楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

THAADミサイル

 相互RSS募集中です

韓国のTHAAD反対派の検閲、フル配備のいまもまだやってた。なお、地元民は20人ほどで残りはすべて「遠征活動家」の模様

THAAD:デモ隊最前列に高齢者や女性、大半は地域外から参加(朝鮮日報)
【社説】韓国軍基地建設や国際的な行事に左翼団体の許可がいるのか(朝鮮日報)
 12日午前4時ごろ、慶尚北道星州にある在韓米軍の高高度防衛ミサイル(THAAD)基地入口から1キロほど離れたところの橋に、人が集まり始めた。基地に入る建設資材や車両などの通行を阻止するためのデモ隊だった。デモ隊およそ150人は、橋を通る往復2車線の道を塞いだ。アルミニウムの棒を組んで作った碁盤のような格子状の空間に1人ずつ入り、緑色の網をかけて、警察が入ってくることに備えた。80代の高齢者や女性が最前列に配置された。ある警察幹部は「デモ参加者のうち、地域住民は20−30人で、残りは外部の人間」と語った。ある50代の女性は「ソウルを出発して、きのうの午後11時に着いた。ソウル遠征隊が50人くらい」と語った。

 このように組織的なデモが繰り広げられたのは、国防部(省に相当)が11日に建設資材搬入の件をTHAAD反対団体側にあらかじめ通知したからだ。国防部の関係者は「地域住民に知らせずこっそり工事を強行したという批判を避けるため、あらかじめ伝えた」と語った。

 警察は、午前5時からおよそ4000人を投入してデモ隊とにらみ合った。(中略)国防部は、砂を積んで待機していたダンプ8台を基地に入れないとデモ隊に約束した。ただし、昨年11月に基地へ入れたバックホー、フォークリフト、ブルドーザーなど重機の管理ができず錆ついているとして、これを搬出させて欲しいと要請した。反対団体側はこれを受け入れ、籠城をやめた。警察およそ4000人は瞬く間に撤収し、デモ隊は「われわれが勝った」と叫んだ。
(引用ここまで)
わずか150人ほどの活動家や住民らを制止し解散させることもできなかったのだ。活動家らは「米軍は去れ」「米軍のための工事は中断せよ」「米軍関係者の立ち入り禁止」などと書かれたプラカードなどを持っていた。デモ隊の中で地元住民はわずか20−30人だけで、残りは全国民主労働組合総連盟(民主労総)や全国農民会総連盟(全農)所属の職業活動家だったようだ。(中略)

今も基地内には韓国軍と米軍の兵士など400人が常駐しているが、彼らは倉庫や廊下などに野戦用のベッドを置いて寝泊まりしており、食事は戦闘用のものしか取れず、トイレの問題も深刻なようだ。また必要な物資はヘリコプターで運搬するしかないのが実情だ。
(引用ここまで)

 いまだにTHAADミサイル基地へ向かう道で検問をやっているのだそうです。
 去年の4月からやっているとのことでしたが、まだやってたのか……。
 当時から沖縄でやっていることや、国会でのセクハラバリケードに似て気持ち悪さしかなかったのですが、地元住人が少ないというところまで同じ。
 まあ、「活動家」なんてどこでもやっていることは一緒だよっていわれればそれまでですけどね。

 すでに「デンジハガー」とか「電磁波を浴びたら殺人マクワウリができる!」といったデマは喝破されているのですが、いまだにTHAAD配備に反対している。
 民主労総は北主導の統一を望んでいる従北勢力なので、THAADで防御されることが困るのでしょう。
 とはいえ、すでにTHAADミサイルはフル配備をされてしまっているので、嫌がらせていどにしかならないのですが。あのフル配備を命じたことで、ムン・ジェインの定見のなさというものが露見しましたっけね。

なぜ私は左翼と戦うのか (青林堂ビジュアル)
杉田水脈
青林堂
2017/4/8

韓国政府「訪中は大成功、THAAD配備による隔たりは克服された!」……ああ……そうですか

文大統領訪中 「THAAD巡る隔たり克服」=韓国大統領府(聯合ニュース)
韓国青瓦台(大統領府)の高官は17日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の中国国賓訪問(13〜16日)について「文政権発足以降、外交的困難があったが、今回の訪中でまた一つ山を越えた」と述べた。北朝鮮の核・ミサイルによる挑発で緊迫する朝鮮半島情勢を外交的に解決し、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備に反発する中国の報復措置で冷え込んだ韓中関係を修復する上で重要な成果を挙げたと評価したものと受け止められる。

