楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

慰安婦合意

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韓国人の「被害者が許すまで謝罪をやめるな」という言葉の意味するもの、そしてそこから逃げ出す日本人

【萬物相】「植民地支配、日本は韓国に謝罪したと思いますか?」(朝鮮日報)
 大学生たちに時々、韓日関係について講義している。講義は次のような質問で始める。「日本は韓半島(朝鮮半島)の植民地支配について謝罪したと思いますか?」 手を挙げるのは1人か2人だけだ。それから、準備してきた資料を見せる。日本の歴代首相たちが植民支配について出した談話に盛り込まれている謝罪の言葉だ。1995年の村山談話から始まる。 「植民地支配と侵略によって(中略)多大の損害と苦痛を与えました。(中略)この歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします」。

 10年後、小泉首相も同様の談話を発表した。日本の韓半島強制占領(韓日併合)100年に当たる年に発表された菅直人首相の談話には次のような文言が盛り込まれた。「痛みを与えた側は忘れやすく、与えられた側はそれを容易に忘れることは出来ないものです。(中略)多大の損害と苦痛に対し、ここに改めて痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明いたします」。

 1998年の韓日パートナーシップ共同宣言に盛り込まれた文言も似ている。しかし、ほかの談話と次元が違うと受け止められている。日本の謝罪を韓国が受け入れる内容が含まれているからだ。「(金大中〈キム・デジュン〉大統領は小渕恵三首相の)歴史認識の表明を真摯に受けとめ、これを評価すると同時に…(略)」。学生たちに「過去の帝国主義国家のうち、植民地支配を4回公式謝罪したのはこれだけだ」と説明する。日本を擁護しようというわけではなく、事実を伝えているのだ。そうした後で、あらためて日本の謝罪について考えを聞いてみる。半分くらいの手が挙がることもあるし、2−3人だけのこともある。

 手を挙げない学生たちは、だいたい「すぐに言葉を翻すじゃないか」と言う。事実だ。1953年の「日本の統治は韓国にとって良かった面もあった」という妄言をはじめ、日本の政治家の妄言・暴言が一年でも途切れたことがあっただろうか。慰安婦問題も同じだ。この問題に対して日本の官房長官が公式謝罪した河野談話が発表されてから24年過ぎた。一昨年には首相が再度謝罪した。その内容を読み上げても、学生の手はあまり挙がらない。「慰安婦は売春婦」というある日本人政治家の暴言が彼らの胸に突き刺さっているからだ。

 日本は韓国に対して「いったいいつまで謝罪と反省をしろというのか」と抗弁する。「公式発表を日本の本心として受け入れていないのか」「植民地支配とは無関係な子孫たちにまで謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」とも言う。韓国は日本の公式発表よりも、相次ぐ妄言に重きを置く。「妄言は公式謝罪に真摯(しんし)さがないという証拠」「被害者が許すまで謝罪をやめるな」ということだ。この堂々巡りが延々と続き、両国の政治家たちはそれを利用しようとしている。
(引用ここまで)

 韓国人が言うところの「妄言があるじゃないか」というのは、要するに「言論を統制しろ」「思想を制限しろ」ということなのですよ。
 謝罪があっても各人の意見が制限されるわけではないということが理解できない。
 なぜなら韓国(というか儒教社会)では謝罪したほうは「永遠の隷属者」になるからなのです。
 社会的な位置づけが一度のマウンティングですべて決まってしまう。究極的には同年生まれのどちらが年上かで争って、殺人事件まで起きてしまう

 日韓歴史共同研究委員会で韓国側から「任那日本府はなかった」という論文が提出されたことがありまして。
 それをもって、韓国では「もはや任那日本府は日本の学会でも完全に否定されている」ということになっています。
 実際にはそんなことはなく、「日本の豪族が一定の影響力を朝鮮半島南部でふるっていた」ということがほぼ定説になりつつあります。「任那日本府」という名称ではなかったにしても。
 村上春樹が「向こうが納得するまで謝罪するしかない」と言ったら、それが「日本の作家が日本は無限に謝罪すべき」と置き換えられたということも例にできますかね。

