楽韓Web

韓国に関する話題を面白おかしく、韓国の文化背景を含めて解説してしまうサイトです。

THAADミサイル

 相互RSS募集中です

米韓国防長官「なにがあってもTHAADミサイルは配備する」 → ただし、次期政権では覆される模様

韓米国防長官「THAADは計画どおり」で一致、上半期にも配備(東亞日報)
李在明氏「李承晩は親日売国、朴正熙は独裁者」(朝鮮日報)
韓民求(ハン・ミング)国防部長官とジェームズ・マティス米国防長官は31日、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備をはじめ北朝鮮の核・ミサイル脅威の対応能力を持続的に強化することで合意した。

両長官は同日午前20分ほど電話会談を行い、このような内容を骨子とする堅固な同盟態勢の維持を再確認したと、国防部が明らかにした。

最近、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射脅威と関連して両者は、北朝鮮が韓米両国の転換期的状況を誤認していつでも挑発を強行する可能性があると見ている。国防部関係者は、「両者は、戦略爆撃機の韓半島出撃など米国の強力な拡大抑止(Extended Deterrence)と堅固な連合防衛態勢で北朝鮮の挑発を抑止し、有事の際には即時に圧倒的に対応できる万全の態勢を維持することで一致した」と明らかにした。

「限韓令」(韓流禁止令)など中国の対韓報復措置にもかかわらずTHAADは計画どおり配備するという点も再確認した。軍関係者は「両国長官がTHAADを支障なく配備することで意見が一致した」とし、「早ければ今年前半期に(THAAD1砲台が)配備できるだろう」と話した。
(引用ここまで)
李市長は韓米両国の国防長官が米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備を計画通り進めることで合意したことについて「特定の国に従属して屈辱的な態度を取れば、この国は存続が難しくなる。必ず撤回すべきだ」と主張した。
(引用ここまで)

 マティス国防長官とハン・ミング国防部長官が訪韓前に電話会談。
 で、「中国からどのような報復があろうともTHAADミサイルを配備する」という意思を確認した、と。
 まあ、独立国であれば当然の話ではあるのですが。
 決定した国防関連の問題を他国の介入によって曲げたとなれば、その他国の属国であることが確定してしまう。
 独立国であればそれだけは避けたいところでしょう。

 ただ、次期政権はどうなるか不明。
 ムン・ジェインは「次期政権で考えるのが適当だ」とかいう訳の分からない話をはじめている。次期政権担当者は自分がなる可能性が一番高いのに。
 パン・ギムンは不出馬決定。THAADミサイル配備を支持していた唯一の有力候補でしたが。
 イ・ジェミョンは「慰安婦合意もGSOMIAもTHAADもみんな反対じゃ!」という考え。引用した記事についてはまた別途取り上げます。
 アン・チョルスは配備決定当時に「国民投票で決めよう」とか言い出してましたね。

 ムン・ジェインはノ・ムヒョン直系の左派です。
 ノ・ムヒョンは在任当時、「アメリカから戦時統制権を奪い返すぞ!」って言い出して日本を含めた周辺国から「ダメだこりゃ」と匙を投げられた人物でした。
 その系譜を継ぐということは、反米であることに間違いありません。
 反米のていどがどのくらいかは不明ではありますが……。

 次期政権で韓国はもう破滅するんじゃないかってくらいのところまで追いやられる可能性があります。
 なので、任期を全うできたらそれだけでけっこうな実績になると思うのですが……。
 まあ、破滅に近い状況になるでしょうね(笑)。

最強 世界のミサイル・ロケット兵器図鑑
坂本明
学研プラス
2015/4/28

アメリカ国防長官、最初の訪問地は韓国へ→韓国人「北朝鮮への圧力になるぞ!」……圧力の方向性が違うでしょ

韓経:マティス米国防長官、最初の訪問地に韓国選択…北核威嚇に強力な「警告」のメッセージ(中央日報)
米国のジェームズ・マティス国防長官がドナルド・トランプ政府スタート後の最初の訪問地として韓国を選んだ。米国のアジア重視戦略を確認し、北朝鮮を圧迫して中国を牽制しようとする意図だという分析が出ている。

