楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

米韓関係

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ムン・ジェインが無理筋の「南北会談提案」をこの時期に行わなければならなかった理由とは?

南北会談提案、韓国「米に説明」米国「確認できない」(朝鮮日報)
   ↓
21日の南北軍事会談が事実上不可能に 北朝鮮の反応なし(聯合ニュース)
 文在寅(ムン・ジェイン)政権が「南北会談提案に先立ち、米国側に事前説明して理解を求めた」と明らかにしたことに関連して、米国務省は18日(現地時間)、「確認(confirm)できない」と明言を避けた。

 米国務省のヘザー・ナウアート報道官は同日の定例記者会見で、「韓国政府が米政府と南北会談について事前協議したことを確認してほしい」という記者の要求に対し、「私はその点に関しては、いかなる外交的対話内容も確認できない」と答えた。

 同報道官はさらに、「我々は少し前、文大統領の素晴らしい訪問を受けた。韓国は米国の素晴らしいパートナーだ。(南北対話)提案問題については韓国政府に聞いてほしい」「我々は韓半島(朝鮮半島)非核化という同じ目標を共有している」「我々は完全で、検証可能で、不可逆的な韓半島非核化が実現されればと望んでいる」と述べた。

 米国側のこうした反応に関しては、「トランプ政権は文在寅政権の南北対話提案を対北朝鮮制裁共助からの離脱と見なし、不快感を示したのではないか」との懸念が出ている。

 これについて、韓国外交部(省に相当)当局者は「米国務省報道官の『確認できない』という発言は、事前協議がなかったのではなく、事前協議の事実を公表しないという意味だ」と述べた。
(引用ここまで)
韓国政府は17日、北朝鮮に対し南北軍事境界線付近での敵対行為の停止に向けた軍事当局者会談を21日に実施することを提案したが、20日現在、北朝鮮は何の反応も示しておらず、21日の会談開催は事実上不可能となった。
(引用ここまで)

 ふむ、これは興味深い。
 ムン・ジェインは両親が北朝鮮出身であり、朝鮮戦争時に逃げてきたという個人のプロフィール、かつノ・ムヒョンの後継者であるということもあり、北朝鮮に対して宥和政策を掲げて当選しました。
 ただ、当選時期が5月。
 トランプ大統領が北朝鮮に対して「独自の制裁措置もあり得る」と語ったのが4月。どうあがいても独自の対北外交戦略は執りづらい状況であったのです。
 実際にアメリカは「対話よりも圧力」が基本方針。これは日米に共通した見解です。

 にも関わらず、ムン・ジェインは「朝鮮半島情勢の主導権を韓国が握ることで米韓は合意した」と大見得を切っていたのですよ。
 「大見得を切る」といえば格好もつきますが、ただ単に韓国国内向けに嘘をついているだけなのですけどね。
 それでも、こうして対話のきっかけを掴むことさえできれば、大元が嘘だろうとなんだろうと主導権を握ることはできる、という考えがあったのでしょう。

 アメリカから不興を買うというリスクを賭けて、対話の可能性に賭けたのです。
 そして、敗れ去ったということなのですよ。

 ただ、興味深いのはタイミングです。
 ムン・ジェインは就任してまだ2ヶ月ちょっとです。残り任期は4年10ヶ月。
 こんな米韓関係をオールインするほどのリスクを賭ける必要があるとは思えない。北朝鮮問題は課題としては任期の5年をフルに使ってもいいものであって、なにもこんな任期初期からフルアクセルで進めるような問題ではないはずなのです。
 内政でもやることはいくらでもありますしね。

 という視点からすれば、もしかしたらタイミングが今しかなかった……ということなのかもしれません。
 ムン・ジェインとしてはかなりのリスクを賭けて、行われたものと思わざるを得ません。
 この「南北対話の呼びかけ」があったのは17日でした。

韓国、北朝鮮に異例の軍当局者会談を提案(BBCニュース)

 米中首脳会談であったとされる「対北朝鮮圧力に関して中国がアメリカに求めた100日の猶予」が終わるのが7月16日。
 その翌日にこの「南北軍事会談の呼びかけ」は行われたのでした。
 であるとするならば、ものすごくいろいろなことが符合するのですが。
 まあ、すべてを偶然であるとしてしまうこともできますし、ムン・ジェインには他の意図もあったのかもしれません。
 なんともいえませんが、タイミング的にはこういう視点を持つこともできますよね、というお話。

ムン・ジェイン「北朝鮮がレッドラインを超えてきたら、我々はどう対応するか分からないぞ」……え、分からないの?