 そういったことと同じように韓国が日本に求めている謝罪というのは、「永遠の隷属」となることを求めているのですよ。
 ん、論理が飛躍しているように見えますかね?
 じゃあ、もうひとつ例を加えますか。

 この記事にも「被害者が認めるまで謝罪をやめるな」という言葉があります。
 そこにパク・クネが就任直後に行った会見での「被害者と加害者の関係性は1000年経っても変化しない」という言葉をあわせる。
 さて、このふたつの言葉から導き出されるものはなんでしょうか、ということです。

 その一方で日本はそんな韓国の価値観に振り回されなくなってしまった。
 今回の対抗措置が出されたことは、楽韓Webがいうところの「ただの隣国関係」になりつつある、ということを象徴する出来事なのですよ。

となりのクレーマー 「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ)
関根眞一
中央公論新社
2007/5/10

韓国次期大統領候補ムン・ジェイン「慰安婦合意は真の謝罪と反省ではない」「元慰安婦たちも受け入れていない」 → 別にそれでも日本政府はまったく困らない理由

慰安婦:合意発表文は日本の公式謝罪と見なせるのか(朝鮮日報)
 従軍慰安婦を象徴する「平和の少女像」設置問題で韓日間の確執が深まり、「2015年12月の韓日慰安婦合意時、日本はきちんと謝罪表明をしたかどうか」をめぐっても論争となっている。野党側は「日本から公式謝罪は受けていない」と、政府側は「日本の首相名義の謝罪が明らかにあったので合意を受け入れた」としている。

 韓国最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)元代表は11日、忠清南道天安市にある国立墓地「望郷の丘」を訪れて元慰安婦たちの墓参りをし、「(15年の)慰安婦合意は、ただ現金10億円を受け取っただけで、日本から公式謝罪すら受けていない。だから、我々としては到底受け入れられない無効の合意だ」と述べた。 (中略)

 15年12月28日の慰安婦合意時、岸田文雄外相は共同記者会見で、「安倍晋三首相は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦としてあまたの苦痛を経験され、心身にわたり癒やしがたい傷を負われた全ての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する」と述べ、発表文にも盛り込まれた。安倍首相は合意発表直後、朴槿恵(パク・クネ)大統領と電話会談し、この文章をそのままあらためて読み上げたと大統領府では明らかにしている。これを根拠に「謝罪を受けたのは確かだ」というのが政府側の見解だ。

 こうした主張に対し、文在寅氏側は「合意の文言もそうだが、謝罪の真摯(しんし)さに欠けているのが問題だ」と反論している。同氏のスポークスマン的な役割を担う金慶洙(キム・ギョンス)議員は「謝罪の意味が重要なのに、果たして元慰安婦たちは日本側の見解を真の謝罪として受け入れているのか。謝罪しているという人が少女像を撤去しろと言うのはつじつまが合わない」と語った。また、別の関係者は「『軍の関与』と表現して責任の主体に関する問題をあいまいにすることにより、賠償責任を避けている。真の謝罪と反省がないと見るしかないだろう」と言った。

 つまり、文在寅氏側は「謝罪の精神」、政府側は「謝罪の記録」という別の観点から議論しているわけだ。現在の状況では安倍首相が再び謝罪する可能性はほとんどない。日本のメディアによると、安倍首相は事実、慰安婦合意の翌日側近たちに「昨日ですべて終わった。これ以上、謝罪しない」と言ったとのことだ。

 外交部当局者は「政府が『慰安婦合意を着実に履行しなければならない』と言い続けているのは、日本側に『謝罪と反省の精神を守れ』と要求していることと同じだ」と語った。そう言いながら、「合意時に生存していた元慰安婦46名中34人が日本政府の現金を受け取ったが、これは日本の首相名義で謝罪があったということを本人と家族が納得した結果だ。こうした点も考慮する必要がある」とも述べている。
(引用ここまで)

