楽韓Web

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労働争議

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韓国造船業が「高付加価値」を目指して開拓した海洋プラント事業、まったく受注できずに2000人以上の手が空く……それでも労組はスト決行

韓経:45カ月「受注ゼロ」…現代重工業の海洋プラント工場20日から稼働中断=韓国(韓国経済新聞)
原油とガス生産・ボーリング設備を製作する現代重工業の海洋プラント工場は20日から稼動を中断する。仕事がないためだ。2014年10月にアラブ首長国連邦から受注したナスルプラント(原油ボーリング設備)を19日に引き渡すとそれ以上やる仕事がない。現代重工業は低い人件費を前面に出した中国などに押されてナスルプラント受注から45カ月にわたり海洋プラントを1件も受注できなかった。

3月に英国の石油会社ブリティッシュペトロリアム(BP)が発注したトルテュ海洋プラントを中国コスコに奪われたのが代表的だ。現代重工業関係者は「トルテュプラントはわれわれと厚い関係を維持してきた欧州のエンジニアリング企業が製作費の安い中国企業と組んで契約を結んでおりさらに衝撃的だった」と打ち明けた。

プロジェクト1件が数兆ウォンに達し、未来の収益源に挙げられる海洋プラント分野で現代重工業、サムスン重工業、大宇造船海洋の韓国造船ビッグスリーが深刻な「受注の崖」に苦しめられている。ドリルシップ(海洋ボーリング設備)など7基を建造中の大宇造船海洋は2014年にカザフスタンのTCOプロジェクト(原油生産設備)を獲得してから海洋プラントの新規受注がない。サムスン重工業も昨年6月にモザンビークのコーラルFLNG(浮体式LNG生産設備)プロジェクトを受注したのが最後だ。

韓国企業の受注が途絶えた理由は中国とシンガポールなど競合国に比べて高い人件費のためだ。 (中略)

高賃金構造が受注の崖を呼び起こしたという指摘にもかかわらず、造船会社の労組は賃金引き上げを要求してストを実施し将来をさらに暗くしていると指摘される。海洋プラント工場が止まれば2000人ほどの遊休人材が生じるが、現代重工業労組は過去最悪となる1兆9232億ウォンの営業損失を出した2014年から今年まで5年連続でストをした。2015年から3回にわたり13兆7000億ウォンに達する公的資金を支援された大宇造船海洋の労組も先月スト案を93.4%の圧倒的な賛成率で可決するなどストの準備を終えた。 (中略)

韓国産業技術評価管理院が今年初めに発表した「2017年産業技術水準調査」によると、造船海洋分野で韓国と中国の技術格差は1.1年にすぎなかった。価格競争力で押されているところに技術格差まで急速に縮まっており、遠からず中国が世界の船舶受注を独占するという懸念も大きくなっている。英経済誌エコノミストは今年初めに「中国が技術面で予想より速く追い上げており、世界1位を走ってきた韓国の造船会社を脅かしている」という内容の記事を載せたりもしている。
(引用ここまで)
 韓国造船業の大手3社が2年で1兆円という巨額赤字を叩き出した理由が海洋プラントでしたね。
 できるできると言い続けて完成できずに遅延しまくり。けっきょくライセンスやら高額な一品ものの部品やらを外部から取り入れて大赤字で出荷せざるを得なくなったっていう。
 で、赤字を出しながらもなんとか完成・引き渡しして「さあ、なんとかノウハウも入手した。これから!」ってときにあっという間に中国、シンガポールなんかになんもかも持っていかれたっていう。

 何度か書いているように造船、自動車製造は他業種に比べて圧倒的に「人数を雇えることのできる産業」です。
 逆にいえば人件費の高低がそのまま製品価格に反映される部分でもありますね。同じ船種であれば材料価格は大差がないので。
 で、それを吸収するために韓国造船業は海洋プラントを選択し、日本は標準的なバルク船をいかにして早く作り上げるかという方向性に向かったのでした。
 日本の造船各社は特に円高放置時にはもう死に物狂いでやってました。ドック新造もできなかったのでそれ以外に手はなかったのですが。
 去年、ひさびさに今治造船がドックを新設して、メガコンテナ船をこれでもかとばかりに受注してましたっけ。

