楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

弾劾

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韓国の世論調査に見る「大したことをしていないパク・クネが弾劾にまで至った理由」とは?

韓国人の6割が将来を悲観 「今より上流になれない」=世論調査(聯合ニュース)
 韓国の保健社会研究院が3日に公表した報告書によると、成人1601人を対象に実施した世論調査で回答者の59%は将来、現在より高い社会階級に属すことはできないと考えていた。

 56%は現在の自分の社会階級が過去に比べて高くないと回答した。

 94%は血縁や地縁、学閥などの影響を受ける韓国社会が公正ではないと認識していた。

 自らの政治思想については、27%が保守、28%が中道、31%が進歩(革新)と答えた。

 自分の全般的な生活に関しては、48%が「普通」、34%が「満足」、18%が「不満足」と回答した。

 調査は昨年7月に実施された。
(引用ここまで・太字引用者)

 韓国国民の成人は94%が「この社会は公正ではない」と考えている、ということですね。
 ざっと20人いたら19人は社会が公正ではないと考えている。
 ほぼ全員です。
 もちろん、学校や企業といったクラスタによっては変わってくるのでしょうし、質問のしかたによっては数字が低くなることもあるでしょうけども。
 それでも韓国人のほとんどが社会が公正ではないと感じているのは間違いないところでしょう。

 この世論調査で注目したいのが実施時期。
 去年の7月。つまり、まだチェ・スンシルによる国政介入事件が露わになっていない頃なのですよ。
 歴代の大統領も同じようなことをこれまでやってきた中で、なぜパク・クネだけが弾劾されたのかというのは、こういった「社会的不公正さ」が韓国人の中に溜まってきたことが大きな原因といえるのですよ。

 これまでは「それでも経済成長はしてきているし、未来はまた変わるのかもしれない」という期待があった。たとえIMF管理下に置かれていても「ここさえ過ぎればまた豊かになれる」という希望があったのです。
 ですが、現在の韓国経済は「閉塞」のまっただ中。
 10大財閥ですら雇用者を減らしている状況
 この世論調査のいうところの「59%が現在よりも高い社会階級に移ることはできない」と考えている状況なわけです。

 公正さがなく、かつ希望をも失ったからこそ、パク・クネは弾劾されるところまでいかなければならなった、ということなのですね。
 韓国人がこれを「ろうそく革命」であると主張している気分がちょっと分かるんじゃないでしょうか。
 そして、不公正さの象徴である最大財閥の副会長が逮捕されることで喝采を上げ、革新を目指す新たな大統領が選ばれる……となる。

 その向こう側には本当に「公正な社会」があったり、「希望の持てる経済」が存在しているんでしょうかねー。

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韓国メディアが「読売新聞の弾劾を否定するような社説は行き過ぎた干渉だ」と書かなくてはいけない理由

[記者手帳]日本マスコミの“度を越した”報道をどう見るべきか(ハンギョレ)
読売新聞、憲法裁判所判決に「国民の声におもねったとすれば行き過ぎだろう」(ハンギョレ)
 10日、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の罷免決定に対する日本マスコミの報道態度もこれと似ている。日本の保守を代弁する読売新聞は12日、朴前大統領の罷免を確定した憲法裁判所決定に対して「憲法裁判所が大統領罷免を要求する国民の声におもねって権力を行使したのなら行きすぎだろう」と主張した。それと共に、韓米日3角同盟深化、THAAD配備決定維持、12・28合意尊重を要求した。日本の口に合うように韓国の国家利益を規定した後、干渉して、入れ知恵して、罷免決定が下されると癇癪を起こすような態度だ。

