楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

米韓関係

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韓国メディア「米韓関係になにが起きてるんだ!?」→米国連大使「平昌五輪に選手派遣するかは未解決」→米政府「公式決定はしていない」

【社説】平昌五輪参加を明言しない米国、一体何が起こっているのか(朝鮮日報)
米ホワイトハウスは7日、平昌冬季オリンピックに米国が参加する問題について「正式には決まっていない」とコメントした。前日「米国の参加決定についてはすでに終わったことではないのか」との質問に米国のヘイリー国連駐在大使が「今なお疑問だ」と回答したのに続き、ホワイトハウスまで米国の平昌オリンピック参加に関する明言を避けた。米国務省の担当者もこの日「米国は韓国で開催されるオリンピックの一員になることを期待している」と語っただけで、メディアの度重なる質問に「参加する」とは明言しなかった。ホワイトハウスの報道官もこの日午後、ツイッターで「米国の参加を期待する」と同じように書き込んだ。 (中略)

韓国政府のある高官は「ヘイリー大使の発言には驚いた」とした上で「米国内で何か混乱が起こっているのではないか」との見方を示した。しかし米国の国連大使はホワイトハウスの会議に参加するメンバーの1人であり、しかもヘイリー大使はトランプ大統領の信任が非常に厚いとも伝えられている。韓国大統領府はヘイリー大使の発言が公表された直後、米国に平昌オリンピック参加問題で混乱を起こさないよう求めたが、米国はこれにも明確な回答を示していない。 (中略)

 一方の韓国政府は米国の動向を全く把握できていない。韓米同盟が強固であり、2人の大統領が親密な関係を維持しているのであれば、米国の本音や検討中の問題を韓国政府が把握できないことなどあり得ない。もしかすると今韓国政府だけが仲間外れにされているのではないだろうか。 (中略)

 香港メディアは先日、韓半島(朝鮮半島)情勢をめぐって中国が北朝鮮との国境付近5カ所に難民収容所を建設する計画を進めていると報じた。また米CIAの次のトップと目されるコットン上院議員は「在韓米軍が家族を同伴させることは中断させるべきだ」と発言した。北朝鮮の核問題が深刻化すればするほど、韓米同盟は一層強固なものにならねばならない。ところが米国は平昌オリンピックへの参加を未定としており、しかもそれについて韓国政府は誰も確かな説明ができない。今韓半島情勢をめぐっていったい何が起こっているのだろうか。
(引用ここまで)

 ヘイリー国連大使がアメリカ選手団派遣について「まだ解決されていない状況」と発言。
 その発言を受けてホワイトハウスのサラ・サンダース報道官も「公式決定は下されていない」と発言。
 ただし、アメリカオリンピック委員会(USOC)会長は「選手団を派遣しない可能性について話し合ったことはない」と発言しています。
 
 国連大使はアメリカに居続けられることもあって、連絡は密に取れているはず。
 つまり、大使個人から出てきた唐突な話ではないということです。
 なんらかの意図の元に出た発言であるわけですね。

 その意図が、「三不の誓い」を立てた韓国に対する制裁、あるいは圧力を意味するものなのか。
 あるいは本当にアメリカは「選手の安全を保障できない」と考えているのか。
 もしくは第二次朝鮮戦争のスケジュールが確定しているから、こういう話が出ているのか。
 ……どれもあり得そうで、これだと断じるには微妙なところだなぁ。
 微妙なところだからこそ、どれであっても効果があるという言いかたもできるでしょうけども。

 「アメリカもオリンピック・パラリンピックを中止にするようなことはしないだろう」ということで、2月・3月の開戦をないとしている向きもあるようです。
 そうして多くの人間が「ない」と考えているからこそ、そこに持っていくという考えかたもあり。

 個人的には韓国に対して「対話対話とバカのひとつ覚えを言ってないで、北朝鮮に対して圧力路線で協力しろ」という無言の圧力ではないかなと感じています。
 選手の派遣を確約してしまった時点で、この圧力は意味を為さなくなるのでこういった話になっているのかな……と。

 最後の段落にあるコットン上院議員の発言は検索したのですが見つかりませんでした。
 ティラーソン国務長官の後釜として噂されている現CIA長官のポンペオ氏。
 コットン議員はそれによって空席となるCIA長官の後釜と噂されているトランプ支持派の議員。まだ40歳という若手議員ですね。
 先日のリンゼー・グラム議員に続いての発言で議会筋にも危機感が拡がっているのが分かります。

 いろいろと混沌な状況ではありますが、順調に韓国パッシングは継続中であるということだけは間違いないようです。

陰謀論の正体!
田中聡
幻冬舎
2014/7/3

アメリカから韓国への通商圧力は洗濯機のセーフガードや米韓FTA改定では終わらない。その理由とは?

