研究開発マネジメントノート

研究開発とそのマネジメントについてのいろいろ

2018年12月

参考書・文献・読書録インデックス(2018.12.24版)その1:マネジメント関連

今まで内容の紹介をさせていただいた参考書、文献のリストその1です。
このリストから多少詳しいまとめに行けるようにしています。
概ね著者(グループ)ごとにまとめ、特に重要だと思う文献にはコメントをつけています。文献リストその2(科学に近い内容)はこちら。本ブログ記事目次・参考文献リスト・索引の最新版はこちら

まとめページその1収録文献
丹羽清、「技術経営論」、2006
 コメント:技術経営の全体感をつかむならこの本がおすすめです。
丹羽清、「イノベーション実践論」、2010
丹羽清(編)、「技術経営の実践的研究」、2013
後藤晃、「イノベーションと日本経済」、2000
今野浩一郎、「研究開発マネジメント入門」、1993.
Tidd, J., Bessant, J., Pavitt, K.
、「イノベーションの経営学」、2001
 コメント:技術経営の主要トピックスを網羅。現在は新版(第4版)あり。
一橋大学イノベーション研究センター編、「イノベーション・マネジメント入門 第2版」、2017.ブログ記事へ
Christensen, C.M.
、「イノベーションのジレンマ」、1997
 コメント:技術経営を考えるなら必読。
Christensen, C.M, Raynor, M.E.
、「イノベーションへの解」、2003
 コメント:「イノベーションのジレンマ」続編。これも重要な指摘が多いです。
Christensen, C.M, Anthony, S.D., Roth, E.A.
、「明日は誰のものか」、2004
 (改訳版が「イノベーションの最終解」として出ています)
Anthony, S.D., Johnson, M.W., Sinfield, J.V., Altman, E.J.
、「イノベーションへの解実践編」、2008
 コメント:クリステンセン著ではありませんが関係者の著書。破壊的イノベーション実践の手引として有用。
Wessel, M., Christensen, C.M.
、「破壊的イノベーションの時代を生き抜く 『拡張可能な中核能力』を見極めよ」、Diamond Harvard Business Review, June 2013, p.32.、楠木建「クリステンセンが再発見したイノベーションの本質 イノベーションは技術進歩ではない」、Diamond Harvard Business Review, June 2013, p.48.Mounz, M.、「破壊的イノベーター:キバ・システムズ アマゾンも認める新興企業」、Diamond Harvard Business Review, June 2013, p.78.Downes, L., Nunes, P.F.、「破壊的イノベーションを越えるビッグバン型破壊 常識を越えたスピードで市場に浸透する」、Diamond Harvard Business Review, June 2013, p.90.Gilbert, C., Eyring, M., Foster, R.N.、「相反する2つの変革を同時に進める法 既存事業のテコ入れと将来の糧づくり」、Diamond Harvard Business Review, June 2013, p.110.Adner, R., Snow, D.C.、「陳腐化した技術を延命させる戦略 『前向きな退却』を選ぶ」、Diamond Harvard Business Review, June 2013, p.124.ブログ記事へ
Clayton M. Christensen, Michael E. Raynor, Rory McDonald, “What Is Disruptive Innovation?”, Harvard Business Review, December 2015, p.44.
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Clayton M. Christensen, Taddy Hall, Karen Dillon, David S. Duncan, “Know Your Customers’ “Job to Be Done””, Harvard Business Review, September 2016, p.54.
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Clayton M. Christensin, Taddy Hall, Karen Dillon, David S. Duncan
、「ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム」、2016.ブログ記事へ
Clayton M. Christensen, Derek van Bever
、「資本家のジレンマ なぜイノベーションへの投資を過小評価してしまうのか」、Diamond Harvard Business Review, December 2014.ブログ記事へ
玉田俊平太、「破壊的イノベーションは『足るを知る』から生まれる」、山口文洋、「破壊は一度で終わらない」、樋口泰行、「大企業のジレンマ回避」、御立尚資、「破壊から守るリスクマネジメント」、Diamond Harvard Business Review, September 2016→ブログ記事へ
Joshua Gans, “The Other Disruption”, Harvard Business Review, March 2016, p.78.
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Brown, B., Anthony, S.D.
、「P&Gニュー・グロース・ファクトリー イノベーションの成功率を高めるシステム」、Diamond Harvard Business Review2011ブログ記事へ
Scott D. Anthony
、「ザ・ファーストマイル」、2014.ブログ記事へ
Dyer, J.H., Gregersen, H.B., Christensen, C.M.
、「イノベーターのDNA」、Diamond Harvard Business ReviewApr. 2010p.36.ブログ記事へ
Dyer, J., Gregersen, H., Christensen, C. M.
、「イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル」、2011.ブログ記事へ
Nathan Furr, Jeff Dyer、「成功するイノベーションは何が違うのか?」、2014ブログ記事へ
Nathan Furr, Kate O’Keeffe, Jeffrey H. Dyer, “Managing Multiparty Innovation”, Harvard Business Review, November 2016, p.76.→ブログ記事へ
Hal Gregersen “Better Brainstorming”, Harvard Business Review, March-April, 2018, p.64.
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Clayton M. Christensen, James Allworth, Karen Dillon
、「イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ」、2012ブログ記事へ
玉田俊平太、「日本のイノベーションのジレンマ 破壊的イノベーターになるための7つのステップ」、2015.ブログ記事へ
Johnson, M.W.
、「ホワイトスペース戦略 ビジネスモデルの<空白>をねらえ」、2010ブログ記事へ
Stuart Crainer, Des Dearlove
、「Thinkers50 イノベーション 創造的破壊と競争によって新たな価値を生む営み 最高の知性に学ぶ実践的イノベーション論」、2014ブログ記事へ
Henry Mintzberg,
「エッセンシャル版 ミンツバーグ マネジャー論」、2013ブログ記事へ
Rita Gunther McGrath
、「競争優位の終焉 市場の変化に合わせて、戦略を動かし続ける」、2013.ブログ記事へ
入山章栄、「世界の経営学者はいま何を考えているのか 知られざるビジネスの知のフロンティア」、2012ブログ記事へ
入山章栄、「ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学」、2015.ブログ記事へ
入山章栄、「世界標準の経営理論 第3回 SCP理論② ポーターのフレームワークを覚えるよりも大切なこと」、Diamond Harvard Business ReviewNovember 2014p.126.
入山章栄、「世界標準の経営理論 第14回 組織学習・イノベーションの理論① 『両利き』を目指すことこそ、イノベーションの本質である」、Diamond Harvard Business ReviewNovember 2015p.124、「世界標準の経営理論 第15回 組織学習・イノベーションの理論② 『組織の記憶』は全員で共有すべきか、個人が独占すべきか」、Diamond Harvard Business ReviewDecember 2015p.124、「世界標準の経営理論 第16回 組織学習・イノベーションの理論③ 知の創造を導く『マインドフルネス』を高める法」、Diamond Harvard Business ReviewJanuary 2016p.126、「世界標準の経営理論 第17回 SECI理論とナレッジ・ベースト・ビュー 世界の経営学に『野中理論』がもたらしたもの」、Diamond Harvard Business ReviewFebruary 2016p.128.ブログ記事へ
Freek Vermeulen
、「ヤバい経営学 世界にビジネスで行われている不都合な真実」、2010ブログ記事
井上達彦、「ブラックスワンの経営学 通説をくつがえした世界最優秀ケーススタディ」、2014.ブログ記事

