研究開発マネジメントノート

研究開発とそのマネジメントについてのいろいろ

リーンスタートアップ

ビジネスモデル改善のポイント(ジロトラ、ネテッシン著「ビジネスモデル・イノベーションに天才はいらない」DHBR誌2015年7月号より)

イノベーションでは、技術的な革新だけでなく、ビジネスモデルをどうするかも重要だという認識の高まりとともに、新たなビジネスモデルを構築する方法論の提案も増えてきています。しかし、新たなビジネスモデルの創造だけでなく、既存のビジネスモデルを見直して改善していくこともイノベーションへのアプローチの一つとなりうるかもしれません。

ジロトラ、ネテッシン著の論文、「ビジネスモデル・イノベーションに天才はいらない」[文献1]では、既存のビジネスモデルをどう改善したらよいか、という観点からのビジネスモデル・イノベーションの方法論が議論されています。もちろん、イノベーションを一から構築する場合においても役に立つ点があると思いますので、今回はその要点をまとめたいと思います。

ビジネスモデル・イノベーションの意義
・著者は、「我々は、ビジネスモデル・イノベーションとは『何を提供するか』『いつ決めるか』『誰が決めるか』『それはなぜか』を変える意思決定だと見なしている。これらの変革に成功した企業は、売上、費用、リスクのバランスを改善することができるのである。」と述べています。ここで、「変える」としているところ(「創造する」ではなく)が本論文のポイントのように思いますので、以下、上記4つの点をどのような視点で変えていけばよいのかについての著者らの主張を以下にまとめたいと思います。

どのような製品・サービスを組み合わせて提供すべきかWhat Mix of Products or Services Should You Offer?

・「リスクを低減する方法の一つは、製品・サービスの組み合わせ方を変えることだ。」
1、範囲を絞るFocus narrowly
・商品やサービスなどを絞り込むことで優位に立てる可能性がある。
・「範囲を絞るやり方が最も効果的なのは、明確に差別化されたニーズを持つ、異なる市場セグメントにアピールする時だ。」「範囲を絞ったビジネスの主な欠点は、単一の製品やサービス、または顧客セグメントに依存しなければならず、そこからは見えてこない重要な顧客ニーズを取りこぼしかねない点だ。」
2、製品の共通性を探すSearch for commonalities across products
・製品間での部品の共通化や、セグメントへの対応に必要な能力の共通化によりビジネスモデルの改善の可能性がある。
・「ただし、幅広いモデルや車種を対象に部品を設計しなければならない場合、共通化を実行するためには多大なコストがかかる。さらにこの戦略では、部品を共通化する全製品が同時に需要増、あるいは需要減になってはいけない。」
3、リスクヘッジしたポートフォリオを築くCreate a hedged portfolio
・「この方法が使えるのは主に、需要の変動がマイナスの相関を持つケースである。」

重要な意思決定をいつ下すべきかWhen Should You Make Your Key Decisions?
・「信頼に足る情報が不十分なのに、意思決定を下さなければならない局面は多い。我々は、状況に応じて意思決定のタイミングを変えるとビジネスモデルを改善できるような3つの戦略を見出した。」
1、意思決定を先延ばしにするPostpone the decision
・例えば、重要動向を見ながら価格決定する、収益性の予想によって対応を使い分けるなど。
2、意思決定の順番を変えるChange the order of your decisions
・例えば、インフラ投資をしてから契約を取るか、契約の後にそれに合わせる投資をするか。ソリューションの開発に投資するのではなく、外部に開発をさせて完成したソリューションを買い取るとか。「オープン・イノベーションの草分けであるイノセンティブやイピオス(Hypios)など多くの企業は、『パフォーマンスが先、投資は後』に順番を変えれば、R&Dに伴うリスクの大部分を他に転嫁できると気づき始めている。」
3、重要な意思決定を分割するSplit up the key decisions
・「かつては、リスクのあるベンチャー事業を立ち上げるには、ビジネスモデルの細部を網羅した事業計画書を作成し、計画をその通りに遂行する必要があった。あらゆる重要な意思決定が、一度に前もって下されていたのだ。リーン・スタートアップの手法では、重要な意思決定を分割する。まずは、どこに機会がありそうかという仮説を、かなり大まかに、限られた範囲でよいから立てる。その後、情報収集や『方向転換(ピボット)』の段階を重ねながらビジネスモデルを修正し、最終的に有効なモデルへと到達する。創業者は概して、事業が進行するにつれて仮説を大胆に変えるのだ。・・・事実上、ベンチャー設計の意思決定を小分けにしたわけだ。」