「洗濯機が終わりではない」…強まる米国の通商圧力(中央日報)
「米国の全方向的通商圧力が本格化した。今後米国との通商摩擦拡散は避け難い」。

米国際貿易委員会(ITC)がサムスン電子とLGエレクトロニクスが製造した洗濯機の一部について高率の関税を課すようにというセーフガード(緊急輸入制限措置)勧告案を出したことについて通商専門家である西江(ソガン)大学国際大学院のホ・ユン院長はこのように評価した。トランプ米大統領の「自国優先主義」を反映した通商圧力は洗濯機だけにとどまらないだろうという話だ。韓米自由貿易協定(FTA)改定に対する交渉力強化のためにも米国が韓国に対する貿易障壁をさらに高める可能性が大きく対応策の用意が急がれるとの指摘が出ている。 (中略)

このように米国が貿易障壁を高く積み上げているのは韓米FTA再協議と連携しているとの分析が出ている。光云(クァンウン)大学国際通商学部のシム・サンリョル教授は「韓米FTA改定過程で優位を占めるために主要な韓国製品に対する貿易障壁を一斉に高める『パッケージ戦略』を展開している」と話した。 (中略)

韓米FTA改定交渉もやはり米国の言いなりにはならないという考えを示した。この日韓米FTA改定と関連した農畜産業界懇談会で産業通商資源部のユ・ミョンヒ通商政策局長は「韓米FTA破棄のオプションは韓国も持っている。農業分野の追加開放はないという考えを米国に表明した」と話した。
(引用ここまで)
 もちろん、洗濯機だけで終わりではないし、FTA改定だけで終わりでもないのです。
 レッドチームに行った連中に対して、わざわざ通商面で便宜を与えるわけがない。これまでもあっちにふらふら、こっちにふらふらとしてきたけども今回の三不は明白な態度表明でした。
 もはや中国の属国になるという明白な意思が込められていた行動です。

 アメリカが韓国のわがままを聞き入れてきたのは、こちら側の陣営であり基地を置いている、かつ軍事同盟を締結している国だからこそ。その血で守ってきたという自覚がある国だったからというのも大きな要因です。
  自由の女神像のあるリバティアイランドへ向かう船着き場の横にはKorean War Memorialという記念碑があります。バッテリーパークという公園です。


 アメリカ人(そして西側諸国)は韓国を守るために、韓国人と同じくらいの血を流したのですよ。
 ただ、それも60年も前の話。

 ムン・ジェイン政権は戦時統制権の返還、および軍事同盟の撤回を明らかに狙っていますが、それはアメリカとの関係性を根本的に見直すという宣言に他ならない。
 であれば、もはや韓国に通商面で便宜を与える必要も理由もなくなってしまった。
 中国に対する「三不の誓い」はアメリカから見れば裏切りそのものですからね。

 問題はそれだけのことをしたのであるという自覚が、どうも韓国政府にないっぽいところなのですが……。


韓国メディア「THAAD問題で物乞いしてまで中韓首脳会談をするのか?」……キミらの大統領は朝貢使であって、もはや首脳会談ではないんだが……

THAAD:韓国に合意履行を求める中国、現地調査を要求(朝鮮日報)
THAAD:火種くすぶる韓中合意、文大統領訪中で再燃の恐れも(朝鮮日報)
【社説】物乞いをしてまで韓中首脳会談をやるべきなのか(朝鮮日報)
 高高度防衛ミサイル(THAAD)に関する中韓の合意(10・31合意)の履行をめぐり、中国が韓国軍当局に要求している中心事項は「中国が知らないうちに、米国がTHAADのレーダーのモードを現在の終末段階迎撃用(TBR)から(中国本土を探知し得る)前方配備用(FBR)へ切り替えかねない、という疑いを技術的に解決して欲しい」というものであることが24日までに分かった。(中略)