まとめページその2収録文献
Collins, J.C., Porras, J.I.
、山岡洋一訳、「ビジョナリーカンパニー」、1994
Collins, J.
、「ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則」、2001
Collins, J.
、「ビジョナリーカンパニー③衰退の五段階」、2009ブログ記事へ
Collins, J., Hansen, M. T.
、「ビジョナリーカンパニー④自分の意志で偉大になる」、2011.ブログ記事へ
 コメント:ビジョナリーカンパニーシリーズでは②と④が重要と思います。
Nonaka, I., Takeuchi, H.
、「知識創造企業」、1995
 コメント:知識創造理論の基本。ただし、その後の発展もフォローが必要と思います。
野中郁次郎、竹内弘高、「『実践知』を身につけよ 賢慮のリーダー」、Diamond Harvard Business Review2011ブログ記事へ
野中郁次郎、遠山亮子、平田透、「流れを経営する――持続的イノベーション企業の動態理論」、2010.ブログ記事へ
野中郁次郎、紺野登、「知識創造経営のプリンシプル 賢慮資本主義の実践論」、2012.ブログ記事へ
 コメント:知識創造理論が体系的にまとめられ、知識創造理論の全体像を把握するのに最適。
野中郁次郎、徳岡晃一郎編著、「ビジネスモデルイノベーション 知を価値に転換する賢慮の戦略論」、2012.ブログ記事へ
野中郁次郎、勝見明、「イノベーションの知恵」、2010ブログ記事へ
野中郁次郎、勝見明著、「全員経営 自律分散イノベーション企業 成功の本質」、2015.ブログ記事へ豊田義博、萩野進介、坂口祐子、長瀬宏美(「成功の本質」再分析プロジェクト)、「イノベーターはどこにいる? Works誌連載『成功の本質』再分析による才能開花メカニズムの探究」、2014ブログ記事へ
紺野登+目的工学研究所著、「利益や売り上げばかり考える人は、なぜ失敗してしまうのか ドラッカー、松下幸之助、稲森和夫からサンデル、ユヌスまでが説く成功法則」、2013ブログ記事へ
池田信夫、「イノベーションとは何か」、東洋経済新報社、2011.ブログ記事へ
池田信夫、「失敗の法則 日本人はなぜ同じ間違いを繰り返すのか」、2017.ブログ記事へ
Berkun, S.
、「イノベーションの神話」、2007ブログ記事へ
Rogers, E.M.
、「イノベーションの普及」、2003ブログ記事へ
 コメント:イノベーションを実用化する上で認識すべき普及学の基本。
Kim, W.C., Mauborgne, R.
、「ブルー・オーシャン戦略」、2005
「特集 ブルー・オーシャン戦略のすべて」、Diamond Harvard Business Review201510月号、p.28-95.;【インタビュー】W.チャン・キム、レネ・モボルニュ、「ブルー・オーシャン開拓の余地はいまなお十分にある 日本企業は市場創造が苦手なわけではない」、p.30W. Chan Kim, Renée Mauborgne、「レッド・オーシャンの罠 新規市場の創造を妨げる6つの思い込み」、p.40、;【インタビュー】田中仁、「JINSは『誠実さ』で新しい市場を切り開く 『2つの海』で勝ち続ける原動力」、p.52;清水勝彦、「経営学から見るブルー・オーシャン戦略 再構築主義で新たな価値を生み出す」、p.62.;【インタビュー】日覺昭廣、「東レ:市場は後からついてくる なぜ長期的な技術開発ができるのか」p.72.W. Chan Kim, Renée Mauborgne、「ブルー・オーシャン・リーダーシップ:戦略から組織へ 確実に組織が変わる4つのステップ」、p.82.ブログ記事へ
Moore, G.A.
、「ライフサイクルイノベーション」、2005
Moore, G.A.
、「エスケープ・ベロシティ キャズムを埋める成長戦略」、2011.ブログ記事へ
Chesbrough, H.、「Open Innovation」、2003
伊丹敬之、東京理科大学MOT研究会編著、「技術経営の常識のウソ」、2010ブログ記事へ
伊丹敬之、宮永博史、「技術を武器にする経営 日本企業に必要なMOTとは何か」、2014.ブログ記事へ
伊丹敬之、「先生、イノベーションって何ですか?」、2015.ブログ記事へ
伊丹敬之・東京理科大学MOT研究会編著、「教科書を超えた技術経営」2015.ブログ記事へ
Davila, T., Epstein, M.J., Shelton, R.
、「イノベーションマネジメント」、2006ブログ記事へ
Govindarajan, V., Trimble, C.
、「イノベーションを実行する 挑戦的アイデアを実現するマネジメント」、2010.ブログ記事へ
Vijay Govindarajan, Chris Trimble,
「世界トップ3の経営思想家による 始める戦略 ビジネスで『新しいこと』をするために知っておくべきことのすべて」、2013.ブログ記事へ
Immelt, J.R., Govindarajan, V., Trimble, C.
、「GEリバース・イノベーション戦略」、Diamond Harvard Business Review, Jan.2010, p.123, (2010).ブログ記事へ
Govindarajan, V., Trimble, C.
、「リバース・イノベーション 新興国の名もない企業が世界市場を支配するとき」、2012.ブログ記事へ
Amos Winter, Vijay Govindarajan
、「[実践]リバース・イノベーション 5つの設計原則が新興国での製品開発を促す」、Diamond Harvard Business Review, December 2015, p.98.ブログ記事へ
Vijay Govindarajan, “Planned Opportunism”, Harvard Business Review, May 2016, p.54.→ブログ記事へ
Navi Radjou, Jaideep Prabhu, Simone Ahuja
、「イノベーションは新興国に学べ! カネをかけず、シンプルであるほど増大する破壊力」、2012ブログ記事へ
Washburn, N.T., Hunsaker, B.T.
、「新興国市場発のアイデアを橋渡しする 破壊的イノベーターの条件」、Diamond Harvard Business Review, 2012, 5月号、p.116.ブログ記事へ
Lafley, A.G., Martin, R.L., Rivkin, J.W., Siggelkow, N.、「独創的な戦略を科学的に策定する あらゆる選択肢から検証する7つのステップ」、Diamond Harvard Business Review, 2012.ブログ記事へ
A.G. Lafley, Roger L. Martin
、「P&G式『勝つために戦う』戦略」、2013ブログ記事へ
Roger L. Martin, Tony Golsby-Smith, “Management Is Much More Than a Science”, Harvard Business Review, September-October, 2017, p.128.
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「競争優位は持続するか」(Rita Gunther McGrath「一時的競争優位こそ新たな常識 事業運営の手法を変える8つのポイント」、Todd Zenger「戦略は価値観に従う 成功する企業セオリーが持つ3つの”sight”」、佐藤克宏「ケイパビリティこそ競争優位の源泉である 戦略の賞味期限が短くなった時代」、Michael C. RyallVCM:価値獲得モデルで戦略を考える 競争優位はエコシステムで決まる」、森本博行「GEの競争優位はなぜ持続するのか 戦略論の系譜から読み解く」、Nicholas Kachaner, George Stalk, Alain Bloch「世界の同族企業からしたたかさを学ぶ」)Diamond Harvard Business Review, November 2013, p.32-118.ブログ記事へ
Carlson, C.R., Wilmot, W.W.
、「イノベーション5つの原則 世界最高峰の研究機関SRIが生みだした実践理論」、2006ブログ記事へ
Stefan Thomke, Jim Manzi
、「ビジネスの仮説を高速で検証する 消費者ビジネスのイノベーションに不可欠」、Diamond Harvard Business Review, June 2015, p.30(原著:HBR Dec. 2014)、Nathan , Jeffrey H. Dyer、「プロセスを変えればイノベーションは生まれる チームを未知の領域に導くリーダーの役割」、Diamond Harvard Business Review, June 2015, p.44(原著:HBR Dec. 2014)、金井政明(聞き手、編集部)「無印良品の『引き算のイノベーション』 コンセプトの追求あるのみ」、Diamond Harvard Business Review, June 2015, p.58、文献4:Scott D. Anthony, David S. Duncan, Pontus M. A. Siren、「イノベーション体制をたった90日で構築する いま求められるのは、地に足のついた実行体制」Diamond Harvard Business Review, June 2015, p.68、星野竜也、「オープン・イノベーションという新たな武器 製造業復活を賭けて自前主義を脱却せよ」、Diamond Harvard Business Review, June 2015, p.84ブログ記事へ
トーマツベンチャーサポート、「実践するオープンイノベーション」、2017.ブログ記事へ
Ron Kohavi, Stefan Thomke, “The Surprising Power of Online Experiments”, Harvard Business Review, September-October, 2017, p.74.
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Ron Adner
、「ワイドレンズ イノベーションを成功に導くエコシステム戦略」、2012ブログ記事へ
Ron Adner, Rahul Kapoor, “Right Tech, Wrong Time”, Harvard Business Review, November 2016, p.60.
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Martin Ihrig, Ian MacMillan, “How to Get Ecosystem Buy-In”, Harvard Business Review, March-April, 2017, p.102.
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Tarun Khanna, “When Technology Gets Ahead of Society”, Harvard Business Review, July-August, 2018, p.86.
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Mullins, J., Komisar, R.
、「プランB 破壊的イノベーションの戦略」、2009.ブログ記事へ
Thomke, S., Reinertsen, D.、「製品開発をめぐる6つの誤解 製造プロセスでの効率性は通用しない」、Diamond Harvard Business Review, 2012, 8月号、p.76.ブログ記事へ
原田勉、「イノベーション戦略の論理 確率の経営とは何か」、2014.ブログ記事へ
山口周、「世界で最もイノベーティブな組織の作り方」、2013ブログ記事へ
Paddy Miller, Thomas Wedell-Wedellsborg
、「イノベーションは日々の仕事のなかに 価値ある変化のしかけ方」、2013ブログ記事へ
野城智也、「イノベーション・マネジメント プロセス・組織の構造化から考える」、2016.ブログ記事へ
Larry Downes, Paul Nunes
、「ビッグバン・イノベーション 爆発的成長から衰退に転じる超破壊的変化から生き延びよ」、2014.ブログ記事へ
Larry Downes, Paul Nunes, “Finding Your Company’s Second Act”, Harvard Business Review, Januaryr-February, 2018, p.98.
ブログ記事
岡部仁志、新井本昌宏、渡辺智宏、「製造業R&Dマネジメントの鉄則 成功・失敗事例で見極める成否の分かれ目!」、2015.ブログ記事へ
濱口秀司、「Shift イノベーションの作法」、Diamond Harvard Business Review、第1回Nov.2016, p.122;第2回Dec.2016, p.120;第3回Jan.2017, p.120;第3回Feb.2017, p.122;第4回Jan.2017, p.120;第5回Mar.2017, p.122;第6回Apr.2017, p.120;第7回May2017, p.118;第8回Jun.2017, p.122;第9回Jul.2017, p.124;第10回Aug.2017, p.122;第11回Sep.2017, p.122;第12回Oct.2017, p.120;第13回Nov.2017, p.120;第14回(最終回)Dec.2017, p.122.ブログ記事へ
田所雅之、「起業の科学 スタートアップサイエンス」、2017.ブログ記事へ
夏目哲、所眞理雄、「研究を売れ! ソニーコンピュータサイエンス研究所のしたたかな技術経営」、2016.ブログ記事へ
Melissa Schilling, “What’s Your Best Innovation Bet?”, Harvard Business Review, July-August, 2017, p.86.
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Oded Shenkar
、「コピーキャット 模倣者こそがイノベーションを起こす」、2010ブログ記事へ
Kal Raustiala, Christopher Spigman
、「パクリ経済 コピーはイノベーションを刺激する」、2012ブログ記事へ
三品和広+三品ゼミ、「リ・インベンション 概念のブレークスルーをどう生み出すか」、2013ブログ記事へ
芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科編著、「戦略的技術経営入門2 いまこそイノベーション」、2013.ブログ記事
Regina E. Dugan, Kaigham J. Gabriel
、「DARPAの全貌:世界的技術はいかに生まれたか アメリカ国防総省国防高等研究計画局のイノベーション」、Diamond Harvard Business Review, July 2014, p.88.ブログ記事へ
山口栄一、「イノベーションはなぜ途絶えたか――科学立国日本の危機」、2016.ブログ記事へ
太田肇、「なぜ日本企業は勝てなくなったのか 個を活かす『分化』の組織論」、2017.ブログ記事へ
吉村慎吾、「日本流イノベーション 日本企業の特性を活かす成功方程式」、2017.ブログ記事
日経BP総合研究所編、「『イノベーション大国』次世代への布石 異次元の成長を遂げたシンガポールの未来戦略と日本の活路」、日経BP社、2017.ブログ記事へ
William R. Kerr, “Navigating Talent Hot Spots”, Harvard Business Review, September-October, 2018, p.80.
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まとめページその3収録文献
堀井秀之、「社会技術論 問題解決のデザイン」、2012.ブログ記事へ
東京大学i.school編、「東大式 世界を変えるイノベーションのつくりかた」、2010ブログ記事へ
横田幸信、「イノベーションパス 成果を出すイノベーション・プロジェクトの進め方」、2016.ブログ記事へ
鷲田祐一編著、「未来洞察のための思考法 シナリオによる問題解決」、2016.ブログ記事へ
Amy Webb
、「シグナル 未来学者が教える予測の技術」、2016.ブログ記事へ
Osterwalder, A., Pigneur
Y.、「ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書 ビジョナリー、イノベーターと挑戦者のためのハンドブック」、2010ブログ記事へ
Alex Osterwalder, Yves Pigneur, Greg Bernarda, Alan Smith
、「バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る」、2014ブログ記事
Oliver Gassmann, Karolin Frankenberger, Michaela Csik
、「ビジネスモデルナビゲーター」、2014.ブログ記事へ
Karan Girotra, Serguei Netessine
、「ビジネスモデル・イノベーションに天才はいらない 4つの意思決定で体系的に変革を起こす」、Diamond Harvard Business Review, 2015 July, p.12.ブログ記事へ
Stelios Kavadias, Kostas Ladas, Christoph Loch, “The Transformative Business Model”, Harvard Business Review, October 2016, p.90.
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Esslinger, H.
、「デザインイノベーション デザイン戦略の次の一手」、2009ブログ記事へ
Leonard-Barton, D.
、「知識の源泉」、1995
 コメント:研究をする「人」の問題についての重要な指摘が多いです。
Leonard, D., Swap, W.
、「『経験知』を伝える技術」、2005
 コメント:「知識の源泉」とあわせて重要。
Polanyi, M.
、「暗黙知の次元」、1966
Rasmusson, J.
、「アジャイルサムライ――達人開発者への道」、2010.
Schwaber, K.
、「スクラム入門 アジャイルプロジェクトマネジメント」、2004.
Darrell K. Rigby, Jeff Sutherland, Hirotaka Takeuchi, “Embracing Agile”, Harvard Business Review, May 2016, p.40.ブログ記事へ
Darrell K. Rigby, Jeff Sutherland, Andy Noble, “Agile at Scale”, Harvard Business Review, May-June, 2018, p.88.
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勝見明、「石ころをダイヤに変える『キュレーション』の力」、2011ブログ記事へ
野村恭彦、「フューチャーセンターをつくろう 対話をイノベーションにつなげる仕組み」、2012.ブログ記事へ
野村恭彦、「イノベーション・ファシリテーター INNOVATION FACILITATOR 3カ月で社会を変えるための思想と実践」、プレジデント社、2015.ブログ記事へ
大内孝子編著「ハッカソンの作り方」、2015ブログ記事へ
井上功、「次世代リーダーを育て、新規事業を生み出す リクルート流 イノベーション研修 全技法」、2017.ブログ記事へ
Scott D. Anthony
、「スタートアップ4.0 再び大企業の時代へ」、2013Steve Blank、「リーン・スタートアップ:大企業での活かし方 GEも活用する事業開発の新たな手法」、2013James D. Thompson, Ian C. MacMillan、「BOP市場で社会起業を成功させる方法 想定外のリスクにどう対応するか」、2013ブログ記事へ
Eric Ries
、「リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす」、2011ブログ記事へ
Eric Ries
、「スタートアップ・ウェイ 予測不可能な世界で成長し続けるマネジメント」、2017.ブログ記事へ
Gijs van Wulfen
、「スタート・イノベーション! ビジネスイノベーションをはじめるための実践ビジュアルガイド&思考ツールキット START INNOVATION! with this visual toolkit.」、2013.ブログ記事へ
Vijay Kumar
、「101デザインメソッド 革新的な製品・サービスを生む『アイデアの道具箱』」、2013.ブログ記事へ
根来龍之、「新しい基本戦略 プラットフォームの教科書 超速成長ネットワーク効果の基本と応用」、2017.ブログ記事へ
三崎秀央、「研究開発従事者のマネジメント」、2004
 コメント:基本的な説明も多く、研究者を考える上で参考になります。
開本浩矢、「研究開発の組織行動」、2006
 コメント:基本的な説明も多く、研究者を考える上で参考になります。
福谷正信、「研究開発技術者の人事管理」、2007
八木洋介、金井壽宏、「戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ」、2012.ブログ記事へ
酒井崇男、「『タレント』の時代 世界で勝ち続ける企業の人材戦略論」、2015ブログ記事へ
Kelly, T., Littman, J.
、「イノベーションの達人!」、2005ブログ記事へ
Tom Kelley, David Kelley
、「クリエイティブマインドセット 創造力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法」、2013ブログ記事へ
琴坂将広、「企業は創造性と生産性を両立できるか 組織の意味を再定義する時」、Diamond Harvard Business Review November 2014Tom Kelley, David Kelley、「IDEO流創造性を取り戻す4つの方法 恐れを克服し、自由な発想を生みだす」、Diamond Harvard Business Review November 2014,(原著2012.)→ブログ記事へ
伊賀泰代、「生産性 マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの」、2016.ブログ記事へ
McCall, Jr. Price, Bruce Vojak,
「シリアル・イノベーター 『非シリコンバレー型』イノベーションの流儀」、2012.ブログ記事へ
David A. Garvin
、「グーグルは組織をデータで変える コミュニケーション軽視の風土を改善する」、Diamond Harvard Business Review, May 2014, p.45.ブログ記事へ
Reid Hoffman, Ben Casnocha, Chris Yeh
、「ALLIANCE 人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用」、2014.ブログ記事へ
Dixon, N.M.
、「ナレッジ・マナジメント5つの方法」、2000
Rosenzweig, P.
、「なぜビジネス書は間違うのか」、2007ブログ記事へ
Levy, P.F.
、「模範的チームはなぜ失敗したか」、Diamond Harvard Business Review, Feb.2010, p.154, (2010).ブログ記事へ
Martin Mocker, Jeanne W. Ross, “The Problem with Product Proliferation”, Harvard Business Review, May-June, 2017, p.104.
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杉野幹人、「使える経営学」、2014.ブログ記事へ
Heath, C., Heath, D.
、「アイデアのちから」、2007.ブログ記事へ
Heath, C., Heath, D.
、「スイッチ! 『変われない』を変える方法」、2010.ブログ記事へ
Chip Heath, Dan Heath
、「決定力! 正解を導く4つのプロセス」、2013.ブログ記事へ
Gardner, H.K.
、「メンバーのプレッシャーを克服させる法 大事な時に限って、萎縮してしまう」、Diamond Harvard Business Review, 2012年9月号、p.84ブログ記事へ
Schein, E.H.
、「人を助けるとはどういうことか 本当の協力関係をつくる7つの原則」、2009ブログ記事へ
Schein, E.H
、「シャイン博士が語る 組織開発と人的資源管理の進め方 プロセス・コンサルテーション技法の用い方」、2017.ブログ記事へ
森時彦著、「ファシリテーター養成講座 人と組織を動かす力が身につく!」、2007ブログ記事へ
Larry Dressler
、「プロフェッショナル・ファシリテーター どんな修羅場も切り抜ける6つの流儀」、2010.ブログ記事へ
金井壽宏、「危機の時代の[やる気]学」、2009ブログ記事へ
 コメント:モチベーション理論の説明が参考になります。
Susan Fowler
、「会社でやる気を出してはいけない」、2014.ブログ記事へ
Robert Kegan, Lisa Laskow Lahey
、「なぜ人と組織は変われないのか ハーバード流自己変革の理論と実践」、2009ブログ記事へ
Caludio Feser
、「マッキンゼーが教える科学的リーダーシップ リーダーのもっとも重要な道具とは何か」、2016.ブログ記事へ
Torbert and Associates
、「行動探求 個人・チーム・組織の変容をもたらすリーダーシップ」、2004.ブログ記事へ
Ben Waber
、「職場の人間科学 ビッグデータで考える『理想の働き方』」、2013ブログ記事へ
Kevin Werbach, Dan Hunter
、「ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義」、2012ブログ記事へ
金井壽宏、楠見孝編、「実践知 エキスパートの知性」、2012.ブログ記事へ
中原淳、「経営学習論 人材育成を科学する」、2012ブログ記事へ
上木貴博、「エスノグラフィー 人類学に学ぶ現場主義」、日経ビジネス、2010.12.6号、p.78.
橋本紀子、「『エスノグラフィ』という手法」、RANDOM誌、vol.53p.1(2007).
安宅和人「ビッグデータvs.行動観察データ:どちらが顧客インサイトを得られるのか 価値提供システムで考える6つの使い分け」2014Christian Madsbjerg, Mikkel B. Rasmussen「エスノグラフィーが顧客の真の姿を描き出す デジタル・データで説明できない顧客の行動原理」2014、松波晴人「行動観察をイノベーションへつなげる5つのステップ 常識を乗り越え、みずから変化を生み出す法」2014、宮澤正憲「IDEO、スタンフォード大学d-schoolでにわかに注目される デザイン思考でマーケティングは変わるか」2014Itamar Simonson, Emanuel Rosen「マーケターはオンライン・レビューを武器にせよ 消費者を動かす3つの要素」2014ブログ記事へ
Christian Madsbjerg, Mikkel B. Tasmussen
、「なぜデータ主義は失敗するのか? 人文科学的思考のすすめ」、早川書房、2014.ブログ記事へ
濱口秀司、「『デザイン思考』を超えるデザイン思考 真のイノベーションを起こすために」、2016Youngjin Yoo, Kyungmook Kim、「サムスン:デザイン思考から何を得たのか イノベーションを生む組織文化をつくる」、2015Indra Nooyi, Adi Ignatius、「ペプシコ:戦略にユーザー体験を 【インタビュー】CEOが語るデザイン思考をもとにした企業変革」、2015Tim Browm, Roger Martin、「IDEO流実行する組織のつくり方 新しい考えを組織に浸透させる『導入デザイン』」、2015Jon Kolko、「デザインの原則を組織に応用する シンプルさと人間らしさをもたらすツール」、2015、野矢茂樹、「はたして、論理は発想の的なのか 新しいものを生み出すプロセス」、2016Diamond Harvard Business Review, April 2016,特集号→ブログ記事へ
Jeanne Liedtka, “Why Design Thinking Works”, Harvard Business Review, September-October, 2018, p.72.
ブログ記事へ
Shaun Abrahamson, Peter Ryder, Bastian Unterberg,
「クラウドストーミング 組織外の力をフルに活用したアイディアのつくり方」、2013.ブログ記事へ
Bruch, H. Menges, J.I.
、「社員を追い詰める『加速の罠』」、Diamond Harvard Business Review, Dec. 2010, p.76.ブログ記事へ
Perlow, L.A., Porter, J.L.
、「プ
ロフェッショナルこそ計画的に休まなければならない」、Diamond Harvard Business Review, Mar. 2010, p.102.
Sim B. Sitkin, C. Chet Miller, Kelly E. See, “The Stretch Goal Paradox”, Harvard Business Review, January-February 2017, p.92.
ブログ記事へ
白石久喜、石原直子編、「事業創造人材の創造」、リクルートワークス研究所、2011.6.1.
本間浩輔、「ヤフーの1on1(ワンオンワン)――部下を成長させるコミュニケーションの技法」、2017.ブログ記事へ
Manfred F. R. Kets de Vries
、「コーチングが必要な困ったリーダーたち 職場環境はリーダー次第」、Diamond Harvard Business Review、2015年2月号、p.92ブログ記事へ
高橋克徳、河合太介、永田稔、渡部幹、「不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか」、2008ブログ記事
Amy C. Edmondson, 2012
、「チームが機能するとはどういうことか」→ブログ記事へ
Linda A. Hill, Greg Brandeau, Emily Truelove, Kent Lineback
、「イノベーションを生み出し続ける組織 
グーグルを成功に導いた『集合天才』のリーダーシップ」、Diamond Harvard Business Review, 2015 5月号、p.98ブログ記事へ
Linda A. Hill, George Davis, “The Board’s New Innovation Imperative”, Harvard Business Review, November-December, 2017, p.102.
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Jeffrey Pfeffer
、「悪いヤツほど出世する」、2015.ブログ記事へ
沼上幹、「やらせメール ご無体な命令が思考を止める」、朝日新聞、2011.7.15.
清水勝彦、「あなたの会社が理不尽な理由 経営学者の読み方」、2016.ブログ記事
McGrath, R.G.
、「マイクロソフト、3Mが実践する『知的失敗』の戦略」、Diamond Harvard Business Review20117月号、p.24.ブログ記事へ
菅野寛、「経営の失敗学 ビジネスの成功確率を上げる」、2014ブログ記事へ
Roberto Verganti, “The Innovative Power of Criticism”, Harvard Business Review, January-February 2016, p.88.
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大竹文雄、「競争と公平感-市場経済の本当のメリット」、2010ブログ記事へ
Joni, S.A., Beyer, D.
、「あえて戦うべき時、協調や譲歩は本当のチームワークではない」、Diamond Harvard Business ReviewMar. 2010, p.40.
Sutton
R.I.、「社内外のじゃま者と戦う 部下を守る『盾』となれるか」、Diamond Harvard Business Review, 2011, 2月号、p.86.ブログ記事へ
小林三郎、「ホンダイノベーション魂 第16回 自律、信頼、平等」、日経ものづくり、2011年7月号、p.103.
Atul Gawande、「アナタはなぜチェックリストを使わないのか? 重大な局面で“正しい決断”をする方法」、2009ブログ記事へ
Max. H. Bazerman,
「ハーバード流『気づく』技術」、2014.ブログ記事へ
Jpseph Jaworski
、「源泉 知を創造するリーダーシップ」、2012ブログ記事へ
Adam Grant
、「GIVE & TAKE 『与える人』こそ成功する時代」、2012ブログ記事へ
Adam Grant
、「ORIGINALS 誰もが『人と違うこと』ができる時代」、2016.ブログ記事へ
楠木建、「『好き嫌い』と経営」、2014.ブログ記事へ
楠木建、「好きなようにしてください たった一つの『仕事』の原則」、2016.、楠木建、「『好き嫌い』と才能」、2016.ブログ記事へ
谷崎光、「日本人の値段 中国に買われたエリート技術者たち」、2014ブログ記事へ
藤原綾乃、「技術流出の構図 エンジニアたちは世界へとどう動いたか」、2016.ブログ記事
Richard Dobbs, James Manyika, Jonathan Wetzel,
、「マッキンゼーが予測する未来 近未来のビジネスは、4つの力に支配されている」、2015.ブログ記事へ
平野正雄、「経営の針路 世界の転換期で日本企業はどこを目指すか」、2017.ブログ記事へ



