研究開発マネジメントノート

研究開発とそのマネジメントについてのいろいろ

ニーズ

ノート改訂版・補遺:これだけは知っておきたい研究マネジメント知識

2013年3月に始めた「ノート:研究マネジャー基礎知識」の改訂も、全14回分の改訂を終えました。「ノート」の記事は、研究マネジメントに関する基本的な知識をまとめたいという意図で書いてきましたが、実践の際に常に意識すべき内容としては全14回の内容では多すぎるのではないか、とも感じます。そこで、今回は、研究マネジメントの実践において特に重要だと思うこと、知っておいて折に触れてチェックすべきこと、知らないと大きな判断ミスを冒す可能性があると思われることを選んでまとめることにしました。もちろん、選んだ内容には個人的な見解が入っていますので、ひとつの意見として見ていただければ幸いです。ご参考までに関連する本ブログの記事へのリンクを入れていますので、詳しい内容はリンク先をご参照願います。

研究は不確実なもの
結果が予測できれば研究は不要です。つまり研究しなければならないのは結果がわからないからであって、わからないことに挑んでいるわけですから成功するかどうかは不確実です。思ったとおりに、あるいは計画のとおりに研究が進むとは限りません。予想外の障害が現れた時には、想定したシナリオにこだわって単に努力を積み重ねるのではなく、異なる発想が必要になるかもしれないことも考えてみる価値があるでしょう。一方、思っていた以上にうまくいくことや、当初の狙いとは違っていても面白い結果に行きあたるかもしれません(セレンディピティ)。そうしたチャンスも見逃さないようにしたいものです。

人間の思考・予測には限界がある
物事の原因や未来に起こるだろうことについてよく考えることは重要です。しかし、よく考えたからといって真実がわかる、あるいは未来予測ができるとは限りません。人間の無意識の思考特性によって判断を誤ることもありますし、知識や認識の不足に気づかないこともあります。また、原理的に予測ができない対象もあり得ます(例えば複雑系の現象にはそういう例があることが知られています)。不確実性とともに思考の限界も認識しておく必要があるでしょう。

競争相手の存在
よいアイデアを思いつくと、それは自分たちしか知らないことだと思ってしまうことがあります。しかし、たいていの場合、どこかで誰かが似たようなことを考えているものです。少なくともそういう競争相手がいる可能性があることは忘れてはいけないと思います。研究を進めるにあたっても、自分たちの望むシナリオだけでなく、競争相手がどう考え、どう動くかも考慮すべきでしょう。

しかし、成功しやすいイノベーションはあるらしい
研究やイノベーションは不確実であるとはいっても、成功しやすいイノベーションのパターンはあるようです。なかでも大きな成功をもたらしやすいという意味で重要なのはChristensenの「破壊的イノベーション」の考え方ではないかと思われます。(もちろん、破壊的イノベーションだけが成功するということではありません)

アイデアや技術だけでは不十分
優れたアイデア(研究テーマ、課題)や、優れた技術だけではイノベーションの成功は保証されないのが普通です。どう実行するか、どう収益をあげるしくみ(ビジネスモデル)を構築するか、どう関係者を取り込み、社内外の協力関係(エコシステム)を構築するか、どうやって顧客に受け入れてもらうのか(普及)なども成功のための重要な要因になります。

ニーズは簡単にはわからない
研究テーマを考える際や、アイデアの源として、どんなニーズがあるかを知ることは重要です。しかし、真のニーズを知ることはそれほど容易ではありません。顧客(消費者)の要求と真のニーズは必ずしも一致しないことは認識しておくべきでしょう。真のニーズを知るためには、行動観察(エスノグラフィー)や、Christensenによる「片づけるべき用事」の考え方は重要と思われます。

形式知と暗黙知
は違う
知識には、形式知(形式的・論理的言語によって伝達できる知識)と暗黙知(特定状況における個人的な知識で、形式化したり他人に伝えたりするのが難しい知識)があると言われています。新たな知識は、異なる知識の出会いから生まれることが多いとされていますが、形式知だけでなく暗黙知の重要性も忘れてはならないと思います。

研究者(イノベーションを推進する人)のやる気を引き出すには
人(特に研究者)はお金や地位だけでは動かない(場合が多い)と言われます。Herzbergは高次な欲求を刺激するものを動機付け要因(motivators)、低次な欲求を刺激するものを衛生要因(hygienic factors)とし、衛生要因を改善しても不満がなくなるだけで動機付けることはできないとしています(お金は衛生要因)。Maslowの欲求階層理論では、人間の欲求は低次なものから、生理的欲求、安全欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現欲求の5段階の階層をなし、人間は低次欲求がある程度満たされると、より高次の欲求によって動機付けられるようになり、その際、低次の欲求は人を動機付ける欲求としては機能しない、とされます。また、Deciは、給与や人間関係など人を動機付ける要因が個人の外部にある場合の「外発的動機づけ」よりも、自らの有能さの確認や自己決定などに関わる「内発的動機づけ」が重要と述べています。

研究組織の望ましい特性
研究組織の望ましい特性としては、自律性、目的・感情・価値観の共有、多様性、閉鎖的になりすぎずメンバーが目標達成に積極的に関わること、他の組織との協働、があげられることが多いようです。どんな研究組織の構造であっても、こうした特性を持つように運営することが必要でしょう。

研究リーダーの役割
研究リーダーには、多様性の確保、コミュニケーションの活性化、組織外部との連携調整、部下の育成指導、ロールモデルという役割が求められるようです。働きがいのある会社ランキング常連のSASCEOJim Goodnightによれば「マネジャーは社員の『部下』となり、それぞれが高いモチベーションで働き、能力を発揮するよう努める」ことが望ましいとされているようですが、それもひとつの考え方かもしれません。

研究の進め方はそれぞれ
一口に研究、イノベーションとはいっても、内容は様々です。技術分野も違えば、企業におけるイノベーションの意味も、顧客にとっての意味も様々ですし、イノベーションの段階(例えば、技術的検討段階、製品化段階、市場投入、改善など)も様々でしょう。当然その進め方も異なるはずで、結局、どんな場合にも適用可能な成功の処方箋のようなハウツーは存在しないのではないか、と思われます。従って、本稿に述べたような注意点を常に考慮しつつ、状況に応じたマネジメントを工夫していくことがマネジャーには求められているのでしょう。ただ、最も重要なマネジメント上のポイントは何か、と問われたら、私は、イノベーションに携わる人の「意欲の管理」だと答えたいと思っています。

以上が、現在私が考えている「これだけは知っておきたい研究マネジメント知識」です。何らかのヒントになれば幸いです。


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ノート6改訂版:研究部門が実施したいと考えるテーマ

1、研究開発テーマ設定とテーマ設定における注意点
1.1
研究活動における基本的な注意点
→ノート1~3
1.2
、研究テーマの設定
①企業収益に結び付くテーマ(事業的に成功が期待されるテーマ)→ノート4
②研究部門に求められるテーマ(企業が研究部門に求める活動と、それに付随する研究テーマ)→ノート5

