ものつくる日記

使いやすくておしゃれなデザインの漆器「楽膳-RAKUZEN」デザイナーの日記。開発のエピソードや漆器の豆知識など。日々思うことを書かせていただきます。

割れるうつわのせつなさ

こんにちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。

漆器とか、木のうつわの良さはなんですか?と聞かれると
定番の台詞みたいに答えていた「落としても割れにくい」。
昨日しみじみ実感しまして。



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10年近く前に、友人の結婚式で初めて訪れた沖縄で買ったお皿。
沖縄の海みたいな色に一目惚れして買ったお皿は地元の作家さんの作品だそうで
旅の思い出とそこでしか買えないお皿という付加価値で
高価なものではなかったけれど、とても気に入っていたお皿。

それがふっと手が滑って床に落ちて
一瞬で割れてしまいました。かなしい…
一秒前に戻りたい。

金継ぎで直せるんだろうけど相当バラバラになってしまったので
修理費用で同じお皿が何枚も買えそう。
思い出はあるけど想定以上の出費は痛い。
やむなくこのお皿とはお別れしました。

話がそれますが、先日やっと金継ぎ修理が終わったコーヒーカップ。

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ARABIA社の名作「Ego」
今では廃盤と知ってショックだったこのカップも
金継ぎして復活!
修理前よりかっこいいくらいです。
(金継ぎについては過去のブログ記事をごらんください

漆器や木製のうつわって
“電子レンジ・食洗機NG”
“水につけたままNG”などなど
陶磁器に比べて扱いが面倒だと思われることが多いけど
直火にかけるとか、相当に間違った扱い方をしなければ
一瞬で壊れて、愛着のあるうつわと突然お別れすることはない。

木のうつわだって落ちどころが悪ければ割れますが
粉々に割れることはないので、修理がしやすいのです。

これはものすごく価値のあることだなーと思ったのでした。

お読みいただきありがとうございました。
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別注カラー「BLACK URUSHI」

こんにちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。

10/19〜11/4に東京ミッドタウンで開催中のデザインイベント
「DESIGN TOUCH」にあわせてデビューした
デニムなうるし」の別注カラー「BLACK URUSHI」。
ライフスタイルショップ「STYLE MEETS PEOPLE」さんとのコラボ商品です。

ショップさんの要望に応えるべく、職人さんと試作に悩みまくったのを経て
半年がかりでようやく店頭に並びました。うれしい!

SMPさんは取扱い商品の大半が黒。
ひとことに黒といっても漆器の艶やかな漆黒、陶器のざらりとした黒、
レザーの張りのある黒などなど、素材によってまったく表情が違う。
黒で統一することで素材感やフォルムなど商品が本来持つ魅力が際立つのですね。

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ブラックデニムをイメージした2色を制作させていただきました。

●ブリーチデニム風
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●ノンウォッシュデニム風
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ブリーチデニム風
黒漆と白漆の拭き漆でデニムの色落ちを表現。
ブリーチ風の模様はすべて1点もの。

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ノンウォッシュデニム風
グレー漆→黒漆の順に漆を塗った上に煤玉を蒔いて
鉄瓶のようなざらっとマットな質感に仕上げました。
*煤玉:土を焼いた粉。漆に蒔くとマットな質感になります。

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使い始めはほぼ黒一色の器ですが
使い込んでいくうちに器のフチの黒漆が剥げて
下層のグレー漆が現れてきます。
デニムが色落ちして風合いが増すのと同じ楽しみ方ができるんですよ。
*↓納品時はほんの少しだけグレーを出しています。

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・・・これは我ながら画期的な漆器だと思っておりまして。
経年変化で器表面にキズがついても下層のグレーが現れる=
キズが付いたからこそ器に表情が増す=
キズがつくのを怖がらずに漆器を使えるということ。

ブリーチデニム風に比べると
お値段の割に見た目が地味だと思われるかもしれませんが
ノンウォッシュ風の方が何十年も愛用していただける仕様になっています。
使う人のクセで色落ちする場所も違ってきますから
まさに“自分だけの器を育てる”ことができるんです。

DESIGN TOUCH終了後も
SMPさん店頭で常時ご覧いただけますので
お手にとってその手触り、色、質感を感じてもらえたら、うれしいです。

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【お取扱い店舗】
店名 STYLE MEETS PEOPLE
住所 東京都港区赤坂9丁目7-4 東京ミッドタウンGalleria 3F
TEL 03-5413-3705
WEB http://www.stylemeetspeople.com
*商品についてはショップさんへ直接お問い合わせくださいませ。

