楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

軍事

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ティラーソン長官「アメリカの北朝鮮侵攻後、38度線以南に撤退すると中国に確約している」

Tillerson to North Korea: 'We're ready' to meet 'without precondition'(ABC News・英語)

 ひとつ前のエントリはとりあえずティラーソン国務長官の発言についての見解をまずは書こうという形で仕上げてます。
 で、同じ講演でこんな話もしているという気になった部分があるのでご紹介しておきましょう。
 ABCニュースの最後の2段落だけを抄訳しています。
また、ティラーソン長官は北朝鮮事態が進行した場合の中国との関係にも言及した。
両国は北朝鮮体制が崩壊した際の核の扱いについて協議済みであり、中国の懸念材料となっているアメリカの駐留について、北朝鮮侵攻後には38度線以南に撤退することを確約していることを語った。

また、長官は中国は大量流入が危惧される北朝鮮難民についても独自の対応策を取り始めていることも明らかにした。
(引用ここまで)

 戦後の体制について中国の憂慮を取り除くことで、地政学的な不安定性を中国が被るようなことはないと保証しているわけですね。
 アメリカの同盟国=駐留基地がある国=韓国によって統一された朝鮮半島と国境を接しないで済むように配慮する、ということです。
 戦後すぐか、キム王朝崩壊後に一定の体制ができるまでなのかは分からないけども、アメリカは38度線以南に撤退するとの確約ができている。
 もう、これ完全に中国との第二次朝鮮戦争についての細かい打ち合わせができているってことですよ。

 ティラーソン長官の「前提条件のない対話」って言葉だけに注目すると見誤るのですが。
 その意味すること(前エントリ参照)と、その他の言葉を合わせて見ると方向性はまったく変わっていない……というかむしろ開戦に向けての進捗が明らかにある。

 ムン・ジェインが「朝鮮半島での戦争は許さない!」と言っている状況で、頭越しに中国とアメリカで戦後体制までの折り合いがついてしまっているようですね。

ちょうど今日出た本。著者は元自衛官。読んでみるか。
北朝鮮がアメリカと戦争する日 最大級の国難が日本を襲う (幻冬舎新書)
幸田洋二
幻冬舎
2017/12/13

韓国メディア「日本がロシアにイージスアショアで圧力を受けているぞ、中国に圧された韓国みたいに!」

韓中THAAD葛藤に似ていく日露の地上型イージス配備をめぐる対立(中央日報)
ロシアが日本の弾道ミサイル防衛(BMD)体制強化を理由に極東地域の軍備を増強している。

ロシア軍が日本との領有権紛争地域であるクリル列島(千島列島)に地対艦ミサイルを配備するなど、急速に戦力を補強していると朝日新聞が12日、報じた。

ロシアは日本が北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対応するために導入を決めた地上型SM3迎撃システム(イージス・アショア)を問題にしている。ロシア軍制服組トップのゲラシモフ参謀総長は11日、日本防衛省で小野寺五典防衛相と会い「この装備は米軍が管理している。そのことについて心配がある」と述べていた。

ロシア側は先月の日露外相会談でも不満を露わにした。ラブロフ外相は河野太郎外相に「東アジアの安全保障が変化する」と述べて、イージス・アショアの導入撤回を求めた。

ひとまず日本側は「米軍ではなく日本の自衛隊が自ら運用する」とし「ロシアを含め周辺国に脅威を与えるものではない」とする立場だ。 (中略)

一部ではイージス・アショアの導入をめぐり対立している日露が韓中のTHAAD(高高度ミサイル防衛体系)の葛藤と似た様相を呈しつつあるとの指摘が出ている。日本政府が2023年に導入する方針を打ち出しているため、実戦配備する時までロシアとの綱引きが続く見通しだ。

これに先立ち、安倍政府は日本全域をカバーするためにイージス・アショア2機の導入を決めた。陸上自衛隊が運用する予定で、秋田県秋田市の新屋演習場と山口県萩市のむつみ演習場が配備予定地として検討されている。山口県は安倍首相の地方区(下関市・長門市)が位置する場所でもある。
(引用ここまで)