③研究部門が実施したいと考えるテーマ(研究部門が主体的に提案するテーマ)
研究部門が行なう業務や研究テーマには、研究部門が主体的に考え、実行するものもあります。これは実質的には、企業組織において研究を担当する部門が、与えられた業務分担の範囲で、ある程度自主的に実施すべき内容を考え、実行するテーマということになります。②で説明した「研究部門に求められるテーマ」では、他部署の要求に応えることである程度研究の意義が認められやすいわけですが、「研究部門が実施したいと考えるテーマ」では、研究の内容やその意義自体も自らが判断しなければならない点が大きな違いです。何をアイデアの源として、どう研究テーマの形にしていくかを考えることから始めなければならないわけで、ここでは研究部隊で行なうテーマの発案を中心に、その時にどういう点に注意すべきかを考えたいと思います。

研究部門が発案するテーマは、一般に「ボトムアップ」のテーマと呼ばれることが多いと思います。これに対し、②で説明したテーマや課題は「トップダウン」、ということになります。トップダウン、ボトムアップのどちらが望ましいかという議論に関しては、不確定要素や不確実性の存在のため研究開発の計画は完全にトップダウンだけでは決められないことに特別の注意が必要[文献1、p.177]との指摘があります。また、形式知(形式的・論理的言語によって伝達できる知識)と暗黙知[文献5](特定状況における個人的な知識で、形式化したり他人に伝えたりするのが難しい知識)[文献6、p.88]の相互作用が組織的知識創造にとっと重要であるとの立場から、トップダウンモデルは形式知を扱うのに向いているが組織の第一線での暗黙知の成長を無視しており、ボトムアップモデルは暗黙知の処理が得意であるが暗黙知を組織全体に広めて共有することを難しくしており[文献6、p.187]、組織的知識創造のための最良の環境として「ミドル・アップダウン・マネジメント」が提案されています[文献6、p.238]。いずれにせよ、「ボトムアップ」テーマの重要性は広く認識されているものの、研究部門が持つ知的資源や能力をうまく活かすことが課題、ということになるようです。

研究テーマのアイデアの源に関しては、
「サイエンス・プッシュ」「テクノロジー・プッシュ」vs.「マーケット・プル」「デマンド・プル」
「シーズ志向」vs「ニーズ志向」
という区分がなされることがあります。

イノベーションがどのような過程で発生するかについて、過去(1950年代)においては、基礎的研究がイノベーションを生むという「サイエンス・プッシュ」の考え方が重要視されていたようです。これに対し、近年では科学技術と市場の間の双方向コミュニケーションの重要性が認識されて、上記のような「サイエンス・プッシュ」と「マーケット・プル」の2つの逆向きの流れを組み合わせる「カップリングモデル」を考慮すべきだと言われています[文献1p.119-121]。さらに、Tiddらは、テクノロジー・プッシュ型か、さもなくばニーズ・プル(必要は発明の母)型かのどちらかといったアプローチの限界は明らかであり、現実には、イノベーションとは何かと何かを結びつけ調和させていくプロセスであって、相互作用こそが最も重要な要素である[文献2p.54]と指摘しています。また、Rogersは「知覚されたニーズがイノベーション過程を始動させたり、イノベーションの知識がそれに対するニーズを創出したりする」[文献3p.410]と述べており、同様の見解は他にもみられます[文献4p.149]

このように、イノベーションにとってはいわゆるシーズとニーズの双方が必要ということは広く認識されていることのようですが、にもかかわらずシーズ志向の研究というものは企業内では評判が悪いように思われます。この原因としては、シーズ志向の研究は、古典的な企業経営の手法すなわち、企業内外の環境分析に基づいて戦略的に目標を設定し、それを効率的に実行するという考え方になじみにくいことがまずあげられるでしょう。それに加え、開発(あるいは導入)された技術と、製品や実機に使えるような技術との間のギャップ(レディネス・ギャップ)を誰がどのように埋めるかがはっきりしないために「研究所で生み出された技術は、市場よりもサイエンスに近いものとして評判が悪い」[文献7p.232]と判断されてしまうこともあると思われます。

これに対し、ニーズ志向の考え方は、その研究がうまくいけば収益が上がるはずだ、という期待から、テーマ設定において重視される場合があります。しかし、真のニーズを理解することはそう容易ではない、として、ニーズ志向の考え方に否定的な見解を持つ人もいるようです。例えば、顧客にヒヤリングして得たニーズは、実現できた方がよいという程度の顧客の希望であることも多く、また、何らかのイノベーションが実現した後になって初めて、顧客がそうしたニーズがあったことに気づく場合もあると言われます。破壊的イノベーションの理論では、真のニーズとは、「片づけるべき用事」[例えば文献4、p.119]に基づくものとされ、その真のニーズを見出す方法として行動観察などのエスノグラフィー的な手法が着目されています。ニーズというと、顧客や、顧客と接する他部署から与えられるものと考えがちですが、好ましくは、研究部隊がニーズの把握段階から関与すべきものなのかもしれません。結局のところ、ニーズ志向、シーズ志向という考え方については、二者択一ではなく、両者を重視したテーマ設定が求められるようになってきているということのようです。

ただ、シーズを創造し、磨くことは多くの場合研究部門に求められる、研究部門ならではの業務です。特に技術的シーズに関しては、専門的な知識や訓練が必要とされることが多いため、研究部門以外の部署では取り扱いが困難な場合もあるでしょう。従って、シーズに基づく研究テーマが求められる場合には、研究部門がその検討を行なうことが最も合理的ということになります。研究部門にとっても、技術シーズは身近に存在するため、シーズを発展させるプロセスに技術者が関与する余地が大きく、成果も得やすいというメリットもあって、取り組みやすいものです。さらに、シーズ技術がそれ自身で(ニーズがなくても)成長し、さらに新たなシーズを生み出す可能性がある点も重要でしょう。

シーズ技術のもつこのような特性は、セレンディピティーにも繋がるものと考えられます。セレンディピティーとは、偶然に幸運な予想外の発見をする能力を指し、Robertsは、以下の2種類に分類しています。[文献1、p.198] [文献8、p.ix]
・擬セレンディピティー(pseudoserendipity):追い求めていたことを、偶然に発見できること
・真のセレンディピティー(true serendipity):思ってもみなかったことを、偶然に発見できること
このうち、真のセレンディピティーは「予想外」の結果に基づくものであるため、オリジナルなものとなることが多く、差異化のためには特に重要と考えられます(擬セレンディピティーであっても発見に偶然を必要とするものは同様です)。セレンディピティーに恵まれれば、それは競合他社が容易に達成できる成果ではなく、技術的に優位に立つための重要な足がかりになるはずです。ただ、真のセレンディピティーは、目的志向を強く意識した研究においては目的外の結果や単なる異常値として見逃されてしまうこともありうるので、注意が必要です。

このように、いわゆるシーズ志向のテーマは、ニーズとの組み合わせでイノベーションを達成するための重要な要素となると考えられますが、シーズとしては、現有の技術を単に深めるだけではなく、外部の技術、埋もれた技術、失敗の結果に終わった技術なども加える必要があるでしょう。そして、真のニーズを理解した上で、シーズとニーズをうまく組み合わせて、より可能性の高い研究テーマを、研究部門が実施したいと考えるテーマとして実施していく努力をすべきなのだと考えます。