 慰安婦合意のもっともよかった点は、アメリカが仲介したことによってオープンにその合意内容が広まっている部分でしょうね。
 これを覆すとなると「何度謝罪しても韓国は納得しない」「韓国は常にゴールを動かしてくる」という日本の言い分が世界に理解されてしまう。
 その一方で合意を履行するのであれば、慰安婦像の撤去も視野に入れなければならない。
 ダブルバインドになっているのですよ。

 記事中でのムン・ジェインの言葉がまさに象徴しているのですが「真摯な謝罪ではないと感じたので認めない」というのであれば、なにをどうやっても意味がないことになる。
 どれだけ謝罪を繰り返そうが「いや、それは真の謝罪ではない」で終了になるのであれば、最初からしなくても同じ。

 この言葉をそのまま大統領に当選した後もやってくるのであれば、日本政府は「韓国はこのようにしてゴールを動かしてくるので謝罪をいくらしても無駄である」といえる。謝罪をしたから合意をしたはずなのにね。
 一方で合意を破棄するのであれば「政府間で合意に至ったものを政権が変わったからといって破棄するようなところとは、もはや交渉すらできない」といえる。
 合意を履行するのであれば「いつになったら慰安婦像の撤去の努力をするんだ」といえる。

 どこをどうつついても日本政府から見たら得点しかない。
 それこそ「別に日本はまったく困らない」状態。
 今回も日本国民の多数が釜山での対抗措置を支持していますよね。さらに「数日で韓国に戻る」って願望を書いていたのに、安倍総理は外遊に出かけてしまっている。少なくとも総理が日本に戻るまで大使が勝手に赴任地に戻るわけにはいかない。

 当初から楽韓Webでは慰安婦合意に賛意を表していました。「これで韓国の動きを縛ることができる」というような話をしていました。
 というか、慰安婦合意の動きが出始めた時点ですでに「裏切りがあること前提で戦略を立てるならあり」という話すらしています。
 でも、まさかここまでぎっちぎちにやってくるとは想定外。想定していた動きの20%増ってところです。
 韓国側から「お詫びの手紙」の要求があった際に安倍総理は斬り捨てていましたが、あのあたりからこれまでの雰囲気とは違うことを感じてはいましたけども。 

 間接的にですが、世界遺産の登録騒動が大きく影響しているんじゃないかと感じます。
 あれで「韓国は絶対に裏切る」という認識の下に今回の戦略が組み立てられたのではないかなと。当時、「この韓国がやった外交の毒は自らに廻る」と書きましたっけ。
 韓国はカードを切るタイミングを明白に間違っていたのですよね。

60分で名著快読 マキアヴェッリ『君主論』
造事務所 / 河島英昭 
日本経済新聞出版社
2016/7/1

釜山の慰安婦像を実際に見にいってみた件

 この時期に韓国に行ったのであれば、釜山の日本総領事館を外すわけにはいかないでしょう。
 というわけで実地に行ってきました。フットワークの軽さが身上なので。
 釜山駅から地下鉄で一駅の草梁駅の出口5番のすぐそばに日本総領事館はあります。

 近くの公園には近所のおじさんによって「デモがうるさくてかなわない」として切り裂かれた横断幕(を張りなおしたもの)がありました。

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 上の断幕には「慰安婦像が設置されました」というようなことが書いてありますね。
 下のモザイクは電話番号だったので一応。

 平日(木曜日)の午後だというのに、そこそこの人だかり。 でもまあ、警備の警察官(若い感じだったのでたぶん徴兵)のほうが多いくらい。
 左の壁は日本総領事館のもので、緑に見えるのは地下鉄のエレベーター。その手前に像があります。

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 記念撮影をしている女性の集団もいたり。ちょっとした観光名所になっている模様。
 まあ、なにもないところで駅前のセブンイレブンがつぶれてたりするような場所ですからね。

