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非正規雇用

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韓国GM「工場閉鎖でようやく一息つけたわ」→韓国政府「非正規雇用者を全員正規雇用にしないと違法派遣認定な」

政府が幇助した韓国GM非正規職問題(中央日報)
民主労総韓国GM群山(クンサン)・富平(プピョン)・昌原(チャンウォン)非正規職支会は9日から韓国GM本社社長室の占拠を始めた。彼らは非正規職の直接雇用と解雇した非正規職労働者の復職を要求し徹夜で座り込みを行っている。

韓国GM富平非正規職支会は10日現在「カハー・カゼム社長が直接交渉すれば社長室占拠を解散する」という立場だが、韓国GMは「韓国GMの労働者ではない協力会社の労働者と韓国GM社長が直接対話する理由はない」として拒否している。

韓国GMがまたもこうした問題に巻き込まれたのは、韓国GM非正規職労働者の身分をめぐり意見が入り乱れているためだ。自動車工場では多くの下請け業者の労働者が勤務する。自動車メーカーは長期間の熟練が必要な工程には正規職労働者を投じ、単純組み立て工程は外注に任せる場合が多い。 (中略)

韓国GMは雇用労働部の監督結果を履行し、「工程ブロック化」作業を進めた。外注に任せる工程が正規職労働者の動線と重ならないようベルトコンベヤーから組み立てプロセスまで再配置した。派遣労働法の規定に基づいて独立的な場所で指揮監督権を行使しない一部組み立て工程だけを外注に任せた。

韓国GMのこうした工程ブロック化作業は2012年に雇用労働部から正式に「立派だ」という認定を受けた。

雇用労働部は2013年に再び点検に乗り出す。当時労働監督を実施した監督チーム長は10日、中央日報のインタビューで「下請け労働者が働く事業所も分離しており、下請け労働者の指揮・監督状況もなかった。派遣労働法上の違法派遣は判断基準が明確で、個人的に判断経験も豊富だが、韓国GMは違法派遣ではなかった」と断言した。

当時管理監督に参加したある関係者も「韓国GMを違法派遣とみるなら韓国の自動車・自動車部品産業自体が事実上派遣が不可能だ。明確な法令に基づいて私心なく判断した」と主張した。

こうした雇用労働部の立場が180度急変したのは「非正規職の正規職転換」を掲げた文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足してからだ。雇用労働部は5月28日、「韓国GMの特別労働監督を実施した結果、韓国GM昌原工場の下請け労働者774人の労働形態は違法派遣だ」とし、「彼らを全員直接雇用せよ」と判定した。

問題は2013年と現在の韓国GMの下請け勤務システムが完全に同一だという点だ。また、適法性を判断する派遣労働法と運営指針もほとんど変わっていない。すべての状況がそのままなのに、「合法」としていたシステムを突然「違法」と判断したのだ。これに対し雇用労働部は「現在捜査中である事案は判断の根拠を具体的に話せない。捜査終了後に違法派遣の労働を明らかにする」という立場だ。
(引用ここまで)

 事業をしていてなにが困るって、こういう「昨日までは合法だったけど、政権(の気分)が変わったから明日から違法ね」みたいなやりかたです。
 これをやられると本当に参ります。

 さて、ムン・ジェイン政権にとっては大企業はすべて悪。
 大企業こそが二極分化を招いた主犯だ、って言ったことすらありますからね。
 それでなくとも悪なのに、立場の弱い派遣労働者から切るとは大悪。
 よって成敗してくれる、くらいの感覚なのでしょう。

