2017年10月02日

5回目のコラム

少しずつ前へ 〜母の手紙 心の支えに〜


麻衣さん(仮名)が不登校になったのは中学1年生のとき。
強迫性障害という心の病が原因で、学校にいても授業に集中できず、
次第に引きこもるようになったそうです。


彼女はずっと部屋に閉じこもっていました。食事は1人でとり、
家族と話すこともほとんどありません。
だからお母さんは毎日、声を掛ける手紙を書き続けたそうです。
そのおかげか、彼女の硬くなった心が少しずつ解け、
家族との会話も戻りました。


私が麻衣さんと出会ったのは、そんなころでした。


とても人見知りで緊張しやすく、昼夜逆転の生活をしていました。
でも、優しい性格で、穏やかに接したためか、心を開いてくれました。
高校を中途退学していたので、大学入学資格検定
(今の高校卒業程度認定試験)に向けて勉強を始めました。


麻衣さんが好きなのは漫画とアニメ。勉強の合間にパソコン
でイラストを描くのが楽しみで、自身を「オタク」と呼んでいました。
私も彼女の影響を受けて「オタク文化」にずいぶん詳しくなり、
共通の話題になりました。
 

大学進学に必要な全科目に2年間で合格しました。
そして漫画を学べる関西の大学へ。
今も4年生になった彼女と電話で連絡を取り合っています。
時折、不安定な時もありますが、
アルバイトをしながら通っているそうです。


昨年、麻衣さんに引きこもっていたころの話を聞いてみました。
すると「お母さんからの毎日の手紙がうれしかった」と振り返りました。
当時は気づかなかったけど、心の支えになっていたのです。
お母さんは今も娘に手紙を送り続けているそうです。
私も受話器からの彼女の声を聞くたびに安心し、
麻衣さんが成長をしていることに幸せを感じます。


いわちゃん

2009年12月1日の中国新聞に掲載されたコラムに
加筆修正をしています。
毎回のコラムの記事には匿名化もおこなっております。

rakuzemi2006 at 02:25│ 

2017年07月30日

プチ海外旅行へ

最近、非常に悲しいことがあったので
気分転換に明日からフィリピンに
プチ旅行に行ってきます。


フィリピンに仲のいい友人夫婦がいて
すでに行く前から半日ツアーの予約などで
かなりお世話になっています。


持つべきものは友だと実感しています。


私の英語はとてもbrokenですが
英語を話すことに抵抗感が全くないので
不思議に意外と通じるんです。


異文化に触れることが
ものすごく楽しみです。


治安が悪いみたいですが
そういう方が自分が生きていることを
実感できます。


もちろん
○危険な場所には近づかない
○スリなどに気をつける
○繁華街には一人で行かない
などの基本的なことは
押さえていきます。


帰国したら勉強や仕事が待っていますが
今回の超久しぶりのプチ旅行で
しっかりくつろいで英気を養います。


とはいえ、生徒達が死にたくなったり
心がしんどい時、つらい時はフィリピンにいても
24時間電話やLINEを受け付けていますので
遠慮なく連絡してくださいね。


いわちゃん

rakuzemi2006 at 23:22│ 

2017年07月23日

4回目のコラム

今からが大事 〜真剣な姿 生徒に響く〜

 信二君(仮名)は中学1年から学校に通えなくなりました。
とても口数の少ないシャイな子でした。
不登校の原因は本人もよく分からないと言います。
中学2年のとき、私は自宅を訪れました。

 子どもが、不登校になると、ただでさえ親は子の将来に不安を抱きます。
それに加えて、親類や近所の人から「育て方が悪い」などと中傷を
受けることがよくあります。
信二君のお母さんも周囲の雑音に悩み、とても苦しんでいました。

 でも、不登校の子にしようと思って育てる親はいません。
不登校になろうと思って育つ子もいません。
そして、学校に通えなくなった過去は変えようがありません。
生きていくため、今から何ができるのか。
それを考えることが大切だと思うのです。