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 もうね、これはダメ。総領事館のすぐ裏手。地下鉄のエレベーターのすぐ横。
 裏口からほんの数メートルのところですよ。敷地の目と鼻の先。
 これでウィーン条約に反していないって強弁は無理だわ。
 日本政府の怒りもまっとうなものですよ……。

「怒り」のマネジメント術 (朝日新書)
安藤 俊介
朝日新聞出版
2011/9/13

日本政府の強硬措置も結局は韓国の国民情緒法というモンスターが生み出したもの

釜山少女像設置の影響が予想されていたのに…韓国外交部の対応後手に(中央日報)
日本側はこれまで、公式・非公式接触時には総領事館前の少女像設置の可能性に何度も懸念を表していた。日本は昨年6月、森本康敬総領事を釜山に派遣した時も「少女像の設置だけはさせないように」という「特命」を下していたという。

だが、外交部は釜山東区庁が「道路法上、占有許容対象ではない」という理由で設置を許可しないことだけを信じた。「該当地方自治体が自ら判断する事案」という立場を保っていた。しかし、昨年12月28日に市民団体が設置した少女像を強制撤去した後、国民的な非難が起きると、朴三碩(パク・サムソク)釜山東区庁長は立場を変え、2日後に少女像の設置を黙認した。

外交部はその時初めて東区庁側に移転を求めたが、効果はなかった。朴氏は11日、記者団に対して「最初から自分たちが設置させないなりすればいいのに…。韓日問題は外交関係だから少女像の撤去は外交部がしろ」と釘をさした。外交部は今も「外交公館保護に関する国際礼譲および慣行という側面からも考える必要がある」という曖昧な立場だけを繰り返している。外交部当局者に「釜山少女像は12・28合意に反するのか」と質問すると「申し上げられる立場はない」と答えた。

専門家も外交部の対応が問題だと指摘した。匿名を希望した元外交部高位公務員は「世論の風当たりが強くても外交部が国際外交慣例に立脚した立場を明確に打ち出すべきだったのに、まるで他人事のように曖昧な立場だけを見せた」と指摘した。延世(ヨンセ)大の文正仁(ムン・ジョンイン)名誉特任教授は「結局、外交も内政の延長」としながら「政府が外交を独占することは許されず、国民的世論を無視することもできない」と述べた。少女像問題において、より積極的な世論形成過程が必要だったという主張だ。
(引用ここまで)

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 画像は今日の昼に撮りたてホヤホヤよ。

 けっきょく遵法意識と民度の問題なのですよ。
 楽韓Webでは何度も何度も何度も口を酸っぱくして「特別扱い」をなくすべきだと書いていたのですが、それなしでは韓国社会というものは成り立たない構造になっている。
 財閥の会長を「罪を犯した」として収監すればトップダウンの事業方針が出せなくなっていく。
 だから特赦を出して救ってしまう。何度も何度も同じことを繰り返す。特別扱いなのだけども、繰り返せばそれが日常になるから。

 今回の釜山における慰安婦像も同じことなのです。
 ソウルの日本大使館前に設置することができた。ソウル市も黙認している。だったら、なんで釜山の日本総領事館ではダメなのだという話になる。
 あれができてこれができないとは何事だ、となる。
 超法規的措置をしてきたではないかと。あれが特別ならこれも特別だとならざるをえない。

 もし、ソウルの慰安婦像に対して「ウィーン条約違反だから」と理由を掲げて、法の下に処理することができていたらこんなことは起きなかった。
 もはや像の撤去や移動は韓国国民の感情が許さない。
 国民情緒法が発動して「像は設置すべきだ」となる。
 政府も自治体も手を出せないモンスターと化したのですよ。

 でも、そのモンスターを生み出したのは他でもない韓国人自身なのですけどね。
 あとになって「あの時、像の撤去ができていたら……」くらいの事態になるでしょうね。
 さらに言うなら「日本が強く言わなかったから協力ができなかった」くらいのことは言ってきても不思議はないと思います。