 ムン・ジェインが仁川空港の非正規雇用者をゼロにするという宣言をしたことがあります。公企業(公社)からは非正規雇用をゼロにするというのがムン・ジェインの公約のひとつでしたので。
 で、その宣言に対して仁川空港側が当初にとった方針は「じゃあ、非正規雇用者全員クビ」だったのですよ。
 まあ、非正規雇用にするにはそれなりの理由がある。
 繁忙期には人を増やしたいし、閑散期ならその逆。そういった雇用の調整弁として使えるのが非正規雇用だったのに全員を正規雇用にしてしまったら人件費がどうなるか分かったもんじゃない、というのが本音だったようです。
 さすがにムン・ジェインの聖公約に反するということでこの仁川空港の非正規雇用全員クビはなくなったのですが。

 まあ、こういった感じでムン・ジェイン政権は「労働者に優しい」ということを旗印にしているのですよ。
 韓国GMの場合、群山工場を閉鎖して大量の解雇者を出したことへの懲罰的な意味もあるでしょうね。
 「韓国国内の雇用を脅かしたらこうなるぞ」というアナウンス効果も狙っていると思われます。
 しかも、韓国GMは純粋な国内企業ではないというところに旨みがある。どれだけ叩いても企業側に韓国人からの同情が集まりにくい。
 一石何鳥もの効果を見逃すはずがありませんね。

 しかし、また社長室占拠か。本当に事業の邪魔させたら韓国の労組の右に出るものはないですね……。


ムン・ジェイン「私は公企業から非正規雇用者をなくしてみせる!」→公企業「ほーん、そんじゃ非正規クビにすりゃええんやな」→結果……

[単独]ブーメランされた正規職化... 正規職夢みながらも解雇通知を受けた政府傘下期間制研究員(国民日報)
Aさんは、政府傘下のB研究機関で非正規職期間制研究員として働く。過去4年6ヶ月間、1年単位での契約を更新した。ところが、13日に青天の霹靂のような再契約拒否の通知を受けた。到底納得できなかった。通常、再契約するときには最近1年間の研究実績と勤務評価を見る。Aさんの昨年の研究実績は270点だった。最低基準である100点を遥かに上回った。

再契約拒否の理由は、勤務評価であった。Aさんの勤務評価最低基準である80点に1点足りない79点だった。彼は18日、国民日報との通話で「期間制研究の平均である100〜150点をはるかに超える研究実績を出した、基準以下の作業の評価を与えるということを常識的に理解できない」とし「非正規職の正規職転換を控えて、一部の非正規職を切るためのトリックと見るしかない」と話した。

B研究機関はAさんを含めた4人すべての非正規雇用者に再契約の拒否を通知した。再契約拒否の通知も急だった。B研究機関の人事管理制度によれば、契約終了日1ヶ月前に再契約するかどうかを通知しなければならない。しかし、30日に契約が満了するAさんの場合、半月ほどを残した状態で通知された。これに対してB研究機関の関係者は「規定による人事委員会の正当な手続きであって政府の正規職転換政策と全く関係がない」と釈明した。

公共機関の非正規職が「とんでもないブーメラン」を迎えている。公共機関の非正規職を正規職に転換する過程で、多くの非正規職が「解雇死角」に置かれているという憂慮が現実に近づいてきた。公共機関は8月末に予想される「正規職転換」の時期を控えている。非正規職の正規職転換によって雇用負担が大きくなることに対して、期間満了などを理由に非正規職を大量解雇する状況となっているのだ。
(引用ここまで)

 ムン・ジェイン政権の雇用対策として「81万人の公務員増員」とともにもうひとつの幹となっているのが「公的機関における非正規雇用の廃止」です。
 ムン・ジェインは大統領就任直後に仁川国際空港を訪れたのですよ。そこで非正規雇用をすべて正規雇用にすると宣言したのです。
 「非正規雇用をすべて正規雇用にすべきである」と我らの偉大なる大統領様は力強く仰り、愚かな空港職員はその言葉に従って全員を正規雇用とし、かつての非正規雇用者はその言葉の正しさに打ち震えました(朝鮮中央通信風)。

