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中韓関係

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パク・クネ政権から「コウモリ外交」だけは引き継いだムン・ジェイン。初の米韓首脳会談でコウモリ外交を貫けるか?

【コラム】帝国のオーディション…米国と中国の間に置かれた韓国(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が明日、米国に初めて赴く。根っからの運動圏ではないものの、反独裁と人権運動に献身した文在寅の青年時代は、全体主義に抵抗したレヴィと似ていた。1970年代・80年代の韓国の運動圏で、反核・反テロ・反資本・反帝国主義はまるで一セットのようについて回った。このような異種のイデオロギーを結びつけた便利な概念が「反米」だった。反米・反帝が当時第3世界に風びしていた自民族中心主義と結合すると親北朝鮮理念が生じた。北朝鮮は民族和解のジェスチャーを政治的だけに活用した。

「THAADをどうしたい?」これが「帝国のオーディション」で文在寅大統領が歌う初めての指定曲だ。米国と中国の間で曖昧なラップを口ずさむほど危険千万な歌唱はない。中国の統制は無力で、北朝鮮はミサイルを次々と発射しているところに、トランプ大統領が「月光政策」をどれくらい理解するだろうか。トランプは民族情緒を幻想だと鋭く言い放つだけだろう。THAAD1基だけをひとまず許容する「1+5」(ことし1基、来年5基)発言も窮余の策だ。独善的な性格のトランプには熱くて簡単明瞭な一言、「どうせならすべて持ってくるがいい!」。これが答えだ。それから韓国のジレンマを納得させるのが手順だ。韓中歴史同盟、韓米軍事同盟の二者択一の窮地で、囲碁の名人「アルファ碁」さえバランサー的な妙手を出すことができない。習近平を説得するのは今後の問題だ。歴史は変わらないため歴史同盟を再建する可能性はまだ残っている。

アーリントン国立墓地に造成された韓国戦記念公園碑石にはこのような一節が刻まれている。「生前は知らなかった国、会ったことのない国民から呼ばれた我々の息子と娘を尊敬して」。米国人死亡者5万4246人、行方不明者8177人は面識のない韓国人のために青春を異国の地に埋めることになった。6万2423人の生命は、結局、米国の国益のために犠牲になったとある世間知らずの反米主義者が抗弁しても、韓国がこのように繁栄した起源を根こそぎ消すことはできない。「帝国のオーディション」に上がる前にアーリントン墓地にしばし立ち寄るのもいい。シンシナティにあるワームビア氏の墓に弔意を表わしてもいい。オーディションに臨む直前に声を整えるように。米国と中国の間、生存のオーディションはいつ終わるのだろうか。
(引用ここまで)

 「月光政策」というのはムン・ジェインの英語表記がJae-in Moonであることから太陽政策のムン・ジェイン版としてよく用いられる言葉です。楽韓Webでは初出ですかね。
 中国とアメリカの間に挟まれた韓国には悩みが多い、ムン・ジェインはまずアメリカと同調していくべきだ。中国とはまたあとでなんとかしよう……というような下地で書かれているコラムになっているのですが。
 認識が間違っていますよね。

 中国とアメリカの間に挟まれているのではなく、好き好んで能動的に二国間のおいしいところだけをつまみ食いしようとして窮地に立たされているだけ。
 この事態に追い込まれたのはイ・ミョンバクからパク・クネ政権にかけてのことだったので、ムン・ジェインの責任ともいえません。
 ただ、そのコウモリ外交を引き継いでいることは、たとえばTHAADミサイル配備の問題でも分かります。
 撤去しないことでアメリカにもいい顔をし、4基のランチャーを追加配備させないことで中国にもいい顔をする。少なくともいい顔を見せようとしている。
 まあ、どちらからも激怒されているというのが現状なのですが。

 最後の最後までこうしておいしいところ取りを目指すというのであれば、それはそれでやり甲斐のある外交目標になるとは思いますけども。
 それを現実化できるような実力がムン・ジェインにあるかどうかはまた別の話ですしね。

ひきょうなこうもり よい子とママのアニメ絵本
平田昭吾
ブティック社
2014/5/16

ムン・ジェイン「THAAD追加配備は延期、撤去はなし」→アメリカ「配備延期も国会同意も理解不能」 → 中国「追加配備云々じゃなくてXバンドレーダーをどうにかしろ、早く」

「韓国は理解できない」「中国の勝利」…THAAD論争に不満を表す米国(中央日報)
高高度防衛ミサイル(THAAD)の追加配備を環境影響評価の後にするという韓国政府の方針に対し、米国では不満と懸念の声が出ている。 (中略)

ダービン議員は米保守系紙ワシントンエグザミナーにも「私が間違っていれば幸いだが、(文大統領が)北朝鮮を抑止するために米国よりも中国と協力するのが良いと考えているようだ」と述べた。ダービン議員は文大統領との会談内容を紹介し、「文大統領が私に『適切な過程を踏むことを望み、国会が同意すると考える』と述べたが、私は配備の延期も、議会同意の必要性も理解できない」と語った。 (中略)