最良の意思決定者は誰かWho Are the Best Decision Makers?
・「決定を下す者を変えるだけで、企業はバリューチェーン内の意思決定を飛躍的に改善できる。」
1、事情に通じた意思決定者を任命するAppoint a better-informed decision maker
・「従業員への権限委譲とは、根本的に、最も事情に通じた個人または組織に決定権を与えることである。」「最適の事情通が社内にいるとは限らない。」
・「よりよい情報を用いた意思決定のメリットは明白だが、従業員やサプライヤー、顧客に権限を委譲し、広範なデータを収集するのは費用がかかるうえに、困難もつきまとう。」
2、意思決定のリスクを最適任者に負わせるPass the decision risk to the party that can best manage the consequences
・例えばアマゾンが売れ筋の本しか在庫を持たず、売れ筋以外は協業関係にある卸業者や出版に在庫管理させたような方法。
・「優位な情報を持つ意思決定者が明らかにいない場合、意思決定のリスクを最適任者に負わせるのは魅力的な戦略になりえる。」
・「この戦略を機能させるには、意思決定を代わりに担う者と自社のインセンティブが一致しなければならない。」
3、最も得るものが大きい意思決定者を選ぶSelect the decision maker with the most to gain
・例えば、製品やサービス導入に伴って顧客に発生するリスクを、製品やサービスの供給者が肩代わりするなど。
・「ただし難点もある。リスクを追加負担しても安全なのは、その技術の信頼性が高い時に限られるのだ。」

重要な意思決定者はなぜその決定を下すのかWhy Do Key Decision Makers Choose as They Do?
・「意思決定者の意欲をうまくコントロールすれば実行できるビジネスモデル・イノベーションは多い。」
1、収益源を変更するChange the revenue stream
・例えば、製品のメンテナンスが製品供給者の収益源になっている状況では、製品供給者は製品の信頼性を上げてメンテナンスを減らす動機は持たない。顧客にとってメンテナンスコストが問題なら、供給者にとっての収益源を変える必要がある。
・「収益源を変更して意思決定関係者の利害を一致させる方法は、パフォーマンスを十分かつ明確に定義できる場合だと成功しやすい。反対に、たとえば先端技術や材料を駆使した新型機は未知の要因が多すぎるため、合理的なパフォーマンス基準や適切な指標の設定が困難である。」
2、短期と長期のメリットを組み合わせるSynchronize the time horizons
・「従来の調達活動では、競争入札という『儀式』を通じて、低価格とほどほどの質を確保していた。・・・ところが、海外調達が増えると、このモデルに不具合が生じる。国外の業者が品質管理を怠り、材料の信頼性を軽んじたのだ。そればかりか、強制労働、製品の横流しや偽造といった問題も露見した。ほとんどの調達取引は一度限りなので、悪徳業者が制裁されることは稀だった。」
・例えば、調達者と業者の間を仲介し、仲介者と業者の長期的な関係を維持することをインセンティブにするビジネスモデルを構築している企業がある(利豊)。
3、インセンティブを統合するIntegrate the incentives
・「信頼の置ける仲介業がいない場合は、独立した各エージェントに対して、事前に取り決めた結果を最大化させるように契約や管理システム(有名なバランス・スコアカードなど)を作成・開発すればよい」
・例えば、患者の治療に携わる関係者すべてが、患者の治療結果をもとにパフォーマンス測定することに合意する医療制度改革など。
・「時にこうした契約は複雑になるので、単にオペレーションを統合するほうがが簡単な場合もある。・・・完全な統合の実現は一大事業のため、多くの組織がコア・コンピテンシーの範囲外にある活動に直接手を出したがらないのも無理はない。したがって、これは他のアプローチでは満足できない時だけに使う、最終手段と見なされる傾向にある。」
―――