考察:実践的な研究テーマの分類について
このノートでは、基礎研究、応用研究といった研究の分類についての議論は行なっていません(「」参照)。それは、こうした研究の分類は実践的にあまり役に立たないように思われるためですが、ノート4~6において、3つの側面から研究テーマの性格の違いについて議論しました。研究というものは、その内容や位置づけなどが異なっていれば、その効果的な進め方や注意点は当然違って然るべきと考えられますが、もし、テーマをうまく分類することによって、そうした好ましい進め方に関する理解が深まるならば、そうした分類には意味があるのではないかと考えています。

ノート4~6で試みた3つの視点によるテーマの分類は、それぞれが排他的なものではなく、同時に2種類の特徴を持つテーマや時間の経過とともにその分類が変わっていくテーマも想定しているものです。ただ、この分類は、誰がその研究テーマを主体的に判断するかが異なっていること、それによって、研究部門の役割と注意点が変わってくることが、特徴としてあげられると思います。具体的には以下に示すとおりです。
①企業収益に結び付くテーマ(事業的に成功が期待されるテーマ):判断主体は経営層。最終的に経営に寄与することを目指すため、全社的なテーマとなる可能性があり、研究部門の役割は、全社的なテーマ推進の中で分担する役割をこなすことになる。経営層への専門的助言も役割のひとつ。
②研究部門に求められるテーマ(企業が研究部門に求める活動と、それに付随する研究テーマ):判断主体は研究部門以外の部署。研究部門の役割は、まず外部からの期待に応えること。その上で、よりよいものを生み出せれば望ましい。
③研究部門が実施したいと考えるテーマ(研究部門が主体的に提案するテーマ):判断主体は研究部門。研究部門の役割は、イノベーションの種を生み、育てること。シーズであろうとニーズであろうと、あらゆる情報を集めて組み合わせて種を生む研究部門の能力が問われる。

もちろん、こうした視点は、現状では私のアイデアにすぎませんが、企業における研究部門の役割を考えると、このように分類することは、それぞれのテーマの効果的な遂行方法を考える手がかりになるのではないかと思っています。


文献1:丹羽清、「技術経営論」、東京大学出版会、2006.
文献2:Tidd, J., Bessant, J., Pavitt, K., 2001、後藤晃、鈴木潤監訳、「イノベーションの経営学」、NTT出版、2004.
文献3:Rogers, E.M., 2003、三藤利雄訳、「イノベーションの普及」、翔泳社、2007.
文献4:Anthony, S.D., Johnson, M.W., Sinfield, J.V., Altman, E.J., 2008、栗原潔訳、「イノベーションへの解実践編」、翔泳社、2008.
文献5:Polanyi, M., 1966、高橋勇夫訳「暗黙知の次元」、筑摩書房、2003.
文献6:Nonaka, I., Takeuchi, H., 1995、梅本勝博訳、「知識創造企業」、東洋経済新報社、1996.
文献7:Leonard-Barton, D., 1995、阿部孝太郎、田畑暁生訳、「知識の源泉」、ダイヤモンド社、2001.
文献8:Roberts R.M., 1989、安藤喬志訳、「セレンディピティー」、化学同人、1993.

参考リンク

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「リバース・イノベーション」(ゴビンダラジャン、トリンブル著)より

リバース・イノベーションについては、以前にHBR誌に発表された論文に基づいてご紹介させていただいたことがありますが、最近、その詳細が書籍[文献1]として出版されました。書籍でも基本的な考え方は同じなのですが、取り上げられている事例が増え、実践的な手法の整理も進んでいて、概念の深化や若干の変化もあるように感じられました。これからのイノベーションを考える上で、重要な考え方だと思いますので、再度取り上げておきたいと思います。

まず、リバース・イノベーションの定義ですが、本書では、「リバース・イノベーションとは、簡単に言うと、途上国で最初に採用されたイノベーションのことだ。こうしたイノベーションは意外にも、重力に逆らって川上へと逆流していくことがある。」[p.6]とし、論文での「新興国で製品開発し、これを先進国に展開する」という定義よりも、広い内容となっているように思います。原著の題名は「Reverse Innovation: Create Far from Home, Win Everywhere」(リバース・イノベーション:本拠地から遠く離れた場所で開発し、世界中で勝て、というところでしょうか)ですので、先進国から途上国へという従来の流れとは逆の意味でのリバースという視点とともに、どうやって新興国で世界的に展開可能なイノベーションを実現するか、という意味合いが濃くなっているように思います。

著者らは、リバース・イノベーションについて、「ベスト・プラクティスというよりもむしろ、新たな試みである。」[p.x]と述べています。しかし、グローカリゼーション(「富裕国の顧客向けに開発されたグローバル製品にわずかな修正を加え、主に機能を落とした低価格モデルを輸出するだけ」)で「新興国市場を開拓できると考えている」ことは「完全な誤り」とし、「富裕国で有効なものが自動的に、顧客ニーズがまったく異なる新興国市場でも幅広く受け入れられるわけではない。リバース・イノベーションが急速に勢いを増している理由はそこにあり、そうした動向は今後も続いていくだろう[以上p.7]」としています。「途上国の経済は大きく、とてつもないスピードで成長を遂げている[p.13]」、従って、「富裕国と有力な多国籍企業が成功を持続したければ、次世代のリーダーやイノベータは、(中略)途上国におけるニーズや機会にも関心を向けなければならない。」「未来は本国から遠く離れたところにある」[p.11]」、さらに、「いわゆる『新興国の巨人』と呼ばれる、途上国を本拠とする新世代の多国籍企業」との競争を考えるなら、「リバース・イノベーションを無視することは、(中略)海外での機会を逃すこと以上に高くつくおそれがある」、つまり「リバース・イノベーションは選択肢というよりも、酸素のように必要不可欠なもの」[以上p.12]、というのが著者らの基本的な考え方です。なお、著者は、「本書の読者には、富裕国を本拠とする多国籍企業のリーダーが多数含まれると想定しているので、本書では主に、そうした企業が強さを維持し、未来をかたちづくっていくための要件について取り上げていく」という立場で書き進めています。そのため、我々富裕国企業の実態に沿ったアドバイスが豊富に述べられていますが、「新興国の巨人はまた、本書の概念を用いて、世界進出の際にリバース・イノベーション戦略を活用できるだろう」[p.15]とも述べていますので、リバース・イノベーションをどちらかの視点に偏った考え方とは見ていないようです。以下、本稿では、本書前半で述べられているリバース・イノベーションの基礎理論、戦略策定と行動(実行方法)の内容を中心にまとめてみたいと思います(本書後半のケーススタディについては本書をご参照ください)。

富裕国と途上国の間にある5つのニーズのギャップ

以下のギャップが、リバース・イノベーションの機会を考える上での出発点。

・性能のギャップ:「途上国の人々は、私たちが富裕国で慣れ親しんできたような高いレベルの性能を求めることはできない。」「超割安なのにそこそこ良い性能を持つ画期的な新技術を待ち望んでいる」(わずか15%の価格で、50%のソリューションのような)[p.24-25

