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韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

THAADミサイル

 相互RSS募集中です

韓国与党代表、中国大使に「THAAD配備はよろしくなかった……そもそも大した実用性もないのです」と媚びた発言、中国からの報復回避には言及せず……いい人材が揃ってるなぁ……

THAAD:韓国与党代表、中国大使に「実用性が誇張されている」(朝鮮日報)
【社説】THAADが誇張された?韓国与党代表の甘い安保認識(中央日報)
 韓国の与党「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)代表は6日、邱国洪・駐韓中国大使と会談し「率直に言って、高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備プロセスについて中国が強く懸念しているという点を十分に理解している。THAADの実用性については、政治的・外交的に誇張・過熱がある。われわれはもう少し冷静に考えるべき」と語った。

 邱大使の表敬訪問という形で行われた今回の会談で、秋代表は「民主党や文在寅(ムン・ジェイン)大統領、韓国大統領府(青瓦台)もTHAAD配備プロセスがなぜこうも急に、韓国国民も知らないまま進んだのか、非常に気になっている。この点について中国側に、隣国として理解を求める外交的努力がほとんどなかったという点について、よく理解していることも事実」と語った。これに対し邱大使は「THAAD問題は今や韓中関係において最大の難題。われわれ双方の共同努力で、この問題も合理的に解決策を見つけ出すことができると考えている」「文大統領が就任した後、韓中間系は、再び正常化して新たな発展を迎えることができる重要な転機に差しかかっている」と語った。
(引用ここまで)
共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表が昨日、邱国洪駐韓中国大使に会って発言した内容は耳を疑わせているようなものだ。「THAAD体系の実用性が誇張されている」とし「THAAD配備に対する中国の懸念を十分に理解する」という発言は外交的修辞が加えられたとしても政府与党代表の発言にしてはあまりにも無責任で甘い安保認識を反映しているためだ。

北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射に成功して2日で行った発言だからだ。対話を強調した文在寅(ムン・ジェイン)大統領さえ韓米連合ミサイル演習を米国に先に提案し、20カ国・地域(G20)首脳会談出国に見送りにきた民主党指導部に「累卵の危機なので足取りが重い」と言うほどの厳しい現実を政府与党の代表だけが認識していなかったわけだ。

秋代表は「和気あいあいだった会合の雰囲気」を自慢するのではなく、北朝鮮が核とミサイルをあきらめるように北朝鮮への石油供給中断など、より積極的な中国の行動を邱大使に要求すべきだった。中国は国際社会に対する約束とは違い、北朝鮮に実質的な影響力を行使せずにいる。その一方で、防御用兵器であるTHAADの配備撤回を繰り返して要求し、報復を続けている状況に対しては一言の指摘があったのか聞きたい。
(引用ここまで)

  ムン・ジェイン本人も大概やばい人間なのですが、共に民主党の代表であるチュ・ミエもかなりやばい。
 先日、「THAADがあるから北朝鮮と戦争になる」という発言をしていたのを見て「ん、こいつだいぶ香ばしいぞ」と認識を新たにしたのですが。

 それ以前にも「慰安婦合意は無効であり、再交渉すべきだ」という発言をしていました。

韓国与党代表「慰安婦合意は無効、再交渉すべき」(聯合ニュース)

 ちょうど6月の半ば頃の発言です。
 そのちょっと前くらいからムン・ジェイン政権はあくまでも「再交渉に向かう」という言葉を封印していたときだったので、「これはどういうことだろう」と思ったことがあるのですよ。
 大統領とは異なる発言をして、あえて圧力をかけるという方式をとっているのか。
 それとも、ソウルの日本大使館前での水曜集会に参加して気分が高揚してこういう話をしてしまったのか。
 どうも後者だったようですね。

 この状況で中国大使に向かって「THAAD配備について誤りがあったのは確かです」というような話だけをして、韓国企業に対する中国当局からの圧力を撤回させる話をまったくしていない。
 共に民主党という政党はどこを向いて政治をしているのかと問われてもおかしくない事態です。
 なんか既視感があるなぁ……と思ったら、李氏朝鮮末期の役人が清からの圧力に対してへいこらしていた風景とほぼ一緒なのですね。