 安倍晋三政権は彼らの支援を背景に韓国の新しい政権が朴槿恵政権の外交・安保政策を修正しようとすれば、多様な報復措置を次々と与えると予想される。日本マスコミの「大陸浪人」のような報道を見て、韓日関係の本質は100余年前と全く変わっていないことを改めて痛感する。
(引用ここまで)
 日本の保守を代弁する読売新聞は12日、朴槿恵大統領の罷免を確定した韓国憲法裁判所の10日の決定に対して「司法の行き過ぎた政治的決定か」というタイトルの特別社説を載せた。社説で同新聞は、憲法裁判所が「朴氏が崔被告の国政介入を隠蔽し、政府から独立して捜査する特別検察官や検察の取り調べに応じなかったとも指摘した。(それにより)朴氏には『憲法を守る意志がない』と結論づけた」として「憲法裁が、大統領罷免を求める国民の声に阿(おもね)って権力を行使したとすれば、行き過ぎだろう」と指摘した。進歩と保守を合わせた8人の韓国の憲法裁判官が下した「全員一致」の決定に対して、外国のマスコミが「国民におもねった政治的決定」ではないかと疑問を提起するのは行き過ぎた干渉と受け止められる。
(引用ここまで)

 ハンギョレは今回の弾劾騒ぎを「世界史的にも類例を探し難い市民革命の貴重な勝利」と位置づけているというエントリを以前に書きましたが。
 その素晴らしい市民革命に読売新聞が文句をつけている、という構図なのですね。

朴大統領罷免 司法の行き過ぎた政治決定か(読売新聞)

 このコラムで「憲法裁判所の判断は国民の声に阿って、法理をねじ曲げた」というようなことが書かれています。
 実際、鈴置氏やシンシアリーさんから同じような声が上がっていますね。
 憲法裁判所は主観だけでパク・クネを裁いたのではないか、と。

 でも、ハンギョレ曰くこのように外国マスコミが「韓国の市民革命」に対して疑義を呈するのは行き過ぎた干渉であると。
 これ、自分たちの業績に文句をつけさせたくないという心理も働いているのでしょうが、それ以上に「韓国人に真実を知らせてはいけない」という焦燥も見て取れますね。
 だからこそ、社説ひとつにこんなに神経を尖らせなくちゃいけないのです。
 そこまできっちりと自分たちの心理を把握しているかはともかく、「これを知らせてはいけない」「否定しておかなければならない」という心理が働いているように見えます。

 憲法裁判所の判事が告発されていない罪状で弾劾を成立させてしまった。それも判事全員が賛成するという異様な光景の中で。
 ハンギョレがいうところの「素晴らしい市民革命」が、実際にはポピュリズムからしか成り立っていないという真実に光を当てるのはいまの韓国社会では厳禁なのだ、ということなのでしょう。

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SAPIO編集部
小学館
2017/03/04

パク・クネは本来、弾劾されるべきではなかった……韓国の国民情緒法で裁かれた結果

「儒教式法治」を極める韓国(日経ビジネスオンライン)
──「宣告がおかしい」という意見は、韓国紙の日本語版には見当たりません。

鈴置:韓国語版も同じです。保守、左派を問わず韓国紙は「朴槿恵下野」を要求してきましたから、自分たちの主張に沿った宣告に疑義は挟みません。ただ瞬間的にですが、宣告に首を傾げる法曹関係者の姿が垣間見られました。

 TV朝鮮の「<ニュースを撃つ> 弾劾審判 憲法裁判所の要旨…「容認」決定の争点は?」(3月10日、韓国語の動画)で、です。

 座談会の焦点は、大統領の友人、崔順実(チェ・スンシル)氏による「国政壟断事件」に関し、朴大統領が罷免されるに足る憲法・法律違反をしたか、でした。

 国会がそれ以外の訴追事由としてあげた言論の自由の侵害や、旅客船「セゥオル号」沈没の際の行動に関し、憲法裁判所は宣告の中で罷免するには当たらない、との判断を示したからです。

 この座談会で、ヨ・サンウォン弁護士(前・ソウル地裁副所長)とイ・サンギョン弁護士(前・憲法裁判所裁判官)の2人が大略、以下のように述べました。

憲法裁判所は罷免の理由に、国政壟断を許した職権乱用に加え、大統領が検察や特別検察の事情聴取を拒否したことをあげた。しかし、後者は弾劾訴追案には入っていない。訴追されていないことまで罷免の理由とするのはおかしい(それぞれ動画開始後8分20秒後と11分48秒後)。

──裁判官が、検察官が訴えていないことまで裁いてしまった、ということですね。

鈴置:その通りです。朴大統領の弁護団との間でかなりの諍いがあったので、憲法裁判所が感情的になってこのくだりを入れたのだろうとヨ・サンウォン弁護士は解説しています。 (中略)