 同高官は「韓中首脳がTHAAD問題によるわだかまりを完全に克服したと思う」とした上で、「THAAD問題が完全に解決したわけではないが、(THAADへの)言及の頻度や強さは著しく低下した」との認識を示した。なかでも文大統領と習近平国家主席が14日の首脳会談を前後して5時間を共に過ごし、個人的な信頼と友情を築いたことが大きいと強調した。

 青瓦台は文大統領の訪中により中国がTHAAD配備に対する報復措置を事実上撤回したことを公式に宣言したと評価する。 (中略)

 青瓦台は訪中が成功したと評価することで、文大統領が中国から冷遇されたとの批判を一蹴した。青瓦台高官は「訪中に対する批判的評価も謙虚に受け止めるが、意味のある成果についてはしっかりと見てほしい」と述べた。THAAD問題を巡り韓国が中国に低姿勢を取っているとの指摘には「安全保障上の利益を確実に守り、中国の理解を求めたと評価できる」と反論した。
(引用ここまで)

 いやあ……強いなー。
 昨日の朝の時点であれだけの屈辱リストを晒されておきながら「THAADミサイル配備についての隔絶が緩んだから成功」ですって。
 たしかに習近平は首脳会談前の言葉においては直接言及をしてはいません。
 事前に楽韓Webでも予想していた通りに。

 ですが、それはTHAADミサイル配備問題の終結そのものを意味していません。
 むしろ、きつくなるのはこれからであるのは間違いない。ことあるごとに「三不の誓い」を持ち出されては、ああだこうだと皇帝からの指示が大使を通じてくるでしょうよ。
 まあ、それ以前に日米韓の軍事演習のように宗主国に気を使って韓国自身が自粛することが多くなるでしょうけどね。

 三不の誓いを立て、APECで習近平への謁見を許してもらう。
 そして訪中のお伺いを立て、「三不の誓いを守っているようでもあるし、よかろう」と年内訪中を許してもらったと。
 そこで一点突破でTHAAD配備の圧迫さえやめてもらうことができれば外交勝利、という心づもりだったのでしょう。
 そうすることで韓国国内からは賞賛され、国外からは中国の一の子分としての地位が確定するのだというつもりだったのでしょうね。

 そのためには朝貢外交と言われようとも、どんな扱いを受けようともかまわないというつもりだったのでしょうね。
 一点突破からなんとかできるはず、と見積もっていた。
 一応、そのルートはしっかりと通ることはできた。
 だから本来の見積もり通りであれば賞賛を得られるはずだったのですが……。

 世界が注目しているのは中韓関係そのものではなく、北朝鮮にどのような影響を中国が与えられるかどうか。ひいては北朝鮮核事態におけるもう一方の主役であるはずの韓国の国家元首が中国に対して、どのようにして制裁なり圧迫なりの影響を及ぼすことができるかだったのですね。
 ところが出てきた「朝鮮半島4原則」とやらは、旧来のものと1ミリも変わらない残念な結果。
 韓国国内における訪中の評判も「いくらなんでもこの扱いはおかしいだろ」となってしまった。
 まあ、しょうがないので身内である韓国政府、大統領府だけでも「外交的大勝利だ!」と叫ぶことにした、というところでしょうか。

 そんな哀れな結果であってもネチズンは「外交天才ムン・ジェイン!」「外交王ムン・ジェイン!」と盲目的な支持を捧げているようです。
 このあたりは支持率調査でどうなるかというのを見ないと分からない部分かな。
 いくらなんでもあの扱いを日本の国家元首なり行政の長なりが受けたら「いいからもう椅子蹴って帰ってこい」ってなりますけどね……。
 あまりにも哀れすぎて。
 まあそれでもとりあえず21世紀前半までの中韓関係というものの基本路線は見えたかな、というところです。
 そういった意味においては成果があったといえるかな。

世界のなかの日清韓関係史 交隣と属国、自主と独立 (講談社選書メチエ)
岡本隆司
講談社
2008/8/10

中韓首脳会談の合意した朝鮮半島4原則、あまりにも内容がない件

韓中首脳 朝鮮半島4原則で合意=戦争容認せず非核化目指す(聯合ニュース)
 両首脳が合意した4原則は▼朝鮮半島での戦争は決して容認しない▼朝鮮半島の非核化原則を確固として堅持▼北朝鮮の非核化を含むあらゆる問題は対話と交渉を通じて平和的に解決▼南北の関係改善は究極的に朝鮮半島問題の解決に役立つ――との内容。
(引用ここまで)

