2011年10月21日
破壊性脊椎症
腎臓病や糖尿病の合併症などで腎不全になり、長期透析を受けている人特有の病気で背骨の中でも、主に頚椎に異常が起こります。
〇好発年齢:45〜70歳
〇特徴的な症状:首(うなじ)の痛み、手足のしびれ、麻痺
〇こんな人に多い:血液透析を長く続けている、高齢で透析を受けている
どんな病気?
「血液透析の合併症で、主に頚椎の骨や軟骨が破壊される」
「破壊性脊椎症」は背骨に異常たんぱくが沈着するために骨形成に異常が起こり、骨や軟骨が破壊される病気です。
破壊性脊椎症は「アミロイドーシス」という病気で見られるほか、長期間にわたって血液透析を受けている患者さんに起こることがわかっています。
血液透析が要因となって起こる背骨の病気を総称して「透析性脊椎症」といいます。血液透析が原因となるのは、透析膜を通過できない異常たんぱくが血液中に残り、これが脊椎や椎間板に沈着するためです。
そのため骨代謝に異常が起こって、骨や軟骨が破壊されてしまうのです。
また、透析の患者さんには「腎性骨異栄養症」も多く見られます。骨形成に必要なカルシウムの吸収や骨への定着が悪く、骨粗鬆症の人も多いのです。こうした条件が重なって骨の代謝異常が起こるため、骨や軟骨の破壊が進みやすい傾向があります。
病変は頚椎に発生するケースが圧倒的に多く、腰椎や胸椎はまれです。中でも第4、第5頚椎に多くみられます。
症状のほとんどは首の痛みです。骨が破壊されて頚椎がずれたり、椎間板の破壊で椎体同士がくっついて変形したために、神経根を刺激・圧迫することもあります。この場合は首から腕にかけて痛みが走ったりしびれたりします。 脊髄が圧迫された場合は、麻痺が起こることもあります。
そのほか、後縦靭帯(こうじゅうじんたい)や黄色靭帯に異常たんぱくが沈着して靭帯が厚くなったり、隆起して、脊髄を圧迫することもあります。 この場合も麻痺症状が現れます。
検査&診断
検査ではレントゲン撮影を行い、頚椎の破壊の程度を確認します。しびれや麻痺が起こっている場合は、神経と脊髄の状態を調べるためMRI検査が必要です。
問診で血液透析を受けている人の場合は、この病気を疑いますが、頚椎椎間板ヘルニアなど、ほかの病気との鑑別も重要です。
破壊性脊椎症は、
早期:椎体の縁にわずかな骨の破壊が起こる。この段階ではまだ症状がないことが多く、経過を観察する。
進行期:椎体の広い面に骨の破壊が及ぶ。椎間板の破壊も進み、椎間板腔(椎体と椎体の間)が狭くなる。
末期:骨の破壊が進み、椎間板の消失や椎体のずれが起こってくる。
の3段階に分類されます。末期になると、骨や椎間板の破壊がかなり進行してきますが、神経・脊髄障害がなければ、保存療法で経過を観察します。
ただし、脊髄圧迫症状があるときは、病院でずれた頚椎を整復して徐圧し、金属性の器具などで固定するなどの手術が必要になってきます。
<一言アドバイス>
透析技術の進歩で昔より破壊性脊椎症は起こりにくくなっていますが、長期に(10年以上)血液透析を受けている人は、定期的に頚椎の検査を受けられることをお勧めします。
〇好発年齢:45〜70歳
〇特徴的な症状:首(うなじ)の痛み、手足のしびれ、麻痺
〇こんな人に多い:血液透析を長く続けている、高齢で透析を受けている
どんな病気?
「血液透析の合併症で、主に頚椎の骨や軟骨が破壊される」
「破壊性脊椎症」は背骨に異常たんぱくが沈着するために骨形成に異常が起こり、骨や軟骨が破壊される病気です。
破壊性脊椎症は「アミロイドーシス」という病気で見られるほか、長期間にわたって血液透析を受けている患者さんに起こることがわかっています。
血液透析が要因となって起こる背骨の病気を総称して「透析性脊椎症」といいます。血液透析が原因となるのは、透析膜を通過できない異常たんぱくが血液中に残り、これが脊椎や椎間板に沈着するためです。
そのため骨代謝に異常が起こって、骨や軟骨が破壊されてしまうのです。
また、透析の患者さんには「腎性骨異栄養症」も多く見られます。骨形成に必要なカルシウムの吸収や骨への定着が悪く、骨粗鬆症の人も多いのです。こうした条件が重なって骨の代謝異常が起こるため、骨や軟骨の破壊が進みやすい傾向があります。
病変は頚椎に発生するケースが圧倒的に多く、腰椎や胸椎はまれです。中でも第4、第5頚椎に多くみられます。
症状のほとんどは首の痛みです。骨が破壊されて頚椎がずれたり、椎間板の破壊で椎体同士がくっついて変形したために、神経根を刺激・圧迫することもあります。この場合は首から腕にかけて痛みが走ったりしびれたりします。 脊髄が圧迫された場合は、麻痺が起こることもあります。
そのほか、後縦靭帯(こうじゅうじんたい)や黄色靭帯に異常たんぱくが沈着して靭帯が厚くなったり、隆起して、脊髄を圧迫することもあります。 この場合も麻痺症状が現れます。
検査&診断
検査ではレントゲン撮影を行い、頚椎の破壊の程度を確認します。しびれや麻痺が起こっている場合は、神経と脊髄の状態を調べるためMRI検査が必要です。
問診で血液透析を受けている人の場合は、この病気を疑いますが、頚椎椎間板ヘルニアなど、ほかの病気との鑑別も重要です。
破壊性脊椎症は、
早期:椎体の縁にわずかな骨の破壊が起こる。この段階ではまだ症状がないことが多く、経過を観察する。
進行期:椎体の広い面に骨の破壊が及ぶ。椎間板の破壊も進み、椎間板腔(椎体と椎体の間)が狭くなる。
末期:骨の破壊が進み、椎間板の消失や椎体のずれが起こってくる。
の3段階に分類されます。末期になると、骨や椎間板の破壊がかなり進行してきますが、神経・脊髄障害がなければ、保存療法で経過を観察します。
ただし、脊髄圧迫症状があるときは、病院でずれた頚椎を整復して徐圧し、金属性の器具などで固定するなどの手術が必要になってきます。
<一言アドバイス>
透析技術の進歩で昔より破壊性脊椎症は起こりにくくなっていますが、長期に(10年以上)血液透析を受けている人は、定期的に頚椎の検査を受けられることをお勧めします。