鈴置:今回の宣告はまさに「情理」――韓国人の気分にのっとったものでした。8割近い人が「大統領を罷免しろ」と考えている。だったら憲法裁判所もそれに従うだろう――という空気の中での宣告でした。

 憲法裁判所としては、訴追案になくても「国民をバカにした罪」かなにかで、とにかく大統領をやっつける必要に迫られたのです。
(引用ここまで)

 鈴置氏のいつものコラム。
 うちもパク・クネの弾劾が成立した際に主文を読んで、頭の上にはてなマークがいくつも出たのですよ。
 要約すれば「事情聴取に応じなかった。つまり、憲法に従う意思を見せようとしなかった態度は大統領として失格である」としか読めなかったのですね。
 そもそもそんな話が国会での弾劾訴追案にあったかな、と。
 ただ、それに言及している韓国マスコミがどこもなかったので「翻訳の問題かなぁー」くらいに思っていたのですが。

 弾劾成立した日の夜にシンシアリーさんが解説していて、「ああ、やっぱり妙な主文だったのだな」ということは理解したのですが。
 どうもうまくエントリにならなかったので放置していたのですね。なにか書くにしても、シンシアリーさんを丸写しして終わりになりそうだったので、若干の違和感を抱きつつスルーしていました。 
 今回、鈴置氏はその原因を「儒教的法治に先祖返りしたからだ」と指摘しています。

 そして、そんな儒教的法治を敷いている韓国は、日本から見ればもはやモンゴルよりも遠い国なのだ……との指摘でとりあえず今回のコラムは締められています。
 基本的価値を共有していない国なのだ、と。

 膝を叩きましたね。頭の上に浮いていたはてなマークが破裂した感じです。
 本来であればパク・クネの「罪状」は弾劾が成立するようなものではなかったということは、憲法裁判所の判決が出る前に楽韓Webでも重ねて指摘していました。
 それでも憲法裁判所は保身のために弾劾を成立させるであろうという話をしていましたね。

 なんのこたぁない、いつもの韓国なのです。
 その強度が国民情緒法によって強化されたというだけの話だったのですね。ただ、その強化のされかたがもはや日本人にとっては違和感を抱くしかない、気持ち悪さを感じるレベルのものになっていたということでした。
 まあ、韓国にとってはターニングポイントになったであろうことは間違いないでしょうけどね。

SAPIO (サピオ) 2017年 4月号 [雑誌]
SAPIO編集部
小学館
2017/03/04

韓国人「弾劾成立で我々の勝利だ! シャンパンを開けてチキンを食べよう!」 → で、それからどうするの?

【萬物相】勝者の宴のあとに韓国社会が直面する現実(朝鮮日報)
 朴槿恵大統領の弾劾が決まった10日、普段から弾劾を支持していた友人からメッセージを受け取った。「夕方に家族とチキンで一杯やる」というのだ。それだけにとどまらず、外電は「弾劾決定後、韓国がチキンを食べて祝っている」と伝えた。不義に対する風刺か、敗者に対するあざけりか。広場では人々がシャンパンを開ける姿も見られた。翌日には数万人が広場に集まった。祝いの歌が流れ、祝砲も響いた。

 彼らが歓呼しているその時、ため息をつく人々が韓国社会にはいた。法治主義を拒否するわけでも、民主主義を否定するわけでもない。特定の個人ではなく国を憂う人々、考えが異なるために敗者にされた人々だ。弾劾後の政治変動、安全保障危機、経済危機への不安で落ち着かない人も少なくない。大統領弾劾はないに越したことはない不幸な事件だ。声を上げて笑うようなことではない。勝者の宴はいつまで続くのか。宴が長引くほど、社会の亀裂は深まる。パーティーが終われば、現実は間違いなくやってくる。
(引用ここまで)

 日本やアメリカの社会を知っている韓国人は、今回の狂騒をどう感じているのかということを興味を持って探していたのですが、ちょうどソンウ・ジョンがそんな記事を書いていました。
 文章から疎外感を感じます。
 違う社会を知ってしまっているからこその疎外感というか、「勝利」に沸いている韓国人こそが実は敗者であるということを理解しているからの疎外感なのか。
 そもそも勝者は弾劾裁判なんか起こさないよねって話でもあります。

