楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

軍事

 相互RSS募集中です

KF-Xやスリオンの開発担当KAI(韓国航空宇宙産業)が不正摘発でフルボッコ……理由はムン・ジェインによる前政権への報復?

防産不正KAI、採用にも特恵疑い... ハソンヨン側近幹部3人の子供勤務(中央日報・朝鮮語)
防衛事業不正疑惑で検察の捜査を受けている韓国航空宇宙産業(KAI)の中核部門にハ・ソンヨン(66)前社長の側近たちの子供たちが採用されて働いていることが確認された。25日KAI関係者によると、同社のオ某(62)・キム某(57)専務とキョン某(56)常務らの子供は、2013年を前後して新入社員の公開採用を通じて採用された。これら韓国型戦闘機(KF -X)関連部門と購買本部などで働いている。 (中略)

匿名を要求したKAI関係者は「役員の子供らが入社願書を出す時から知る人はすでに分かっていた採用で特恵の噂も回った」と主張した。検察は、家族が採用された経緯も調べる計画だ。

これに対してKAI側は「該当役員の子供たちはすべて公開採用で入社した。1、2次面接では「ブラインド」処理され、役員子供であることを知ることができなかった」と釈明した。 (中略)

検察はハ前社長の側近と関連した疑惑で、親しいパートナーに近道で仕事量を運転与えた疑惑も調査中だ。KAIパートナーの関係者は「競争入札をしたかのように書類を企てたが、事実上は随意契約で特定の業者に仕事を与えた」と主張した。
(引用ここまで)

 スリオン、T-50(F/A-50)を開発し、次期韓国空軍の主力戦闘機となるであろうKF-Xを製造主体となるKAI(韓国航空宇宙産業)がぐっだぐだです。
 日本にはそれほど伝わってきていませんが、すでにハ・ソンヨン社長は引責辞任済み。
 スリオンは欠陥だらけで納入中止
 T-50については経費を水増ししている疑惑。
 で、今回は側近の子供をコネ入社させた件と、社長に近しい企業に優先的に仕事が廻るように便宜を図っていたのではないかという疑惑が持たれている……と。

 KAIは韓国政府がIMF管理下に置かれていた当時、ほぼ死にかけていた韓国の複数の民間航空関連企業を税金投入して再編成させた公企業なのですね。
 その公企業の従業員が自分の子供を入社させるとは何事か、というような話なのですが。
 ちなみにT-50の水増し疑惑はその差額でパク・クネ政権に対してロビー工作が行われていたのではないかというものでして。
 ええ、もちろん前政権に対する攻撃材料のひとつとして取り上げられているだけです。

 というか、このていどの不正は韓国のどの公企業でもやっているようなことですからね。
 これまで楽韓Webではこういったコネ入社とかの話題をほとんど取り上げていないのですよ。
 韓国ではあまりにも普遍的でありすぎて、取り上げる価値を見いだすことができなかったというべきか。
 これまで取り上げたのはソウル市響の指揮者が関係者をコネで就職させたり、息子のピアノ教師を楽団に勤務させたり……というニュースくらいですかね。
 これも指揮者と楽団代表がバトルした結果として暴露された話、ということが面白かったのでピックアップしたものでした。

 サムスン電子副会長のイ・ジェヨンの逮捕状請求を棄却した裁判官に対して「息子がサムスン電子に就職しているらしい」なんてデマが拡散したことがありました。
 「権力者に利益が供与されたことに対しての報酬はコネ入社」というのは韓国では一般的であるということがこんなところからも理解できるわけです。
 ちなみに件の裁判官には息子はいないのですけどね。

 ま、そんなこともあってコネ入社云々の話をひとつ取り上げたいなということがあったのでピックアップしてみました。
 あと、この余波でKF-X計画が座礁するのではないかという危険性があるので……。
 KF-X計画は本来であればほとんど意味がないものです。
 金大中政権の頃に提唱されたものが細々と命脈をつなぎ続けてきたもので、なぜかパク・クネ政権下の2013年頃から本格的にプロジェクトがスタートしたもの、ですからね。
 それもKAIがコンセプトとしてKFX-Eを提唱してからですから。