参考書・文献・読書録インデックス(2018.12.24版)その2:科学関連

今まで内容の紹介をさせていただいた参考書、文献のリストその2です。
このリストから多少詳しいまとめに行けるようにしています。
概ね著者(グループ)ごとにまとめ、特に重要だと思う文献にはコメントをつけています。文献リストその1(マネジメントに近い内容)はこちら。本ブログ記事目次・参考文献リスト・索引の最新版はこちら

まとめページその4収録文献
Roberts R.M.
、「セレンディピティー」、1989
 コメント:技術系以外の方にもセレンディピティーの概念は知ってほしい。
Shapiro, G.
、「創造的発見と偶然」、1986
根岸英一、「発見の条件」、有機合成化学協会誌、vol.54No.1p.1(1996).ブログ記事へ
朝日新聞大阪本社科学医療グループ著、「iPS細胞とはなにか 万能細胞研究の現在」、2011
Moss, F.
、「MITメディアラボ 魔法のイノベーション・パワー」、2011.ブログ記事へ
Joichi Ito, Jeff Howe
、「9プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために」、2016.ブログ記事へ
Steven Johnson
、「イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則」、2010.ブログ記事へ
Hand, E., “People power”, Nature, vol.466, No.7307, 2010.8.5, p.685.
Goodnight, J.
、「クリエイティビティを引き出す」、Diamond Harvard Business ReviewSep., 2006, p.3.
鬼塚俊宏、先読み!人気のビジネス洋書、「卓越した知識・技術を持つ米国版「オタリーマン」を企業で活かす『ギークを指導すること~テクノロジーをもたらす従業員を管理・指導する方法~』 Leading Geeks : How to Manage and Lead People Who Deliver Technology――ポール・グレン著」、DIAMOND online2011.6.10ブログ記事へ
DIAMOND
ハーバードビジネスレビュー編集部編訳、「いかに『問題社員』を管理するか」、2005
内田賢、「研究者と年齢的限界」、組織行動研究 (Keio studies on organizational behavior and human performance). No.26 (1996. 3) ,p.67- 75.
文部科学省「科学技術要覧平成22年版」
田嶋清一、「自分と向き合う心理学」、2007
Peterson, C.
、「実践入門 ポジティブ・サイコロジー 『よい生き方』を科学的に考える方法」、2006ブログ記事へ
前野隆司、「実践ポジティブ心理学 幸せのサイエンス」、2017.ブログ記事へ
Achor, S.
、「PQ ポジティブ思考の知能指数 幸せな気持ちになると、何事もうまくいく」、Diamond Harvard Business Review, 2012, 5月号、p.58.
Spreitzer, G., Porath, C.
、「社員のパフォーマンスを高める 幸福のマネジメント」、Diamond Harvard Business Review, 2012, 5月号、p.46.
Gilbert, D.
、「些細な出来事の積み重ねが幸福感を左右する 幸福の心理学」、Diamond Harvard Business Review, 2012, 5月号、p.34.
Kay, J.、「想定外 なぜ物事は思わぬところでうまくいくのか」、2010.ブログ記事へ
Mario Livio
、「偉大なる失敗 天才科学者たちはどう間違えたか」、2013ブログ記事へ
Matthew Syed
、「失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織」、2015ブログ記事へ
Michael Nielsen
、「オープンサイエンス革命」、2012ブログ記事へ
Chris Anderson
、「MAKERS〔メイカーズ〕21世紀の産業革命が始まる」、2012ブログ記事へ
Henry Petroski
、「エンジニアリングの真髄 なぜ科学だけでは地球規模の危機を解決できないのか」、2010ブログ記事へ
佐倉統編、「人と『機械』をつなぐデザイン」、2015ブログ記事へ
畑村洋太郎、「技術大国幻想の終わり これが日本の生きる道」、2015ブログ記事へ