 現状認識が甘いというか、なにも理解できていないというか。
 共に民主党は人材の宝庫だなぁ……。

いい人材が集まる、性格のいい会社
佐藤 雄佑
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
2017/2/1

中国&ロシア「地域を不安定化するTHAAD配備に反対。圧力も継続する」→韓国人「許されることではない!」

「中国・ロシア、声を一つにして韓国THAAD配備反対…韓半島対話で解決」(中央日報)
(朝鮮日報)
中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が韓国の高高度ミサイル防御(THAAD)体系配備に共同で反対したと中国メディアが報じた。

4日、中国国営「新華社通信」によると、この日、中露首脳がロシア・モスクワで会談した席でこのような合意をした。習主席とプーチン大統領が韓半島(朝鮮半島)問題を対話で解決することで意見を一致させたと同通信は付け加えた。

習主席は会談前に公開されたロシアメディアとのインタビューでも「THAAD配備は地域の戦略均衡を崩し、韓半島の非核化と地域の平和および安定を阻害する」と主張した。習主席は、ロシアと中国の関係は「歴史上、最も親密だ」とし、ロシアと中国が引き続きTHAAD配備を反対していくことを強調した。
(引用ここまで)
今週末にドイツで開かれる韓中、韓ロ首脳会談でも、THAAD撤回を迫ってくる可能性が高い。中ロは、米国の影響力拡大を防ぎたいという立場でしかこの問題を見ていない。THAADは在韓米軍を北朝鮮のミサイルから保護するための防御兵器だ。またTHAAD配備は、韓国が軍事主権の観点から決定したことでもある。だが「防御用」「軍事主権」という側面は、中ロの眼中にはない。

 中ロは、北朝鮮が核を持ってでも現状を維持する方が、北朝鮮の体制が不安定化するよりまし、と判断している。北朝鮮は、中ロがまさにこういう理由から国連の北朝鮮制裁にも消極的で、THAAD配備に反対していることを知っている。北朝鮮は、この間隙(かんげき)を突いてミサイル能力を増大させ、ついには大陸間弾道ミサイル(ICBM)保有を宣言するに至った。北朝鮮がこうなったことに少なからぬ責任がある中ロが、「THAAD配備反対」のようなのんきなことを言うのであれば、韓国はTHAAD配備以上の措置も取り得るということを認識させるべきだ。

 文大統領は少し前の訪米で、連邦議会上下両院の議員と会って「(THAAD配備を)ひっくり返す考えはない」という立場を表明し、米国側の懸念を和らげた。文大統領が中ロの首脳と会い、米国に言ったのとは違う話をしたら、韓米関係は深刻な局面に至ることになるだろう。THAAD配備は避けられないということを堂々と説明し、強力な北朝鮮圧迫へ一緒に乗り出そうと要求できなければならない。
(引用ここまで)
 中露にとっては北朝鮮のミサイルの脅威よりも、はるかにTHAAD配備……というかXバンドレーダーのほうが脅威に決まっているでしょ。
 実際問題、北朝鮮のミサイルが中露に向かう可能性なんてほとんどない。
 むしろ、アメリカが北朝鮮を空爆した際に出るであろう難民のほうがよっぽど問題ですわ。
 実際に、4月の半島危機ではロシアは国境に軍を向かわせたという話ですしね。

 アメリカが在韓米軍の安全を企図して韓国にTHAAD配備を決めたように(そしてその安全を邪魔する韓国政府に対して怒り心頭であるように)、中露も自国軍隊の有利さを捨てることはできないというだけの話。
 記事中にあるように「THAAD配備以上の措置も取り得るということを認識させるべきだ」みたいなことができるんだったらとっくにやってますわな。
 アメリカからの圧力にも屈せず、中国からの圧力にも屈せずに独自の外交ができるようならとうの昔にノ・ムヒョンが提唱していたようなバランサー国になれてますよ。
 ことあるたびに「韓国は発展途上国の気持ちも、先進国の気持ちも分かる扇の要だ」みたいな話をするのですが、本当に韓国がそこまでの立場であるのならもっと他に振る舞いようはあるのですよね。

 こういった危機、有事にこそ本当の実力が試されるのです。
 そして、その現場にいる国家元首がムン・ジェイン……か。まあ、韓国人がいうようにムン・ジェインがとてつもなく有能であれば、この事態も切り抜けることもできるんじゃないですかね。

 楽韓Webはムン・ジェイン政権を応援してます!

