楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

非核化

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アメリカが「北朝鮮制裁は緩和しない。全世界も従うべき」とアナウンスする中、ムン・ジェインは3回目の南北首脳会談を決定。支持率低下に焦ったか?

対北制裁:北と関係改善図るフィリピンに米国が警告、韓国にもクギ(朝鮮日報)
対北制裁破り:駐韓米国大使「韓国企業への制裁、韓国政府の対応を見極めて判断」(朝鮮日報)
 米国のラジオ放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」は12日(現地時間)、米国務省が「北朝鮮との対話は北朝鮮制裁の替わりになり得ない」とコメントしたと報じた。南北閣僚級会談が目前に迫った時点で、非核化の具体的な成果なしに北朝鮮制裁の緩和はない、という点を明確にしたのだ。

 国務省報道官室の関係者は11日、フィリピンなど一部の国々が最近、北朝鮮との関係を回復させようとする動きを見せていることについてVOAが論評を求めたのを受けて、「(北朝鮮との)対話は国連安保理や米国の制裁を代替し得ない。国務省は全世界の国々に、北朝鮮を圧迫して国連安保理決議を完全に履行するための行動を取るよう圧力を加えている」と語ると共に「北朝鮮の約束は良いものだが、透明かつ検証可能な行動のみが前に進む道」と指摘した。
(引用ここまで)
 米国のハリス駐韓大使は13日、北朝鮮産石炭を輸入した韓国企業に対して米国が制裁を行う可能性について「韓国政府の対応を見極めた上で決まるだろう」との見通しを示した。韓国政府に対し間接的に「厳格な対応」を求める一方で、「その対応が不十分であれば、米国は独自制裁に乗り出す」という含みを持たせた発言だ。米国務省はこれまでこの問題について直接の言及は避け「韓国は信頼できるパートナー」という原則以外は何も語らなかったが、今回ハリス氏を通じて韓国側に自分たちの意向を改めてはっきり伝えたと考えられる。 (中略)

米国務省はメディアに対しては一貫して「韓国は忠実で信頼できるパートナーだ。韓国政府とは常に緊密に協力している」としかコメントしてこなかった。同盟国に対する配慮という次元で、韓国に対してはあくまで水面下で「自分から厳しく対処せよ」と求めているのだ。ところが韓国大統領府は米国務省のメッセージを表面的に受け止め、「問題ない」と主張するばかりだ。

 しかし米国でも国務省以外では韓国に対する強い不満の声が露骨に出始めている。たとえばホワイトハウスのボルトン国家安全保障補佐官は今月7日(韓国時間)にテレビ番組に出演した際、石炭問題と関連して韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長と電話会談を行った事実を明かした。その際ボルトン氏は「韓国は(輸入業者に対する)起訴など、韓国の法律に従って適切に対処するだろう」とした上で「米国も従来の制裁をより強化する方法を検討している」と明らかにした。
(引用ここまで)

 昨日、韓国大統領府が3度目の南北首脳会談の開催を決定したとアナウンスしました。
 北朝鮮からは「首脳会談をしても実利がない」ということで反対されていたようです。
 キム・ジョンウンが動くとなると警備費用も嵩むでしょうしね。それを「じゃあ、平壌でいいよ」というところまで譲歩して開催そのものは決めたものの、具体的な日程をつめるまではできなかった。
 それでも韓国……というかムン・ジェインには南北首脳会談を発表する必要があったのでしょうね。
 8月15日の光復節までには発表して、当日には談話として「3回目の首脳会談も予定されており、さらに南北は統一に近づいた」というような話にしなければならなかったのですよ。

 韓国国内の経済は悪化の一途。支持率はここ1ヶ月ちょっとほど右肩下がり。
 支持率回復のカンフル剤として南北首脳会談を成功させる必要がある。
 そのためには北に実利を与えなければいけない。