外交専門誌フォーリンポリシーはこの日、韓国政府の措置を中国に対する譲歩であり、米国の北朝鮮ミサイルプログラム対応政策に対する直接的な無視だと評価した。同誌は、文在寅政権が対米関係を深刻に改編する意図はほとんどないとみられるが、長い韓米関係を傷つけ、中国に意味深長な勝利を抱かせる措置を取ったと分析した。

英フィナンシャルタイムズは米国の地域政策を挫折させるものだと評価した。ニューヨークタイムズは文大統領がTHAAD配備を一時中断させた翌日の北朝鮮のミサイル発射を取り上げながら、韓米の対北朝鮮政策の重大な亀裂(break)と報じた。 (中略)

一方、中国の環球時報とグローバルタイムズは「韓国がTHAAD問題を米中間で円滑に処理しようとする」と題した社評で、「韓国がTHAAD配備の速度を遅らせようとしているが、こうした遅延と取り消さない点はそれぞれ中国と米国に見せるためのものだ」と非難した。続いて「THAADの実質的な問題が解決されなければ韓中関係の苦痛は消えず、苦痛の相当部分は韓国側が責任を負うことになるだろう」と警告した。
(引用ここまで)

 アメリカに対しては「先行した2基のランチャーを撤去するようなことはない。追加分は環境アセスが必要だ」と述べて言い訳。
 中国に対しては「前政権が導入してしまったのでどうにもならない。でも、4基の追加は押しとどめた」と述べて言い訳。
 ムン・ジェインは「戦略的あいまいさ」を前面に押し出して、コウモリ外交を繰り広げようとしていたようです。

 でも、しっかりとアメリカにも中国にもその魂胆はばれているっていう。
 アメリカからは「配備延期も、国会からの同意が必要性も理解できない」「中国と協力したいと考えているようだ」と見透かされている。
 中国からは「追加配備がどうこうじゃなくて、そもそも大元の配備をどうにしかしろよ」って言われちゃう。
 はっきり言ってしまえば「あいまい外交」とやらは期限切れなのですよ。

 だからこそアメリカは政権交代前に強行配備を行ったのだし、中国は配備同意からこっち有形無形の圧力を加えている
 いま、韓国が米中に対して必要とされているのは、今後の任期である5年間にどちらについていくのか。どのようにして振る舞っていくのかという宣言なのです。
 THAADミサイルはその踏み絵として利用されているのですね。なので、外交の象徴としてその問題を熟知しておくことが必要なのに、外交部長官候補は「THAADなしでどうやって北朝鮮から身を守ればいいと思います?」という質問に対して沈黙してしまうレベル

 でもまぁ……選択肢としてはこのまま「あいまいさ」を継続していくしかないのだろうとは思いますけどね。
 究極的には中国を選択せざるを得ないのですし、アメリカは在韓米軍撤退に向けて作業を進めていくことになるでしょう。
 おそらくそれを5年かけてやるんじゃないかな、とは思います。

ムン・ジェインがTHAADミサイル撤去に向かえば、アメリカは米韓軍事同盟の破棄の準備をはじめる

【寄稿】文在寅政権にとってはTHAADも「清算」対象なのか(朝鮮日報)
THAAD:米議員「韓国が配備不要なら予算を他に回せる」(朝鮮日報)
 思ったより早かった。運動圏(左翼系の学生運動グループ)上がりの政権が発足すれば、選挙期間の戦術的中道化を立ちどころに捨て去るだろうということは、ある程度予測されていたことだった。しかし、こんなにも早く「運動圏の本性」をあらわにするとは思ってもみなかった。思ってもみなかったということ自体が愚かなのかもしれない。

 旅客船「セウォル号」の沈没事件、国政壟断(ろうだん、利益を独占すること)事件−鄭潤会(チョン・ユンフェ)文書事件の再捜査、国定歴史教科書の廃棄が取り上げられたかと思うと、さらには共に民主党の高高度防衛ミサイル(THAAD)対策特別委員会による「THAAD聴聞会の開催」と「THAAD配置の即刻中断」を求める要求が飛び出した。これまで温めてきた「積弊清算」を着々と進めているのだ。「積弊」はもちろん清算しなければならないが、THAADが「積弊」のように見なされるのは問題だ。こうした勢いが将来いつまで続くのかということが、今後の韓国と韓半島(朝鮮半島)の運命を左右することになるだろう。 (中略)

THAAD問題を例に挙げるとすれば、「THAAD配置に対する絶対反対」が新勢力の最高綱領、すなわち本音だ。しかし、「必要によって」は、この本音をすっかりと覆い隠し、代わりに建前だけを表現することがある。THAAD配置に対する絶対反対の代わりに「問題を次期政権に任せて公論化しよう」といった具合に音階を引き下げるのだ。(中略)

 こうした建前作戦が功を奏したのか、運動圏は5月9日の大統領選挙で勝利した。一度勝ちさえすれば、今後は運動圏の一人天下となるだろう。こうなれば、運動圏は再び本然の最高綱領、すなわち「THAAD」配置に対する絶対反対」「THAAD配置の即刻中断」に戻らなければ、それこそおかしなことなのだ。従って、運動圏が政権を取るやいなや本性をあらわにし「私がいつTHAADの配置を公論化しようと言ったのか、今すぐ中止して撤回すべきだ」と大声を張り上げて出てきたのは、何も驚くべきことでもない。変革運動・変革運動圏は、これまでもおおむねこのように振る舞ってきたのだ。 (中略)