・インフラのギャップ:「富裕国ではインフラが広範に行き届いているが、途上国はそうではない」。ただし、富裕国には既存のインフラという制約がある。[p.26-27

・持続可能性のギャップ:新興国には環境に優しいソリューションを用いるニーズがある[p.28

・規制のギャップ:「規制による影響を受けない途上国のほうが、より早くイノベーションが進展する可能性がある。」[p.29

・好みのギャップ:「国ごとに存在する味覚、習慣、儀式などの豊かな多様性」[p.30

このような違いは、富裕国がいまだ解決したことのない問題であったり、富裕国が数十年前に似たようなニーズに対処した際にはまだ利用できなかった最新技術を用いて対応することになるため、「貧困国で機会をつかむことは、一から始めることを意味する。」(「白紙状態のイノベーション)。「イノベーションを行う企業が勝ち、輸出する企業は負ける」[p.32

川上へとさかのぼるパターン

富裕国でリバース・イノベーションが魅力を持つのは次の場合。

・今日の取り残された市場:「富裕国には、無視されたり、サービスが不十分だったりする『取り残された市場』がある。そうした市場でイノベーションが起きなかったのは、それが必要ないからではなく、市場が小さすぎて多額のイノベーション投資を正当化できないから」。[p.33

・明日の主流市場:富裕国と途上国の間のニーズの「ギャップがある間は、富裕国の主流市場では魅力を出せないイノベーションも、ひとたびギャップが解消傾向に転じれば、最終的には魅力的なものとなる。」[p.36

リバース・イノベーションのためのマインドセット

著者は、「リバース・イノベーションの規律を熟知するうえで、過去にとらわれることは唯一最大の弊害」[p.53]と述べています。貧困国のニーズを無視したり、貧困国がいずれは成長して富裕国と同じ製品を求めるようになるはず、という考え方が新興国での成功に結びつかないことは容易に想像できますが、グローバル企業の次のような思考がリバース・イノベーションの障害となると指摘しています。

・グローカリゼーション:「グローカリゼーションは富裕国間の違いには効果的」。しかし、「新興国市場の真の成長機会は大衆市場にある。そしてそれはグローカリゼーションが壁に突き当たるところ」。「グローカリゼーションが無効になったのではない。」「グローバル企業はリバース・イノベーションとグローカリゼーションを同時に実行することを学ばなければならない。」[p.62-63]。「グローカリゼーションとリバース・イノベーションは、ただ共存していればよいわけではなく、両者が協力しあう必要がある。[p.95]」

・思考の罠:1)貧困国の顧客は古い技術で満足というような、「貧困国の市場を斜陽技術のゴミ捨て場のごとく見ることは、重大な間違い」[p.64]。2)リバース・イノベーションでは、「必ずしも徹底的に低価格にしなくてはいけないわけでもない。」[p.65]。3)「リバース・イノベーションの可能性は、ただ製品設計をいじるだけの問題ではなく、(中略)多くはビジネスモデルのイノベーション」。[p.66

・妨げとなる不安:1)新興国では利益率が低いと考えがちだが、「たとえ、粗利益率が低かったとしても、新興国の固定費は比較的低く、潜在的なボリュームははるかに大きいので、営業利益率とROI(投資収益率)は同等かそれ以上になるかもしれない。」[p.68]。2)低価格市場での競争は自社の高級ブランドを危険にさらすか、自社製品に対するカニバリゼーション(共食い)をもたらす危険があるが、「何もしないことのリスクに比べれば、(中略)比べものにならないほど小さい。」[p.69]。3)技術リーダーとして優れているから超低価格とは相容れない、というのは間違い。

CEOのとるべきステップ:まずは、このような隠された前提、罠、不安を認識した上で、CEOは次の3つのステップをとる必要がある。1)組織の重心を新興国市場に移す。2)新興国市場の知識と専門性を深める。3)個人として象徴的な行動をとることで雰囲気を変える。[p.73-80

リバース・イノベーションのマネジメント

リバース・イノベーションを実行する部隊が取り組むべきこととして、著者は以下の指摘をしています。

・支配的論理を覆す:経営者や組織を支配しているリバース・イノベーションの障壁となる考え方を取り除く。

・ローカル・グロース・チーム(LGT)を組織する:「組織上の障壁を取り払うための方法は、リバース・イノベーションのために特別な組織単位を作ること」[p.92]。白紙の状態で組織を設計する(外部人材の活用も有効)。

・グローバル組織の資源を活用できるようにする:グローバル企業としての資産が、ローカルの競合企業に対する優位となる。ただし、「LGTと社内の他の組織との間で、健全な協力関係を進展させることはなかなか難しい[p.104]」。対立解決のためにはLGTを上級幹部の直轄とし、橋渡し役を有効活用する。

・統制のとれたやり方で実験を行なう:計画を達成することよりも、「将来について仮説を立て、テストを行い、不確実性を知識や情報に変換し、実行可能なビジネスモデルを開発するための教訓を導き出すほうが大切[p.110]」。具体的には、重要な未知の事柄の解明への集中、LGTに適した業績評価、頻繁な計画の修正、計画の実行結果ではなく学習結果について説明責任を負わせることが重要。[p.110-114

リバース・イノベーション戦略の「9つの重要ポイント」

以上の本書前半部のまとめとして、著者は以下の9つのポイントを挙げています。[p.125を要約]

戦略レベル

1、新興国市場の成長をつかむために、単なる輸出ではなく、イノベーションに取り組む。

2、イノベーションを他の貧困国、富裕国の取り残された市場、富裕国の主流市場へと移転させる。

3、いわゆる新興国の巨人を自社のレーダーで捕捉し続ける。

グローバル組織レベル

4、人材、権限、資金を、成長している場所である途上国に移す。

5、リバース・イノベーションのマインドセットを全社的に培う。新興国市場にスポットライトを当てる。

6、グローバルとは別の損益計算書をつくり、成長性に関する指標を重視した業績評価を設ける。

プロジェクト・レベル

7、LGTに権限を委譲する。白紙の状態でニーズを評価し、ソリューションを開発し、組織を設計する。

8、LGTが自社のグローバルな経営資源の基盤を活用できるようにする。

9、迅速かつ経済的に、重要な未知の事柄の解明に注力し、統制のとれた実験として管理する。

本書の後半では、9つのケーススタディが紹介されています。もともと著者は、GEのコンサルタントとしてリバース・イノベーションを推進していたため、GEのケースについてかなり詳しく説明されていますが、その他のケースにおいても、似たようなアプローチが取られている点は興味深いと思います。特に上記の、2、4、7(特に)、8、9のポイントが複数の事例で強調されていました。

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以上が本書のまとめですが、著者の主張は軽々しく無視できるようなものではないでしょう。本書の解説では、小林喜一郎慶応義塾大学教授が日本企業にとっての課題を挙げています[p.371-372]。内向きからの脱却、新興国を生産拠点ではなくイノベーション拠点ととらえること、経営システムのユニバーサル化、投資しないリスクの大きさ、新興国における社会との互恵関係を念頭に置いた事業創造、など、いずれも日本企業にとって容易ならざる課題と言えると思いますが、小林氏も指摘されているように、かつて、日本が新興国だった時代に日本で技術開発した製品が海外進出していった状況には、リバース・イノベーションとも似たような要素があったと思います(その頃には今日のような多国籍企業がなかった点は違いますが)。もちろん新興国の動向は予測が難しい面もありますが、リバース・イノベーションの流れを念頭におき、著者の指摘するように、貧困国に対して、慈善や援助ではなく、ビジネスを通じて貢献できる[p.336]可能性もよく認識した上で、グローバル戦略を考える必要があることは間違いなさそうに思われます。


