ビジネスにおいて競争の激しい分野をレッド・オーシャン、競争のない分野をブルー・オーシャンと呼び、ブルー・オーシャンで活動すること、ブルー・オーシャンを創造していくことが重要だとする考え方は広く知られていると思います。競争がなければ成功しやすいだろうことは直感的にわかりやすいですし、競争に勝つことが経営戦略のポイントだとする考え方に一石を投ずる意味あいもあって、この考え方は多くの方の支持を得ているようですが、ブルー・オーシャンであるというだけで成功が保証されるものなのか、ブルー・オーシャンは永遠にブルーでいられるのか、など、実践の立場としては疑問がないわけではないと思います。

今回は、2005年に「ブルー・オーシャン戦略」を出版したキム、モボルニュによる、その続編ともいえる「BLUE OCEAN SHIFT ブルー・オーシャン・シフト」[文献1]の内容をご紹介したいと思います。本書では、ブルー・オーシャンをいかに見つけ、作り出すかという手法に重点をおいて述べられていて、実務の役に立つ点も多いと感じましたので、そのような点を中心に以下にまとめてみたいと思います。

第1部、ブルー・オーシャン・シフト
第1章、至高の先へ

・「ブルー・オーシャン・シフトは、血みどろの競争が展開する非情な市場、つまり多くのサメが棲むレッド・オーシャンから、競争のない新規市場、すなわちブルー・オーシャンへと、人々と一緒に移行するための、体系的な行程なのである。[p.7]」
・ブルー・オーシャン・シフトを成功させる3つのカギ:1,「ブルー・オーシャンの視点:人々の視野を広げ正しい方向へと導く」、2,「市場創造ツールと活用指針:創造性を培い、新たな価値コスト・フロンティアを開拓するためのツールとその使い方、3,人間らしいプロセス:効果的な実行に向けて、皆が一人称でプロセスに取り組み推進していけるよう、自信を培い強めていく」[p.27]」「アメとムチや組織改編にはそれぞれ役割があるが、大胆な変革を起こすうえで不可欠な自信を人々に植え付ける効果は乏しい。[p.24]」
第2章、市場創造戦略の基本
・「我々は『攪乱的創造』(disruptive creation)という造語を考案した。幅広い意味を持つこの造語は、代替によって生じる市場創造機会を、部分的にではなくすべて包含する。攪乱的創造は、創造的破壊と攪乱的イノベーション、どちらに起因するにせよ重要ではあるが、市場創造機会はこれだけではない。我々の研究が示すように、既存市場を攪乱せずに新規市場が生まれた事例は多々ある。[p.35-36]」(筆者注:本書ではdestructiveという用語との区別のため、クリステンセンの破壊的イノベーション(disruptive innovation)を「攪乱的イノベーション」と訳しています。[p.54訳者注])
・「研究からは、市場創造戦略ひいてはブルー・オーシャン・シフトの実行には、三つの基本手法があることが判明した。業界の長年の懸案を打開する解決策を示す、業界の長年の懸案を再定義したうえで解決する、真新しい問題を見つけて解決するか、真新しい事業機会を掴み取る[p.41]」「業界の従来からの課題に打開策を提供すると、一般に攪乱的創造が実現する。真新しい課題を見つけて解決したり、真新しい事業機会を掴み取ったりすると、たいていは非攪乱的創造が起きる。そして、既存の課題を再定義して解決するには、攪乱的と非攪乱的、両方の創造の特徴を活かすことになる。[p.47]」「実のところ、優れた市場創造戦略は往々にして、技術イノベーションにはまったく頼らない。[p.49]」
第3章、ブルー・オーシャン戦略家の発想