 引き続き追い立てて行き付く所まで行ってみるとした場合、その「行き付く所」とは一体どんな所なのか、概ね見当は付いている。運動圏が常に主張してきた内容があるからだ。THAAD配置の撤回、韓米合意の取り消し、韓米同盟の漂流、親中路線、作戦指揮権の還収、韓米連合司令部の解体、法的安保装置の廃止、開城工業団地・金鋼山観光の再開、太陽政策(対北朝鮮宥和〈ゆうわ〉政策)の深化、などがそれだ。大概こうした路線になることは想像できる。
(引用ここまで)
 先月31日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領と面会した米国のディック・ダービン上院議員(民主党)が「韓国が終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備を望まないのなら、米国はTHAADの予算を他のことに使うことができる」と文大統領に話していたことが1日分かった。(中略)韓米両国の合意に基づいて搬入されたTHAADの発射台4基について、韓国大統領府(青瓦台)が真相調査を指示したことに対する不快感の表れだとみられている。

 ダービン議員のこの発言は、31日に青瓦台で同議員が文大統領と40分にわたり面会した後、聯合ニュース英語版とのインタビューに応じた際に飛び出した。ダービン議員は「『米国は厳しい予算状況に直面し、さまざまプログラムを削減している。韓国がTHAADを望まないのなら(THAAD配備と運用に必要な)9億2300万ドル(約1030億円)の予算を他のことに使える』と文大統領に話した」と明らかにした。(中略)

 ダービン議員はまた「私が韓国に住むとしたら、北朝鮮が戦争を起こした場合に韓国に打ち込む数百発のミサイルから国民を守るために、可能な限り多くのTHAADシステムが欲しいと思う」と述べ「なぜ(韓国では)そのような感情が議論を支配しないのか理解できない。私は国家の安全保障と防衛が(議論を)支配すべきだと考える」と主張した。
(引用ここまで)
 上の記事は保守派ジャーナリストからの寄稿で、THAADミサイルの追加配備前に掲載されたもの。
 与党側からはすでに「THAADなんか撤去させるぞ」という怪気炎が上がっていたとのこと。
 当然、ムン・ジェインもその方向性で行くに違いないという予測で、まったくもってその通りであったというお話。

 「当選して大統領に就任すれば現実路線を行くだろう」という論説もいくつかありましたが、そんなわけはない、というのは当初から指摘済み。彼らは自分たちの思想が空虚な状態であるならば、現実をその思想に近づけるくらいのことをする輩なのです。
 保守政権であったこの9年ちょっとでたまりにたまった恨を晴らすために、そして自らの政権が易姓革命的に正統であることを証明するためにも客観的に見たらあり得ないことをいくらでもするでしょうね。

 で、アメリカの有力な議員が「韓国がTHAADを望まないのであれば、その予算を他のことに使うことができる」と発言したとのこと。
 防衛兵器であり、在韓米軍のみならず韓国人の生命と財産を守ってくれるはずのTHAADミサイルに対してそこまで拒否反応を示すのであれば、相応の対応をするしかないという宣言ですね。
 THAADミサイル撤去を要請するのであれば、その行き着く先は米韓軍事同盟の破棄まである。というか、本質論はそこにしかない。

 防衛兵器であるTHAADミサイルを、中国が嫌がっているからという理由で国会で審議して、撤去という結論になったらどうするのか。
 それが韓国という国の価値をどう変動させていくのか、という議論になるべきなのですが。
 この騒動はIMF管理下に置かれるどころの騒ぎではないと思うのですけどね。
 アメリカは「韓国からの撤退」をオプションのひとつにしています。THAADはその踏み絵となっているのですが。
 そのことを理解しているのかいないのか。理解していないわけがないと思うのですけどね。

 ムン・ジェインがTHAADを撤去してもアメリカが韓国側に留まってくれるほどに、韓国に価値があると考えているのであればこの行動も理解できなくはない。
 ですが、そもそも本当に韓国にそこまでの価値があるのか、という問題が生じてくるのですが。
 あるという側にオールインしているのでしょうね。

ルポ 絶望の韓国 (文春新書)
牧野愛博
文藝春秋
2017/5/19

中国「THAAD配備は撤回以外にない」→アメリカ「国会で審議? 防衛兵器を? 韓国は理解不能だ」……ムン・ジェインの腹案をいまこそ!!