なぜ私は韓国に勝てたか 朴槿惠政権との500日戦争
加藤達也
産経新聞出版
2016/2/2

毎日新聞の記者ですら「強い脱力感」を覚えざるを得なかった釜山への慰安婦像設置

釜山の少女像設置、日本の厳しい世論を知らない韓国(WEDGE)
 韓国南東部・釜山にある日本総領事館前の歩道に昨年末、慰安婦を象徴する新たな少女像が設置された。(中略)この問題を契機に改めて、慰安婦問題に関する2015年末の日韓合意について考えてみたい。 (中略)

 しかし、国際条約によって保護される大使館や総領事館といった外交公館前の公道への設置を黙認するという行為は、明らかにアウトである。本来なら合意があろうと、なかろうと問題があるのだが、わざわざソウルの少女像に言及した合意がある中での黙認だ。「他の公館前には少女像設置を許さない」と明示されているわけではなくても、「合意の精神」もしくは「趣旨」に反するとしか言えない。

 だからこそ日本側で強い反発を呼んだのである。特に、大使館前の少女像撤去は簡単ではないと考えていた日本の専門家や政府関係者が受けたショックは大きかったように見える。韓国側の対応を見守るべきで、性急な要求をするのは逆効果にしかならないと説明する論拠を失ってしまったからだ。正直に言えば私も、釜山の少女像が結局建てられたというニュースを見た時には、失望というより強い脱力感を覚えた。 (中略)

 私見では、ソウルの少女像に対する日本国内の反感の強さは韓国側にきちんと認識されていない。私は昨年秋、来日した韓国メディアの記者たち(主として政治・外交担当)との意見交換会で、日本の世論は少女像問題に極めて強い関心を持っていることを認識しておいた方がいいと伝えたのだが、韓国人記者たちはピンとこないようだった。

 日本側の対抗措置に韓国メディアが驚いた理由の一端は、ここにありそうだ。日本側の関心をきちんとフォローしていないから、「なんでこんなに激しい反発が出るんだ?」と驚いた。だから、「(対露外交など)安倍首相の相次ぐ外交失敗に失望した右翼保守層を結集させ、国内の支持基盤を固めようという意図が見える」(聯合ニュース)、「トランプ政権の発足前に韓国が外交合意に違反しているという主張をして、韓米関係を引き離そうとする動き」(ニュース専門テレビ・YTN)、「韓国の国政空白と米国の政権交代という時期をにらんだ日本の奇襲」(朝鮮日報)などという解釈が堂々と語られるのである。 (中略)

 一方で安倍首相に対しては、合意発表時に自らの口で謝罪の言葉を公にしなかったことや、おわびの手紙を書かないのかと国会で質問された際に「毛頭考えていない」という強い表現で否定したことへの批判がある。(中略)手紙についても前例を踏襲するかどうかという話なので、少なくともそれほど強い表現で拒絶する必要があったかは疑問だ。 (中略)

いまや韓国では全否定の対象ではあるものの、朴大統領が「当事者の納得する措置が誠意ある措置だ」と繰り返していた時に異論をはさんだ運動団体や韓国メディアはなかった。それなのに、生存者の7割超が合意に基づく事業を受け入れたことを全く評価せず、ほとんど報道もしないというのは、どうしたことだろうか。

 こうした事実をきちんと踏まえた上で、なお残る問題点について指摘するのが筋ではないか。日韓合意に否定的な韓国の有力政治家も同じことだ。当事者の多くが受け入れたことへの評価を明確にしないまま、再協議や破棄を主張するのは無理がある。

 日韓合意は、1990年代初めに慰安婦問題が外交問題となってから初めての政府間合意だ。日本による一方的な措置だった河野談話発表やアジア女性基金が国際社会に広く知られることなく終わったのと違い、日韓合意は国際社会に広く発信され、米国や欧州諸国、国連など多くのアクターから歓迎された。それだけに両国とも現実には破棄など簡単ではないし、そんなことをしても得るものはない。破棄しようとしたり、蒸し返したりしようとすれば、かえって外交的なマイナス点を重ねるだけになりかねないだろう。
(引用ここまで)