中国側は「THAADの装備を米国本土に持っていかず、簡単にソフトウエアを交換できる」として、これについての技術的疑念を提起し続けているという。この点を確認するため、中国側は星州にいるTHAAD部隊の現地調査をしたいと要求したが、韓国政府は「応じられない」という立場を伝えたという。中国の王毅外相は、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相との韓中外相会談で、こうしたTHAAD使用制限問題を要求したものとみられる。
(引用ここまで)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪中を来月に控えている韓中外交当局が終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題の議題を含めるかどうかで神経戦を繰り広げていることが24日、明らかになった。韓国政府は「THAADは『封印』された」と主張し続けているが、韓中会談で再び取り上げられる可能性があり、矛盾に陥っている。

 22日の韓中外相会談に同席していた韓国外交部(省に相当)当局者は24日の記者会見で、「韓中当局間に認識の違いがある。(THAADは)中国にとって深刻な問題なので、次期首脳会談でも(中国が)この問題を取り上げるかどうかは、さらなる外交的調整が必要だ」と語った。 (中略)

 目前の軍事当局間会談で中国が何を要求するかも知らないのに、韓国大統領府と外交部は24日、THAADの問題が「現段階では封印された」と繰り返し主張した。「中国がそう説明した」というのだ。

 韓国政府は特に、13日の文在寅大統領との会談で李克強中国首相が言った「階段性処理」という中国語を「現段階では封印しよう」という意味だととらえている。中国外務省が14日に行った中国語発表文によると、李克強首相は「中韓はこのほど、THAAD問題の階段性処理に対する共通認識を一部達成した。韓国側が実質的な努力を続け、中韓関係発展の障害をきれいに取り除かなければならない」と述べたという。この時、その意味を尋ねる韓国人記者らに対して中国外務省関係者は「段階を踏んで最終的にTHAADを撤収せよという意味だ。その第一段階が10月31日の韓中合意だ」と語った。このため、「THAAD封印」という韓国政府の説明とは異なると批判の声が上がった。

 しかし、韓中外交会談後、韓国政府は中国語の「階段性処理」という言葉を韓国メディアが「段階的処理」と翻訳しただけで、実際の意味は違うと主張し始めた。大統領府関係者は24日、「中国側の説明によると、『階段性処理』は『現段階』という意味だそうだ。THAAD対する『封印』という見解は変わらない」と言った。韓国外交部当局者も「中国側関係者の説明によると、『階段性処理』は『現段階で問題を一段落させ封印する』ということだ」と言った。これらの当局者はみな、中国語を知らずに中国側の説明と英訳文に頼って事案を理解していた。

 ところが、本紙が同日、通訳・翻訳大学院長を務めたこともある中国語の通訳・翻訳専攻教授や中国通の外交専門家、ネイティブ・スピーカーなどに李克強首相の発言の中国語原文を見せたところ、全員が「『段階的処理』と解釈するのが正しい」「中国語の『階段性』は『すぐに成就させるのは難しい中長期的目標に向かっていく』というニュアンスで、原文の文脈では『step by step』に近い。最終目標はTHAAD撤収だ」と答えた。
(引用ここまで)
 「1限」とは韓国領土に配備された防衛用兵器の運用を他国の意向に沿って公開するよう求めるもので、まさに国家主権を蹂躙(じゅうりん)する要求だ。(中略)

 中国の懸念を払拭する努力は常に必要だ。しかしそれでも越えてはならない一線というものがあり、その線の基準は韓国の国家主権だ。中国との関係改善は必要だが、決して屈服してはならない。来月中旬に文大統領は中国を訪問することになったそうだが、この訪問を実現させるために今から多くのことを犠牲にしたとの見方も相次いでいる。国として物乞いをしてまでやるべき首脳会談などあり得ない。
(引用ここまで)
 10月31日にムン・ジェインは「THAAD問題は封印された。韓中関係は新しい時代に入ったのだ」と高らかに宣言したのですよ。
 韓国人はそれもあって「外交天才!!」と絶賛したのですね。

 ですが、APECでムン・ジェインと習近平が会うと開口一番に「THAAD配備に我々は反対している」と言われる。
 外交部長官のカン・ギョンファが王毅に会えば「THAADはどうなった」と言及される。
 ムン・ジェインは国内に向けては「THAAD問題は封印された。中国はもはやこの問題に対して言及しない」という態度をとり続ける。
 で、中国に対しては「どうかどうか穏便に対処のほどをお願いします」と言い続ける。
 その間にある齟齬を「翻訳の考え違いだ」だの「中韓で認識の差異があるようだ」だの言ってのける。
 まあ、古い政治ならそれも通用したのでしょうが、いまは中国が発表した中国語のリリースだっていくらでも手に入ってしまう時代ですよ。
 隠し通すことなんて無理なのですけどね。