 最初の訪問で信二君は嫌そうな顔をしました。
それでも取っ掛かりを作ろうと将棋を指してみました。
私が勝ち、彼の表情が少し和らぎました。
信二君は将棋を含めゲーム好きだったのです。
ゲームを媒介に信頼関係を構築していきました。

中学を卒業後、大学受験の資格をとろうと
専門学校に進みましたが、間もなく通えなくなりました。
ただ、私の訪問は受け入れてくれていたので、
楽ゼミと連携している通信制高校へ移りました。

 そして、驚くことがありました。高校2年のとき、
卒業式で在校生代表として送辞を述べたのです。
声は上ずっていましたが、立派に最後まで述べました。

 あれだけ人前で話すのが苦手だったのに、なぜ?
式が終わって尋ねると、彼は「いわちゃんが
人前で講演することになって、とても緊張しながら準備するのを見ていて、
おれも頑張ろうと思ったから」と言ったのです。

私自身が真剣に生きれば、生徒にも伝わるのだなと実感しました。

いわちゃん

2009年11月24日の中国新聞に掲載されたコラムに
加筆修正をしています。
毎回のコラムの記事には匿名化もおこなっております。

rakuzemi2006 at 00:25│ 

2017年05月08日

3回目のコラム

充電も必要だよ 〜生きる意味見いだす〜

 21年前にマンツーマンの塾を
広島市中区舟入南で始めました。
当初はまじめな子、やんちゃな子、不登校の子など、
いろんなタイプの生徒がいました。

そのうち不登校の生徒は、2人に1人ぐらいが
塾に通えなくなるのです。
「だったら、生徒が落ち着ける自宅まで
私が出掛けたらいいのでは」。
そう思い、生徒の訪問支援(アウトリーチ)を
始めたのが16年前でした。

 隆志君(仮名)は、私が訪問支援を始めて2人目の生徒です。
当時、中学3年生。生きる意味や学校に行く意味を見失い、
すっかり弱っていました。その理由を尋ねてみても
「自分でもよくわからない」と言います。
両親もどうしていいのか分からず、悩んでおられました。

 最初は警戒していた彼とも間もなく打ち解けました。
一緒にマンガを読んだり、昼寝をしたり。
信頼関係が深まると、映画館や、私がよく利用する美容室へ
一緒に行く仲になりました。

 そして1年後。彼は「ずっと、このままではいけない」と、
米国の高校への留学を希望しました。
抜け落ちたエネルギーが、
再び彼に蓄えられたように映りました。 

 16歳で渡米。慣れない生活に大変なはずなのに、
彼は楽ゼミへ定期的に国際電話をしてきてくれて
「体調は大丈夫?」
と私の心配をずっとしてくれました。
彼もたいへんなはずなのに…
彼の優しさがとてもうれしかったです。

日本に帰省するときは必ず顔を出してくれ、
お互い近況を報告し合います。

 米国の高校を卒業し、29歳になった彼は今、
米国・ポートランドの大学を卒業して結婚。
私も苦手な飛行機でお祝いに行きました。
今では隆志君には2人の子どもが。

去年のアメリカからのクリスマスカードには
彼のお嫁さんから「We love you!!」という
メッセージをもらい感動しました。
 
彼と彼の家族の笑顔に幸せを感じます。

いわちゃん

2009年11月17日の中国新聞に掲載されたコラムに
加筆修正をしています。
毎回のコラムの記事には匿名化もおこなっております。

rakuzemi2006 at 00:41│ 

2017年04月16日

2回目のコラム

生きづらさ 〜みんな真っすぐで〜

 この連載のイラスト(注)を描いてくれる黒猫さんは、
インターネットを通して出会いました。
黒猫さんのお姉さんが楽ゼミのホームページで、
私が引きこもる人を訪問し、カウンセリングを
しているのを知ったのがきっかけ。
週一回のペースで彼女の自宅を訪ねるようになりました。