文大統領が北に警告 「レッドラインを超えたら、どう対応するか分からない」(朝鮮日報)
 北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射に成功したと主張したことと関連し、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は4日「韓米が定めたレッドラインを(北朝鮮が)超えた場合、われわれがどう対応するか分からない。北朝鮮が、後戻りのできない橋を渡らないことを望む」と警告した。

 文大統領はこの日、アジア・リーダーシップ・カンファレンスに出席するため韓国を訪れている英国のデービッド・キャメロン元首相と韓国大統領府(青瓦台)で会談した。この席で文大統領は「北朝鮮は、完全な非核化に基づいた韓半島(朝鮮半島)平和構想に呼応せずにいる」として、このように発言した。米国は事実上、北朝鮮のICBM発射を軍事的対応のレッドラインに設定している。

 これと関連して、大統領府の関係者は「北朝鮮に対する強力な警告という観点。韓米首脳による平和的方法での解決、対話の提案に対し、北朝鮮が引き続き挑発で応じるならば、韓米どちらも一層強力な制裁を加えるしかないという意味」と説明した。
(引用ここまで)

 いや、「レッドラインを超えたらどう対応するか分からない」じゃないでしょ。
 レッドラインを超えたらやることはひとつ。
 それがなにかはこちらからは知りようはないですが、Aというラインを超えたら、Bを実行する。
 それができないのであれば、なんのためのレッドラインなのか。

 外交がヘタというか、センスがないというか。
 どうやらそもそも外交というものを一切なにも分かっていないということが判明してしまいましたよ。
 いや、そうであろうというのは分かっていたのですけどね。

 ここでレッドライン云々を語るのであれば、レッドラインはどこであるかを示さずに「それを超えてきたら断固たる処置を執る」と宣言する以外にないのです。
 「なにをするか分からない」ではなにもしないかもしれないし、どのような速度で対処するのかも分からない。
 警告になっていない。

 いくらムン・ジェインが北朝鮮宥和政策を最優先課題としているとはいえ、これはないわー。
 平時であればなんとかなったのでしょうが、有事には一挙手一投足、一言ずつメッキが剥がれているタイプのダメな指導者だわ……。

 ところで記事中にあったようにICBM発射はアメリカのレッドラインではないかとされていたことのひとつ。
 とはいえ、まだ中国に与えた猶予の100日にはもうちょっとある。
 さて、トランプ政権はどうするの……と。

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韓国外相「我々は首脳会談に先立ってトランプの握手のしかたを徹底的に分析した。ありとあらゆるメディアから握手シーンを入手したのだ」……ああ……そう……

韓国外交部長官「トランプの握手場面、すべて入手して分析」…その理由は?(中央日報)
韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が「(ドナルド・トランプ米国大統領の)握手場面(握手の場面が映された映像資料など)は、入手できる限りすべて入手して分析した」と明らかにした。

康長官は3日午後、韓国メディア「聯合ニューステレビ」で臨んだインタビューで、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の韓米首脳会談随行の事前準備過程を説明する途中でこのように説明した。トランプ大統領は他の国の首脳と会って握手をする時、強く握るか、長く握ったまま離さないといった独特の握手スタイルを見せて世界のメディアから関心を集めたことがある。外交部次元で文大統領とトランプ大統領の初めての対面を支援するために、トランプ大統領の握手の様子をまとめたビデオを入手して分析したという意味だ。