 韓国の場合は「高付加価値」というヤツに向かって失敗したわけです。LNG運搬船についてはけっこう成功してますけどね。ただ、LNG運搬船に関してもここ数年は中国がけっこう入ってきてます。

 で、現代重工業は海洋プラント用のドックが手隙になって2000人がなにもすることのない状況になったというのに、労組はストをしているっていう。公的資金を注入されている大宇造船海洋もストを目論んでいる最中
 まあ、ムン・ジェインの所得主導成長も、造船大手三社やヒュンダイ・キア自動車も労組もとことんまで行ってみるのがよいと思いますわ。もしかしたらそこに幸せがあるかもしれないし。


韓国労働組合出身者「こんなに格差が拡がるのだったら、30年も労働運動をするべきではなかった」と自己批判……まあ、もうすべてが遅いのですが

「韓国の労働運動、こんなことなら30年もやるんじゃなかった」(朝鮮日報)
 「韓国の労働運動が現在のように(労働者間の)格差を拡大・深刻化させ、構造化すると分かっていたら、私は労働運動をしなかっただろう。」

 文成賢(ムン・ソンヒョン)経済社会労働委員会(以下、労使政委)委員長=写真=は25日、国会環境労働委員会の業務報告に出席した際、野党・自由韓国党イム・イジャ議員との質疑応答で「30年間、私なりに正義だと信じながら労働運動をしてきたが、今になってみると正義ではないこともあった。それには民労総(全国民主労働組合総連盟)にも責任がある」と述べた。そして、「民労総はこれまでの慣行と決別し、新たな未来に向かって行かなければならない」とも語った。大企業・正規職労働者中心の民労総が既得権に執着するうちに強硬闘争中心路線を歩むようになり、結局は労働者間の格差を広げたという意味だと見られる。 (中略)

 これは、イム・イジャ議員が同日、「民労総は賃金や雇用などの既得権を手放したくなくて『光州型雇用』にも反対している。民労総に本心からの助言をしてほしい」と言ったのに対して、文成賢委員長が答えた言葉だ。光州型雇用とは、現代自動車の平均賃金(年間約9200万ウォン=約920万円)の半額程度に当たる年間3000万ウォン半ば−4000万ウォン台(約300万円半ば−400万円台)の賃金を受け取る新しい正規職雇用を創出する構想だ。しかし、労組は「正規職の賃金を下方平準化する『中規職』」だとして反対している。
(引用ここまで)

 何度も「民主労総(この記事では民労総という略称)は世界最悪の労働組合」と書いていますが、正確には労働組合のナショナルセンターであって、労組をまとめ上げている組織ですね。
 ただ、民主労総はある企業で労働争議があったときに他の労働組合から動員をかけたりするようなこともあって、闘争を厭わないことで知られている「世界最悪の労組ナショナルセンター」であることになんら変わりはないのですが。
 まあ、正確なことを一度書いておくべきだろうなということで。

 で、これまで「労働者の権利を獲得するために30年間、労働運動をしてきたがこれほどまでに格差が拡がるのであれば間違いだったとする民主労総出身の労働活動家が述べているそうですよ。
 なにをいまさらってとこですかね。
 少なくとも21世紀前後には大手労働組合に属している社員とそれ以外の格差は問題になっていましたよ。
 これまで30年も労働運動をやってきたのであれば、どう少なめに見積もっても労働運動の半分は間違いに費やしてきたといっても過言ではないでしょうね。
 なにしろ「労働組合に所属している労働者は世襲制でその子女まで雇用が約束されている」のですから。
 そんな世界を好んで作ってきたのはキミたちでしょってことです。
 民主労総傘下の金属労組に所属しているヒュンダイ自動車の労働組合の重鎮が「韓国国内の工場はロシアや中国といった海外工場になにひとつ敵わない」と告白(自己批判?)していましたが。
 巨大な怪物である財閥に対抗するために自らも怪物と化していることに気がつきはじめたってとこですかね。
 ま、もう戻ることはできないのですが。