韓国国防部は26日、韓民求(ハン・ミング)国防部長官が2月2日にマティス長官と韓米国防長官会談をすると公式発表した。

マティス長官は来月2日から3日まで韓国を訪問し、続けて3〜4日に日本を訪問して安倍首相を表敬訪問し、稲田朋美防衛相と会談する。

マティス長官の韓国・日本訪問は就任13日にしてトランプ政府閣僚のうち初の海外出張だ。ジェフ・デービス米国防総省報道官は25日(現地時間)、「今回の訪問は日本および韓国との持続的同盟責任を強調し、米国と日本・韓国間の安保協力を一層強めることになるだろう」と話した。

米国が韓国に国防長官会談を先に提案したのは韓国に対する確固たる防衛公約を再確認しつつ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)挑発威嚇を加える北朝鮮に強力な警告のメッセージを伝えようとする措置であると分析されている。また、THAAD(高高度ミサイル防御体系)配備に対する反対の立場を守り、南シナ海の緊張を高めている中国を牽制しようとする布石の意味合いもあると専門家たちはみている。
(引用ここまで)

 マティス国防長官がまず韓国を訪問って、どう考えても理由はTHAADミサイルの配備をどうするんだって話をしにくるんですよね。
 北朝鮮の対する圧力という面もあるでしょうけども。
 現状はTHAAD配備を決めたはずなのに、いまだにロッテ所有のゴルフ場を借り上げることもできていない。
 それなのに中国当局からはロッテに対して対抗措置で突き上げがきている。

 韓国全体に対しても稼ぎ時の春節の観光客も制限されて、韓国人俳優だの韓国人歌手だのは活動を禁止される。それどころか韓国人俳優が画面に出るとモザイクかかってしまう始末。
 次期与党の共に民主党議員が解決のために議員外交するつもりが、カウンターパートではない王毅が出てきてメロメロで帰ってきたりもしている。

 そんな中、トランプ政権の国務長官が最初に訪問する国が韓国。
 最後通牒まではいかないにしても、それに等しいレベルの話を言い渡されるのでしょう。
 もしくは「ムン・ジェインという候補が次期大統領として最有力らしいが、THAAD配備に反対なんてことは言わないよな」と釘を差しにくるのか。
 ちなみにムン・ジェインは「次期政権に持ち越し」という微妙な物言いに終始しています。
 まあ、どっちにしても米国防長官が持ってくるのは、うれしい話でないことは間違いない。

 まさかこの段階に至っても「なんてことだ、アメリカの国防長官の初訪問国が韓国だなんて。韓国はモテモテだ」とか思っていないだろうな。
 思ってそうだよなぁ……。

米中もし戦わば 戦争の地政学 (文春e-book)
ピーター・ナヴァ
文藝春秋
2016/11/29

中国&ロシア「韓国がTHAADミサイルを配備したので報復措置を強化します」と宣言

中ロ、THAAD配備への報復措置強化で合意=新華社(ロイター通信)
米国が昨年、最新鋭の地上配備型ミサイル迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国への配備を決定したことに対し、中国とロシアは報復措置を強化することで合意した。新華社が13日に報じた。

新華社は中ロ安全保障会議の後に発表された声明を引用し、報復措置は「中ロの国益や地域の戦略的バランスを守ることが目的だ」と伝えた。具体的な内容は明らかでない。

新華社によると、声明では「中ロが抱く安全保障上の懸念に配慮し、朝鮮半島へのTHAAD配備を中止するよう米韓に促した」としている。
(引用ここまで)

 中露がともに報復措置の「強化」を講じることで決定。
 それを新華社通信が報じたということは公式のアナウンスも同様。
 これまで間接的に報復の存在を臭わせてきたことはありますが、そうしてきたということをようやく認めたといったところでしょうか。今回の発表は「強化」ですからね。

