楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

澤田克己

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毎日新聞記者「仏像判決への日本の苛立ちが韓国には伝わっていない……」 → 朝鮮日報「NYTimesからもこの判決は注目されてる! そこまでの国に韓国はなったのだ!!」

「対馬の仏像」判決の背景にある「正しさ」重視の韓国司法(WEDGE)
【萬物相】対馬仏像「愛国判決」(朝鮮日報)
 背景にあるのは、日本とは違う法律に対する感覚であろう。条文に書かれた文面を重視する日本に対し、韓国は「何が正しいのか」を問題にする。条約などの国際取り決めに対しても同じようなアプローチが目立つ。道徳的に正しくないのであれば、事後的にでも正すことが正義であり、正義を追求しなければならないという考え方だ。

 「正しさ」を追求するのは儒教の伝統に依拠するものだ。軍部が力で国を統治した時代には押さえつけられていた伝統意識が民主化によって息を吹き返し、韓国社会では「正しくない過去は正されねばならない」という意識が強まった。1993年に就任した金泳三大統領が、全斗煥、盧泰愚という軍人出身の前任者2人を「成功したクーデター」を理由に断罪したことや、「歴史立て直し」を掲げて日本の植民地時代から残る社会的遺産の清算を進めたことが、その典型だろう。 (中略)

 前述した大法院による元徴用工訴訟の判断は好例だろう。日韓請求権協定の効力を否定する2012年の新判断は、日本の最高裁小法廷に当たる「部」によるものだった。建て前としては判事4人の合議だが、実際には主審判事に大きな裁量が与えられており、他の判事は追認するだけということが多い。

 これほど重大な問題は大法廷に当たる「全員審理」に回付しなければならなかったと後に批判されたのだが、全員審理ではこれほど「画期的」な判断を出せないと判断した主審判事が自分で処理してしまった可能性が高い。韓国メディアによると、この主審判事は周囲に「建国する心情で判決文を書いた」と語っていたという。これでは、英雄気取りで「正しさ」に酔ったと言われても仕方ないだろう。

 もちろん、著書「帝国の慰安婦」による名誉毀損罪で訴えられた韓国・世宗大の朴裕河教授に無罪判決を出すような判事も少なくはない。この判決は、全く無理を感じない常識的なものだった。韓国の司法といっても一枚岩ではないことは明白である。仏像訴訟の判断も高裁でひっくり返る可能性は十分にあるだろう。 (中略)

 仏像訴訟の判決に対しては韓国内でも批判が出ている。それでも日本では「やはり韓国司法はおかしい」という反応を生み、韓国そのものに対する違和感を強めているように感じられる。さらに問題なのは、日本側での違和感の拡大という「不都合な真実」が韓国社会にきちんと伝わっているようには見えないことだ。私もなんとかきちんと伝えたいと思うのだが、いつも力不足を嘆くことになってしまうのである。
(引用ここまで)
対馬の仏像は略奪品であるかもしれないし、そうでないかもしれない。しかし、泥棒が盗んできた仏像を裁判所が推定だけで「日本に返す必要はない」と判断したことは、別の問題を引き起こす。法ではなく「愛国」に基づいて判決を出したとすれば、より大きな災いとして跳ね返ってくるかもしれない。まずは韓国側の正当な文化財返還要求に冷水を浴びせる可能性がある。米紙ニューヨーク・タイムズもこの判決に関心を示した。今や他国の人々が韓国をどのように見ているのかも考えなければならない。それだけの国に韓国はなったのだ。
(引用ここまで・太字引用者)

 上の記事は毎日新聞の澤田克己氏によるもの。
 ちょっと前にも「日本のいらだちが韓国にはうまく伝わっていない」ことの危険性を書いていました。
 韓国司法の未熟さというのは韓国国内でもよく糾弾されています。
 左翼系の人間が多いのですが、似たような思想である左翼系の団体には温情判決がよく出るなんていうウリ意識から抜けきれない、という指摘がありますね。