 ところで光州市が主導して「他の自動車製造工場の半分の賃金でいいので工場を建ててください」というプロジェクトが進行しているのですが。
 案の定、民主労総は反対に回っているそうですよ。
 うん、知ってた

「オルグ」の鬼 労働組合は誰のためのものか (講談社+α文庫)
二宮誠
講談社
2016/3/16

ヒュンダイ自動車と地方自治体が協力して「給料半分の工場」を建設へ……労働争議で荒れた未来しか見えないのですが

22年ぶり韓国国内に自動車工場建設…年俸は現代車の半分(中央日報)
光州市(クァンジュシ)が推進してきた新規自動車工場建設事業が本格化する。現代自動車グループが事業のための議論に公式的に参加することになった。予定通り2020年に完工する場合、1998年に稼働したルノーサムスン釜山(プサン)工場以来22年ぶりに国内自動工場が誕生する。特に光州市は雇用拡大のために新規工場の職員の年俸を現代車の平均賃金の半分にもならない4000万ウォン水準に維持する計画であり、波紋は大きいと予想される。

光州市と関連業界によると、現代車グループはこの日午後、光州市に新規工場建設事業に対する投資意向書を提出した。本格的な事業参加のために光州市など事業関係者と議論を始めるということだ。現代車が事業の検討を始めたことで、状況を眺めていた他社の投資も続く可能性が高まった。

自動車工場の建設は光州市が主張する「光州型雇用政策」の核心だ。光州型雇用政策とは、労使間の協議と社会的な大妥協を通じて適正賃金を業界平均の半分ほどに抑える代わりに雇用を増やすというものだ。しかし実現する可能性が低いという指摘が多く、実際に参加の意思を表す自動車企業もなかった。 (中略)

着工まで越えるべきヤマも多い。自動車業界の労働組合の反発も考えられる。ソウル大経営学科のキム・スウク教授は「労使間の葛藤解消と社会的妥協、適正賃金を通じた生産コスト削減などが成功すれば、国内産業全般に影響を及ぼす新しいモデルになる可能性がある」と評価した。
(引用ここまで)

 地方自治体が半額ていどの賃金でを保証する形で工場を作ってくれ、というものです。まだなにも決まっていませんが、ワークグループを作ろうという話は出ている。
 この「とにかく雇用を!」という提言は延々とあったものなのですね。
 特に自動車や造船は人数を必要とする工場なので、大きく雇用に影響します。
 韓国GMの群山工場が閉鎖されたこともあって、全羅北道の出生率に影響があったなんてことがつい先日報じられていましたね。

 楽韓Webでも2015年の時点で光州がこの給料半額工場を画策していることを報じています。
 そのときにも書いたのですが、果たしてヒュンダイ自動車労組がそれを看過できるかどうかというのが最大の問題となるでしょう。
 「彼らは搾取されている!」だのなんだの言い出しかねません。

 その一方でこの施策は不満と不公平感を育てるだけだと思うのですけどね。
 同じ仕事をしているはずなのに、光州広域市が関わっているからというだけで年俸は半分扱い。
 当初はありがたく思うでしょうね。「今時の韓国で安定した職に就けるなんて」くらいの感じで。
 でも、他の工場で働いている労働者の半分と考えると不満が膨らんでくる。
 人間とは得てしてそういうものです。

 そしてそんなときに民主労総やその傘下の金属労組(自動車業界の労組を統べる組合)がこう囁くのですよ。
 「同じ労働をしているのに、給料が半額なんておかしいと思わないか? 一緒に戦おう」とかなんとか。
 給料が倍になるかもしれない、という誘惑に耐えられる人間はどれだけいるんでしょうかね。
 わざわざ労働争議の種を撒いているようにしか見えません。