 ……びっくりするくらいに新しいものがなにもない。
 どれも延々とムン・ジェインなり中国当局なりが述べていることです。
 「朝鮮半島での戦争は決して容認しない」けど、想定内であってアメリカとはすでに対策のための対話が進んでいるっていうのは中国ですしね。

 やはり、今回の訪中の目的はひとつであったということなのでしょう。ムン・ジェインは「THAAD問題について封印した」というお墨付きがほしかったのです。
 そして韓国王として認めてもらい、朝鮮半島の南半分を治める許可をいただきに皇帝たる習近平に謁見に行ったということですね。
 一応、「国賓」という括りではあったのですが、その実際の扱いは見ての通り
 でも、それがお墨付きを受けるための条件なのだからしかたがない。

 三不の誓いで国としての主権も投げ捨て、国家元首としての誇りも蔑ろにされ、ただただ習近平に謁見して「THAAD問題は封印されている」という言葉だけを取りにきた。
 それが韓国では外交天才、なのですね。


韓国人「外交天才ムン・ジェイン、マンセー!!」→ただ習近平がTHAAD問題に言及しなかっただけでまるでお祭り騒ぎ

習近平「誰もが知っている理由で中韓関係後退...関係の発展を望む」(ニュース1・朝鮮語)
習近平主席はこの日の午後、北京人民大会堂でのムン大統領との拡大首脳会談の冒頭発言で「中韓国交正常化25周年を迎えてムン大統領が中国を訪問したのは、特別な意味がある」とし「現在、『双方が知っている理由』のために中韓関係は後退を経験した。私は大統領の今回の訪問が相互に尊敬と信頼に基づいて、私たちが求めている、よりよい道を磨いて関係を改善することができる重要な機会になると信じている」と述べた。

習主席が言及した「双方が知っている理由」は、THAADミサイル配備を指したものと解釈された。韓中両国は、朝鮮半島THAAD配備をめぐる立場の違いに葛藤を経験している。

習主席は前日(13日)ムン大統領が南京大虐殺80周年記念日に共に称えてくれたことに感謝の気持ちを伝えた。習主席は「昨日は中国が南京大虐殺を追悼する記念日だった。韓国ではイベントが重要であることを認識して大使(ノ・ヨウンミン駐中大使)に出席させてくれたことに感謝の意を表する」と述べた。

同時に習主席は韓国の来年の平昌冬季オリンピックと、中国の2022年の北京オリンピックについて言及し、「両国は冬季オリンピックを準備する過程で互いに協力して発展することができる。オリンピック組織との準備、中継、スポーツ協力を強化することができる」としながら友好的な立場を示した。
(引用ここまで)

 ふむ、THAADミサイル配備問題については直接の言及なし。
 誰にとっても分かるような言い方ではありますが、とりあえず「THAADミサイル問題は封印された」と宣言したムン・ジェインのメンツは潰れずに済んだ……というところですか。  これまで三不の誓いを立ててきた甲斐があったというものです。
 そして韓国はこれからも三不の誓いを守り続けることが義務づけられた瞬間でもあります。

 習近平から追求されなかった代わりに中国のCCTVのアナウンサーが「THAAD問題をどうするつもりですか?」とムン・ジェインに対して詰問していたわけですが。
 ムン・ジェインのカウンターパートは習近平ではなく、CCTVのアナウンサーだったのかもしれませんね。
 習近平は雲の上から「遠路はるばるご苦労であった」というだけ。

 ついでに「今度は飴のターン」となる、と言っていた楽韓さんの見立ても当たったわけです。
 その飴をもらうために「軽く扱われる国賓」という代償は支払いましたけどね。

 ちなみに韓国ネチズンのコメントでは……

・「誰もが知っている理由=パク・クネだろ」
・「大統領様を誇りに感じました。ありがとうございます。外交天才ムン・ジェイン政府ファイティン!」
・「外交の天才ムン大統領様〜」
・「パク・クネの名前がない、パク・クネのための記事」