 朝鮮日報はこのTHAAD問題、特に三不の誓いに対して反対キャンペーンとも言えるものを続けているのですが。
 もう終わったことですよ。
 「中韓首脳会談」という名の朝貢使による皇帝面会の機会をいただいているのです。
 韓国は属国というか、冊封を受けている国となってしまった。

 「三不の誓い」を立ててしまった以上、米韓同盟を組んでいることのほうがむしろおかしい。習近平にしてみたら「朝貢している連中が他国と軍事同盟とか不敬だろ」ってくらいの話です。
 2014年の時点で中国当局者から「朝貢外交に戻ってはどうか」と言われて韓国側が憤慨したという記事がありましたが。
 中国はずっと米韓同盟の切り崩しを狙っていたのですよ。
 そしてついに成功したのです。
 取り返しのつかない状況に追い込まれているのが理解できてないのかなぁ……。

Fate/Grand Order サーヴァントキーホルダー 61 キャスター/ニトクリス
ベルファイン
2017/5/25

中国政府「THAAD撤収のために中韓が協力しよう」→韓国政府「え、三不で終わったんじゃなかったの?」

サード撤退求め続けている中国、反論のない韓国(東亞日報・朝鮮語)
中国が段階的にTHADDミサイルを撤収するという、いわゆる「THAAD配備の段階的処理に韓中が合意した」と改めて言及し、韓国にTHAAD撤収を要求した。中国はこれを韓中間の合意内容として既成事実化しようとする意図を露骨化しているが、「THAAD問題は二度と取り上げられることはない」といっていた韓国政府は、しっかりとした反論すら出さずにいる状況で議論が予想される。

王毅外交部長は22日、北京の釣魚台(釣魚臺)で開かれたカン・ギョンファとの外相会談の冒頭発言で「先日、(先月31日)中韓双方は共同発表文を通じてTHAAD問題の段階的処理についていくつかの合意を達成した」とし「米国のミサイル防衛システム(MD)に加入していない韓国に一時的に配置されているTHAADは、中国の安全保障の利益を毀損しないなどの内容について韓国の立場表明を重視する」と明らかにした。続いて、「中国には『言葉には、必ず信用がなければならず行動は、必ず結果が伴わなければならない』(言必信行必果)という言葉がある」とまで言及し「韓国側は引き続き、この問題を適切に処理してもらいたい」と韓国にTHAADミサイルの撤収を要求した。カン長官はムン・ジェイン大統領の翌月訪中協議のために中国訪問をしている。中国の論理どおりなら、韓国は韓中関係の改善を対価としてTHAAD撤収の約束を守るために努力しなければならないことになる。

最近李克强中国首相がムン・ジェイン大統領に「THAAD問題の段階的処理に韓中が合意した」という主張を初めて取り出した後、王部長がこれを再度取り上げ、先月31日、韓中発表文の内容と強調した。それでも「THAAD問題が封印された」と発言をしたカン長官は冒頭発言では「段階的処理合意」という発言に対してどのような反論もなかった。

中国外務省関係者は最近、東亜日報の記者に「段階的処理」の意味について「手順を踏んで、最終的には朝鮮半島からTHAADミサイルを撤収すること」とし「最初のステップは、先月31日、韓中合意」と明らかにした。この日、韓中外相会談で先に陸慷中国外交部スポークスマンも定例ブリーフィングで、「THAADミサイルの段階的処理に韓中が合意した」と強調しながら、「中国は、THAAD配備に反対する立場が全く変わらなかった」と述べた。
(引用ここまで)

 カン・ギョンファは中国側からは発表されなかった年内のムン・ジェイン訪中についての打ち合わせにきたようなのですが。
 それにも関わらず、まず最初にTHAADの話題。
 ふむ。
 中国はTHAAD撤収に向けて前進を続け、中韓の二国間でなんらかの会合があったときには必ず言及するというようにしているわけですね。
 つまり、中国にとっては「約束」であろうと「立場表明」であろうとどっちでもよかった。
 現時点でのステータスは「三不」でよい。
 しかし、将来的にはTHAADミサイルそのものを撤収させることが両国の目標であると認識している。
 ムン・ジェインの訪中が本当に年内にあるのかどうかは不明ですが、そのときにもこうして「THAADミサイル配備について」を言われるのでしょう。