 楽韓Webでも何度かその後をどうするの、弾劾成立直後にはまだなにも変わってないでしょって話をしてますね。
 アメリカの外交政策誌では「このまま左派政権誕生だと米軍撤退」という予測をしています。
 韓国人は政府を恨み、大企業を恨み、社会を恨み、大統領を恨み続けて弾劾にたどり着いた。
 弾劾が成立して大統領が罷免された。シャンパンを開けて、チキンを食べて、ついでに号砲も鳴らして祝っちゃおう。

 で、その後はどうするの、と。
 ムン・ジェインを元首に掲げてどこに行こうとしているのか、というお話なのですが。

「文在寅が反日路線に走れない理由」という記事が気になる。
週刊ニューズウィーク日本版「特集:北朝鮮 新次元の脅威」〈2017年3/21号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2017/3/14

 

【画像あり】光化門広場のゴミのようなテント村が慰安婦合意破棄とつながる理由とは?

【社説】光化門広場の醜悪な違法テント、今こそ撤去の時だ(朝鮮日報)
 キャンドル集会を主催した複数の団体は11日午後、ソウル市中心部の光化門広場で「キャンドル勝利集会」を開くなどまさにお祭り騒ぎだった。これらの団体はこの日をもってキャンドル集会をいったん終わることにしたが、これは言うまでもなく当然のことだ。彼らの願い通り大統領の弾劾が成立したのだから、今後集会を続ける理由はなくなった。しかし大統領の弾劾という国家的な不幸を「勝利」だとか「祝賀」などと口にする彼らの言動は思慮が浅いと言わざるを得ない。

 これらの団体は今なお光化門広場に残る70張り以上のテントを直ちに撤去しなければならない。光化門広場は今や巨大なテント村へと変貌してしまい、見る者をこれほど不快にするものもない。以前からあったセウォル号関連団体の14張りのテントに加え、11月以降は2−3人用のものから数十人が入れる大型のものまで、さまざまな種類のテントが出現し、それは今も残っている。難民キャンプでもないソウル都心が何というざまだろうか。テント周辺には「○○を刑務所にぶち込め」だとか「△△は□□の血を吸い取っている」など見るに耐えない言葉が書き連ねられている。

 また周辺には荒縄に縛られた朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領、黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行首相、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長、鄭夢九(チョン・モング)現代自動車グループ会長などの巨大な人形が設置され、その額には「拘束」と書かれた紙が貼られている。またその写真を鉄格子に入れた模型もある。崔順実(チェ・スンシル)事件だけでなく、裁判で解散させられた極左政党・統合進歩党問題、労使紛争、原子力や4大河川開発などに抗議する横断幕も掲げられている。これらはキャンドル集会の原因となった大統領の弾劾や崔順実(チェ・スンシル)問題などとは何の関係もない。またさまざまな落書きが書き込まれた使用済みの不潔な金属製食器が、芸術作品とでも言わんばかりに木に掛けられた不快な光景も目につく。

 国民の多数は弾劾を望んだが、彼らにこんなことをしてほしいとは考えていない。この光景は数カ月前から市民も観光客も不快に感じており、これ以上放置するわけにはいかない。今は誰もが日常に戻るべき時であり、セウォル号関連のテントも撤去すべきだ。
(引用ここまで)

 画像がないと分からない部分ですね。ざっくりと光化門広場はこんな感じになってます。

image

 鉄格子云々はこちら。
image

image
 これが記事中にいうところの「小さなテント」で、これが無数に設置されています。

 大きなテントに関しては以前の光化門広場レポートを見てくださいな。
 1月の段階でこうだったので、さらに進んでいるというか汚染されているというか。
 一応、光化門広場は韓国における観光スポットであるはずなのですが、いや見苦しいのなんの。

 そもそもはセウォル号遺族会がハンガーストライキをするとぶち上げて、「セウォル号事故の真実が明らかにされるまで抗議する」として居座りはじめたのです。
 その初日にちょうど居合わせて、「なんか異様な雰囲気だなぁ」と感じたことを覚えています。
 イルベ民が不法占拠のハンガーストライキに対抗して暴食デモなんてものをやったのもこの場所。

