ものつくる日記

使いやすくておしゃれなデザインの漆器「楽膳-RAKUZEN」デザイナーの日記。開発のエピソードや漆器の豆知識など。日々思うことを書かせていただきます。

漆塗りを習う・20回目

金継の作業、ようやく新しい工程に入りました。
先月までで錆埋めした箇所のやすりがけは終了して
本日は「中塗り」の工程をしました。

キズに錆を入れて穴埋めした上に黒漆を塗り重ねる作業です。
錆を磨いて表面を平らにしてはいるのですが
実は表面には目視できない細かな凸凹があるのだそう。
黒漆を塗って乾かすと、この凸凹がはっきり見えてくるのだそうです。

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錆研ぎを終えた修理品たち。
器の縁のところどころにグレーっぽい色が見えますね。
これが錆埋めした箇所。
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細かい作業なので、蒔絵筆で黒漆を塗ります。
本来、漆は陶器やガラスなどツルツルした面には塗れない塗料。
なので、今回はガラスに使える特別な漆を使っています。
錆からはみ出さないように、少し厚めに漆を塗ります。
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こちらは修理中の、持ち手が折れたコーヒーカップ。
黒い線が本日漆を塗った箇所です。

今日はここまででした。

楽膳椀でお食事できます!「One's homeーおにぎり&カフェー」

楽膳椀でお食事ができるお店
「One's homeーおにぎり&カフェ」さんに行ってきました。
RAKUZENは会津漆器のブランドなのに
これまで会津でのお取扱いはなかったんです。
記念すべき地元第1号のお客様!

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場所は会津若松観光で定番の七日町通りにあります。
赤い屋根に白い壁のレトロな外観です。
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こちらのお店は自然栽培の会津の玄米で作るおにぎり専門店。
おにぎりはテイクアウトと店内カフェでのイートインどちらもできます。
イートインのランチセットをオーダーしました。
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お味噌汁の器が楽膳椀
ウレタンでなく総漆タイプ(Huki-Hana)を使ってくださってるところに
会津人としてのこだわりを感じて、とてもうれしい。

玄米のプチプチ食感と絶妙な塩加減がとても美味しいおにぎりでした!
「会津山塩塩むすび」と「南高梅のみかん蜂蜜漬け」おにぎりをいただきました。

お野菜も会津の農家さんが育てたお野菜がほとんどだそうです。
野菜に付けてくださいと添えられてた麹ディップが
たまらなく美味しかったので帰りに併設のショップで買って帰りました。

こちらはカフェ併設のショップです。
楽膳椀も売られておりますよ!
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先ほどの麹ディップなど、お店で使われていると思われる
こだわりの食材が販売されていました。
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美味しいお米とお野菜が堪能できます。
お味も量もヘルシーさも、女性におすすめしたいお店です。
会津観光の際にはぜひ!

One's homeーおにぎり&カフェー
〒965-0044 福島県会津若松市七日町6-11
営業時間 10:00〜18:00(毎週火曜、第一水曜定休)
tel 0242-36-7135
契約駐車場はお店から少し離れた場所に2台分あります

生産者の思いを伝えるデザイン

「果物の宝石箱」という六次化商品詰合せギフトの
デザインをさせていただきました。

今週末、9/23-24に福島市の「ふくしまスカイパーク」で開催のイベント
「スーパースカイアグリ2017」で特別観覧席(2,000円)をご購入のお客様
1000名限定で福島のお土産として配られます。
航空公園「ふくしまスカイパーク」は
エアレース世界チャンピオンの室屋選手が本拠地としている場所。
なので、このイベントにも県外から多くのスカイスポーツファンが訪れます。

イベントの詳細はこちらをご覧ください。

なぜ来場者にフルーツのギフトを配るのかというと
イベント主催者”ふくしま飛行協会”さんの復興への想いがあってのことでした。

福島市はフルーツ栽培に適した盆地気候で「フルーツ王国」と呼ばれてきました。
それが2011年の震災と原発事故によって
福島の農家さんはとても厳しい状況に追いやられました。
震災から7年経ち、震災の記憶は風化しつつあります。
放射能についての正確な情報が伝わらないまま
福島の農作物のよくないイメージだけが今も依然として残っているのが現状です。

県外から多くの人が訪れるイベントを使って
福島市が誇るフルーツの良さを知ってほしい
福島のよくないイメージを払拭するチャンスにしたい
と企画されたのが「果物の宝石箱」です。