 この澤田克己という記者、かなりの知韓派です。
 10年くらい前に「脱日する韓国−隣国が日本を捨てる日」という本を書いていますね。内容はいまひとつ覚えていないのですが、読んでいることは間違いないです。
 かつて日本を特別視してきた韓国であるが、成長に従ってその構造から抜け出そうとしている、という当たり前の話を書いていただけで、本のタイトルがちょっと刺激的だったというだけですかね。
 でもまあ、長く韓国滞在していただけのことはあって、ちょっとメモをしたような部分があったようななかったような……。
 その後のイ・ミョンバクによる竹島上陸のあたりで「ああ、遠慮しないようになったというのはこういうことか」ってこの本をちょっと思い出しました。

 毎日新聞の記者であるという部分から偏りがあるのかなと思いきや、以前も中央日報のインタビューに対して「韓国は好きな部分も嫌いな部分もある」というように答えている客観視ができている人だなという印象があります。
 韓国で財布を落として戻ってきたっていうドヤ顔の記事を書いて、「その記事って実は韓国disだよね」と楽韓Webに喝破されるような生半な人物でないのは確かだと思います。
 その記者にして今回のプサンの慰安婦像設置に「失望というより強い脱力感を覚えた」と書かせてしまう。

 その原因が「日本側の反応の強さが伝わっていない」ことにあるようだとするのは慧眼ではないかと思います。
 「反応の強さ」とぼかしていますが、この記事にかぎらず、日本に蔓延しているのは嫌悪感ではないかと感じます。
 韓国側は「日本がいやがってるぞ、もっとやれ!」くらいに思っているのですが、実際にはいやがっているのではなく「嫌悪感を抱いている」というのが実際の感覚に近いのではないかと。
 韓国側はメディア、政府含めて「市民団体がやっていることだ」っていう言い訳を延々と言っているのですが、それも含めての嫌悪感ですかね。
 合意を守ろうとしない嫌悪感。
 国家間の合意を無視しようとする嫌悪感。
 うん、しっくりきますね。

 記事中の「お詫びの手紙を書いたほうがいい」というのは、いただけない感覚かなと思いますが。
 以前も書いたように韓国に対して合意に挙げられていないことをやるのは危険なのですよね。
 そこから一点突破すらやりかねない輩なので。

 記事は「慰安婦合意は日韓の歩み寄りの結果だ」というようにまとめられていますが、日本側は当初から破棄されることもも含めての対応だったのではないかというのが楽韓Webの立場なので、その部分はちょっと相容れないところです。
 でも、なかなか面白い記事ではあると思います。

 記事の裏側すべてに「もうホントになんとかしろよ……」という、韓国が好きな部分がある著者だからこその怨嗟の声が張りついている感じです。
 知韓であればあるほど、がっくりときているというのは実際なのでしょうね。

おっと、こちらもKindle化。
困った隣人 韓国の急所
井沢元彦 / 呉善花
祥伝社
2013/10/30

韓国野党首脳「忌々しい10億円などいますぐに返還しろ!」→ 元慰安婦から回収するの?

韓国野党、安倍首相発言に反発 「10億円の返還を」(日経新聞)
「10億円は少女像撤去の対価」は偽り…慰安婦被害者の傷を癒やすため(中央日報)
 韓国の野党は安倍首相の発言に反発を強めている。日本政府は2015年末の合意を受けて韓国が設立した元慰安婦の支援財団に10億円を拠出したが、最大野党の共に民主党の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は9日、「10億円を(安倍首相に)返すよう尹炳世(ユン・ビョンセ)外相に要求する」と強調した。

 国民の党と与党セヌリ党を離党した非主流派が24日に結成する「正しい政党」も9日までにそれぞれ論評を発表し、10億円の返還と慰安婦問題の再協議を求めた。

 一方でセヌリ党は8日の論評で10億円の返還には触れず、「慰安婦問題は日本の認識と態度が重要だ」としたうえで、日本政府の対抗措置について「成熟した態度ではない」と批判した。
(引用ここまで)
Q=日本が出した10億円は返せるのか。