康長官は「大統領も(トランプの握手に対して)心の準備をしていたはずだが、いざ現場では気負いはなかったという」と明らかにした。

実際に文大統領の訪米期間中、トランプ大統領との握手の場面は国内外メディアの関心の的だった。トランプ大統領の「強い握手」がまた繰り出されるのか、関心が集まった。しかし、文大統領との握手で、トランプ大統領は握力勝負をするような握手を演出することはなかった。文大統領はトランプ大統領と握手をしながら左手で彼の右上腕部にそっと手を添えたりもした。
(引用ここまで)

 ……トランプが握手したときのシーンをありとあらゆるメディアから集めて、分析した……か。
 まあ、百歩譲って分析したという事実はよいでしょうよ。
 トランプがどういう相手に対してどういう握手をしたのか、とか分析する必要もまあ……なくはない。あってもいいでしょう。

 もしかしたらムン・ジェインとの握手シーンに対してそういう分析が必要になることもあるのかもしれませんしね。
 「偉大なる我が国の大統領様がトランプと握手を交わしたシーンを見て、国民は感動に打ち震えました」みたいな宣伝をしなくちゃいけないかもしれませんし。
 4秒の握手の中でどれだけ手を振ったのかとか、握力はどのくらいなのかとか、握手していない左手はどうしていたのかとか。必要なんでしょうね、分析が。角度とか。

 ただまあ、それをこんな風にインタビューで話してしまうことだけはどうにか死守できなかったのかと思います。
 しかも、外交部長官が自ら嬉々として「トランプの握手を分析したのだ!」ですって。
 あれだけ紆余曲折あってどうにかこうにか就任できた外交部長官として、はじめての外遊だったので舞い上がってるんでしょうかね。

 こんなのが対日外交最終兵器……ねえ。まあ、おめでたそうです。

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すべてを先送りにしただけの米韓首脳会談、その場で北朝鮮制裁と対中圧力を見せつけられたムン・ジェインの心中はいかに?

韓米首脳会談:夕食会直前、米財務省が中国企業に制裁発表(朝鮮日報)
韓米首脳会談:文大統領の目の前で中国を叩いて踏み絵を迫ったトランプ大統領(朝鮮日報)
 米財務省が6月29日(現地時間)、韓米首脳の初顔合わせとなる公式夕食会の4時間前に、北朝鮮を支援した丹東銀行など2つの中国企業および2人の中国人に対する独自制裁を電撃発表した。 (中略)

 米財務省は29日、「中国・丹東銀行は、北朝鮮の核・ミサイル開発関連企業による数百万ドル規模の金融取引を支援した」として、マネーロンダリングのおそれがある機関に指定。米国と同行の間の取引を全面禁止した。国際金融秩序が米国中心で組み上げられていることを考慮すると、丹東銀行は外貨取引が妨げられ、事実上国際金融市場から締め出されたといえる。
(引用ここまで)
 今回の制裁は、妙なタイミングで行われた。米財務省は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と米国のドナルド・トランプ大統領の初顔合わせとなる公式夕食会の4時間前にこの制裁を電撃発表した。発表の場所も、夕食会が開かれるホワイトハウスだった。文大統領をワシントンに呼んでおいて、中国を圧迫する制裁を発表し、まるでトランプ大統領が文大統領に対し、北朝鮮問題関連で米国と中国のどちらを選ぶべきかはっきり見せてやろうとするかのような場面を演出したのだ。

 この措置をめぐって、外交消息筋は「今回の制裁は米国と事前協議がなされたもの。発表の時期についても、米国が前もって韓国側に了解を求めた」と語った。しかしこの言葉の通りだとしても、米国が発表の時期を決めて通知してきたのは間違いない。また、別の外交消息筋は「トランプ大統領は、来月初めに開かれるG20(主要20カ国・地域)サミットで中国の習近平国家主席と会う前に、北朝鮮制裁を発表することを望んだ」と語った。習主席と会う前に、北朝鮮問題に関して中国を圧迫するカードを切り、交渉の「てこ」として使おうと考えたという。
(引用ここまで)
 米中首脳会談のときに「さて、今日のシリアにはトマホークの雨が降っております」なんてことをやってのけたトランプ政権なので、なんらかの仕掛けはやってくるのだろうなとは思っていたのですが。
 北朝鮮と取引が多いとされている中国の銀行をマネーロンダリングの嫌疑でアメリカ企業との取引を禁止。
 夕食会直前でのタイミングで、しかも韓国側に発表のタイミングについて了解をもらっていたというおまけつき。