 別にロシアがミサイル防衛に反感を持っているのは日本に限ったことじゃありません。
 今年の3月にも「新型ミサイル防衛システム」に対して懸念を表明しています。
 この時点ですでにイージス・アショアの導入構想はあったのですよね。

‪ロシア、日本のミサイル防衛に懸念 3年ぶりの防衛相会談で‬(ニューズウィーク)

 ミサイル防衛って攻撃側からしてみると面倒なのですよ。
 攻撃してみるまで実際の効果は分からないし、かといってその効果を確かめるために攻撃するわけにもいかないし。
 軍事では「相手の言っているスペックをまずは丸呑みした上で対策を考える」というのが基本原則です。
 たとえば「新型マルチロール戦闘機○○の最高速度はマッハ3で〜」と言われたら、そのスペックを丸呑みして対策を考える。
 地対空ミサイルなのか、空対空ミサイルなのか、戦闘機による格闘戦なのか。
 まあ、そうやって対策を考えるのが普通。

 そんな中、ミサイル防衛は防衛兵器だからこそ対抗策がつらいという問題があるのです。
 本来、弾道ミサイルは完成さえしてしまえばシンプルで対費用効果の高い兵器であったのに、ミサイル防衛に対抗しなければならなくなったために多弾頭化等々の対策を練らなければならなくなった。
 実際の撃墜確率も分からない中で、費用が高くなってしまう。
 イスラエルのアイアンドームが使われたシーンを見ても、そこそこ撃墜できるのは間違いないようですしね。

 こうして文句を言われたら逆に「おお、効いてる効いてる」ってなもんですよ。
 ミサイル防衛システムがあることで抑止力が高まるという効果が出ているということですから。
 対策がしにくいから撤去しろって言われているのも同然です。
 それでも防衛相会談なんかをしておくのは大事。対等な外交関係をキープしなければいけませんからね。

 さて、この記事だとまるで日本とロシアの間でも、中韓間にあった問題を再演するかのように書かれていますが。
 韓国にとってTHAADの配備が問題だったのは中国に文句を言われて主権放棄にも等しい「三不の誓い」を立ててしまったこと。
 韓国は中国経済に大きく依存していたからこそ、そういう事態に落ち込んでしまったわけで。
 「ひとつのバスケットに卵を詰め込むな」という分散投資の原則は、こんなところでも通用するという話でもありますね。
 日露関係にはそういった依存性はありませんから、三跪九叩頭とかしなくても大丈夫。
 韓国とは違って。

 おっとそんな中、今日からムン・ジェインが訪中。
 どんなハプニングがあるんでしょうかね。

マイナス金利にも負けない究極の分散投資術
朝倉 智也
朝日新聞出版
2016/6/7

アメリカ政府、対北朝鮮への核兵器使用に言及 → 「我々は北朝鮮の攻撃から本土、同盟国を守るために核兵器の使用ですら辞さない」

「北に先制核攻撃も辞さず」と言明した米国務省(日経ビジネスオンライン)
鈴置:国務省のアダムス(Katina Adams)報道官(東アジア太平洋担当)が12月5日、以下のように語りました。
・トランプ(Donald Trump)大統領が優先順位の最上位に置くのは米国の本土と準州、そして同盟国を北朝鮮の攻撃から守ることだ。
・米国は通常兵器と核兵器のありとあらゆる能力を動員し、同盟国である韓国と日本を防衛するとの約束を完全に履行する。

(中略)
 米政府が「核も使って先制攻撃する」と言明したのは初めてです。9月19日の国連演説でトランプ大統領が「totally destroy」(完全に破壊する)と核の使用を示唆したことはありました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

 が、「核」という言葉を使って北朝鮮を脅したことは、私の知る限りありません。
(引用ここまで)

 1ページ目のVOAについては初見のニュースでした。
 「アメリカ本土や同盟国を守るためには通常兵器も核兵器も(our conventional and nuclear capabilities)使うことを辞さない」という宣言は重いですね。
 以前は「ついにアメリカ政府の人間が『すべてのオプションがテーブルの上』ではなく、『軍事的』(Military)という単語を使った!」とかなんとか言っていたものでしたが。
 いま語られているのは空爆になんらかのオプションを加えた「限定的戦争」か、それとも陸軍投入を含めた「全面戦争」であるかのどちらかということですからね。