(補足)
詰合せギフトは非売品ですが、使われている六次化商品の
ジュースとドライフルーツはJAふくしま未来さんのオリジナル商品。
福島のJA直売所などでお買い求めいただけます。
ドライフルーツは濃厚なお味で特におすすめ。美味しいです。

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デザインをするにあたって大切にしたのは
見た目をおしゃれにすることよりも、農家さん、飛行協会さんたち
作り手の想いを伝えるパッケージにすることでした。

”生産者の農業にかける想い=宝石”としました。
素朴で、まっすぐに、震災後も実直に農業に向き合ってきた人たちの想い。
彼らの想いが詰まったギフトが「宝石箱」です。
だからジュエリーのキラキラしたイメージでなく、農家っぽさを大切に
農家直送のフルーツという雰囲気にするため木箱を採用。
農家といえば”首から掛けた手ぬぐいのイメージ”だからてぬぐいも一緒に。

てぬぐいは「しおり」の役割です。
福島市のフルーツはどうして美味しいのか、そして
震災後の安全への取り組みなど
県外の人に知ってほしいことをてぬぐいにプリントしました。
キッチンなど、自宅でてぬぐいを使う度に
福島のことを思い出してほしいなと、思っております。
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地元のためにたいしたことはできないけれど
自分自身の仕事、デザインで関われたことで
福島のイメージが良くなったり
福島のフルーツを買おうと思う人が増える助けになれば、とてもうれしいです。

毎日の食事ってたいせつ

「マイニチ・ニコ」という
毎日新聞のフリーペーパー8月号に楽膳椀を掲載していただきました。
取材してくださった方が
「年を取ると外出が億劫になるから、高齢の方にとって
日々の食事は1日の中で楽しい、大切な時間だと思う」
とご自身のご高齢のご家族を思い浮かべながら
話されていたのが印象的でした。
加えて「楽膳椀はその手助けをしてくれるから取材したいと思った」
というようなことも。
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多くの人にとって食事の時間はいいものです。
年を取ったり、障害があったりして
身体の自由に制限がある人にとってはなおさら大切な時間なんですね。
美味しいものを食べるのはもちろん、家族や友人との会話だったり
季節の移り変わりや流行を感じる機会で、家の外の世界との接点でもある。

楽膳椀のいいところは
昔ながらの糸底があるお茶碗を持つのと同じ仕草で
少ない力でらくちんに持てるところ。
和食の所作を守りながら
しかも、漆塗りの贅沢な質感を感じながら食事ができるところ。
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楽に持てるからとか、丈夫だからといって
樹脂製だったり、マグカップみたいな大きい持ち手が付いた器で
お味噌汁を食べたくはないと思うんです。
取材してくれた方のコメントはこの良さを見てくれたからなんだろうな
と思ってうれしくなりました。
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RAKUZENオンラインショップはこちら

うるしをもっと身近に

夏のごちそう、採れたての夏野菜。
手をかけすぎない調理法は素材の美味しさがダイレクトに楽しめるので好き。
夏野菜のカンタン料理2種とらく皿(大)で
漆器を普段使いしてみたの回です。

切って並べただけのきゅうりスティック。
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丸いお皿にきゅうりを四角に並べるだけでぐっとおしゃれな雰囲気に。
らく杯はディップソース入れに使いました。
らく杯はぐいのみ以外に小鉢やソース入れにちょうどいいいサイズ。
小さな器っておもてなし感が出ます。

3種の夏野菜の揚げ浸し。
切って、揚げて、めんつゆに浸けたら完成のシンプル料理。
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余白多めに、整列させて盛り付けると高級なお料理のような佇まいに。

漆器の良いところは料理の色が映えて美味しそうに見えること。
野菜とかスイーツとか、鮮やかな食材は特に映えますよ。

漆器って
和な雰囲気でなければいけないとか
お祝い事の席で使うものだとか
扱いが難しいとか
普段使いし難いイメージが強いですが、そんなことないです。

今回のお料理は和食だけど、らく皿に合わせたテーブルクロスは海外のもの。
盛り付けたお料理はとてもカンタンなものだけど、それで良いと思います。

手抜き料理だって、買ってきたお惣菜だって
漆のお皿に盛り付けただけで
とっても素敵なお料理に見えてしまうマジック。
そしたらお料理が美味しく感じるし、食事の時間も楽しくなる。
日常にちょっとした贅沢を感じられる
これが漆のうつわの良さなんじゃないでしょうか。