 韓国に対しては「おまえらが対話するっていうなら、それはそれでいい。だけども、うちらのやりかたはこうだ」と見せつける。ムン・ジェインの眼前で。
 中国に対しては「北朝鮮に圧力をかけるって言ったよな、まだまだ足りてない」と宣言。
 もちろん、北朝鮮に対しては大きな圧力になることは間違いない。

 ひとつのアクションで大きく3つの成果を得ることに成功したわけですね。
 最大の効果を得られるタイミングはどこかをじっくりと見定めて発表するところなんか、本当にビジネスマンライクです。

 今回の米韓首脳会談では決定的な亀裂を見ることはありませんでしたが、その実情はすべての問題を先送りにしているに過ぎないと見ました。
 米韓FTAについては「まず検証してみよう」という先送り。トランプからは「再交渉する」って断言されちゃいましたけどね。
 THAAD配備問題についても同様。
 北朝鮮核問題についても、なんら明確な宣言はありませんでした。
 全体的に捉えどころのない、「米韓関係は良好で〜す」というていどの話しか出ていないのですよね。
 詳細部分「に突っこまれないように共同記者会見での質疑応答なしという方針だったのでしょうが。

 その後、韓国では「ムン・ジェイン政権の対北朝鮮対話方針が認められた」みたいな記事がいくつか出ているのですが、そうであればそもそも丹東銀行への取引禁止処分の発表なんて必要ないわけで。
 杉山外務事務次官がサリバン国務副長官との会談で「対話ではなく、必要なのは圧力」なんて述べる必要もないのです。
 なにも決めることができなかった米韓首脳会談となったわけですが、とりあえず戦時統制権返還については弾みがついた模様です。もう一本、これについてのエントリを書く予定。

100日の猶予まであと2週間弱か……。
週刊ニューズウィーク日本版 「特集:トランプ vs 北朝鮮」〈2017年4月25日号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2017/4/18

トランプ「米韓FTAはひどい協定だ、いますぐ再交渉をはじめる」 → 韓国大統領府「再交渉が決まったという事実はない!」

トランプ大統領「韓米FTA再交渉」…文大統領の面前で公式化(中央日報)
トランプ氏「貿易赤字認められない」 韓米FTA再交渉を正式表明(聯合ニュース)
韓国大統領府「韓米FTA再交渉に合意していない」(聯合ニュース)

トランプ大統領は30日(現地時間)、ホワイトハウスで行われた首脳会談の冒頭発言で「我々は韓国と今すぐ韓米FTAの再交渉をする」とし「再交渉は両国にとって公正(equitable)で公平(fair)な協定(deal)にならなければいけない」と述べた。続いて「韓米FTAは不公正な協定だったが、今後変わることで両国に良い協定になるだろう」と強調した。

トランプ大統領は「我々は(国家)債務が巨大な、20兆ドルという状況で、貿易赤字が続くことを許容できない」とし「韓国と貿易協定を再交渉し、貿易赤字を減らし始める」とも話した。また「米国の労働者に利益になることを望む」と語った。 (中略)

トランプ大統領が韓米間の貿易協定を「米国には不公平な協定(rough deal for the US)」とまで表現し、今回の韓米首脳会談は米国優先主義を標ぼうしてきたトランプ大統領の対韓国貿易圧力を公式化する舞台となった。

トランプ大統領の直接的な表現も異例だが、トランプ大統領がこれを文大統領の面前で述べたという事実に青瓦台(チョンワデ、大統領府)は当惑したという。
(引用ここまで)
米国のトランプ大統領は30日午前(日本時間同日夜)、ワシントンのホワイトハウスで開催された文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領との初の首脳会談後に行った共同記者会見で、「米国は多くの国に対して貿易赤字がある。これ(貿易赤字が続くこと)を認められない」と述べ、貿易不均衡を是正するため、すぐに韓米自由貿易協定(FTA)の再交渉に着手する意向を正式に表明した。
(引用ここまで)
 張夏成(チャン・ハソン)青瓦台政策室長はワシントンで30日(米東部時間)に記者会見を開き「韓国の一部メディアが、韓米首脳会談でFTA再交渉に合意した、または再交渉が正式に表明されたと報じたが事実と異なる」と述べた。