 国連は事務次長を北朝鮮に送り込んでいます。
 そもそも、核開発もミサイル開発も国連安保理決議違反。
 対イラク開戦もこうやってプロセスを経てから攻撃が決定されたものです。世界に対してエクスキューズをしているのですよね。

 「我々は平和を追求し、戦争以外のオプションを可能なかぎり探った。しかし、彼らは愚かにもそれを拒否したのだ」 

 ……という建前が必要なのです。
 もう一度、安保理での決議が必要かなぁ……あるいは先月末のICBMでもう世界はこれ以上の建前を必要としなくなったか。
 現状はそういう段階であると思って間違いないでしょう。

 うちも含めて開戦であると言っている人間は、それ関連の資料しか集めない傾向にあります。自分でも気をつけていますが、色眼鏡というものはなかなか取れないものです。
 ただ、さすがにムン・ジェインの「先制攻撃を容認しない」という言葉よりも、「もう残された時間はそれほどない。在韓米軍の家族は帰国させるべき」という言葉のほうに重きを置くのは現実的じゃないでしょうか。

 しかし、「同盟国を守るためなら核兵器の使用も辞さない」ですよ。
 こうでなければ、同盟国とは言えません。……まあ、三不の誓いを立ててしまうようなところは、もはや同盟国なのかどうなのかすら不明ですけどね。



アメリカが北朝鮮との戦争に向かう4つの理由

Have we got just three months to avert a US attack on North Korea?(The Guardian・英語)
米CIAが警告「北のICBM開発阻止、リミットまで3カ月」(朝鮮日報)
 米コロンビア大学のマーク・セドン客員教授(元国連事務総長スピーチライター)が4日(現地時間)、英ガーディアン紙への寄稿記事で明らかにした。セドン教授によると、先週米国のジョン・ボルトン元国連大使がロンドンを訪れ、英議会下院(庶民院)の議員と対面した。その席でボルトン元国連大使は「CIA首脳部はドナルド・トランプ大統領に、北朝鮮のICBMプログラム開発を中止させられるリミットまで3カ月しか残っていない」と告げたという。またセドン教授は「ボルトン元大使の訪問が公式なものなのか非公式なものなのかは分からないが、彼によると、(CIA首脳部は)3カ月たったら北朝鮮はワシントンDCを含む米国の諸都市を核ミサイルで攻撃できる能力を有するようになるだろう、とトランプ大統領に告げた」と記した。

 さらにセドン教授は「数日前に韓国の板門店を訪れた米国の軍事関係者も、欧州議会の議員に同様の内容を語った」「3カ月という『デッドライン』は(来年3月になったら)先制攻撃(があること)を意味する」と続けた。

 このほか、最近浮上した国務長官の交代説に関して、セドン教授は「強硬派のマイケル・ポンペオCIA長官が国務長官のポストに移ったら、朝米の膠着(こうちゃく)状態は一段と深刻になる」という見方を示した。
(引用ここまで)

 あと3ヶ月。
 つまり、2月末までがタイムリミット。そこまでで外交による交渉が成果を出せなければ、戦争のターン。
 先日書いていた「冬の間が戦争向きである」という話にも通じていますかね。

 ちょっと時期だけにかぎらず「アメリカにとって戦争に向かわなければならない理由」を羅列してみましょうか。

・3月までなら探査の結果を反映しやすい
 赤外線探査で地下施設を発見しやすいこの冬がタイムリミットであって、それを過ぎてしまうと最低でも9ヶ月は待たなければならない。しかも、それまでの情報をすべてとまではいかなくとも、その多くを捨てて再度探査からやり直す必要性がある。
 赤外線による探査だけではなく電力の配分とかもおそらくは監視しているでしょうけども。
 それでもやりやすさ、というものは見逃せないファクター。
 4月の段階から「新月」にこだわりを見せている人が延々といるのと同じことで、「戦争向きな時期」というのはいろいろとあるものなのです。