共産主義者宣言 (平凡社ライブラリー766)
カール・マルクス
平凡社
2015/8/27

韓国GM労組、「今日の5時になれば法定管理」に屈して経費削減要求を丸呑み。暫定合意を結んでしまう

政府「韓国GM、23日午後5時過ぎると確実に法定管理に行くつもり」(東亞日報・朝鮮語)
韓国GM労使、賃金団体協議暫定合意... 法定管理避け(聯合ニュース・朝鮮語)
労使交渉に難航している韓国GMのリストラのコントロールタワーの企画財政部の高官が「期限の23日を過ぎると、法廷管理に行くしかない」と話した。韓国GM労使が当初20日の交渉期限を23日に延長したが、追加の延長は、GMだけでなく、政府としても容認するのは難しいという意味を表わしたものである。

米国GM本社が労使合意期限を再延長したり、韓国GMが法廷管理(会社更生手続)を申請しても、株主総会の議決過程で労使が劇的に妥結する可能性もある。しかし、韓国GM労使が継続時間をドラッグすると、政府としても韓国GMの法定管理申請を防ぐが困難になった。
(引用ここまで)
韓国 GM労使が法廷管理するかどうかを決定する「デッドライン」の23日、劇的に自己救済計画に合意した。
韓国 GM労使は同日、仁川富平工場で2018年度の賃金と団体協約(賃金団体協議)交渉を行い、暫定合意案を用意したと発表した。

労使は去る2月7日の初顔合わせの後、14回に渡る賃金団体協議交渉の末、この日、最終的に暫定合意に達した。
双方は、争点だった群山工場労働者の雇用保障の問題と関連して、徹夜の議論の末折衷点を求めた。
労使は希望退職後群山工場に残った労働者680人の希望退職と転換配置を行い、無給休職は実施しないことにした。
希望退職施行以後残留人員については、希望退職の終了時点で、労使が別途合意する計画だ。

労使は経営正常化のために賃金凍結と成果給の未払いに合意した。
(引用ここまで)

 日刊韓国GM。おそらく最終回。
 なんと朝の5時から労使交渉を行い、法定管理申請まで残り1時間を切ったところで労使が妥結に至りました。

 で、合意の中身を見ると労組側が韓国GMの言い分を丸呑みしているのに等しいもの。
 閉鎖される群山工場でこれまで希望退職に応じなかった680人については追加の希望退職は募集する。レイオフはしないものの、場合によっては他の工場への配置転換で対応する。
 金額は未定ですが、もめていた福利厚生費も削減の方向。
 賃金凍結と成果給の支払いなしにも同意。
 労組の要求していた転換株式の労組員への配布、知的財産権の譲渡、10年間の雇用保障などもなし。もちろん、群山工場の再開もありません。

 金曜日だったデッドラインを今日までに延長させたキム・ドンヨン副首相兼企画財政部長官はG20財務相会議から急いで帰国したものの「労使が苦痛を分かち合わなければならない」と原則論を語るのみ。
 労組側の味方になるつもりはない、という表明をしたのも大きく作用したのかな。

 一応、新型SUV、CUVの生産を割り当てられたので稼働率、利益率も上昇する……はず、という想定なのだそうですが。
 今回のことで韓国GMに対する信頼度は地に落ちたでしょうから、国内需要はゼロも同然。
 まあ、おそらくは輸出がメインとなるのでこれはこれであり、なんでしょうかね。


韓国GM労使、週末も交渉 → 条件に怒った労組が社長に椅子を投げようとする → 決裂

韓国GM労使「13次交渉中断... 今後のスケジュール議論中」(ニュース1・朝鮮語)
韓国GM( GM)労使が13回賃金団体協議交渉を中断した。
韓国GM労組によると、この日の午後1時から仁川富平工場で再開された第13回賃金団体協議交渉を中断した。
この日、使用者側は交渉が開始されると、以前に提示した「群山労働者5年無給休職」を4年にするとの修正案を示し、「経営正常化のための将来の発展の展望」は後日発表するという立場を明らかにした。
労組は使用者側の要求に強く反発して、25分には閉会を要請した。

また、一部の組合員がカハー・カゼム社長に椅子を投げようするなど騒ぎを起こそうとしたと伝えられた。
(引用ここまで)