 というわけで、セウォル号遺族会やその支援団体だけがここに居座っていたのですが、それと政治的指向性を同じくする団体がろうそくデモをはじめたことでさらなる混沌が広場を包んでいるのですよ。
 ちなみにサムスン電子本社横にも同様に不法占拠のテントがあったりします。こちらは半導体工場で白血病になった従業員の遺族が居座っています。例の怪人像はその延長線上で設置されたものなのです。
 というような感じで韓国ではそういった「被害者が抗議する」という文化が定着しているのですよ。そして周囲もそれを許容する傾向にあります。たとえ不法であっても。
 たかりや先逃のように李氏朝鮮あたりの風習に由来している感触があるのですが、いまのところこれといってその描写を見つけられずにいます。慰安婦像の不法設置許容も同様の感触なので、絶対に先例というか風習的なものだと思うのですけどね。

 で、保守派=太極旗デモ=パク・クネ支派も同じようにソウル支庁前広場を不法に占拠しています。
 ソウル市長であるパク・ウォンスンは極左といってもいい人物で、保守派のテントだけは撤去させようと法的に働きかけているのですよ。
 自分たちの都合のいい時にだけ法律を恣意的に適用しようとしているのですね。
 法の下の平等とかまったくなし。
 ある意味で韓国を象徴する出来事になっているのです。
 韓国人にとって法律というものがどういう存在であるか、こういう部分から理解できるのですね。
 そりゃ「慰安婦合意」なんて蒸し返されるに決まってますわ。
 それが日本に通用するかどうかは別ですけどね。

動物農場−おとぎばなし (岩波文庫)
ジョージ・オーウェル
岩波書店
2009/7/16

ムン・ジェイン、パク・クネに「敗北宣言をしろ!」と詰め寄る

朴氏に罷免承服表明要求=次期大統領候補の文在寅氏−韓国(時事通信)
 韓国最大野党「共に民主党」前代表で5月上旬に見込まれる次期大統領選の有力候補、文在寅氏は12日、ソウル市内の党本部で記者会見し、朴槿恵前大統領に対し「一日も早く憲法裁判所の罷免決定に承服する意思を表明することが国民に対する道理だ」と呼び掛けた。

 朴氏支持派が罷免に反対する集会を連日開き、一部が暴徒化、死傷者も出ている。沈静化に向け、朴氏自ら決定を受け入れる立場を明確にすべきだと促した。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインが勝利の凱歌を歌い上げています。
 ここでパク・クネに対して「弾劾を受け入れるというコメントを発表しろ」というのは、「おまえは敗者なのだから下であることを認めろ」ということに他なりません。
 そもそも、この弾劾裁判に勝者は存在しないのですよね。
 敗者はパク・クネ本人ですが。
 国民が勝利者であるように見えますが、よく考えると行って戻っているだけで「勝利……?」みたいな感じです。
 実は韓国国民ですら、弾劾に値する国家元首を選出してしまった敗者なのではないかという部分がある。
 本人たちは「市民革命を成し遂げた! 大勝利だ」と大盛り上がりしていますけども。

 ムン・ジェインは弾劾成立に向けて国会議員として投票したというだけの人物。
 野党党首ですらない。
 現状では大統領選挙へ出馬表明すらしていない。
 それがまるで弾劾を主導した勝利者であるかのように振る舞っている。

 以前から「ムン・ジェインはすでに大統領になった気でいる」という話はありましたけどね。
 もはや勝利者であることを確信しているのでしょう。
 まあ、こうして振る舞わなければ韓国では支持を得られない、ということでもあるのでしょうが。
 大統領選挙では敗者が敗北を認めて一段落。勝利者は敗者をいたわる言葉を投げかける、というのがよくあるパターン。
 今回は最後までムン・ジェインら共に民主党側が勝者としてふるまっている。
 そこになんともいえない気持ち悪さを感じます。
 この気分を外交政策にそのまま持ちこみそうな気がするのですよね。
 持ちこまざるを得ないというべきでしょうか。
 「絶対の勝者」の価値観で日本に挑んでくる将来がありありと見えるのですよ。

