今日は七夕ですね。またこのBLOGも100回目となりました。 区切りというわけでもないですが...お気に入りの小説 『スタンド・バイ・ミー』の話をBLOGします。

スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編

スタンド・バイ・ミー
『スタンド・バイ・ミー』は映画&小説&音楽の全てが ヒットしました。”When the night has come...”で始まる ベン.E.キングの歌はこの小説や映画以前に作られたものですが 全米ヒットチャート入りしましたね。

スタンド・バイ・ミー

映画だけを観た方は知らないかもしれませんが... この作品の原作は『恐怖の四季シリーズ(DifferentSeasons)』と いいまして春夏秋冬の4つの話で出来ています。季節ごとの題名(邦題)は、 春『ゴールデンボーイ』夏『刑務所の中のリタ・ヘイワース』 秋『スタンド・バイ・ミー』冬『マンハッタンの奇譚クラブ』 で各ストーリーに特に繋がりはありません。ティム・ロビンズ& モーガン・フリーマンの好演が光った映画『ショーシャンクの空に』 は『刑務所の中のリタ・ヘイワース』が原作です。こちらもナカナカ 出来でした。

さて肝心の秋の『スタンド・バイ・ミー(原作名はThe body)』ですが、 実際の季節は夏の終わり頃、森の中で迷子になって行方不明になり恐らく 命を落としたであろう男の子の死体を探しに4人の少年出かけると いう粗筋です。シンプルだがナンカ読みたくなる設定ですね。 少年達は同じ町に住んでいる12歳。日本でいえば小学6年生の終わり。
⇒アメリカは新学期は9月スタート
メンバーは...リーダー格で一番タフなクリス(映画では若くして命を 落としたリヴァー・フェニックスが好演)、補聴器&ド近眼で少々切れ やすいテディ、デブでかなり鈍くさいバーン、主人公でこの小説の 語り部となっているわりと優等生のゴーディーの4人です。 4人は秘密の部屋を共有する仲間でここでエロ本を読んだり(少年が エロ本を隠す習性はどうやら万国共通のようです。犬が骨を隠すのと 少々似ており案外見つかり易いところに隠したりします。女性の方には 理解不明な部分かもしれません)、タバコを吸ったり、賭けゲームを したりと男性としての社会性?を磨く場所ですね。 さてとあることから例の少年の死体の情報を掴んだ4人はこれを 見つけてヒーローになることを考え少々の食料を買い込み小さな探検に 出かけます。 ところがこれがナカナカ大変な旅になってしまうんですね。 危うく機関車に轢かれそうになったり、獰猛な犬に追いかけられたり ヒルに血を吸われたりと相当アブナイ目に会ってしまいます。 こういった難関を少年期特有の微妙なタフさと助け合いの精神で 乗り越えていくところが実に自然に書いてあり堪らないですね。 これから肉体的に男性になっていく少年時代最後の時期というのは 経験から顧みても独特の考え方や感性を持っていました。 考えや趣向に頑なまでの潔癖さがありまたそうしたことが ベースとなった暗黙のルールと言って良いものが存在しその 下で互いを認め合いながら少年社会を作っていたように思います。 例えば... 『親や教師に言いつけてはいけない』
『仲間の関係を維持するためには親や教師にはウソをついてもいいが  仲間にウソをついてはいけない』
『仲間は見捨てない』
『ゲームには全力で取り組む。ズルはいけない。』
『女性の前でカッコつけない』
等があったように思いますが、この小説を読むとやはり端々で同じような ものを感ずるところがあり『こういったルールとは万国共通なのか』と 感じましたね。

さて4人は死体を見つけますが勿論人生そうは簡単にはいきません。 町一番の不良連中が車でかけつけて横取りしようとするわけです。 これをゴディーとクリスが凄まじい勇気を奮ってなんとか難を 逃れます。そしてこの手に入れた死体をどうするかについて クリスが大変興味深いセリフを言います。 『最後の優先権は誰にも無い。何もかもグーチャーだ。』 (注グーチャーとは4枚のコイン投げをした時が全て裏と なることでまあ...ゼロという意味です) これは小説の前にキングが引用したフローベルの言葉 『あれもこれも全て水に流して忘れてしまおう』 とほぼ同じ意味合いで、今まで4人の関係が終わったことを 暗示している感じがしましたね。 残りの2人はある理由で逃げた形になってしまったのですが、 これは少年社会のルール違反であり2人と2人の間はもう 2度と元の関係には戻れないのです。そして事実そうなりました。 出発してからの二日後の明け方に戻った彼らは2、2に分かれます。
家路に着くまでのクリスとゴーディの会話や辺りの描写は 一番のお気に入りです。夜が明けて清清しい空気の中でまだ 街は止まっおり自分たちだけが動いている。戻ったら 例の不良たちにコテンパンな目に合うことが分っている。でも妙に サッパリした感じで握手して別れる。学生の頃読んだのですが 自分がその情景に入ってしまった位感情移入してしまいましたね。

映画についてはあまり触れませんでしたが出来は素晴らしく 若干小説と違うところはあるものの4人の少年の演技振る舞いは 実に良かったと思います。クリスを演じたリヴァー・フェニックスは その後悲しい最後を遂げてしまうのですが、それを知ったときは普通に 役者さんが無くなったとは違った喪失感がありました。 ラストに流れるベン・E・キングの歌も魅力的で家庭教師先の13歳 の男の子にテープを作って上げた記憶があります。

スティーブン・キングの小説と彼以外のクリスはありえない程の 演技を見せたリヴァー・フェニックスに...ワイルド・ターキーで乾杯!

----------自分の中のスタンドバイミー(名越の切り通しの探検)--------
名越えトンネルにオバケが出る話はよく聞きますね。 キャッシー中島というタレントが昼のTVで話をしてから有名に なったようですが、この名越えトンネルがある山を 切り裂いて人一人と馬一頭分通れるようにしたところが 名越えの切り通しです。鎌倉時代に出来て逗子から鎌倉にかけた山中にあります。
昔はもっと森深く不思議な怖さを持ったところでした。 小学生の頃(小3-小6)ここには毎年のように行きましたね。 当時クワガタやカブト虫が取れる場所(秘密の)があった のです。また...自殺した女性の話、不良高校生の溜まり場、 オバケ屋敷風洋館(今もある)、動物が祀ってある墓、野犬 (昔はよくいた)等々少年にとってはまさに魅力満載の場所で 毎年のように新しいところを探検したことを憶えています。 鎌を持った変なオジサンに追いかけられたり、不良高校生に 捕まったり(バイクの事故で死んでしまった)、犬に追い かけられたり、崖から落ちたり、動物の墓の中を探って逃げ 出したりととにかく色々ありました。行く度に一緒に行った 仲間と自分の関係さらに自分の中の何かが変わっていったの を憶えています。
しかし、一体ナゼ怖い思いをしながら毎年行ったのだろう... 自分の周りにまだ不思議なものがありそれを解明する必要が あると考えていたからとしか言いようがないのですが...
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