 土曜日の今日も一応、韓国GMの労使交渉があったことはあったのですよ、ということで。
 で、韓国GM側は修正案を持ってきたのだけども、その内容に労組側が激怒。
 カハー・カゼム社長に対して椅子を投げようとした組合員がいたということで団体交渉は中断。
 その間、わずか25分。

 まあ、韓国GM側も「レイオフの期間を5年から4年にしてもいい」っていう、本当にどうでもいい条件修正案を持ってきたってことでかなり煽り気味にしていますけどね。
 あえて煽って時間を潰そうという意図なのかとも思えるほど。
 それにまんまと乗ってしまう労組側もアレですが。
 これは合意する気ないな、韓国GM。政府からの支援がないかぎりは出ていく、というのは既定路線なのでしょうね。

真・デッドラインまであと2日。

真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日 Blu-ray BOX
バンダイビジュアル
2010/09/24

韓国GM、今日が交渉デッドライン。労使合意できなければ20時にも法定管理申請が決定。30〜50万人規模の雇用に影響か

韓国GM「運命の日」、理事会で法定管理議論( アジア経済・朝鮮語)
韓国GMが米国本社が定めた自己救済案提出デッドライン(20日)を迎えた。運命の岐路に立った韓国GMはこの日の午後遅くに理事会を開き、法廷管理申請を議論することが分かった。
20日、自動車業界によると夕方に韓国GMは緊急理事会を開く。理事会には、カハー・カゼム社長と債権団である韓国産業銀行の役員理事などをはじめ10人が参加すると伝えられた。米国の理事は、ビデオ会議システムを活用して理事会の議論に参加する予定である。

理事会では、主として「法定管理申請」に関する意見を交わすと予測されている。以前にダン・アンマンGM総括社長は「構造調整合意期限は20日であり、合意に至らなければ法定管理を申請する」と述べている。

法定管理の分水嶺である労使の賃金団体協議合意が進捗を見せておらず、展望を暗くする。韓国GM労使は前日の19日には8時間以上の賃金団体協議交渉を行ったが、隙間を狭められなかった。
企業側は、コスト削減の問題を優先合意しようという立場であるのに対し、労組は群山工場の従業員(680人)の問題と将来の発展方案などをコスト削減と一括妥結しなければならないという立場を固守している。
韓国GM関係者は、「緊急事態といえる。労働組合と会社の将来を議論することができる場所を作成するために努力する」と述べた。
(引用ここまで)

 日刊韓国GM情報。
 昨日は14時から8時間に渡って労使交渉が行われたのですが、妥結することはできませんでした。基本的に労使の主張はこれまでと同様、一切交わっていない感じですね。
 さすがに午前に法定管理申請ということはなかったようなので、夕方まで交渉自体を行うかどうかの話し合いが行われる模様。
 労組側はいまだに「韓国GMは違法行為を行っている企業である」という前提の下で強気の姿勢を崩していないのですね。
 昨日の中央日報の「違法行為はなかった」という記事がどんな感じで作用するかも見ものではあります。

 で、デトロイトのあるアメリカ東部標準時の早朝にあたる韓国時間の夕方から緊急理事会が行われるとのこと。
 それまでに自己救済案に合意形成ができなければ韓国GMは一巻の終わり。
 裁判所は事業清算させたほうが債権団にとって利益が高いと判断するでしょうから、事業清算することになるでしょう。
 事業清算となれば解雇しほうだい。
 群山工場閉鎖時の希望退職に伴う慰労金も支払わなくてOK。
 韓国から工場ラインも持ち出して、他の国の工場に持っていく等々も可能になる。
 ……なんだ、GMにとって悪いことなんかなにもないですね。
 おそらく韓国での販売はやりたいといってもできなくなるでしょうが、まあそれも考慮しての結果となるでしょう。

 最初から事業清算を狙っていたというのは穿ちすぎな見方でしょうが、事業再生してもよし、清算してもよしとどちらでもいいように都合をつけていたというのは実際でしょう。
 おっと、最新の情報では夕方とされていた緊急理事会は韓国時間で20時に後ろ倒しされたそうです。
 まだ多少の希望はある、といったところですかね。