 ちょっと引くくらいに絶賛の嵐。コメント部隊ってまだいるんじゃないのってくらいの絶賛。
 THAAD配備はパク・クネ政権での問題であって、ムン・ジェインには責任のひとかけらもないという設定になっている模様です。
 まあ、こんなようなニュースにあるコメントが韓国すべての意見なわけはないのですが、それでも青年層にはこんなものでも大いにアピールしているようですね。
 「外交天才ムン・ジェイン」かぁ……。

あなたの犬は「天才」だ
ブライアン・ヘア / ヴァネッサ・ウッズ
早川書房
2013/12/18

中国の「国賓ムン・ジェイン」の軽視策、中国から見れば当然の措置だった

【コラム】中国CCTVの無礼、これが「親誠恵容」なのか(朝鮮日報)
 11日夜に中国国営中央テレビ(CCTV)は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との単独インタビューの内容を編集した22分40秒の番組「環球視線(グローバル・ウォッチ)」を放送した。見ていて終始混乱を覚えた。他国の大統領をインタビューしておいて、「中国側が抱く安全保障上の利益侵害に対する懸念を解消するため、韓国側がどんな措置を取るのか」と執拗(しつよう)に責め立てる中国人キャスターの無礼さに怒るべきか、それとも大統領が「今後も終末高高度防衛ミサイル(THAAD)が中国の安全保障上の利益を侵害することがないよう、韓国は格別に留意していく」と答えざるを得ない韓国の立場に悲哀を感じるべきか、判断が難しかった。 (中略)

中国人キャスターは「今後THAAD問題に関連し、どんな努力が必要だと考えるか」「中国の懸念を解消するため、どんな措置を取るのか」とTHAAD関連の質問を繰り返した。文大統領は「時間を置きながら解決していく知恵が必要だ。(懸念がないよう)格別に留意していく」と答えた。

 中国人キャスターがこのあたりで質問をやめていれば、中国の無礼に対する「怒り」よりも韓国の立場に対する「悲哀」を感じたはずだ。THAAD配備という安全保障主権上の決定をめぐり、何か不当なことでもしたかのように中国の追及を受けるというのは、韓国が自ら招いた側面もあるからだ。しかし、中国人キャスターがそれで質問をやめることはなかった。「3つのノー」を列挙した上で、3つ目の質問を投げかけた。

 「CCTVを見ている数億人の視聴者に韓国政府の立場、そしてどのような方向へと努力していくかを具体的に話してほしい」

 文大統領に「3つのノー」で誓いを求めた格好だ。「それ(3つのノー)は決して新たな立場ではない」という文大統領の回答はCCTVの編集過程でカットされた。代わりにナレーションで、「両国関係の未来方向は韓国側が関連する『約束』をしっかり順守するかどうかにかかっている」と主張した。 (中略)

他国の大統領を国賓として招いておいて、国営放送でTHAAD問題について締め上げることが本当に「親誠恵容」なのかと問いかけざるを得ない。
(引用ここまで)
 そもそも三不を誓わなくちゃいけないというのは「国家の悲哀」なのかどうか、ですよね。
 本当に悲哀を感じるべき立場なのか。好んでそこに自分の立場を持っていったんじゃないのっていう。
 中国は延々と「THAADミサイルを配備したら中韓関係は終わる」と宣言していたのですよ。
 中国大使は「配備が決定したら一瞬で中韓関係は破壊される」と言っていたし、長らく中韓関係において最優先課題として語られてきた。
 訪韓した武大偉が1日に3回も韓国政府に対して「中国はTHAAD配備に反対だ」と述べたことがありましたね。

 配備を決めたのはパク・クネ政権時代ですが、だからこそその政権を打倒して成立したムン・ジェイン政権は戦略的にあいまいさをもっと発揮してよかった。
 当初は「1基だけ配備する約束だった」だの「1年から2年、環境アセスメントで費やす」だのなんだの言っていて、任期一杯まで延期する気満々だったのに北朝鮮のICBM試射でびびって6基のフル装備をアメリカに依頼してしまったのは大きなミスでしたね。
 将来的に戦時統制権移譲から在韓米軍の撤退まで狙っているのだから、あそこでアメリカに借りを作るのは意味がなかった。おまけに中国にもつけいる隙を見せてしまった。

 2基の配備のままでのらりくらりとしていればよかったのに、ごたごたしてから6基のフル配備にするくらいなら、最初から「北朝鮮に対抗するにはこれしかない」と宣言して配備してしまえばよかったのです。やっていることが本当に中途半端。
 政治家に向いてない。