 中国にしてみれば一昨年9月の天安門における桃園の誓いで、中国からの序列1位、2位を決められた疑似同盟国なわけですよ。
 日米から見れば「悪のスリーショット」になっていたわけですが。
 そしてその後、THAADに関しては昨年2月にも「配備されるようなことがあれば中韓関係は一瞬で破壊される」って宣言がありました。

 であったにもかかわらず、その序列2位の国がなにを思ったのか、アメリカにそそのかされてTHAADミサイルを配備してしまった。
 そりゃま、「報復措置」を取らざるをえない。
 天安門での抗日戦勝パレードに参加した国=中国の威光の下に集った他の国に示しがつきません。 
 「つどった」と読むか、「たかった」と読むかは微妙なところですが。

 中国にしてみりゃ当然の措置なのですよね。
 最初からそう言っていたものを、その通りに実行しただけで。
 韓流を制限して、韓国への渡航客を制限して。それでも言うことを聞かないので「報復の強化」を宣言。
 韓国にしてみれば「いま担当者がいないから対応できません」ってなところでしょうが。
 ま、それも中国にしてみりゃ知ったこっちゃない。むしろ現政権を苛烈に叩いておいたほうが、次の政権担当者への飴になるのは目に見えてます。
 すでにその方向性は野党議員への歓待という形で見せていますしね。

韓国に限らず、この何年か十何年かはマキャベリが必要になる年代になるでしょう。
マキャベリ兵法 君主は愛されるよりも恐れられよ (PHP文庫)
大橋 武夫
PHP研究所
2013/11/1

韓国野党国会議員が訪中 → なんと王毅外相が歓待 → 完全にメロメロでレッドチーム再参入決定的

THAAD:韓国政府を無視する中国、共に民主訪中団を歓待(朝鮮日報)
THAAD:中国が仕掛けた「離間の計」にはまった韓国最大野党(朝鮮日報)
THAAD:中国高官「制裁しているのは中国国民だ」(朝鮮日報)
 韓国野党、共に民主党の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表は4日、所属国会議員7人が中国を訪れ、王毅外相らと会見したことについて、「過去に国会議員が会見した中国政府関係者の中では、最も高いクラスとの会見だった」とした上で、「中国が韓国の文化産業の中国進出を阻んだり、観光客(の韓国渡航)を制限したりしていることに抗議し、それを回復するのが主な目的だ」と説明した。

 しかし、外交関係者は「今中国政府が韓国外交部(省に相当)を無視し、民主党を歓待するのは、韓国国内での対立を助長し、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を撤回させる戦略だ」とし、「議員外交は必要だが、中国の意図に丸め込まれれば、結局『韓国は思い通りに揺さぶれる国だ』という認識を植え付けることになりかねない」と懸念を示した。
(引用ここまで)
 中国はこれまで、THAAD問題に関して金章洙(キム・ジャンス)駐中国大使など韓国政府関係者とは接触を避けているが、共に民主党議員の訪中団に対しては閣僚級関係者が出てきて会談し、晩さん会で歓待した。しかし、韓国政府関係者は「韓国内部を分裂させて自分たちの考えを貫こうという中国の狙いにはめられたもの」と言った。共に民主党は、THAAD反対を党の公式見解に決めているわけではないが、文在寅(ムン・ジェイン)前代表ら主流派は「次期政権が決めるべきだ」として現政権のTHAAD配備に実質的に反対している。また、同党は基本的に北朝鮮との交流・協力再開を主張し、そのため南北が対峙(たいじ)している状況を打開して対話を勧めるべきだとしている。この延長線上でTHAAD配備を事実上、白紙化しようとしているのではないかと思われる。
(引用ここまで)
訪中団関係者は会談後、「我々は、限韓令(韓流スターや韓国ドラマ・映画などを対象にした制限令)や韓国行きチャーター機の運航不許可、サムスン製・LG製バッテリーに対する不利益などは(韓国の)国民感情を悪化させる可能性があるので、中止すべきだと話した」と言った。この関係者によると、王毅外相はこれに対して、「(THAAD配備の)加速化プロセスという言葉が(韓国側から)出なければいいのだが。配備が遅くなったら、確執という状況を転換する努力をする」と答えたとのことだ。別の関係者は「中国側は『なぜ我々がしていないこと(北朝鮮の核のこと)に対して、我々が責任を取らなければならないのか」と強い不満を見せ、THAADに反対し、容認できないという考えを示した」と伝えた。だが、その一方で、「THAAD配備は韓中(国交樹立)25周年(に当たる今年)に、新たに中国の安全保障を阻害するものだ。『中国は(韓国の)安保を阻害したり、直接危害を加えたりしていないのに、なぜそんなことをするんだ』という中国の国民感情も理解してほしい」と言ったという。