自動車会社が消える日 (文春新書)
井上 久夫
文藝春秋
2017/11/17

韓国GM労組「米GM本社は違法に韓国GMを搾取している!」→韓国メディアが真相を調べてみた結果……

韓国GM「食い逃げ論」3大疑惑、よくよく見れば労組が間違っていた(中央日報)
ゼネラルモーターズ(GM)本社が提示した韓国GMの法定管理(裁判所主導の企業回生手続き)時限(20日)が迫っているが、労使は自己救済案について合意をできずにいる。このような状況下で、民主労総と与野党政界はGMとKDB産業銀行に対する批判を強めている。米国GM本社が韓国GMの利益を隠匿しており「渡り鳥」行為を繰り広げ、これを2大株主である韓国産業銀行が適切に防げなかったということだ。しかし、中央日報がGM本社の高金利ローン、過度の研究開発費の負担、米社の不合理な完成車・部品取引疑惑など韓国GM不良が原因で提起される3つの疑惑をGM本社の年次報告書(GM 10-K)と韓国GMの会計帳簿・信用評価報告書などをもとに分析した結果、特別な問題は発見されなかった。

まず、労働組合と政界はGM本社が韓国GMに年5.3%と4.8%の金利で1兆1000億ウォン(2017年末)を融資しているのは、「本社が韓国GMの利益を引き抜きのための高金利ローン」と主張する。高金利の融資は低金利でお金を借り、途方もなく高い金利で貸し出すときに成立する概念である。しかし、韓国GMへ融資したGM本社も4〜5%の金利で外部からの資金を借りている。GM本社も負債比率が507%(2017年末基準)に達するなど、財務状態がよくはないのでクレジット格付けが低いためである。国際格付け会社ムーディーズは今年2月、GM本社の信用格付けを「Baa 3」に評価した。韓国信用評価社基準では「BBB -」の評価である。一段階だけ落ちても社債では、資金調達が困難な投機等級(BB +以下)となる。信用が良くない本社が多少高い金利でお金を借りて子会社に似たような金利で融資することを「高金利で商売をする」と見るのは難しいだろう。

本社が韓国GMに過度の研究開発費を負担させたという疑惑も根拠が欠けている。オ・ミンギュ全国非正規労組連帯会議政策委員は10日、「韓国GM不良、本当の原因究明大討論会」で、「韓国GMの研究開発費の支出は、2003〜2006年の平均2700億ウォン水準で、2007年〜2016年まで6000億ウォン規模で跳ね上がった」と指摘した。

しかし、2003年から2017年までに韓国GMの売上高比の研究開発費の支出額の割合を調べると、すべての3〜4%で一定の水準を保っていた。研究開発費の絶対額が増えていた時期は、売上高も同じ比率で増えていたのだ。これは、海外現地法人の売上高の割合に応じて、海外子会社全体の研究開発費の支出額を分配する「コスト分担協定(Cost Share Agreement)」に基づくものである。海外子会社全体に適用される同じ研究開発費の処理基準があるので、韓国のみ過度の研究開発費を支出させたと考えるのは難しいだろう。パク・ヘホ韓国GM部長は「監査報告書に開示されていないが、支出された研究開発費の相当部分を本社が再び返すポリシー(役務の売上収益)もある」と説明した。

この他、本社が完成車と部品を不当な高価格で韓国GMに売却しているという疑惑も「経済協力開発機構(OECD)規約に基づいて、すべての海外支社で同じ価格で完成車と部品を取引している」というのが会社側の説明である。産業銀行実態調査チームもこれを確認するために、海外子会社の部品仕入れ状況を閲覧したりしたという話だ。 (中略)

