2018年11月26日

10回目のコラム(最後のコラム)

明日への扉 〜「豊かな個性」認める〜

不登校、引きこもりの生徒にほぼ共通していることがあります。自分をつまらない存在だと誤解しているのです。

両親や教師から励まされることはあっても、ほめられる経験が極端に少ない。だから自信が育ちにくく、生きる気力さえ失ってしまう子も出てきます。私も大学時代に引きこもり、「役に立たない存在だから死にたい」と考えたことが長くありました。

でも、今は私は、そうは思っていません。生きていてくれることに価値があるのです。
「生きていてくれて、ありがとう」「少なくとも私より長く生きるんだよ」。こう生徒たちに語りかけてきました。でも、生徒たちへの言葉は、私が真剣に生きていないと、伝わらない。だから、つたないながらも真剣に生きることを心がけ、時には生徒に寄り添い、時には向き合うように努力をしてきました。

そして、生徒たちのもう一つの共通点は、とても繊細なことです。「学校に通うのが当たり前」という世間の目があります。不登校の子はその目にさらされ落ち込んでいるのに、親も「育て方が悪い」と親類や近所から中傷されます。親の苦しむ姿が余計にプレッシャーとなり、「誰も気持ちを分かってくれない」と殻をかぶり閉じこもってしまうのです。

この連載で登場してもらった生徒、卒業生には執筆の許しをお願いし、全員が「不登校への偏見がなくなるためなら」と快く受けてくれました。生徒、卒業生は私の宝です。少しでも生徒たちが生きることを実感し、喜べるようになるよう、お手伝いを続けたいと思います。

そして、生きづらさを抱える子たちを「変わり者」とみるのではなく、「個性」と認めて受け入れる優しい社会になることを願ってやみません。

いわちゃん


2010年1月12日の中国新聞に掲載されたコラムに
加筆修正をしています。
毎回のコラムの記事には匿名化もおこなっております。

rakuzemi2006 at 22:55│ 

2018年11月21日

9回目のコラム

見えない心 〜時間かけ解きほどく〜

 これまで数千件の不登校の相談を受け、約300人以上の不登校、引きこもりの家を訪問しました。しかし、すべてうまくかかわれたわけではありません。繰り返し自宅を訪ねても、会うことすら拒まれたり、バットを持って脅されたり。そんな時もありました。相手にしてもらえないと、こちらも打つ手に困ってしまいます。

 訪問を受け入れてくれた生徒でも、学校に行けなくなった原因をすぐに話してくれる子はわずかです。中学2年のある男子は風邪をひいて自宅で休養したまま、不登校になりました。理由を尋ねても「分からない」と言います。

 生徒の親からも「子どもが何をしたいのか言ってくれない」という相談をよく受けます。でも、言わないのではなくて、「言えない」のだと思います。思春期は、自分の気持ちを整理し、人にうまく伝えるだけの言葉や情報を持ち合わせていない場合も多いです。

 プライドもあるのでしょう。生徒の中には、出会って数年後に「クラスでみんなに無視されて、学校に行きたくなくなった」と打ち明けてくれる子もいます。人に話したくないこともあるのです。特にいじめの場合は、それが顕著です。

 そして、生徒の多くは「親の期待を裏切ってしまった」「迷惑を掛けている」とつらく思っています。そんな生徒には「今は子どもだから親に面倒をみてもらっていい。将来、親が年をとって恩返しをしたらいい」と話すようにしています。すると、明るい表情を取り戻すのです。

 親は子どもの心情をつかめないので、焦るばかりです。ただ、生徒が閉ざした心をほどいて回復するには、年単位の時間がかかることは珍しくありません。長い道のりに見えても、自分を受け入れて成長するための大切な時間なのです。

いわちゃん


2010年1月5日の中国新聞に掲載されたコラムに
加筆修正をしています。
毎回のコラムの記事には匿名化もおこなっております。

rakuzemi2006 at 00:33│ 

2018年11月18日

8回目のコラム

家族もつらい 〜第三者の助けが必要〜

 中学3年生の翔太君(仮名)が学校に通わなくなって2年になり、お父さんとお母さんがそろって楽ゼミへ相談に来ました。一人息子の行く末を案じ、「何とかなりませんか」と追い詰められた様子でした。 

 翔太君はとても無口な子でした。初めて会ったとき、1時間近く話し掛けても背を向け、まったく反応がありません。言葉を交わせるようになるには、かなりの時間がかかりました。そして1年後のことです。突然、両親が離婚しました。