 というわけで韓国はなんとしてでも開城工業団地、金剛山観光事業を再開して北朝鮮を助けたいという意向があるのです。そもそも開城工業団地再開はムン・ジェインの公約でもあり、かつ韓国国内の軽工業を助けるという意味合いもあります。
 北朝鮮からは「実利をよこせ」「いくら話し合っても意味がない」とせっつかれていることも理由としてあるでしょうね。
 でも、アメリカは即座に反対を表明されている。

 さらにアメリカからは「あくまでも全世界が国連安保理決議に従って制裁を継続すべし」との立場が明白にされています。
 非核化を実現するまでは制裁を緩めないし、取引しようとした国、企業を許さないとの宣言といったところですかね。
 思ったよりも鷹揚に構えている。
 制裁が効いていて北朝鮮の経済成長は去年マイナス3.5%という数字。
 非核化しないのであれば制裁で締めつけることができる、という判断だったのかな。いま、北朝鮮では下からは怨嗟の声が挙がりつつあるとのことです。アメリカ側としてはクーデターも見据えているのかどうか。
 まあ、実際には中東情勢をメインに見ているということなのでしょうけどね。

 どうもムン・ジェイン政権はアメリカの「時間をかけてもいい」という対北政策を「制裁を緩めてもいい」くらいに曲解している節があるのですが……。
 次の南北首脳会談でどんな話を出してくるのか。利益供与を行おうとするのか。
 おそらく「人道的支援」を持ち出してくるのではないかなと予想しますが。さて。

マティス国防長官「中国は周辺国に明のような朝貢外交を要求している」と発言。この発言の意味するところは……

中国は周辺国に朝貢要求、米国防長官が指摘(朝鮮日報)
 マティス国防長官は15日、海軍大学の卒業式で演説し、「中国は現在、国際秩序を変更するための長期計画を持っている。明が彼らのモデルであるようだ」と述べた。その上で、「やや筋肉に頼る方式ではあるが、他国には朝貢をささげる属国になり、北京に頭を下げることを求めている」と指摘した。ワシントン・ポストは20日、「習近平国家主席の野心について、識見を通じて警告したものだ」と評した。

 中国が過去の明の時代の栄華を再現しようとしており、周辺国に朝貢外交を強要しているというマティス国防長官の批判は今回が初めてではない。昨年3月、米議会での聴聞会では、「中国は南中国海(南シナ海)で周辺国が強大国(中国)に朝貢したり、黙って従わせたりする一種の朝貢国家方式を取り、信頼を破壊している」と述べた。

 昨年2月に日本では、「今中国は明代の冊封政策を復活させ、周辺を全て自国の勢力圏に置こうとしているのかもしれない」と述べた。生涯軍人として生きてきたマティス国防長官の口から中国の王朝史や「朝貢外交」「冊封政策」といった専門的な歴史概念が飛び出した。
(引用ここまで)

 さらっと「現在の中国が朝貢外交を求めているのだ」と言えるあたり、「おまえらのやろうとしていることは知っている」という宣言ですね。
 戦略研究家という顔も持っているマティス国防長官ですから、当然のこと中国の古典等にも通じているのでしょう。六韜なんかは最古の兵法書のひとつでもありますし。
 当然、周辺国の事情も多少なりとも理解していると考えたほうがよいでしょうね。
 李氏朝鮮が冊封国のひとつであるということも。
 国防長官自らが東アジアの歴史に詳しいというだけでもタフネゴシエイターになることができるはずですね。

 北朝鮮や台湾といった問題に対して自分だけであるていどの考察ができるというのは、かなりのアドバンテージでしょう。
 こうしてみると「トランプ政権には人材がいない」とされていますが、対中国・対北朝鮮に関してはそれなりの陣容と言える感じがしますね。
 このエントリは半分くらいは自分用のメモでもあったりします。

 さて、アメリカが非核化交渉のための実務者会談を行うために4人の当局者を北朝鮮に送ったそうですよ。

米国非核化交渉チーム4人、訪朝中(中央日報)