ビジネスモデルの改善を考える際のポイントとしては、もちろん上記の項目に限られるものではないでしょう。しかし、上記の項目は、考える際の手がかり、有効なチェックポイントとして使えるように思います。既存のビジネスモデルを改善しようと考える時、あるいは、新たなビジネスモデルを構築しようとする時、まず上記の視点で考えてみることが有効なように思います。

著者の指摘の基本を挙げるとしたら、「暗黙の前提の見直し」、ということになるのではないでしょうか。「何を提供するか」に関しては、製品やサービスを独立した単体のものとして見るのではなく、プロダクトミックスとして見ることが重要のように思われますし、「いつ決めるか」に関しては、プロジェクトの初めに方針と計画を定めてその後にそれを実行していく、というやり方には見直すべき点があると指摘していると思います。また、「誰が決めるか」については、意思決定者を行う人を特定するという前提、「それはなぜか」に関しては、特定のインセンティブや従来の仕組みに依存しているという前提を見直す必要がある、ということのように思います。こうした暗黙の前提は隠れた問題の温床になってしまうこともありますし、暗黙の前提を見直すことで単なる品質や効率の改善以上の成果が期待できることも多いので、技術開発においても重要な検討課題ですが、ビジネスモデルやビジネス上の意思決定プロセスにおいても同様のアプローチが求められている、ということなのでしょう。イノベーションを進める上で、著者の指摘をそのまま適用することが難しい場合でも、暗黙の前提を見直すことは、折に触れて心がけるべきことのように思います。


文献1:Karan Girotra, Serguei Netessine、カラン・ジロトラ、セルゲイ・ネテッシン著、編集部訳、「ビジネスモデル・イノベーションに天才はいらない 4つの意思決定で体系的に変革を起こす」、Diamond Harvard Business Review, 2015 July, p.12.
原著:”Four Paths to Business Model Innovation”, Harvard Business Review, July-August 2014.

参考リンク



ノート12改訂版:研究プロジェクトの運営管理

1、研究開発テーマ設定とテーマ設定における注意点→ノート1~6
2、研究の進め方についての検討課題
2.1
、研究を行なう人の問題
→ノート7~8
2.2
、研究組織の問題→ノート9~10
2.3
、研究組織営におけるリーダーの役割→ノート11

2.4
、研究プロジェクトの運営管理
ここまでは、研究組織および組織を構成する人の力を引き出すためにどんな点に注意すべきかを中心に考えてきましたが、今回は具体的に研究プロジェクトをどう進めるかを考えてみます。

工事プロジェクトなどのいわゆる工程管理に比較して、研究プロジェクトの運営管理は従来あまり重要視されてこなかったように思います。例えば今野は1993年出版の本で、研究開発管理は、計画の作成→事前評価→実行と中間レビュー→最終評価、という流れをとり、この中で最も大切なステップが研究テーマの事前評価だとしていて[文献1、p.86,93,97]、実行過程での途中評価については、目標成果の達成度、周辺技術情勢との対比、研究内容や資源配分などの変更、遂行上の問題点等を検討する必要があると述べるにとどまり、実行過程の意義や、研究をいかに進めるべきかについては、あまり言及がありません。ところが、最近は研究の実行段階の進め方が注目されるようになり、具体的な提案もいくつか現れているようです。おそらくその背景には、研究活動をとりまく環境が変わってきたこと、すなわち、変化が速く、大きく、複雑になり、アイデアの事前検討をしっかり行うだけでは、研究を事業として成功させることが困難になりつつあることが認識されるようになってきたことがあると考えられます。