 ……朝鮮中央通信風とか言ってみましたが、まあ実際にやっていることはそれほど変わりませんわな。
 「大統領の聖なる公約である」として、携帯電話の基本使用料をゼロにさせようとしたり、財源もなしに子ども手当も年金も増額したり。
 で、その一環として「すべての公的機関、公企業で非正規雇用をゼロにする」という約束をぶち上げたのです。

 で、その副作用として出てきたのが雇い止め。
 ま、当然の対応です。
 これまで非正規だからこそ雇用できていた人材を「大統領が言い出したから」という理由だけで正規雇用にできるわけありません。
 「下請け企業の正社員」にしてさほど変わらない対応を続けるなんてやってくれたら、まあ良心的といえるかな。
 もっとも、韓国における中小企業の正社員は大企業の非正規雇用者よりも給料が悪かったりするのですけどね。サムスン電子と中小製造業の賃金格差は4倍ですから。

 表面上の歪みを一気に直そうとしてそこをぶっ叩けば、裏に歪みが移るだけ。
 でもまあ、それで非正規雇用者がいなくなれば「キレイナ韓国」のできあがりです。ムン・ジェイン大統領様も満足でしょうよ。

ルポ 絶望の韓国 (文春新書)
牧野愛博
文藝春秋
2017/5/19

ムン・ジェイン「非正規雇用をなくしていくぞ!」 → 韓国経済の将来はこんな感じ?

【社説】韓国の非正規社員、95%は中小企業なのになぜ財閥が反省?(朝鮮日報)
非正規職めぐる対立を深める経総…新政府は「財閥責任論」で突破目指す(ハンギョレ)
 国政企画諮問委員会の金振杓(キム・ジンピョ)委員長は28日「韓国における最も大きな既得権は財閥だ」「社会における改革や大妥協を達成するには、まずは財閥が反省しなければならない」と発言した。これに先立ち韓国経営者総協会(経総)の金栄培(キム・ヨンベ)副会長が政府の非正規雇用政策を批判した際、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と同委員会はこの批判に気分を害し、経総に対して強い口調で逆に反省を求めた。財閥に問題があることや改革が必要なことくらいは誰でも知っている。しかし非正規社員問題の議論で財閥改革にばかり言及するのは完全に的外れだ。

 非正規社員は大企業よりもむしろ中小企業あるいは零細企業にとって大きな問題だ。韓国における非正規社員は644万人いるとされているが、うち95%は中小企業で働いている。また従業員5人未満の零細企業では社員の半分が非正規雇用だ。政府が「反省せよ」と非難している経総も会員の90%は中小企業だ。 (中略)

 大企業における正社員の賃金を100とした場合、大企業の非正規社員は62.7、中小企業の正社員は52.7、中小企業の非正規社員は37.4だ。つまり大企業の非正規社員の賃金は中小企業の正社員よりも多いのだ。もし政府が大企業ばかりを標的とし、非正規社員を正社員にすることだけを目標とすれば、ごく少数の大企業で働く社員と多くの中小企業で働く社員の賃金格差は一層広がってしまうだろう。つまり政府が社会における二極化を一層深刻化させ、その結果、中小企業の人手不足も解決の兆しがますます見えなくなってしまうはずだ。 (中略)

いずれにしても政府による今の非正規社員対策がこのまま進めば、問題はさらに大きくなる可能性の方がむしろ大きい。非正規社員を正社員とするのであれば、大企業ではなくむしろ韓国企業全体の95%を占める中小企業を念頭に、まずは同一労働同一賃金制度の定着を先に進めていかねばならない。
(引用ここまで)
 韓国経営者総協会(経総)の「非正規職政策に対する批判」で触発された財閥と新政府の間の非正規職をめぐる対立が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の強力な発言にもかかわらず、収まるどころか広がりを見せている。経総が従来の立場を固守する中、新政府は「財閥責任論」を雇用政策の強力な推進力として掲げており、今後の事態の展開が注目される。(中略)