まとめページその5収録文献
Carson, S.
、「天才と変人 解き放たれた知性」、2011Simonton, D.K.、「創造性の起源」、2012Snyder, A.W., Ellwood, S., Chi, R.P.、「既成概念をオフ サヴァンに学ぶ独創のヒント」、2012、日経サイエンス  20136月号 特集:天才脳の秘密→ブログ記事へ
小田亮、「ヒトは環境を壊す動物である」、2004ブログ記事へ
小田亮、「利他学」、2011.ブログ記事へ
Dunbar, R.
、「友達の数は何人? ダンバー数とつながりの進化心理学」、2010.ブログ記事へ
長谷川英祐、「働かないアリに意義がある」、メディアファクトリー、2010.ブログ記事
Benkler, Y.
、「生物学、心理学、神経科学の知見が教える 利己的でない遺伝子」、Diamond Harvard Business Review, 2012, 2月号、p.8.
大槻久、「協力と罰の生物学」、2014.ブログ記事へ
Po Bronson, Ashley Marryman
、「競争の科学 賢く戦い、結果を出す」、2013ブログ記事へ
Sargut, G., McGrath,
「ビジネスリーダーの新しい経営学 [入門]複雑系のマネジメント」、Diamond Harvard Business Review, 2012, 1月号、p.118.ブログ記事へ
Johnson, N.
、「複雑で単純な世界 不確実なできごとを複雑系で予測する」、2007.ブログ記事
Albert-László Barabási、「バースト! 人間行動を支配するパターン」、2010ブログ記事へ
Albert-László Barabási
、「新ネットワーク思考 ~世界のしくみを読み解く~」、2002
Melanie Mitchell
、「ガイドツアー 複雑系の世界 サンタフェ研究所講義ノートから」、2009
Watts, D.J.
、「偶然の科学」、2011ブログ記事へ
David J. Hand、「『偶然』の統計学」、2014.ブログ記事へ
Frans Johansson
、「成功は“ランダム”にやってくる! チャンスの瞬間『クリック・モーメント』のつかみ方」、2012.ブログ記事へ
Carl Honoré
、「難題解決の達人たち 即効策はなぜ効かないのか」、2013.ブログ記事へ
Itzhak Gilboa
、「意思決定理論入門」、2011ブログ記事へ
Elliott Sober
、「科学と証拠 統計の哲学入門」、2008ブログ記事へ
Bart de Langhe, Stefano Puntoni, Richard Larrick, “Linear Thinking in a Nonlinear World”, Harvard Business Review, May-June, 2017, p.130.
ブログ記事へ
Cass R. Sunstein
、「恐怖の法則 予防原則を超えて」、2005.ブログ記事へ
島崎敢、「心配学 『本当の確率』となぜずれる?」、2016.ブログ記事へ
Baruch Fischhoff, John Kadvany
、「リスク 不確実性の中での意思決定」、2015.ブログ記事へ
Mauboussin, M.J.
、「まさか!? 自信がある人ほど陥る意思決定の8つの罠」、2009.ログ記事へ
Kahneman, D.
、「ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 上、下」、2011ブログ記事へ
網谷祐一、「理性の起源 賢すぎる、愚かすぎる、それが人間だ」、2017.ブログ記事へ
John A. Bargh
、「意思決定の心理学」、(原著2014)、Ed Yong、「ステレオタイプ脅威」、(原著2013)、Merim Bilalić, Peter McLeod、「アインシュテルング効果 良案が排除されるわけ」、(原著2014)、日経サイエンス、2014年5月号→ブログ記事へ
阿部修士、「意思決定の心理学 脳とこころの傾向と対策」、2017.ブログ記事へ
Dean Buonomano,
「バグる脳 脳はけっこう頭が悪い」、2011.ブログ記事へ
鈴木宏明、「教養としての認知科学」、2016.ブログ記事へ
Leonard Mlodinow,
「しらずしらず あなたの9割を支配する『無意識』を科学する」、2012.ブログ記事へ
Robert Cialdini
、「影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく」、2007.ブログ記事へ
Tom Vanderbilt
、「好き嫌い 行動科学最大の謎」、2016.ブログ記事へ
Steven D. Levitt, Stephen J. Dubner
、「0ベース思考 どんな難問もシンプルに解決できる」、2014ブログ記事へ
Michio Kaku
、「フューチャー・オブ・マインド 心の未来を科学する」、2014ログ記事へ
Aariely, D
、「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」、2012.ブログ記事
Page S.E.
、「『多様な意見』はなぜ正しいのか 衆愚が集合知に変わるとき」、2007ブログ記事へ
西垣通、「集合知とは何か ネット時代の「知」のゆくえ」、2013.ブログ記事へ
Christakis, N.A., Fowler, J.H.
、「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」、2009ブログ記事へ
McAfee, A., Brynjolfsson, E.
、「ビッグデータで経営はどう変わるか 測定できれば、マネジメントできる」、松岡正剛、「情報は物語をほしがっている ビッグデータ時代の編集工学」、McInerney, P., Goff, J.、「ビッグデータが日本企業に迫るもの 意思決定が競争優位に直結する」、Davenport, T.H., Patil, D.J.、「データ・サイエンティストほど素敵な仕事はない いま最も必要とされているプロフェッショナル」、樋口知之(聞き手:編集部)、「データ解析の神髄とは インタビュー統計学の第一人者が語る」、Barton, D., Court, D.、「ビッグデータ活用スキルをいかに育むか 高度だが実用性の高いモデルを構築する」、Diamond Harvard Business Review, Feb. 2013ブログ記事へ
Steve Lohr
、「データサイエンティストが創る未来 これからの医療・農業・産業・経営・マーケティング」、2015.ブログ記事へ
Kaiser Fung
、「ナンバーセンス ビッグデータの嘘を見ぬく『統計リテラシー』の身につけ方」、2013ブログ記事へ
Jean-Gabriel Ganascia、「そろそろ、人工知能の真実を話そう」、2017.ブログ記事へ
松田雄馬著、「人工知能の哲学 生命から紐解く知能の謎」、2017.ブログ記事へ
Thomas H. Davenport, Rajeev Ronanki,  “Artificial Intelligence for the Real World”, Harvard Business Review, Januaryr-February, 2018, p.108.
ブログ記事へ
James Wilson, Paul R. Daugherty, “Collaborative Intelligence: Humans and AI Are Joining Forces”, Harvard Business Review, July-August, 2018, p.114.
ブログ記事へ
Noreena Hertz
、「情報を捨てるセンス選ぶ技術」、2013ブログ記事へ
高橋昌一郎、「理性の限界」、2008
高橋昌一郎、「知性の限界」、2010ブログ記事へ(上記文献とまとめて)
高橋昌一郎、「感性の限界」、2012ブログ記事へ
 コメント:科学哲学入門ならこの限界3部作がおすすめ。
森田邦久、「理系人に役立つ科学哲学」、2010ブログ記事へ
伊勢田哲治+戸田山和久+調麻佐志+村上祐子編「科学技術をよく考える クリティカルシンキング練習帳」、2013ブログ記事へ
今道友信、「エコエティカ 生圏倫理学入門」、1990.ブログ記事へ
Brown, J.R.
、「なぜ科学を語ってすれ違うのか ソーカル事件を超えて」、2001ブログ記事へ
Arthur, W.B.
、「テクノロジーとイノベーション 進化/生成の理論」、2009.ブログ記事へ
須藤靖、伊勢田哲治、「科学を語るとはどういうことか 科学者、哲学者にモノ申す」、2013ブログ記事
五島綾子、「<科学ブーム>の構造 科学技術が神話を生みだすとき」、2014.ブログ記事へ
菊池誠、松永和紀、伊勢田哲治、平川秀幸著、飯田泰之+SYNODOS編、「もうダマされないための『科学』講義」、2011ブログ記事へ
Singh, S., Ernst, E.
、「代替医療のトリック」、2008.
菊池聡、「超常現象をなぜ信じるのか」、1998
平川秀幸、「科学は誰のものか 社会の側から問い直す」、2010
新井紀子、「コンピュータが仕事を奪う」、2010
平川克美、「移行期的混乱-経済成長神話の終わり」、2010
Erik Brynjolfsson, Andrew McAfee
、「機械との競争」、2011ブログ記事へ
Erik Brynjolfsson, Andrew McAfee
、「ザ・セカンド・マシンエイジ」、2014.ブログ記事へ
Richard Susskind, Daniel Susskind
、「プロフェッショナルの未来 AIIoT時代に専門家が生き残る方法」、2015.ブログ記事へ
Nicholas Carr
、「オートメーション・バカ 先端技術がわたしたちにしていること」、2014ブログ記事へ
ジャレド・ダイアモンド、ノーム・チョムスキー、オリバー・サックス、マービン・ミンスキー、トム・レイトン、ジェームズ・ワトソン、吉成真由美(インタビュー・編)、「知の逆転」、2012ブログ記事へ
William Poundstone
、「クラウド時代の思考術 Googleが教えてくれないただひとつのこと」、2017.ブログ記事へ
Steven Sloman, Philip Fernbach
、「知ってるつもり 無知の科学」、2017.ブログ記事へ
小飼弾、「『中卒』でもわかる科学入門――“+-×÷”で科学のウソは見ぬける!」、2013ブログ記事へ
内田麻理香、「科学との正しい付き合い方 疑うことから始めよう」、2010ブログ記事へ
垂水雄二、「科学はなぜ誤解されるのか わかりにくさの理由を探る」、2014.ブログ記事へ
竹内薫、「理系バカと文系バカ」、2009ブログ記事へ
竹内薫、「科学嫌いが日本を滅ぼす 『ネイチャー』『サイエンス』に何を学ぶか」、2011.ブログ記事へ
有田正規著、「科学の困ったウラ事情」、岩波書店、2016.ブログ記事
西成活裕、「誤解学」、2014.ブログ記事へ
坂村健、「不完全な時代――科学と感情の間で」、2011ブログ記事へ
福岡伸一、「動的平衡」、2009.
福岡伸一、「生物と無生物のあいだ」、講談社、2007.