 ムン・ジェインは前政権への報復を激しく行っているために、KF-X計画そのものにもメスが入るのではないかなぁ……と思われるのですよ。
 その一方でムン・ジェイン政権の提唱する自主国防にKF-Xはハマるので、形を変えてなんとかなるのではないかなとも思うのですが。
 まあ、前政権への報復としてKF-X計画が潰れたとしたら、それはそれでおいしいのですがネタの賞味期限が短くなるなぁ……という危惧は持っています。
 なんとか実現させてほしいものですが。

半額はおそらく今日まで。
知られざるステルスの技術 現代の航空戦で勝敗の鍵を握る不可視化テクノロジーの秘密 (サイエンス・アイ新書)
青木 謙知
SBクリエイティブ
2016/12/15

ムン・ジェイン政権、福祉・雇用・防衛費増大で5年間で18兆円の支出増加も「増税なしで大丈夫!」……え、それは「埋蔵金」?

課題遂行に必要な財源「178兆ウォン」……増税なしに実現できるか? (SBS・朝鮮語)
今日(19日)に発表した国政課題を実行するには、すべてで178兆ウォンもの莫大なお金が必要です。福祉分野のみ77兆ウォン、また雇用を創出し、所得を増やす経済分野にも42兆ウォンが投入されなければなりません。政府は今後、税収がさらに増えるものと見られるうえに、支出を倹約にすると十分に調達することができるという立場です。しかし増税なしに財源調達が可能かどうかの議論もあります。
ソンスンウク記者です。

<記者> 政府は、福祉と経済の活性化に最も多くの資金を投入するとしている。
2022年までの生活の質の改善などの福祉に77兆ウォン、雇用創出と4次産業革命の投資など経済の活性化に42兆ウォンを投入します。
地域均衡発展と安全保障の強化などまで含めると、すべて178兆ウォンが必要です。
財源が宿題だが、政府は2022年までに超過税収60兆5千億ウォンに加え相続・贈与税の課税強化などを介して両方の82兆6000億ウォンを確保する計画です。
また、土木工事を減らし、無駄な政府支出を減らすなどの歳出削減に加えて95兆4000億ウォンを用意することができると推定しています。

しかし、このような計画があまりにも楽観的であることではないかという指摘も出てきます。
特に税収が60兆ウォン以上増加すると予想したことと関連して専門家は、景気状況に応じて変動が大きくなることがあると警告します。

ソン・テユン/延世大学校経済学部教授:「(半導体など)特定の業界の景気好調によって税収が多少は増える余地はあると思われますが、このような形態が継続的に可能かどうかについては保証することは困難な状態です」

これにより、膨大な財源確保のために増税が避けられないことがありますが、この場合、国民に率直に説明し、同意を求めなければならないと専門家は指摘します。
(引用ここまで)

 ムン・ジェインが提唱している福祉、雇用、自主国防のために5年で178兆ウォン、今日のレートで17兆7100億円が5年間で必要になるという試算が出ています。
 1年につき35兆6000億ウォン。
 韓国の2017年の国家予算は400兆5459億ウォンでした。
 ざっくり9%ほどを増やすわけですね。
 年金増額、無料保育といった福祉。
 公務員81万人増員最低賃金増額における支援策で雇用。
 そしてKAMD等の自主国防を標榜しているので国防予算も増額。

 さて、その必要となる178兆ウォン。
 内訳はどうなるかというと……

・税収増 60兆5000億ウォン
・贈与税強化 22兆1000億ウォン
・土木工事費減額等支出削減 95兆4000億ウォン

 まあ、贈与・相続税強化はできるでしょうね。1年につき4兆4000億ウォン規模ですし、これは問題なさそうです。
 ただ、5年間で60兆ウォンの税収増を見込んでいるって……1年あたりで12兆ウォン、約1兆2000億円。
 景気がそんなによくなるとは思えないので、法人税の優遇措置を切る……という方向性かなぁ。実際、財閥絶対殺すマンがサムスン電子副会長の法廷に「個人として」出たりしていることもあって、搾り取る気満々なのですよ。これに関しては午後の更新で書く予定。
 あとは政府の土木工事等を減らして支出削減が95兆4000億ウォン。
 つまり、1年につき20兆ウォン。2兆円弱の土木工事を減らしていく方向性。それでなくてもメンテナンスとかできない国でさらに減らしていく……か。
 探ってもなにもない埋蔵金探し……ですかね。

 なおのこと、鳩山政権とそっくりになってきた感じがします。
 真・鳩山政権とでもいうか。ノ・ムヒョン政権と鳩山政権が合体して2で割らない感じですわ。
 そんなムン・ジェイン政権を楽韓Webは応援してますけどね!