 広島市内に暮らす彼女の家庭では、
父親が家族に暴力をふるい、
幼いころから父親の顔色をうかがう毎日だったそうです。
その父親が2年前、病気で亡くなりました。
ほっとしたと同時に、喪失感も襲ってきたそうです。
また、中学生時代に受けたいじめの傷も癒えないままで
引きこもるようになりました。
私が黒猫さんと出会ったのは、そんな頃でした。

 黒猫さんは家庭以外の人と一緒にいると
緊張しておなかが痛くなることが多かったそうです。
でも、私となら安心して痛くならないと喜んでくれました。
私もとてもうれしかったです。

 通信制高校の生徒だった黒猫さんは
まったく通学できていなかったので、
楽らくゼミナールと教育連携している
別の通信制高校に転入して卒業しました。
しかし、今も家から外に出るのは苦手。
それだけ心の傷が深いのだと感じています。

 私がこれまで出会った非常にたくさんの不登校の子達の
多くはそれぞれの理由で「生きづらさ」を感じています。
心は目に見えないので、人を理解するのは難しい。
でも、理解する努力を続けるのは大切だと思うのです。

体をケガすれば出血などで気がつきますが
心が傷ついていても目では見ることができません。
だから心に耳を傾ける必要があります。

 生徒達と話をしていて、気づくことがあります。とても真っすぐで、
優しい子ばかりなのです。真っすぐ過ぎるので、友人関係などで
いろんな壁にぶつかり、悩んでしまうことが多い。
黒猫さんもとても優しくて、真っすぐな人。
訪問した時に癒されるのは、むしろ私の方なのです。

いわちゃん

2009年11月10日の中国新聞に掲載されたコラムに
加筆修正をしています。
毎回のコラムの記事には匿名化もおこなっております。

注 中国新聞のコラムにイラストを描いてもらっていたのですが
残念なことにイラストのデータが残っていません。

rakuzemi2006 at 01:19│ 

2017年03月01日

おかげさまで楽ゼミ21周年!!

おかげさまで3月1日で
楽ゼミは21周年を
迎えることができました。


ひとえに皆様のおかげです。
あと何年できるかわかりませんが
21年続くことも私から見たら
信じられないことなので
不器用でもできるだけ
できるだけまっすぐ
歩んでいこうと思っています。


21歳で引きこもった時は
残りの人生は消化試合だと思い
すべてを投げ出していましたが
たくさんの人々との出会いで
再起動することができました。
まだまだ人生半ばですが
生きていること自体で
私みたいに奇跡が起こることもあるので
引きこもって辛い思いをしている
子達がどんな状態でも命を絶って
欲しくないです。


いたらない岩崎ですが
これからもよろしく
お願い申し上げます。


いわちゃん

rakuzemi2006 at 23:48│ 

2017年02月20日

竹原ピストルのライブとヲルガン座9周年

先週の土曜日に卒業生のお父さんに
誘っていただき
音楽喫茶ヲルガン座9周年記念イベントの
「竹原ピストル」のライブに行ってきました。

テレビを観ない生活をしているので
初めて知ったのですが
竹原ピストルのすごい存在感と
歌詞の真っ直ぐさと歌のうまさに
圧倒されました。
MCも心に染みました。

彼が歌った曲のひとつ
「LIVE IN 和歌山」を聴いて
涙が出ました。

ぜひYouTube等でチェックしてみて
くださいね。

ヲルガン座は私にとっても居場所なので
これからもずっと続いて欲しいです。
超個性的なオーナーでミュージシャンの
ゴトウイズミさんに
「岩崎さんは変わってますねー」って
言われたのは私にはかなりのほめ言葉です。

いい息抜きができたので気持ちを切り替えて
楽ゼミの活動も頑張っていきます!!

