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THAADミサイル

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中国政府「THAAD撤収のために中韓が協力しよう」→韓国政府「え、三不で終わったんじゃなかったの?」

サード撤退求め続けている中国、反論のない韓国(東亞日報・朝鮮語)
中国が段階的にTHADDミサイルを撤収するという、いわゆる「THAAD配備の段階的処理に韓中が合意した」と改めて言及し、韓国にTHAAD撤収を要求した。中国はこれを韓中間の合意内容として既成事実化しようとする意図を露骨化しているが、「THAAD問題は二度と取り上げられることはない」といっていた韓国政府は、しっかりとした反論すら出さずにいる状況で議論が予想される。

王毅外交部長は22日、北京の釣魚台(釣魚臺)で開かれたカン・ギョンファとの外相会談の冒頭発言で「先日、(先月31日)中韓双方は共同発表文を通じてTHAAD問題の段階的処理についていくつかの合意を達成した」とし「米国のミサイル防衛システム(MD)に加入していない韓国に一時的に配置されているTHAADは、中国の安全保障の利益を毀損しないなどの内容について韓国の立場表明を重視する」と明らかにした。続いて、「中国には『言葉には、必ず信用がなければならず行動は、必ず結果が伴わなければならない』(言必信行必果)という言葉がある」とまで言及し「韓国側は引き続き、この問題を適切に処理してもらいたい」と韓国にTHAADミサイルの撤収を要求した。カン長官はムン・ジェイン大統領の翌月訪中協議のために中国訪問をしている。中国の論理どおりなら、韓国は韓中関係の改善を対価としてTHAAD撤収の約束を守るために努力しなければならないことになる。

最近李克强中国首相がムン・ジェイン大統領に「THAAD問題の段階的処理に韓中が合意した」という主張を初めて取り出した後、王部長がこれを再度取り上げ、先月31日、韓中発表文の内容と強調した。それでも「THAAD問題が封印された」と発言をしたカン長官は冒頭発言では「段階的処理合意」という発言に対してどのような反論もなかった。

中国外務省関係者は最近、東亜日報の記者に「段階的処理」の意味について「手順を踏んで、最終的には朝鮮半島からTHAADミサイルを撤収すること」とし「最初のステップは、先月31日、韓中合意」と明らかにした。この日、韓中外相会談で先に陸慷中国外交部スポークスマンも定例ブリーフィングで、「THAADミサイルの段階的処理に韓中が合意した」と強調しながら、「中国は、THAAD配備に反対する立場が全く変わらなかった」と述べた。
(引用ここまで)

 カン・ギョンファは中国側からは発表されなかった年内のムン・ジェイン訪中についての打ち合わせにきたようなのですが。
 それにも関わらず、まず最初にTHAADの話題。
 ふむ。
 中国はTHAAD撤収に向けて前進を続け、中韓の二国間でなんらかの会合があったときには必ず言及するというようにしているわけですね。
 つまり、中国にとっては「約束」であろうと「立場表明」であろうとどっちでもよかった。
 現時点でのステータスは「三不」でよい。
 しかし、将来的にはTHAADミサイルそのものを撤収させることが両国の目標であると認識している。
 ムン・ジェインの訪中が本当に年内にあるのかどうかは不明ですが、そのときにもこうして「THAADミサイル配備について」を言われるのでしょう。

 中国が狡猾なのは、ちゃんと中国人観光客に韓国旅行を再開させているところなのですよ。
 韓国政府は「これでTHAAD問題はすべて終わった」としているので、もはやなにも言えない。少なくとも、圧力はなくなったのは事実。ここで抗議でもしようものなら、元の木阿弥だろうと想像させているわけですね。

 ま、実際にはTHAADミサイルを配備しているのは在韓米軍ですから、韓国政府が単体でどうこうできるわけないのですが。
 もちろん、中国の最終的な目論見はTHAADミサイル撤去に留まらず、米韓同盟の破綻ですからそのための手順をコツコツと進めているといったところでしょう。
 「バランサー」を自認しているわりには、交渉事がまるっきりなにもできないっていうのは致命的ですよね。