研究開発マネジメントの観点からは、Christensenによる破壊的イノベーションとの関係が重要でしょう。著者は、「リバース・イノベーションと破壊的イノベーションは一対一の関係ではないが、重なり合う部分がある。すべてではないが、リバース・イノベーションの一部は破壊的イノベーションの事例でもある。」[p.360]と述べています。リバース・イノベーションと破壊的イノベーションの類似は、リバース・イノベーションの論文を取り上げた際にも述べましたが、起きている現象、考え方、進め方のノウハウなどにかなり共通の要素が認められます。ただ、Christensenの理論では、イノベーションや技術の進歩の傾向とそれによる企業の盛衰が破壊的イノベーションの考え方で理解、予測できる、という現象面の重要性が強調されていて、実際に、どうしたら破壊的イノベーションを起こせるのか、特に、その芽を見つけるにはどうしたらよいのか、という点についてはそれほど詳しい手法が提示されているわけではないと思います。「最初の戦略は必ず間違っている」「正しい戦略を知っているかのように意図的に行動するのではなく、正しい戦略が市場から『わき出る』、つまり創発するようなアプローチを採用すべき」[文献2、p.373,236]というのが基本的な考え方になっていて、ChristensenAnthonyもその具体的な方法を提案しているわけですが、本書に示された新興国発のリバース・イノベーションについて言えば、かなりの確率で計画的に破壊的イノベーションの芽をみつけ、育てることが可能なのではないかと思われます。その意味で、リバース・イノベーションが破壊的イノベーションを効率的に生む方法になりうることを示したことは、著者らの指摘の最も重要なポイントではないでしょうか。実践的な観点からは、リバース・イノベーションの中には、新興国の中だけのイノベーションにとどまり、破壊的にもリバースにもならないものもあるでしょうが、その可能性については十分に認識しておく必要があると言ってもよいと思います。著者は日本語版への序文で「必要なのは行動することである」[p.iii]と言っています。どう行動するかが問われているということでしょう。


文献1Govindarajan, V., Trimble, C., 2012、ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル著、渡部典子訳、「リバース・イノベーション 新興国の名もない企業が世界市場を支配するとき」、ダイヤモンド社、2012.

文献2:Anthony, S.D., Johnson, M.W., Sinfield, J.V., Altman, E.J., 2008、栗原潔訳、「イノベーションへの解実践編」、翔泳社、2008.


(参考)

原著のwebページ

http://www.tuck.dartmouth.edu/people/vg/reverse-innovation/

ビジャイ・ゴビンダラジャン、小林喜一郎、渡部典子、「リバース・イノベーション講座」、ダイヤモンド社書籍オンライン、2012.10.1から

(第1回)http://diamond.jp/articles/-/25138

他の回も上記URLからたどれます。

参考リンク<2013.1.14>


 

 

 

2010年のベスト50発明(「Time」2010.11.22号)

イノベーションや発明はどのように生み出されるのでしょうか。どんな発明が注目され、その将来はどうなるのでしょうか。Time20101122日号(vol.176No.21)に2010年のベスト50発明(The 50 Best Inventions of 2010)が発表されています[文献1]webサイトはこちら)。ここで取り上げられている発明は、単なるアイデアではなく、ある程度形(商業ベースの製品も含めて)になったものですが、それらの発明を題材として、世に出たばかりの発明がどう生まれ、どう育ちそうなものが多いか、何か傾向があるかを調べてみたいと思います。

 

まず、それぞれの発明について次の点から評価してみます。

・発明の出発点はニーズ志向とシーズ志向のどちらなのか。

・将来性を推し量るポイントとして破壊的イノベーションの概念にどのぐらいあてはまるか。

発明の内容についても興味があるところですが、私の知識不足のため正確な評価は困難と思われますので内容の評価は省略させていただくこととし、上記2項目の評価のみを試みることにしました。主に記事の内容に基づいた個人的な印象による評価になっていると思いますがご容赦ください。(発明の内容については、web上にいくつかのコメントがあり、参考にさせていただきました[文献2,3]。その他、個別の発明についてはweb上の記事も一部参考にしました。ほとんどの発明についてweb上に情報があります。)

 

発明の出発点の評価の表し方は次のとおりです。

●:シーズからの発想と思われるもの

○:ニーズからの発想と思われるもの

◎:かなりはっきりした(売れるだろうという)ニーズがありそうなもの

破壊的イノベーションの適合度の表し方は次のとおりです。(破壊的イノベーションについてはノート4をご参照ください)

★:持続的イノベーションと思われるもの

☆:破壊的イノベーションの可能性があるもの(1、従来やりたいと思っていたことができなかった顧客(非消費者)にアピールしている。2、従来のやり方をもっとシンプル(必要十分)にやりたいと思っていた顧客にアピールしている。3、競合製品がオーバースペックになっている。4、競合製品を製造しているメーカーが相手にしない可能性が高い。5、小規模な投資で始められる。それぞれについて☆1つずつとし、どの項目かはカッコ内に数字で示しました。)[この基準は文献4p.64213を整理、簡略化しました]

 

では、どんなものがTime誌のリストにあがっているか、見てみましょう。

No.1NeoNurture Incubator(古い車の部品を使って作った新生児保育器)、○☆☆☆(1、2、5)

No.2The (Almost) Waterless Washing Machine(ほとんど水を使わない洗濯機-ナイロンビーズで洗濯)、●☆(4)

No.3First Synthetic Cell(初の人工合成細胞)、●

No.4The X-51A WaveRider(超音速(軍用?)飛行機)、●★
 <2011.2.3追記:コメント1をご参照ください>

No.5Responsible Homeowner Reward Program(住宅ローン返済を滞らせなければ返済額を割り引くシステム)、○☆(1)

No.6Sony Alpha A55 Camera(半透過ミラーを使ったカメラ)、●★

No.7Lifeguard Robot(水難救助ロボット)、○★

No.8The Plastic-Fur Coat(値札止め用のプラスチックピンを多量に刺したコート)<一種のアートだと思いますので評価除外>

No.9The English-Teaching Robot(ロボット英語教師)、●

No.10Square(スマートフォンでクレジットカード決済ができるアタッチメント)、○★

No.11Bloom Box(燃料電池)、●★

No.12Lab-Grown Lungs(実験室でラットの肺を幹細胞から再生)、●

No.13The Deceitful Robot(状況に応じて嘘がつけるロボット)、○★

No.14Sarcasm Detection(皮肉を読み取れるソフトウェア)、○★

No.15BioCouture(バクテリアがつくるセルロース繊維生地)、●☆(4)

No.16Faster-Growing Salmon(遺伝子工学によって生まれた成長速度2倍の鮭)、●

No.17Road-Embedded Rechargers(道路に埋め込まれ、電磁誘導で電気自動車に給電するシステム)、○☆(1)

No.18The Straddling Bus(道路を走る車を跨いで走る立体バス)、●★

No.19Edison2(超軽量自動車)、●★

No.20Antro Electric Car(軽量小型電気自動車、太陽電池、人力チャージつき)、●★

No.21Electric-Car Charging Stations(電気自動車充電設備)、○☆(1)