 共同声明文にあった「ポンペオ国務長官と北朝鮮高官による会談」のための露払いということだそうですが。
 まだまだ交渉は継続中、ということです。

明代海禁=朝貢システムと華夷秩序 (東洋史研究叢刊)
檀上 寛
京都大学学術出版会
2013/12/19

北朝鮮「会談をしたいなら米韓合同軍事演習を中止しろ」→アメリカ「OK、中止した。で、会談は?」→北朝鮮「……」

米国防総省、米韓軍事演習中止を発表(CNN)
ボルトン氏「非核化長引かせる会談はしない」 金正恩氏の時間稼ぎに警告(中央日報)
米国防総省は22日、今後3カ月に予定されている複数の米韓合同軍事演習を中止すると発表した。北朝鮮との交渉が続く中での措置となっている。

国防総省は声明で、マティス国防長官が「特定の演習を無期限で中止」する決定を下したと説明。中止となる演習には8月の「フリーダムガーディアン」や、米韓両国の海兵隊による2つの訓練演習が含まれていると明らかにした。

国防総省は19日に既に、フリーダムガーディアンに向けた「全ての計画作業」を停止したと発表していた。 (中略)

ただ、国防総省のホワイト報道官は今回の声明で、さらなる中止の措置を取るかは、北朝鮮が米国と「真摯(しんし)に生産的な交渉を続けるかどうか次第」としている。
(引用ここまで)
米国のジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が20日(現地時間)、シンガポール首脳会談に続く米朝間の後続交渉を模索している状況で「長く引っ張る会談は未来には起きない」としながら「我々ははやく動きたい」と述べた。ボルトン補佐官はこの日、FOX(フォックス)ニュースの朝のニューストーク番組『Fox and Friends』でのインタビューで「北朝鮮も真剣ならば同じようにはやく動くことを望むべきだ」と明らかにした。米朝首脳会談以降、北朝鮮タカ派のボルトン氏が北朝鮮の非核化に関して公開的に言及するのは初めてだ。
(引用ここまで)

 米朝首脳会談の共同声明に「ポンペオ国務長官と北朝鮮の高官の間で後続会談が行われる」とありましたが。
 米朝首脳会談の当日の記者会見の時点でトランプ大統領から「後続会談はボルトン補佐官とポンペオ国務長官によって行われる」との言葉がありました。
 あの北朝鮮から「ボルトンを外さないと会談中止にするぞ!」と言われた人物である、ということはつまりその存在が具合が悪い、ということなのですよ。
 「日本は圧力一辺倒を続けることを深く考えろ」と言っているのと同じことですね。

 そのボルトン補佐官から「交渉を早くしろ」との急かしが入ってます。
 そして、その会談は時間稼ぎには使われない、と。
 なかなか面白い事態になるのではないかな、と注視しているのですがなかなかはじまりませんね。
 はじまらないならはじまらないで、制裁解除が遠のくだけなのですが。
 さてはて。

 その一方で北朝鮮側から「こうして対話をしたのだから、米韓合同軍事演習を取りやめてほしい」との申し入れがあったそうなのですが。
 アメリカ側は誠意をもってその言葉に対応している。
 乙支フリーダムガーディアンを中止し、さらに続く海兵隊の合同演習もキャンセル。
 「我々は誠実に事に当たっている」という宣言です。そして「北朝鮮の要求を受け入れ、演習を中止にした。さて、北朝鮮はどんな対応をする?」と問われている、ということでもあるのですが。

 もうすでに複数隻の空母を用いた軍事演習を日本海で散々やっているのですから、今回の演習中止については象徴的な意味しかありませんね。
 これに対して北朝鮮はどう対応するのか、というところですか。
 またキム・ジョンウンが3度目の訪中をしたくらいしか動きがないのでなんともいえないところです。
 アメリカがこうして矢継ぎ早に動きを見せるとは思っていなかった……という感じですかね。