・「ブルー・オーシャン戦略家は、業界の置かれた状況を当然だとは見なさず、むしろ、自分たちに有利に変えようとする。[p.64]」「競合他社を叩きのめそうとはしない。彼らの狙いはむしろ、競争を無意味にすることである。[p.68]」「既存顧客の奪い合いではなく、新たな需要の創造と確保に注力する。[p.70]」「差別化と低コストを同時に追求する。価値とコストのどちらかを選ぶのではなく、二兎を追うのである。[p.72]」
第4章、人間らしさ、自信、創造性Humanness, Confidence, and Creative Competence
・「人間は逆説に満ちた存在である。変化を起こしたいと切望する。・・・ただし、それと同時にたいていの人は『できないのではないか』と不安を抱く。不安を取り除く必要があるのだ。・・・組織においては、隙を見せたり、自分の殻を破ったりすると、たいてい『地位、尊敬、安全、権力を失うのではないか』という不安が湧いてくる。このため、私たちは可能性を探るのではなく、現実にしがみつく傾向がある。[p.75]」「こうした人間の根本的な真実に対処しなかったり、ないものとして扱ったりするせいで、創造性や革新性の向上を目指す変革の努力や試みは失敗続きなのである。そのような施策は、『人間らしさ』を意識してプロセスに組み入れていない。[p.76]」
・「ブルー・オーシャン・シフトのプロセスには、行動への自信を培う助けになるよう、人間らしさのさまざまな側面に対応した三つの要素が組み込まれている。細分化、体験に基づく発見、公正なプロセスである。[p.78]」「ブルー・オーシャン・シフトの実践は、市場へのアプローチの大胆な変更を意味するが、あえて、組織内ではそう受け取られないよう配慮している。目標があまりに遠大で斬新だと分かっているからだ。[p.78]」「取り組み全体を小さな具体的ステップに分けて、少しずつ前進しながら自信を引き出し、深めていくのである。・・・我々はこれを『細分化』(atomization)と呼んでいる。[p.79]」「組織においてたいていの人が目にし、真実として受け止めているのは、競争の熾烈なレッド・オーシャンであり、これが感性と理性、両方にとっての避難先である。このため、たとえ望ましくないと分かっていても、レッド・オーシャンにしがみついてしまう。・・・『既存戦略をどう変える必要があるか』と質問して人々の世界観に挑むのは、以上のような自然な傾向に反する。・・・我々の研究から得られた答えは、『人々が変革の必要性を、誰かから教わるのではなくみずからの体験から悟るような状況を、生み出す』というものだ。[p.80]」「公正なプロセスは、私たちの人間としての本質的な部分に関わるものである。信頼という贈り物をくれ、緊張を解き、熱意や自発的な協力を引き出してくれる。[p.81-82]」「公正なプロセスとは要するに、・・・関与、説明、明快な期待内容に凝縮される。・・・関与とは、戦略的判断に皆を積極的に巻き込むという意味である。・・・説明とは、ブルー・オーシャン・シフトのプロセスや各ステップの戦略判断の基本をなす考え方を、分りやすく説くということだ。・・・明快な期待内容は、・・・何を期待できるのか、役割と責任は何かを、皆にはっきり説明するのだ。[p.82]」「公正なプロセスを通して『自分は尊重されている』と知ると、心の奥底で何かのスイッチが入る。公正なプロセスにより、私たちは理性的になる。性急な判断を避けて信用を築き、他者の意見に耳を傾け、学習と比較をし、貢献するようになる。さもないと、侮辱されたと感じて、内心では他人の意見など受け入れまいと誓いながら、表向きは受け入れる素振りをいとも容易にしてしまう。[p.83]」