THAAD:中国、韓国大統領特使に「撤回」迫っていた(朝鮮日報)
THAAD:韓国国内での論争に米議員ら「理解できない」(朝鮮日報)
 中国が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の親書を持って訪中した韓国の対中特使団に対し、韓半島(朝鮮半島)に配備された終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の「完全なる撤回」を強く迫っていたことが23日、分かった。中国側は、先週訪問した特使団に「THAADは中国の正当な利益を侵害する『脅威』だ。実質的な(撤回)措置がなければ韓中関係は難しい」と述べた。また、文在寅政権が推進しようとしている国会批准手続きに対しても、既に配備されたTHAADを正当化する手続きではないかとの疑念を抱いている。李海チャン(イ・ヘチャン)対中特使は24日昼、大統領府で文大統領に直接会い、こうした強硬な中国側の姿勢を報告するものと見られる。

 中国は文在寅政権発足以来、THAAD撤回を強く要求してきた。今月11日に行われた文大統領と習近平主席の電話会談でも、習主席が「最初の電話会談だが、THAAD問題に言及しないわけにはいかない」と、40分間の会談のうち約半分をTHAAD関連の話に割いたと言われる。このため、文大統領と習主席の電話会談の雰囲気は、安倍晋三首相との電話会談よりも沈んだものだったという。

 これに続く19日、習近平主席と対中特使団の面談では、習主席が中央の上座に座り、韓国の対中特使団は下座に座った。これは、THAAD問題が解決するまでは韓国との関係を以前と同じラインの上には置けないことを意味しているものと解釈されている。

 特使団の訪中後、国内では「限韓令(韓流禁止令)」解除への期待が高まった。中国の楊潔チ外交担当国務委員(副首相級)がTHAAD報復に対する韓国側の話を聞き、「韓国の懸念はよく分かっている。前向きに努力する」と話したと伝えられたからだ。ところが、中国側はこうした話と共に「(THAAD報復措置は)THAAD配備に激怒する中国国民の気持ちが作ったものだ」という従来の見解を繰り返したという。「THAAD撤回の方向へ中国国民の気持ちが向かなければ、(報復問題も)解決できないではないか。韓国も、中国と仲良くしなければうまくやっていけない」という趣旨の発言もしたことも伝えられた。THAADを撤回しなければ、後に悪い結果となるだろうと暗にほのめかすこともした。
(引用ここまで)
 韓国の与党「共に民主党」の尹官石(ユン・グァンソク)、蘇秉勲(ソ・ビョンフン)、申東根(シン・ドングン)議員、野党「国民の党」の金遽福淵ム・グァンヨン)議員、保守系野党「自由韓国党」の全希卿(チョン・ヒギョン)議員などからなる訪米議員団は25日(現地時間)、ワシントン特派員懇談会で訪米活動について紹介すると共に、このように語った。訪米議員団は、米国の上下両院の議員や国務省の主要人物、シンクタンクの関係者などと会った。

 金遽糞聴は「韓国でのTHAAD論争が配備の可否を論ずるところにまで至ったら、米国側の人物は深刻に受け止めそうだ」と語った。全希卿議員も「米国側から『一体、韓国ではTHAADのどの部分を問題にしているのか。手続き的な問題をいっているのか、さもなくば配備自体を問題視しているのか』と問い返された。(単に)気になって尋ねているのではなかった」と語った。

 これについて与党議員らは、米国側に「一週間前まで、国防部(省に相当)の長官が国会で『THAADは配備しない』と言っていたのに、突然配備した。手続き的な問題は明らかにあり、国会の議論が必要という趣旨で言った」と説明した。尹官石議員は「(韓米)双方の間の違いは明らかに存在していた」と語り、蘇秉勲議員も「対米外交は容易ではないと感じた」と語った。THAADの費用問題に関しては、「おおむね、『韓国が負担するというドナルド・トランプ大統領の発言の通りにはならないだろう』という意見だった」と議員らは伝えた。
(引用ここまで)

 はさまれてますねー。
 天安門で習近平、プーチン、パク・クネというスリーショットまで撮らせて「韓国はこちら側の一員で、我々の言うなりになっている」というように示していて、属国化を全世界にアナウンスしていた。
 大使にも「THAADが配備されるような自体になれば中韓関係は一瞬で瓦解する」とまでいわせていた。
 そこまでしておきながら、THAAD配備を許容してしまったら単純にメンツが失われるだけでなく、ラオスやカンボジアといった属国化してきた国に対しての示しがつかない。
 そのために飴と鞭も使い始めている
 もちろん、これには対米戦略の一環でもあるわけですね。

 一方でアメリカとしては配備にまで至ったものを撤回させることになれば、根本的な対中戦略変更を強いられる。
 とはいえ、韓国の完全レッドチーム化は想定シナリオに入っているとは思いますけどね。

 そもそもはパク・クネ政権でのどっちつかずのコウモリ外交がもたらしたシチュエーションではあるのですが。
 パク・クネを引き継いだムン・ジェインがTHAAD配備の是非を国会で審議するとか言い出して、もう混沌の極み。
 いまこそ、ムン・ジェインは大統領選挙中に誇らしげに述べていた「すべての陣営を満足させることのできる腹案」を提出すべきだと思いますけどね。そしてトランプに「トラストミー」と言うべきです。

 まあ、普通に考えればすでに在韓米軍が配備に至っているものに対して、「国会で決まったから」という理由で撤回を強いるとなれば米韓軍事同盟すら揺らぎます。
 かといってこのまま配備したままでは中国からの制裁は継続となる。
 戦時統制権返還を言い出したノ・ムヒョン政権の遺志を継いでいるムン・ジェイン政権であれば、これ幸いとばかりに米韓軍事同盟の瓦解を狙っていても不思議ではありませんけどね。

大国の掟 「歴史×地理」で解きほぐす (NHK出版新書)
佐藤優
NHK出版
2016/11/10

中国が手ぶらの韓国特使にTHAAD制裁解除の飴を与える……配備撤回ができなければ……?