 張室長は「首脳会談でトランプ大統領は大規模な貿易赤字、自動車・鉄鋼分野の貿易不均衡について問題を提起しながら一定の措置を取るか、あるいは新たな交渉を行うかを判断する必要があると述べた。これに対し文在寅(ムン・ジェイン)大統領はFTAの互恵性を強調しながら、FTA発効後の効果に関する共同調査の実施を提案した」と説明した。
(引用ここまで)

 日本のニュースサイトの他にアメリカ、韓国のニュースサイトをざっくりと見ていますが、米韓首脳会談でこれといった特別なお話はない模様。
 少なくとも表だって流れているかぎりでは。
 あえていうなら、この首脳会談前と首脳会談後の両方でトランプが「米韓FTAはよろしくない。再交渉する」って言明していたくらいです。
 あ、事前に表明されていた通りに記者会見はありましたが、質疑応答はありませんでした。まあ、正解でしょうね。

 で、トランプがこうして何度か「米韓FTAは再交渉する」って宣言しているものだから、韓国マスコミも既成事実であると思って「再交渉公式決定」って報じてしまったと。
 だけども、正式な立場としては「韓国政府は米韓FTAの再交渉に同意してない」のね。とりあえず、まだ。少なくとも同意はしていない。
 多額の貿易黒字を叩き出してきたまさに「ドル箱」の協定が再交渉になるとなれば、経済的な(特に株価への)影響は避けられないところでしょう。
 なので必死に否定しなければならないということかな。

 でも、トランプは選挙期間中から延々と「韓国によって雇用が奪われてきた」と述べてきたし、それ以前からアメリカ人の多くからも「あれは失敗だった」という認識になっている。
 就任後も「あんなひどい協定は再交渉か破棄する」とインタビューで話している
 アメリカファーストを標榜しながら、成果を出すことができていないトランプとしては是が非であろうとも米韓FTA再交渉に向かうでしょうね。

貿易不均衡是正のために山ほどシェールガスを買うことに決めたそうですわ。
シェールガス革命とは何か―エネルギー救世主が未来を変える
伊原 賢
東洋経済新報社
2012/8/14

米下院議員「韓国はTHAAD配備か在韓米軍撤収かを選択すべき」→中央日報「感情的で極端な欲求だ」……え、まだ気がついてないの?

文大統領が到着した日、米下院議員「THAADか米軍撤収か選択するべき」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が米国を訪問した28日(日本時間)、米下院で「韓国は高高度防衛ミサイル(THAAD)と在韓米軍のどちらかを選択するべきだ」という極端な要求が登場した。

この日の下院外交委員会の会議で共和党のスティーブ・シャボット議員は「文大統領の最初の措置の一つはTHAAD配備を遅らせたことであり、これは大きな失敗だと考える」とし「米国の軍隊を危険にさらした」と批判した。

シャボット議員は「トランプ大統領も最近、米国の軍隊がそこで安全でないと感じるという話をした」という発言もした。続いて「我々は韓国に選択させなければいけない」とし「韓国が最も精巧なミサイル防衛システムであるTHAADを持って自分たちと我々の軍隊を防御するのか、そしてミサイルシステムと我々の軍隊を持つのか、それともミサイルシステムも我々の軍隊も持たないのかという選択だ」と話した。シャボット議員は「鮮明な選択でなければいけない」と強調した。

その間、韓国がTHAAD配備決定を覆せばトランプ政権は在韓米軍を撤収する可能性もあるという懸念を米シンクタンクの一部の専門家らが表明したことはあった。しかし米下院議員が公開会議で韓米同盟の根幹である在韓米軍の撤収に言及したのは極めて異例だ。THAAD配備遅延に対する米国議会の強硬な立場が感情的な発言で飛び出したと分析される。 (中略)