 不登校の子どもがいる家庭は、負の悪循環に陥るケースが少なくありません。父親は「お前の教育が悪い」と母親のせいにし、母親はストレスを一人でため込みます。それが子どもに伝わり、ますます心を閉ざしてしまいます。家庭が機能しなくなってしまうのです。

 楽ゼミへまず相談してくるのは、母親がほとんどです。翔太君の場合は両親が訪れ、あらゆる手を尽くして子どもを学校に通わせたいと必死でした。それでも、糸がふと切れてしまったのでしょうか。両親が出した結論でした。

 翔太君はお母さんが引き取りました。訪問支援を継続しながら通信制高校に進み、少しずつ授業に出席できるようになりました。

 卒業を控えた3年生のときです。お父さんから塾に電話がありました。「息子は大学に進学できそうなのですか?」私が「学校に通えるようになったので可能だと思います」と答えると、お父さんはびっくり。進学には資金がかかるだろうと復縁しました。翔太君は今春大学に合格し、サークル活動に打ち込んでいます。

 不登校の子や引きこもりの人は自信や気力を失い、とてもつらい。そして家族も苦しくなる。それだけに適切な第三者の支援が必要だと思うのです。

いわちゃん


2009年12月22日の中国新聞に掲載されたコラムに
加筆修正をしています。
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rakuzemi2006 at 02:50│ 

2018年10月11日

7回目のコラム

大人が鏡 〜将来考え成長の糧に〜


 啓二君(仮名)がお母さんに連れられ、楽ゼミにやって来たのは小学5年生の時。彼の発達障害の特性を知らない担任の先生から何度かひどく怒られ、不安定になったそうです。通いだして半年間は「なんでこんな所に来んといけんのんじゃ」と叫んだり、暴れたり。なかなか大変でした。


 広島東洋カープが初優勝した時の記念品を楽ゼミに飾ってありました。お皿にカープの1軍の選手達全員のサインが書かれていました。それを彼が欲しがったので、「小学校卒業まで通えたらあげよう」と約束しました。すると少しずつ仲良くなり、笑顔がだんだん増えてきました。そして中学校に進み、保健室には通えるようになりました。


 彼が中学2年生の時です。「ねぇ、いわちゃん」と私を呼び、とても真剣な顔をして論しだしたのです。「いわちゃんは大人なんじゃけぇ、僕と遊んだりしてないで、やっぱり働いた方がええと思うんよね」と。私がしがない大人に映っていたようです。思わず苦笑してしまいました。


 さらに、こんなこともありました。私が、コンビニエンスストアでアイスをおごってあげようとしたとき、彼は私の財布をのぞき込んで、驚きの声を上げました。「いわちゃん、おれよりお金持ってるじゃん」。私は爆笑しそうなのを必死で抑え込み、「大人だから当たり前だよ。人の財布をのぞき込んだら駄目だよ」と軽く注意しました。


 どうやら啓二君は私を鏡にして、将来について思いを巡らせ、成長の糧にしているようでした。今は通信制高校の3年生になり、授業に出席しています。そして、今月を最後に楽ゼミを卒業することになりました。うれしいようで、彼がいなくなると寂しいような、とても複雑な気持ちでいます。


いわちゃん


2009年12月15日の中国新聞に掲載されたコラムに
加筆修正をしています。
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rakuzemi2006 at 15:17│ 

2018年09月08日

6回目のコラム

〜そばにいる人が支え〜


 不登校や引きこもりの生徒たちは、心の波が激しい時があり、少しずつ落ち着いてくる場合が多いのです。社会人に復帰していった生徒たちも、浮き沈みを繰り返しながら落ち着いていき、楽ゼミを巣立っていきます。


 真夜中、私の携帯が鳴ることがあります。「寂しい…」「不安なの」。生徒や卒業生からです。家族が寝静まった自宅で、何かに押しつぶされそうな気持を伝えてきます。


 私はひたすら耳を傾けます。1時間ぐらい話を聞いて「落ち着いた」という言葉に安心して電話を切り、再び眠りにつきます。


 時には、自傷行為をしたり自殺未遂に及びそうになる生徒もいます。その直前、私に電話をしてくることもあります。


 死を思い詰める子は「学校に行けない私なんて…」「自分は駄目な人間だから…」とよく口にします。自己肯定感が低く、自分自身に嫌気が差していることが多いのです。でも、私に「死にたい」と連絡をしてくれるのは「生きたい、かまってほしい」、という気持ちが強くあるのだと思います。まさに、葛藤しているのです。