A=可能ではある。ただ、被害者から現金を返してもらわなければいけない。生存者には1億ウォン、死亡者の遺族には2000万ウォンずつ支給するのが両国の合意だった。和解・癒やし財団によると、12・28合意当時、生存者46人を基準に受領の意思を明らかにした被害者は34人だった。現在まで31人に対して1億ウォンずつ支給を完了した。亡くなった被害者は199人であり、うち35人が現金受領意思を表した。財団は6月30日まで受け付け、理事会の審議などを経て現金を伝える予定だ。
(引用ここまで)

 韓国野党首脳から「10億円を返してしまえ」というような話が出てきたのですが。
 ちなみにネチズンも「そうだそうだ!」と賛同の嵐。
 うーん、別にやればよいんじゃないでしょうかね。

 ただし、中央日報にあるようにすでに受け取った元慰安婦から再度奪い取って日本に戻す必要がありますが。
 個人的にはその阿鼻叫喚の三文芝居を見てみたい気もしていますけどね。

 「そのお金を持って行かれたらおばあちゃんの薬代が!」
 「うるせえ、この反革命分子が! ろうそくデモ革命に従え!」
 「ろうそくデモとこのお金になんの関係があるの!!」

 ……みたいな。
 フジテレビの昼ドラのような。いまは放映していないようですが。
 まあ、似たようなことをアジア女性基金で受け取りを表明した元慰安婦に対して、挺対協がやっていたのですけどね。
 「このお金を受け取ったら日本のいうことをすべて認めることになるんだぞ!」って脅迫して。
 でも、公表なしに受け取った人もいるっていう話ですけども。

 そもそも日本政府が10億円を供出したのは「慰安婦合意」に基づいた義務として行ったもので、受け取ったお金は「癒やし金」として韓国政府が設立した財団が使う義務があるのですけどね。
 つまり、この野党首脳は「いますぐ慰安婦合意なんて破棄してやる!」って言っているのも同然なのですが。
 まあ、そういう話の機微にはまったく気がついていないのでしょうけどね。
 今年の大統領選挙で獲れるであろう政権を強化することしか頭にないのでしょう。

おっと、この本もkindle化ですか。
やっかいな隣人 韓国の正体―-なぜ「反日」なのに、日本に憧れるのか
井沢元彦 / 呉善花
祥伝社
2012/10/20

麻生財相「韓国は信頼できる相手じゃねえから貸した金も返してこないかも。通貨スワップ協定は難しいな」→ 煽りタイトルじゃなかった

信頼関係ないと再開困難=日韓通貨協定交渉−麻生財務相(時事通信)
 麻生太郎財務相は10日の閣議後記者会見で、韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が設置されたことへの対抗措置として中断している日韓通貨スワップ(交換)協定交渉について、「金だけの話じゃなく、信頼関係で成り立っている。信頼関係がなくなり、難しくなってきている」と述べ、早期の交渉再開に否定的な見解を示した。
 麻生氏は「(日韓合意という)約束が守られないのなら、貸した金も返ってこない、スワップなんか守られないかもしれないという話になる」とも指摘した。
(引用ここまで)

 煽りタイトルかと思ったらマジだった。
 つまり、そういうことなのです。
 慰安婦合意を破棄するのであれば、すべてに渡って信頼を裏切るのと同じことだという話なのですよ。
 これについて是々非々なんてない。100かゼロか、という選択を韓国に突き立てているのです。

 日本政府としてはこうなることを前提として慰安婦合意を結んだのでしょうね。
 合意直後に安倍総理の言葉として「約束を破ったら国際社会の一員として韓国は終わりだ」と言ったという話が伝えられていました。
 慰安婦合意を堅持するのであれば日韓関係は進めてもよい。
 破棄するのであれば「終わり」なのだと。

 麻生財相の言葉の強さからも、その意図するところが伝わってきます。
 これまで数多くの裏切りがあったからこそ、裏切りがあるという前提の上で戦略を組み立てた。
 どっちを選んでも韓国にとっては針のむしろ。