「一帯一路」韓国代表団長「予定になかった習近平主席と会談」(中央日報)
韓経:「THAAD報復」解除の動き 中国人観光客の訪韓も再開?(中央日報)
習近平国家主席、韓国特使と面会した席で「中国も両国関係を重視」(中央日報)
「韓中関係、あってはならない挫折経験した」 王氏、韓国に障害物の除去を要求(中央日報)
習主席はこの日、韓国特使団と会い、文大統領の就任を祝いながら「文大統領が李海チャン元首相を中国特使として派遣し、韓中関係の重要な問題に対して疎通を図るようにしたことは、文大統領と新政府が韓中関係をそれだけ重視していることを示すものだ」としながら「韓国と同じく中国も中韓関係を重視している」と強調した。
(引用ここまで)
李特使はこの日、王毅中国外交部長と会談を行い、晩餐にも出席して両国の懸案について話し合った。王部長は会談冒頭で「昨年から中韓関係はあってはならない挫折を経験した。われわれが見たくなかったことだ」とし「韓国の新政府は当面の問題を直視し、中国側と疎通を通じて有効な措置を取ることにより、両国関係の障害物を取り除いてくれるようお願いしたい」と述べた。「あってはならない挫折」という言葉は韓国の高高度ミサイル防衛(THAAD)体系の配備決定と、それにともなう韓中葛藤を示す表現で、公式外交席上での発言であることを勘案すれば非常に強い表現と言える。王部長は、取材陣が見守る中、公開発言する間は厳粛な表情で一貫した。
(引用ここまで)

 ふむ、これは面白い。
 ムン・ジェインからの特使は日米中露独(EU)に5人が派遣されています。
 その全員がこれといった手土産なし。アメリカに対してもTHAAD配備の確定とかやっていませんし、中国に対してTHAAD配備撤回を確約しているわけでもなし。
 日本に対しても同様でしたね。親書を運んできただけでした。手ぶらの特使に過ぎなかったのですよ。

 それでも、中国はムン・ジェインの大統領就任に前後して対韓関係を好転させてきた。
 一帯一路会議では韓国代表に対して、予定になかったはずの習近平自らが会談する。
 特使に会うのなら序列ナンバー2の首相でもいいのに、今回も習近平自ら出てくる。
 そしてTHAAD制裁を解除する動きが出てきている。
 あくまでも「保留」ですけどね。
 関連業界にとっては恵みの雨となるでしょう。済州島への旅行なんかも許可が出ているとのことです。

 そのあたりが中国の小賢しいところですね。
 つまり、完全に断ってしまうのであれば対策を考えなければいけない。
 でも、こうして小出しに許可を出したりするのであれば、業者はその利益を享受する。そして、それがなくなれば「なんでなくなったんだ!」という怒りは韓国の為政者に向かうことになるのです。
 これまではTHAAD配備を決めたパク・クネの怒りの矛先をムン・ジェインと向けさせるためのリセットでもあり、なおかつムン・ジェイン政権への飴であるわけです。
 「我々側につくのであれば、こんな利点があるのだよ」という。実際には利点でもなんでもないのですが、それを利点に見せるところに巧さがあるというべきか。

 この猶予のうちに解決しろよと王毅外相は発言しているのですが、それが理解できているかなーというところですね。
 せいぜい国会対策をして「民意」を中国に(アメリカに)見せつけないと。

ムン・ジェインによってTHAAD配備の是非が国会審議に……それで賛成多数で中国が許すとでも?

THAAD:韓国国会で批准同意に向けた動きが本格化(朝鮮日報)
【社説】THAADのみ国会で審議、韓国与党は理由を説明せよ(朝鮮日報)
 韓国大統領府と与党・共に民主党は17日、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備問題と関連し、国会で同意を得る手続きを進める方針を明らかにした。

 共に民主党の禹元植(ウ・ウォンシク)院内代表はこの日、平和放送の、あるラジオ番組に出演した際、THAAD配備について「法的手続きに不備な点があれば、(米国に)送り返す問題を含め検討しなければならない」と発言した。 (中略)

韓国大統領府で外交・安全保障タスクフォース(特別チーム)の団長を務める鄭義溶(チョン・ウィヨン)氏も本紙との電話インタビューで「(16日に米国政府関係者と面会した際)THAAD配備の必要性とは別に、配備に向けた民主的手続きの問題を大統領が指摘していることと、それがわれわれの基本的な考えであることを説明した」と明らかにした。
(引用ここまで)
文大統領は選挙戦の際「国会での同意を得ること」と「米国・中国との交渉」によってTHAAD問題を解決する考えを示していた。また文大統領は腹案があるとも語っていたが、その内容は現時点では明らかになっていない。