No.22Sugru(接着性加工性耐久性に優れた粘土)、●☆☆(1,5)

No.23The Plastic-Bottle BoatPETボトル船で太平洋横断)<評価除外>

No.24Amtrak’s Beef-Powered Train(列車燃料として牛脂からとったバイオディーゼル油を利用)、●

No.25eLegs Exoskeleton(身障者用の歩行補助装置)、○★

No.26Woolfiller(セーターの虫食い穴を補修する材料)、○☆(4)

No.27The Seed Cathedral(上海万博での英国パビリオン、種の入った樹脂ファイバーで飾られている)<評価除外>

No.28Super Super Soaker(水の噴流で爆弾を処理する装置)、○

No.29Martin Jetpack(一人用の飛行装置)、●★

No.30Better 3-D Glasses(3D眼鏡改良版)、○★

No.31Google’s Driverless Car(無人運転自動車)、●★

No.32Deep Green Underwater Kite(水中に設置し海流で発電する凧のような装置)、●★

No.33Looxcie(耳につけるビデオカメラ)、●☆(3)

No.34iPad(有名なので説明省略!)、◎★

No.35Flipboard(情報を整理して見せてくれるiPadアプリ)、◎★

No.36STS-111 Instant Infrastructure(無人飛行船)、●★

No.373-D Bioprinter3Dプリンターで細胞を組み立てて臓器を作る)、●

No.38Spray-On Fabric(スプレーで布地、衣服を作る)、●☆(4)

No.39Iron Man Suit(人のパワーを増強するロボットスーツ)、●★

No.40-42Body Powered Devices (身体の動き、熱、地下鉄からのエネルギー回収)、●★

No.43Less Dangerous Explosives(安定性の高い爆発物-軍事目的)、○★

No.44Terrafugia Transition(空飛ぶ自動車)、●

No.45-46The Malaria-Proof Mosquito and The Mosquito Laser(遺伝子操作で生み出したマラリアを媒介しない蚊、蚊を選択的に攻撃するレーザー)、●★

No.47Power Aware Cord(電流が多く流れるほど明るく光るコード)、●

No.48X-Flex Blast Protection(爆風を防げる壁紙)、●★

No.49EyeWriter(目の動きで文字入力ができる装置)、○★

No.50Kickstarter(ネットで資金調達できる仕組み)、○☆(1)

 

実のところ知らない発明も多かったのですが、正直あまり売れそうもない発明が多いと思いました。ニーズに基づくと考えられる発明が16件と意外に少なかったですし、破壊的イノベーションの可能性がある発明も☆が1つ以上のものでさえ11件しかない(実際には☆1つでは破壊的イノベーションの条件は満たせていないと思います)、という点は期待外れでした。事業性の観点からはまだまだ不十分なものが多いと言わざるをえないと思います。ただし、記事の趣旨は面白い発明の紹介、ということでしょうから「将来に期待」ということでよいのでしょう。

 

ただ、これだけ並べるといくつかの示唆が得られると思います。以下に気付いた点を書いてみます。

・マスコミはシーズ志向で目新しさが感じられる「発明」に注目したがるものなのではないか。マスコミにとっては事業性は二の次?。→企業外のステークホルダーはもちろんのこと、企業の中でも研究開発で収益を上げようとは思っていない人々は、同じような発想をするかもしれないことは認識しておくべきでしょう。

・「発明」は注目されてからが正念場。事業化は注目されることよりもおそらくはるかに難しい。

・これらの発明はある程度形になっていますが、要素技術を形にする段階で世の中への適用方向をある程度仮定してしまっているため、そこで方向性を誤っている可能性もあると思います。発明の可能性は形になったものだけではなく、要素技術をどう生かすかという観点からも考えるべきかもしれません。

・破壊的イノベーションについても上記と同様、形になっているもので判断すべきではないと思われます。イノベーションの要素をどう扱い、破壊的イノベーションの形に育てるかが真の課題なのだと思います。→ちなみにChristensenは「刺激的な成長事業に乗り出そうと奮闘する企業にとっての根本的な問題が、優れたアイデアの不足であることはほとんどない」[文献5p.19]と述べていますが、これだけのアイデアを見せられるとそうかもしれないと思えます。

・破壊的イノベーションについてAnthonyらは「最初の戦略は必ず間違っている」[文献4p.373]と述べています。これらの発明が破壊的イノベーションとしてそのまま育っていくとは考えないほうがよいでしょう。

・日本発の発明が少ない。個々の発明に関するWeb上の情報をみると、日本でも似たような(あるいはもっと優れた)発明がなされているものもあるようです。マネジメントという観点からは重要でないことかもしれませんが、日本人は自らの発明のアピールをもっと工夫すべきだといえるのではないでしょうか。

 

以上、リストアップされた発明は、実用面での評価としてはあまり肯定的には受け取れなかったのですが、「夢がある」と感じられる発明があるのも事実だと思います。これは単なる編集者の好みかもしれませんが、世間が発明に期待していることのなかに「夢を与えること」があるのではないでしょうか。企業の立場としては収益にこだわらなければいけないのは当然ですが、「夢」は開発者のモチベーションを維持する上でも重要な要因になり得ますので、軽視してはならないことも再認識させられた気がします。今後これらの発明がどうなっていくのかは単純に興味がありますし、さらに、これらの発明を追跡調査すれば、発明がどう育っていくか、何が問題でどう改善されるのか、発明がどのくらいの確率で実用化できるのかなど、研究マネジメント上興味深い示唆も得られるのではないかと思います。現在進行形のケーススタディになるかもしれなという期待も込めてしばらく様子を見てみたいと思います。

 

 

文献1:「The 50 Best Inventions of 2010」、Time, vol.176, No.21, p.45, (2010).

記事のサイト→http://www.time.com/time/specials/packages/completelist/0,29569,2029497,00.html

文献2hiranoxxさんのブログ記事、「2010年の発明品ベスト50」

http://ameblo.jp/hiranoxx/entry-10713537467.html

文献3:しほのまちのユタ牛さんのブログ記事、「Time誌に掲載された“The 50 best Inventions of The Year”」

http://blogs.yahoo.co.jp/ty_so_long/63253590.html

文献4Anthony, S.D., Johnson, M.W., Sinfield, J.V., Altman, E.J., 2008、スコット・アンソニー、マーク・ジョンソン、ジョセフ・シンフィールド、エリザベス・アルトマン著、栗原潔訳、「イノベーションへの解実践編」、翔泳社、2008.

文献5Christensen, C.M, Raynor, M.E, 2003、クレイトン・クリステンセン、マイケル・レイナー著、桜井祐子訳、「イノベーションへの解」、翔泳社、2003.