 その一方で中国は基本的に「こうする」と言ったことは実行するのです。
 朝鮮戦争でも「もし国連軍が中朝国境にまで近づいてくるようであれば人民軍は確実に参戦する」と述べていました。仁川上陸作戦から逆転して連戦連勝を重ねたアメリカはそれをブラフだと思って北進したのですが、その後の中国参戦による泥沼化はご存じの通り。

 つまり、「THAAD配備によって中韓関係は一度破壊された」という視点を持てば「三不の誓い」は当然あり得る措置だといえるのです。
 カノッサの屈辱でハインリヒ4世は破門され、雪の中で3日間裸足で破門の解除を願ったように、ムン・ジェインも「三不の誓い」を立てて許しを請うたわけですね。
 まだ許しを得ているかどうか、習近平の真意は分かりませんが。
 それでも、明らかな「国賓軽視」の態度を見れば「三不を常に身につけ、実行されてこそ意味がある」という警告がされているということなのでしょう。
 これからは韓国に中国の使者が来る度に三跪九叩頭してお迎えするのでしょうね。


中韓首脳会談では共同声明も共同記者会見もなし、「THAAD封印」を懇願したムン・ジェインへの配慮か……そしてもうひとつの理由は……

THAAD:韓中会談の共同声明見送りへ、共同会見も中国が拒否(朝鮮日報)
 終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備をめぐって立場の違いを見せる韓国と中国が、14日に行われる文在寅(ムン・ジェイン)大統領と習近平国家主席による韓中首脳会談で共同声明を採択せず、共同記者会見も実施しないことが分かった。韓国大統領府(青瓦台)が11日、明らかにした。1992年の韓中国交正常化以降、韓国の大統領が就任後初めて訪中する際に共同声明を出さないのは、1994年3月の金泳三(キム・ヨンサム)大統領訪中以来、23年ぶりとなる。

 文大統領の今回の訪中は、形式上は習主席の招待による国賓訪問だが、中国側がそれに見合った待遇をしないことになる。 (中略)

中国は、共同声明に「THAAD配備に反対する」という中国の立場とともに、韓国側がこれを「認識している」という表現を盛り込むよう主張したという。しかし「THAAD問題は封印された」という立場の韓国政府としては、この内容は受け入れられなかったわけだ。 (中略)

 また、中国側は共同記者会見も拒否したことが分かった。青瓦台関係者は「それぞれの立場をまとめたメディア向けの発表文を出すことになるだろう」と述べた。
(引用ここまで)

 ……6月に国連総会のために訪米した際に、米韓首脳会談がありまして。
 そのときは共同声明、共同記者会見がありましたね。
 でも、共同記者会見での質問は禁止

 今回の中韓首脳会談では共同声明も共同記者会見もなし。
 国賓なのに。

 今回の中韓首脳会談ではTHAAD問題を公にはしてこない、といったところでしょうかね。
 韓国から「どうか今回の中韓首脳会談ではTHAAD問題を出さないでください」と懇願されているようですし。
 でも、共同声明を出したり、共同記者会見をするのであればTHAAD問題に言及しないわけにはいかない。
 であればやめるしかない、ということですか。
 特に記者会見で質疑応答があったりしたら目も当てられないような事態になりそうですし。

 実際にはTHAAD問題も話しあう……というか、中国側から一方的に要望をまくしたてられて韓国側が防戦するだけというような形になるのでしょうが、それを「共同声明文」という形で出すことはない。
 そういった中国側からの「配慮」になるのでしょう。

 ただ……それ以外に考えられる、もうひとつのパターンがありまして。
 たとえば安倍総理と小池都知事が会談したとしても、共同声明は出しませんよね。オリンピックに向けて特別な会談とかであれば別でしょうけども。
 同じように地方の首長と会談しても共同声明は出しませんし、共同記者会見もしないでし。
 中国でも同様にたとえば内モンゴル自治区の長が来ても、わざわざ共同声明を出したりはしないでしょうね。

 では、韓国の「国家元首」がきたらどうするのか。
 形式上は「国賓」として招くものの、実質的な扱いは……ということでもあるのではないでしょうか。
 もうすでに韓国は三不の誓いを立てることで主権を放棄した冊封国なのですからね。

赤化統一で消滅する韓国 連鎖制裁で瓦解する中国
宮崎正弘 / 室谷克実
徳間書店
2017/7/26

韓国メディア「中国への三不は本来、『現在としては』という条件があった。これさえあれば外交戦を戦えたのに!」……そう?