「知ってるつもり」(スローマン、ファーンバック著)より

イノベーションにおいては、個人あるいは自組織の知識を外部の知識と組み合わせて新たな知識を創造することの重要性がよく指摘されます。さらに、個人や組織の暗黙知と形式知の相互変換が知識の創造には重要である、という指摘もあります。では、個人の知識とはそもそもどのようなものなのでしょうか。

今回ご紹介するスローマン、ファーンバック著「知ってるつもり」[文献1]では、個人の知識とはコンピュータのメモリに保存されているような性質のものではないこと、さらには、ただ知ってるつもりになっているだけのことだったり、個人の属する共同体(やその構成員)の知識に依存している側面も持つものである、などの最近の認知科学の成果が解説されています。近年の認知科学、心理学、脳科学の進歩は、人間の精神的活動について多くの示唆に富んだ見方を提供してくれており、人間の本質に関する従来の考え方が見直しを迫られることも多くなっているように思います。もちろん、人間の全てが理解できた、という状況ではありませんが、理解が急速に進みつつある分野の知見として注目に値すると思います。以下、本書の構成に沿って、興味深く感じた点をまとめてみたいと思います。

序章、個人の無知と知識のコミュニティ
・「認知科学によって得られた知見の多くは、一人ひとりの人間のできないこと、すなわち人間の限界を明らかにしてきた。・・・おそらくなにより重要なのは、個人の知識は驚くほど浅く、この真に複雑な世界の表面をかすったぐらいであるにもかかわらず、たいていは自分がどれほどわかっていないかを認識していない、ということだ。その結果、私たちは往々にして自信過剰で、ほとんど知らないことについて自分の意見が正しいと確信している。[p.12]」
・「人間の知性は、大量の情報を保持するように設計されたデスクトップ・コンピュータとは違う。知性は、新たな状況下での意思決定に最も役立つ情報だけを抽出するように進化した、柔軟な問題解決装置である。その結果、私たちは頭のなかに、世界についての詳細な情報をごくわずかしか保持しない。[p.13]」
・「言いたいのは、人間は無知である、ということではない。人間は自分が思っているより無知である、ということだ。私たちはみな多かれ少なかれ、『知識の錯覚』、実際にはわずかな理解しか持ち合わせていないのに物事の仕組みを理解しているという錯覚を抱く。[p.16]」
・「私たちの知性は、個別のモノや状況について詳細な情報を得るようにはできていない。新たなモノや状況に対応できるように、経験から学び、一般化するようにできている。新たな状況で行動するためには、個別具体的な詳細情報ではなく、世界がどのような仕組みで動くのか、そのおおもとにある規則性だけを理解しておけばいい。[p.21]」
・「なんでもできる人というのは存在しない。だから人は協力するのだ。技術や知識を簡単に共有できるのは、社会集団で暮らすことの大きなメリットだ。[p.23]」

第1章、「知っている」のウソ
・「説明深度の錯覚」を検証する手法:「被験者に何かを説明してもらい、その結果自らの理解度に対する評価がどう変化するかを示す[p.31]」。
・「説明できる知識は、自分が思っていたほど持ち合わせていなかった・・・これこそが『説明深度の錯覚』の本質である。何かを説明しようとするまで、被験者は自分の理解度はそれなりの水準だと思っていた。だが説明した後には、そうは思わない。[p.33-34]」「私たちは自分の知識を過大評価する。つまり自分で思っているより無知なのだ。[p.35]」
・「なぜ、これほど無知な私たちは、世界の複雑さに圧倒されてしまわないのか。・・・それは私たちが『嘘』を生きているからだ。物事の仕組みに対する自らの知識を過大評価し、本当は知らないくせに物事の仕組みを理解していると思い込んで生活することで、世界の複雑さを無視しているのである。[p.46-47]」

第2章、なぜ思考するのか
・「知的であるというのは要するに、五感から入ってくる膨大なデータから本質的で抽象的な情報を抽出する能力があるということだ。高度な大きい脳を持つ動物は、単に周囲の光、音、においに反応するのではなく、知覚した世界の本質的かつ抽象的属性に反応する。[p.58]」
・「脳は、有効な行動をとる能力を支えるために進化した。思考する動物は、短期的にも長期的にも自らを利するような行動をとる可能性が高く、ライバルよりも生き延びる可能性が高い。・・・脳が大きく複雑になるにつれて、環境からのより本質的で抽象的な手がかりにうまく対応できるようになり、新たな状況にますますうまく適応できるようになる。これは知識の錯覚を理解するうえで、きわめて重要な点だ。往々にして、有効な行動をとるうえで詳細情報を保持している必要はない。たいてい全体像さえわかっていれば事足りる。[p.60]」

第3章、どう思考するのか
・「人間は地球上でもっとも因果的思考に長けた生き物である。[p.64]」「思考の目的は特定の状況下で最も有効な行動を選択することだ。そのためにはさまざまな状況に共通する、本質的な特性を理解する必要がある。人間が他の動物を違うのは、こうした本質的な、不変の特性を理解する能力を持っていることだ。[p.65]」「因果的推論は、因果的メカニズムに関する知識を使って、変化を理解しようとする試みである。さまざまなメカニズムを通じて、原因がどのような結果に終わるかを推測することで、未来に何が起こるかを予想するのに役立つ。[p.66]」
・「(パブロフの理論とは異なり)人間は連想的思考のみに頼るわけではなく、また論理的推論だけに頼るわけでもない。私たちは因果分析に基づいて推論するのだ。世界がどんな仕組みで動いているかを論理的に考え、推論するのである。原因がどのように特定の結果をもたらすのか、どのようなことが特定の結果を生み出す妨げとなるのか、原因が想定どおりの影響をもたらすためにはどのような条件が整っていなければならないかを考える。私たちは『命題的』論理、すなわち特定の見解が正しいか否かを判断するための論理で思考するのではない。『因果的』論理、すなわち特定の事象がどのように起こるかという知識に基づく因果関係の論理でモノを考え、結論を導き出す。[p.68]」
・「認知的推論には前向きと後ろ向きの二通りがある。前向き推論とは、原因がどのような結果をもたらすかを考えることだ。・・・一方、後ろ向き推論とは、結果から原因を推論することだ。・・・前向き推論(原因から結果)のほうが、後ろ向き推論(結果から原因)よりも簡単だ。・・・結果から原因にさかのぼる後ろ向き推論は難しい。ただ、それこそ人間の特徴でもある。[p.71]」「皮肉なことに、私たちは診断推論より予測推論のほうが得意であるがために、予測推論をするときには診断推論では犯さないような過ちを犯す。[p.72]」
・「因果情報を交換する方法として最も一般的なのは物語だ。[p.76]」「人間は出来事の因果を理解するために、自然と物語を作る。[p.77]」

第4章、なぜ間違った考えを抱くのか
・「因果的推論は人間の思考において基盤的役割を果たすのかもしれないが、だからといって私たちの因果的推論が完璧なわけではない。[p.84]」
・「私たちは絶えず何らかの因果的推論をしているが、そのすべてが同じというわけではない。瞬時のものもある。・・・一方、じっくり考え、分析するのが必要な因果的推論もある。[p.89-90]」「この二つのタイプの思考は、以前から哲学、心理学、認知科学の研究においてはっきりと区別されてきた。ダニエル・カーネマンは・・・両者の違いを明確に述べているが、この発想は数千年前から存在する。・・・本書では『直観』と『熟慮』と呼ぼう。[p.90]」
・「直観は単純化された大雑把な、そして必要十分な分析結果を生む。それは何かをそれなりにわかっているという錯覚を抱く原因となる。しかしよく考えると、物事が実際にはどれだけ複雑であるかがわかり、それによって自分の知識がどれほど限られているかがはっきりする。・・・熟慮型の人は詳細な情報を求める。物事を説明するのが好きなので、おそらく誰かに頼まれなくてもいちいち説明するのだろう。そういう人は、説明深度の錯覚に陥ることはないはずだ。[p.98]」「直観は個人的なものだ。それぞれの頭の中にある。一方熟慮には、個人として知っていることだけでなく、ぼんやりとしか知らないことや表面的にしか知らないこと、すなわち他の人々の頭の中になる事実も使われる。・・・そういう意味では、熟慮は知識コミュニティの力を借りていると言える。[p.99]」

第5章、体と世界を使って考える
・「研究からわかるのは、人間(そして昆虫)は・・・モデルを構築し、膨大な計算をしてから行動するわけではないということだ。そうではなく、世界についての事実・・・を活用して、行動を単純化するのである。・・・知識はすべて私たちの頭の中にあるわけではないことがわかる。ごく単純な行動をするときも、私たちは世界を外部記憶として使う。[p.116-117]」「人間は感情的反応を、ある種の記憶として使うこともある。[p.119]」「学ぶべき主な教訓は、知性を脳の中でひたすら抽象的計算に従事する情報処理装置と見るべきではない、ということだ。[p.121

第6章、他者を使って考える
・「知性は、個人がたった一人で問題の解決に取り組むという環境のなかで進化してきたのではない。集団的協業という背景の下で進化してきたのであり、私たちの思考は他者のそれと相互にかかわりながら、相互依存的に進化してきたのだ。[p.126]」
・「人間は他者が何をしようとしているかを推論できるだけではない。他の機械や動物の認知システムにはない能力がある。他者と関心を共有することだ。人間同士が相互作用するときには、単に同じ事象を経験するだけではない。互いが同じ事象を経験していることを認識している。[p.129]」「コミュニティの中で知識は単に分散しているだけではない。共有されているのだ。このように知識が共有されると、『志向性』を共有することができる。つまり、ともに共通の目標を追求することができるようになる。[p.130]」
・「知識のコミュニティにおいては、知識を自分が持っているか否かより、知識にアクセスできるか否かのほうが重要なのだ。[p.140]」
・「知識の呪縛とは、私たちは自分の頭の中にあることは、他の人の頭の中にもあるはずだと考えがちなことを指す。一方、知識の錯覚は、他の人の頭の中にあることを、自分の頭の中にあると思い込むことを指す。[p.144]」
・「人は集団意識の中で、他者や環境に蓄積された知識に依存しながら生きているので、個人の頭の中にある知識の大部分はきわめて表層的である。・・・それでも生きていけるのは、知識のさまざまな部分の責任をコミュニティ全体に割り振るような認知的分業が存在するからである。[p.144]」

第7章、テクノロジーを使って考える
・「クラウドソーシングが最もうまく機能するのは、誰よりも専門知識を持った人々にコミュニティに参加するのに十分なインセンティブがある場合だ。[p.163]」
・「テクノロジーを、人間を脅かすような永遠に成長しつづける力を持った脅威と見るのは誤りだ。予見できる未来において、テクノロジーが人間に成功をもたらした決定的要素、すなわち志向性を共有する能力を獲得することはないだろう。それゆえにテクノロジーが知識のコミュニティで人間の対等のパートナーとなることもない。今後も補助的なツールでありつづける。むしろ今、テクノロジーは新しい重要な役割を獲得しつつある。クラウドソーシングと協業を支え、人間のコミュニティをさらに大きくすることだ。[p.167]」

第8章、科学について考える
・「科学技術に不信感と懸念を抱く人は常に存在し、過去100年にわたる驚異的な科学の進歩にもかかわらず、反科学主義は依然として根強い。・・・科学技術に対する合理的な懐疑心はおそらく社会にとって健全なものだが、反科学主義は行き過ぎると危険になりうる。[p.170]」
・「人の信念を変えるのは難しい。なぜならそれは価値観やアイデンティティと絡みあっており、コミュニティと共有されているからだ。しかも私たちの頭の中にある因果モデルは限定的で、誤っていることも多い。誤った信念を覆すのがこれほど難しい理由はここにある。コミュニティの科学に対する認識が誤っていることもあり、その背景に誤った認識を裏づけるような因果モデルが存在することもある。そして知識の錯覚は、私たちが自分の理解を頻繁に、あるいはじっくりと検証しないことを示している。こうして反科学的思考が生まれる。[p.185]」「人々にとって、頭の中にある因果モデルと矛盾するような新たな情報は受け入れがたく、否定されやすい。[p.186]」

第9章、政治について考える
・「具体的に何が、人々の政策に対する態度を形成するのだろう。政策の影響をじっくり考えることはそれほど重要ではなく、むしろ自分の属しているコミュニティが重要であることはすでにみたとおりだ。ただし、人々の立場を決定づける要因はもう一つあることを理解しておくことが重要だ。私たちの抱く価値観のなかには絶対に譲れないものがあり、それはどれだけ議論をしても変わらない。[p.199]」

第10章、賢さの定義が変わる
・「科学の進歩は天才の登場だけでなく、特定の発見の条件が整ったときに起こるようだ。進歩に必要な背景理論がそろい、適切なデータが収集されること。そして何より重要なのは、進歩に必要な議論がすでに起きていることだ。科学者のコミュニティが英知を結集し、正しい問い、まさに答えが生み出されようとしている問いに意識を集中している状況である。[p.217]」「私たちは物事を単純化しようとする。その一つが英雄信仰、すなわち重要な個人とそれを支える知識のコミュニティとを混同することだ。・・・コミュニティを構成する複雑に入り組んだ人間関係や事象を説明する代わりに、偉大な個人のライフストーリーを語ればいい。政治、娯楽、科学の世界で同じ手法が使われる。真実を個人の物語で代用するのだ。[p.218]」
・「知識はコミュニティのなかにあるという気づきは、知能に対するまったく別のとらえ方をもたらす。知能を個人的属性と見るのではなく、個人がどれだけコミュニティに貢献するかだと考えるのだ。[p.223-224]」

第11章、賢い人を育てる
・「認知的分業のなかで自分にできる貢献をし、知識のコミュニティに参画することが私たちの役割ならば、教育の目的は子供たちに一人でモノを考えるための知識と能力を付与することであるという誤った認識は排除すべきだ。[p.237]」「本物の教育には、自分には知らないことが(たくさん)あると知ることも含まれている。[p.238]」「全員に何もかも教え込もうとするのは不毛だ。そうではなく個人の強みを考慮し、それぞれが最も得意とする役割において才能を開花させられるようにすべきだ。また他者とうまく協力するための能力、たとえば共感や傾聴の能力に重きを置く必要がある。コミュニケーションやアイデアの交換を促すためには、事実を見るだけではなく批判的に思考する能力を身につけさせることも欠かせない。[p.250]」