チャン・ハソン室長は普段から「労働市場の不平等や二極化の責任は大企業にある。ここ20年間、雇用減らし、非正規職をむやみに増やして財閥企業や株主、既得権層だけ恩恵を享受してきた」と批判してきた。チャン室長が書いた『なぜ憤るべきなのか』によると、去年15年間、国民総所得の中で家計所得の比重は1990年の71.6%から2015年の62.0%へと減っている反面、企業所得の比重は同じ期間で17.0%から24.6%に増えた。新政府の経済チームが雇用と非正規職問題に対する診断と処方において「財閥責任論」を展開する根拠になっている。
(引用ここまで)

 先日、ムン・ジェインは「大企業こそが二極分化を招いた原因である」として、「(大企業は)真摯に反省しなければならない」と述べました
 それに対するメディアの反応ですね。
 朝鮮日報は「非正規雇用の95%は中小企業でのものなのに、なぜ財閥が反省しなければならないのか」というもの。
 全体を引き上げなければ意味がないとしています。

 で、ハンギョレの話は「非正規雇用が中小企業に集中しているのは、韓国の利益を財閥が握っているからだ」というもの。
 本来得られていたはずの利益を吸血鬼である財閥に吸い取られていたから、中小企業は非正規雇用でしか雇えないのだ、と。政権側の立場に立った社説です。

 まあ、どちらの話も理解できなくはない。
 ハンギョレはムン・ジェインを最初から支持している左派メディアで、朝鮮日報はその左派らから「おまえらもパク・クネの一員だろ」と言われる右派メディアであるというのが、この際の最大の原因ですけどね。

 ただ、韓国企業の競争力の源泉というのはこうして財閥だけに経済の中枢を握らせ、中小企業に勤める大多数の韓国人から搾取することにあるのです。
 塩田奴隷事件はそれが極端な形で生じているだけで、韓国の経済社会構造をそのまま写し取ったものなのですよね。相似の関係にあるというべきか。
 内需は絞れる部分は絞って、利益の大半は輸出でまかなう。そのためには一部を除いて労働者を搾取しなければならないという構造です。

100daizaibatu_koyou

 画像はハンギョレから。
 100大財閥が雇用の面では4%に過ぎないというのは、これまでも語られてきましたね。
 以前に大卒者が30大財閥に入れる確率は1.6%前後であるというように計算しましたが、間違ってはいなさそうです。
 逆にいえば、韓国の大企業がまともな給料を出せるのはそのていどの人員まで、ということなのです。
 財閥絶対殺すマンが公取委員長候補となっていますが、財閥をどこまで締め上げるのか。
 こういった雇用問題だけでなく、法人税率も上げることを宣言しています。
 このグローバル時代の中、規制でがんじがらめにしたらどの企業も韓国脱出を図ると思いますけどね。
 すでにサムスン電子最大のスマートフォン工場はベトナムにあります。ヒュンダイ自動車は国内への投資をほとんどやっておらず、既存工場のライン改修しかしていないとの話。新規工場はすべて海外だそうです。
 韓国国内はキレイになるかもしれませんが、そこに企業はなにもなくなったりするんじゃないでしょうか。

“超”格差社会・韓国 (扶桑社新書)
九鬼太郎
扶桑社
2009/8/28

一人当たりGDPは2万ドル前後なのに非正規雇用だけが増えていく韓国社会

非正規雇用労働者577万人、4年ぶりの多さに(朝鮮日報)
「正社員になるのはあきらめました」(朝鮮日報)
非正規雇用者の賃金、正規雇用者の約半分(朝鮮日報)

 これから先、韓国人が一人当たりのGDPを上げるためには雇用の質を上げていくしかないのですが。
 でも、実際に増えているのはパルパル万ウォン世代やそれを超えるササ万ウォン世代
 スペイン語が話せるっていう特殊能力があっても、「最近はもうあきらめている」かぁ。

Web魚拓:4年ぶりの多さに / あきらめました / 賃金は約半分
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