例えば、Collinsらは、卓越した企業の特徴を調査した結果、「大きく成功している企業は、綿密で複雑な戦略を立てて、最善の動きをとる」という神話が崩れたと述べ、それよりも、「大量のものを試し、うまくいったものを残す」という方針の方が重要である、と述べています[文献2、p.14]。また、Christensenは「成功する事業と失敗する事業の最大の違いは、一般に、当初の計画の正確さではない」[文献3、p.216]、「過去に成功したすべての新事業の90%以上で、創業者が意図的に追求した戦略が、最終的に企業の成功を導いた戦略と同じではなかったという研究報告がある。起業家が最初から正しい戦略を持っていることはめったにない。」と述べ[文献4、p.268]、さらにAnthonyらは「最初の戦略は必ず間違っている」[文献5、p.373]と述べています。ChristensenAnthonyらは破壊的イノベーションを念頭にこのように述べていると考えられますが、最初の計画が正しくないなら、どうしたらよいかということについて「不確実性が極めて高い環境におけるイノベーターは『創発的戦略』に従うべきことを示唆している。正しい戦略を知っているかのように意図的に行動するのではなく、正しい戦略が市場から『わき出る』、つまり創発するようなアプローチを採用すべきということだ。」[文献5、p.236]と述べています。これらの指摘は、少なくともある種の研究においては、戦略を練り、計画を立ててそれに沿って実行する、というアプローチが有効とは限らない、ということを示していると考えられます。

では、具体的にどのように研究を進めるべきなのでしょうか。まず、従来の方法について考えてみましょう。プロジェクトマネジメントの手法は、その研究が、明確な要求、達成可能な目標を持ち、計画や業務の分担が可能で、数値による管理ができる、といった課題である場合には有効と考えられます。反面、探索性の高い研究開発や暗黙知の扱いには向かないように思われます。また、プロジェクトチームのように時限的に人が集まって活動する場合には、担当者の業務経験を狭くする、コミュニケーションを阻害する、仕事の継続性が失われることで仕事からの学習を阻害する、技術を蓄積しようとするモチベーションを阻害する、組織全体としても技術蓄積を大切なものとして考える意識を希薄化するなどの問題点が指摘されています[文献6、p.68-69]。「研究から開発に至る活動をいくつかの『ステージ』に区切り、ステージの間に『ゲート』(関所)を設けて研究テーマをふるいにかけて、有望なテーマを絞り込んでいく」[文献6、p.85]ステージゲート法については、1)プロジェクトの中止がしやすい、2)研究者にとってやるべきことが明確になり収益意識が高まる、3)研究テーマとプロセスの見える化により研究部門と事業部門のつながりが強化される、4)製品化目前になってプロジェクトを中止するようなケースが減る、というメリットがあるとされていますが [文献6、p.94-95]、「ステージゲートは、テーマを『育てる』という側面よりも、想定通りに育たなかったテーマを『切る』という側面に比重がおかれている」、時間を要する夢のあるテーマが排除される、その結果研究の視野が狭くなる、ゲートでの審査で真実が報告されなくなる、失敗からの学習の機会が減る、責任の所在があいまいになる、などの問題点があるとされています[文献6、p.98-106]。いずれも、不確実性が高く創発的な戦略が求められる課題を扱う場合には向いていない方法のように思われます。

これに対して、Anthonyらは「創発的戦略」は次の3つのステップに従えばうまく進められると述べています。すなわち、1、重要な不確実性の領域を識別する、2、効率的な実験を行なう、3、実験の結果に基づき、調整と方向性の転換を行なう、です[文献5、p.233-、第7]。これだけみれば至極当然のことを言っているようですが、具体的な進め方については示唆に富む指摘が多く含まれているので、以下にまとめてみましょう。