 THAADは朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領と米国のオバマ前大統領が韓国での配備に合意し、現在はすでに運用が始まっている。今月14日に北朝鮮が試験発射を行った中距離弾道ミサイルもこのTHAADレーダーが捕捉していたという。そのため今になってTHAADを撤去するなど普通に考えれば到底不可能だ。もし新政府が国会での同意を推進する場合でも、それは「THAADを配備するのかしないのか」という同意ではなく、「THAAD配備を追認するもの」とならざるを得ない。それが常識というものだ。

 ただしこの「追認」という形の国会での同意も、問題はそう単純なものではない。韓国軍に新たな装備を導入する際、韓国の国会で同意を得る手続きを経た前例がない。例えばかつて在韓米軍が運用していた戦術核兵器でさえも、国会での同意など必要とされなかった。そのためTHAADに限ってその配備に国会での同意が必要となるなら、その理由を明確に説明しなければならない。 (中略)そう考えれば政府と与党が国会での同意を得ようとする理由はただ一つ。中国が反対しているという一点だけだ。だとすれば今後も中国が韓国軍の装備に反対の意向を示すたびに、国会で同意を得る手続きを進めるのだろうか。これは軍事主権を中国に渡すことに他ならず、その発想にはただ驚くばかりだ。
(引用ここまで・太字引用者)

 おや、国会での採決は「すべてを満足させる腹案」ではなかったのですか。
 ということは、THAAD関連ではまだまだ楽しめるということかなぁ。
 しかし、対応というか泥縄というか。面白いものですね。

 政府が決定すべき、軍装備の決定をなぜか立法府である国会に任せる。
 ということは、これからすべての外国製兵器の導入について国会審議を経るんでしょうかね。
 これからF-35もP-8もあるでしょう。大半の航空機はアメリカ製なのは間違いない。宇宙開発も大半は外国製でしょうし。
 部品単位だったらもっととんでもないことになるでしょうね。先日のK-2に搭載する「韓国製パワーパック」のはずがなぜかドイツ製部品が入っていましたし。あれもうたい文句は「純国産」だったんだよなぁ……。

 しかし、不思議なのは前回の「国会でTHAAD配備の是非を問う」って言い出したときに楽韓Webで指摘した「これは政治家による責任放棄だ」という話が、韓国マスコミからまったく出てこないことです。
 朝鮮日報や韓国経済新聞は多少の批判はしていますが、どことなく及び腰。
 「完全無欠のムン・ジェイン大統領様」を非難すると、どこからともなく韓国版紅衛兵が沸いてきて「こいつは反ろうそく革命だ!」って糾弾でもされるようになったんですかね。
 ……なってるか
 じゃあ、しょうがないかな。

 問題は「国会で配備賛成が多数」であったときに、中国が「それじゃあしょうがないね」といって許してくれるのか。
 あるいは「国会で配備反対が多数」であったから、在韓米軍に配備撤回を命令できるのかってことなのですが。
 どっちにしても、そんなものを聞き入れる必要性が米中ともにないと思うのですけどね。
 どちらかといったら配備差し止めを云々できる権限があるのは司法だしなぁ……。

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:韓国外交の暗雲」〈2017年5月23日号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本語版編集部
CCCメディアハウス
2017/5/16

韓国人記者「中国よ、アメリカよ、THAAD圧力で韓国が屈すると思うな!」→ロッテ「ほぼ限界です……」

【コラム】中国よ、米国よ、韓国が屈すると思うのか(中央日報)
韓経:THAAD報復損失 韓国8.5兆ウォンvs中国1.1兆ウォン(中央日報)
韓国ロッテ「限界近い」 中国のTHAAD報復で損失膨らむ(聯合ニュース)

弱者を苦しめる強者は卑劣だ。この世は汚く、卑劣なものだ。選挙の前後にはなおさらそうだ。冬の聴聞会で正義の使徒のふりをした14人もそうであり、高高度防衛ミサイル(THAAD)をめぐる米中の動きは見苦しい。人生でも外交でもやはり永遠の敵や同志はいない。

もともと見出しに米国はなかった。トランプ米大統領のあきれるような発言リレーを見て入れることになった。THAAD論争はもうつまらない。異例に機敏に動いた韓米政府のおかげで配備は既成事実化した。トランプ大統領がTHAAD配備費用分担を実際に要求してくればどうなるのか。持って帰れと言えばよいことだ。撤収費用は私の税金でも負担する用意がある。中国の韓国たたきはすでに度を過ぎているし、トランプ大統領の大統領でなく商売人のような発言はもう驚くことでもない。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長(トランプ大統領によれば「かなり賢い奴」)だけが笑って計算機をたたいているはずだ。

韓国内の反中情緒助長に熱心な中国政府はこれを読んで私を入国禁止にするかもしれない。勝手にすればいい。大韓民国の国民であるため幸せな私は、中国が真の大国になるまでは自分の意志で訪中しないつもりだ。世の中は広く、行くところは多い。平壌(ピョンヤン)に行ってみるのが希望だが、直航搭乗を望む。誤解しないでほしい。私は反中ではなく用中派だ。中国といつかは関係を回復しなければいけない。海の向こうには私たちに36年間も屈辱感を与えた日本という国もある。中国との焼けた橋は再建しなければいけない。しかし忘れてはいけない。中国は私たちにどんなことをしただろうか。