勝者の思考 いい仕事をして、いい人生を送るために
財部誠一
PHP研究所
2007/2/28

韓国人「我々は市民革命を成し遂げた! 勝利だ!!」 → 実際にはなにも変わっていない件

[社説]民主主義の道しるべを新たに打ち立てた市民革命の勝利(ハンギョレ)
 愚かで極悪非道な大統領は、結局権力の座から追い出された。事必帰正。国民を蔑視し国家権力を私物化して国の根本を揺るがした罪に対する当然の因果応報だ。長い冬が去り春が来る町角で、腐って病気にかかった枝は落ちた。そしてその場に新しい芽生えが始まっている。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領罷免の外的形式は憲法裁判所の弾劾認容だが、実際的内容は常識と当然な道理の勝利だ。これは、左右の問題でも、進歩と保守の対決でも、理念と階級の問題でもない。冬の間に広場で燃え上がったろうそくの炎は「法治と民主」に向けた渇望であったし、憲法裁判所は「全員一致の罷免賛成」でこれに答えた。「大統領の違憲・違法行為は、憲法守護の観点から容認できない重大な法違反行為」であり「大統領罷免により得られる憲法守護の利益が圧倒的に大きい」という憲法裁判所の決定は簡潔で的を射ている。ろうそく市民が流した涙は、不正な権力によって汚された世の中を浄化し、炎に宿った生命力は国を新たに脱皮させようと力強くゆらめいている。

 法治主義は統治者の恣意的支配を排撃することから始まる。憲法の「憲」は、何人も社会構成員に対し害を及ぼせないよう、目と心で徹底的に監視するという意味を含んでいる。大韓民国が一瞬にして奈落の底に落ちたのは、合理的な法の支配ではなく権力者の自分勝手な支配が横行したためだ。憲法裁判所は傍若無人な恣意的統治にとどめを刺し、国家に害悪を及ぼした最高権力者を厳しく懲治することによって法治主義の大義を再び打ち立てた。

 大統領の罷免は国民にとって羞恥であると同時に誇りでもある。ねつ造された神話と虚像にだまされて傲慢無道な資格未達者を国家の最高指導者に選んだことは復元が難しい失敗であった。だが、私たち国民は誤りを自ら原状回復させる偉大な底力を発揮した。「水は船を出すことも、ひっくり返すこともできる」という古の先賢の言葉を身をもって証明した。これを通じて民主主義を一段階進展させた。2017年3月10日は、世界史的にも類例を探し難い市民革命の貴重な勝利の貴重な勝利の日として歴史に長く記録されるだろう。 (中略)

 朴前大統領と彼女の支持者は、もう狂気の濁流から抜け出さなければならない。大統領に対する弾劾反対は、灯りに向かって無為に飛び込んでいく夏の虫に過ぎないことが、憲法裁判所の決定により確認された。それでも無駄になった迷妄と盲信から抜け出せずに、このままずっと太極旗を辱める行為を続けるならば、それは国の不幸であり本人の不幸だ。

 憲法裁判所は単に朴大統領の弾劾可否だけを決めたのではない。国の根幹を新たに立て直し、今よりもっと良い国を作らなければならないという課題が、そこには含まれている。憲法裁判所の決定は、弾劾列車の終着駅であり、新しい挑戦に向けた出発駅だ。国の根幹を新しく立てることは、単に法治主義の確立、最高権力者の節制などにとどまらない。“ヘル朝鮮”という言葉で代弁される社会全般の不条理と不平等、社会の随所で乱舞する反則と特権、政官財界の強固な既得権体系など、これまで韓国社会に重々積み上げられた積弊の清算がそれだ。
(引用ここまで)

 うわぁ、今回の弾劾に関して危惧していたことが全部ここに込められてますね……。
 韓国の停滞や失敗をパク・クネ個人のミスによるものであると認定してしまい、その極悪犯を正義の剣で裁いたのだから韓国には明るい未来しかない、という勘違いです。

 そりゃまあ、古代の「皇帝」にすら比肩される韓国の大統領制度ですから。
 大統領の手腕によるところもあるでしょうよ。特に失業対策は青年希望ファンドでの寄付なんかに頼らず、もっとできることがあったんじゃないかとは思います。
 韓国の問題は構造的なものであって、大統領ひとりが政策でどうこうできるものじゃないのですよ。