・核拡散ドミノを防ぎたい
 核拡散のドミノを止めたいというのは本心でしょうね。
 アメリカが保有したのでソ連が。
 ソ連が保有したので中国が。
 中国が保有したのでインドが。
 インドが保有したのでパキスタンが。

 きりがない。
 せっかくイランの核保有を防ぐことができたのに、北朝鮮に持たせたらどこまで核拡散が広がっていくか予想不能。
 なにしろ、世界でも最貧国といって過言でない北朝鮮が核を保有することができたのですから。
 ちょっと頑張って成長を犠牲にすればなんとかなりそうであると他の国も考えることは間違いない。北朝鮮にはノウハウがあるのですしね。
 そして、核保有さえできてしまえば、それをテコにして援助を引き出したりなんだりの交渉材料にできるっていう前例を作ることになってしまう。

「予防的先制攻撃」の欺瞞が顕わになる
 アメリカに対して攻撃的な「ワシントンもニューヨークも火の海になるだろう」といった論調を政府自らが出している国家が、ICBMの完成を待ち、さらに核保有することを見逃すことはできないのです。
 核保有を指をくわえたまま見逃すというのであれば「広島、長崎への攻撃は自国兵士の犠牲を作らないための予防的先制攻撃」であったという建前論が吹き飛ばされる可能性すらある。

・中国のプレゼンス肥大化防止
 このまま「外交による対話路線」で解決した場合、それを主導した中国のプレゼンスが大きくなってしまう。
 6者協議を復活させる?
 そして、核開発「停止」と引き替えに北朝鮮に援助を与える?
 アメリカは北朝鮮のような小国すらコントロールできないという事実が、アメリカの威厳に傷をつけ、同盟国に疑念を抱かせる種となるのです。「戦争が起きた時に、果たしてこの国は我々と共に戦ってくれるのだろうか」と。

 ――と、アメリカが戦争をする理由をピックアップしてみましたが。
 わりと説得力があるのではないかと思います。
 まあ、同じだけアメリカが戦争をしない理由を挙げることもできるでしょうが、それが説得力を持つかなー。
 今度、他のエントリでやってみましょう。

  ……いやはや、米朝合意は禍根だけを残しましたね。20年前に覚悟を決めることさえできれば、今日の脅威はなかったのに。
 結論の先延ばしは厄災以外のなにも招かないのです。
 ビジネスでも政治でも同じですね。

 それとガーディアンが「独立独歩のジャーナリズムのために、記事をオープンにしていたい(有料化したくない)と思うので1ポンドください」って言っているのに驚愕。
 うちが「おひねりくれ!」って言い出してもそれほどおかしくはないって情勢ではあるか……。

ガンダムWと迷ったけどこっちだな。ことここまで至ったら好きか嫌いかじゃないけどね……。
HELLSING(4) (ヤングキングコミックス)
平野耕太
少年画報社
2001/11/1

中国政府「THAAD撤収のために中韓が協力しよう」→韓国政府「え、三不で終わったんじゃなかったの?」

サード撤退求め続けている中国、反論のない韓国(東亞日報・朝鮮語)
中国が段階的にTHADDミサイルを撤収するという、いわゆる「THAAD配備の段階的処理に韓中が合意した」と改めて言及し、韓国にTHAAD撤収を要求した。中国はこれを韓中間の合意内容として既成事実化しようとする意図を露骨化しているが、「THAAD問題は二度と取り上げられることはない」といっていた韓国政府は、しっかりとした反論すら出さずにいる状況で議論が予想される。

王毅外交部長は22日、北京の釣魚台(釣魚臺)で開かれたカン・ギョンファとの外相会談の冒頭発言で「先日、(先月31日)中韓双方は共同発表文を通じてTHAAD問題の段階的処理についていくつかの合意を達成した」とし「米国のミサイル防衛システム(MD)に加入していない韓国に一時的に配置されているTHAADは、中国の安全保障の利益を毀損しないなどの内容について韓国の立場表明を重視する」と明らかにした。続いて、「中国には『言葉には、必ず信用がなければならず行動は、必ず結果が伴わなければならない』(言必信行必果)という言葉がある」とまで言及し「韓国側は引き続き、この問題を適切に処理してもらいたい」と韓国にTHAADミサイルの撤収を要求した。カン長官はムン・ジェイン大統領の翌月訪中協議のために中国訪問をしている。中国の論理どおりなら、韓国は韓中関係の改善を対価としてTHAAD撤収の約束を守るために努力しなければならないことになる。