この日、外交委に出席したヘイリー米国連大使は、THAAD問題に対する立場を尋ねるシャボット議員の質問に対し、「個人的には円満に解決されるとみる」としながらも「しかし米国の軍隊を保護することに好意的でない何かを見る瞬間、大統領が行動するものと私は理解している」と答えた。
(引用ここまで)
war_missile
 いや、極端な話でもなければ、感情的な話ですらないでしょ。
 アメリカ人、特に在韓米軍に出向している兵士の親だったら、こう思っているのが当然なくらい。

 北朝鮮がアメリカ人大学生を殺すような国であることはもう充分に知られている。
 その国のすぐ隣に米軍が駐留している。
 その北朝鮮がいつ暴発してくるかわからない中、アメリカ軍はその攻撃を防ぐ防衛兵器を配備したはずなのに韓国政府がそれを邪魔している。
 この構造はアメリカ側から見たら「おまえらも敵なんだな」という認識を持たれて当然のもの。

 ムン・ジェインに面会した上院議員からも「THAADミサイル配備の延期も国会の同意も理解できない」と言われているし、外交シンクタンクからも「遅らせている論理が理解できない」と言われてきた。
 トランプ大統領は配備遅延に激怒したとされている。

 ここまで条件が揃っていて、ムン・ジェインが訪米してきた日に下院議員から「THAADか在韓米軍か」っていう話が出て、選択肢を突きつけられることが「感情的な話」なのかどうか。
 むしろ、ごくごく普通の反応でしょう。
 一般的なアメリカ人ならそういう反応をすべき状態であることを、韓国人が認識できていないという恐ろしい状況になっている……ということなのですが。
 朝鮮日報はそれを理解できていないっぽいなぁ……。

自分の「異常性」に気づかない人たち 病識と否認の心理
西多 昌規
草思社
2016/11/25

ムン・ジェイン「間もなくアメリカ企業も北朝鮮に投資できますよ。核凍結で対話開始です」→アメリカ政府「核廃棄以外のオプションはない」

文大統領「米国企業、いずれ北朝鮮投資のチャンスもある」(朝鮮日報)
文大統領「核凍結時の北への見返り、韓米間で緊密に協議」(朝鮮日報)
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日(現地時間)、ワシントンで米国の企業関係者に向けて「韓国政府の(北朝鮮の核問題解決)構想が実現する過程において、皆さんは安心して韓国に投資することができ、ひいては北朝鮮に投資できるチャンスも手に入れることができるだろう。関心と支持を期待している」と語った。(中略)

 文大統領は「分断された韓半島(朝鮮半島)は、経済分野でも痛い所だ。安全保障上のリスクは韓国が乗り越えるべき課題だが、それを乗り越えれば、韓国は新たなチャンスとめぐり合うことができる」と語った。
(引用ここまで)
 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日、「北朝鮮の核凍結は対話の入り口であり、対話の出口は完全な核廃棄と韓半島(朝鮮半島)の平和体制構築だ」と述べた。文大統領はワシントンに向かう専用機に記者懇談会を開き、「最も理想的なのは、一度に完全な北朝鮮の核廃棄に向かうことだが、現実的には容易ではないだろう」とした上で、「最小限北朝鮮が追加的な核・ミサイルによる挑発を行わず、核凍結程度は約束しなければ、対話できない」と指摘した。

 文大統領は6月15日の南北首脳会談17周年記念行事での祝辞で、北朝鮮との対話条件として、「追加的な核・ミサイルによる挑発の中断」を示していたが、それに比べると、核施設の稼働中断などを伴う「核凍結」へと対話再開の条件を1段階厳しくした格好だ。ただ、北朝鮮核問題の解決法としては、「凍結→対話→廃棄」という段階的なアプローチを強調している点で変わりがない。 (中略)

 しかし、米政府のハーバート・マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は同日、ワシントンで「米国は過去に失敗したアプローチを繰り返すことはできない。トランプ大統領はそうしないよう指示した」と述べた。核凍結とその見返りを交換する過去の交渉を繰り返さないという意味と受け取れる。米国側は核凍結を前提に北朝鮮との対話再開を模索するような動きも見えるが、大学生ワームビアさん死亡事件で、ワシントンは再び強硬姿勢に転じている状況だ。こうした中、文大統領とトランプ大統領が北朝鮮の核問題をめぐり、どんな接点を探るのか注目される。
(引用ここまで)