お笑い韓国軍:韓国独自技術で製造されたスリオン、水漏れ、氷結、機体にひびで納品中断……

巨額投じた韓国製機動ヘリ、問題だらけで戦力化中断へ(朝鮮日報)
スリオン不正、朴の同級生チャン・ミョンジン防事庁長照準(韓国日報・朝鮮語)
 韓国軍が「名品国産兵器」と宣伝してきた韓国製機動ヘリコプター「スリオン」の開発・戦力化の過程が非常にずさんだったことが監査院の監査で明らかになった。スリオンの開発・量産にはこれまでに2兆2700億ウォン(約2700億円)が投じられている。監査院は17日、スリオン事業を総括している防衛事業庁に対し、欠陥を修正するまで戦力化(納品)を中断するよう通告する予定で、これに伴い今後の量産と輸出にも大きな支障が出る見通しだ。

 監査院は「スリオンのエンジン・機体・搭載装備などに多くの問題があり、機体内部に水漏れすることが確認された。すでに戦力化された約60機も基本的な飛行の安全性すら確保できないまま運営されている」と指摘した。特に監査院は「飛行の安全性に直結する結氷(防止)性能が検証されないまま開発が終了し、これは2015年に3回発生した墜落・不時着事故の直接・間接的な原因となった」と説明した。結氷の問題はヘリコプターの安全性に直結するにもかかわらず、防衛事業庁は12年6月「結氷テストは今後海外で実施する」とした上で「戦闘用として適合」との判定を下した。結氷テストは戦力化から3年が経過した昨年1月に米国で実施されたが、不合格となった。問題を改善するためには部品の設計変更など最低でも2年を要するとの結論が出たが、防衛事業庁はこれを無視し、昨年12月に戦力化を再開した。

 監査院は結氷問題を解決しないまま戦力化再開の決定を下した防衛事業庁の張明鎮(チャン・ミョンジン)庁長ら関係者3人について、大検察庁(最高検に相当)に捜査を要請した。
(引用ここまで)
監査院は、特に不実スリオンを実戦配備する過程でパク・クネ大統領の西江同窓生であるチャン・ミョンジン防衛事業庁長が介入した状況を確認して、検察に捜査を依頼した。これにより、KAI放散不正事件の範囲が「上層部」に拡大する可能性もなくはない。 (中略)

1974年西江電子工学を卒業したチャン庁長は、朴元大統領と同期同窓で、研究室でお弁当を一緒に食べるほど近く過ごしたという。このような縁で朴槿恵政府は、2014年民間専門家にチャン庁長を破格抜擢した。
(引用ここまで)

 スリオンは2013年に制式採用となった韓国陸軍の汎用ヘリコプターです。
 当時から「0から100まで韓国独自の技術で製造された名品兵器」と宣伝されてきましたね。

 ちなみに制式採用になったその年には早くも、いつもの部品証明書偽造が判明しています。
 ついで2014年には「韓国による独自技術によって設計、開発、製造された」という肩書きが、動力伝達装置が輸入されたものであるということで嘘であることが判明。
 約450個ある部品のうち、134個の部品についてはライセンス生産の許諾をもらい、約80個については生産自体はしているということなのですが、エアバスヘリコプターが「すべての部品について生産し、クオリティが一定以上になるまで納入は許さない」ということでこれまでの納入実績はゼロであるということも判明
 さらにこれについて韓国政府がエアバスヘリコプターに対して違約金を請求しようとしたところ、部品メーカーが「どうせ我々が間接的に支払うことになるのだから止めてくれ」と要請している、なんてこともありましたね。
 いまに至っても動力伝達装置のライセンス生産はできていないそうです。

