的困難があったが、今回の訪中でまた一つ山を越えた」と述べた。北朝鮮の核・ミサイルによる挑発で緊迫する朝鮮半島情勢を外交的に解決し、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備に反発する中国の報復措置で冷え込んだ韓中関係を修復する上で重要な成果を挙げたと評価したものと受け止められる。

 同高官は「韓中首脳がTHAAD問題によるわだかまりを完全に克服したと思う」とした上で、「THAAD問題が完全に解決したわけではないが、(THAADへの)言及の頻度や強さは著しく低下した」との認識を示した。なかでも文大統領と習近平国家主席が14日の首脳会談を前後して5時間を共に過ごし、個人的な信頼と友情を築いたことが大きいと強調した。

 青瓦台は文大統領の訪中により中国がTHAAD配備に対する報復措置を事実上撤回したことを公式に宣言したと評価する。 (中略)

 青瓦台は訪中が成功したと評価することで、文大統領が中国から冷遇されたとの批判を一蹴した。青瓦台高官は「訪中に対する批判的評価も謙虚に受け止めるが、意味のある成果についてはしっかりと見てほしい」と述べた。THAAD問題を巡り韓国が中国に低姿勢を取っているとの指摘には「安全保障上の利益を確実に守り、中国の理解を求めたと評価できる」と反論した。
(引用ここまで)

 いやあ……強いなー。
 昨日の朝の時点であれだけの屈辱リストを晒されておきながら「THAADミサイル配備についての隔絶が緩んだから成功」ですって。
 たしかに習近平は首脳会談前の言葉においては直接言及をしてはいません。
 事前に楽韓Webでも予想していた通りに。

 ですが、それはTHAADミサイル配備問題の終結そのものを意味していません。
 むしろ、きつくなるのはこれからであるのは間違いない。ことあるごとに「三不の誓い」を持ち出されては、ああだこうだと皇帝からの指示が大使を通じてくるでしょうよ。
 まあ、それ以前に日米韓の軍事演習のように宗主国に気を使って韓国自身が自粛することが多くなるでしょうけどね。

 三不の誓いを立て、APECで習近平への謁見を許してもらう。
 そして訪中のお伺いを立て、「三不の誓いを守っているようでもあるし、よかろう」と年内訪中を許してもらったと。
 そこで一点突破でTHAAD配備の圧迫さえやめてもらうことができれば外交勝利、という心づもりだったのでしょう。
 そうすることで韓国国内からは賞賛され、国外からは中国の一の子分としての地位が確定するのだというつもりだったのでしょうね。

 そのためには朝貢外交と言われようとも、どんな扱いを受けようともかまわないというつもりだったのでしょうね。
 一点突破からなんとかできるはず、と見積もっていた。
 一応、そのルートはしっかりと通ることはできた。
 だから本来の見積もり通りであれば賞賛を得られるはずだったのですが……。

 世界が注目しているのは中韓関係そのものではなく、北朝鮮にどのような影響を中国が与えられるかどうか。ひいては北朝鮮核事態におけるもう一方の主役であるはずの韓国の国家元首が中国に対して、どのようにして制裁なり圧迫なりの影響を及ぼすことができるかだったのですね。
 ところが出てきた「朝鮮半島4原則」とやらは、旧来のものと1ミリも変わらない残念な結果。
 韓国国内における訪中の評判も「いくらなんでもこの扱いはおかしいだろ」となってしまった。
 まあ、しょうがないので身内である韓国政府、大統領府だけでも「外交的大勝利だ!」と叫ぶことにした、というところでしょうか。

 そんな哀れな結果であってもネチズンは「外交天才ムン・ジェイン!」「外交王ムン・ジェイン!」と盲目的な支持を捧げているようです。
 このあたりは支持率調査でどうなるかというのを見ないと分からない部分かな。
 いくらなんでもあの扱いを日本の国家元首なり行政の長なりが受けたら「いいからもう椅子蹴って帰ってこい」ってなりますけどね……。
 あまりにも哀れすぎて。
 まあそれでもとりあえず21世紀前半までの中韓関係というものの基本路線は見えたかな、というところです。
 そういった意味においては成果があったといえるかな。

世界のなかの日清韓関係史 交隣と属国、自主と独立 (講談社選書メチエ)
岡本隆司
講談社
2008/8/10

韓国メディア「まだ……まだ今回の訪中を外交惨事にしない方法がある!」……いや、それ無理だから

【社説】文大統領の訪中が外交惨事として記録されないためには (中央日報)
しかし習近平国家主席との首脳会談をはじめとする訪中の成果をみると、果たして文大統領が考えるように中国は韓国を同志と見ているのか、北朝鮮の核挑発に対して両国が同じ考えをしているのか、疑問を抱かざるを得ない。(中略)

両国の首脳会談に関する発表内容を見ると、中国は国連安保理レベルの制裁以上の独自制裁はする意向がなく、THAAD問題は決して終わっていないという点を明確にしている。一方の韓国は、北朝鮮が核武力完成を宣言した状況で、韓半島非核化に向けた中国の具体的協力の約束もなく韓半島戦争不用だけを強調したということだ。我々の今後の選択幅を狭める結果をもたらしただけだ。特に、北朝鮮の核放棄のために軍事的オプションを排除せず、一部ではその期間が3カ月しか残っていないという分析まで出している同盟国の米国との連携がさらに揺れるという負担まで抱えることになった。

こうした状況をみると、習主席が次期冬季オリンピック(五輪)開催国の首班として平昌(ピョンチャン)五輪に出席してほしいという韓国側の要請に中国が答えなかったことや、中国が国賓として訪問した文大統領を冷遇した状況などはむしろ些細なことなのかもしれない。にもかかわらず内容のない首脳会談の結果より、そのような「冷遇論」ばかり気にして強く否認する青瓦台の態度は、問題の軽重を判断できない愚を冒している。 (中略)

さらに重要なのは、今からでも中国に対する幻想と期待を捨てなければいけないという点だ。中国の内心を知った今、我々が北核に対処できる方法は米国との確実な連携だけだ。文大統領がそれを学んで帰ってくれば、今回の訪中はなぜ行ったのかも分からない「外交惨事」として記録されないだろう。
(引用ここまで)

 おや、今回の訪中がまだ惨事ではなく取り返せるつもりでいるのですね。
 しかも、アメリカ側と連携ができるつもりでいるっていう。
 ここまできて取り返そうとするなら、大元からちゃぶ台返しして新たな構造を作らなければいけないのですが。
 ……それは無理でしょ。

 これまでの積み重ねてきた外交関係の結果として、今回の中国からの扱いが決定しているのですよ。
 政権は異なりますが、イ・ミョンバク時代から中国傾倒をはじめてアメリカ、日本を軽視してきた。
 多分にハプニング的ではありましたが、天皇謝罪要求が出たのは本音がそこにあったからこそなのです。
 アメリカ側から離脱して中国側につく方向性でこの10年というもの過ごしてきた。 

 その頂点がパク・クネの天安門でのスリーショット撮影でした。 
 そこからTHAADミサイル配備があって、ややアメリカ側に揺り戻しましたが、三不の誓いで中国の属国化が決定的になり、今回の「国賓扱い」になったわけです。 

 ここまでのいわば外交の歴史をすべてなかったことにして、一気に戻れるわけがない。
 アメリカ側に戻るということは慰安婦合意を遵守して、アメリカの求める三国同盟を結ぶということですからね。
 政権の成り立ちとしてそれは無理でしょう。
 日本もアメリカももはやツートラック外交を受け入れはしませんしね。
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