ネットランナー 2004年 8月号付録 フィギュアコレクション ネトヴィネ ちゆ12歳
ソフトバンククリエイティブ
2014/2/6

韓国人「中国のTHAAD報復でいいことがあった。それは素顔の中国を見ることができたことだ」……え、いまさらそれ?

【コラム】中国の「素顔」が韓国にもたらすチャンス(朝鮮日報)
 中国で続く終末高高度防衛ミサイル(THAAD)関連の報復措置はあまりに稚拙なものだ。ビタミンが含まれているという理由でキャンディーを医薬品として通関するように指示されたり、商品に表示された日付(例06−19−2017)からハイフン(−)を取り除かないと通関できないと言ったりだ。国際社会のリーダーたるG2(二大国)と呼ぶには情けない水準だ。さらには、小学生を動員して反韓デモや韓国商品不買運動まで展開した。

 専門家の多くはTHAAD問題が韓国に意外なプレゼントをくれたと語る。いつかは直面することになる中国の素顔を少しでも先に体験し、備えを固めることができたからだ。もう一点付け加えることがある。中国の素顔を韓国がうまく利用しさえすれば、別の意味で「中国特需」が来るかもしれない。現在中国が見せる素顔を韓国のみならず全世界が見守っている。冒頭に触れたドイツ企業の韓国進出はそうした観察の結果だ。 (中略)

 韓国はこれからどうやっていくかが重要だ。アジア市場を狙う世界的企業の韓国誘致に死活を懸けるべきだ。規制改革と積極的な市場開放、税制優遇などが伴わなければならない。また、施行から4年目でようやく効果を上げ始めた「Uターン企業支援法」(海外進出企業の国内回帰支援に関する法律)の実効性を高めていく必要もある。製造業の海外工場の雇用が10%(29万人分)回帰しただけでも、韓国の青年失業者の60%の雇用問題が解決される。雇用創出にもたついている場合ではない。
(引用ここまで)

 ……遅!
 ようやくそのあたりのチャイナリスクに気がついたっていうだけの話を延々と書かれてもな……。

 そもそも中国の素顔なんて全然変わってないし、それをいうんだったら数百年素顔のままでしょ。
 その「素顔の中国」の持つさまざまなリスク要因と、コストの両方を天秤にかけて釣り合っていたかどうかを見ていただけ。
 日本企業はコストに見合わないと判断して中国脱出して東南アジア進出や国内回帰してきたのがこの数年間。
 その一方で韓国は去年前半だけで絶対額で日本の1.5倍以上、相対額で6倍以上を中国に投資してきたわけで。
 そんな簡単に足抜けできるわけがない。だからこそ中国もTHAAD問題で強気に出ているのですし。

 それ以前に中国から韓国企業が撤退したとしても、その行き先が韓国になるかどうかは微妙なところ。
 韓国には強烈なコリアリスク=労組がいて、それが13年間も跳梁跋扈することが決定的なのですから。それをよく知る韓国企業が戻るわけないですわな。

米下院議員「韓国はTHAAD配備か在韓米軍撤収かを選択すべき」→中央日報「感情的で極端な欲求だ」……え、まだ気がついてないの?