韓中「3NO」協議の韓国外交部草案には「現在としては」条件あった(中央日報)
高高度防衛ミサイル(THAAD)問題を終えようと韓国政府が明らかにした、いわゆる「3不(3NO)」立場(▼THAAD追加配備▼米国のミサイル防衛(MD)システム参加▼韓日米軍事同盟−−はない)に関連し、当初の政府の草案には「現在としては」という条件が付いていたと、与党関係者が27日述べた。

「3不」は康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が10月30日に国会国政監査で明らかにした立場だ。韓中は翌日、南官杓(ナム・グァンピョ)国家安保室第1次長と孔鉉佑中国外務次官補の名義で「10・31韓中関係改善関連両国間協議結果」を発表し、韓国政府はTHAAD問題が「封印」されたと宣言した。

康長官が「3不」立場を明らかにした後、野党からは「未来の安保オプションを自ら放棄した」「屈辱外交」という批判が出てきた。これに関連し、与党関係者は「外交部が用意した草案には『現在としては』という条件が付いていたが、交渉を主導した青瓦台(チョンワデ、大統領府)が最終決定する過程でこの表現が抜けたと把握している」と話した。「現在としてはMDシステムに参加しない」という形で余地を残していれば外交的な幅は広がっていたという趣旨の説明だった。 (中略)

しかし青瓦台の雰囲気は与党関係者の説明とは微妙に違う。現在の中国メディアの圧力や主張は「国内向け言論プレー」というのが青瓦台の認識だ。青瓦台は▼「3不」を約束したことは決してない▼それ以外にも中国の無理な要求はほとんど受け入れていない▼水面下の合意も存在しない▼中国がTHAAD問題を議論しないと明確にしただけに交渉は成功−−という立場を維持している。

ある青瓦台関係者は「海外メディアは今回の問題について韓国が勝利したと報道している」とも語った。当時交渉を成功させるべき立場で「3不」に「現在としては」という但し書きを付けてあいまいにする必要を感じなかったと、関係者らは話している。外交関係者の間ではこうした認識の違いについて、青瓦台がTHAAD交渉を主導し、外交部は事実上排除されたことで生じたという声が出ている。こうした中、ひとまず青瓦台と政府は12月に予定された韓中首脳会談でTHAAD問題が浮上しないよう外交力を集中している。
(引用ここまで)

 三不の誓いを立てた当時、外交部草案では「現時点としては」という但し書きがついていた。
 だけども、大統領府が最終決定する際にその文言が抜けていた。
 これさえあれば、中国の圧力に屈せずに堂々と立ち回れていたのに……という記事。

 ……そう?
 「韓国政府が現状認識をこうしている」という宣言そのものがそもそも必要だったのか、という話ですね。
 2015年3月にTHAAD配備について「我々は戦略的あいまいさを維持する必要がある」とパク・クネ政権の国防部長官が述べていて「おまえらは真性か」って書いたことがありました。
 基本方針が決まっていたとしても、それを言明するかどうかっていう選択肢を常に考えて行動すべきなのですよ。
 高度に政治的な範疇に入る話をわざわざ宣言して、相手に言質を与えるなんてことはすべきではない。
 二国間の原則をはっきりさせておきたいという目的があるのなら別ですけどね。

 韓国の「三不」は自分たちで自分たちの行動範囲を削って、それを中国に献上しているのが見え見えでした。
 アメリカのマクマスター大統領補佐官も「あれは主権放棄にしか見えないが……確定したものではないと思っている」くらいに言う他なかった。
 それが「現時点では」ってついたところでどうなるのやら。

 あと「ある青瓦台関係者は「海外メディアは今回の問題について韓国が勝利したと報道している」とも語った」ってことですが、どの海外メディアなんだか非常に知りたいですね。
 APECでも中韓外相会談でもTHAADの話が出ている以上、ムン・ジェインの言った「THAAD問題を封印した」という勝利条件には達していない。
 ……勝利条件を「属国になる」にしていたということであれば、明白に勝利しているとは思いますが。