 去年には飛んでいるだけで機体フレームにひびが入り、低温になると窓ガラスにあたるウインドシールドにもひびが入ることが判明。というか、試験機から分かっていたことなのですが、無視して開発を進めていたことも判明。ウィンドシールドは全面崩壊するような事態もあったそうですわ。
 さらにエンジン吸気口が氷結するという致命的な事故につながりかねない不具合も見つかって納入中止になったのですが、製造元のKAIは「こんな低温かつ高湿度になることは韓国ではありえない」とコメント。
 そのコメントに従うように去年12月には納入が再開されていたのですが、今年2月にローター作動機にひびが見つかって、さすがに運行中断。
 3月から監査が入っていたのですよ。
 で、監査の結果、さらに雷に対する防御機構もまったくなく、いつ落ちても不思議のない代物であるということが判明。
 再度納入中止処分にしたそうです。

 ただ、現状で韓国陸軍と警察庁ですでに60機以上が納入され、運用されていました。
 さらに艦載型はすでに開発完了していて、これまで艦載ヘリを持っていなかったという独島級強襲揚陸艦にようやく艦載機が……と期待されていたのですが、これも延期されるでしょう。

 すべての汎用ヘリコプターをこのスリオンにリプレイスする予定だったので、さあどうしようというのが現状。陸軍にはまだUH-1があるのでそちらで運用はできるのでしょうけどね。

 で、その強引な納入をしてきた防衛事業庁のトップが「パク・クネと同級生で、お友達入閣していた人物」であるということでまた揉めていると。
 まあ、すべての韓国における諸悪はパク・クネの責任であり、その悪を倒すために生まれたのがムン・ジェイン政権ですからね。
 今回もこの防事庁長を高く吊し上げて満足することでしょうよ。

スリオン アルミガラスクロステープ50mm 9810002050X20
スリオンテック
2010/6/6

アメリカ国民「我が国にとって最大の脅威はISではなく北朝鮮だ」→空爆に賛成の割合も増加傾向の模様

米国人10人に4人「ISより北朝鮮が安保に脅威」(中央日報)
12日(現地時間)、米国政治専門メディア「ポリティコ」と世論調査機関「モーニング・コンサルト」の共同調査で、「米国安保に最も脅威となる存在は何か」という質問に対して、回答者の40%が北朝鮮を挙げた。続いてイスラム国(IS)30%、ロシア16%の順だった。

北朝鮮を米国の最大安保脅威とする認識は、回答者の年齢帯が上がるほど顕著だった。年齢帯別では、65歳以上の50%、30〜44歳の36%、18〜29歳の30%が北朝鮮を挙げた。

また、回答者の49%は北朝鮮の核実験場および軍事的標的に対する空襲を支持し、3人に1人は地上軍の投入に対しても賛成した。北朝鮮に対する米国の外交的措置にもおおむね強硬な立場を示した。

回答者の78%は北朝鮮の核プログラム中断に向けた持続的な外交努力と圧迫を支持し、北朝鮮追加制裁の立場も75%に達した。

今回の世論調査は今月7日から9日まで2日間、米国内の成人1983人を対象に実施された。標本誤差は±2.0%p。
(引用ここまで)

 アメリカ国民にとって、現状で最大の脅威はなによりも北朝鮮であるという認識。
 北朝鮮に対しての空爆に関してもほぼ半分の国民が賛成している。
 やはり、ワームビア氏の死はかなりのインパクトがあり、大義名分となっていますね。

 北朝鮮に関してがなんというかうまいこと連鎖が続いているのですよね。
 4月にはトランプ大統領が「中国がこの問題をケアしないのであれば我々が独自でやる。その際のオプションはすべてテーブルの上にある」と発言
 ついで6月には大学生のワームビア氏が1年以上拘束された上で意識不明のまま帰国し、さらに死亡。
 さらに北朝鮮はアメリカを攻撃できる(と主張している)ICBMの発射実験>を行っている。