 共に民主党訪中団のTHAAD報復中止要請に、孔鉉佑次官補は「中国国民の感情を無視する政策はできない。制裁しているのは中国国民だ」と答えたという。これは、最近の韓流スターや韓国ドラマ・映画に対する中国の制裁の動きを間接的に認めたものだ。

 だが、この関係者は「中国側は『韓中はこれを克服できる方法を探るため額を突き合わせて共に努力しよう』とも言った」と語った。
(引用ここまで)
 うわ、共に民主党の国会議員団に対して王毅外相が出てきたのか……。
 人たらしの基本ですね。自分を高く評価してくれる(ように見せている)っていう。
 なんだかんだで共に民主党はイ・ミョンバク政権とパク・クネ政権の9年ちょっと、まったく権力というものに無縁だったのです。
 前回の大統領選では惜敗と言っていいレベルで負けたこともあって、権力への渇望はかなり強いものになっているでしょうね。

 そんなところに「あいつらはしょうがないですねぇ。わたしはあなたたちの本当の価値を知っていますよ」とばかりに副局長が訪韓して相談をしてくる。現行政府は無視して
 そして訪中したら自分たちのカウンターパートではない、圧倒的な高位にある外相が出てきて話を聞いてくれる。
 挙げ句の果てに「我々は仲間だ。問題を克服できるように共に努力しよう」とか言われちゃう。

 これはもうメロメロでしょ。
 ちょろすぎる。
 韓国の次期政権は確実に左派政権になりますが、誰がなってもレッドチーム再参入は間違いなさそうですね。 

プロトコールとは何か 世界に通用する公式マナー (文春新書)
寺西千代子
文藝春秋
2016/11/20

 

中国が韓国のTHAAD配備へさらなる圧力「旧正月への増便不許可」……ただし、現政権とは交渉するつもりはない模様

【社説】韓国を軽視・無視、日本と中国の異常な動き(朝鮮日報)
1月の韓国機増便認めず、中国がTHAAD配備に揺さぶり(朝鮮日報)
 韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)が締結されてから1カ月が過ぎた。北朝鮮の核の脅威に対処するのに必要な情報を得られることから、韓国政府は国内の激しい反発を抑えてこの協定を締結した。しかしこの協定は日本が隣国を侵略し、数百万人の命を奪った過去と絶縁した国になったという仮定の上に成り立つものだ。そのような前提を日本側も知らないはずはない。ところが今回、防衛相が靖国神社参拝を強行した。このように最近、日本では韓国を軽視、あるいは無視する態度がたびたび見られるようになった。韓国が感情的な対応から抜け出せないからだろうか。

 このような状況で韓国の民間団体が釜山の日本領事館前に慰安婦少女像を設置した。釜山市東区庁は28日、今回の少女像の設置が許可なく行われたことから、当初はこれを撤去した。しかし文在寅(ムン・ジェイン)前共に民主党代表が東区庁を「親日」と非難し「釜山市民による少女像の設置は真の独立宣言だ」などと反発したため、設置を阻止しないことにした。法律に沿って対応した東区庁長は「謝罪する」と発言した。韓日関係が今後非常に厳しい状況になる徴候がここでも表面化し始めたようだ。

 これとは別に、中国外交部(省に相当)の陳海・アジア局副局長が26日に韓国を訪れ、政界や経済界の関係者と接触していたことが29日までにわかった。陳海氏は中国外交部で米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備問題を担当する人物だ。大統領選を前に韓国国内でTHAAD配備反対の世論を高めるのがねらいだろうか。一国の外交官が他国に一方的にやって来て、その国の外交当局と接触もせず勝手に行動するとなれば、これはその国と外交関係があると言えるだろうか。