 パク・クネ政権を常に目の敵としていたハンギョレの社説ですから、ことさらそういう部分が強調されているのですが、これは別にハンギョレだけの意識ではないのですよね。
 極悪人のパク・クネを裁いて、正義の象徴であるムン・ジェインが大統領となって、韓国は端から端までよい世の中になるのだ、なんていう気分が韓国人に蔓延している。
 特に格差がひどいとされている若年層はそういう意識になっている。
 この記事でいうところの「市民革命の勝利だ!」と。
 いうなれば「映画の途中」なのに、クライマックスシーンになってしまっているのですよ。
 
 これからまだまだ物語は続く、というよりもこれからが本番。
 なのにもう多幸感でいっぱい。もう自分たちはこれから幸せになるしかない、みたいな話になっている。
 実際には大統領を罷免しただけで韓国でなにが変わったわけでもない。
 構造も制度も風習も法律もなにも変わっていないのです。
 ろうそくデモに参加していた人間が成長したわけでもなんでもない。大統領が辞めたからって食べなければ腹は減るし、食事をすれば金も減るのですよ。
 希望を持てないままならともかく、一度希望を持ってからのヘル朝鮮への強制送還はきついでしょうね。精神的に。 
 保守派が大暴れしているのは流行の先取りだった、なんてことにならなければいいですね。

[まとめ買い] ナポレオン ―獅子の時代―(ヤングキングコミックス)
長谷川哲也
白泉社

韓国で弾劾反対デモで死者、重体者が発生、報道陣からも怪我人……けっこうな混沌状態になっている模様

朴氏支持者2人死亡=警察と衝突、60人負傷−韓国(時事通信)
韓国の朴槿恵前大統領が罷免された10日、ソウルの憲法裁判所付近で朴氏支持者とみられる男性2人が倒れ、病院に搬送されたが、死亡した。また、消防当局によると、厳戒態勢を敷いた警察と朴氏派が衝突するなどし、60人が負傷した。

 韓国メディアによると、死亡したのは72歳と60歳の男性。2人の死因など詳細は不明。72歳の男性は憲法裁周辺の道路上で血を流して倒れていた。60歳の男性は周辺の駅地下で意識を失った状態で発見されたという。

 憲法裁付近では、弾劾に反対する集会参加者らが警察とにらみ合い。一部が「憲法裁を粉砕しよう」などと叫び、警察車両に突進し、バスを破壊。報道陣に鉄パイプのようなものを投げ付けたり、集団で殴りかかったりした。

 共同通信総務局によると、取材中の共同通信の韓国人男性カメラマン(53)が朴氏支持者とみられる複数の男から暴行を受け、頭部に全治2週間のけがをした。

 朴氏支持者と警察のもみ合いの様子を撮影していたところ、後方から投げ付けられた鉄パイプがカメラマンの顔面左側を直撃。さらに後ろから殴りかかられ、後頭部に血がにじむけがをしたという。
(引用ここまで)

 太極旗デモ参加者=パク・クネ支持派=保守派=高齢層っていうことがよく分かりますね。
 まあ、必ずしも高齢者というわけではないのですがメインの支持層は高齢者であることに間違いはないです。
 72歳の男性の死因は、最新の報道では「デモ参加者が警察車両を奪って、他の警察車両にぶつけた際にその車両のスピーカーが脱落し、男性の頭にぶつかった」というものだそうです。
 ……けっこうな混沌状態じゃないですか。
 60歳の男性の死因はまだ不明。
 その他に重体が2名。軽傷者が60名とのことです。

 判決前日に太極旗デモの主催者が「私はもう充分に生きた(ので、このデモで死んでもかまわない)」という趣旨のことを言っていましたが、何人かの人間にとっては実際の話になっていますね。
 逮捕者も出ているそうです。そりゃそうだ。
 もはや太極旗デモ参加者は捨て鉢気味。
 世の中でもっとも怖いのは、ひろゆきが言うところの「無敵の人」、すなわち持たざる者であるという話がありますが。
 それを地で行っている感じですね。

底辺の人間がゼロから金を稼ぐ方法
底辺
底辺
2013/1/17

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