 

祝ノーベル賞:『発見の条件』by根岸英一教授

2010年のノーベル化学賞を共同受賞されたアメリカパーデュー大学の根岸英一特別教授が1996年に発表された、『発見の条件』と題した記事を見つけました[文献1]。この記事は学会誌の巻頭言として書かれたものですが、研究マネジメントを考える上で興味深い内容が含まれていると思いましたので、ご紹介させていただこうと思います。

 

この記事では、「発見の条件」、すなわち、どうやったら「発見」ができるかについて、ご自身の経験をもとに以下の10項目の要因が述べられています。

1、serendipityつまり運

2、新しく奇想天外ながらも正しい仮説

3、夢と目標

4、新分野、新天地のsystematic exploration:運を呼ぶ手がかりになる。残されたフロンティアの系統的探索が効果的。

5、正しい価値判断

6、やってみるというアクション:理論、仮説、実験、解釈を必要に応じて繰り返す行動力は誰にでもあるものではないらしいが、誰でも努力によって強化することはできるはず。

7、豊富な知識

8、豊富なアイデア:望ましくは20~30のアイデアを考えたところで最良案と思われるものをいくつか検討すればよいものにぶつかる確率も高くなる。アナロジーでもよいが、アナロジーは遠ければ遠いほどよい。

9、Needs思考:発想の出発点として重要。

10、optimism:オン・オフであっても試みつづけることが成功につながることがある。「こだわり」と呼んでもよい。

そして、最後に「上記10項目中いくつかは神頼み的なものもあり、天性に由来するものもあるだろう。しかし大部分のものは意志と努力があれば誰にでもできそうである。」と述べ、若者への激励で記事をしめくくっています。

 

巻頭言ということもあって、ごく簡単にしか触れられていない項目もありますが、興味深い指摘が含まれているのではないでしょうか。もちろん、ここで述べられているのは、基礎的な研究における「発見」についてですので、これがそのまま企業における研究開発に適用できるわけではないでしょう。しかし、たとえこれらの要因が根岸教授の研究分野と研究環境において経験的に導かれたものであったとしても、「発見」を可能にするための要因を整理した考え方として示唆に富んでいるのではないでしょうか。そこで、もう少し深く、研究マネジメントにおける上記要因の意義について考えてみたいと思います。

 

1のセレンディピティー、運については、根岸教授が発見の条件のトップにもってこられたことから考えても特に重要な要因であると考えてよいと思います(セレンディピティーについてはノート2ノート6でも触れました)。しかし、運まかせ、ということではありません。2~10の項目で、どうしたらその運に巡り合えるか、ということについてのヒントが語られています。

 

具体的に見てみましょう。2では「新しく奇想天外ながらも正しい仮説」と述べられています。もちろん、正しいかどうかは事前に知ることができませんので、正確には「新しく奇想天外ながらも、後で正しかったことがわかる仮説」が発見の条件と言えると思います。つまり、「新しく、できれば奇想天外な」仮説を持つことと、その仮説が「正しかった」と証明する努力の両方が必要と考えればよいと思います。

 

そうした仮説を得るためには、3、4、7、8、9が重要となるでしょう。どんな分野に狙いをつけるべきかについては3、4、9で述べられており、夢と目標を持ち(3)、誰もやっていない分野に挑戦してみるべきであること(4)、発想の出発点としてニーズを考えてみること(9)が述べられています。ここで興味深いのは、「夢と目標」と言っている点で、私は、夢と目標の両方が必要、という風に受け取りました。企業で与えられる業務目標に夢があるのかどうか、ちょっと気になります。4については、他人がやっていないことが基本になるわけですが、もちろんそれが成功するかどうかはわかりません。しかし、他人の動向を分析し(ノート3で少し触れました)、勇気をもって実行すれば、すでに他人がやったことや、他人がやるかもしれないことを追うよりは「発見」の可能性は高くなるでしょう。つづいて、実行するアイデアを決定する段階での注意点が7、8に述べられています。すなわち、豊富な知識(7)をベースとして数多くのアイデアを考え(8)、さらに再度豊富な知識を用いてその中から有望なものを抽出すべき(8)ということです。成功の確率が低ければ多くのアイデアを持つ必要があることは言うまでもないことのように思いますが、ともすると自分のアイデアにおぼれ、その成功確率を高く見積もってしまうことがあるのではないでしょうか。20~30のアイデアのうちからいくつか試してみる、という考え方は、絞り込むことで成功の確率を上げているだけではなく、思いついたアイデアをすぐに試すことよりも、試す前によく考え、アイデアを多面的に見ることも奨励しているのではないでしょうか。その対極にあるアプローチが、少ないアイデアを頼りにそれを成功させるべく計画を立てたり戦略を練ったりする方法であるとすれば、そうしたやり方とは一線を画すものと言ってよいでしょう。CollinsPorrasの言う「大量のものを試して、うまくいったものを残す」[文献2p.235-283]というアプローチと同じように思われます。なお、アイデアを考える段階ではアナロジーでもよいとしているのも興味深い指摘です。最初から独創的なアイデアだけを狙う必要はなく、はじめは他のアイデアと似たようなものでも、それを独創的な方向に発展させていけばよい、ということでしょう。

 

アイデア段階から進んで研究の実行段階で重要になるのは、5、6、10と考えられます。正しい価値判断(5)については、得られた実験結果を、それが予想通りのものであっても予想外のものであっても正しく評価する、ということの重要性を指摘したものと思われます。もちろん正しい評価には豊富な知識(7)が必要なことは言うまでもないですが、希望的観測に惑わされて判断を誤ってはいけないということも含んでいるように思います。やってみるというアクション(6)については、それが必要なことは言うまでもないことですが、実行が容易ではないこと、フィードバックの重要性についても触れられています。実行には研究者本人の努力も必要でしょうが、周りのサポートや環境の整備も必要と認識すべきなのかもしれません。10では、希望とこだわりを持って挑みつづけることの重要性が述べられていますが、オン・オフという表現が出てくるのが興味深いところです。これは、しばらくやってみて(オン)うまくいかなければ、一旦中止(オフ)するものの、また再開する、というアプローチのようで、単にずっとつづけて研究する、というのではなく、担当者を変え、おそらく手法も変えて挑みつづけることが成功につながることがある、ということのように思われます。トライする人が異なれば違った発想が可能でしょうし、前回の失敗から時間を置けば状況が変わって成功への道が開ける可能性もあると思います。単に過去に失敗したからといって再挑戦に否定的になりすぎてはいけないという点、自戒しなければいけないと思いました。

 

以上、非常に興味深い指摘を含んでいるのではないでしょうか。一般に、研究者がご自分の経験をもとに研究論、マネジメント論を述べられる場合、その経験がどういう分野でどういう狙いをもった研究から導かれたもので、それがどの程度効果を発揮したのかがはっきりわからず、その研究分野以外の人には評価が難しい場合が多いように思います。その意見にどの程度汎用性があるのか、その意見はその方の場合だけに言えることではないのか、といったことがわかりづらいものですが、この記事の場合は、根岸教授のご研究がどんなものかや、その成果のレベルはすでに報道などで明らかになっていますので、こうした意見から何を学べるのかも明確にしやすいように思います。大学と企業の違いを超えて学べる部分があると思いますがいかがでしょうか。

 

 

文献1:根岸英一、「発見の条件」、有機合成化学協会誌、vol.54No.1p.1(1996).

文献2Collins, J.C., Porras, J.I., 1994、ジェームズ・C・コリンズ、ジェリー・I・ポラス著、山岡洋一訳、「ビジョナリーカンパニー」、日経BP出版センター、1995.