米朝共同声明に中身がなかったのは、来週からの交渉が本番であるためか。交渉にはポンペオ長官、ボルトン補佐官らが参加する模様

米朝共同声明はスカスカ、あえて詳細決めない戦略か 上智大・前嶋和弘教授(産経新聞)
 非核化、体制保証、拉致問題の観点から今回の米朝首脳による共同声明をみると、中身がすかすかだ。会談後のトランプ米大統領の記者会見を聞いても曖昧な点が多い。1992年の非核化をめぐる南北共同宣言や2005年の6カ国協議の共同声明と比べても明らかに内容が弱い。

 ただ、最近まで戦争が始まってもおかしくないほどの緊張状態にあった米朝関係を考えると、両首脳が会談したこと自体が信頼醸成の場として意味があった。詳細を決めると物事が進まないので、大枠だけを作り詳細はあえて決めない戦略がトランプ流だったのではないか。しかし、会談が一度きりで終わってしまっては評価は低くなる。「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)のうち共同声明で抜け落ちた、「検証可能で(V)不可逆的な(I)」非核化を実現するには、複数回にわたり高官級協議などを続けることが重要だ。
(引用ここまで)

 楽韓Webが主張している話と同じ視点の見方もこうしてありますよ、というご紹介。
 あそこまで米朝首脳会談の共同声明の中身がすかすかであった以上、首脳会談をやったという形だけが大事にされたということであり、非核化の中身についてはこれからの交渉で行われるということなのでしょう。
 追加協議についてはポンペオ国務長官がボルトン補佐官らを伴って行われるとトランプ大統領も言明しています。
 当日のシンガポールでの記者会見の様子はこんな感じでした。
Press Conference by President Trump(WHITE HOUSE)
Q I just wanted to find out. You described this as a process. What is the immediate next step? Is there some ongoing dialogue —

THE PRESIDENT: Yes. We’re getting together next week to go into the details.

Q And that’s (inaudible)?

THE PRESIDENT: Secretary Pompeo. Yeah. Next week, with John Bolton and our entire team, to go over the details and to get this stuff done. We want to get it done; he wants to get it done. We’re also working very much with South Korea. We’re working with Japan. We’re working with China, to a lesser extent, but we’re working with China.

Q ひとつ明確にしておきたいのですが。「これはプロセスである」と言われました。では、次の段階はどのようなものになるのでしょうか。なんらかの話し合いが継続されると ──
大統領:そうだ。我々は詳細を話し合うために来週から集まるだろう。

Q それは(聞き取れず。訳注「誰が行うのか、という感じ」)
大統領:ポンペオ国務長官だ。そう、来週にでもボルトン補佐官や我々のチームは詳細を話し合う。我々はことを為したいし、彼もそうだ。韓国と共に動き、日本とも動き、中国とも動く。より小さなものとはなるだろうが、中国と共に動くのは間違いない。
(引用ここまで)

 とまあ、後続の交渉についてはポンペオ長官やボルトン補佐官を中心にしたチームが当たると明言しています。
 来週、つまり月曜日以降の交渉がどのようなものになるか。
 ポンペオ長官は「共同声明に『検証可能』も『不可逆』も込められている」と言っていましたが、果たしてその解釈を北朝鮮に押しつけることは可能なのか。
 反対された場合にはどうなるのか。同じ記者会見で「制裁は非核化が完了するまで継続する」と述べていましたし。
 延長戦……というよりはむしろこれからが試合本番ですかね。

 ちなみに中国やロシアが独自に対北朝鮮の経済制裁解除に動こうとしたら、アメリカの施しているセカンダリーボイコットにがっつりハマって大騒ぎになるでしょう。
 それはそれでちょっと見てみたい風景ではありますけども。