いわちゃん

rakuzemi2006 at 02:51│ 

2017年02月15日

倉敷でカウンセリングの講座を受講

今月の11、12日に倉敷でカウンセリングの
講座を受講しました。

講師は玉城先生といわれるお医者さんで
とても深い内容の講義をわかりやすく
噛み砕いて教えていただきました。

グループワークが多かったので座学が苦手な私も
あまり眠たくならずに学べたのもよかったです。

先生だけではなく受講された方々も
個性的で優しい人ばかりでしたので
フィールドの癒しも感じました。

いたらない岩崎ですがコツコツ努力して
この学びを訪問支援に活かしていきたいです。


いわちゃん

rakuzemi2006 at 02:31│ 

2017年02月07日

日比先生と食事

日比先生



















2時間ぐらい前まで焼き鳥屋さんで
NPO法人 安芸ソーシャルサポートの会の
理事長で友人の日比先生と話し込んでいました。

岩崎は少し停滞していましたが
いろんなことが動いていきそうです。

日比先生をはじめたくさんの人達の助けがあって
私は活動できています。

感謝です。

いわちゃん


rakuzemi2006 at 01:48│ 

2017年02月06日

1回目のコラム

私も不登校、引きこもりだった〜母の涙に生きる決心〜


包丁を持って風呂場に入り、手首に刃を当てた。
動脈を切るつもりでした。
異変に気付いた母が止めに入ってきた。
「自分は役に立たない存在だから、死にたい」。
そう告げると、母は「それでもいいから生きてほしい」と涙を流しました。

 私は21歳から4年間、最初不登校になり中退し引きこもりました。
東京の大学に在学中、アルバイトや勉強、恋愛などでストレスが重なり
眠れなくなりました。
エネルギーが枯渇したように気力がわかず、下宿にこもるように。
卒業をあきらめ、広島の実家に戻りました。

 「仕事をせずに食べさせてもらい、家族のお荷物」
「誰の役に立っていない」…。
部屋でずっと自分を責め続け、ついに自殺の衝動に駆られました。
前述の母の言葉で生きることを決めた私は、自宅で塾を開き、
自分なりに不登校の子や引きこもりの人と向き合い
あるいは寄り添うようにしていきました。
(後にアウトリーチ「訪問支援」が活動の中心になります)

 時間をかけて心を開いてくれるようになった生徒には、
いつも私の体験を話し、お願いをしています。
「すごく勝手かもしれないけど、私は生きることに決めたから、
○○ちゃんにも生きていてほしい」と。
ほとんどの子が真剣に聞いてくれます。

 そういえば引きこもっていた頃に
テレビ番組でマザー・テレサが語っていました。
「私はインドで死にゆく人たちに
『あなたは生きる価値があるのですよ』
という言葉を伝えているのです」。
それを聞いて、自分に生きる価値がないと
思っていた私は号泣しました。
本当はどんな人にも生きる価値はあるのですが。

 今、私がこうやって活動ができているのは
生徒たち一人ひとりのおかげです。
いつも多くのことを学ばせてもらっています。まさしく魂の師匠です。
これからブログへの掲載は不定期になるかもしれませんが
私の師匠たちの話をつづっていきたいと思います。

いわちゃん

2009年11月3日の中国新聞に掲載されたコラムに
加筆修正をしています。
毎回のコラムの記事には匿名化もおこなっております。

rakuzemi2006 at 02:08│ 
Profile
いわちゃん
ちっちゃなマンツーマンのゆるいフリースクールをやっています。不登校の子や引きこもりの人、発達障害の子のお家に相談的家庭教師として行ったりという活動もしています。キックボクシング、空手、合気道や少林寺拳法とかの格闘技・護身術が好きです。飲み会やカラオケも好きです。犬や猫も好き。生徒のお家でも犬や猫と遊んで時間をすごすことが多いかも。いろんな人達との喜びや悲しみに共感したり&共に成長しながら生きていきたいです。
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