 中国が狡猾なのは、ちゃんと中国人観光客に韓国旅行を再開させているところなのですよ。
 韓国政府は「これでTHAAD問題はすべて終わった」としているので、もはやなにも言えない。少なくとも、圧力はなくなったのは事実。ここで抗議でもしようものなら、元の木阿弥だろうと想像させているわけですね。

 ま、実際にはTHAADミサイルを配備しているのは在韓米軍ですから、韓国政府が単体でどうこうできるわけないのですが。
 もちろん、中国の最終的な目論見はTHAADミサイル撤去に留まらず、米韓同盟の破綻ですからそのための手順をコツコツと進めているといったところでしょう。
 「バランサー」を自認しているわりには、交渉事がまるっきりなにもできないっていうのは致命的ですよね。

国内情勢が厳しいから対外的に強く出るしかない、というのもあるのでしょうね。
ルポ 隠された中国 (平凡社新書855)
金 順姫
平凡社
2017/10/13

韓国のやった「三不」の評価を見てみよう→香港紙「中国は銃すら撃たずに韓国に勝った」→英エコノミスト紙「中国は狗のように韓国をしつけた」

【社説】「中国は銃を一発も撃たずに韓国に勝った」(朝鮮日報)
CHINA WINS ITS WAR AGAINST SOUTH KOREA’S US THAAD MISSILE SHIELD – WITHOUT FIRING A SHOT(South China Morning Post・英語)
South Korea is making up with China, but a sour taste remains(The Economist・英語)
 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは18日、「中国は銃を一発も撃たずに韓国とのTHAAD戦争に勝った」と題する記事を掲載した。同紙は韓国がTHAAD追加配備、米国のミサイル防衛(MD)参加、韓米日軍事同盟を推進しないという「3つのノー」政策を表明し、中国と結んだTHAAD合意を「大きな(enormous)犠牲だ」と評した。「3つのノー政策は経済を政治・安全保障問題とリンクさせる(誤った)前例をつくった」とする専門家の分析も紹介した。同紙は合意がなされた背景として、「韓国の左派は歴史的、政治的な理由で日本を嫌がり、中国にむしろ親近感を感じる」と指摘した。

 これに先立ち、エコノミスト誌は相手の行動が気に入らなければ、先にいじめてから少しよくしてやるといった犬のしつけのようなアプローチ(doghouse approach)に韓国が屈服したと指摘した。韓国政府はTHAAD合意で韓国が中国に主権を譲歩したとの批判を受け入れていないが、「中国が銃を一発も撃たずに勝った」というのが国際社会の評価だ。

 中国が今後、THAAD合意文書をどう利用するかは明らかだ。中国の習近平国家主席と李克強首相は最近、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談した席上、「韓国側が関連する問題を適切に処理することを望む」と言及し、THAAD撤収を迫ったとされる。韓国側はそうした内容を知られないようにするばかりだ。米国は同盟国である韓国が韓米同名を弱体化させかねない措置を取ったことに衝撃を受けているとされる。

 サウスチャイナ・モーニング・ポストは、韓国政府が日本を協力対象ではなく、歴史的、政治的に中国と共に対抗すべき国だとみているため、THAAD合意がなされたと分析した。
(引用ここまで)

 「中国は一発の銃弾すら使わずに勝利した」「
 まあ、それが国際的な評価というものですね。
 韓国政府やムン・ジェイン個人がどれだけ「あれは約束ではない、立場表明だ」なんて言ったところで、そんなものは言葉の遊びとしてしか受け取ってもらえない。
 韓国が17世紀の李氏朝鮮による三田渡の盟約を、21世紀になって再現したのだというのは朝鮮日報も書いていましたっけ。

 まだ世界は「三不」を中国への再属国化のターニングポイントとまでは見てはいないようですが。
 楽韓Web的には決定的なターニングポイントのひとつ見なしています。
 もうひとつは2015年8月のパク・クネによる天安門での抗日戦勝パレードへの参加ですね。
 あれでオバマが本気で怒って10月のパク・クネ訪米時に「中国に対して意見できる国になれ」とサプライズで発言、その年末には慰安婦合意を結ばされて、2016年7月にはTHAADミサイル配備を決定させられた。
 現在の中国への恭順具合はその時の揺り戻しであるとも見えますが、この一連のアメリカ側の努力が最後通牒であったと感じます。