扱いも難しくないですよ。
電子レンジと食洗機が使えないからって、難しいことはありませんよね。
他の食器と同じく食器用洗剤で手洗いすればいいんです。
熱い料理、冷たい料理、油もの、酢の物、アルコール、なんでもOK。
木だから落としても割れにくい分
ガラスや陶磁器よりも神経質にならずに済むともいえます。

お家に眠っている漆器、普段使いしてみてはいかがでしょうか。

RAKUZENウェブサイトに漆器の取扱方法をまとめたページがございます。
ご参考にどうぞ

漆塗りを習う・19回目

1ヶ月半ぶりに漆を習いに行ってきました。
前回は6月だったのがもう8月、夏です。
盆地気候の福島は湿気がムンムンとまとわりつく、嫌〜な時期です。

「漆器の乾燥には湿度と温度が必要」
だから夏は漆芸に良い時期かと思っていました。
...違うそうです。湿気がありすぎても作品づくりの支障になるらしい。
自然の素材というのは難しいですねー

湿度が高いと漆が早く乾きすぎてしまうそうです。
乾くのが早すぎると
乾く時に漆が縮んでしまって、シワシワに乾いてしまったり
茶色が強く発色しすぎて、色漆がくすんだ色に仕上がってしまったり
するそうです。

中塗り、上塗りにベストな時期は温度・湿度ともにほどほどな春と秋だそうです。
*拭き漆とか下地作りには、早く乾く夏が適しているそう

前回の続き。金継の続きです。

余計な錆を削って→研いで表面をつるつるにして
→必要ならまた錆を塗り重ねて→室で乾燥
という前回とほぼ同じ作業をしました。

こちらは大きい欠けを刻苧(こくそ)で埋めたカップの作業の様子。
*刻苧:漆糊と木粉で作った穴埋めパテのようなもの
前回は刻苧を接着剤で固定しました。
陶器の表面と刻苧の接着面が平らになるように彫刻刀で削り、その後
紙やすりで滑らかに整えます。
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おおよそを彫刻刀で削ってしまうと、その後のやすりがけ作業が楽です。
錆の余分な箇所も同様に彫刻刀で削り、その後耐水ペーパーで水研ぎします。
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やすりがけ終了。
刻苧と陶器にまだ少し隙間があるので、今度は錆で穴埋めします。
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錆付け終了→室で乾かします。
夏はやっぱり乾くのが早く、塗ってるそばから色が黒く変色していきました。
漆は乾くと色がこげ茶色に変色します。
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同じ作業ばかりだったので割愛しましたが
錆での傷埋めが終わって、次回は新しい作業に入れる器もようやく出てきました!

今回はここまででした。

夏期休業と8月の臨時休業日のお知らせ

〈夏期休業と8月の臨時休業日のお知らせ〉
いつもRAKUZENをご愛顧いただきどうもありがとうございます。
誠に勝手ながら下記日程は配送等の業務を全て休止させていただきます。

配送休止期間
 2017年8月11日(金)〜 16日(水)
 2017年8月29日(火)〜30日(水)


・8/10(木)AMまでにご注文で支払方法を
「代金引換」または「PayPal」をご選択のお客様は
 8/10(木)PM発送とさせていただきます。

・8/10(木)までにご注文で支払方法を「銀行振込」をご選択のお客様及び
 8/10(木)PM以降にご注文のお客様は
 8/17(木)以降に順次対応させていただきます。

・「RAKUZEN」オンラインショップの在庫は実店舗の在庫も兼ねております。
 そのため実店舗で売切となった場合、ウェブサイト在庫に反映されるまでの
 タイムラグが生じます。在庫切れの際は何卒ご了承ください。

・お盆期間中は交通渋滞等の事情で
 宅急便の配達に遅延が生じることがございます。何卒ご了承くださいませ。

おじいちゃん職人・石本さん

RAKUZENに新しい塗職人さんが加わってくださいました。
石本公雄さん、なんと御齢89歳のおじいちゃん職人さんです。
らく杯の茶色拭き漆を手がけてくださっています。
会津若松の石本さんの工房をお訪ねしてしてきました。