第12章、賢い判断をする
・「リバタリアン・パターナリズムは、行動科学によって・・・私たちの意思決定を改善できると考える。行動科学を活用することで、後から悔むような意思決定をする理由を特定し、意思決定のプロセスを変化させることで、将来はもっと良い意思決定ができるようになるかもしれない。このような変化を促す行為を『ナッジ(軽く突くこと)』と呼ぶ。[p.268]」「ナッジという手法から学ぶべき重要な教訓は、個人を変えるより、環境を変えるほうが簡単で効果的であるということだ。・・・この教訓は、知識のコミュニティの一員である私たちの意思決定を考えるうえで役に立つ。まずたいていの人は説明嫌いであるという事実、意思決定に必要な詳細な情報を理解する気も能力もないことが多いという事実を認める必要がある。しかし理解していなくてもなるべく優れた判断ができるように、環境を整えることはできる。[p.270]」

結び、無知と錯覚を評価する
・「人類の成し遂げた偉業の多くは、自らの理解度に対する誤った信念によって可能になった。そういう意味では、錯覚は人間の文明の進歩に必要だったかもしれない。[p.284
---

多くの人が知恵を出し合い協力することによって、相乗効果が発揮される可能性はよく指摘されます。しかし、実際には、そもそも知恵というものは協力が発生するコミュニティに基づいたものである、という著者の指摘は興味深く感じました。だとするとなぜこうした協力がうまくいかない場合があるのでしょうか。本書の考え方を参考にすると、おそらくそれは、知識がコミュニティに依存していることに気づかず、自分の知識を過信して、頼るべきコミュニティの知識をないがしろにしてしまうためなのかもしれません。そう考えると、もし協力を進めたいなら、自分の無知を謙虚に受け入れ外部に目を向けること、そしてよりよいコミュニティを作っていくことが重要、ということになるのではないでしょうか。イノベーションの源泉として協力関係を考えるなら、協力して知識を創造していくという行為の本質についての理解は今後ますます重要になっていくように思います。


文献1:Steven Sloman, Philip Fernbach, 2017、スティーブン・スローマン、フィリップ・ファーンバック著、土方奈美訳、「知ってるつもり 無知の科学」、早川書房、2018.
原著表題:The Knowledge Illusion: Why We Never Think Alone

研究開発実践のマネジメント第36回-失敗の様々な要因:研究開発マネジメントの実践と基礎知識2.4.5.3)(「ノート」全面改訂)

はじめに第1回
1、研究開発とはどのようなものか:研究開発マネジメント実践の観点から認識しておくべきこと第2回第7回
2、研究開発実践のマネジメント
2.1
、取り組む課題を決める(研究テーマの設定)
第8回第17回
2.2
、研究開発を行う人のマネジメント第18第24回
2.3
、研究組織とそのマネジメント第25回第29回
2.4
、研究プロジェクトの運営
2.4.1
、研究プロジェクトの進め方
第30回第31回
2.4.2
、コラボレーションのマネジメント第32回
2.4.3
、研究プロジェクトの方向転換と中止第33回
2.4.4
、可視化による運営のマネジメント第34回
2.4.5
、失敗を避ける、1) 失敗を避けるために注意すべきポイント、2)具体的事例第35回

3)
様々な失敗要因についての指摘
イノベーションやマネジメントにおける失敗の原因については様々な指摘があります。前回記事では失敗の原因をある程度整理してみましたが、それ以外にも重要な指摘は多いと思います。そこで今回は、実践家が失敗を避けるために活用可能と思われる、様々な失敗の要因についての指摘を集めてみました。

偉大な企業が衰退する5つの段階

Collins
は偉大な企業が衰退する段階を以下のように整理しています。[文献1]
第1段階、成功から生まれる傲慢:成功により現実の厳しさから隔離され、真の成功要因を見失い、成功を当然視する。成功した理由が通用しなくなる条件を理解しなくなったり、運が良かっただけで成功したという可能性を認識せず、自分たちの長所と能力を過大評価する傲慢に陥る。
第2段階、規律なき拡大路線:当初に偉大さをもたらしてきた規律ある創造性から逸脱し、偉大な実績をあげられない分野に規律なき形で進出するか、卓越性を維持しながら達成できる以上のペースでの成長を目指す。
第3段階、リスクと問題の否認:内部では警戒信号が積み重なってくるが、外見的には業績が十分に力強いため、悪いデータを小さく見せ、良いデータを強調し、曖昧なデータを良く解釈する、ということが起きる。
第4段階、一発逆転策の追求:問題点と失敗が表面化し、衰退が明らかとなり、一発逆転狙いの救済策にすがろうとする。カリスマ的指導者、大胆だが実績のない戦略、抜本的な改革、大ヒット狙いの新製品、ゲームを変える買収などに頼る。しかし、こうした策による効果は一旦業績を好転させても長続きしない。
第5段階、屈服と凡庸な企業への転落か消滅:後退を繰り返し、巨費を投じた再建策が失敗に終わったことで、財務力が衰え、士気が低下し衰退、消滅、身売りなどに至る。

このうち、成功体験に基づく傲慢、規律の喪失、問題点の否認、一発逆転への依存はすべての既存企業が注意すべき要因ではないでしょうか。

経営幹部の脱線パターン
McCallは、脱線した経営幹部のパターンについて以下のような指摘をしています[文献2]。これも成功体験が生む問題点に関連していると言えるでしょう。
すべての「強み」は「弱み」になりうる:たとえ周囲の状況が変わったとしても、昔役立った「強み」を捨てることは難しく、成功に導いた「強み」が問題になる。
表面に現れていなかった弱みが、最終的に問題になる:以前は問題とならなかった、あるいは、「強み」や業績に隠れていた「弱み」や欠点は、新たな状況では重要な問題となる。
次々に成功を重ねると傲慢になる:自分は絶対であり、他の人の助けを必要としないという誤った信念が生まれる。
「不運」が生じたとき、つまり、物事が悪い方向に動いたとき、どのような行動をとるかが決定要因になる:「不運」を「私の失敗ではない」と解釈することで、「不運」の原因として自分が関与しているという事実を隠してしまうことがある。

判断に影響する7つのバイアス
Govindarajan
Trimbleは判断に影響する以下の7つのバイアスを指摘をしています。[文献3、第6章]
バイアス1、予測の過信:「失敗は予測の間違いではなく実行の欠陥にあると説明したがる傾向は、イノベーションにとって普遍的な、そして最も危険な敵であるとわたしたちは考えている[文献3、p.238]。」
バイアス2、エゴ・バイアス:「人は実験に成功したときには計画して実行した行動のおかげだと考え、失敗すると外部の影響のせいと考える傾向がある[文献3、p.261]
バイアス3、新近性バイアス:「実験の結論を出すときには直前の出来事に注目してしまい、実験の最初から終わりまでの出来事をトータルに検討するのを怠るという過ちを犯す傾向がある。[文献3、p.262]
バイアス4、慣れのバイアス:「慣れ親しんだ説明に流れる[文献3、p.262]
バイアス5、サイズのバイアス:「大きな結果は大きな行動によって生まれると頭から思いこむ[文献3、p.262]

バイアス6、単純性バイアス:「単純にパフォーマンス・エンジンの数値指標と基準をイノベーション・イニシアチブに適用する[文献3、p.263]
バイアス7、政治的バイアス:社内の競争に基づくバイアス。

イノベーションチームを結成するときのよくある7つの間違い
さらに、GovindarajanTrimbleはイノベーションチームを結成する場合の注意点(罠)として以下の項目を挙げています[文献3、第2章]。彼らの指摘は特に、企業内の既存事業を担当する部署と、イノベーションを担当する部署がうまく連携する上で重要と思われます。
第1の罠、インサイダー重視のバイアス:プライド、なじみ、気楽さ、便利さ、報酬規定、社内の人間にチャンスを与えたいという思いなどから内部の人間をチームに入れたくなるが、スキル不足のリスク、組織の記憶(古いやり方、慣れ親しんだやり方、習慣やバイアス、行動パターン、思考パターンなど)に妨げられて失敗するリスクがある。
第2の罠、役割や責任について、それまでの規定を援用する→新しい肩書、過去の知識を一掃する業務分担、専用スペースなどが効果的。
第3の罠、パフォーマンス・エンジン(既存事業の安定的な収益を生み出す仕組み)のパワーセンターの支配を再強化する→力を持っている部署の影響力を変化させるために、外に見える形式的な手段などを用いるとよい。
第4の罠、それまでどおりの数値目標で業績評価を行う:「パフォーマンス・エンジンではとても意義のある数値目標でも、専任チームにも同じように意義があるという場合はごく少ない」。
第5の罠、異なる社風の創造に失敗する:「イノベーション・リーダーは新たな価値観を表現する新しいストーリーを創造し、広めたほうがいい。」「専任チームは自分たちだけにイノベーションの気風があると主張してはいけない。」
第6の罠、できあがったプロセスを使う:「専任チームがパフォーマンス・エンジンをコピーすべきだという状況はありえない。」
第7の罠、同質化圧力に負ける:「あらゆる手段で効率を最大化しようとするサポート機能のリーダーがいると、専任チームは組織の記憶を克服することがほぼ不可能になるだろう。」

イノベーションにおいて陥りがちな罠(Anthonyらによる)
Anthonyらが挙げている「イノベーションにおいて陥りがちな罠」は以下のとおりです[文献4、p.356-361]。
プロジェクト関連の罠

1、早期に過大な投資を行なってしまう(欠陥がある戦略にチームが貼りつけられてしまう可能性がある)
2、「何をなすべきか」よりも「何ができるか」を優先してしまう(市場のニーズの存在確認が必要)
3、実現不可能な完全性を追求する(完璧な製品というものは後になってみなければ判断できない)
4、分析過剰症候群(成功を阻む重要課題にフォーカスを絞ることが必要)
5、従来型の市場予測ツールの使用(既知の市場で機能するツールが新事業にも使えるかわからない)
6、コア・コンピタンスへの固執(コア・コンピタンスが組織の硬直化に結びつくことがある)
企業関連の罠
1、バランスを欠くポートフォリオ(中核事業に近いもの、同じようなリスク特性のものだけになりやすい)
2、長期化したプロジェクトが多くなりすぎる(プロジェクト中止の決断は有効)
3、中核事業によるフォーカスの拡散(独自性の高いプロジェクトが過去と同じようなものになってしまう)
4、誤った意思決定基準の使用(数字にこだわった意思決定では大きな成長機会を見失いやすい)

既存企業のイノベーションの問題点の例
Riesによる)
Ries
は既存企業におけるイノベーションの進め方について以下のような問題点を指摘しています。
・「やってみよう(ジャスト・ドゥー・イット)」型起業[文献5、p.80
・虚栄の評価基準[文献5、p.174
・成功劇場(偽りの成長で成功しているかのように見せる)[文献5、p.118
・不備な計画をきちんと実行してしまう「失敗を達成する」[文献5、p.321
・巨大バッチ死のスパイラル[文献5、p.261
・プロフェッショナルになろうというまちがった欲望を持ち、柔軟性を失って官僚的になる[文献5、p.293
・起きる可能性のある問題をすべて防止しようとした結果、いつまでたっても製品が出荷できなくなる過剰アーキテクチャー[文献5、p.293

主にイノベーションのスタート段階での困難
Wulfen
は、イノベーションスタート段階での困難を指摘しています。
「イノベーションをふいにする6つのパターン[文献6、p.52-53]」:1、必要ないのに始める、2、最初にイノベーターを選ぶ、3、あなたのアイデアを出発点にする(批判的な意見が出るのは「アイデアがあなたのものであって、彼らのものではないから」)、4、ひとつのアイデアに賭けてしまう、5、ブレーンストーミングから始めてしまう(ブレーンストーミングがうまくいかないのは古いものを捨てられないから)、6、顧客を無視して始めてしまう。
「イノベーションのスタートで起こる10の問題[文献6、p.62-63]」:1、方向性の欠如、2、アイデアの固定化、3、常識への固執、4、仕切り屋の存在(参加者のあいだに力関係があるとよくない)、5、負のスパイラル(ネガティブ発言で黙ってしまう)、6、付せんはたまった、じゃあ次は?(どう活用したらいいかわからない)、7、アイデアのあいまいさ、8、上層部による封殺、9、開発チームによる改変(開発チームに受け渡された後)、10、生産ラインからの抵抗
「アイデア創出の5つのジレンマ[文献6、p.64-65]」:1、いつ(「財政と文化の両面で、社内にイノベーションの機運が高まらない限り成功しない」、2、誰が(内部か外部か)、3、何を(革新的か発展的か)、4、どの基準を採用すべきか(クリアすべき明確な基準は?)、5、どうやって(自由に行くか理詰めでいくか)