 朝鮮日報は最後に……
 中国は経済、外交的に非常に重要な国だが、韓米同盟に取って代わる国では決してない。韓米同盟なき対中外交は砂上の楼閣にすぎない。中国が韓米同盟にしつこく揺さぶりをかけるのは、北東アジアの構造を打破しようとしているからだ。そんな中国に韓国が自ら「銃声なき勝利」を与えてしまった。(中略)政府は適切な機会に「3つのノー」合意の具体的な解釈を発表する方式を取るなどして、主権を再確認しなければならない。
(引用ここまで)

 「三不」に対して米韓同盟を捨てないような解釈をつけろと注文しているのですが。
 ……いや、さすがにもう無理でしょ。
 アメリカの政府高官からすらも「あれは一般的に見れば主権放棄」って言われちゃってるんだから。
 もはや賽ならぬ「匙は投げられた」って感じですわ。

 抗日戦勝パレードに参加したあとに、ちょうどそんなことを書いているエントリもありました。
 長年、韓国を見てきたからこそ分かる、ターニングポイントだったということですね。

「独立は彼らには使いこなせない特典であった……」
朝鮮紀行 (講談社学術文庫)
イザベラ・バード
講談社
1998/8/10

独島エビに慰安婦のハグ、韓国政府の意図はトランプに伝わったのか

【コラム】国賓晩さん会メニュー、韓国側の意図は伝わったのか(朝鮮日報)
「独島エビ」日本抗議で米指摘、韓国「独島」削除 トランプ氏、元慰安婦と知らず抱擁(産経新聞)
 もし韓国大統領府の晩さんメニューに込められたメッセージが「肉ばかり食べていては体によくないですよ」というものだったのなら、この晩さん会は大成功だった。メニューでトランプ大統領が好きな肉の比重はさほど大きくなかったからだ。あるいは世界のメディアに「韓食の美しさ」を伝えたかったのだろうか。確かに写真で見た食事の見た目は非常に美しかった。

 「韓国は自分たちの領土をとても愛している」というメッセージだったのか。だとすればそれも成功した。普通に「砂エビ」と書けばいいものを、あえて「独島エビ」という名前を付け「独島は韓国領土」であることを強調した。ただそのことを晩さんの席で米国の大統領に改めて強調する必要があったのだろうか。

 「米国の大統領は世界の大統領」と持ち上げたかったのだろうか。それも成功した。日本は北朝鮮拉致被害者家族を、韓国は元慰安婦女性をトランプ大統領に会わせた。日本は北朝鮮のことを、韓国は日本のことをトランプ大統領に訴えた。(中略)食事の内容はともかく、韓国は本当に「訳の分からない国」と認識させることには成功したはずだ。それがわれわれの狙いだったとすれば、トランプ大統領の来韓は大成功だったと言えるだろう。
(引用ここまで)
 韓国大統領府が7日にトランプ米大統領を招いて開いた晩餐(ばんさん)会で、韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)の韓国側呼称「独島」の名前のついたエビの料理を出した問題で、米政府の指摘を受けた韓国側がメニューから「独島」の文字を削除していたことが16日、分かった。また、晩餐会に招待された元慰安婦についても、トランプ氏は元慰安婦と認識せずに抱擁していたことも判明した。

 日本政府はエビ料理と元慰安婦の招待について7日中に韓国側に抗議した。日本政府関係者によると、韓国側は日本の抗議には反応しなかったが、日本の抗議を把握した米国の指摘を受け、「独島」名を外したという。
(引用ここまで)

 韓国が独島エビを晩餐会のメニューとして出す(そして日本からのクレームでアメリカに言われてその文字を消去する)。
 晩餐会のゲストとして元慰安婦を出してくる(どんな背景を持った人物なのかは隠したまま)。

 トランプ大統領に韓国という国を印象づけたいという意味であれば、成功したと思います。
 まあ、それがネガティブに作用したのかポジティブに作用したのかはともかくとして。
 「ああ、こういう国なのだな」という印象づけに成功したのは間違いない。

 アメリが側の事務方は「ああ、やっぱりこういうことやってきたか」っていう印象でしょうし、はじめて韓国の「歓待」に接した人間は「なんでこんなことを?」と思うでしょう。
 この北朝鮮とぎりぎりの状況で最前線になり得る……というかならざるを得ない国が、なんで同様にアメリカの同盟国のはずの日本を貶めるような話をしているのだ……って。