不良原因を正確に把握したのであれば、代案もこれに合わせなければならない。このような巨視的な状況は、韓国政府と政界が変えることは難しい。また、GMが韓国市場から撤退するかどうかはGM本社の経営判断であり、これに関与することもできない。GMが韓国から撤退しても構わないというのであれば、韓国政府はこれに合わせて失業対策を考慮しなければならない。あるいは韓国GMを韓国に残留させることを望むのであればそれなりの理由を提示すべきだ。技術に優れたパートナーが多く、将来の技術を迅速に受け入れる韓国市場の利点を生かして韓国の工場の高コスト構造を克服するのであれば、GMも引き続き韓国でビジネスをする理由となるだろう。現代自動車やサムスン電子など韓国を代表する企業が海外生産基地を撤収するか否を決定するのと同じ基準でGMを見なければならない。
(引用ここまで)

 アメリカのGM本社が韓国GMを違法に搾取しているという主張があるのですよ。
 曰く……

・5%前後という高利で韓国GMへ貸し出しをしている。
・韓国GMに高額の研究開発費を負担させている。
・部品、完成車を韓国GMにだけ高く販売している。

 そういう主張があるからこそ、韓国GM労組は明日にも法定管理申請されようかという状況下でも「群山工場閉鎖を撤回しろ」みたいな強気の交渉に出ているという側面があるのです。
 先日の「韓国GM労組は法人としての韓国GMの刑事告発も視野に入れている」というのは、これらのことについての模様ですね。
 韓国GMの労組の上位団体にあたる金属労協、民主労総あたりが「韓国GMを国有化すればいい」というような話まで出しています。
 国有化云々は高利貸し等が業務上横領に当たるという主張に立脚している、ということらしいのですよ。
 韓国GMを韓国政府が接収して工場を引き継げばいい、みたいに思っているようですね。
 GMのバッジがつけられないものをどうやって売るのかさっぱりなのですが。
 労組側が知的所有権を寄越せ云々と言っていたのは、このあたりの戦略にもからんでいたのかな。

 ところが、中央日報が調査したところそういった事実はまったくなかったというオチ。
 この調査が本当であれば、これまで「韓国GMは違法企業だ」みたいに言っていた話がまったく通用しなくなってしまう。
 ですが、これが判明してもデッドラインまではあと1日。
 韓国GM側は20日になったら即法廷管理申請ということはせずに、ギリギリまで待つという姿勢のようですが。
 さて、どうなりますことやら。
 韓国GM最後の日まであと1日半。

そういえば日本のSF第1世代は豊田先生くらいしか生き残ってないなぁ……。
「宇宙戦艦ヤマト」の真実――いかに誕生し、進化したか (祥伝社新書)
豊田有恒
祥伝社
2017/10/10

韓国GMの労使交渉、またも決裂! 韓国GM「いくつか妥協案を……」→労組「我々の要求を全部受け入れなければ意味がない!」

韓国GM賃金団体協議交渉決裂... 労組、使用者側修正案に反対(聯合ニュース・朝鮮語)
リストラを続けている韓国GMが18日、労組との賃金・団体協約(以下賃金団体協議)交渉で労組がコスト削減にまず合意すれば群山工場の従業員を対象に、追加の希望退職と転換配置をすることができる修正提示案を出した。

しかし、労組はコスト削減の合意にかかわらず、群山工場の問題から解決しなければならないという態度を維持し、交渉が決裂した。 韓国GMによると労使は同日午後1時から約2時間、仁川富平工場で2018年度の賃金団体協議第9回交渉を行った。
今回の交渉で会社側は20日までに1千億ウォン規模の福利厚生費の削減を骨子とする自己救済案に、最初に合意しなければならない従来の立場を維持した。20日は、ゼネラルモーターズ(GM)本社が定めた「デッドライン」である。

ただし、企業側は労組が要求した群山工場の労働者の雇用問題への代替案を「別途提示しない」という形で、この日初めて出した。
企業側はコスト削減に合意するのであれば、希望退職後に群山工場に残っている労働者680人が解雇を避けるように再度の希望退職、配置転換、無給休職施行を検討することができると明らかにした。
具体的には群山工場の従業員を対象に希望退職を1回追加で実施して富平・昌原など他の工場の状況に応じて段階的に転換配置する案を提示したと伝えられた。
また、転換配置から除外された従業員に対しては、生産能力が正常化されている2022年までの5年以上無給休職を施行することができると述べた。