不確実性の重要度の識別に関しては、「ほとんどのインプットが確実でないときに予測の正確性に関して厳密な議論を行なうことは、はっきりいって時間の浪費でしかない」「数字を作り出す作業にはあまり意味はない」[文献5、p.237]「多くの企業が、機会の正味現在価値やプロジェクトの総収益などの厳密な定量的基準を用いて意思決定を行なってしまう。まだ存在していない市場を評価したり分析したりするのは困難だ。数字だけにこだわった意思決定を行なってしまうと、最初は小さく始まる爆発的な成長機会を見失ってしまうことはほぼ確実だ。」[文献5、p.261]などの指摘があります。効率的な実験に関しては、「投資を控えて多くを学ぶ」[文献5、p.254]、「過剰な投資は害になり得る。チームが間違った方向に全速力で走ることになる可能性がある」[文献5、p.324]、プロジェクトは小さく始め、「検討するプロジェクトの数を増やすことで、イノベーション・プロセスの全体的スピードを向上させることができる」[文献5、p.261](つまり、個々の段階のスピードを上げることが重要なのではない)、などの指摘があります。調整と方向転換に関しては、「戦略の方向転換を行なうのは心情的にはつらいものだ。ある方向性を目指して時間とエネルギーを費やしてきたマネージャーは、明らかな問題点の証拠があるにもかかわらず、その道に固執してしまいがち」「成功のためには謙虚さ(最善を尽くしたにもかかわらず最初のアプローチは間違っていたと認めること)と自信(失望させる結果が出ても途中であきらめないこと)をうまく混ぜ合わせることが必要」「単に実験を行なうことだけでなく、実験をやめることも必要」、「棚上げ(明確な将来性がない場合、条件が変わってアプローチが有望に思えるようになるまで他のプロジェクトを追求する)を検討すべき」[文献5、p.257]、「多くの企業がイノベーションの測定のために使用している評価指標が、実際には企業を誤った方向に導く可能性が高い。」「企業は測定における3つの罠に注意すべきだ。評価指標の数が少なすぎること、低リスク(そして得られる効果も小さい)活動を重視してしまう評価指標を採用すること、アウトプットよりもインプットを優先してしまうこと」[文献5、p.334]「万能の評価指標というものはまず存在しない」[文献5、p.346]と述べています。

このような、研究の計画や固定的な目標設定、スピード重視の考え方、評価制度の問題については、他にも類似の指摘が多くあります。例えば、開本によれば、Leavittは「今日の経営者は、より創造的で、ビジョンの策定者として行動すべきであり、量的な経営指標ばかりに捕われてしまうことに警鐘を鳴らしている」[文献7、p.84]と述べています。スピード重視の考え方に対しては、Leonardは「スピードは学習を妨げる」「いまや情報伝達の速度は、人間の自然な学習のペースを上回っている」[文献8、p.299-300]と述べ、新たなイノベーションについていくために消耗する心のエネルギーを補給するために変化の速度を制御する必要がある[文献9、p.159]とも述べています。研究の評価に関しては、丹羽は、事前評価の本来の目的は「テーマの決定」、中間評価の本来の目的はプロジェクトの継続、修正、中止判断、事後評価の本来の目的は成果の確認と反省を次のプロジェクトに活かすこと、とした上で、こうした評価が本来の目的を忘れて形式的に実施される危険性をはらむ、と述べています。さらに、「評価を強調しすぎると、良い評価結果を受けやすい2番手研究開発テーマが多くなる危険性が高くなる」ため、「革新的テーマと改善型(2番手)テーマには、別の評価法の構築が必要」と述べています [文献10、p.185-187] Tiddらも、様々な経営評価手法に基づいた分析の結果、「すべての状況に適合する事前評価に利用可能な単純なアプローチは存在していない」「イノベーションには、さまざまな成果とさまざまな段階があり、それぞれ異なる評価手法が必要」「評価に用いる変数の多くは、公式に入れることができるような信頼性のある一連の数字に集約することはできず、専門性の高い判断に依拠する」[文献11、p.176-177]と述べています。