 「あいつは物乞いか?」って言われていたムン・ジェインですが、なおのこと「わけがわからない」という印象を与えたことでしょう。
 むしろ確信を与えたと言っても過言ではないと思いますね。

 韓国政府はネチズンから熱狂的な支持を受けて勝利。
 日本はきっちり外交的抗議する機会を得て勝利。
 アメリカは韓国という国を正しく認識することができて勝利。
 朝鮮日報の記事に代表されるように韓国の保守派は頭を抱えているでしょうが、もう彼らはムン・ジェインの就任からこっち5年間は負け続けることが確定しているので問題なし。

 どこも損をしていない。素晴らしい結果じゃないですか?
 トランプのアジア歴訪は概ね成功だったといっていいと思いますね。


朝鮮日報「主権を捨てた『三不』にトランプ訪韓時の失態……ムン・ジェインの外交はまるでアマチュアだ!」……多少は同情しないでもない

【社説】文政権の素人外交、韓国人と米国人をばかにしているのか(朝鮮日報)
 韓国政府は中国を意識して三不政策を公表したが、そもそもこれ自体があまりにも戦略不在であり、しかも主権を放棄し、外交政策に自ら足かせをかけるアマチュア的な行動だった。当然米国もあからさまに不満を表明している。駐韓米国大使に就任する可能性が高いジョージタウン大学のビクター・チャ教授は「一国の安全保障政策において、将来の選択肢の1つとなり得るオプションを最初から排除することは国益にプラスにならない」と指摘しており、またかつて米国務省で韓国課長を務めた人物も「(韓国政府は)韓国人と米国人をばかにしているのか」とまで言って激高した。

 トランプ大統領来韓の際に発表された韓米共同発表文には「アジア太平洋」という言葉ではなく「インド・太平洋」という言葉が使われたが、後に韓国政府がこれを認めないとしたこともアマチュア的だった。同意しないのなら当然協議の時点で取り上げるべきではなかった。ところがトランプ大統領がソウルを出発すると同時に韓国政府は違うことを言い出し、それも外交担当者ではなく経済政策の補佐官が口にした。ここまでずさんな外交政策があってもよいものだろうか。

 近く文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平・国家主席との首脳会談が予定されているが、今韓国政府の目にはこのことしか見えておらず、首脳会談の席で習主席が不快感を示さないようにすることが全てに優先しているようだ。韓国は決して大国とは言えないが、かといって小国でもない。自らの信念と原則を守り、国益の優先順位をしっかりと見定めて政策を遂行していけば、どこの国も無視できない程度の国力は持っている。ところが今政府が行っている外交政策は、この持っているものまで勝手に捨て去ろうとするようなものだ。
(引用ここまで)

 あえていうならムン・ジェインの気分も分からなくはないですけどね。
 周辺国からどういう扱いを受けているか、チェックしてみるとこんな感じ。

 北朝鮮の核問題は日に日に重さを増している。
 中国からはTHAAD配備で圧迫を受けている。
 アメリカからは「おまえらは物乞いか」と叱責される。
 日本からは「日韓関係の1丁目1番地は慰安婦合意」と距離を取られる。

 外交的にもうどうしようもない。
 動きの取りようがないのですよ。解決の糸口すら見つからない。

 北朝鮮とは対話路線で行こうと思っていたのに一蹴されて、一顧だにされない始末
 中国からは「THAAD配備したら一瞬で中韓関係は終わりだって言ったよな?」とすごまれる。
 アメリカからは「北朝鮮へ圧力をかけようという時におまえはなにをしている?」と問われる。
 日本からは「日韓関係を適切にマネージしたい」と距離を取られる。

 この中でぱっと見で解決できそうなのって中国しかないのですよね。
 すべての言い分を受け入れればとりあえずTHAAD配備に伴う圧迫だけは外してもらえそう。
 その結果、主権を捨てて中国が言うとおりの「三不」を受け入れることになったわけです。
 一番なんとかなりそうなことをなんとかしたに過ぎないのですよ。最悪の形ですが。

 朝鮮日報は「アマチュア外交」って言いますけど、韓国人はそれを許容しているわけですしね。
 支持率も70%をキープし続けている。
 「日本とは同盟しない」って言っただけでNAVERニュースに10000を超えるコメントがついて、そのほとんどが絶賛なのですよ?
 朝鮮日報をはじめとした保守派はもう諦めろ。なにを言ってもおまえらはこの大統領を国家元首として掲げたままであと4年半行くしかないんだから(笑)。
 アメリカ対策もホワイトハウス内部にファンクラブがあるんだから大丈夫ですよ、きっと。