イノベーションの最初の段階での課題
Anthonyが挙げるイノベーションの最初の段階(ファーストマイル)での課題は以下のようなものです。
課題1、道を間違える:「イノベーターが道を間違える最大の理由は、みせかけのホワイトスペース(空白地帯)に魅了されてしまうことだ。[文献7、p.154]」、「まず自問してみるべきだ。これまで誰も実行しなかったのはなぜだろう?[文献7、p.158]」
課題2、燃料切れ:「ファーストマイルにおいて特に致命的となり得る障害は、心理学者が言うところの計画錯誤によって引き起こされる[文献7、p.159]」。計画錯誤とは、「タスクの日程とコストを予測する際に、組織の内部の人間は不正確な予測をしがちである[文献7、p.231]」ということ。「計画錯誤が原因でイノベーションのファーストマイルで燃料切れとなり、目的地に到達できないというケースがよくある。[文献7、p.159]」、「スタートアップビジネスに対して私はいつも、『必ず予定より長くかかり、必ず予定より多くの資金が必要となる』と考えている。[文献7、p.161]」
課題3、ドライバーの選定を間違える:「イノベーションを起こすということはきわめて人間的な営みであるため、その車を運転するための才能を持っていることがきわめて重要だ。理想とされるドライバーに求められる資質が2つある。一つはターゲット市場に共感できること。二つめは関連分野での経験を有しており、イノベーションのファーストマイルに対処できることだ。[文献7、p.164-165]」。
課題4、スピンしてコントロールを失う:「『スタートアップ・ゲノム』リポートによれば、新しい企業が失敗する最大の理由は規模の拡大を急ぎすぎたことだという。要するに、実現性のあるビジネスモデルを構築する前に規模の拡大を図ったために、プロジェクトが崩壊してしまったのだ。[文献7、p.173]」
これらの課題は、イノベーションをスタートする段階で特に影響が大きいとは思いますが、どのような状況においても失敗の原因となりうるのではないでしょうか。

スタートアップが避けるべき7つのアイデア
田所氏が挙げている避けるべき7つのアイデアは以下のようなものです。
①誰が見ても、最初からいいアイデアに見えるもの、②ニッチすぎる、③自分が欲しいものではなく、作れるものを作る、④根拠のない想像上の課題、⑤分析から生まれたアイデア、⑥激しい競争に切りこむアイデア、⑦一言では表せないアイデア[文献8、p.36-37

以上に挙げたような失敗の要因やイノベーションにおける困難な点は、状況にもよるでしょうし、失敗の要因のすべてを系統的に網羅することは不可能でしょう。しかし、様々な事例からの知見が蓄積されてきているのは確実だと思います。研究開発の成功確率を高めるためのヒントとして、こうした失敗事例から学べることを振り返ってみることは有意義なのではないかと思います。


文献1:Collins, J., 2009、ジェームズ・C・コリンズ著、山岡洋一訳、「ビジョナリーカンパニー③衰退の五段階」、日経BP社、2010.本ブログ紹介記事
文献2:McCall, Jr. M.W.1998、リクルートワークス研究所訳、「ハイ・フライヤー」、プレジデント社、2002.本ブログ紹介記事
文献3:Vijay Govindarajan, Chris Trimble, 2010、ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル著、吉田利子訳、「イノベーションを実行する 挑戦的アイデアを実現するマネジメント」、NTT出版、2012.本ブログ紹介記事
文献4:Anthony, S.D., Johnson, M.W., Sinfield, J.V.,Altman, E.J., 2008、スコット・アンソニー、マーク・ジョンソン、ジョセフ・シンフィールド、エリザベス・アルトマン著、栗原潔訳、「イノベーションへの解実践編」、翔泳社、2008.
文献5:Eric Ries, 2011、エリック・リース著、井口耕二訳、「リーン・スタートアップムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす」、日経BP社、2012.本ブログ紹介記事
文献6:Gijs van Wulfen, 2013、ハイス・ファン・ウルフェン著、高崎拓哉訳、「スタート・イノベーション! ビジネスイノベーションをはじめるための実践ビジュアルガイド&思考ツールキット START INNOVATION! with this visual toolkit.」、ビー・エヌ・エヌ新社、2015.本ブログ紹介記事
文献7:Scott D. Anthony, 2014、スコット・D・アンソニー著、川又政治訳、津嶋辰郎、津田真吾、山田竜也監修、「ザ・ファーストマイル」、翔泳社、2014.本ブログ紹介記事
文献8:田所雅之、「起業の科学 スタートアップサイエンス」、日経BP社、2017.ブログ紹介記事

「スタートアップ・ウェイ」(リース著)より

リーン・スタートアップという考え方は以前にも本ブログで紹介しました(「リーン・スタートアップ」(リース著)より)。この考え方の特徴は、起業において直面する不確実な状況にうまく対応するために、試行からの学びと方向転換を重視するところにあると考えられますが、こうした状況はスタートアップに限ったことではありません。不確実な状況に対応することは既存企業においても必要なことであり、特に研究開発やイノベーションのマネジメントにおいてはこうした考え方は重要性が高まっているように思います。

ただ、考え方は理解できても既存企業においては、リーン・スタートアップの考え方を実行することはそれほど容易なことではないでしょう。では、どうしたらよいのか。今回は、「リーン・スタートアップ」の続編として、スタートアップのような考え方を大きな組織に適用する方法を主に論じた「スタートアップ・ウェイ」(リース著)[文献1]から、研究マネジャーに役立つと感じた内容をご紹介したいと思います。

はじめに
・著者はGEや起業家との仕事の経験から次のように述べています。「GEは、成功した会社の常だが、アントレプレナーシップで会社の文化を活性化し、今後も成長していきたいと考えていた。スタートアップ側は、起業家的な文化を維持しながら成長する方法を模索していた。・・・いろいろな話をしてきた結果、現代の組織は、由緒あるところも新しいところも、繁栄するために必要な能力が欠けていると思うようになった。新しい製品やビジネスモデルをすばやく試す能力、社員に創造性を発揮してもらう能力、何度も何度も革新をくり返す能力(そのプロセスを厳しく適正に管理する能力も含む)が欠けていて、成長と生産性の新たな源をみつけられずにいるのだ、と。[p.3]」
・「スタートアップ・ウェイとは、厳格な総括マネジメントときわめて漸進的なスタートアップの性質とを組み合わせるものだ。常にイノベーションをめざす組織であれば、その規模、歴史、ミッションにかかわらず、利用することができる。[p.10]」
・「スタートアップ・ウェイを支える5原則は以下のとおり。1、継続的イノベーション――・・・必要なのは、組織の上から下までさまざまな人材と創造性を活用し、新たなブレークスルーをみつける方法だ。2、スタートアップを仕事の原子単位とする――・・・実験のできるチームが必要だ。このチームは社内スタートアップであり、ほかとは異なる組織構造で支えなければならない。3、欠けている機能――組織のエコシステムに追加したスタートアップは、従来の手法と相いれない新しいやり方で管理する必要がある。ほとんどの組織は、マーケティングや財務などと同じく成功に欠かせない機能――アントレプレナーシップ――が欠けている。4、再創業――・・・組織の構造をここまで大きく変えるのは、会社をあらたに創業しなおすに等しい。5、継続的変容――このようなことを実現するには、新たな組織的能力が必要だ――新たな課題に直面するたび組織のDNAを書き換える能力である。・・・変容のやり方を会得すれば、その後、何度でも変容できるはずだし、変容をくり返すべきだろう。[p.11-12]」
・「前著『リーン・スタートアップ』に続く本書では、『どうすれば長期にわたり成長と成果が実現できるのか』という中心テーマにくり返し立ち返るつもりだ。[p.16]」「最近の企業は四半期ごとに厳しく社員を査定することが多いが、そういう会社のほうがさっと実験してスケジュールの短縮を図るはずだと思うかもしれない。逆だ。短期の圧力がかかると、四半期で終わるものはなんでも予測可能でなければ困る。そうでなければ、その成果に基づいて未来の約束ができないからだ。短いサイクルタイムで考えてイノベーションのチャンスを得ようとせず、組織は保守的になり、その四半期や年度の成果を最大化すると信じるプロジェクトにのみ集中してしまう。言い換えれば、十年一日のごとく同じことをくり返す。・・・本書が提唱する新たな枠組みを活用すれば、このジレンマを乗り越え、長期的な成長と柔軟性が得られる持続可能なシステムを生み出せるはずだと私は考えている。[p.17]」