米朝首脳会談:トランプが必要としたのは「会談をした」というレガシーのみ、実務会談はまだ続く模様

トランプ、金正恩両氏が署名した共同声明(産経新聞)
 新たな米朝関係の樹立は朝鮮半島と世界の平和と繁栄に寄与すると確信するとともに、相互の信頼醸成が朝鮮半島の非核化を促進できると認識し、トランプ大統領と金正恩委員長は次のように宣言する。

 (1)米国と北朝鮮は、平和と繁栄を求める両国民の希望通りに、新たな米朝関係の構築に向けて取り組む。

 (2)米国と北朝鮮は、朝鮮半島での恒久的で安定的な平和体制の構築に向け、力を合わせる。

 (3)北朝鮮は、2018年4月27日の「板門店(パンムンジョム)宣言」を再確認し、朝鮮半島の完全な非核化に向け取り組む。

 (4)米国と北朝鮮は、戦争捕虜、戦闘時行方不明兵の遺骨の回収、すでに身元が判明している分の即時引き渡しに取り組む。
(引用ここまで)

 正式な共同声明文が出てきたのですが、これ……なにも決まってませんね。
 前日になっても実務協議を延々とやっている、という報道がありましたが。
 実際になにも決められなかったのでしょう。
 1〜3は南北首脳会談で発表された板門店宣言をなぞっているだけ。
 目新しい部分は4の戦争捕虜、遺骨の引き渡しが明記されただけです。

 トランプには首脳会談をした、という「レガシー」が必要であったということでしょうね。
 声明文の後半には「ポンペオ国務長官と北朝鮮が追加交渉を行う」という文言があります。
米国と北朝鮮は、米朝首脳会談の成果を履行するため、ポンペオ米国務長官と北朝鮮側の対応する高官の主導による後続交渉を可能な限り早期に開催するよう努める。
(引用ここまで)

 あんまり首脳会談の共同声明文で見ない文言ですね。
 つまり、非核化の手段、期間といった実務協議に関してはトランプは関与しないということで、ポンペオ長官が音頭を取るということになるのではないでしょうか。

 あと拉致問題についても会談では言及があったとのこと。
 解決への新章の扉がようやく出てきた……というくらいかな。まあ、言及してもらっただけでもありがたい。


米朝が「完全非核化」など4項目で合意。「非核化プロセスは非常に迅速にはじまる」とトランプ大統領談

「米朝、完全非核化・平和体制・関係正常化・戦死者遺体送還4項目合意」(聯合ニュース・朝鮮語)
北米両国が12日、完全な非核化、平和体制保障、北米関係正常化の推進、6・25戦争の戦死者遺体の送還など4項目に合意したとロイター通信が報じた。

ドナルド・トランプ、米国大統領とキム・ジョンウン、北朝鮮国務委員長はこの日、シンガポールのセントーサ島カペラホテルで、歴史的な初の首脳会談を開催し、このような内容が盛り込まれた共同声明に署名したと通信は伝えた。
(引用ここまで)

 まだ非核化プロセスにおいてどんな話になっているのか不明なのですが、拡大会談にボルトン補佐官、ポンペオ国務長官がいてCVIDの確約がとれなかったということはないでしょう。
 トランプが署名時に「速やかに非核化プロセスははじまる」と述べたとの話もあります。

米朝首脳が合意文書に署名、非核化のプロセスは「迅速」に開始(AFPBB)

 さて、正直なところ「予測範囲内」で終わっているわけですが。
 むしろ、このあとの非核化プロセスがどうなるのか。
 北朝鮮が25年間、世界をだまし続けてきたことをそのまま続けるのかどうか。
 かつ約束の遵守をしなかった際のアメリカの対応がどうなるか、焦点はここに移るといえるでしょうね。
 外交は口でするものではない、ということをキム・ジョンウンが理解できているかどうかですね。

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:米朝会談 失敗の歴史」〈2018年6月19日号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2018/6/12