国内情勢が厳しいから対外的に強く出るしかない、というのもあるのでしょうね。
ルポ 隠された中国 (平凡社新書855)
金 順姫
平凡社
2017/10/13

ムン・ジェイン政権「三不でTHAAD問題はすべて解決した」→嘘でした

中国「THAAD最終解決は撤収」 文大統領「完全解決しなかった」(中央日報)
中国外務省の関係者は14日、「10月31日に中韓外務省が発表したTHAAD合意文は問題解決の最初の段階であり、最終段階はTHAADの完全な撤収」と明らかにした。韓中葛藤の核心だった高高度防衛ミサイル(THAAD)問題の終着点は封印でなく撤収という意味だ。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領も同日、フィリピン・マニラでプレスセンターを訪問し、「中国はTHAADについて賛成の立場に変わったのではなく、依然として中国の安保利益を侵害するという立場を見せた」とし「THAAD問題が完全に解決したわけではない」と述べた。THAADが韓中の間で「火種」として残っているということだ。 (中略)

「3不(No)」(THAAD追加配備の検討、米ミサイル防衛システム編入、韓日米軍事同盟−−はしない)で論議を呼んだ10・31韓中政府間協議結果の後、韓国政府は「THAADを封印する」「両国首脳会談の議題にしない」と強調した。しかし習主席が11日、文大統領との首脳会談で「THAADに対する責任のある姿勢を求める」と述べた。

これに関し北京消息筋は「韓国政府が『これ以上THAADに言及しない』と述べてこの問題を終えようとすると、中国側がTHAAD撤収までは最終解決でないという立場を喚起させようとした」と説明した。
(引用ここまで)

 たとえ韓国が主権を放棄するほどの「三不の誓い」を立てても、まだ中国としては不十分であるという立場。
 当初から中国にとっての最終的な解決は「THAADミサイルの撤去」であることは明言されていました。
 駐韓中国大使も「THAADミサイルが配備されたら中韓関係は一瞬で破壊される」と宣言していました。
 中国側が求めるのはあくまでも原状復帰であるということでしょう。

 韓国側がどれだけ「三不でTHAAD問題は終わりましたよね?」という確認をしても、「いや、最終的な解決は撤収だ」と言い続ける。
 中国人観光客はすでに韓国に戻りつつあるということで、とりあえず圧力をかけることはやめてもらえたようですが、その時々に「まだ小骨が喉につっかえているぞ」というようにして問題が解決したわけではないことを知らせようとする。
 ムン・ジェインもまだまだ中国というものの本性が理解できていなかったようで。

 連中はひとつの原則を掲げたら、よほどのことがないかぎりそれを曲げようとはしないのですよね。
 中国に三跪九叩頭を一度した以上、最後の最後まで彼らの言い分を受け入れるしかないのです。
 まだ「解放」されていないだけマシってもんでしょう。

消されゆくチベット (集英社新書)
渡辺一枝
集英社
2013/4/22

韓国大統領特別補佐官「中国の『三不』原則は常識的な主張、すべて快く受け入れるべし」

韓国大統領特別補佐官「中国の『三不』原則は常識的な主張」(朝鮮日報)
いわゆる「三不」を約束し、物議を醸していることと関連、文正仁(ムン・ジョンイン)大統領特別補佐官(統一・外交・安保担当)が「私が考えるに、『三不』原則は常識的な主張だ。中国が言う『3つのノー(NO)』は、私が考えるに快く受け入れられるものだ」と語った。

 文正仁補佐官は8日、ミン・ビョンドゥ議員=共に民主党=が司会・進行するポッドキャスト『ミン・ビョンドゥの文民時代』に出演、「米国に背く中国との交渉があったとは思わない」と述べた。

 文正仁補佐官は「韓国と日本が相互防衛条約を結ぶには、日本も正規軍と交戦権のある正常国家として行くべきだが、平和憲法により現実的には難しい。韓国が韓日同盟を結ぼうと言えば、日本は好材料だと見るだろう」と語った。また、「米国が持つTHAAD砲台は7基で、韓国に追加配備するのは難しい。米国のMDに参加しないという見解は過去の政権から続いてきた」と説明した。
(引用ここまで)

 この見解は面白い。
 三不は大統領特別補佐官であるムン・ジョンインが主導したことなのかどうかは不明ですが、ムン・ジェイン政権の外交的メンターであることから、その影響は少なからずあるのでしょう。
 ムン・ジェイン政権が外交面でなんらかの動きを起こすと、それに対してムン・ジョンインが裏拍を取るようにしてフォローしていく。