第2部、ブルー・オーシャン・シフトの5つのステップ
STEP
 1、準備に取り掛かる

第5章、出発地点を決める
・「ブルー・オーシャンの創造に乗り出すに当たっては、必ず『何から始めるか』が問題になる。・・・つまり、どの事業または製品・サービスに挑むかを見極めるのだ。[p.99]」
・「複雑な組織でもブルー・オーシャン戦略の対象範囲を決められるよう、PMSマップ(pioneer-migratior-settler map)・・・を考案した。[p.100]」「『買い手にどれだけ革新的な価値を提供しているか』という切り口で製品やサービスを品定めすると、自社のポートフォリオがいかに戦略的に脆弱ないし健全であるか、本当の姿が見えてくる。・・・これを探るために、PMSマップには以下の3つのセグメントが用意されている。[p.102]」「パイオニア:バリュー・イノベーションを体現する事業や製品・サービスを指し、その購入者や利用者は顧客ではなく愛好者(ファン)と呼ぶにふさわしい。かつてない素晴らしい価値を提供し、新たな価値コスト・フロンティアを買いたくする、ポートフォリオ刷新のカギを握る存在である。戦略は競合他社と一線を画し、利益を伴う力強い成長が見込まれる。安住者(settler):パイオニアの対極をなし、顧客にもたらす価値は二番煎じによるものである。製品や価格を少しずつ変える競争手法をとり、戦略は同業他社と横並びである。業界自体が成長し利益を上げていない限り、大きな成長は見込めない。移行者(migrator):パイオニアと安住者の間に位置する。競合他社よりも優れた価値を提供し、業界内で最高水準かもしれないが、『革新的』と呼べるほどではない。[p.103]」「ポートフォリオを強固にするには、健全なパイオニアが必要だが、その反面、市場の期待に応えたり経営資源を準備するために、安定的な売り上げも求められる。この点で大きな付加価値をもたらすのが安住者と移行者である。[p.117]」「理想的には、以下の四つの基準すべて(あるいは最も多くの基準)を満たす事業ないし製品・サービスを選ぶとよい。第一の基準は、安住者または安住者に非常に近い移行者であり、現在はレッド・オーシャンで競争していることだ。第二の基準として、責任者がレッド・オーシャンからの脱出を強く願い、そのためには戦略の抜本的な最高が不可欠だと認識していること。・・・第三の基準は、他に大きな施策が進行していないことである。・・・第四の基準は、事業や製品、サービスが背水の陣を敷いていることである。[p.118-119]」
第6章、望ましいブルー・オーシャン・チームの構築
・「誰をチームに入れるべきだろうか。・・・全体で10~15人のチームを目指すべきである。少なくとも、主な職能部門すべてが人材を出し、貢献の機会を得て、変革の必要性を実感する必要がある。[p.125-126]」「彼らは変革の各ステップにおいて、自分の属する職能部門や階層とのパイプ役を果たし、チームの最新の知見をみずから広める。こうして知見が信頼され、変革プロセスの健全性が証明される。[p.127]」

STEP
 2、現状を知る
第7章、現状を明確にする

・「戦略キャンバスは、自社の製品・サービスが何にどれくらい力を入れているかを、他社製品と比較、分析し、一枚にビジュアル化したものである。[p.139]」「現状の戦略キャンバスを作成するために、最小で5つ、最大で12の競争要因を特定しよう。[p.147]」「比較対象とする企業を選んだら、次は、自社と他社の事業ないし製品・サービスが各競争要因をどれだけ提供しているかを評価する。・・・1は『非常に低い』、3は『平均』、5は『非常に高い』というような、5段階のリッカート尺度(あるいはその派生形)を用いて、競争要因ごとに自社と他社の製品を評価する[p.153]」
・「現状の戦略キャンバスが出来上がったら、競争の現状、業界の前提、既存企業の戦略の類似度合いが、その一枚の図から見てとれる。[p.162]」