 「12月の中韓首脳会談でTHAAD問題の話題が出ないように外交力を集中している」か。
 これ、中国側があえて実現させるんじゃないかな。
 「三不の誓い」を立てさせることで、三跪九頭叩をさせた。いわば朝貢を終えて冊封国となったのですね。5年に1度の党大会を終えて安定政権と化した習近平は、韓国に褒美である回賜を取らせるのではないかなと。
 で、その次の首脳会談なり外相会談なりでまた蒸し返す。
 そうしたほうが韓国に与えるインパクトが大きいので、あえて12月の中韓首脳会談ではTHAAD問題を外してくるというような戦術を使ってくるのではないかと予想します。
 それ以外に圧力を与えられる方式があればまた別ですが。

最近読んだ中国関連書籍でおすすめはこちら。3億人の中国農民工 食いつめものブルースも面白いけど、中国の構造まで言及しているという意味ではこっちが上かなー。
戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊 (講談社+α新書)
川島博之
講談社
2017/10/19

韓国メディア「THAAD問題で物乞いしてまで中韓首脳会談をするのか?」……キミらの大統領は朝貢使であって、もはや首脳会談ではないんだが……

THAAD:韓国に合意履行を求める中国、現地調査を要求(朝鮮日報)
THAAD:火種くすぶる韓中合意、文大統領訪中で再燃の恐れも(朝鮮日報)
【社説】物乞いをしてまで韓中首脳会談をやるべきなのか(朝鮮日報)
 高高度防衛ミサイル(THAAD)に関する中韓の合意(10・31合意)の履行をめぐり、中国が韓国軍当局に要求している中心事項は「中国が知らないうちに、米国がTHAADのレーダーのモードを現在の終末段階迎撃用(TBR)から(中国本土を探知し得る)前方配備用(FBR)へ切り替えかねない、という疑いを技術的に解決して欲しい」というものであることが24日までに分かった。(中略)

中国側は「THAADの装備を米国本土に持っていかず、簡単にソフトウエアを交換できる」として、これについての技術的疑念を提起し続けているという。この点を確認するため、中国側は星州にいるTHAAD部隊の現地調査をしたいと要求したが、韓国政府は「応じられない」という立場を伝えたという。中国の王毅外相は、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相との韓中外相会談で、こうしたTHAAD使用制限問題を要求したものとみられる。
(引用ここまで)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の訪中を来月に控えている韓中外交当局が終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題の議題を含めるかどうかで神経戦を繰り広げていることが24日、明らかになった。韓国政府は「THAADは『封印』された」と主張し続けているが、韓中会談で再び取り上げられる可能性があり、矛盾に陥っている。

 22日の韓中外相会談に同席していた韓国外交部(省に相当)当局者は24日の記者会見で、「韓中当局間に認識の違いがある。(THAADは)中国にとって深刻な問題なので、次期首脳会談でも(中国が)この問題を取り上げるかどうかは、さらなる外交的調整が必要だ」と語った。 (中略)

 目前の軍事当局間会談で中国が何を要求するかも知らないのに、韓国大統領府と外交部は24日、THAADの問題が「現段階では封印された」と繰り返し主張した。「中国がそう説明した」というのだ。

 韓国政府は特に、13日の文在寅大統領との会談で李克強中国首相が言った「階段性処理」という中国語を「現段階では封印しよう」という意味だととらえている。中国外務省が14日に行った中国語発表文によると、李克強首相は「中韓はこのほど、THAAD問題の階段性処理に対する共通認識を一部達成した。韓国側が実質的な努力を続け、中韓関係発展の障害をきれいに取り除かなければならない」と述べたという。この時、その意味を尋ねる韓国人記者らに対して中国外務省関係者は「段階を踏んで最終的にTHAADを撤収せよという意味だ。その第一段階が10月31日の韓中合意だ」と語った。このため、「THAAD封印」という韓国政府の説明とは異なると批判の声が上がった。

 しかし、韓中外交会談後、韓国政府は中国語の「階段性処理」という言葉を韓国メディアが「段階的処理」と翻訳しただけで、実際の意味は違うと主張し始めた。大統領府関係者は24日、「中国側の説明によると、『階段性処理』は『現段階』という意味だそうだ。THAAD対する『封印』という見解は変わらない」と言った。韓国外交部当局者も「中国側関係者の説明によると、『階段性処理』は『現段階で問題を一段落させ封印する』ということだ」と言った。これらの当局者はみな、中国語を知らずに中国側の説明と英訳文に頼って事案を理解していた。