 日本と中国によるこれら一連の動きは、直接的には韓国の国政マヒによってもたらされたものだが、より大きな観点からみれば、これまでの対中、対日外交の失敗を示すものとも言えるだろう。中国と日本の異常な動きはこれから起こる出来事の何らかの前兆と考えるべきではないだろうか。
(引用ここまで)
 チャーター機運航は通常1カ月単位で申請するもので、運航の前月20日ごろに各航空会社が中国民航局に申請して許可を得る。中国民航局が不許可の方針を知らせてきたのは今月28日夜のことだった。翌29日に航空各社がそれぞれ国土交通部に報告したことで多数の不許可が明らかになった。 (中略)

 この期間は、中国外務省でTHAAD問題を担当する陳海アジア局副局長が、韓国政府が思いとどまるよう伝えたのにもかかわらず一方的に訪韓し、韓国国内の政財界関係者に接触した時期と重なる。26日から30日までだった陳海副局長の訪韓は、THAAD反対世論を高めるのが目的だったと見られている。中国政府がチャーター機運航を不許可にすることで、陳海副局長の訪韓効果を最大限引き出し、「THAAD配備が続く限り報復する」と警告しているのだ。
(引用ここまで)

 釜山の慰安婦像とその設置の経緯に関してはもう何度も書いているので割愛。
 ちょっと面白かったのは、中国外交部から副局長がやってきてTHAADミサイル配備に関して野党側国会議員や経済界と接触していたという話。
 もはや韓国政府を交渉相手としては見ていない、ということですね。

 ついでに中国政府から「春節(旧正月)の韓国向けチャーター機は申請却下」というアシストも得て、THAADミサイル配備……というか、Xバンドレーダーの配備をなんとしてもやめさせるという不退転の決意が見て取れます。
 その交渉相手は現在の政府ではなく、次期政権である野党であったり、経済界であったりするわけですね。
 実務的だなぁ……。

 韓国からは幾度となく「韓中関係はビジネスパートナーであって、安保政策に対して中国からの一方的な制裁などありえない」という話が出ていましたね。でも、いわゆる韓流制限、そして韓国への渡航制限。そして稼ぎ時の春節でチャーター機の運行不許可。
 韓国側からは「大国である中国がこんな制裁をするなんて!」っていう恨み節が出ていましたが、これこそが中国のやりかたそのものですわ。

 実際にはTHAAD配備だけではなくて、一度自分の陣営にきた国が裏切ってブルーチームに戻ることについての制裁も含まれています。
 恭順には報酬を与えるのが冊封制度ですが、裏切りにもそれなりの対価がついて回るということでしょう。
 一度は天安門でスリーショットを撮らせるくらいの高い席次を与えたにもかかわらず、THAADミサイル配備を決定した。 
 これを許してしまっては他の国に面子が立たないし、同じように冊封体制から離脱する国も出かねない。 