こうした問題点の指摘に対して、最近、具体的な取り組みの方法が提案されてきています。例えばGovindarajanらは、「規律ある実験」として、実験を行いそこから学ぶことを重視した進め方を提案し、事前の計画は、実験結果の解釈の目安、仮説と位置づけています。具体的には、「実験開始前に、何をしようとしているのか、何を期待しているのか、その理由は何かを書き出しておく。そして起こると考えたことと実際に起こったことの違いを分析して、教訓を引き出す。それから学習に基づいて、プランを練り直す。[文献12、p.176]」という科学的手法を採用すべき、としており、「大規模な実験を開始する前に、もっと小型の実験でも同じ情報が得られるのではないかと問いかけたほうがいい。[文献12、p.186]」、「イノベーション・イニシアチブの評価の場合、・・・黒白がはっきりしていない。目を向けるべきは結果ではなくて、趨勢(トレンド)なのだ。[文献12、p.189]」、「当初の予想はほとんどの場合、間違っている。さらに、学習プロセスは予想改善のプロセスである。したがって予想が変更不能であれば、学習は不可能になる。」ただし、「予想の見直しは厳密な学習プロセスを経てのみ、行われるべきだ。学習された結果に対する関係者たちの同意が必要」[文献12、p.191]、「イノベーション・リーダーに説明責任を求めることは、いくつかの悪影響を及ぼす。」予想を低めに設定する、努力を放棄してあっさりあきらめる、情報を隠す、プランどおりに運ぼうとして、不必要なリスクを冒す、等が考えられる。数値ではなく、「学習し適応する能力で評価」すべき。[文献12、p.191-193]、といった指摘をしています。また、Riesは、リーン・スタートアップという手法を提案しており、「計画というのは長期にわたり安定した運用実績があってはじめて効果を発揮するツールである[文献13、p.10]」ため計画には頼るべきでなく、「まず、何が起きるかを予測する仮説を組みたてる。次に、予測と実測とを比較する。科学的実験が理論に基づくように、スタートアップの実験はビジョンに基づいて進める。ビジョンを中心に持続可能な事業を構築する方法を明らかにすることが実験の目標である。[文献13、p.81]」、「要となる仮説の段階をクリアしたら、最初のステップである構築フェーズに入り、できるだけ早く実用最小限の製品(minimum viable product)を作る。」[文献13、p.107]。「従来の製品開発は長い時間をかけてじっくりと開発し、完璧な製品をめざすが、MVPは目的が学びのプロセスを始めることであってそれを終えることではない。プロトタイプやコンセプト検証と違い、MVPは製品デザインや技術的な問題を解決するためのものではない。基礎となる事業仮説を検証するためのものなのだ。[文献13、p.128]」、というような提案をしています。

もちろん、こうした考え方に対し計画を重視する立場として、「イノベーションで多くの成果を継続的に得るためには、評価とインセンティブが必要である」とし、「イノベーションの実践は、製造管理や財務管理などと同様、原理原則に則したマネジメント活動として学ぶことができる」という考え方もあります(代表例として[文献14、p.17-25]から引用しました)。また、イノベーションが差別化を作り出すかどうかや、市場カテゴリー(成長市場か、成熟市場か、衰退市場か)、提供される製品やサービスの種類(コンサルティング要素が大きい個別ソリューションか、標準化された大量販売ビジネスか)によりイノベーションの進め方と管理の方法を細かく変えるべきである[文献15]、という考え方もあります。

要するに重要なことは、研究プロジェクトの内容によって、進め方を変えるべきだということでしょう。詳細な計画と進捗管理が効果的な場合もあるでしょうし、創発的戦略が必要な場合もあるでしょう。様々な手法の特徴が明らかになってきていますので、課題に応じたフレキシブルな対応が求められるということだと思います。

考察:実行段階で注意すべきポイントは何か?
研究の実行に関する近年の考え方を見ると、そのポイントとなっているのは「不確実性にどう対応するか」ということのように思われます。ただし、現実には、「不確実性が高い」ことが「悪」であるかのように考え、不確実性が高いこと自体を嫌う考え方はまだまだ存在していると思いますので、まず我々自身が現実世界の不確実性を受け入れる必要があることは言うまでもありません。その上で、その研究がどの程度不確実なものかを基準に、進め方を考えればよいのではないかと思われます。

不確実性の高い課題に対応するための基本的な考え方は以下の2点に集約できるように思います。
・当初の想定が外れるかもしれない前提で対策を準備する:計画どおりにならなかった場合の次の手(プランB)を準備する、多くのことを試す、低コストで試行する、環境変化がありうることを想定しておく
・成功確率を上げる:試行した結果から学習してその結果を対策に反映させる、戦略をフレキシブルに見直す、学ぶことを狙いとする実験を行う、よりうまい試行錯誤を行う
このような考え方は、従来の「管理」という考え方とは相容れないかもしれません。フレキシブルな対応をするということは、混乱の原因にもなり得ますので、譲れない基本方針を示す長期的なビジョンのようなものも明確にする必要があるかもしれません。そうした前提の下で、従来の「計画」や「管理」に対する考え方を改めることこそが研究をうまく進めるためにまず必要なことのように思います。