世界史で学べ!地政学
茂木誠
祥伝社
2015/6/15

アメリカ「北朝鮮への圧力として空母を三隻送った! 日米韓で合同軍事演習だ!」→韓国「中国に三不を誓ってしまったので三国での合同軍事演習はできません……」

米空母中心の韓米日合同訓練、韓国の反対で白紙に(朝鮮日報)
韓日米「空母」連合訓練、韓国が拒否(中央日報)
 米国の原子力空母3隻が参加し、北朝鮮に対して武力を誇示するという性格の大規模海上訓練が、11日から14日まで東海(日本海)で行われる。韓半島(朝鮮半島)周辺に空母機動部隊が3つも集まるのは、6・25(朝鮮戦争)以来3度目。このため、当初米国は韓米日3カ国の合同訓練を提案していたが、韓国側の反対で白紙になり、韓米だけの合同訓練として行われることになった。11日に予定されている韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平国家主席の韓中首脳会談や、韓国政府が中国と「高高度防衛ミサイル(THAAD)合意」を行って表明した「三不」の立場が理由なのかどうか、注目されている。

 韓国軍の消息筋によると、先月米国はドナルド・トランプ大統領のアジア歴訪の期間に合わせ、3つの空母機動部隊を動員した東海での訓練を計画し、韓国と日本に3カ国合同訓練を提案した。米空母3隻が日本の海上自衛隊の艦艇に護衛され、東海に設定された韓国海軍の作戦水域(KTO)に順次入ったら、韓国海軍の艦艇も加勢して空母の護衛作戦、航空作戦、航空射撃などさまざまな訓練を3カ国合同でやってみようというものだった。しかし韓国側が難色を示したことにより、3カ国合同訓練は白紙になった。日本の艦艇はKTOに入る前まで米空母機動部隊に同行し、KTO内では韓米の艦艇だけが一緒に訓練をするものと決まった。
(引用ここまで)
韓国国防部のムン・サンギュン報道官は前日、「韓日米連合訓練計画はない」と述べたが、その理由は説明しなかった。

しかし政府消息筋は「高高度防衛ミサイル(THAAD)問題を解決して韓中首脳会談をすることにした過程で中国と合意した『韓日米安保協力は軍事同盟に発展しない』などの『3不(No)原則』に基づく措置とみられる」と伝えた。
(引用ここまで)

 アメリカは対北朝鮮を想定した軍事演習なので、日米韓の連携練度を高めておきたいでしょうね。
 日本にとっては集団的自衛権を行使する可能性を論ずるシチュエーションとしては、対北朝鮮が最大のものとなるでしょう。それだけに当該海域での準備をしっかりとしておきたい。データも取っておきたいことでしょう。
 さらにこの海域で三カ国が合同軍事演習することで北朝鮮に与える圧力を最大化できる。
 日本とアメリカの利害は完全に一致しています。

 その一方で韓国は宗主国である中国に「三不」を誓って冊封国と認定していただいたので、作戦水域での日米韓演習を許すことができない。
 これまでも中国の意向を気にして様々な制約を自ら課してきた韓国でしたが、もはや「三不」に逆らうことはなにひとつできなくなったと見るべきでしょう。
 つまり、禁じられていることはTHAAD追加配備、日米韓の三国軍事同盟、ミサイル防衛への参加だけではない。
 それに類すること、延長線上にそれらのことがあると思われることは禁止事項なのです。

 ……これ、もはや独立国であるとはいえませんね。
 李氏朝鮮末期そっくりです。
 カン・ギョンファは閔妃、王毅は袁世凱になるのかな。
 まあ、一般的に見て「三不」の誓いは主権放棄なので当然といえば当然なのですが。

 ムン・ジェインの就任から約半年。これまでほとんどなにもしてこなかった韓国外交ですが、動き出すと同時に馬脚を露わしてきました。
 いやぁ……さすがにここまでひどいとは想定していなかった。これまでの経済政策をはじめとした内政を見てきて外交も相当にひどいだろうな、というのは予想できていたことですけども。
 正直、ここまでなにもできない……というか、なにもかもしっちゃかめっちゃかにしてくるとは想定外。

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塩野七生
新潮社
1998/9/30

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