第1部、先進企業
「第一部では、先進的な企業になるとはどういうことなのかを検討し、生き残り、未来に向けた長期ビジョンを体現するのに必要なアントレプレナー的構造をあきらかにする。[p.28]」
第1章、過去を尊重し、未来に投資する――先進企業の構築
・「マネジメントポートフォリオとは、先進企業を経営する枠組みである。多くの企業はいまもごく普通の商品を作っている。だが、イノベーションでしか得られない新たな成長の源を必要としていることが多い。[p.32]」
・「かつては、高品質の製品を予定したスケジュールと予算に従い、大量に作ることが時代の要請だった。どうすればあらゆる部分に品質を作り込めるのかを理解するためには、偏差という統計的科学を身につけ、それを実用に供するツールや手法、研修プログラムなどを準備する必要があった。標準化、大量生産、リーン生産方式、シックスシグマは、そういう苦労から得られた果実なのだ。このようなやり方が前提としているのは、準備、計画、執行をしっかりすれば失敗は避けられるという考え方だ。だが、マネジメントポートフォリオのスタートアップ部分ではこの仮定が成立しない。[p.37-38]」
・「先進企業とは、社員一人ひとりがアントレプレナーとして考え、行動することが可能な会社であり、根本的に、社員とそのアイデアを尊重する。先進企業は規律統制がしっかりしており、中核事業をきっちり遂行できる――規律や統制のないところにイノベーションは生まれない――そして同時に、不確実な状況に対処できる起業マネジメントのツールも用意されている。[p.49]」
第2章、アントレプレナーシップ――いまの組織に欠けている機能
・「先進企業の中核を担う原理にアントレプレナーシップをすえよう。・・・次世代のイノベーションに投資しつづけられるように、組織にアントレプレナーの意識を吹き込み、手法を広げていく責任者を置くのだ。[p.56-57]」
・「アントレプレナーシップ部門の職務は、第一に、社内スタートアップの監督である。会社上層部には、スタートアップを、よくあるプロジェクトチームとは異なる仕事の原子単位ととらえてもらう必要がある。[p.58]」「もうひとつ、成功という問題の管理もアントレプレナー部門の職務である。スタートアップの大半が失敗に終わるのも事実だが、組織という観点で難しいのは、成功したときにどうすればいいのか、である。・・・スタートアップが成功していると危険だ。新しいことが実験できるようにと中間管理職に認めた例外が大きな摩擦を生むのだ。[p.59]」
第3章、スタートアップの精神状態
・「ここでは・・・スタートアップというムーブメントから生まれ、その成功を支える特徴的なマネジメント構造に話を限る。長年の試行錯誤により、我々は、リスクを管理し、生産性を高め、急成長の源をみつけられるシステムを構築した。[p.78]」「このような構造を検討すれば、企業社会で役立つツールをたくさんみつけられる。[p.79]」
・「シリコンバレーに共通する信念としてまず挙げるべきは、『すべてはチーム』だろう。[p.79]」「我々は、小さなチームの力を信じている[p.81]」。「まずは、心を許す盟友が集まることにより、強い絆と密接な人間関係が生まれる。・・・どの人も残り全員に対して責任を負っている・・・状態では、官僚主義が入り込む隙などない。・・・大事な要因がもうひとつある――不足だ。・・・資源不足であらゆる可能性を追求することはできないとなれば、いやでも集中しなければならない。[p.82]」「スタートアップは、機能横断的にならざるをえない。[p.83]」「プロジェクトは顧客が出発点[p.84]」「既存品と比べ物にならないほど優れた解決策を提供し、顧客を『喜ばせたい』と考えるのが、シリコンバレー型企業である。[p.86]」「スタートアップで持ち株制度を提供することほど、学びを推進できるものはない。・・・持ち分とは、遠い将来の利益についてなにを学んだのかを計るものである。学びを金銭換算する方法なのだ。[p.88]」「先行指標に注目する・・・総売上高や利益、ROI、市場シェアなどの遅行指標と、顧客エンゲージメントや顧客満足度、リピート率、コンバージョンレートなど、将来的な成功の予測に使える『先行指標』との違いを頭にたたき込んでおく必要がある。[p.89]」「シリコンバレーでは『計量型財源』と呼ぶものでリスクを和らげている[p.92]」。「スタートアップには取締役会が必ずある。・・・金銭的な利害関係を持つ人々に最新情報を提供するのも取締役の役割だ。[p.93]」「スタートアップでは、社員もマネージャーも報告ではなく成果を出すことに集中できるように、本業の進捗を妨げない形で情報が流れるようにする。[p.94-95]」「社員には、経歴ではなく能力に応じて資源を与え、引き立てるべきだと、広く信じられている。[p.95]」「シリコンバレーでは、ビジョンと、それを実現できるビジョナリーが絶対に必要だとされてきた。[p.99]」「これがなければ、分散分権型のチームをまとめることなどできない。・・・ビジョンがなければ『方向転換(ピボット)』できない[p.94]」
第4章、リーン・スタートアップの教訓
・リーン・スタートアップ方式の基本:「1、スタートアップが成功するために真でなければならない信念をあきらかにする。これを要となる仮説(Leap-Of-Faith Assumptions)と呼ぶ。2、この仮説を出来る限り短時間で費用もかけず検証できる実験を用意する。これを実用最小限の製品(Minimum Viable Product, MVP)と呼ぶ。3、科学者のように考える。実験は、なにがうまく行ってなにがうまくいかないのかを学ぶチャンスだととらえる。この『進捗の単位』を検証による学び(Validated Learning)と呼ぶ。4、実験で学んだことを持って最初に戻る。このくり返しを構築―計測―学習のフィードバックループ(Build-measure-Learn Feedback Loop)と呼ぶ。5、一定の間隔(ケイデンス:Cadence)で、戦略を変更(ピボット:Pivot、方向転換)すべきか、いまのまま方向性を維持辛抱(Persevere)すべきなのかを判断する。[p.106]」
・「要となる仮説のなかでスタートアップにとって基本となるのが、価値仮説と成長仮説のふたつだ。価値仮説とは、製品やサービスを使いはじめた顧客に心から喜んでもらえるのかを検証する仮説であり、成長仮説とは、顧客が増えていくのかを検証する仮説である。[p.116]」
・「すごく成功したスタートアップを見ると、ほぼ例外なく、途中でピボットしなければならない事態に陥っている。スタートアップは不確実性がとても大きな環境で仕事をするわけで、そうなるのが当たり前なのだ。どこかでピボットしなければならないのであれば、にっちもさっちもいかなくなるまで待つことはない。方向転換か辛抱かの検討会議をあらかじめ予定に入れておこう。[p.136]」
・「リーン・スタートアップでは、文化、考え方、習慣のレベルでマネジメントのアプローチを変えなければならない。そのなかでもぬぐいがたいのが、リーダーを権威とする考え方だ。リーダーが方針を決め、部下がそれを実行する。不確実性があるなかで、リーダーは明快な解決策を提供する。そして、その解決策を部下が実行できなければ、適切な罰を与える。・・・これは古いパラダイムであり、いまはこれに反する状況があふれている。多くの場合、失敗の原因は実行が下手だからではなく、計画に組み込まれた仮定のとおりに現実が展開しないからだ。・・・そのような状況なので、リーダーシップのパラダイムは学びを中心としたものに変わりつつある。[p.142]」
第5章、大規模イノベーションのマネジメント方法
・「イノベーションの必要なプロジェクトや不確実性が高いなかで実施するプロジェクトで、起業マネジメントのツールをすでに採用している場合でも、アントレプレナーシップの場所を組織内に用意する必要がある。アントレプレナーシップには一定のスキルセットとほかと異なるベストプラクティスが必要だと認識すれば、組織図のエンジニアリングやマーケティング、営業、IT、人事、財務などと並ぶ場所に位置付けるのが当然だろう。・・・アントレプレナー機能が用意されると、純粋に社内のプロジェクトやプロセスにもアントレプレナー的手法が浸透し、ほかの機能においても仕事の進め方が変わる。[p.154]」

第2部、変革のロードマップ
「変革は、一般に、三つのフェーズからなる。第2部では、私が観察してきたこの三つのフェーズを順番に検討する。[p.173]」
第6章、フェーズ1――クリティカルマス
・「スタートアップ・ウェイによる変革の始まりは、草の根的だ。・・・プロジェクトがひとつ、またひとつと成功して大きな命題を証明し、マネジメントへも試験を実際に行うチームへも広がっていく・・・。このあたり、一見すると組織によって異なるが、共通するパターンもある。●最初は少数のプロジェクトではじめ、だんだんと数を増やしてケースやストーリー、成果を十分に蓄積し、新しいやり方が自分たちの組織に効果的だと示す。●機能横断的な専任チームでパイロットプロジェクトを推進することで、最初から、多様な機能をカバーする形とする。●成長委員会型の仕組みを用意し、役員クラスがプロジェクトについて明快な意思決定をすばやくできるようにする。●リーン・スタートアップ型の実験をデザインする方法を先鋒のチームに教え、不確実な領域で進むべき道をみつけられるようにする。●適切なスタートアップ型評価指標を使い、実験の成果を測定する。●組織内でリーダーのネットワークを醸成し、新旧のやり方がぶつかって起きる問題を解決できるようにする。動きやすいように最初は例外措置としてスタートし、組織構造の根幹にまで手を付けるのは段階が進んでからにする。●新しい概念を自社に適した表現やツールに落としこむ。[p.188-189]」
・「クリティカルマスが達成できれば経営幹部の信任が得られ、それを原動力として変化が連鎖して会社の隅々まで広がっていく。[p.192]」
第7章、フェーズ2――スケールアップ
・「自分たちの組織にとって有益だとフェーズ1ではっきりした手法をどんどんスケールアップし、全社に広げていくのがフェーズ2だ。・・・フェーズ2にも『正しい道』など存在しない。だが、この段階の組織に共通する重要なパターンやタスクは存在する。●フェーズ1のチームやプロジェクトが直面した課題を洗い出す。●新しいやり方を広く応用する仕組みを用意し、広げていく。●新しいやり方を擁護してくれる役員レベルの人物を特定し、てこ入れしてもらう。●社内の各種機能を変革のプロセスに巻き込む。●社内にコーチングのプログラムを用意する。●成長委員会を置き、計量型財源による資源の割り当てを始める。[p.228-229]」
・「計量型財源では、お金は好きに使える。ただし、次の予算を獲得するには、検証による学びによって厳しい基準をクリアしなければならない。[p.263]」
第8章、フェーズ3――深層の仕組み
・フェーズ3でなすべきこと:「目標は、イノベーションを続けていける機能にすること。組織深層の仕組みを変えることで、イノベーションを支え、長期にわたって価値を生み出して会社が長生きできるようにすることだ。[p.272]」「だが、どの仕組みを変えなければならないのかは、その組織でそれまでに進めてきた変革の成果次第であるため、共通のパターンが見えにくい[p.272]」。
・「早すぎる段階で組織深層の仕組みに手を伸ばすのは自殺行為だ。フェーズ1とフェーズ2で説得材料を集め、政治力を手に入れるまで触れてはならない。[p.277]
・「既存の製品や組織の仕組みに応用しただけでは、スタートアップ・ウェイ採用が真に成功したとは言いがたい。一番大きなインパクトが得られるのは、その考え方ややり方を組織のDNAにしっかり焼き込んだときだからだ。そうできれば、・・・『働き方そのものになる』のだ。新しいやり方が文化になると表現してもいいだろう。[p.314]
第9章、革新会計InnovationAccounting
・「革新会計とは、普通の会社で使われている評価基準(売上、顧客数、ROI、市場シェアなど)がすべてほぼゼロのとき、前進度合いが評価できる手法である。[p.326]
・革新会計の3レベル:レベル1――ダッシュボード、「検証による学びを説得力のある形で示すのが革新会計だ。そのためには、実験をくり返すなかで顧客の行動がどう変化したのかを見せる必要がある。[p.328]」「まず、重要だとチームも同意した評価基準をずらりと並べたダッシュボードを用意する。[p.329]」「『鍵となる問い』に応えられるものでなければならない[p.330]」。レベル2――ビジネスケース:「レベル2では、よく考えた事業計画があること、そのもとになる要となる仮説が特定されていることが必要になる。ビジネスケースを前に進める力として要となる仮説をとらえることが大事なのだ。・・・レベル2のダッシュボードは、顧客との関わりを漏れなく反映するものにする。[p.332]」、レベル3――正味現在価値:「レベル3の革新会計は、データが得られるごとにビジネスケースを再計算し、学びをお金に換算するのが目標だ。[p.336]」「学びをすべて正味現在価値へと換算する。[p.337]
・「成長委員会とはスタートアップ取締役会の社内バージョンであり、定期的に会議を開いて進捗の報告を受け、さらなる投資の可否を決断する仕組みだ。[p.345]」「成長委員会のルールは『与えたお金は自由に使っていい。ただし、検証による学びを示せなければ追加はない』だ。[p.351]

第3部、大局的見地
第10章、アントレプレナーシップの統一理論
・「いまの組織は、大きかろうが小さかろうが、だいたい、以下のようなことをしている。●新しい製品を開発し、新たな成長の源を探す、●ITシステムや人事ポリシーなど『社内向け製品』を開発する、●会社やスタートアップを買収する、スピンアウトする、ベンチャーを設立する、技術のライセンス供与や技術移転をするなどの形で事業開発をする、●新しい働き方を導入するファストワークスのようなチームを置くなどして、組織の再編や変革を行う[p.376]」「これらはアントレプレナーシップという『欠けている機能』を支える柱なのだ。[p.376]
・「継続的変革とは、組織の構造や手続きについて実験を行ってそこから学び、そうやってベストだと確認されたやり方は全社に適用し、それ以外は利用をやめるか制限する能力のことであり、いまは、これなくして組織が栄えることはありえない。[p.381]」「社員全員にアントレプレナーとなるチャンスを提供し、進化のタネをまくマネジメントシステムが、スタートアップ・ウェイの真髄だ。こうすれば、幹部に新たなチャンスが生まれるし、リーダーとなるべき人材にとどまってもらえるし、時間とエネルギー、両面の無駄が減らせるし、すばやく柔軟に課題を解決するシステムが作れる。[p.382]
第11章、アントレプレナーシップを支援する社会政策をめざして
・「本書では、ビジネスエコシステムを発展させるツールとしてアントレプレナーシップを見ることが重要だとくり返し指摘した。[p.383]
・「今後起きるであろう変化は、これまで経験したものとは比べものにならないはずだ。我々は、この不確実な未来に向けて準備を整えておかなければならない。私の提唱する組織図がマネジメントの終着点でないことは、本書でくり返してきたとおりだ。こうすれば万事解決というマネジメントの万能薬でもない。あくまで、進化の種を内包した出発点である。組織構造そのものについて実験をくり返せば、技術面のブレークスルーを活用して組織をもっとパワフルにできるはずだ。そのためには、アントレプレナーシップを社員全員に求める必要がある。驚くようなアイデアがどこで生まれるかなど、わかるはずもないからだ。[p.416]
・「アントレプレナーシップで・・・問題すべてが魔法のように解決すると言いたいわけではない。ただ、解決策の重要な部分であることはまちがいないと考えている。
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本稿では割愛しましたが、本書にはGEでリーン・スタートアップの考え方を適用したファストワークスの事例も紹介されています。GEというと、シックスシグマに代表されるような管理重視のマネジメント手法で業績を挙げてきた、という印象が強いのですが、アントレプレナー的な考え方を重視した方向への変革を図っている、という点は時代の変化を象徴しているのかもしれません。アントレプレナーシップについての理解や、リーン・スタートアップ、スタートアップ・ウェイの考え方、手法は、これからも改良が進んでいくと思います。少なくとも、研究者にとって、不確実な課題に対して実験からの学びを重視する手法の有効性は疑いのないところだと思いますので、この手法、考え方の発展には期待して注目していきたいと思います。


文献1:Eric Ries, 2017、エリック・リース著、井口耕二訳、「スタートアップ・ウェイ 予測不可能な世界で成長し続けるマネジメント」、日経BP社、2018.
原著表題:The Startup Way: How Modern Companies UseEntrepreneurial Management to Transform Culture and Drive Long-Term Growth

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