文大統領が到着した日、米下院議員「THAADか米軍撤収か選択するべき」(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が米国を訪問した28日(日本時間)、米下院で「韓国は高高度防衛ミサイル(THAAD)と在韓米軍のどちらかを選択するべきだ」という極端な要求が登場した。

この日の下院外交委員会の会議で共和党のスティーブ・シャボット議員は「文大統領の最初の措置の一つはTHAAD配備を遅らせたことであり、これは大きな失敗だと考える」とし「米国の軍隊を危険にさらした」と批判した。

シャボット議員は「トランプ大統領も最近、米国の軍隊がそこで安全でないと感じるという話をした」という発言もした。続いて「我々は韓国に選択させなければいけない」とし「韓国が最も精巧なミサイル防衛システムであるTHAADを持って自分たちと我々の軍隊を防御するのか、そしてミサイルシステムと我々の軍隊を持つのか、それともミサイルシステムも我々の軍隊も持たないのかという選択だ」と話した。シャボット議員は「鮮明な選択でなければいけない」と強調した。

その間、韓国がTHAAD配備決定を覆せばトランプ政権は在韓米軍を撤収する可能性もあるという懸念を米シンクタンクの一部の専門家らが表明したことはあった。しかし米下院議員が公開会議で韓米同盟の根幹である在韓米軍の撤収に言及したのは極めて異例だ。THAAD配備遅延に対する米国議会の強硬な立場が感情的な発言で飛び出したと分析される。 (中略)

この日、外交委に出席したヘイリー米国連大使は、THAAD問題に対する立場を尋ねるシャボット議員の質問に対し、「個人的には円満に解決されるとみる」としながらも「しかし米国の軍隊を保護することに好意的でない何かを見る瞬間、大統領が行動するものと私は理解している」と答えた。
(引用ここまで)
war_missile
 いや、極端な話でもなければ、感情的な話ですらないでしょ。
 アメリカ人、特に在韓米軍に出向している兵士の親だったら、こう思っているのが当然なくらい。

 北朝鮮がアメリカ人大学生を殺すような国であることはもう充分に知られている。
 その国のすぐ隣に米軍が駐留している。
 その北朝鮮がいつ暴発してくるかわからない中、アメリカ軍はその攻撃を防ぐ防衛兵器を配備したはずなのに韓国政府がそれを邪魔している。
 この構造はアメリカ側から見たら「おまえらも敵なんだな」という認識を持たれて当然のもの。

 ムン・ジェインに面会した上院議員からも「THAADミサイル配備の延期も国会の同意も理解できない」と言われているし、外交シンクタンクからも「遅らせている論理が理解できない」と言われてきた。
 トランプ大統領は配備遅延に激怒したとされている。

 ここまで条件が揃っていて、ムン・ジェインが訪米してきた日に下院議員から「THAADか在韓米軍か」っていう話が出て、選択肢を突きつけられることが「感情的な話」なのかどうか。
 むしろ、ごくごく普通の反応でしょう。
 一般的なアメリカ人ならそういう反応をすべき状態であることを、韓国人が認識できていないという恐ろしい状況になっている……ということなのですが。
 朝鮮日報はそれを理解できていないっぽいなぁ……。

自分の「異常性」に気づかない人たち 病識と否認の心理
西多 昌規
草思社
2016/11/25

韓国保守系紙がムン・ジェインに懇願「せめて……せめてTHAADの配備時期だけでも決定してきてくれればそれだけでもういい……」

韓米首脳会談、THAAD問題が非公式に議論される可能性も(朝鮮日報)
【社説】THAAD問題、文大統領はワシントンで決着をつけよ(朝鮮日報)
 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日午後(現地時間。韓国時間29日午前)、米ワシントンに到着し、長津湖戦闘記念碑への献花を皮切りに5日間の訪米日程をこなす。

 文大統領は訪米2日目の29日午前(韓国時間29日夜)にポール・ライアン米下院議長をはじめ上下両院の指導部との懇談会に臨み、同日夜(韓国時間30日午前)にはトランプ大統領夫妻の招待により、金正淑(キム・ジョンスク)夫人と共にホワイトハウスでの歓迎夕食会に出席する予定だ。