 逆にいえばムン・ジェインの行動に秘められている本音をムン・ジョンインが暴露していく。
 裏や影で動くのではなく、表だって「この行動はこういう意味ですよー」って語る。
 漫才のボケとツッコミのように。
 今回であれば「中国の言っていることは当たり前のこと」(だから韓国がそれを受け入れるのも当然)と胸の内を暴露する。
 まあ、ウオッチャーの立場からしてみると分かりやすくてありがたいのですけどね。

 そういえば、今回の米韓首脳会談では持論である「北朝鮮の核凍結と米韓軍事演習を取引材料にしよう」という提案は行われなかった模様。
 さすがに三不の上にこれはできなかったか。
 というか、首脳会談自体が10分で終わっているから、そんな提言なんかできるわけもないというのが実際ですかね。
 さらに、「バランス外交は実は中庸外交で、中庸外交はあらゆる外交の根本だ。どちらかの側に偏りすぎれば、いわゆる隷属・従属・依存関係が生じ、そうなれば外交的に身動きが取れなくなる可能性ができる」と指摘した。

 そして、「韓米関係は同盟であり、韓中関係は戦略的パートナーであるため、それに合わせて行けば良い。韓米同盟は非常に重要だが、それにすべてを賭けたら、そこで支障が生じた時どこに行けばいいのか。だからヘッジング(hedging=リスク回避)しなければならない」と主張した。

 その上で、「保険をかけるという意味からも、すべての国との関係を維持し、身動きができるようにし、外交的なすそ野を広げる必要がある。行き過ぎを避けるためにバランスという表現を使うことも可能だが、むしろ『中庸外交』と言った方が良かっただろう」と指摘した。
(引用ここまで)

 ついで、「三不はバランス外交の上に成り立ったものだ」という持論を展開しているのですが。
 これも味わい深いというか……。
 そうやって「中庸」だか「バランサー」だかを目指して動くのは構わないけど、それをそれぞれの相手国がどのように受け取るかは別ってことが理解できていないのがすごい。

 「どちらかに偏れば外交的に身動きができなくなる」って、いまの「中庸外交」を標榜している韓国が身動きできているつもりなんだ。
 スイスのような覚悟もなく、ただいいとこ取りだけしようとする外交を他国は「中庸」とは見てくれないよっていうのは、ノ・ムヒョンのバランサー外交の頃から延々と語られていることなのですけどね。
 残り4年半のムン・ジェインによる外交が暗澹たるものになるであろうことは、このていどの人物を外交・安保特別補佐官として就任させていることからも容易に想像がつきますわ。

ひきょうなこうもり よい子とママのアニメ絵本
平田昭吾
ブティック社
2014/5/16

韓国保守派、「三不の約束」で一斉に頭を抱える「THAAD圧迫が辛いからって主権を売り渡すとは……」 → なお、ムン・ジェインは今回の三不を自画自賛している模様

韓中THAAD協議が安保に足かせとなる3つの理由(中央日報)
【社説】「約束」であれ「立場表明」であれ韓国の主権は損なわれた(朝鮮日報)
韓国政府が中国との高高度防衛ミサイル(THAAD)問題を終えるために先月31日に発表した協議文は安保の足かせとなる危険性をはらんでいる。有事の際、韓国の潜在的な敵となる可能性がある国に我々の安保と軍事的活動を制限する約束をしたのは初めてだ。 (中略)

協議文で提示された核心内容は▼米国のミサイル防衛(MD)システムに加わらない▼THAAD追加配備を検討しない▼韓日米軍事同盟には発展しない−−というものだ。この3つのうち最も問題になる点はTHAAD追加配備を検討しないという部分だ。(中略)

今回の協議文に基づきTHAAD追加配備を検討しないというのは、韓米相互防衛条約と韓米駐屯軍地位協定(SOFA)の違反でもある。韓米相互防衛条約は、米国が韓半島防衛のために軍事力を配備でき、韓国は許容することになっている。ところが今回の協議文は、韓半島防衛の責任を負う韓米連合司令官が軍事的な必要によりTHAADを追加で配備しなければならない場合に足かせとなる。結果的に今回の韓中協議は韓半島での韓米連合作戦計画を深刻に毀損し、安保の脆弱性を高めた。北朝鮮が韓国に向かって弾道ミサイルを発射することができる機会を提供したのだ。 (中略)