韓国に中国がここまでするのは、韓国はもう無視してもかまわない弱小国ではなく強小国に成長したという傍証でもある。私たちはIMF危機も金集め運動などで乗り越えた。中国当局のため優秀な韓国製品を購入できなければ中国の消費者には不幸だ。もし韓国化粧品を中国に輸出できず在庫が積もれば、私が買いだめして米国・日本・台湾の友人にプレゼントする。

振り返ってみれば、これはすべてリーダーの選択を間違えた私たちのせいだ。今度はしっかりと選ぼう。(中略)投票所の開所まで(5日0時基準)102時間。胸がときめく。
(引用ここまで)
THAAD(高高度防衛ミサイル)韓国配備による中国の各種経済報復の影響で、今年だけで韓国が8兆5000億ウォン(約8500億円)、中国は1兆1000億ウォン(約1100億円)の損失が発生するという分析が出ている。

現代経済研究院が3日に出した報告書「最近の韓中相互間経済損失の点検と対応案」によると、中国の経済報復で韓国は名目国内総生産(GDP)の0.5%ほどの被害が予想されている。一方、中国の被害は名目GDPの0.01%にすぎない。
(引用ここまで)
韓国のロッテが米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の配備用地として南部・星州のゴルフ場を提供したことに反発し、中国当局が大手スーパーのロッテマートやロッテ免税店などに対し報復とみられる措置をとってから3カ月目を迎えた。

 米国によるTHAAD配備強行と、大統領選を控えた韓国の政局などからみて、今月も中国がロッテや韓国への団体観光旅行に対する規制を解く可能性は低い。 (中略)

 3月から始まった営業停止が今月も続けば、ロッテマートの売上損失は約3000億ウォン(約297億円)台に膨らみ、3月に緊急投入した資金もほとんど底をつく状況となる。

 中国と韓国のロッテマートによると、中国の99店舗のうち74店舗が当局の消防点検を理由に5日現在も営業停止を強いられている状態で、13店舗は自主休業している。残りの12店舗も来店客が途絶え、ほぼ休業状態だ。2月末と3月初めに行われた中国当局の消防点検で軒並み「営業停止1カ月」を命じられた後、2カ月以上も状況の変化や改善がみられないことになる。

 営業停止中の74店舗のうち、68店舗は3カ月目になっても中国当局から営業停止の延長または解除などの判断を下されないまま、徹底的に無視されている。4月初めに正式に「営業停止1カ月延長」の命令を受けた6店舗も今月初めに期限を迎えたが、当局は営業再開のための現場点検の要請に応じていない。 (中略)

 ロッテの関係者は「年間1兆2000億ウォンを売り上げるメーカーが、3カ月にわたり工場の稼働を止めたと想像してみてほしい」とし、「緊急増資や担保融資などは商品の仕入れ代金として相当部分使いきった状態で、限界を迎えつつある」と現状を伝えた。
(引用ここまで)

 一番上の記事はTHAAD配備に対する中国の圧力が、1997年の通貨危機時におけるIMFの指導を思い起こさせているのだな、というのがよく分かるきじです。
 文中にある「金集め運動」というのは当時、タンスにしまってあった金(貴金属のほう)を持ちあって、IMF管理下から脱しようという運動があったのですよ。
 「化粧品が余るのなら買い占めてやる」という文章については、韓国にはそういった国民の底力的なものがあるのだっていう話をしているのだと思います。
 まあ、大きな思い違いがあるのですけどね。
 そもそもそういった危機に陥らずに、不況のレベルで押しとどめておくというのがまともな国なのです。

 このTHAAD問題にしても同様で。
 ここまでの状況に陥ってしまったこと自体が間違いなのですよ。
 アメリカの勢力下にあって軍事同盟を結んでいるにもかかわらず、中国にいい顔をして国家元首が抗日戦勝軍事パレードに出席してしまう。
 そのあたりで中国からは「もしもTHAADミサイルを配備するなら中韓関係は一瞬で崩壊する」と大使から警告されていたのです。
 そもそも北朝鮮の核開発、ミサイル開発についてなにもイニシアチブを取ることなく、むしろ経済援助で北朝鮮の台所をまかなってきたという共犯。開城工業団地なんて貴重な外貨獲得手段でしたからね。

 1)ミサイル開発を続ける北朝鮮に対してなんら対抗策を持たず
 2)中国にもアメリカにもいい顔をし続けて
 3)その両方から圧力をかけられる結果

 1、2、3のフェイズ、どの間であっても北朝鮮、アメリカ、中国のいずれに対してでもなんらかの対策を取ることはできたし、なんならそれ以前から動くことだって充分にできていたはず。
 できなかったのではなく、やらなかっただけ。
 むしろ、自ら主導してこの苦境に立っているというだけ。長期戦略を持たず、儲かりそうに見えるほうにふらふらと引き寄せられていただけ。

 そんな輩が「我々は屈さない」とか片腹痛いのですね。「韓国の卓越した外交手腕によって、いまや我が国はもってもてで困っているんですよ」とか目を疑いましたからね。予言しておきながらなんですが。
 韓国が小賢しく立ち回って小利を拾ってきた結果が現在なのです。