 北朝鮮関連の話題がきっちり続いている。
 というか、むしろ北朝鮮がアメリカをテーブルに着かせようと努力しているというべきか。
 北朝鮮はなんとしてでも六者会合のようなふんわりとした場ではなく、韓国のような木っ端に主導させるのでもなく、アメリカとの二カ国対話を望んでいるのでしょう。
 そういった視点から見れば、北朝鮮が絶え間なく挑発を繰り返しているのは合理的な動きともいえるのです。アメリカのような大国の気を引くためにはなんらかのアクションを起こさなければならないわけですからね……。

 ただ、その動きをアメリカや日本から見れば単に挑発されているだけとなるのですけどね。
 それを韓国から見ると「核はただのブラフで、心底望んでいるのは対話だ」ともなるのかな。これはちょっと理解できないものの見方ですが。

 北朝鮮の望んだものかどうかは疑問ですが、一貫した動きでアメリカ国民には「北朝鮮は脅威である」という認識を植え付けることに成功した。
 ただ、アメリカの方針は「対話ではなく圧力」ですし、「軍事オプションも考慮している」とまで発言がきてしまいました。
 それでもまぁ、内政的にも止まることはできないのでしょう。
 北朝鮮核問題は以前とは異なり、先送り以外のなんらかの結果が出ることにならざるを得ないところまで構造ができてしまいました。
 「なんらかの結果」がどのようなものになるかはまだ分からないのですが、かつてに比べればぐっと軍事オプションの可能性が高まっていることは否定できない事実……ですかね。
 かつ、アメリカ国民もそれを支持しつつある。
 それ以外で核廃棄ができる結末というのが見えてこないのです。

戦争にチャンスを与えよ (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2017/4/20

北朝鮮核問題解決に世界が「軍事オプションもありかな……」という趨勢になりつつある件

英国防相「北朝鮮への軍事オプションはまだ遠い話」(中央日報)
米国が北に先制攻撃を仕掛けるなら、有力な方法は(朝鮮日報)
北朝鮮が米国のアラスカまで攻撃できるICBMを開発したと主張したが、北朝鮮に対する軍事オプションはまだ遠い話だと英国のファロン国防相が明らかにした。AFP通信が7日に報道したもの。
(引用ここまで)
 香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」が、北朝鮮に対する米国の先制攻撃の方法として「核と在来式攻撃能力を同時に無力化させる3重の空爆が有力」との見方を示した。

 SCMPのコラムニスト、トム・ホーランド氏は9日(現地時間)、SCMPの電子版に掲載された「次の韓国戦争(朝鮮戦争)はどのようになるだろうか」と題するコラムで、米国による北朝鮮への先制攻撃について予想した。

 ホーランド氏は「米国が北朝鮮に先制攻撃を仕掛ける場合、一度に北朝鮮の核施設を完全に破壊するだけでなく、在来型兵器や化学兵器による韓国や日本への攻撃も不可能にする必要がある」と分析した。

 同氏は「米軍が地上から休戦ラインを超える可能性はない」として「3種類の空爆を同時に行う可能性が高い」と指摘した。 (中略)

 しかしホーランド氏は、これらの攻撃の問題点として「あらかじめ2000基以上の巡航ミサイルを搭載できる米海軍の潜水艦と150機以上の戦略爆撃機を準備する必要がある。動きを事前に察知される可能性があり、計画・訓練・攻撃・演習にも数か月を要する」と指摘した。
(引用ここまで)

 イギリスの国防相が北朝鮮への軍事オプションへ言及。
 といっても、「軍事オプションはまだ遠い話」(we are a long way away from looking at military options.)というものではあるのですが。
 それでも「軍事力行使のオプションが遠い」という言葉からは、逆説的に「あり得ない話ではない」という可能性を嗅ぎ取ることができます。
 先日、アメリカの国連大使であるニッキー・ヘイリー氏の「軍事オプションもあり得る」という安保理における会議での発言からこっち、明白に「軍事オプションを取るのであれば……」というような話が増えてきています。

 その文脈に乗っているのが後者の「北朝鮮を攻撃するのであれば……」という記事。
 B-2、B-1Bでバンカーバスターを核関連施設に投下し、改オハイオ級からの巡航ミサイルで指揮系統を寸断、休戦ラインの砲台は巡航ミサイル、B-52の爆撃で殲滅するというもの。
 まあ、順当なところ。
 最後に「訓練、演習には数ヶ月かかる」とありますが、もうすでに空母打撃群を用いた合同演習は行われているのですよね。
 おそらく改オハイオ級込みで。
 あとは戦略爆撃機ですが、これはグアムと日本の在日米軍基地が慌ただしくなったら……かなぁ。