今回の協議は北朝鮮が有事の際に発射する弾道ミサイルに対する迎撃も制限する。北朝鮮のミサイルは韓国と日本、米軍までも狙う。現在、韓日米は北朝鮮のミサイルを探知した情報は共有することになっている。これは昨年11月に締結した韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に基づく。しかし迎撃を効果的にするには3カ国は北朝鮮が撃ったミサイルに分けて対応しなければならない。そのためには3カ国の軍事協力が必須となる。ところが中国は韓日米が協力して北朝鮮ミサイルを迎撃することに反対する。3カ国の軍事協力を事実上の軍事同盟と見なす可能性があるからだ。また、中国は韓日米の北朝鮮弾道ミサイル共同対応作戦を韓国の米MDシステム参加と見なす可能性もあると、この関係者は指摘した。 (中略)

まず今回の協議過程には問題が多い。実質的な協議は青瓦台(チョンワデ、大統領府)の南官杓(ナム・グァンピョ)国家安保室第2次長が主導し、国防部と外交部は事実上排除された状況だ。(中略)

結局、今回の協議文を出した過程と結果を見ると、中国に一方的に重要な安保事案を譲った姿だ。今後、中国との摩擦が避けられない火種ばかりを作った。今後の再発防止のためにも、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の判断力を曇らせて韓中協議を推進した担当者に対する問責と真相調査が避けられないとみられる。
(引用ここまで)
 韓国政府が中国と終末高高度防衛ミサイル(THAAD)関連で合意を発表し、THAAD追加配備・ミサイル防衛(MD)・韓米日同盟に否定的な立場を表明したことが問題になっている。中国外務省がこの「三不」政策を「韓国が『約束』した」と表現したことに対して韓国外交部(省に相当)が問題提起すると、中国側は「立場表明」という表現に変えたと発表された。だが、「約束」であれ「立場表明」であれ、その形式が重要なのではない。韓国の主権事項、それも最も敏感な軍事主権に第三国が影響を与えたこと自体、既に主権が損なわれいるということだし、国益を損なう先例として長らく残ることになるだろう。 (中略)

 米国の動きも尋常でない。国家安全保障問題担当の大統領補佐官は「韓国が主権を放棄するとは思わない」と、遠回しに懸念を表明した。在韓米軍司令官が「既存の首都圏防衛システムに防衛資産や能力を追加する」と言及したことも、韓国政府の「THAAD追加配備を検討しない」とは異なる見解として受け止められている。韓米同盟と北朝鮮の核問題への取り組みに重要な意味を持つトランプ米大統領の訪韓直前に、このような問題が浮上しているのも不吉だ。 (中略)

 中国によるTHAAD報復措置で韓国が受けた経済的被害は重要な問題だ。しかし、安保よりも優先すべきことはできない。(中略)

 外交で主権を守るのは基本中の基本だ。韓国の主権を守るための戦略的あいまいさは、強国・大国と渡り合うことができる基本的な手法だ。依然として北朝鮮と友好関係を維持している国を前に、韓国が自らの主権を損なってまで身動きが取れなくすることが、将来どんな逆風となってやって来るか心配でならない。それでも大統領府はこの交渉を自画自賛している様子だという。
(引用ここまで・太字引用者)

 今回の「三不」宣言で韓国の保守派は一斉に頭を抱えてしまいましたね。
 「約束」であろうと「立場表明」であろうと、中国によって韓国の国防は枷をはめられたも同然です。
 いくらTHAAD配備に伴う中国からの圧力が厳しいものであったとしても、これはないでしょってレベルで。
 それどころか、主権侵害されて嬉々としている状況ですよ。
 中国による主権侵害というよりは、むしろ韓国の主権放棄というか。それも無理矢理やられたわけでもなくて、自ら差し出しているっていう。
 大韓帝国が外交権を差し出して保護国化した乙巳条約ってこんな感じだったんだろうなぁ……。

 ムン・ジェイン、そしてカン・ギョンファの外交センスをまざまざと見せつけてくれました。
 武藤正敏元駐韓大使が著書の「韓国人に生まれなくてよかった」の中でムン・ジェインのことを「北朝鮮情勢以外になんの興味も持っていない」と評していましたっけ。
 2012年の大統領選で、関係構築のためにムン・ジェイン事務所に行って民間レベルの日韓経済協力について「政府レベルでもバックアップを」と話しても帰ってくるのは沈黙だけ。
 最後に「日本は統一についてどう考えるのか?」ってだけ質問してきたっていうエピソードを書いていました。

 今回の三不を自画自賛しているって……最初「いくらなんでもそりゃない」と思ったのですが、これまでの政策を見るに充分にあり得ますね。
 カン・ギョンファも「対日外交最終兵器」だの「日本人が嫌がる最強の外交家」だの言われてましたが……まあ最後の外交部長官になるかもしれませんね。