 ところが、本紙が同日、通訳・翻訳大学院長を務めたこともある中国語の通訳・翻訳専攻教授や中国通の外交専門家、ネイティブ・スピーカーなどに李克強首相の発言の中国語原文を見せたところ、全員が「『段階的処理』と解釈するのが正しい」「中国語の『階段性』は『すぐに成就させるのは難しい中長期的目標に向かっていく』というニュアンスで、原文の文脈では『step by step』に近い。最終目標はTHAAD撤収だ」と答えた。
(引用ここまで)
 「1限」とは韓国領土に配備された防衛用兵器の運用を他国の意向に沿って公開するよう求めるもので、まさに国家主権を蹂躙(じゅうりん)する要求だ。(中略)

 中国の懸念を払拭する努力は常に必要だ。しかしそれでも越えてはならない一線というものがあり、その線の基準は韓国の国家主権だ。中国との関係改善は必要だが、決して屈服してはならない。来月中旬に文大統領は中国を訪問することになったそうだが、この訪問を実現させるために今から多くのことを犠牲にしたとの見方も相次いでいる。国として物乞いをしてまでやるべき首脳会談などあり得ない。
(引用ここまで)
 10月31日にムン・ジェインは「THAAD問題は封印された。韓中関係は新しい時代に入ったのだ」と高らかに宣言したのですよ。
 韓国人はそれもあって「外交天才!!」と絶賛したのですね。

 ですが、APECでムン・ジェインと習近平が会うと開口一番に「THAAD配備に我々は反対している」と言われる。
 外交部長官のカン・ギョンファが王毅に会えば「THAADはどうなった」と言及される。
 ムン・ジェインは国内に向けては「THAAD問題は封印された。中国はもはやこの問題に対して言及しない」という態度をとり続ける。
 で、中国に対しては「どうかどうか穏便に対処のほどをお願いします」と言い続ける。
 その間にある齟齬を「翻訳の考え違いだ」だの「中韓で認識の差異があるようだ」だの言ってのける。
 まあ、古い政治ならそれも通用したのでしょうが、いまは中国が発表した中国語のリリースだっていくらでも手に入ってしまう時代ですよ。
 隠し通すことなんて無理なのですけどね。

 朝鮮日報はこのTHAAD問題、特に三不の誓いに対して反対キャンペーンとも言えるものを続けているのですが。
 もう終わったことですよ。
 「中韓首脳会談」という名の朝貢使による皇帝面会の機会をいただいているのです。
 韓国は属国というか、冊封を受けている国となってしまった。

 「三不の誓い」を立ててしまった以上、米韓同盟を組んでいることのほうがむしろおかしい。習近平にしてみたら「朝貢している連中が他国と軍事同盟とか不敬だろ」ってくらいの話です。
 2014年の時点で中国当局者から「朝貢外交に戻ってはどうか」と言われて韓国側が憤慨したという記事がありましたが。
 中国はずっと米韓同盟の切り崩しを狙っていたのですよ。
 そしてついに成功したのです。
 取り返しのつかない状況に追い込まれているのが理解できてないのかなぁ……。

Fate/Grand Order サーヴァントキーホルダー 61 キャスター/ニトクリス
ベルファイン
2017/5/25

最新記事
スポンサーリンク
オススメアイテム
乙嫁語り 10巻
2018/02/15発売
ガールズ&パンツァー
最終章 第1話 特装限定版
TES V SKYRIM
Switch
初音ミク ハートハンターVer.


匠の技 ステンレス爪切り
About This Weblog
楽韓WebのBlog版。今年中にはドメイン含めて移行予定。

うちはそこらにありがちなゼノフォビアライクなところとは異なっており、文化的・文明的背景をもって「なぜこのようになっているのか」を解説して、大いに韓国を楽しんでしまおうというコンセプトの元に2002年から設立されているサイトです。単純に韓国が嫌いなかたは他を見てもらったほうが満足できるんじゃないかと。

相互RSSのご連絡先等 → rakukan.net★gmail.com
★を半角@に変更してください。
なんか適当な欄w
記事検索
Twitter プロフィール
楽韓Webの更新情報なんかをお伝えしますよ
最新コメント
Monthly Archives
Categories
スポンサーリンク
QRコード
QRコード
逆アクセスランキング
Twitter
  • ライブドアブログ