文献1:今野浩一郎、「研究開発マネジメント入門」、日本経済新聞出版社、1993.
文献2:Collins, J.C., Porras, J.I., 1994、ジェームズ・C・コリンズ、ジェリー・I・ポラス著、山岡洋一訳、「ビジョナリーカンパニー」、日経BP出版センター、1995.
文献3:Christensen, C.M, 1997、クレイトン・クリステンセン著、伊豆原弓訳、「イノベーションのジレンマ」、翔泳社、2000.
文献4:Christensen, C.M, Raynor, M.E, 2003、クレイトン・クリステンセン、マイケル・レイナー著、桜井祐子訳、「イノベーションへの解」、翔泳社、2003.
文献5:Anthony, S.D., Johnson, M.W., Sinfield, J.V., Altman, E.J., 2008、スコット・アンソニー、マーク・ジョンソン、ジョセフ・シンフィールド、エリザベス・アルトマン著、栗原潔訳、「イノベーションへの解実践編」、翔泳社、2008.
文献6:伊丹敬之、東京理科大学MOT研究会編著、「技術経営の常識のウソ」、日本経済新聞社出版社、2010.
文献7:開本浩矢、「研究開発の組織行動」、中央経済社、2006.
文献8:Leonard, D., Swap, W., 2005、池村千秋訳、「『経験知』を伝える技術」、ランダムハウス講談社、2005.
文献9:Leonard-Barton, D., 1995、阿部孝太郎、田畑暁生訳、「知識の源泉」、ダイヤモンド社、2001.
文献10:丹羽清、「技術経営論」、東京大学出版会、2006.
文献11:Tidd, J., Bessant, J., Pavitt, K., 2001、ジョー・ティッド、ジョン・ベサント、キース・バビット著、後藤晃、鈴木潤監訳、「イノベーションの経営学」、NTT出版、2004.
文献12:Vijay Govindarajan, Chris Trimble, 2010、ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル著、吉田利子訳、「イノベーションを実行する 挑戦的アイデアを実現するマネジメント」、NTT出版、2012.
文献13:Eric Ries, 2011、エリック・リース著、井口耕二訳、「リーン・スタートアップムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす」、日経BP社、2012.
文献14:Davila, T., Epstein, M.J., Shelton, R., 2006、スカイライトコンサルティング訳、「イノベーションマネジメント」、英治出版、2007.
文献15:Moore, G.A., 2005、ジェフリー・ムーア著、栗原潔訳、「ライフサイクルイノベーション」、翔泳社、2006.


参考リンク

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「リーン・スタートアップ」(リース著)より

既存企業と、ベンチャーやスタートアップ企業とでは、組織の形態や機能、経営における課題も大きく異なるため、イノベーションの進め方も当然異なるはずだと考える方は多いかもしれません。ところが最近では、両者のイノベーションの方法が近づきつつあるという指摘があります(本ブログ「スタートアップ企業と既存企業におけるイノベーションの方法2013.12.15)。その中でとりあげられている「リーン・スタートアップ」という考え方について、今回は、エリック・リースの著書「リーン・スタートアップ」[文献1]に基づいて考えてみたいと思います。

リーン・スタートアップとは
・「リーン・スタートアップという名前は、トヨタで大野耐一と新郷重夫が開発したリーン生産方式にちなんだものだ。・・・価値を生みだす活動と無駄がはっきりと区別され、裏の裏にいたるまで質の高い製品が作れるようになるのだ。具体的なやり方は、作業員が持つ個人的な知識や創造性の活用、バッチサイズの縮小、ジャストインタイムの製造と在庫管理、サイクルタイムの短縮などである。[p.28]」
・「このような考え方を起業に適用し、他社とは異なる基準で自社の進歩を測るべきだとするのがリーン・スタートアップだ。・・・リーン・スタートアップでは検証による学び(Validated learning)を単位として進歩を計測する。科学的な学びを基準にすれば、スタートアップの足を引っぱる無駄を発見し、源から絶つことができるのだ[p.29]」。「リーン・スタートアップとは、サイクルタイムの短縮と顧客に対する洞察、大いなるビジョン、大望とさまざまなポイントに等しく気を配りながら、『検証による学び』を通して画期的な新製品を開発する方法なのである。[p.31]」