金価格は6倍になる いますぐ金を買いなさい
ジェームズ・リカーズ
朝日新聞出版
2016/12/7

韓国人の「中国は日本へのXバンドレーダー配備には無言だったのに韓国へのTHAADミサイル配備に圧力をかけるなんて!」という反論がまったく意味を持たない理由

【社説】中国が抗議すべきは韓国のTHAADではなく日本のXバンドレーダー(朝鮮日報)
THAADはもちろん完全とは言えないが、現時点で北朝鮮の核兵器やミサイルによる攻撃を防ぐのに必要な最低限かつ最善の防衛手段であることは間違いない。(中略)ところがどういうわけかこの程度の配備をめぐって国全体がこれほど大騒ぎになっており、しかも大統領への当選が有力視される候補者が「主権」という言葉まで持ち出して必死に反対している。過去に聞いたこともないような異常事態だ。もちろんその理由はただ一つ。「中国が反対しているから」というだけだ。実際に中国外交部(省に相当)は韓国へのTHAAD配備を受け「中国の利益を守るため必要な措置を取るだろう」と激しく反発した。(中略)

当初中国は「THAADレーダーの設置は中国を監視するのが目的」などと主張していたが、これも単なる言い掛かりだった。 中国が本当に抗議すべきは韓国に配備されるTHAADのような終末段階のミサイル防衛システムではなく、前方の探知を目的として日本に配備されているXバンドレーダーの方だ。中国は韓国を思い通り操ろうとすべきでなく、また韓国の進歩勢力も中国に同調すべきでない。
(引用ここまで・太字引用者)

 なんで日本のXバンドレーダーこそ文句をつけるべきとか言い出しているのやら……と多くの人が思うことでしょう。
 そのあたりの解説などしておきましょうかね。

 日本語版でのニュースでは出ていなかったというだけで、実は中国が韓国のTHAAD配備に文句をつけはじめた時点から「日本にはなにも言っていなかったのに、なんで韓国での配備だけ?」というような声はずっとあったのです。
 しかも、日本のXバンドレーダーは固定型で強力、韓国に配備予定のものは可搬型で低出力(日本に配備のものに比べれば)という違いまであるのです。

 ですが、韓国とは違って中国は日本へのXバンドレーダー配備に対しての文句を言ってきていない。
 不条理ではないかと。

 まあ、言わんとしていることは理解できないでもない。
 もし、日本と韓国の国の格が同等であるのなら、ですけどね。
 これは韓国にありがちな、「自分の価値を高く見積もりすぎている」ってヤツなのです。

 日本がそういう扱いを受ける(Xバンドレーダー配備でも文句が出ない)のであれば、韓国は当然それと同等かそれ以上の扱いを受けるべきだという認識があるのです。少なくとも韓国人の認識では。
 いまやっているIHO総会での日本海呼称問題でもそうですし、安倍総理のアメリカ議会演説なんかでもそう考えていた節があります。
 韓国が反対するのだから、アメリカは日本を敬った扱いをすべきではないと韓国政府自らが表明したことすらありました
 でも、実際の扱いはそうじゃない。

 中国にとって韓国はあくまでも数多くの舎弟のひとりくらいの扱い。
 言うことを聞かせないと他の舎弟に示しがつかないというような小物。
 一方で日本は別の一家の中堅くらいの扱いですかね。
 無理に言うことを聞かせようとしたら手痛い逆襲を喰らうことをレアアース禁輸で思い知ったんじゃないでしょうか。

 Xバンドレーダーでも同様のことで。
 問題はレーダーの出力云々ではないのです。
 そもそも、そんなことを中国が問題視してきたことはない。
 レーダーが可搬式か、固定式かなんてことも問題ではない。
 さらに言ってしまうのであればTHAADミサイルそのものですら問題ではない。

 「韓国が中国の意向を無視してTHAADミサイルを配備すること」自体が問題なのです。
 事前に「THAADミサイルが配備されたら中韓関係は一瞬にして破壊される」と駐韓中国大使が述べていたにも関わらず、その意向を無視して配備の約束をした。
 そして、在韓米軍が韓国に配備を行った。
 そのこと自体が問題であると中国は思っているのですよ。

 韓国が言うところの「対北朝鮮に必要な最低限の装備だ」とか、「日本のレーダーのほうが強力だ」なんて話は、まったくもって論点がずれているのです。
 問題の設定自体を間違うと、自ずと回答も間違ったものになるという典型例ですね。

[緊迫!北朝鮮]核心的問題点は「世界秩序のため日本はミサイル攻撃を甘受できるかどうか」 【橋下徹の「問題解決の授業」Vol.51】
橋下徹
プレジデント社
2017/5/16

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うちはそこらにありがちなゼノフォビアライクなところとは異なっており、文化的・文明的背景をもって「なぜこのようになっているのか」を解説して、大いに韓国を楽しんでしまおうというコンセプトの元に2002年から設立されているサイトです。単純に韓国が嫌いなかたは他を見てもらったほうが満足できるんじゃないかと。

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