こちらが石本さんが塗ったらく杯・拭き漆・カラー:茶(生漆)
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こちらが石本さん。
60歳まで郵便局で働き、定年退職後に特例で会津漆器養成所への入学を認められ
職人になったという、異色の経歴を持つ職人さんです。
リタイア後に職人を志した人は会津塗職人のなかで石本さんくらい、なのだそう。
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漆器は職人歴30年ではまだまだベテランとは呼ばれない世界。
89歳でも職人の世界ではひよっこ、なのだそうです。
そのせいか、お人柄か、とても謙虚で穏やかな方。
孫ほど歳の離れたわたしにも敬意をもって丁寧に話してくださる方でした。

石本さんのお父さんが会津塗の木地職人だったそうで
お父さんの工房を改装して漆塗りをされているとのこと。
工房の棚には布着せ(下地の一種)や拭き漆をした木地がびっしり。
石本さんはお椀やお皿に拭き漆をして仕上げたり
「布着せ」という上塗りする前の下地作りをするのか主なお仕事だそうです。
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拭き漆の工程の一部を見せていただきました。
布に生漆を含ませて、木地に刷り込みます。
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次に布で先ほど塗った漆を拭き取り、乾燥させます。
塗った漆が乾くと木地に毛羽立ちがでてざらつくので、やすりがけをします。
その後また生漆を塗る→拭き取る→乾燥→やすりがけ
石本さんはこの作業をいつも8回繰り返すそうです。(一般的には4回くらい)
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90歳を目前にして
「もっと努力して、もっと良いものを作れるようになりたい」
と話されていたのが印象的でした。
うーん、すごい。
自分が89際になったとき同じように
向上心を持って生きていられるかと思うと疑問です。

工房の別棟も見せていただきました。
こちらは布着せをする工房で、職人以外の人を集めて教室もされているそう。
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布着せした木地。この上に漆を塗って商品にしていきます。
このままでも素敵。
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石本さん、工房を見学させていただきどうもありがとうございました!
これからもよろしくお願いいたします!

ヤマト運輸時間帯の指定枠変更のお知らせ

いつもRAKUZENをご利用いただきありがとうございます。
6月19日(月)よりクロネコヤマト宅急便の
配送時間帯の指定枠が変更となります。


《変更点》
1. 「12時-14時」の配達時間の指定枠がなくなります
2. 「20時-21時」がなくなり「19時-21時」の2時間の指定枠が新たに加わります

詳しくはヤマト運輸のウェブサイトをご覧くださいませ。

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お客様にはご迷惑をお掛けいたしますが
何卒よろしくお願い申し上げます。

漆塗りを習う・18回目

修理中のうつわたち。
錆で傷埋めした箇所のやすりがけ→さらに錆で傷埋め
という作業をしました。
「前回との違いが地味すぎてわからない?!」という漆芸の常、
ブログ記事には辛い時期に突入しております。
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刻苧を剥がして、接着剤でくっつける

大きい欠けを刻苧(こくそ)で埋めたカップ、刻苧がばっちり乾きました。
刻苧は粒が粗いので粘着力も弱いそうです。なので...
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乾いた刻苧いったんカップから剥がします。
少し力を入れたらぽろっとキレイに剥がれました。
剥がした箇所に瞬間接着剤を塗って、刻苧を貼り付け→自然乾燥させます。
乾燥後はさらに錆を塗るそうです。
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持ち手の取れたコーヒーカップの続き

漆糊が乾いて持ち手が接着されたコーヒーカップ。
カップ表面に付いた余分な漆糊を取り除きます。
#2000の耐水ペーパーで水研ぎ、接着面以外の漆糊を全て落とします。
このとき力を入れすぎると陶器の表面に傷が付くので注意です。
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漆糊を残らず研ぎ落としました。
まだ金は蒔いてないけど、なんだか金継らしいビジュアル!
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漆糊で接合した箇所、目視ではわからないですが
手で触れると微妙ーーな段差があるのです。
この段差を埋めるため接合箇所に錆を付けます→室で乾燥
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縁がギザギザな片口は刷毛で錆付けしてみる

前回錆を付けた片口の縁、彫刻刀と#800耐水ペーパーを使ってバリを落とします。
陶器表面の凸凹に入ってしまった余分な錆は、彫刻刀を使うとぺりっと剥がれます。
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バリを落としたところ。
ギザギザの箇所が細かくて、どこまでが傷なのか判断しにくい...
これまでの小ヘラだといまいち塗りにくい
ということで
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刷毛で錆を塗ることになりました。
刷毛だと均一に滑らかに塗れるようです。
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縁を全て刷毛で塗ったもの。
前回までよりも錆の表面が滑らかな気がします→室で乾燥
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今日はここまででした。

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