赤い韓国 危機を招く半島の真実 (産経セレクト)
櫻井よしこ / 呉善花
産経新聞出版
2017/5/9

韓国政府「三不を表明したからTHAAD報復を解いてもらえますよね?」→中国「それは韓国企業の競争力不足のせいだろ?」

環球時報「韓国企業、『THAAD報復』でなく『競争力不足』のせいで中国市場を失った」(中央日報)
中国官営メディア「環球時報」が韓国製品の中国市場での苦戦がTHAAD配備による報復のためでなく、自主的な競争力低下のためだと分析した。韓中両国が関係改善に向けた共同合意文を発表した中で、韓国企業の努力が重要だという指摘をしたわけだ。環球時報は31日「韓中協力関係を回復するには中国だけ努力することでない」というタイトルの社説で「中国外交部のきょうの声明を見れば、韓中関係が解消され始めたと見られる」としながら「しかし、韓中関係が冷え込みやすいため、回復するにはさらに努力する必要がある」と主張した。

また「自動車、携帯電話などが1年しか経っていないうちに中国市場を失ったのは中国政府の報復の結果でなく、韓国の競争力が足りないから」として「韓国が中国市場を取り戻すためには『再創業』『最初から始める』という決心が必要だろう」と付け加えた。「韓中関係がまもなく正常化するが、中国人の韓国に対する好感はすぐ回復できないだろう」というのが理由だ。

新聞は「韓中が長期的な友好協力関係を発展させない理由がない」としながら「中国の世界影響力は韓国よりはるかに大きくてさらに広い心を持っており、韓国の一部の人々は偏狭な考えを捨てて韓中協力関係の発展のために肯定的に見るべきだ」とも主張した。また、合意文書をめぐって韓中両国間異見を報じた朝鮮日報を指摘して行動を自制するように批判した。
(引用ここまで)

 環球時報といえば、中国の官営メディア。人民日報をオフィシャルなものとして、やや過激な言説を環球時報に任せておくというようなやり方が知られていますね。
 で、その環球時報が「THAAD配備の圧迫をしたって? そんなものなくても韓国製品には競争力なんてないだろ」という記事を掲載している。
 中国政府の本音というか、実際の部分はこのくらいなのでしょうね。

 韓国政府は「三不」を約束することで、THAADミサイル配備についての圧迫を解除してもらえると思っているようですが。
 この正式な見解、当初から中国が韓国政府に言っていることと同じなのですよね。
 あとは「韓国の行動に中国人民が怒っているだけ」でしたっけ。

 実際に中国企業が力をつけつつあるのは間違いないところなのです。
 たとえば自動車産業も一気に立ち上がりましたしね。エンジンは全部三菱製だということですが、それも今後数年で情勢が変わっていくかもしれません。
 ヒュンダイ・キアのシェア低下は中国製自動車に食われているという部分もある。
 それを中国政府は保障したりはできないよ、ということなのでしょう。

 「日米韓の三国同盟はしない」「ミサイル防衛システムには組み込まれない」「THAADミサイルの追加配備はしない」っていう主権にも関わるような約束をさせられた上で、環球時報からはこの扱い。
 ……なんというか、ムン・ジェイン外交の粋を味わったという感じです。

生きるのが下手な人たちへ (PHP文庫)
紀野 一義
PHP研究所
2003/4/1

韓国の中国に対する「三不」の約束にアメリカが激オコ → 韓国政府、慌てて「あれは『約束』じゃない!」と言い訳するものの……問題はそこじゃない

THAAD:韓中関係修復合意、米国で相次ぐ懸念の声(朝鮮日報)
THAAD:韓国外交部「『三不』は『約束』ではないと中国に伝えた」(朝鮮日報)
 韓国と中国が終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題の関係修復に電撃合意したことについて、米国の複数のシンクタンクが1日(現地時間)、「合意は米国を非常に驚かせた」として、これがトランプ大統領の訪韓時に問題になる可能性があるとの見方を示した。米国メディアも合意の背景に関心を寄せている。

 米紙ニューヨーク・タイムズは同日、韓中合意に関する記事で「公式的にはトランプ政権は(韓中の)雪解けを歓迎した。しかし、米政権のある高官は、この合意が問題を複雑にする可能性があることを認めた」と報じた。