 中国がアメリカに依頼した「対北朝鮮圧力100日の猶予」はおそらくこの週末くらいまで。
 それが過ぎれば「我々は独自に制裁を行う」という言葉が生きてくるのですが……。
 さて。

B-2スピリット (イカロス・ムック 世界の名機シリーズ)
青木 謙知
イカロス出版
2014/7/31

アメリカ政府がはじめて「北朝鮮への軍事力行使も辞さない」とコメント。この「軍事力」という言葉の持つ意味とは?

米国連大使「やむを得なければ北への軍事力行使辞さず」(中央日報)
Nikki Haley: U.S. prepared to use "full range" of capabilities to defend against N. Korea(CBSニュース・英語)
「やむを得なければ北朝鮮に対する軍事手段も辞さない」。

5日(現地時間)に国連安全保障理事会(安保理)が招集した緊急会議で、米国のヘイリー国連大使が熱弁しながら述べた言葉だ。大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に成功したと推定される北朝鮮を制裁するには国際社会の同調を得なければならず、そのために意図した部分もなくはないが、トランプ米大統領が望む言葉をそのまま話したとみられる。

ヘイリー大使は「北朝鮮のICBM発射は明白な軍事力増強だ。北朝鮮は外交的解決法で(事態を解決する)可能性を閉ざしている」と強調しながら「強大な軍事力」(considerable military forces)に言及したのだ。 (中略)

会議場の雰囲気はまさに一触即発だった。特に米国と中国の神経戦が激しかった。安保理の7月の議長国である中国の劉結一大使が「中国とロシアの高官級会談で対話で解決すべきだという共同声明を発表した」とし「客観的、公平、合理的で実現可能な提案として支持してほしい」と述べた。従来の立場を繰り返したのだ。

するとヘイリー大使がまたマイクを握った。ヘイリー大使は「もし北朝鮮と友人になりたいのなら拒否すればいい」とし「本当に対北朝鮮制裁を望まないのなら、私たちは私たちの道を進む」と語った。

さらに「北朝鮮だけを見るのではない。どこの誰であれ彼らと事業をする人もそうで、これ以上決議案を無謀に作ることに忍耐心は必要ない」と話した。事実上中国を狙った発言だ。対北朝鮮貿易量の90%以上を占める中国が国連制裁を違反する場合、中国の対米貿易も危険になると警告した。

ヘイリー大使は中国に「協力する」としながらも「しかし私たちを今日のこの暗鬱な日々に導いた過去の誤った接近法を私たちは繰り返さない」と述べた。この日午前、トランプ米大統領とこうした貿易制限問題について十分に時間にかけて議論をしたと伝えながらだ。
(引用ここまで)

 ……アメリカ政府関係者が公式に軍事オプションに対して言及したのははじめてかもしれませんね。
 これまでトランプ大統領から「空母を送った、原潜もだ」というような発言はありましたが、それによってどうするのかという話は出していませんでした。
 もっとも軍事的な話をしたのはロイターによるトランプ大統領のインタビューで「大きな、大きな紛争が起きる可能性がある」という言葉がありました。それでも「軍事=Military」という単語は使われていませんでした。

 あくまでも「すべてのオプションがテーブルの上に置かれている」「ありとあらゆる選択肢を考慮している」という言いかた。
 もちろん、言っている側も聞いている側も、その「すべてのオプション」の中に「軍事的オプションがある」というのは暗黙の事実として受け止めているのだけども、口には出していない。
 軍事オプションを公式に認めていないというのは、まだ引き返すことのできる余地があるからだという意味でもあるのです。 