同社の関係者は「労組が重要項目として掲げた群山工場の従業員の雇用問題を円満に解決するために努力しようという意味で、非常に進展した案を出した」と述べた。
これと共に、企業側は新車割り当てと関連して、富平工場で2019年末からトラックス後継車にあたるスポーツユーティリティ車(SUV)モデルの生産を開始して2021年に追加SUVを生産する計画を労働組合に伝えた。
昌原工場ではクロスオーバーユーティリティ車(CUV)の生産を2022年から開始すると明らかにしたことが分かった。

しかし、労組は群山工場の雇用と新車割り当て問題を先に確定してコストを削減自己救済案と一括妥結しなければならないという立場を固守している。
労組の関係者は「企業が一方的に提示した案は受け入れられない」とし「労組が十分に苦痛分担をしなければならないが、企業側が新車割り当てを含む将来の発展の展望確約と群山工場人員雇用問題など2つの重要要求に対して回答した後になって可能だろう」と述べた。
この関係者は「企業側提示案は今月20日より前に合意すれば効力が発生するという内容も含んでいるが、これは話にならない」としながら、できるだけ早いうちに後続交渉をすることを要求した。
(引用ここまで)

 日刊韓国GM情報〜。
 昨日は9回目となる労使交渉が行われました。

 韓国GM側からは群山工場の労働者にとって有利な形での希望退職は1回だけで、これ以降は一切の希望退職募集は行わないというアナウンスがあったのですが。
 それを撤回して群山工場からさらなる希望退職者を募集するという妥協案が出てきました。
 希望退職者には慰労金として2〜3年分の賃金と子女がいる場合は進学費用、そして韓国GMの自動車を購入する場合は1000万ウォンの支給……っていうような内容でしたね。
 かなりの好待遇。
 まあ、逆にいえば群山工場の閉鎖の方針自体は変わらない。

 労組側の要求はそもそも群山工場の閉鎖撤回であって、希望退職者募集の再開ではないということで席を立ったとのこと。
 韓国GM側もそれが分かった上で煽っているのでしょうけども。
 うまいこと時間稼ぎに使われているってところでしょうかね。

 それに加えて3月30日で期限を迎えて消滅したはずの新車生産導入にも前向きな発言があったとのこと。
 韓国GMが韓国から撤退するという最大の理由は「韓国の工場は稼げないから」というもので、それを改善する一手として利幅の大きなSUV、CUVを韓国工場に任せてもいい……という方針なのですが。
 逆にいえば全世界のどこでも利益が取れるような車種を任せて利益が上がらないようだったら……という部分でもありますかね。
 ヒュンダイで小型SUVの生産が足りなくなりそうで、韓国国内工場でも生産させようとしたら「労使協定違反だ!」としてストライキをはじめていましたが。
 あれは海外工場と同一車種を作らされるとその生産性が浮き彫りになるから、という部分もあるのだろうなぁ。

 これについても労組からは「我々の(工場閉鎖撤回などの)要求を容れないのであれば意味がない」と拒絶。
 わけがわからないよ。
 まあ……グローバルスタンダードに乗せられるのを拒絶しているのでしょうね。
 自分たちの立ち位置というものを独自のものにしておけば、生産性が劣るという現実から目をそらすことができますから。

 今日はもう1本、韓国GM関連のエントリを書く予定です……というか、このエントリに容れようと考えていたのですが、思ってたよりも内容が濃くなってしまったので別に分けたというか。
 韓国GM最後の日まであと2日。

おっと、プライムビデオに登録されていた。
魔法少女まどか☆マギカ
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うちはそこらにありがちなゼノフォビアライクなところとは異なっており、文化的・文明的背景をもって「なぜこのようになっているのか」を解説して、大いに韓国を楽しんでしまおうというコンセプトの元に2002年から設立されているサイトです。単純に韓国が嫌いなかたは他を見てもらったほうが満足できるんじゃないかと。

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