ご覧いただきありがとうございました。
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ロゴづくりー作り手の想いを形に

こんにちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。
先日ロゴと甘酒ラベルのデザインをさせていただきました。

クライアントは「和醸」岩本園さん。
看板商品「和醸あまざけ」とRAKUZENのらく杯を一緒に撮影してみました☆

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ロゴ制作前にブランドのコンセプトをお聞きして感じたのが
この和醸さん、自然農業へのこだわりがスゴイ。
40年以上放置されてきた耕作放棄地を開墾して
無肥料・無農薬で水・土・太陽の力だけでお米や穀物を栽培し
室町時代から続く伝統製法で甘酒を作られています。

しかもこれらの仕事を代表の岩本さんお一人でやられています!

これだけ聞くとストイックで気難しい人に思われるかもしれませんが
岩本さんは気さくなイケメン、ナイスガイです。
和醸というブランド名にこめた想いをお聞きしてさらにそう思いました。

「和醸良酒」(わじょうりょうしゅ)ー和をもって醸す
酒造りの基本とされる言葉です。
良い酒を作るには蔵人同士の和が欠かせないという意味。
和醸さんの「和」は、人と人はもちろん
動植物との良好な関係も大切にされていらっしゃる。

たとえば、穀物を栽培していると「鳥害」に悩まされるものですが
鳥よけをせずに鳥と穀物をシェアしながら栽培しているそうです。

そして安心安全な農から生まれる食は人の健康に直結します。
医食農同源をモットーに、健康でハッピーな人生を届けたいと
日々農業に精を出していらっしゃる。
熱いですね。

そんな和醸さん「らしさ」を表現しようと作ったロゴがこちら★

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らしさのキーワードは「共存」「いのち」「つなぐ」と設定。
米は和食の代名詞で、自然と共存する考え方は実に日本的。
こだわり農業なぶん、商品は安くないから上質感を忘れずに。

日本的、なおかつ「つなぐ」イメージを表現する
ということで、モチーフは水引になりました。

(赤と黒でRAKUZENロゴにそっくりな色使いは和醸さんのご希望によるもの。
気に入っていただけてありがたいですね〜)

★ロゴ要素を分解★


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ロゴ作りを通じて事業に取り組んでいらっしゃる
事業主さんの考えをお聞きできたり
未知の領域の勉強ができるのは
(和食はアスペルギルスオリゼという麹菌で出来ていることを知れました!)
デザインというお仕事の醍醐味です。

和醸さんのあまざけはウェブサイトから購入可能です。
ウェブサイトはこちら

RAKUZENではデザインの依頼も承っております。
お気軽にお問い合わせください。
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ご覧いただきありがとうございました。

桃専用☆ギフトボックスできました(後編)

こんにちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。
前回に引き続き
桃のギフトボックスと桃の話です。

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福島県は桃の生産量全国2位の桃の産地です。
盆地気候の福島市、伊達市を中心に栽培されていて
皇室にも献上されるほど甘くて高品質の桃が育ちます。

箱に印刷されている文章は、福島桃の紹介文。

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桃産地で暮らす人のあるある=桃はもらうもの。
そして各人に固さの好みがあって
固い桃派と柔らかい桃派がいます。
もらう桃というのは
たいてい農家さんからの採れたてでリンゴみたいに固い。
スーパーで売られてる桃は収穫から時間が経ってるのでやわやわ。

固い桃を知らない人と話すと
固い桃=甘くないと思われがちですが
しっかり太陽を浴びて熟してから収穫するので、甘いんです。
固い桃の香りはフレッシュでさわやかな甘さ。
柔らかくなるにつれて濃密な甘さの
みんながイメージする桃の香りに変わります。

鮮度ばつぐんの産直桃だから固いんだよ。
桃は数日で柔らかくなるから
固い桃=ぜいたくなんだよ。


県外の人たちに固い桃の魅力が伝わったらいいなと
固い桃派のおおたけは願っています。

箱の側面にはハート型の穴が空いています。

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湿気を箱の外に逃がす空気穴の役割と
柔らかく完熟した桃の甘い香りが穴からふわりと漂ってくるしかけ。
桃の香り成分「クマリン」には幸せな気持ちにしてくれる
リラックス効果があるそうですよ。

桃の向きが上下逆向きじゃない!?
と思う方がいらっしゃるかもしれませんね。
桃太郎のイメージで桃=逆さハートが浸透してますが
木になっているときの桃はこの向き(ハート)なんですよ。

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8月!桃が美味しい季節ですねー
ご覧いただきありがとうございました。

桃のギフトボックスと福咲和紙は、三和紙店さんで販売されています。
気になった方はぜひ!
三和紙店さんのウェブサイトはこちら

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桃専用☆ギフトボックスできました(前編)

こんにちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。
ご覧いただきありがとうございます。

最近デザインさせていただいた、桃専用ギフト箱のご紹介です!