最近李克强中国首相がムン・ジェイン大統領に「THAAD問題の段階的処理に韓中が合意した」という主張を初めて取り出した後、王部長がこれを再度取り上げ、先月31日、韓中発表文の内容と強調した。それでも「THAAD問題が封印された」と発言をしたカン長官は冒頭発言では「段階的処理合意」という発言に対してどのような反論もなかった。

中国外務省関係者は最近、東亜日報の記者に「段階的処理」の意味について「手順を踏んで、最終的には朝鮮半島からTHAADミサイルを撤収すること」とし「最初のステップは、先月31日、韓中合意」と明らかにした。この日、韓中外相会談で先に陸慷中国外交部スポークスマンも定例ブリーフィングで、「THAADミサイルの段階的処理に韓中が合意した」と強調しながら、「中国は、THAAD配備に反対する立場が全く変わらなかった」と述べた。
(引用ここまで)

 カン・ギョンファは中国側からは発表されなかった年内のムン・ジェイン訪中についての打ち合わせにきたようなのですが。
 それにも関わらず、まず最初にTHAADの話題。
 ふむ。
 中国はTHAAD撤収に向けて前進を続け、中韓の二国間でなんらかの会合があったときには必ず言及するというようにしているわけですね。
 つまり、中国にとっては「約束」であろうと「立場表明」であろうとどっちでもよかった。
 現時点でのステータスは「三不」でよい。
 しかし、将来的にはTHAADミサイルそのものを撤収させることが両国の目標であると認識している。
 ムン・ジェインの訪中が本当に年内にあるのかどうかは不明ですが、そのときにもこうして「THAADミサイル配備について」を言われるのでしょう。

 中国が狡猾なのは、ちゃんと中国人観光客に韓国旅行を再開させているところなのですよ。
 韓国政府は「これでTHAAD問題はすべて終わった」としているので、もはやなにも言えない。少なくとも、圧力はなくなったのは事実。ここで抗議でもしようものなら、元の木阿弥だろうと想像させているわけですね。

 ま、実際にはTHAADミサイルを配備しているのは在韓米軍ですから、韓国政府が単体でどうこうできるわけないのですが。
 もちろん、中国の最終的な目論見はTHAADミサイル撤去に留まらず、米韓同盟の破綻ですからそのための手順をコツコツと進めているといったところでしょう。
 「バランサー」を自認しているわりには、交渉事がまるっきりなにもできないっていうのは致命的ですよね。

国内情勢が厳しいから対外的に強く出るしかない、というのもあるのでしょうね。
ルポ 隠された中国 (平凡社新書855)
金 順姫
平凡社
2017/10/13

B-1Bを韓国メディアが「死の白鳥」と呼び続けることの気持ち悪さ

黒く塗装されたB-1B爆撃機を「死の白鳥」と呼ぶメディアのチェック機能の無さ(Yahoo!ニュース個人)
 北朝鮮に関する報道で度々話題になるアメリカのB-1B爆撃機に対して、各メディアは「死の白鳥とも呼ばれている」と紹介しています。しかし、どうして黒く塗装されているB-1B爆撃機が「白鳥」なのか疑問に思わないのでしょうか? 結論から言えばこれはある韓国メディアの思い込みによる勘違いを発端とし、途中で誰も間違いを指摘しないまま多数の韓国メディアが呼び方を真似し始め、日本メディアにまで伝わってしまった誤報なのです。 (中略)