 文大統領は翌30日午前(韓国時間30日夜)、父親が6.25戦争(朝鮮戦争)参戦兵士だったマイク・ペンス米副大統領と共にワシントンの朝鮮戦争戦没者慰霊碑に献花し、参戦兵士の代表と面会する。その後、ホワイトハウスでトランプ大統領と単独会談及び拡大会談を行う。文大統領は今回の首脳会談で、北朝鮮の核問題に関する共同対応案や韓米同盟の発展などについて話し合う予定だ。韓米間の最大の懸案となっている終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備延期問題については首脳会談の公式議題には入っていないが、議論の過程で言及する可能性もある。両首脳は会談終了後、両国関係の発展、主な懸案についての合意事項に関する共同声明を発表し、それぞれ会談の感想をメディア発表形式で述べる予定だ。
(引用ここまで)
 THAADは在韓米軍とその家族を守るため、米国が資金を負担して配備されたものだが、その結果、韓国の国土のほとんどを防衛できるようになる。しかしそのTHAAD配備と関連して韓国が中国の顔色をうかがい、今のようにあいまいな態度を取り続ければ、米国人はどう考えるだろうか。普段からさまざまな考えや見解を持つことで知られるワシントンの多くのシンクタンクも、THAAD問題についてだけはほぼその考えが一致している。韓国は米国と中国を相手に等距離外交を行うべき分野も確かにあるが、北朝鮮の核兵器とミサイルから韓国を守るための軍事的な備えに関しては等距離外交を考慮する必要などない。

 文大統領は今回の首脳会談でTHAAD問題に決着をつけねばならない。中国との関係で韓国が多くの利益を得られたとしても、そのことと韓米同盟の価値は比べられるものではない。例えば今回の首脳会談でTHAAD配備に伴う環境影響評価終了の具体的な時期を伝えることは、THAAD問題に決着をつける一つの方法になるだろう。それによって来年の初めにTHAAD配備を完了させることができれば、THAADをめぐる騒ぎは収まるはずだ。 (中略)

 現在の状況を核問題解決のチャンスとするには、韓米両国の間で立場のずれがあってはならない。北朝鮮への圧力に関して双方の歩調を完全に一致させ、北朝鮮との対話を再開させる条件についても合意しておかねばならない。最近、韓国政府内では「北朝鮮が非核化を約束しない場合でも、核施設が凍結さえされれば韓米合同軍事演習の規模を縮小し、対話も再開できる」との声が強まっているが、これは米国の立場と完全に異なる。このように双方で意見の違いが浮き彫りになれば、米国の北朝鮮問題重視の方針はチャンスではなく危機となってしまうだろう。
(引用ここまで)
 おや、公式の会談議題からはTHAAD配備については除外できたのですね。
 それでも北朝鮮核問題について言及するのであれば、おのずとTHAADについても話が出ざるを得ないでしょう。
 どう考えたって、現在の韓国の元首とアメリカの元首の会談でTHAAD配備の話題が出ないわけがない。

 自国の軍隊を守るための防衛装備の配備を、軍事同盟を結んでいるはずの国が拒もうとしているのですから。
 しかもやっていることが、「いや配備そのものはいいんだけどね。すでに配備されているランチャー2基は撤去しなくてもいいんだけど、追加される発射台4基については環境アセスメントをしないとね。できたら2年」っていう嫌がらせのレベル。
 さらに「本当だったら今年はランチャー1基までの配備で、来年に5基配備だった」とかいうわけのわからない暴露までやりはじめている始末。

 韓国経済新聞、朝鮮日報といった韓国の保守系新聞からはもう悲鳴のような社説が毎日のように出る状況ですね。
 今回の社説も「せめてTHAADの配備時期をしっかりと決めてきてくれ……。できたら来年早々に」ってものなんですが。
 もはや問題は配備時期とかTHAADミサイルそのものじゃないのですよね。
 韓国が米韓軍事同盟をどうするつもりなのか、というところまで問われてもおかしくない状況になっているのです。
 ムン・ジェイン自身はそこまで自覚してやっていると思うのですが、まだ韓国マスコミはそこまで気がついていないというか。
 そこまでの事態になるとは思っていないっぽい。
 就任早々から戦時統制権返還に向けての用意をしているところを見ても、今後の5年で相当に大きな変化が韓国に訪れると考えて然るべき事態なのですよ。