 また、米戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン副所長は同日、ワシントンDCで行われたトランプ大統領のアジア歴訪に関するセミナーで「トランプ政権は米日だけでなく韓米日の安保協力を強化しようとしている。そのような状況で韓国政府が中国と共に発表した声明は、人々を非常に驚かせた」と述べた。グリーン氏はさらに「中国政府によると、韓国はTHAADの追加配備、韓米日3か国の軍事同盟、米国のミサイル防衛(MD)システムへの参加を否定した」として「韓国の発表文では(この部分が)あいまいになっているが、万が一これが事実なら、韓米日の協力を堅固にして中国を通して北朝鮮に圧力をかけようとしていたトランプ政権の努力を阻害するだろう」と指摘した。また「この部分は(トランプ大統領のアジア歴訪でわれわれが絶対に見守るべき部分だ)と主張した
(引用ここまで)
 韓国外交部(省に相当)は康京和(カン・ギョンファ)長官が国会国政監査で発言した ▲終末高高度防衛ミサイル(THAAD)追加配備中止 ▲ミサイル防衛(MD)不参加 ▲韓米日3カ国軍事同盟に発展しない、といういわゆる「三不」という立場を、中国側が「約束」と表現していることについて、「中国側に問題提起した」と2日、明らかにした。「三不」という立場は韓中合意文には入っていない。しかし、康京和長官が国会でこれを述べ、中国外務省報道官が「約束」と表現したことから、韓国政府が「三不」で裏合意したのではないかという見方が出ている。

 韓国外交部の魯圭悳(ノ・ギュドク)報道官は同日の定例記者会見で、「(『三不』という立場について)中国外交部が『約束』だと言っているが、それに対して抗議する予定があるのか」という質問に、「『約束』という表現を使ったことについて、我々は中国側に問題提起した。その後、その表現は中国語の表現で『立場表明』に変わったと聞いている」と答えた。
(引用ここまで)
 約束かそうじゃないかとか関係ないから。
 韓国政府が「三不」を表明した時点で終了なのですよね、この話は。
 中国が「韓国は中国に対して『THAADの追加配備をしません』『日米韓の三国同盟を結びません』『アメリカのミサイル防衛システムに参画しません』と約束した」と言い、カン・ギョンファが国会でそれを追認してしまっただけで大問題。
 「約束」の部分が問題なんじゃない。
 あのマイケル・グリーンですら「この表明は人々を驚かせた」って言ってしまう。

 アメリカの逆鱗に触れているのですよ。
 北朝鮮に対しても、そして中国に対しても日米韓でアメリカを頂点とした疑似三国軍事同盟でやっていこうというのが、アメリカの意向でした。将来的には三国同盟もあり得るというのが基本的な方針だったのでしょうね。
 それにちょくちょく反抗していたのが韓国で、その理由は「日本とは歴史問題が解決されていないから一緒にやれるわけがない」というもの。
 それが建前であるということはアメリカも充分に理解した上で、日本と韓国に慰安婦合意を結ばせて歴史問題を解決した……はずなのです。
 それでもまだ「三不」、特に「日米韓の三国同盟を結びません」とやってしまった。

 それでなくとも韓国訪問は日数が少ないってブーブー言っているのに、なおのこと優先順位を下げられるし、話す内容はこの件だけになるってものでしょう。
 本当にトランプ大統領の訪韓、及び韓国国会での演説が楽しみになってきましたわ。

ルトワックは韓国を軍事同盟国とは見てない感じだったなぁ……
戦争にチャンスを与えよ (文春新書)
エドワード・ルトワック
文藝春秋
2017/4/20

韓国政府「中国がTHAAD配備圧迫を終わらせると約束した」→中国政府「なにも約束なんてしていませんが、なにか?」

THAAD:報復被害に何も言えず追加配備放棄を明言した韓国政府(朝鮮日報)
 韓中両国は10月31日に発表した「韓中関係改善に関する両国間協議の結果」という共同合意文により、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備に伴う確執を一段落させた。しかし、この合意文に対しては「内容・形式面で両国間の利益が釣り合っていない」という指摘もある。中国側は「THAADに反対することをあらためて明言する」とし、韓国側に「適切な処理」を要求した。だがその一方で、韓国側に10兆ウォン(約1兆円)を上回る被害を与えたTHAAD報復問題については言及していない。また、THAAD追加配備や韓米日軍事同盟の可能性など、将来の安保主権的決定事項を康京和(カン・ギョンファ)外交部(省に相当)長官の公の発言という形で放棄したのも問題視されている。