 その心情は痛いほど分かります。私も大学時代に引きこもり、自殺未遂もしましたから。引きこもりだした当初、友達がサーっと私から離れていき、一部ではひどい中傷をされデマも流されました。最後に残った友達は2人。ますます追い詰められました。


 つらいとき、大きな支えになるのは、そばにいてくれる人です。そばにいるだけで、寄り添うだけで安心するものです。「生徒が大変な時はできる限り踏ん張る」。そう心に誓っています。


いわちゃん

2009年12月8日の中国新聞に掲載されたコラムに
加筆修正をしています。
毎回のコラムの記事には匿名化もおこなっております。


rakuzemi2006 at 06:58│ 

2018年08月04日

足ツボマッサージ


満足棒















訪問支援のひとコマ。


小6の男の子と交代で
足ツボマッサージ。


どこまで押さえたら相手が快で
どこからが不快なのかを表情、声、
身体の動き、最後に言葉などで
推測するチカラを養いたい。
相手の気持ちを理解しようと
することはとても大切。


もちろん感覚過敏などがあったりして
嫌がる子には、もちろんしないです。


いわちゃん

rakuzemi2006 at 03:12│ 

2018年05月06日

今を生きる

河は流れる。
流れることで河の水は
きれいになる。


心身も一緒で
体を動かすことで元気になり
心も感動することで活性化する。
喜怒哀楽ってとても大切。


しんどくなると
つい昔のことを
考えてしまうけど
過去はかわらない。
未来などきてもいない。


今を意識して
今を生きることなんだなって
思ったりします。


今に感謝。今、存在していることに感謝。


いわちゃん

rakuzemi2006 at 23:32│ 

2018年03月01日

おかげさまで22周年♪



ごぶさたしています。
いろいろ忙しくて更新が
滞っていました。
申しわけありません。


おかげさまで本日3月1日で
楽ゼミを始めて22年になりました。


こんなあんぽんたんな岩崎が
続けてこれたのもみなさんの
おかげです。


超非力ですがこれからも
心と体が動く限り
頑張っていこうと思いますので
楽ゼミと大好きな生徒達と岩崎を
よろしくお願いしますね。


いわちゃん

rakuzemi2006 at 15:55│ 

2018年01月12日

パチンコで負けてタイヤがパンク

今日の23時ぐらいにマンガ読みながら
リラックスをしていたら
19年ぐらい前に楽ゼミを卒業した
タイヤ屋さんで働いている子(34歳)から
電話があり
「パチンコで3万円負けた上に
帰ろうとしたらクルマのタイヤがパンクしていた」
と愚痴ってきました。スペアのタイヤを積んでいたので
なんとかだいじょうぶだったようです。

不幸中の幸いでした。

取るに足らない話のようですがこういう内容で
電話してくる卒業生も逆にありがたいものです。
なかなかできていませんが
楽ゼミの敷居がもっと低くありたいです。

私は夜型なので電話相談は24時ぐらいまで
受け付けていますよ。

082-234-1004←私しか出ないようにしています。

訪問が終わるのがだいたい毎日22時ぐらいなので
22時ぐらいからの方が対応しやすいです。
むしろ午前中は寝ているのでNGです(笑)

遅くまで訪問している日もあるので
出ることができない時は
留守電に入れておいていただけたら
できるだけ後ほど掛けなおしますね。

楽ゼミの電話相談は基本的に無料です。

いわちゃん

※匿名化をおこなっております。

rakuzemi2006 at 23:56│ 

2017年11月20日

基本情報処理技術者試験合格!!

先ほど生徒から
「基本情報処理技術者試験に
合格しました!」と
電話で元気に報告がありました。

次は「応用処理技術者を目指す」と
力強く宣言してくれました。

その子が高2の時に訪問を始めたのですが
最初は非常に緊張していて
一緒に10分いるのがやっとでした。
自殺衝動も強く、心配していました。

発達障害などいろいろと
しんどいものも抱えていましたが
2年ぐらい訪問を続けているうちに
少しずつ心が安定して
専門学校に進学することができました。
生きづらさもたくさんありましたが
ひとつひとつ向き合って受け入れていき
さらに成長していきました。

達成感が自信につながり意欲的になり
自己肯定感をあげてくれます。

今日の報告。本当にうれしかったです

この子がますます成長してくれることを願いながら
しっかりサポートしていきたいです。

いわちゃん

※匿名化をおこなっております。

rakuzemi2006 at 00:24│ 
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