 こういった日本を相手にする裁判の場合、そのウリ意識が韓国全体に拡がって「正義の判決」を出してしまう……というのが澤田氏の解説。
 たしかに言われてみれば記事中にもある徴用工訴訟は塩漬けになって久しいですね。去年の3月に「2年7か月に渡って止まったままになっている、いい加減にしろ」って記事が出てからほぼ1年が経過しようというのにまだ塩漬け。
 扱いに困っているというのが実際なのでしょう。

 で、韓国にはいまだにその日本のとげとげしい対韓国の雰囲気が伝わっていないということを再度書いていますが。
 伝わらなくてもいいんじゃないですかねー。韓国にしてみたらある日突然、日本人が怒り出したというように感じることになるのかもしれませんが。
 そのあたりは割とどうでもいい。
 あと控訴審で仏像収奪の判決が覆るかも、という話もありますが。
 たとえ上級審で判決が覆ったところで、「韓国はめちゃくちゃな国だ」と感じた心証までは覆せないのです。
 澤田氏は「韓国に対して好き嫌いの両方の感情がある」という人物ですから、

 あと、朝鮮日報のほうにも「この判決はめちゃくちゃだ」というコラムが掲載されていて「へぇ」と読んでいたのですが、最後の最後でリアルにお茶を吹きました。
 「それだけの国に韓国はなったのだ」ですって(笑)。
 そこまでの国になったのだから、気をつけようって言いたいのでしょうけど。嬉しさが染み出るような嬉しさが伝わってきちゃってますね。

韓国窃盗ビジネスを追え―狙われる日本の「国宝」―
菅野朋子
新潮社
2012/10/18

毎日新聞の記者ですら「強い脱力感」を覚えざるを得なかった釜山への慰安婦像設置

釜山の少女像設置、日本の厳しい世論を知らない韓国(WEDGE)
 韓国南東部・釜山にある日本総領事館前の歩道に昨年末、慰安婦を象徴する新たな少女像が設置された。(中略)この問題を契機に改めて、慰安婦問題に関する2015年末の日韓合意について考えてみたい。 (中略)

 しかし、国際条約によって保護される大使館や総領事館といった外交公館前の公道への設置を黙認するという行為は、明らかにアウトである。本来なら合意があろうと、なかろうと問題があるのだが、わざわざソウルの少女像に言及した合意がある中での黙認だ。「他の公館前には少女像設置を許さない」と明示されているわけではなくても、「合意の精神」もしくは「趣旨」に反するとしか言えない。

 だからこそ日本側で強い反発を呼んだのである。特に、大使館前の少女像撤去は簡単ではないと考えていた日本の専門家や政府関係者が受けたショックは大きかったように見える。韓国側の対応を見守るべきで、性急な要求をするのは逆効果にしかならないと説明する論拠を失ってしまったからだ。正直に言えば私も、釜山の少女像が結局建てられたというニュースを見た時には、失望というより強い脱力感を覚えた。 (中略)

 私見では、ソウルの少女像に対する日本国内の反感の強さは韓国側にきちんと認識されていない。私は昨年秋、来日した韓国メディアの記者たち(主として政治・外交担当)との意見交換会で、日本の世論は少女像問題に極めて強い関心を持っていることを認識しておいた方がいいと伝えたのだが、韓国人記者たちはピンとこないようだった。

 日本側の対抗措置に韓国メディアが驚いた理由の一端は、ここにありそうだ。日本側の関心をきちんとフォローしていないから、「なんでこんなに激しい反発が出るんだ?」と驚いた。だから、「(対露外交など)安倍首相の相次ぐ外交失敗に失望した右翼保守層を結集させ、国内の支持基盤を固めようという意図が見える」(聯合ニュース)、「トランプ政権の発足前に韓国が外交合意に違反しているという主張をして、韓米関係を引き離そうとする動き」(ニュース専門テレビ・YTN)、「韓国の国政空白と米国の政権交代という時期をにらんだ日本の奇襲」(朝鮮日報)などという解釈が堂々と語られるのである。 (中略)

 一方で安倍首相に対しては、合意発表時に自らの口で謝罪の言葉を公にしなかったことや、おわびの手紙を書かないのかと国会で質問された際に「毛頭考えていない」という強い表現で否定したことへの批判がある。(中略)手紙についても前例を踏襲するかどうかという話なので、少なくともそれほど強い表現で拒絶する必要があったかは疑問だ。 (中略)