 その意志の強さが韓国に直接伝わっているからこそ、韓国政府からはいまだに「日韓による慰安婦合意の精神は堅持する」というコメントがファン・ギョアン大統領代行やユン・ビョンセ外相からも出てきているのでしょう。
 現在の野党である共に民主党からは「慰安婦同意は絶対に破棄だ」みたいに力強い話が何度も出てきていますが。

 実際に政権担当したらどうなることやら。
 弱腰になったらなったで、今度は韓国国民から突き上げられることは間違いない。
 もはや選択の余地はどこにもないように見えるのですけども。
 最終的にはデーイジー♪とお歌を歌い始めるかもしれませんね。

SAPIO 増刊 (サピオゾウカン) 韓国「破裂」 [雑誌]
SAPIO編集部
小学館
2016/12/31

スクープ! 日本政府は慰安婦合意に関するバイデン副大統領の発言を勝手に削除していた!!!

バイデン米副大統領が安倍首相に話した内容を日本政府がわざと削除?(中央日報)
6日、ジョー・バイデン米副大統領と安倍首相の電話会談で、バイデン副大統領が現在の韓日関係を悪化させないように呼びかけたことが分かった。

韓国メディアの聯合ニュースによると、韓国の外交消息筋は8日、「日本側が釜山(プサン)の日本総領事館前の少女像の設置に抗議して駐韓日本大使の一時帰国などの対応措置を公式発表する前に、バイデン副大統領が安倍首相に電話をした」とし、これは「釜山の少女像の設置に関連した日本の措置計画に対して状況の悪化を避けるように呼びかけようとしたもの」と伝えた。

これに先立ち、共同通信は6日、バイデン副大統領と安倍首相の電話会談を伝えながら、安倍首相が「日韓両政府が責任を持って(合意内容を)実施していくことが重要で、これに逆行することは建設的ではない」と話したと明らかにした。

共同通信以外にもバイデン米国副大統領と安倍首相との電話会談を伝えた日本の報道にバイデン副大統領の発言内容はなかった。これに対し、韓国では、日本政府が自国に有利な内容だけをメディアで伝えたのではないかという指摘が出ている。
(引用ここまで)

 バイデン副大統領から安倍総理の元に電話があって「日韓関係の状況の悪化を避けるように呼びかけようとしたもの」であったと。
 聯合ニュースの記者が「外交筋の話」としてバイデン副大統領と安倍総理の電話会談の内容を知り得る立場にいるんですね。それ興味深い。とても、とても興味深い。
 ちなみに外務省に電話会談の中身が掲載されています。

安倍総理大臣とバイデン米国副大統領との電話会談

 ここに隠された文言があったということですか。
 もし、その話が本当だったとしたら大スクープですわ。
 まあ、それ以前に本当だったらアメリカ側から「極めて遺憾」くらい表明されても不思議はない。
 日米関係がおかしくなるくらいの「事件」ですよ。

 そもそもバイデン副大統領がどのようにして日本政府による措置を知って電話をかけてきたのか。
 そして、韓国の外交筋とやらがどのように削除された部分があると知り得たのか。その内容が「そのような措置をしてはいけない」というものであったとどこから聞いたのか。
 是非とも経緯が知りたいですねぇ。

 いつものイガンジルに見えますが。
 それもだいぶ願望が込められた感じです。

スクープ! 週刊文春エース記者の取材メモ (文春e-book)
中村竜太郎
文藝春秋
2016/9/28

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楽韓WebのBlog版。今年中にはドメイン含めて移行予定。

うちはそこらにありがちなゼノフォビアライクなところとは異なっており、文化的・文明的背景をもって「なぜこのようになっているのか」を解説して、大いに韓国を楽しんでしまおうというコンセプトの元に2002年から設立されているサイトです。単純に韓国が嫌いなかたは他を見てもらったほうが満足できるんじゃないかと。

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なんか適当な欄w
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