 「死の白鳥とも呼ばれている」とは誰もそんな風に呼んでいなかったのに、メディアが実体の無い「呼ばれている」を繰り返して報道していった結果、どんどん広まってしまって実際にそう呼ばれ出す「嘘も100万回言えば真実になる」という捏造がリアルタイムで行われている様子が目の当たりとなりました。今回の件は単なる思い込みによる勘違いが発端で悪意がある捏造とは言えませんが、もしこれが悪意のある捏造が仕掛けられたらと想像すると、伝聞で報道を繰り返し続ける事は時に危ういものだと感じざるを得ません・・・
(引用ここまで・太字引用者)

 ああ、これだ。
 B-1Bを「死の白鳥」と韓国メディアが呼び続けて、さらに朝日新聞、産経新聞といった日本のメディアまでそれを真似るようになったことに異様な気持ち悪さを感じていたのです。

「死の白鳥」ソウルで低空飛行 北朝鮮への圧力アピール(朝日新聞)

 少なくとも「韓国ではそのように呼ばれている」くらいにしておけばいいものを、まるで元来そういった愛称があるかのように報道する。
 なんともいえない気持ち悪さを抱えていたのですが、ロジックとして表現できていなくてモヤモヤとしていたのですね。
 JSFさんの個人ニュースでそれが書かれていてすっきりしたというか、「ああ、これはうちが書かないとダメなヤツじゃん……」と落ちこむというか。

 慰安婦、軍艦島、青山里戦闘、それから「通貨危機の引き金を引いたのは日本の金融企業だ」なんてのも話の構造としては同じですね。
 こちらは悪意のあるものばかりですが。

ニュースの嘘を見抜け
辛坊治郎
KADOKAWA / 中経出版
2017/6/2

アメリカ「北朝鮮への圧力として空母を三隻送った! 日米韓で合同軍事演習だ!」→韓国「中国に三不を誓ってしまったので三国での合同軍事演習はできません……」

米空母中心の韓米日合同訓練、韓国の反対で白紙に(朝鮮日報)
韓日米「空母」連合訓練、韓国が拒否(中央日報)
 米国の原子力空母3隻が参加し、北朝鮮に対して武力を誇示するという性格の大規模海上訓練が、11日から14日まで東海(日本海)で行われる。韓半島(朝鮮半島)周辺に空母機動部隊が3つも集まるのは、6・25(朝鮮戦争)以来3度目。このため、当初米国は韓米日3カ国の合同訓練を提案していたが、韓国側の反対で白紙になり、韓米だけの合同訓練として行われることになった。11日に予定されている韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と中国の習近平国家主席の韓中首脳会談や、韓国政府が中国と「高高度防衛ミサイル(THAAD)合意」を行って表明した「三不」の立場が理由なのかどうか、注目されている。

 韓国軍の消息筋によると、先月米国はドナルド・トランプ大統領のアジア歴訪の期間に合わせ、3つの空母機動部隊を動員した東海での訓練を計画し、韓国と日本に3カ国合同訓練を提案した。米空母3隻が日本の海上自衛隊の艦艇に護衛され、東海に設定された韓国海軍の作戦水域(KTO)に順次入ったら、韓国海軍の艦艇も加勢して空母の護衛作戦、航空作戦、航空射撃などさまざまな訓練を3カ国合同でやってみようというものだった。しかし韓国側が難色を示したことにより、3カ国合同訓練は白紙になった。日本の艦艇はKTOに入る前まで米空母機動部隊に同行し、KTO内では韓米の艦艇だけが一緒に訓練をするものと決まった。
(引用ここまで)
韓国国防部のムン・サンギュン報道官は前日、「韓日米連合訓練計画はない」と述べたが、その理由は説明しなかった。

しかし政府消息筋は「高高度防衛ミサイル(THAAD)問題を解決して韓中首脳会談をすることにした過程で中国と合意した『韓日米安保協力は軍事同盟に発展しない』などの『3不(No)原則』に基づく措置とみられる」と伝えた。
(引用ここまで)

 アメリカは対北朝鮮を想定した軍事演習なので、日米韓の連携練度を高めておきたいでしょうね。
 日本にとっては集団的自衛権を行使する可能性を論ずるシチュエーションとしては、対北朝鮮が最大のものとなるでしょう。それだけに当該海域での準備をしっかりとしておきたい。データも取っておきたいことでしょう。
 さらにこの海域で三カ国が合同軍事演習することで北朝鮮に与える圧力を最大化できる。
 日本とアメリカの利害は完全に一致しています。

