ものつくる日記

使いやすくておしゃれなデザインの漆器「楽膳-RAKUZEN」デザイナーの日記。開発のエピソードや漆器の豆知識など。日々思うことを書かせていただきます。

2018年04月

漆塗りを習う・21回目

こんにんちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。
ご覧いただきありがとうございます。

「漆塗りを習う」シリーズ、前回の更新から半年が過ぎておりました...
さて「金継ぎ」もいよいよ大詰め、もうすぐ金が出てきます!

今日は
金を蒔くための下地=赤漆を入れる作業(1回目)です。

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半年ぶりなので、金継ぎ作業のおさらい。

キズ、欠けた箇所をサビで埋める
サビを研いで平らになめらかにする
キズの深さによってを繰り返す
サビの上に黒漆で中塗り
黒漆を研いで平らになめらかに


金継はサビでキズうめ&研ぐ作業が大半なんですね。
漆器作り同様、地味な作業が大半なのだと知りました。

今日の作業
黒漆の上に赤漆をのせる(1回目)→室で乾燥
赤漆を塗るのは全部で2回行います。
金の下に赤漆を入れる理由は、金の発色が良くなるからだそうです。

器の縁とかに見える黒いところ=黒漆を入れた部分です。

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今回使うのはガラス用の漆。
基本的に漆はガラスや磁器のようなツルツルした面には塗れません。
(ただし専用の下地をすれば塗れます)
ガラス用の漆は下地なしでもガラスや陶器に塗れるというスグレモノ。

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蒔絵筆を使って、黒い部分を隠すように赤漆を塗ります。
黒い部分よりも太くしたり、デザインぽく形を変えて塗ってもOK。
でも厚塗りはダメです。
厚塗りすると、乾かすときに漆が縮んでしまいます。

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縁をぐるっと一周塗り終わりました。
他の器も同じように赤漆を塗って、室で乾かします。

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次回は赤漆を研いで→もう1回赤漆を重ね塗りします。
そのあとがいよいよ最後の工程、金を蒔く作業になります。
もう少し!

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実は便利!青いうつわ

こんにちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。
ご覧いただきありがとうございます。

前回に引き続きデニムなうるしをご紹介します。
今回は「青い器って便利!」というお話です。

青い色は食欲を減退させるっていいますね。
そんなわけで
青漆なんか塗っちゃってご飯がまずそうになるんじゃないの!?
と言われることもしばしば。

でも、思い出してみてください。
和洋問わず青い色の陶磁器って、多くないでしょうか?
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青い器は食べ物の色を鮮やかに引き立たせてくれるんですよ。
青い漆だって同じです。
デニムなうるしにお料理を盛り付けてみました。

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和食も洋食も、カラフルな食材と相性ばっちり。
食欲が減るどころか湧いてきます。

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お酒を注ぐと布目柄のブルーに光が反射してとてもキレイ。
ますますお酒が美味しくなりますねー

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スイーツ×漆器はおすすめの使い方。

アクが強そうに思われがちなペイントデニム風の模様も
お料理を盛り付けてみるとふしぎと違和感がありません。

長年使ううちに変化する風合いがデニムなうるしのいいところ。
使わないで飾っておいても経年変化は楽しめない。
それじゃつまらないから
いろんなお料理と自由に組み合わせて楽しんでみてくださいね。

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一生モノ「デニムなうるし」を育てよう

こんにちは。
RAKUZENデザイナーのおおたけです。
ご覧いただきありがとうございます。

新作「デニムなうるし」を何回かに分けてご紹介。

昔ながらの下地の技法「布着せ」と3種類のブルーの漆を塗り重ねて
使い込んだデニム風に塗り上げた漆器です。
見た目はイマドキ、作り方は職人さんの手塗り、昔ながらの伝統の技です。
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漆器を販売していてお客様によく言われる
「キズが付きそうで怖くて日常使いできない」という言葉。
ー「漆器は意外と丈夫で日常使いできるし、キズもまた味ですよ」
と伝えても、ピカピカのツヤツヤな漆器では、使うのをためらうのも頷けます。
だったら、キズを付加価値にしてしまおう!と考えたのが
この「デニムなうるし」。
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デニムを着たことがない人って、きっとほとんどいない。
デニムにたとえたら漆器の良いところが直感的に伝わる気がしました。
・何年も使い込んで色落ちして、良い風合いになっていく
・ダメージも使い込んだ味わい
・長持ちする
・育てる楽しみがある
ーこんな漆器です。
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見た目がデニムなだけじゃなくて
何十年も使っていくうちに、フチなど擦れやすい箇所の漆がはげ落ちてきます。
表面の暗いブルーの漆の下には明るいブルーの漆が隠れていて
デニムが色落ちするみたいに明るいブルーが少しずつ現れてくるしかけ。
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使う人の癖で色落ちする場所が変わるのもデニムと一緒。
長ーく使ううちに自分だけの器が育っていきます。
(新品購入時は少しだけ色落ち風に仕上げてあります)

良いモノを大切に愛着を持って使う。
ていねいな暮らしの相棒にしてもらえたら、うれしいです。

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