 歪みねえなぁ……。
 まあ、ムン・ジェインはなにをどうしようとも北朝鮮宥和政策をとるであろうことは最初からわかっていたことですが。
 それでも世界の趨勢にここまで逆らって完全擁護で最初からクライマックス状態であるとは想像の埒外だったかなー。

 ムン・ジェインの外交政策におけるメンターであるムン・ジョンインがアメリカで「核凍結なら韓国は北朝鮮と対話に向かう。アメリカの意向なんか知ったこっちゃない(意訳)」と発言。
 それ以前にムン・ジェイン本人は凍結ですらなく「核開発中断で対話する」って言っていました。
 本音では国連安保理決議なんかどうでもいいということなのでしょう。

 記事中にあるように開発中断から凍結へと妥協したとは言えるでしょうが、もう国際社会においてその段階は1994年に終わっているのですよ。
 カーター元大統領が訪朝して「核開発凍結ならエネルギー援助」でなにが起きたか。20年以上前の失敗を繰り返すわけにはいかない。
 そういう話を封じるためにも、日本の外務次官がわざわざムン・ジェイン訪米直前に渡米して国務省副長官と会談して「いまは対話ではなく、圧力」って宣言しているのです。

 ワームビア氏の死によって、北朝鮮へ圧力をかけることをアメリカ国民が求めはじめている。
 これまで北朝鮮核問題はアメリカ国民にとって遠く離れた極東でのよくわからない事態であったものが、具体的な脅威であるとして語られつつある。
 この大義名分をアメリカが手放すわけがない。
 もはや弾丸は銃に込められ、撃鉄すら上がっている。あとは狙いを定めて、引き金を引くだけ。

 この状況に至っても米韓首脳会談直前でいまだに「北朝鮮への投資がー」だの「核開発凍結で対話」だの言っているというのは肝が据わっているのか、なにも見えていないのか。
 対話をはじめたり、開城工業団地を再開しようものならそれは「私はあちら側だ」と宣言しているのも同然なのですがね。


韓国保守系紙がムン・ジェインに懇願「せめて……せめてTHAADの配備時期だけでも決定してきてくれればそれだけでもういい……」

韓米首脳会談、THAAD問題が非公式に議論される可能性も(朝鮮日報)
【社説】THAAD問題、文大統領はワシントンで決着をつけよ(朝鮮日報)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日午後(現地時間。韓国時間29日午前)、米ワシントンに到着し、長津湖戦闘記念碑への献花を皮切りに5日間の訪米日程をこなす。

 文大統領は訪米2日目の29日午前(韓国時間29日夜)にポール・ライアン米下院議長をはじめ上下両院の指導部との懇談会に臨み、同日夜(韓国時間30日午前)にはトランプ大統領夫妻の招待により、金正淑(キム・ジョンスク)夫人と共にホワイトハウスでの歓迎夕食会に出席する予定だ。

 文大統領は翌30日午前(韓国時間30日夜)、父親が6.25戦争(朝鮮戦争)参戦兵士だったマイク・ペンス米副大統領と共にワシントンの朝鮮戦争戦没者慰霊碑に献花し、参戦兵士の代表と面会する。その後、ホワイトハウスでトランプ大統領と単独会談及び拡大会談を行う。文大統領は今回の首脳会談で、北朝鮮の核問題に関する共同対応案や韓米同盟の発展などについて話し合う予定だ。韓米間の最大の懸案となっている終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備延期問題については首脳会談の公式議題には入っていないが、議論の過程で言及する可能性もある。両首脳は会談終了後、両国関係の発展、主な懸案についての合意事項に関する共同声明を発表し、それぞれ会談の感想をメディア発表形式で述べる予定だ。
(引用ここまで)
 THAADは在韓米軍とその家族を守るため、米国が資金を負担して配備されたものだが、その結果、韓国の国土のほとんどを防衛できるようになる。しかしそのTHAAD配備と関連して韓国が中国の顔色をうかがい、今のようにあいまいな態度を取り続ければ、米国人はどう考えるだろうか。普段からさまざまな考えや見解を持つことで知られるワシントンの多くのシンクタンクも、THAAD問題についてだけはほぼその考えが一致している。韓国は米国と中国を相手に等距離外交を行うべき分野も確かにあるが、北朝鮮の核兵器とミサイルから韓国を守るための軍事的な備えに関しては等距離外交を考慮する必要などない。