いまや韓国では全否定の対象ではあるものの、朴大統領が「当事者の納得する措置が誠意ある措置だ」と繰り返していた時に異論をはさんだ運動団体や韓国メディアはなかった。それなのに、生存者の7割超が合意に基づく事業を受け入れたことを全く評価せず、ほとんど報道もしないというのは、どうしたことだろうか。

 こうした事実をきちんと踏まえた上で、なお残る問題点について指摘するのが筋ではないか。日韓合意に否定的な韓国の有力政治家も同じことだ。当事者の多くが受け入れたことへの評価を明確にしないまま、再協議や破棄を主張するのは無理がある。

 日韓合意は、1990年代初めに慰安婦問題が外交問題となってから初めての政府間合意だ。日本による一方的な措置だった河野談話発表やアジア女性基金が国際社会に広く知られることなく終わったのと違い、日韓合意は国際社会に広く発信され、米国や欧州諸国、国連など多くのアクターから歓迎された。それだけに両国とも現実には破棄など簡単ではないし、そんなことをしても得るものはない。破棄しようとしたり、蒸し返したりしようとすれば、かえって外交的なマイナス点を重ねるだけになりかねないだろう。
(引用ここまで)

 この澤田克己という記者、かなりの知韓派です。
 10年くらい前に「脱日する韓国−隣国が日本を捨てる日」という本を書いていますね。内容はいまひとつ覚えていないのですが、読んでいることは間違いないです。
 かつて日本を特別視してきた韓国であるが、成長に従ってその構造から抜け出そうとしている、という当たり前の話を書いていただけで、本のタイトルがちょっと刺激的だったというだけですかね。
 でもまあ、長く韓国滞在していただけのことはあって、ちょっとメモをしたような部分があったようななかったような……。
 その後のイ・ミョンバクによる竹島上陸のあたりで「ああ、遠慮しないようになったというのはこういうことか」ってこの本をちょっと思い出しました。

 毎日新聞の記者であるという部分から偏りがあるのかなと思いきや、以前も中央日報のインタビューに対して「韓国は好きな部分も嫌いな部分もある」というように答えている客観視ができている人だなという印象があります。
 韓国で財布を落として戻ってきたっていうドヤ顔の記事を書いて、「その記事って実は韓国disだよね」と楽韓Webに喝破されるような生半な人物でないのは確かだと思います。
 その記者にして今回のプサンの慰安婦像設置に「失望というより強い脱力感を覚えた」と書かせてしまう。

 その原因が「日本側の反応の強さが伝わっていない」ことにあるようだとするのは慧眼ではないかと思います。
 「反応の強さ」とぼかしていますが、この記事にかぎらず、日本に蔓延しているのは嫌悪感ではないかと感じます。
 韓国側は「日本がいやがってるぞ、もっとやれ!」くらいに思っているのですが、実際にはいやがっているのではなく「嫌悪感を抱いている」というのが実際の感覚に近いのではないかと。
 韓国側はメディア、政府含めて「市民団体がやっていることだ」っていう言い訳を延々と言っているのですが、それも含めての嫌悪感ですかね。
 合意を守ろうとしない嫌悪感。
 国家間の合意を無視しようとする嫌悪感。
 うん、しっくりきますね。

 記事中の「お詫びの手紙を書いたほうがいい」というのは、いただけない感覚かなと思いますが。
 以前も書いたように韓国に対して合意に挙げられていないことをやるのは危険なのですよね。
 そこから一点突破すらやりかねない輩なので。

 記事は「慰安婦合意は日韓の歩み寄りの結果だ」というようにまとめられていますが、日本側は当初から破棄されることもも含めての対応だったのではないかというのが楽韓Webの立場なので、その部分はちょっと相容れないところです。
 でも、なかなか面白い記事ではあると思います。

 記事の裏側すべてに「もうホントになんとかしろよ……」という、韓国が好きな部分がある著者だからこその怨嗟の声が張りついている感じです。
 知韓であればあるほど、がっくりときているというのは実際なのでしょうね。

おっと、こちらもKindle化。
困った隣人 韓国の急所
井沢元彦 / 呉善花
祥伝社
2013/10/30

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