赤い韓国 危機を招く半島の真実 (産経セレクト)
櫻井よしこ / 呉善花
産経新聞出版
2017/5/9

韓国人がアメリカ大使館前で反米、THAAD配備反対デモ → アメリカ大使館「韓国政府はウィーン条約を守る気はあるのか?」と正式抗議

“韓国初”のアメリカ大使館前合法集会、平和的に終了(ハンギョレ)
米大使館が韓国政府に正式抗議、THAAD反対デモで(朝鮮日報)
 ソウルの都心でTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備に反対する大規模集会と行進が24日開かれた。市民はソウル光化門(クァンファムン)のアメリカ大使館周辺を行進の隊列で取り囲む「人間の鎖」行事を行い、警察も柔軟な対応で市民の遵法デモを保障した。 (中略)

 この日の集会は、アメリカ大使館を人間の鎖で取り囲む行事が初めて合法的に行われ、関心を集めた。これまでアメリカ大使館前での集会は、警察が韓国国内にある大使館から半径100メートル以内での集会を禁止できるよう定めた集会及び示威に関する法律(集示法)11条4項を根拠に通常禁止してきた。しかし、昨年12月市民団体(平和と統一を開く人々)がソウル鍾路警察署を相手に提起したアメリカ大使館前での集会禁止通告処分取り消し訴訟で、裁判所が市民団体の手を挙げ、今回も裁判所が警察の集会禁止通告を取り消しさせたことでアメリカ大使館前での集会が合法的に開かれることになった。ソウル行政裁判所は23日「集示法11条4項は、外交機関の機能や安寧を侵害する憂慮がないと認められる時には許されると例外規定を設けている」として、THAAD韓国配備阻止全国行動が出した執行停止申請を一部受け入れた。
(引用ここまで)
 全国民主労働組合総連盟(民労総)など数十の団体が加盟する「THAAD韓国配備阻止全国行動」は24日、ソウル中心部で大規模集会を開き、駐韓米国大使館を取り囲んでデモを行った。参加者らは19分間にわたりデモを続けた。

 米国大使館は、韓国政府が大使館周囲でのデモを許容したことについて、外交公館の保護義務を定めたウィーン条約に照らしても問題があるとの内容の文書を韓国外交部(省に相当)に送ったという。
(引用ここまで)

 韓国が「国民情緒法」によって法令を無視して行動することはよく知られています。
 その象徴として光化門広場の占拠が挙げられると思うのですが。
 遺族会がハンガーストライキをはじめてからこっち、セウォル号遺族会とその支援者がテントを張って光化門広場を占拠し続けています。法的根拠ゼロで。
 なぜかソウル市長はそれを認めてしまっているという状況。ソウル市庁広場からは右派のテントは撤去しているのですが。

 「これは特別な事柄だから法律を破ってもいいのだ」というような言いかたをよくします。
 でも、それをやってしまうと「これも特別」「あれも特別」「アレが特別と認められるのであれば、なんでこっちは特別じゃないんだ」となってしまう。というかすでになっている。
 今回は「日本大使館に対してはデモが認められているのに、なぜアメリカに対しては認められないのだ」ということになって、裁判所も反米政権に気を遣ってデモを認めてしまった。
 もちろん、大使館の安寧を保つように定められたウィーン条約に反していますが、そんなこたお構いなし。
 このデモの翌日は6・25、ユギオ。朝鮮戦争の開戦日です。

image

 画像はニューヨークの自由の女神があるリバティアイランドに向かうフェリー乗り場のすぐ横にある朝鮮戦争の記念碑。参戦国の戦死者が記されています。
 アメリカ軍は韓国軍の6万人に次ぐ4万人という戦死者・行方不明者を出しています。
 これほどの犠牲を払って守った国から、自国軍を守るための防衛兵器を撤去しろと大使館前でデモをされる。
 不条理だと感じてもおかしくないと思いますけどね。

朝鮮戦争(上) 血流の山河 (講談社文庫)
芝豪
講談社
2014/12/12

韓国与党代表「THAADがあるから戦争に突入することもある」とコウモリ外交の責任逃れ発言

韓国与党代表「THAADのため戦争になることも」(中央日報)
共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表が27日、高高度防衛ミサイル(THAAD)問題に関し、「THAADの政治的な意味合いが強まり、これが米中間の葛藤として表出し、南北間に誤解があったりすれば、その被害は戦争につながるしかない」と述べた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の米国訪問を翌日に控えて出てきた与党代表の発言だ。