 「うちらを裏切ったらこうなるんやでー」 という見せしめにちょうどよかったということでしょう。

習近平はいったい何を考えているのか 新・中国の大問題 (PHP新書)
丹羽 宇一郎
PHP研究所
2016/10/14

中国の韓流制限に見る、最良の韓国への対応方法がこちら

中国外交部 「サード問題の解決なしに韓流支持政策は負担」(KBS WORLD RADIO)
韓流ドラマが人気を集める中国で、中国政府が韓流スターのCM起用やテレビ出演を制限する「限韓令」を出しているとされることについて、中国外交部の関係者が、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード(THAAD)」の問題が解決されない限り、韓流支持は難しいとする立場を示しました。
中国外交部のアジア大洋州局参事官は20日、北京の外交部庁舎で行われた記者とのインタビューで、「中国政府は『限韓令』を出したことはない」としたうえで、「サードの問題が解決されない限り、中国としては、韓流を支持する政策を取るのは負担となる」と述べました。
これは、サードの韓国配備が、韓国と中国の文化交流にも悪影響を及ぼしかねないとする考えを示したものとみられます。
一方、店頭市場のコスダック市場に上場しているIT企業の「トゥービーソフト(TOBESOFT)」は21日、中国の国営企業から、「サードの配備を含む韓中関係における敏感な問題のため、これ以上契約を履行することはできない」として、一方的に投資契約を解消する通知を受けました。
中国政府が、サードの韓国配備を理由に、韓国企業に対して公式に報復を通知したのは初めてです。
専門家らは、国内政治が混乱しているすきに付け入って、中国が経済面で、公式に報復をしているということで、重大な問題だと指摘しています。
(引用ここまで)

 徹底してますね。
 WTO違反になる貿易の非関税障壁ではなく、文化交流を制限する。
 日欧から提訴のあった中国のレアアース輸出制限はつい最近になってから、WTO違反であったという判断が示されました。
 それを鑑みて方針を変更してきたのでしょう。

 それも韓国芸能人の起用を制限したりはしていない、と公式アナウンスで流しておく。
 だけども、「THAADミサイル配備によって中国人民は深く傷ついたのだ」という話も同時にすることで、これはTHAAD配備決定による制裁だということを理解させる。
 朝貢してくる国にはそれ以上の宝物を渡すことで歓待し、まつろわぬ国には圧力をかけ続けるという古来からのやりかたを踏襲しています。
 古くから中華システムから離脱していた日本にとってはどうということのない話でも、ごくごく最近まで中国の影響下にあった韓国にとってはそうは受け取れない。
 今回は「中国側に入ります」という恭順の意思を示したあとの裏切りですからね。中国からしてみればなおのこと「怒髪衝天」になる状況。

 そしてさらに制裁をエスカレートさせることを示唆している。
 韓流規制だけではないぞ、という脅しのターンに入ってきたというところでしょうか。
 韓国への対応はこれが最上の方法であるというお手本を、しっかりと中国が見せてくれていますね。

最近の中国本の中ではピカイチだった
赤い帝国・中国が滅びる日
福島香織
ベストセラーズ
2016/10/26

韓国の次期大統領候補が「反米反日路線」へと突き進む理由とは?

「キューバ革命」に突き進む韓国(日経ビジネスオンライン)
──前回は、韓国の自称「名誉革命」が、既得権層を打ち倒す「ロシア革命」に向かい始めた、という話でした。

鈴置:それだけではありません。米国との関係を断絶する「キューバ革命」に至る可能性も相当にあります。大統領候補と見なされる政治家が一斉に「米国離れ」を叫び始めたからです。

 世論調査で支持率1位を占めることが多い「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表。12月15日にソウルの外信記者クラブで以下のように語りました。

 聯合ニュース「文『THAADは次の政府に先送りすべきだ・・・誰がなるかは分からずとも、政権交代は確実』」(12月15日、韓国語版)から引用します。

・朴槿恵大統領の職務が停止され首相が権限を代行する中で、THAAD(地上配備型ミサイル防衛システム)を強行するのは望ましくない。次の政権で十分に議論し、外交的努力を尽くして合理的な判断を下すべきだ。
・(日本との慰安婦合意に関しては)正当性を認めることが難しい。合意に関する両国の説明が異なるだけに、合意を(再)確認する必要がある。 ・(日本とのGSOMIA=軍事情報包括保護協定=については)この協定を通じ受け渡しする情報が何なのかに対し、十分に見直し検討する必要がある。

 THAADもGSOMIAも、そして実は「慰安婦合意」も米韓同盟の紐帯です。その3点セットをすべて見直す、と表明したのです。「文在寅政権」は米国との同盟を打ち切る方向で外交政策を組み立てると宣言したのも同然です。

 文・前代表は翌12月16日にも「大統領に当選したら最初にどこに行くか」との質問に「躊躇せずに言う。私は真っ先に北朝鮮に行く」と答えました。

 これも明確に「離米路線」を打ち出したと受け止められました。朝鮮日報が「文在寅『国民の憲法意識がすなわち憲法・・・弾劾棄却すれば次は革命しかない」(12月17日、韓国語版)で報じています。(中略)

──安保問題に関しほかの候補は?