 文大統領は今回の首脳会談でTHAAD問題に決着をつけねばならない。中国との関係で韓国が多くの利益を得られたとしても、そのことと韓米同盟の価値は比べられるものではない。例えば今回の首脳会談でTHAAD配備に伴う環境影響評価終了の具体的な時期を伝えることは、THAAD問題に決着をつける一つの方法になるだろう。それによって来年の初めにTHAAD配備を完了させることができれば、THAADをめぐる騒ぎは収まるはずだ。 (中略)

 現在の状況を核問題解決のチャンスとするには、韓米両国の間で立場のずれがあってはならない。北朝鮮への圧力に関して双方の歩調を完全に一致させ、北朝鮮との対話を再開させる条件についても合意しておかねばならない。最近、韓国政府内では「北朝鮮が非核化を約束しない場合でも、核施設が凍結さえされれば韓米合同軍事演習の規模を縮小し、対話も再開できる」との声が強まっているが、これは米国の立場と完全に異なる。このように双方で意見の違いが浮き彫りになれば、米国の北朝鮮問題重視の方針はチャンスではなく危機となってしまうだろう。
(引用ここまで)
 おや、公式の会談議題からはTHAAD配備については除外できたのですね。
 それでも北朝鮮核問題について言及するのであれば、おのずとTHAADについても話が出ざるを得ないでしょう。
 どう考えたって、現在の韓国の元首とアメリカの元首の会談でTHAAD配備の話題が出ないわけがない。

 自国の軍隊を守るための防衛装備の配備を、軍事同盟を結んでいるはずの国が拒もうとしているのですから。
 しかもやっていることが、「いや配備そのものはいいんだけどね。すでに配備されているランチャー2基は撤去しなくてもいいんだけど、追加される発射台4基については環境アセスメントをしないとね。できたら2年」っていう嫌がらせのレベル。
 さらに「本当だったら今年はランチャー1基までの配備で、来年に5基配備だった」とかいうわけのわからない暴露までやりはじめている始末。

 韓国経済新聞、朝鮮日報といった韓国の保守系新聞からはもう悲鳴のような社説が毎日のように出る状況ですね。
 今回の社説も「せめてTHAADの配備時期をしっかりと決めてきてくれ……。できたら来年早々に」ってものなんですが。
 もはや問題は配備時期とかTHAADミサイルそのものじゃないのですよね。
 韓国が米韓軍事同盟をどうするつもりなのか、というところまで問われてもおかしくない状況になっているのです。
 ムン・ジェイン自身はそこまで自覚してやっていると思うのですが、まだ韓国マスコミはそこまで気がついていないというか。
 そこまでの事態になるとは思っていないっぽい。
 就任早々から戦時統制権返還に向けての用意をしているところを見ても、今後の5年で相当に大きな変化が韓国に訪れると考えて然るべき事態なのですよ。

赤い韓国 危機を招く半島の真実 (産経セレクト)
櫻井よしこ / 呉善花
産経新聞出版
2017/5/9

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ドラゴンクエストXI
過ぎ去りし時を求めて
3DS版もありますよ。
初音ミク ハートハンターVer.


匠の技 ステンレス爪切り
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楽韓WebのBlog版。今年中にはドメイン含めて移行予定。

うちはそこらにありがちなゼノフォビアライクなところとは異なっており、文化的・文明的背景をもって「なぜこのようになっているのか」を解説して、大いに韓国を楽しんでしまおうというコンセプトの元に2002年から設立されているサイトです。単純に韓国が嫌いなかたは他を見てもらったほうが満足できるんじゃないかと。

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