秋代表はこの日、韓国学術研究院の主催でソウルウェスティン朝鮮ホテルで開かれた第14回コリアフォーラム北核問題国際学術会議で「(北は)すでにTHAADを越える非対称的な戦略武器を速いペースで開発して確保し、一部は性能が実戦配備できるほどという点も無視できない事実」と述べ、このように明らかにした。

秋代表のこの日の発言は予定になかったという。朴振(パク・ジン)アジア未来研究院理事長が「北の核・ミサイル開発ペースが非常に速くなった。(我々も)一日も早く(THAADを配備)しなければいけない」と述べると、これに反論するために出てきた。この日の学術会議の司会者は文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一・外交・安保特別補佐官だった。

秋代表はこの日、「外交の失敗は戦争につながる」という故ジョージ・ケナン氏(「封じ込め政策の父」と呼ばれる冷戦時代の米国戦略家)の言葉を引用し、「今の失敗や錯視は戦争につながりかねない。南北だけでなく米中間にも戦争が起こる可能性がある。韓半島(朝鮮半島)はその間で地政学的に脆弱だ」と話したりもした。

続いて「そのような(戦争を)避けることができる方法はすべて駆使しなければいけない。とはいえ単なる制裁や圧力だけでは通じないということも理解できる状況」とし「(THAADが)あたかも特別な方策・秘策であり、これだけが韓米同盟になるかのように考えてはいけない」と強調した。

秋代表は「戦争は突発的なもので、予告も兆候もない。戦争はその国の決定権者が戦争と宣言する瞬間に起こる」とも話した。また「『THAADというものが政治的に過剰・誇張されているのでは』という憂慮のため私は深く悩んでいる与党の代表」とし「南北間の緊張をどう緩和できるのか。必ず緩和しなければいけない。今はそのような時代」と話した。
(引用ここまで)

 緊張状態においてはなんらかの小さなアクシデントから戦争になり得るという話をしていて、その緊張状態を朝鮮半島に持ちこんでいるのがTHAADであるということにしたいのでしょうが。
 緊張の大本は北朝鮮の国連安保理決議違反である核開発と長距離ミサイル実験であって、THAADはそのカウンターでしかない。
 むしろ、米軍が自らの身を守るための防衛兵器に過ぎない。

 韓国の左派にとっての大前提である「北朝鮮は無謬の存在」が目を曇らせているのだろうなぁ……。
 特定の思想にはまるとどうしてもその前提となる思想から抜け出ることができない。
 どれほど優れた人間であったとしても、カエサルがいうところの「人は喜んで自分の臨むものを信じるものだ」というこの構造から抜け出ることは難しいのですね。
 うちも「おっと、これは目に鱗がはっついたままだったわ」となることもありますね。怖い怖い。

 韓国兵のTHAAD配備が米中の緊張を高まらせているという言い方もできると思いますが、それは韓国のコウモリ外交がそうさせているのです。
 緊張状態を招いている主体はTHAAD配備ではないのですよね。
 まあ、常に「悪いのは韓国ではない」というのは韓国の常套句ですので。

 それとこの共に民主党党首は慰安婦合意についても、そして今回のTHAAD配備についても韓国政府=大統領であるムン・ジェインの方針とは別のことを言っているのですが。
 公約だったはずの「慰安婦合意の再交渉」が遅々として進んでいない状況のガス抜きに使われているっぽい。
 「本来だったらこういう方針で政策をすべきなのだが、いろいろな圧力で遅れている。しかし、その政策を忘れているわけではない」というような感じで使われているのでしょうね。

パク・クネ政権から「コウモリ外交」だけは引き継いだムン・ジェイン。初の米韓首脳会談でコウモリ外交を貫けるか?