参考リンク<2011.8.14追加>
文献1へのリンク、2011年元旦にNHKで放映された「発見の10項目」図へのリンク、Purdue大学根岸教授ページなど。<2011.12.4現在、文献へのリンクはなくなってしまいました。>

 

ノート6:研究部門が実施したいテーマ

ノート4,5につづき、企業活動の役に立つテーマ設定の第3のタイプ、研究部門が実施したいと考えるテーマについて検討してみます。

 

③研究部門が実施したいと考えるテーマ

前節までに述べたテーマを研究部門の側からみると、①企業の収益源となるテーマは成果が期待できるので実施する価値がある、②の企業が研究部門に求めているテーマは企業の要求に応えることに実施する価値があると考えられます。しかし、それ以外に、成果の期待が不明確で、かつ求められてもいないが、研究部門として実施したいテーマというものもありうるのではないでしょうか。

 

研究テーマの性格については、まず、テーマのアイデアが何に基づいているかに関して、

「サイエンス・プッシュ」「テクノロジー・プッシュ」vs.「マーケット・プル」「デマンド・プル」

「シーズ志向」vs「ニーズ志向」

という区分がなされることが多いようです。さらに、そのテーマが組織のどの階層から発生するかについて、

「ボトムアップ」vs「トップダウン」

という区分もあります。研究部門が実施したいと考えるテーマはそれぞれ前者の性格を強く持ったものであるということができるでしょう。

 

イノベーションがどのような過程で発生するかについて、過去(1950年代)においては、基礎的研究がイノベーションを生む「サイエンス・プッシュ」が重要と考えられていたようです。これに対し、近年では科学技術と市場の双方向のコミュニケーションの重要性が認識されて、上記のような「サイエンス・プッシュ」と「マーケット・プル」の2つの逆向きの流れを組み合わせる「カップリングモデル」を考慮すべきだと言われています[文献1p.119-121]。さらに、Tiddらは、テクノロジー・プッシュ型か、さもなくばニーズ・プル(必要は発明の母)型かのどちらかといったアプローチの限界は明らかであり、現実には、イノベーションとは何かと何かを結びつけ調和させていくプロセスであって、相互作用こそが最も重要な要素である[文献2p.54]と指摘しています。また、Rogersは「知覚されたニーズがイノベーション過程を始動させたり、イノベーションの知識がそれに対するニーズを創出したりする」[文献3p.410]と述べており、同様の見解は他にもみられます[文献4p.149]

 

トップダウンかボトムアップかという議論に関しては、不確定要素や不確実性の存在のため研究開発の計画は完全にトップダウンだけでは決められないことに特別の注意が必要[文献1p.177]との指摘があります。また、形式知(形式的・論理的言語によって伝達できる知識)と暗黙知[文献5](特定状況における個人的な知識で、形式化したり他人に伝えたりするのが難しい知識)[文献6p.88]の相互作用が組織的知識創造にとっと重要であるとの立場から、トップダウンモデルは形式知を扱うのに向いているが組織の第一線での暗黙知の成長を無視しており、ボトムアップモデルは暗黙知の処理が得意であるが暗黙知を組織全体に広めて共有することを難しくしていると述べ[文献6p.187]、組織的知識創造のための最良の環境として「ミドル・アップダウン・マネジメント」が提案されています[文献6p.238]

 

このように、イノベーションにとってはいわゆるシーズとニーズの双方が必要ということは広く認識されていることのようですが、にもかかわらずシーズ志向の研究というものは企業内では評判が悪いように思われます。この原因としては、シーズ志向の研究は、企業内外の環境分析に基づいて戦略的に目標を設定し、それを効率的に実行するという古典的な企業経営の手法になじみにくいことがまずあげられるでしょう。それに加え、開発(あるいは導入)された技術と、製品や実機に使えるような技術との間のギャップ(レディネス・ギャップ)を誰がどのように埋めるかがはっきりしないために「研究所で生み出された技術は、市場よりもサイエンスに近いものとして評判が悪い」[文献7p.232]と判断されてしまうこともあると思われます。シーズ志向の研究を行なう際には、このような周囲の捉え方も考慮しておく必要があるでしょう。

 

しかし、技術者の立場からするとシーズ志向にはニーズ志向に比べて好ましい点があります。それは、ニーズ志向の研究を行なう場合に、「こういうニーズがあるから売れるはずだ」という予測をしたとしても、そのニーズ予測自体は技術者にとってはどうしようもない場合があるのに対し、シーズは実体のある技術として身近に存在するため、シーズをどう発展させるかというプロセスに技術者が関与する余地が大きく、やりやすいという点です。さらに、シーズ技術はそれ自身で(ニーズがなくても)成長し、さらに新たなシーズを生み出す可能性がある点も重要でしょう。

 

シーズ技術のもつこのような特性は、セレンディピティーにも繋がるものと考えられます。セレンディピティーとは、偶然に幸運な予想外の発見をする能力を指し、Robertsは、以下の2種類に分類しています。[文献1p.198] [文献8p.ix]

・擬セレンディピティー(pseudoserendipity):追い求めていたことを、偶然に発見できること

・真のセレンディピティー(true serendipity):思ってもみなかったことを、偶然に発見できること

このうち、真のセレンディピティーは「予想外」の結果に基づくものであるため、オリジナルであることが多く、差異化のためには特に重要でしょう(擬セレンディピティーであっても発見に偶然を必要とするものは同様です)。セレンディピティーに恵まれれば、それは競合他社が容易に達成できる成果ではなく、技術的に優位に立つための重要な足がかりになるはずです。ただ、真のセレンディピティーは、目的志向を強く意識した研究においては目的外の結果や単なる異常値として見逃されてしまうこともありうるので、シーズ志向の研究の方がこうした発見をしやすくなるということも言えるでしょう。

 

以上、ここで述べたような、研究部門が実施したいと考えるいわゆるシーズ志向のテーマは、それだけではビジネスにはならないものの、必要であるとの認識に立つべきだと思われます。このとき、技術シーズとしては自身が保有している技術の他に、外部の技術、埋もれた技術、失敗の結果に終わった技術なども加えて考えてもよいでしょう。こうしたテーマを行なう場合には、ニーズとの組み合わせを意識し、さらに、見えないニーズの具体化に利用できないか、シーズそのものをさらに発展させることができないか、といった点を念頭におくことが、よい成果を得るために必要なことと考えられます。

 

文献1:丹羽清、「技術経営論」、東京大学出版会、2006.

文献2Tidd, J., Bessant, J., Pavitt, K., 2001、後藤晃、鈴木潤監訳、「イノベーションの経営学」、NTT出版、2004.

文献3Rogers, E.M., 2003、三藤利雄訳、「イノベーションの普及」、翔泳社、2007.

文献4Anthony, S.D., Johnson, M.W., Sinfield, J.V., Altman, E.J., 2008、栗原潔訳、「イノベーションへの解実践編」、翔泳社、2008.

文献5Polanyi, M., 1966、高橋勇夫訳「暗黙知の次元」、筑摩書房、2003.

文献6Nonaka, I., Takeuchi, H., 1995、梅本勝博訳、「知識創造企業」、東洋経済新報社、1996.

文献7Leonard-Barton, D., 1995、阿部孝太郎、田畑暁生訳、「知識の源泉」、ダイヤモンド社、2001.

文献8Roberts R.M., 1989、安藤喬志訳、「セレンディピティー」、化学同人、1993.


参考リンク 

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