 韓中共同合意文には、「中国はミサイル防衛(MD)システム・THAAD追加配備・韓米日軍事協力について中国の見解と懸念を表明した。韓国は韓国政府が公にしてきた見解をあらためて説明した」という内容がある。韓国政府筋は「交渉の過程で、中国側がミサイル防衛(MD)システム参加・THAAD追加配備・韓米日軍事協力の3つをするなと要求してきた。文書化する事案ではないので、別の機会に公に言及することにし、これに基づいて30日に国会外交通商委員会の国政監査で康京和長官が政府の見解を明らかにした」と述べた。

 30日の国政監査で、文在寅(ムン・ジェイン)政権初の訪中代表団団長を務めた与党「共に民主党」の朴炳錫(パク・ピョンソク)議員が3つの問題に対する政府見解を尋ね、康京和長官が「政府はTHAAD追加配備を検討していない」と答えたのが一種の「裏合意」履行だったということだ。 (中略)

 しかし、北朝鮮の核・ミサイルの脅威が高まれば、THAAD砲台の追加配備が必要になる可能性もある。31日の国会国防委員会国政監査で、野党「自由韓国党」の白承周(ペク・スンジュ)議員は国防部の宋永武(ソン・ヨンム)長官に「THAAD追加導入に関して国家安保会議(NSC)などで外交部長官と協議したことがあるか」と質問したが、宋永武長官は「まだ(協議したことは)ない」と答えた。つまり、国防部長官を排除したまま、THAAD追加配備という切り札を捨てたのだ。(中略)

 今回の共同合意文で、中国の安保に対する懸念は事細かく言及されているが、韓国側が受けたTHAAD報復の被害に関する言及は一言もなかった。最後の段落に「韓中間の交流協力強化が両国の共通利益に合致することで一致し、すべての分野の交流協力を正常な発展軌道に乗せ、速やかに回復させていくことで合意した」とあるだけだ。大統領府が先月27日に明らかにしたように「両国の国益が正確に保障」されるには、THAAD報復の遺憾表明と再発防止の文言も必要なはずだった。

 これについて、大統領府関係者は「(THAAD報復は)中国国民のTHAADに対する不満・反発によるもので、中国政府が行った政策ではないという見解だ。(中国は)合意以降、『韓中関係に温かいムードを感じることができるだろう』と言った」と述べた。中国は「THAADとは無関係だ」とすることにより、一部の措置を解除しない余地や、いつかまた報復を再開できる余地を残した形だ。合意文で「韓国側が関連する問題を適切に処理」し、「軍事当局間のチャンネルを通じて、中国側が懸念しているTHAAD関連問題に対し意思疎通を図っていくことで合意」したという文言も、中国が今後THAAD問題をあらためて取りざたし、無理な要求をしてくる可能性を残してしまった。
(引用ここまで)

 これ以外にも朝鮮日報、中央日報ともに「これでいいのか」という社説、記事を連発しています。
 特に朝鮮日報。

THAAD:報復に何も言えず追加配備放棄を明言した韓国(朝鮮日報)
THAAD:韓国大統領府「関係改善を優先、諸問題は封印」(朝鮮日報)
THAAD:韓国大統領府「交渉妥結は文大統領夫妻のおかげ」(朝鮮日報)
中国が示した関係改善の「踏み絵」を踏んだ康外相(朝鮮日報)
韓中関係改善合意から抜けた3つ…韓国野党「屈辱外交」(中央日報)
「THAAD葛藤中断」の手形を切り、「三不約束」の巨額小切手を手に入れた中国 (中央日報)

 実質的には中国はなんの約束もすることなく、韓国から「これ以上のTHAADミサイル配備はしない」「日米韓の三国軍事同盟を結ぶことはない」「アメリカのミサイル防衛システムに参加しない」という約束を取り付けてしまった。
 韓国政府は「中国はTHAAD配備からの圧迫を終わらせるだろう」と言ってはいるのですが。
 中国政府はあくまでも「あれは韓国の所業に怒った民間が自主的にやっていること」という立場。

 社会主義国家でそんなわけがないのですが、建前としてそう言われてしまえば韓国にやれることはなにもない。
 つまり、「民間がまた怒ってきた」ということでいくらでも再開できてしまうのですよ。
 そもそも本当にやめるかどうかも分からない。
 どこにも中国政府からの保障がない。でも、韓国政府は上記の「三不」を約束させられてしまい、国会監査の場で外相が宣言してしまった。