ポンペオ国務長官、前日にも「アメリカが受容するのはCVIDのみ」と発言。さらに明日の拡大会談にはボルトン補佐官も出席との情報

ポンペオ氏 CVIDのみ受け入れ可能=朝米会談(聯合ニュース)
朝米会談直前に4時間半の実務協議 CVIDの明記巡り攻防か(聯合ニュース)
トランプ米大統領に同行してシンガポールを訪問中のポンペオ米国務長官は11日、翌日に迫った朝米(米朝)首脳会談について、「北朝鮮との対話が非常に早く進展している」とした上で、米国が受け入れられる唯一の結果は「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)と述べた。
(引用ここまで)
史上初の朝米(米朝)首脳会談を翌日に控えた11日、会談が開かれるシンガポールで米国のソン・キム駐フィリピン大使(元駐韓大使)と北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が午前と午後に合計4時間30分にわたる実務協議を行った。 (中略)

 トランプ大統領に同行してシンガポールを訪問中のポンペオ国務長官がこの日行った会見で米国が受け入れられる唯一の結果は「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)と述べたことから、両国は合意文にCVIDを明記するか否かで激しい攻防を繰り広げているものとみられる。
(引用ここまで)

 前日になってもまだ実務協議で4時間半。さらに夕食を摂ったあとも協議が続けられるのではないかという話。
 通常、首脳会談は実務協議ですべての物事が決定し、実際の首脳会談は象徴的なものとしてだけ行われます。
 でもまぁ……今回は「ドナルド・トランプ対キム・ジョンウン 新加坡の大決戦」ですからねぇ。いくらでもちゃぶ台返しがありそうではあります。

 さて、その一方でポンペイオ国務長官は前日にも再度「アメリカが受け入れることができる唯一の結果は、『完全で検証可能かつ不可逆な非核化』である」と発言。
 CVID堅持で曲がりませんね。
 非核化そのものにはあるていど時間がかかるにしても、「先に非核化、援助があるとしたらそれから」という形を譲るつもりはなさそうです。

 で、会談は1日のみ。最初は通訳だけをはさんだ単独会談。ついで閣僚の加わった拡大会談。最後に昼食会も行われるとのこと。

ホワイトハウス 「米朝会談12日のみ開催…単独→拡大→業務の昼食会」(聯合ニュース)

 拡大会談にはポンペイオ国務長官、ジョン・ケリー首席補佐官、そしてボルトン補佐官が同席するんですって。
 段階的非核化は認めない上に、ボルトンは拡大会談に参加する。
 まあ……そういうことですよ。

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:米朝会談 失敗の歴史」〈2018年6月19日号〉 [雑誌]
ニューズウィーク日本版編集部
CCCメディアハウス
2018/6/12

12日の米朝首脳会談で期待できる「成果」とは? トランプは「段階的非核化を容認」したのか、それともCVID貫徹か

米朝首脳会談:開催直前まで「最大限の圧力」で決断促す米国(朝鮮日報)
「暗殺」「猫なで声」で金正恩いぶし出すトランプ(日経ビジネスオンライン)
 米国のドナルド・トランプ大統領が7日(現地時間)、「北朝鮮は必ず非核化すべきで、非核化しないことは容認できない」と発言した。その上で、交渉が成功裏に進んだ場合、「終戦宣言に署名することもあり得る」とも言及した。

 トランプ大統領は7日、ホワイトハウスで安倍晋三首相と首脳会談を行う前後に取材に応じ、「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長と会って首脳会談を行う全ての準備ができた」として、このように発言した。トランプ大統領は、北朝鮮制裁に関連して「最大限の圧力という用語を再び聞くことになれば、交渉がうまくいかなかったと分かるだろう」「(非核化前まで)いかなる制裁も解除せず、北朝鮮に加えられる新たな制裁は300件を超え、一部は極めて強力」と語った。トランプ大統領は今月1日、ホワイトハウスを訪れた北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)労働党統一戦線部長と会った後、「最大限の圧力という用語をこれ以上使いたくない」と語っていた。