STEP
 3、目的地を思い描く
第8章、業界の規模拡大を妨げる苦痛を探り当てる

・「苦痛とは・・・事業、製品、サービスの特徴のうち、買い手が意識しているかどうかは別として我慢せざるを得ず、買い手にとっての効用を減らしたり、あまりに不便であるため非顧客層を代替物に向かわせたりするものを指す。・・・苦痛は制約にはならない。競争状況を変えるための紛れもない機会なのである。[p.166-167]」
・「買い手の効用マップは、『自分たちの業界を含むほぼすべての業界が、解決すべき大きな問題を抱えている』という気づきを引き出す役割を果たす。・・・まずは顧客経験の全体を概観する。・・・顧客経験は6つのステージに分けることができ、概ね、購入、納品、使用、併用(製品を使う際に必要となる他の製品やサービスとの併用)、保守管理、廃棄という順序を辿る。[p.169]」「買い手の効用マップは、効用を高めるために使用可能な主なテコ(手段)をも示す。横軸に顧客経験の6つのステージが並ぶのに対して、縦軸には6つのテコが並び、全体として36の『効用スペース』ができる。[p.171]」顧客の生産性、シンプルさ、利便性、リスク低減、楽しさや好ましいイメージ、環境への優しさ、が挙げられています。「効用を妨げる要因が見えてきたら、問題が明らかになった欄に『×』を記入していこう。・・・仕上げに、業界が重視する分野に『』を記入しよう。[p.176-177]」「呆れるほど多くの組織が、顧客経験の全体像あるいはその途中で顧客が感じる不便や苦痛について、幅広く理解せずにいる。[p.182]」
第9章、非顧客層の海を見つけ出す
・「我々は非顧客層の3つのグループを定義、特定するためのフレームワークを開発した。[p.193]」「非顧客層の第1グループは、すぐにでも離反しかねない顧客全体を指す。仕方なくあなたの業界の製品やサービスを購入しているだけで、望んでそうしているのではない。[p.194]」「非顧客層の第2グループは、あなたの業界の製品やサービスについて、あえて検討したうえで購入や利用を控えるという結論を出した人や企業を指す。つまり、拒絶しているのだ。理由は、別の業界がよりよくニーズに応えているか、あなたの業界の価格水準が高すぎて手が出ないか、どちらかだろう。[p.195-196]」「第3グループの『未開拓の』非顧客層は、現状では一見したところ無関係な市場にいる。[p.194]」「目的は、非顧客層の各グループを構成するのは主にどのような人または組織なのか、チーム全体の見解を引き出すことである。[p.204]」

STEP
 4、目的地への道筋を見つける
第10章、市場の境界を体系的に引き直す

・「6つのパスというフレームワークは、市場を見るためのレンズを変えて、新しい価値コスト・フロンティアを開拓するための、6つの体系的な手法からなる[p.220]」
・「パス1:代替業界に学ぶ・・・このパスの狙いは、・・・同じ目的のために非顧客層が頼る解決策や業界を数え上げることである。重要なのは業界内の代替案ではなく代替業界である。[p.222]」「ここでの狙いは、自分たちの業界ではなく別の業界の製品やサービスが選ばれる理由を掘り下げ、購入の決め手となる要素をうまく組み合わせる方法を探し、他の要素は減らすか取り除くかして、新しい市場空間を開拓することである。[p.223]」「パス2:業界内のほかの戦略グループから学ぶ[p.225]」「パス3:別の買い手グループに目を向ける・・・誰が購入判断に関わるかを考える際には、現在は無関係だがこれから判断プロセスに関わる可能性がある、潜在的な影響者を考慮すると有意義である。小売店は、複雑な購入判断に関わる場合があるが、往々にして見過ごされている。[p.230]」「パス4:補完財や補完サービスを見渡す・・・顧客が求めるトータル・ソリューションを見渡して、製品やサービスの価値を増減させる補完財や補完サービスについて理解する[p.232]」「パス5:機能志向と感性志向を切り替える[p.236]」「パス6:外部トレンドの形成に加わる・・・環境変化に応じて顧客が重視するものがどう変わるか、それによって長期的に企業のビジネスモデルにどのような影響が及ぶかを探るとよい[p.239-240]」
第11章、代替となるブルー・オーシャン戦略の立案
・「4つのアクションという分析枠組みを紹介する。この枠組みを用いると、チームが市場調査を通して突き止めた事柄を、差別化と低コスト両方を実現するための、具体的行動につながる戦略オプションへ落とし込むことができる。[p.252]」
・「取り除く:業界常識として製品やサービスに備わっている要素のうち、取り除くべき物は何か」「減らす:業界標準と比べて大胆に減らすべき要素は何か」「増やす:業界標準と比べて大胆に増やすべき要素は何か」「創造する:業界でこれまで提供されていない、今後創造すべき要素は何か」[p.253