 この交渉の中で中国政府は韓国政府に対して「THAAD配備について謝罪しろ」って言ってきたそうですが、さすがにそれは拒絶したとのこと。
 どうもそれを誇らしげに語っているのですが。
 でもそんなの「最初に強い条件をつきつけて、それを拒絶されたら渋々引いたように見せてから、本当の望みを出す」なんていう交渉の初歩の初歩ですわ。
 どことなく慰安婦合意の経緯を思い出しますね。
 要は韓国って強く言われれば引くんじゃねっていう。

 得点的には中国97:韓国3ってとこでしょうか。ちょっろいなぁ……。

マンガで読む 嘘つき中国共産党
辣椒
新潮社
2017/1/18

韓国政府「中国のTHAAD報復がひどすぎる! WTO理事会で訴えてやる!!」→WTOは通貨スワップ協定満期の4日前と判明→韓国政府「……」

「THAAD報復」の問題提起しなかった韓国政府... 10月のWTOサービス理事会で対応なし(聯合ニュース・朝鮮語)
政府が最近開かれた世界貿易機関(WTO)のサービス貿易理事会で、中国の「THAAD報復」の問題を提起していないことが11日、確認された。

北朝鮮の軍事挑発に対する共同対応と、中韓通貨スワップ協定など、中国の協力が必要な懸案が多い点を考慮したものと思われる。
去る6日、ジュネーブで開かれたWTOのサービス貿易理事会に出席した政府代表団は、韓国企業を対象とした、中国の流通・観光分野制裁措置を指摘しなかった。
先に産業通商資源部は先月13日、第13回韓中通商点検TF会議で、10月のサービス貿易理事会で中国のTHAAD報復撤回を促すことにしたと発表した。
サービス貿易理事会での問題提起は、公式提訴ではないためにWTO調査など、強力なフォローアップはできないが国際舞台においてTHAAD報復問題を継続取り上げることが、中国の負担となりえるためだ。

しかし、産業部の発表翌日、大統領府が「今は北朝鮮の核とミサイル挑発などで中国との協力を維持していくことが非常に重要な時点」とWTO提訴に否定的な立場を明らかにした。
部は、韓半島の安保状況と中国の敏感な政治状況などを考慮したことが分かった。
先にキム・ヒョンジョン通商交渉本部長は、中国最高指導部の改編が行われる18日の第19回共産党全国代表大会まで、中国も強硬に対応するしかないだろうと述べた。
満期を控えた中韓通貨スワップ協定を延長するための両国の交渉が進行中であることも考慮したことも明らかになった。
サービス貿易理事会で再びTHAAD報復撤回を要求しても、中国を刺激するだけでなんら効果がない可能性も念頭に置いたものとみられる。

部は今年3月と6月にそれぞれ開催されたサービス貿易理事会で、中国の旅行代理店の「韓国の団体観光商品販売禁止」と事業活動に困難を経験する販売代理店の事例などを取り上げながら、中国が関連WTO規定を遵守しなければならないと指摘しした。
しかし、中国はむしろそのような措置をした証拠がないと反発した状況は改善されなかった。
(引用ここまで)

 WTOの場で中国によるTHAAD配備への圧力を公にすることで、中国に対して圧力をかけていくことが韓国の基本戦略だったのですね。
 「中国はこのように韓国に対して不当な圧力を加えている!」と明らかにしていくことで、WTOに本提訴までできなくとも対抗していこうということで、これまで2回ほどWTOのサービス貿易理事会で取り上げたことがあったのです。
 ですが、WTOサービス貿易理事会は10月6日。
 中韓通貨スワップ協定が満期を迎えるのは10月10日。

 WTOの理事会で韓国は中国に対してなにも言えなかったそうですよ。
 韓国メディアは通貨スワップ協定関連の記事で、枕詞のように「中韓通貨スワップ協定は両国にとって利点がある」と書いたてていて、かつ政府筋関係者も同じようなセリフを何度も吐いてきています。
 ですが、韓国政府が本来であれば大声を上げなければならなかったWTOでは終始だんまり。
 中韓通貨スワップ協定というものはどちらの国に利があり、本当に必要としているのはどちらなのかということがこういった部分から分かってきてしまいますね。
 英語に“Actions speak louder than words.”=「言葉よりも行動こそが雄弁だ」ということわざがあるのですが。
 まさにそのまんまですね。

すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法
菅原洋平
文響社
2016/7/27

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