鈴置:野党候補は皆「3点セット」見直し論です。要は「離米派」ばかりです。朴大統領の行ったことはすべてひっくり返す、というのが今の韓国のムード。「ABP(Anything but Park)」なのです。

 中でも、この3点セットは朴槿恵大統領の「悪行中の悪行」とされています。大統領選に立候補する者なら「NO!」と叫ばなくてはなりません。

 激しい発言から「韓国のトランプ」と呼ばれる李在明(イ・ジェミョン)城南市長の発言に注目する必要があります。李在明市長は「日本は敵性国家だ」とまで言い出し、それを理由に「3点セット」に強く反対しています。

 支持率調査あるいは人気投票で2位、あるいは1位に付けることもある政治家です。この人の発言に引っ張られ、与党系含めすべての候補が「反日・離米」に傾いて行くと思います。
(引用ここまで)

 鈴置氏のいつものコラム。
 韓国の次期大統領候補によって、韓国には「キューバ革命」が起きる、すなわち反米政権になるであろうというお話ですね。
 何度か楽韓Webでも語っていますが、パク・クネは「親日媚米政権」であったといまの韓国では考えられています。
 実際の政治的なスタンスはそうではない。むしろ中国側に組み入れられる寸前まで行っていたのですが、現在の韓国では「パク・クネ=親日媚米」であるという構図が描かれているのです。
 慰安婦同意、THAAD配備、日韓GSOMIA締結の3本セットによってそのように考えられている……というか野党側が描いた構図、もしくは韓国人全般が信じたがっている構図ではそのようになっています。

 そして、これまた何度も書いてきたように韓国の政権交代は易姓革命の側面を大きく持ち、前の政権を可能なかぎり否定することが宿痾となっています。
 今回の弾劾によってそれはかつてないほどに強化されており、どれだけパク・クネ政権の業績を否定できるかがひとつの目安となっているのですね。
 特にパク・ウォンスン現ソウル市長イ・ジェミョン現城南市長はそうすることによって支持を大きく伸ばしています。ムン・ジェインもそれに引っ張られる形で発言を過激化させている。
 いわば、次の政権のレゾンデートルが「反日反米」であり、大統領候補たちはどれだけ反日反米であるかをアピールすることが選挙活動の大きな争点となってしまっているわけです。

 そもそも共に民主党は反米指向であったのは間違いないのですが、それがブーストされているのですよ。
 そして、韓国人が「それこそがパク・クネ政権を否定することになる」と是認することでかつてないほどに高まっている。
 もはやその過激化を止める手段はないように見えるのですけどね。
 一種の社会実験としてどこまで行くのか見てみたいという気はしています。

世界反米ジョーク集 (中公新書ラクレ)
早坂隆
中央公論新社
2005/1/10

韓国メディア「大統領候補が『GSOMIAも慰安婦合意もTHAAD配備も破棄だ』っていうけど、それ本当に守れるの?」……しっ、余計なことを言わない!

【社説】慰安婦合意・GSOMIA破棄、文在寅氏は守れない約束をするな(朝鮮日報)
 現政権が進める安全保障政策について、最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表はこれらを全て見直す考えを表明した。文氏は外信記者クラブでの講演やインタビューなどを通じ「開城工業団地は直ちに再開すべき」だとか「米国の最新鋭地上配備型迎撃システム『高高度防衛ミサイル(THAAD)』配備の決定は次の政権に委ねよ」などと求めた。さらに日本との慰安婦合意についても「新たな合意が必要」として覆す方針を明言し、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も再検討を強く示唆した。

 野党の大統領候補者がそれまでの政策を批判し、自らが政権を握ればそれらを見直すと約束するケースは実は決して珍しくない。しかし国内向けの政策ではなく、外国政府とすでに合意した約束を覆すとなれば、それは次元が異なる問題だ。もちろん外交政策であってもある程度の修正は可能だ。しかし文氏のように同盟国や友好国と結んだ合意を全て破棄したり見直すとなれば、これは大韓民国における政策の信頼性そのものが疑われるようになる。