 ですが、今度のニッキー・ヘイリー氏の言葉はこうでした。
"One of our capabilities lies with our considerable military forces. We will use them if we must, but we prefer not to have to go in that direction."
 「アメリカの使用可能な能力のひとつに強大な軍事力というものがある。我々は必要に応じてそれらを使うが、その方向性に向かいたいとは思っていない」ってところですかね。
 「Military forces」という言葉をはっきりと使っています。
 それを使いたいとは思っていない、だけども北朝鮮がこれ以上進んでくるのであれば使わざるを得ないとコメントしているのです。
 国連大使が個人としてこの言葉を使ったとは思えません。つまり、アラームが鳴る時刻に向けて時計の針が進んだということですね。

世界44カ国「本当の軍事力」(禁)格付け読本
東京ミリタリー研究所
双葉社
2016/7/22

ムン・ジェイン「北朝鮮がレッドラインを超えてきたら、我々はどう対応するか分からないぞ」……え、分からないの?

文大統領が北に警告 「レッドラインを超えたら、どう対応するか分からない」(朝鮮日報)
 北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射に成功したと主張したことと関連し、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は4日「韓米が定めたレッドラインを(北朝鮮が)超えた場合、われわれがどう対応するか分からない。北朝鮮が、後戻りのできない橋を渡らないことを望む」と警告した。

 文大統領はこの日、アジア・リーダーシップ・カンファレンスに出席するため韓国を訪れている英国のデービッド・キャメロン元首相と韓国大統領府(青瓦台)で会談した。この席で文大統領は「北朝鮮は、完全な非核化に基づいた韓半島(朝鮮半島)平和構想に呼応せずにいる」として、このように発言した。米国は事実上、北朝鮮のICBM発射を軍事的対応のレッドラインに設定している。

 これと関連して、大統領府の関係者は「北朝鮮に対する強力な警告という観点。韓米首脳による平和的方法での解決、対話の提案に対し、北朝鮮が引き続き挑発で応じるならば、韓米どちらも一層強力な制裁を加えるしかないという意味」と説明した。
(引用ここまで)

 いや、「レッドラインを超えたらどう対応するか分からない」じゃないでしょ。
 レッドラインを超えたらやることはひとつ。
 それがなにかはこちらからは知りようはないですが、Aというラインを超えたら、Bを実行する。
 それができないのであれば、なんのためのレッドラインなのか。

 外交がヘタというか、センスがないというか。
 どうやらそもそも外交というものを一切なにも分かっていないということが判明してしまいましたよ。
 いや、そうであろうというのは分かっていたのですけどね。

 ここでレッドライン云々を語るのであれば、レッドラインはどこであるかを示さずに「それを超えてきたら断固たる処置を執る」と宣言する以外にないのです。
 「なにをするか分からない」ではなにもしないかもしれないし、どのような速度で対処するのかも分からない。
 警告になっていない。

 いくらムン・ジェインが北朝鮮宥和政策を最優先課題としているとはいえ、これはないわー。
 平時であればなんとかなったのでしょうが、有事には一挙手一投足、一言ずつメッキが剥がれているタイプのダメな指導者だわ……。

 ところで記事中にあったようにICBM発射はアメリカのレッドラインではないかとされていたことのひとつ。
 とはいえ、まだ中国に与えた猶予の100日にはもうちょっとある。
 さて、トランプ政権はどうするの……と。

新世紀エヴァンゲリオン(3) (角川コミックス・エース)
貞本義行 / カラー
KADOKAWA / 角川書店
2007/1/1

韓国人がアメリカ大使館前で反米、THAAD配備反対デモ → アメリカ大使館「韓国政府はウィーン条約を守る気はあるのか?」と正式抗議

“韓国初”のアメリカ大使館前合法集会、平和的に終了(ハンギョレ)
米大使館が韓国政府に正式抗議、THAAD反対デモで(朝鮮日報)
 ソウルの都心でTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備に反対する大規模集会と行進が24日開かれた。市民はソウル光化門(クァンファムン)のアメリカ大使館周辺を行進の隊列で取り囲む「人間の鎖」行事を行い、警察も柔軟な対応で市民の遵法デモを保障した。 (中略)