 マイク・ポンペオ国務長官も7日、ホワイトハウスでブリーフィングを行い、「完全かつ検証可能で不可逆な非核化(CVID)だけが米国の容認できる結果で、北朝鮮が大量破壊兵器(WMD)プログラムを取り除くまでは制裁を解除できない」「金正恩委員長は、国のためにそうした(CVIDの)決断をする準備ができていると期待している」と語った。

 米朝首脳会談を五日後に控えた状況で、トランプ大統領とポンペオ国務長官が相次いで「米国はCVIDの原則を放棄しない」とし、金正恩委員長がこれを受け入れる決断を下すよう要求したのだ。
(引用ここまで)
── トランプ大統領は北の主張していた「段階的な非核化」も受け入れました。

鈴置:日本の多くのメディアがそう報じました。それは誤報です。6月1日の会見で大統領が「時間をかけていい」と語ったのを勘違いして報じたのです。質問を含め、関連部分を引用します。 (中略)

 ホワイトハウス担当の記者が「北朝鮮と『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化』で合意したのですか」と聞きました。

 トランプ大統領はそれに対しては「多くのことを語りあった」と答えただけで、話題を会談の内容から日程にそらしたのです。

 日程に関する話の中で「Take your time(時間をかけていい)」と語ったのです。「非核化」ではなく「会談」に時間をかけていい、と言っているに過ぎません。

 大統領はこの会見で、もう一度「Take your time(時間をかけていい)」という言い回しを使いました。「2回目、3回目の首脳会談についても議論したか」と聞かれた時です。

 この、会談の日程に関する質問に答えた際に「(北朝鮮側に)私は率直に言った。『時間をかけていい。時間をかけていい。それ(制裁)は続けるが、(決断には)時間をかけていい』」と説明しました。
(引用ここまで)

 「トランプが段階的な非核化を容認」というニュースは少なくてもうちがアメリカのマスコミを見るかぎりではなかった感じですね。
 日本では毎日新聞がそう報じて「え、会見のどこにそんな文言があったっけ?」と調べたのですが、見つからなくてなんともいえない違和感を抱えていたのです。

トランプ氏 段階的非核化を容認 米朝12日に会談(毎日新聞)

 この時は「独自情報によるものなのかねえ」と自分を納得させたのですが。
 鈴置氏のコラムによれば「そもそも、そんなことは言っていない」とのこと。
 なるほど、これであれば会見での「段階的な非核化容認発言」を探しても見つからないはずですわ。
 ま、確かにトランプ大統領の記者会見での言葉は記者に語りかける形になったり、自分の意見を出したりなんだりであとから文言を追うだけだと理解できない部分も多いのですけどね。
 必要があればできるだけホワイトハウス提供の動画を見て確認しないといけないっていう。

 一方で先月末に北朝鮮に渡り、キム・ジョンウンと非核化についての会談を行ったポンペオ国務長官も再度「CVIDだけがアメリカの容認できる結果であり、達成されるまで制裁解除はない」と語っています。
 同じ日にトランプ大統領からも同じ話が出ていますね。
 アメリカの方針はぶれていない。
 ただ、その一方で「今回の会談はまず知り合いになるというもの」みたいなものだという話も出ています。

トランプ氏、米朝首脳会談は予定通り実施と 「まずは知り合いに」(BBCニュース)


 実質的な「成果」はなにも出ないのではないかと危惧するところですね。
 あさってには会談なのですが内容についてなんのリークもないということは、実務会談がうまくいっていないということでもあるのでしょう。
 挨拶して終わり、なんてこともあり得るのではないかと思われます。
 それは決して北朝鮮にとっていい話ではないのですけどね。

米朝密約 なぜいま憲法改正、核装備か
日高義樹
徳間書店
2017/12/8

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