 その一方で韓国は宗主国である中国に「三不」を誓って冊封国と認定していただいたので、作戦水域での日米韓演習を許すことができない。
 これまでも中国の意向を気にして様々な制約を自ら課してきた韓国でしたが、もはや「三不」に逆らうことはなにひとつできなくなったと見るべきでしょう。
 つまり、禁じられていることはTHAAD追加配備、日米韓の三国軍事同盟、ミサイル防衛への参加だけではない。
 それに類すること、延長線上にそれらのことがあると思われることは禁止事項なのです。

 ……これ、もはや独立国であるとはいえませんね。
 李氏朝鮮末期そっくりです。
 カン・ギョンファは閔妃、王毅は袁世凱になるのかな。
 まあ、一般的に見て「三不」の誓いは主権放棄なので当然といえば当然なのですが。

 ムン・ジェインの就任から約半年。これまでほとんどなにもしてこなかった韓国外交ですが、動き出すと同時に馬脚を露わしてきました。
 いやぁ……さすがにここまでひどいとは想定していなかった。これまでの経済政策をはじめとした内政を見てきて外交も相当にひどいだろうな、というのは予想できていたことですけども。
 正直、ここまでなにもできない……というか、なにもかもしっちゃかめっちゃかにしてくるとは想定外。

悪名高き皇帝たち──ローマ人の物語[電子版]VII
塩野七生
新潮社
1998/9/30

朝鮮半島海域に史上初めて3隻の空母が集結、4日間の軍事演習を実施。過去最大級の圧力行使へ……

米空母3隻 あすから順次「韓国作戦区域」に=14日まで演習(聯合ニュース)
朝鮮半島東の東海で韓国海軍と演習を行う予定の米原子力空母3隻が、11日から「韓国作戦区域」に順次入る見通しだ。

 韓国軍の関係者は10日、「ロナルド・レーガン」「ニミッツ」「セオドア・ルーズベルト」の米空母3隻が11〜14日に東海の韓国作戦区域で韓米合同演習を行うと伝えた。

 韓国作戦区域は韓米連合軍司令官が軍事作戦のため朝鮮半島周辺に宣布する区域で、領海だけでなく公海が含まれることもある。空母打撃群はある程度の距離を置いて動くため、空母3隻が同時に韓国作戦区域に入ることはないとされる。

 空母3隻は対空防衛、海上での監視や補給、機動、戦闘機の離着艦などの訓練を行う予定だ。韓国海軍の艦艇7隻(イージス駆逐艦2隻、駆逐艦1隻、護衛艦4隻)が空母との演習に参加する。

 米空母3隻が朝鮮半島周辺の海域に同時に展開し共同演習を行うのは極めて異例で、北朝鮮への強い警告メッセージになるとみられる。
(引用ここまで)

 10隻のアメリカ海軍に所属する原子力空母(就役した最新艦であるジェラルド・R・フォードは習熟訓練中でまだ戦力外)のうち、3隻が日本海に集まっている。
 そしてさらに訓練を行う。
 これまで空母3隻が朝鮮半島海域に揃ったことがあるか、と問われたら記憶にないとしかいいようがないですね。
 まあ、カール・ビンソンとロナルド・レーガンによる2隻の集結だってそれ以前にあったかどうか怪しいものですが。

 そして以前に訓練を行った空母カール・ビンソンも含めると朝鮮半島海域で訓練を行ったことがある空母は4隻。
 トランプが「すべての選択肢は机上にある」と言い出してから約半年。
 圧力としては最大級のものをかけているといっても過言ではないでしょう。1994年のそれよりも遙かに強いものとなっているというのは実際でしょう。

 でも、すぐ横に「武力行使なんて絶対ないからw」とか言っているバカがいる……最悪の取り合わせだな、これ。
 逆にトランプ大統領を実力行使へと追いこんでるような気がしますけどね。


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