 この日の集会は、アメリカ大使館を人間の鎖で取り囲む行事が初めて合法的に行われ、関心を集めた。これまでアメリカ大使館前での集会は、警察が韓国国内にある大使館から半径100メートル以内での集会を禁止できるよう定めた集会及び示威に関する法律(集示法)11条4項を根拠に通常禁止してきた。しかし、昨年12月市民団体(平和と統一を開く人々)がソウル鍾路警察署を相手に提起したアメリカ大使館前での集会禁止通告処分取り消し訴訟で、裁判所が市民団体の手を挙げ、今回も裁判所が警察の集会禁止通告を取り消しさせたことでアメリカ大使館前での集会が合法的に開かれることになった。ソウル行政裁判所は23日「集示法11条4項は、外交機関の機能や安寧を侵害する憂慮がないと認められる時には許されると例外規定を設けている」として、THAAD韓国配備阻止全国行動が出した執行停止申請を一部受け入れた。
(引用ここまで)
 全国民主労働組合総連盟(民労総)など数十の団体が加盟する「THAAD韓国配備阻止全国行動」は24日、ソウル中心部で大規模集会を開き、駐韓米国大使館を取り囲んでデモを行った。参加者らは19分間にわたりデモを続けた。

 米国大使館は、韓国政府が大使館周囲でのデモを許容したことについて、外交公館の保護義務を定めたウィーン条約に照らしても問題があるとの内容の文書を韓国外交部(省に相当)に送ったという。
(引用ここまで)

 韓国が「国民情緒法」によって法令を無視して行動することはよく知られています。
 その象徴として光化門広場の占拠が挙げられると思うのですが。
 遺族会がハンガーストライキをはじめてからこっち、セウォル号遺族会とその支援者がテントを張って光化門広場を占拠し続けています。法的根拠ゼロで。
 なぜかソウル市長はそれを認めてしまっているという状況。ソウル市庁広場からは右派のテントは撤去しているのですが。

 「これは特別な事柄だから法律を破ってもいいのだ」というような言いかたをよくします。
 でも、それをやってしまうと「これも特別」「あれも特別」「アレが特別と認められるのであれば、なんでこっちは特別じゃないんだ」となってしまう。というかすでになっている。
 今回は「日本大使館に対してはデモが認められているのに、なぜアメリカに対しては認められないのだ」ということになって、裁判所も反米政権に気を遣ってデモを認めてしまった。
 もちろん、大使館の安寧を保つように定められたウィーン条約に反していますが、そんなこたお構いなし。
 このデモの翌日は6・25、ユギオ。朝鮮戦争の開戦日です。

image

 画像はニューヨークの自由の女神があるリバティアイランドに向かうフェリー乗り場のすぐ横にある朝鮮戦争の記念碑。参戦国の戦死者が記されています。
 アメリカ軍は韓国軍の6万人に次ぐ4万人という戦死者・行方不明者を出しています。
 これほどの犠牲を払って守った国から、自国軍を守るための防衛兵器を撤去しろと大使館前でデモをされる。
 不条理だと感じてもおかしくないと思いますけどね。

朝鮮戦争(上) 血流の山河 (講談社文庫)
芝豪
講談社
2014/12/12

最新記事
スポンサーリンク
オススメアイテム
NEW GAME! 6巻
この世界の片隅に (Amazon.co.jpオリジナルメイキングDISC付)
君の名は。 Blu-ray3枚組
スペシャルエディション
4K同梱5枚組も。
ドラゴンクエストXI
過ぎ去りし時を求めて
3DS版もありますよ。
初音ミク ハートハンターVer.


匠の技 ステンレス爪切り
About This Weblog
楽韓WebのBlog版。今年中にはドメイン含めて移行予定。

うちはそこらにありがちなゼノフォビアライクなところとは異なっており、文化的・文明的背景をもって「なぜこのようになっているのか」を解説して、大いに韓国を楽しんでしまおうというコンセプトの元に2002年から設立されているサイトです。単純に韓国が嫌いなかたは他を見てもらったほうが満足できるんじゃないかと。

相互RSSのご連絡先等 → rakukan.net★gmail.com
★を半角@に変更してください。
なんか適当な欄w
記事検索
Twitter プロフィール
楽韓Webの更新情報なんかをお伝えしますよ
最新コメント
Monthly Archives
Categories
スポンサーリンク
QRコード
QRコード
逆アクセスランキング
Twitter
  • ライブドアブログ