STEP
 5、戦略を絞り込み、実行に移す
第12章、ブルー・オーシャン戦略の選択と短期の市場テスト

・「実行に向けて戦略を絞り込むには、ブルー・オーシャン見本市を開催するとよい。・・・このイベントでは、チームが考案した戦略案について、公開の場でフィードバックや評価を募る。それをもとにどの戦略案を実行に移すかを決め、新しい価値コスト・フロンティアを開拓するには、どういった点を改善ないし克服する必要があるかを見極めるのだ。[p.275]」
・「ブルー・オーシャン・チームに対しては、・・・顧客になってほしい潜在顧客層を対象に最終候補製品の試作品を使って短期の市場テストを行うよう、せひとも要請すべきである。[p.296]」
第13章、ブルー・オーシャン戦略の完成と実行
・「次はビジネスモデルを完成させる番である。その目的は全体像を示すことにある。つまり、戦略の価値やコストが、どう顧客にとっての有用性を飛躍的に高め、自社に利益あるい力強い成長をもたらすのか、その経済ロジックを説明するのだ。[p.298]」
・「最初は小さく始め、その後スピードを上げて規模を拡大するのが、最も賢明な展開戦略である。[p.315]」

むすび:国家によるブルー・オーシャン・シフトの実例
・マレーシア・ブルー・オーシャン戦略研究所(MBOSI)の例、「マレーシア政府は2009年以降、合計100以上のブルー・オーシャン施策を始動[p.329]」

付録:日本企業での事例:ニューズピックス、JINS、ソラコム、パーク24(ムーギー・キム、川上智子、ミ・ジ)
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ブルー・オーシャン戦略を考える場合、クリステンセンの破壊的イノベーションとの違いはやはりひとつの論点になると思います。著者らは既存企業に取って代わるかどうかを大きな違いとしているようですが、破壊的イノベーションにおいても「新市場型」の破壊の場合には、直ちに取って代わるというものでもないと思いますので、結局のところ大きな違いはないのではないか、というのが率直な感覚です。ブルー・オーシャン戦略では基本的に既存企業との競争は想定されていないのに対し、破壊的イノベーションでは、既存企業と新興企業との競争の力学までが考慮されている点が大きな違いかもしれませんが、その違いは単に新しい市場が置かれた状況(競争環境の激しさ)の違いによって、どこまでを考慮対象とすべきかが変わる、ということのように思います。

ただ、ブルー・オーシャン戦略において、競争をあまり考慮していない点については、気になることもあります。新市場を創造して最初に参入する段階では、もちろんブルー・オーシャン戦略に問題はないと思うのですが、その後、後発者が模倣してきた場合にどうなるのか、レッド・オーシャンになってしまうのではないか、という点です。それに対する明確な回答は本書には示されていないと思いますが、単なる思いつきでブルー・オーシャンに参入する場合と、本書に述べたようなプロセスを辿って参入する場合ではビジネスの完成度が違うだろうという点がヒントになるかもしれないと思います。つまり、著者が主張する人間らしいプロセスをも構築した上で新市場に進出するなら、単に表面のみを模倣してくる後発参集者に対して優位に立てる可能性があるように思います。破壊的イノベーションの場合は、既存企業の不均等の意欲(新規市場に参入しにくい事情)により、破壊者は初期段階で優位に競争を進めることができるとされていますが、著者が提案している参入プロセス自体がブルー・オーシャン戦略における競争力の源泉となりうるのかもしれません。

いずれにせよ、ブルー・オーシャン戦略は、新規市場に参入する方法としては実務的にも有用な方法だと思いますし、参入後もレッド・オーシャンになりにくい場合(例えば、国の政策などは企業間競争とはあまり関係しないように思われます)にも有用な方法なのではないかと思います。また、本書に示されたツール類には、普段のマネジメントにおいても活用可能なものもあるように思います。実務面でも使える手法になりつつあると思いますが、いかがでしょうか。


文献1:W. Chan Kim, Renée Mauborgne, 2017W・チャン・キム、レネ・モボルニュ著、有賀裕子訳、「BLUE OCEAN SHIFT ブルー・オーシャン・シフト」、ダイヤモンド社、2018.
原著表題:Blue Ocean Shift: Beyond Competing - Proven Steps to Inspire Confidence and Seize New Growth