 THAADは韓米両国の政府と軍当局が様々な検討を行い、最終的に北朝鮮のミサイル攻撃への対処に最も効果的ということで配備が決まった。その結果、韓米両国の軍事施設はもちろん、有事の際、米国などからの増援部隊がやって来る港などもこのTHAADによって守られることから、米国政府はTHAAD配備問題だけは迅速に進めるよう、韓国政府に何度も求めている。そのためもし文氏の主張が実行に移されれば、韓米同盟に大きな亀裂が入るのは間違いない。

 開城工業団地の操業中断は国際社会との約束だ。北朝鮮による4回目の核実験に対する国連制裁のレベルを上げることを目的に、韓国政府が事前に取った措置だ。現在、北朝鮮に流入するドルを減らすため、国連は北朝鮮から中国向けの石炭輸出にも規制をかけ、また韓国も世界に向け北朝鮮に外貨を持たせないよう呼びかけている。ところが文氏が明言するように、韓国が開城工団を通じて再び北朝鮮に毎年5億ドル(約600億円)以上の外貨を与えるようになれば、この国は国際社会からどのような目で見られるだろうか。

 日本との慰安婦合意についてはその評価が分かれているのは事実だ。今の政府がこの問題に対する態度を突然変えたことへの批判は今も根強い。しかしこれも国際社会と結んだ約束であり、締結からすでに1年近くが過ぎた。これを今になって破棄するとなれば、韓日関係そのものが完全に破綻するだろう。日本との軍事情報包括保護協定は韓国と日本が北朝鮮に関する情報を共有し、双方の弱みを補うことを目的に締結されたもので、すでに政府間で署名まで終えている。北朝鮮の潜水艦の動きに関する情報など、この協定によって韓国が非常に大きな恩恵を受けているのも事実だ。

 これらの事情を文氏が知らないということはまずない。そのため文氏がもし政権を握ったとしても、これらの外交・安全保障政策をすべて覆すのは簡単ではないどころか、おそらく不可能だろう。だとすれば今文氏が主張する内容は、自らを支持する過激派に迎合するものであり、有権者を欺く行為に他ならない。同盟国や友好国との合意を覆しても良いと文氏が本当に考えているのであれば、これ以上何か言うべきことがあるだろうか。
(引用ここまで)

 うわ、よけいなことを朝鮮日報が言い出してますね。
 もちろん、韓国国民に対しての迎合に決まっています。
 特に城南市長のイ・ジェミョンが過激な言説で支持率をぐっと上げてきている。統計によっては2位のパン・ギムンを追い抜いたというニュースもあるほど。
 つまり、最大のライバルとなり得るわけですよ。

 支持を上げている大きな理由が、GSOMIA締結に対して「パク・クネは父親の祖国のために死ぬ覚悟を決めたようだ」、「日本は敵性国家」、「私が大統領なら慰安婦合意を覆す」といった発言である以上、対策は簡単なのですよね。
 それと同じか、それ以上の過激な言説を並べればいい。
 以前に書いたように、どこまでもエスカレートする可能性はありますが、それはそれで面白いと思いますけどね。

 韓国人の知性が試されているとでもいうべきか。
 こうして社説を書くくらいなら、本人に正せばいいのに。  本当にこれらの話をやるのか、それに付随して出てくるであろう不都合をどう考えているのか。
 日本やアメリカがこういった話に対してどう対処すると思うのか。日韓、米韓の通貨スワップ協定が難しくなると思われるが、どうするのか。
 マスコミはそういうことができる立場にいるのだから、「大統領候補へのインタビュー」という形ででも連載すべきだと思いますけどね。
 こうして言って終わりでなんの生産性もないなら、マスコミなんて必要ないんだよな……。

イスラム国 テロリストが国家をつくる時 (文春e-book)
ロレッタ・ナポリオーニ
文藝春秋
2015/1/10

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