「ケーキ箱みたいな桃のギフトボックスを作りたい」
とご依頼をくださったのは福島市の「三和紙店」さん。
三和紙店さんが自社開発された「福咲和紙」
なんと桃の枝を材料に生まれた和紙です!(特許申請中)

フルーツのギフト箱にはおしゃれなデザインがほとんどない。
贈答用桃なら1個500円もしたりとか
有名パティシエ作のケーキと変わらないお値段なのに
パッケージはなおざりにされがちという現実。

福咲和紙でおしゃれな桃専用の箱を作りたいということで
三和紙店さんと一緒に作った箱がこちら。

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ケーキを贈るように、福島の甘い桃をどうぞ。
ちょっとした手土産に、かしこまりすぎず
「ありがとう」「おつかれさま」
ほんの気持ちを伝えるギフトにケーキもいいけど
桃を選ぶのもアリだよねと思ってもらえたら最高。
食べきれるように桃が2個(小玉は3個)だけ入る大きさです。

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「福咲和紙」には福島の農業を応援したい!
という熱い思いが込められています。


福咲和紙プロジェクトのリーダー・小野さんは
もともと福島の果樹産業に関わるお仕事をされていたのが
ご実家の家業を継がれて紙の仕事に就かれたそうです。

震災・原発事故後から7年が経った今でも
風評被害で苦しい状況が続く福島の農業。
福島の農作物を食べるのに抵抗があっても
福島を応援したいと思っている人はきっとたくさんいるはず。
直接口に入る農作物でなく紙にすれば
広く手にとってもらえるのではと考えて
桃の剪定枝から和紙を作ったそうです。

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桃の枝を混ぜ込んだ紙は着色していないのに
ほんのり桃色で、やさしい風合いです。
手漉きと機械漉きの2種類があります。
桃のギフト箱は機械漉き和紙で作られています。
(写真のピンク色のは着色あり、ベージュ色のが無着色)

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桃のギフトボックスと福咲和紙は、三和紙店さんで販売されています。
中身も、箱も「桃づくし」な箱
気になった方はぜひ三和紙店さんへお問い合わせを!
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ご覧いただきありがとうございました。
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漆塗りを習う・23回目

こんにんちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。
ご覧いただきありがとうございます。

今回でついに金継ぎが終わります!
なかなか習いに行けなかったせいで1年半くらいかかりました...長かった。

 半乾きにした赤漆に金を蒔く(乾口を取る)

化粧筆に金(消粉)をとって赤漆に乗せていきます。
コツは
赤漆にいきなり金を乗せるのでなく
まず漆の横に金を置いて→筆をすっと動かす
のだそう。
筆を動かすときに力を入れると漆がヨレてしまうので
力は入れず、すっと筆を滑らせるのもポイント。


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 何度か金を重ね塗り

金を蒔いた箇所は、漆が金を吸ってすぐに赤色が透けてきます。
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赤色が透けてきたら金を重ね塗りします。
金を蒔いた日のうちに時間を空けて何回か繰り返します。
この時は室に入れる前に3回くらい重ね塗りして
その後、室に入れてからも数時間置きに2〜3回、金を重ね塗りしました。

↓室に入れる前、3回くらい金を重ねた状態です
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 金継ぎ完成!そして残念な例も...

室で完成させて、ついに金継ぎ修理が終わりました!

前回の日記で
「乾口を取る赤漆はオーバーめに塗るのがコツ」と書かせていただきました。

こちらのカップ、金の周りに赤漆が見えていますね。
乾口の下の層の赤漆がはみ出てしまったのでした...

外側だけでなく
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内側もはみ出ている...
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赤漆がはみ出た場所だけにもう一回
乾口を取り→金を蒔くと、いかにもやり直したのが判って
さらに残念な見た目になってしまうと職人さんに言われたので
これはデザインなんだと自分に言い聞かせて良しとしました。

金継ぎ修理を終えた器たち。
また現役に復帰です!
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金継ぎしたカップでコーヒータイム。
感無量ですねー
直す前より思い入れが深くなって
これからも大事に使っていこう!と思いました
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金継ぎの先生をしてくださった「一心堂」さんは
金継ぎ教室、金継修理をやっていらっしゃいます。

わたしも直してみたい!直してほしい!という方はぜひ。
一心堂さんのウェブサイトはこちら

ご覧いただきありがとうございました^ ^
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漆塗りを習う・22回目

こんにんちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。
ご覧いただきありがとうございます。

「漆塗りを習う」シリーズ、「金継ぎ」もあと2回となりました!
金を蒔く一歩手前まで進みましたよ。

今回は
下地の赤漆を研いで、さらに赤漆を重ねて乾口(ひくち)を取る
です。

下地の赤漆を研ぐ
前回塗った赤漆を#1000の耐水ペーパーで水研ぎします。
表面の凸凹を平らにするためです。

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器の素地が見えてしまってヤバイ?と思ったけど、大丈夫でした!
欠けの修理をした箇所は凹んでいる=赤漆が残るので
研いで素地が見えた場所の漆=余分な漆となるそうです。

赤漆を塗る・2回目

研いだところに赤漆を重ねて塗ります。
細かい作業なので蒔絵筆を使います。

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コツは薄く塗ること。
厚塗りすると乾燥中に漆がヨレてしまいます。
でも、いちど失敗してみないと厚いのかちょうどいいのか、判らないんですよね。

もうひとつのすごく大切なコツ。
下の赤漆が完全に隠れるように塗ること!
下の赤漆よりもはみ出るくらいでいいみたいです。
後にこれがとっても大切だと実感することになったのでした...

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塗りたての漆のツヤツヤ感が好きです。

20分ほど乾かし→乾口を取る

● 乾口(ひくち)を取るとは
漆が半乾きの時に粉(金、銀など)をふりかけて漆と密着させることをいいます。

20分ほど室に入れておくと先ほどの赤漆が半乾きになって
触るとぺたぺたした感じになります。
これが乾口が取れたサイン。
職人さんは素手で触って確かめていらっしゃいますが
真似をするとかぶれる方が大半だと思われます。

乾口が取れたら、いよいよ金を蒔きます。
これが金粉。

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粒子が細い「消粉」とそれよりも粒子が大きい「丸粉」があるそうです。
消粉は蒔いたら完成、つや消しの仕上がり、
丸粉は蒔いた後にさらに研いでピカピカの仕上がりにできるそう。
使ったのは消粉です。

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金って、産地によって色が違うらしいです。
左右の金粉、どちらも消粉なのに微妙に色味が違いますねー。

長くなってしまうので、金を蒔くのは次回の日記に。
いよいよ金継ぎのクライマックスです!


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木地師さんの豆知識受け売り

こんにちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。

今回も少々マニアな内容。
前回の日記でご紹介した木地職人さんは木が大好き。
そこでお聞きしたトチ材にまつわるお話です。

RAKUZENの商品の多くはトチ材を材料にしています。
トチ材は、白い木目が美しい、中くらいの硬さで加工のしやすい材。
ここまではわたしも知っていました。

ここからが初耳だった、職人さんのお話。

辺材のほうが高価な木材はトチだけ
心材は死んだ細胞


〈辺材のほうが高価な木材はトチだけ〉

一般的には心材が高級な木材とされますが
トチには心材がほとんどないそうです。

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乾燥中のトチ材。
ほんとだ!赤い部分がないですねー

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さっきの木材、近寄ってよーく見ると
木材の中心にほんの少しだけ赤っぽい部分があります。
赤丸で囲った場所が心材で「偽心」というそうです。
偽心は木材はおろか薪にもパルプや木炭にもできない、利用価値のない材だそう。

心材がほとんどないんだから、辺材に価値があるのは当然ですね。
でも、どうしてトチは心材がほとんどないんだろう?
次に木地師さんにお会いした時に聞いてみよう。

〈心材は死んだ細胞〉

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トチ以外の木材。
丸太の真ん中、赤いところが心材、外側の白いところが辺材です。

心材は硬くて反りにくいから辺材よりも珍重されるのは知っていました。
でもどうして硬いのか、考えたことはありませんでした。

木の表皮側の細胞がいちばん若くて、毎年外側に若い細胞ができていく
すると、内側の古い細胞はやがて死んでいくそうです。
死んだ細胞は硬く、赤い色に変わり、心材になります。

しかも!死んだ細胞は虫が嫌いな匂いを出して
木が虫に食い荒らされるのを防いでくれるそうです。
ヒノキの香りに防虫効果があるのはこのためなんですねー

1本の木のなかに生きた細胞、死んだ細胞が共存していて
死んでからも木全体を守っている。
1本の木のなかに宇宙を感じるお話でした。
自然ってすごいなー。

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会津塗を支える鈴木式ろくろ!

こんにちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。

今日は少々マニア向けな内容。
これを楽しく読んでくれる方とは仲良くなれそうな気がします。

「鈴木式ろくろ」をご存知でしょうか?
会津で漆器産業に関わっていない方で
知っている方はマニアな部類だと思われます。

先日、RAKUZENの木地職人・長谷川利之さんの工房におじゃましてきました。
そこで聞いてきたお話が、鈴木式ろくろ。

会津の漆器産業は戊辰戦争の敗戦で一旦ぺしゃんこになって
その後、明治時代に発明された鈴木式ろくろによって再び一大産地になりました。

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図面です。特許制度って明治時代からあったのですね。
会津人の鈴木治三郎さんが発明したから鈴木式ろくろ。

画期的だったのが「スリ型」を使って器を挽くという点。
スリ型というのは刃物で木地を挽く際のガイドのようなもの。
それまで1点ずつ職人の感覚で木地を挽いていたのが
スリ型があることで同じ形の器を短時間で
大量に作れるようになったというわけです。

量産化が叶った当時は
量産したものの方が高額で売れたのだそうです。
それまでは1点ずつバラバラな形・大きさだったので
一定の品質で供給できることが価値になったのだそう。
今の感覚とは全然違いますね。おもしろい。

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赤く丸で囲ったところがスリ型。

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工房の壁にはスリ型がたくさん掛けてあります。
器ごとにそれぞれ専用のスリ型があるそうです。

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これは器のサンプル。かなり無造作に積まれています笑

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楽膳椀もちゃんとありました!
右側のがサンプル
左のは底部にカットを入れた、作りかけ状態の木地です。

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実際に木地を挽いているところ。
この日は杯を作っていらっしゃいました。
挽いていたのは80歳の職人さん!
赤丸のところがスリ型です。

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長谷川さんの工房は天井に巡らされたベルトが動力になっています。
年代物で、今ではとても珍しいものなんですって。
壊れても修理を頼める業者がいないらしいです。

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アップ。
工房の中はいつもベルトが動く音が響いていてなんともカッコイイ。

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大公開!デニムなうるしができるまで

こんにちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。
ご覧いただきありがとうございます。

ツヤツヤぴかぴかの漆器、キレイなまま使いたいな。
キズが付いたらがっかり、キズをつけそうで怖くて使えない...
漆器って美しいな使ってみたいな、でも...↑やっぱりやーめたという方にこそ
使ってほしいRAKUZENの「デニムなうるし

漆器を長年使ううちにキズが付いたり
塗装が剥げてきたりするのは仕方のないこと。
それでもやっぱり、キズが増えたらがっかりするもの。
キズや剥げが漆器の味になるように
キズが増えたらむしろ愛着が増すのが「デニムなうるし」!

今日はそんな
★「デニムなうるし」の作り方を大公開します!★
キズ=味の理由がここに!

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下地の状態。
昔ながらの下地の技法で「布着せ」といいます。
木の器に綿や麻の布を貼ることで強度がアップします。
この布の質感をいかして色落ちデニムの風合いを出しています。

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濃淡の異なる3色の青漆を3層に塗り重ねて作ります。
明るいブルーがいちばん下の層、暗いブルーがいちばん上の層になります。

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こちらはいちばん上の層、暗いブルー。
乾く前は空色で明るいですが、乾くと藍色になります。

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いちばん上の層=暗いブルーの上に
ある粉を蒔いてマットな、深い色合いにします。←企業秘密
マットな質感にすることで多少のキズなら目立たない漆器になります。

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イメージはこんな感じ。
色落ちしていないインディゴデニム。

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粉を蒔いた器を研ぐと、下の層のブルーが出てきます。
左が布着せをしてある箇所、右が布着せなしの場所(椀の側面)のイメージです。

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ブルーの濃淡が出るように研ぐとデニム風の漆器になります!
手作業なので1点ずつ濃淡の風合いが異なります。
履き込むうちにデニムが色落ちしたイメージ。

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10年20年と長く使っていくうちに
★キズが付いた→下の層のブルーが出てくる→キズが新しい模様に
★縁など擦れやすい場所→下の層のブルーがだんだんと出てきます

デニムの色落ちと同じく、使う人のクセでブルーの出かたは変わるから
使うほど表情が変わって愛着が増していきます。

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以上の制作工程を見て、お気づきでしょうか。
昔ながらの技と材料だけで作られているんです。
(青い漆は合成塗料じゃありません、漆に青い顔料を混ぜたものです)
漆器作りの伝統技術や素材を今の空気に合わせてデザインした漆器。
いいモノを長く大切に使いたい、そんなあなたにぜひ使っていただきたい漆器です。

デニムなうるし
red
blue
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