【コラム】帝国のオーディション…米国と中国の間に置かれた韓国(中央日報)
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が明日、米国に初めて赴く。根っからの運動圏ではないものの、反独裁と人権運動に献身した文在寅の青年時代は、全体主義に抵抗したレヴィと似ていた。1970年代・80年代の韓国の運動圏で、反核・反テロ・反資本・反帝国主義はまるで一セットのようについて回った。このような異種のイデオロギーを結びつけた便利な概念が「反米」だった。反米・反帝が当時第3世界に風びしていた自民族中心主義と結合すると親北朝鮮理念が生じた。北朝鮮は民族和解のジェスチャーを政治的だけに活用した。

「THAADをどうしたい?」これが「帝国のオーディション」で文在寅大統領が歌う初めての指定曲だ。米国と中国の間で曖昧なラップを口ずさむほど危険千万な歌唱はない。中国の統制は無力で、北朝鮮はミサイルを次々と発射しているところに、トランプ大統領が「月光政策」をどれくらい理解するだろうか。トランプは民族情緒を幻想だと鋭く言い放つだけだろう。THAAD1基だけをひとまず許容する「1+5」(ことし1基、来年5基)発言も窮余の策だ。独善的な性格のトランプには熱くて簡単明瞭な一言、「どうせならすべて持ってくるがいい!」。これが答えだ。それから韓国のジレンマを納得させるのが手順だ。韓中歴史同盟、韓米軍事同盟の二者択一の窮地で、囲碁の名人「アルファ碁」さえバランサー的な妙手を出すことができない。習近平を説得するのは今後の問題だ。歴史は変わらないため歴史同盟を再建する可能性はまだ残っている。

アーリントン国立墓地に造成された韓国戦記念公園碑石にはこのような一節が刻まれている。「生前は知らなかった国、会ったことのない国民から呼ばれた我々の息子と娘を尊敬して」。米国人死亡者5万4246人、行方不明者8177人は面識のない韓国人のために青春を異国の地に埋めることになった。6万2423人の生命は、結局、米国の国益のために犠牲になったとある世間知らずの反米主義者が抗弁しても、韓国がこのように繁栄した起源を根こそぎ消すことはできない。「帝国のオーディション」に上がる前にアーリントン墓地にしばし立ち寄るのもいい。シンシナティにあるワームビア氏の墓に弔意を表わしてもいい。オーディションに臨む直前に声を整えるように。米国と中国の間、生存のオーディションはいつ終わるのだろうか。
(引用ここまで)

 「月光政策」というのはムン・ジェインの英語表記がJae-in Moonであることから太陽政策のムン・ジェイン版としてよく用いられる言葉です。楽韓Webでは初出ですかね。
 中国とアメリカの間に挟まれた韓国には悩みが多い、ムン・ジェインはまずアメリカと同調していくべきだ。中国とはまたあとでなんとかしよう……というような下地で書かれているコラムになっているのですが。
 認識が間違っていますよね。

 中国とアメリカの間に挟まれているのではなく、好き好んで能動的に二国間のおいしいところだけをつまみ食いしようとして窮地に立たされているだけ。
 この事態に追い込まれたのはイ・ミョンバクからパク・クネ政権にかけてのことだったので、ムン・ジェインの責任ともいえません。
 ただ、そのコウモリ外交を引き継いでいることは、たとえばTHAADミサイル配備の問題でも分かります。
 撤去しないことでアメリカにもいい顔をし、4基のランチャーを追加配備させないことで中国にもいい顔をする。少なくともいい顔を見せようとしている。
 まあ、どちらからも激怒されているというのが現状なのですが。

 最後の最後までこうしておいしいところ取りを目指すというのであれば、それはそれでやり甲斐のある外交目標になるとは思いますけども。
 それを現実化できるような実力がムン・ジェインにあるかどうかはまた別の話ですしね。

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ドラゴンクエストXI
過ぎ去りし時を求めて
3DS版もありますよ。
初音ミク ハートハンターVer.


匠の技 ステンレス爪切り
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楽韓WebのBlog版。今年中にはドメイン含めて移行予定。

うちはそこらにありがちなゼノフォビアライクなところとは異なっており、文化的・文明的背景をもって「なぜこのようになっているのか」を解説して、大いに韓国を楽しんでしまおうというコンセプトの元に2002年から設立されているサイトです。単純に韓国が嫌いなかたは他を見てもらったほうが満足できるんじゃないかと。

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