・「リーン・スタートアップとは、スタートアップの成功確率を高める方策を集めたものである。[p.41]」

スタートアップの定義
・「スタートアップとは、とてつもなく不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出さなければならない人的組織である。・・・会社のサイズも業界も、あるいはセクターも、この定義では触れられていない。・・・職場が政府関連機関であろうがベンチャー企業であろうが、あるいはまたNPOであろうが投資家の出資を受けた営利企業であろうが同じことだ。[p.41-42]」
・「一般的な総括マネジメント手法では、スタートアップが活動する不確実な環境において十分な成果がまず得られない。先行きが不透明で顧客には次々と新しい選択肢が提示され、変化の速度はあがる一方――それがスタートアップを取りまく環境である。であるにもかかわらず、スタートアップの大半は、ガレージ起業であっても大企業の社内ベンチャーであっても、一般的な予測手法と製品開発手法を用い、細かく事業計画を定める形で推進されている。[p.43-44]」
・「イノベーションはボトムアップで進む。分権から生まれるもので、予測はできない。だからといってマネジメント不能ではない。マネジメントは可能だが、ただ、そのためには新しいマネジメントの手法が必要となる。[p.47]」

考え方のポイント
・「リーン・スタートアップでは、検証による学び(validated learning)という概念で学びをとらえなおす。検証による学びとは後付けの正当化でもなければ失敗を隠す美談でもなく、スタートアップが育つすさまじいばかりの不確実性という土壌において進捗を的確に測る方法である。・・・実質的な成果をもたらさない計画をしっかり遂行し、失敗を達成してしまうという致命的なトラブルによく効く解毒剤となる。[p.56]」
・「リーン・スタートアップでは、スタートアップが行うことを『戦略を検証する実験』としてとらえなおす。戦略のどの部分がすぐれていてどの部分が狂っているのかを検証する実験だ。実験は科学的手法にのっとって行う。まず、何が起きるかを予測する仮説を組みたてる。次に、予測と実測とを比較する。科学的実験が理論に基づくように、スタートアップの実験はビジョンに基づいて進める。ビジョンを中心に持続可能な事業を構築する方法を明らかにすることが実験の目標である。[p.81]」
・「計画というのは長期にわたり安定した運用実績があってはじめて効果を発揮するツールである。ではいま、我々を取り囲む世界がどんどん安定に向かっていると感じている人はいるだろうか。[p.10]」

リーン・スタートアップのプロセス
・「リーン・スタートアップは、・・・構築-計測-学習のフィードバックループを中心にモデル化されている[p.104]」。「大事なのは、このフィードバックループの一周に要するトータルの時間を最小にすること[p.106]。
・「まず、検証する仮説を選ばなければならない。スタートアップの計画でもっともリスクが高い要素、ほかのすべてを支える基礎となっている部分を私は挑戦の要(leap-of-faith)となる仮説と呼んでいる。なかでも重要度が高いのが価値仮説と成長仮説だ。[p.106]」(注:本書の注によればleap-of-faithはコミサーによる用語のようです。コミサー著「プランB」では、「未踏の信念」と訳されています。)
・「価値仮説(value hypothesis)とは顧客が使うようになったとき、製品やサービスが本当に価値を提供できるか否かを判断するもの[p.87]」→製品やサービスの継続使用、リピートなどで判断できる。「成長仮説(growth hypothesis)とは、新しい顧客が製品やサービスをどうとらえるかを判断するもの[p.87]」→顧客が製品を広めているかなどで判断できる。
・「要となる仮説の段階をクリアしたら、最初のステップである構築フェーズに入り、できるだけ早く実用最小限の製品(minimum viable product)を作る。」[p.107]。『従来の製品開発は長い時間をかけてじっくりと開発し、完璧な製品をめざすが、MVPは目的が学びのプロセスを始めることであってそれを終えることではない。プロトタイプやコンセプト検証と違い、MVPは製品デザインや技術的な問題を解決するためのものではない。基礎となる事業仮説を検証するためのものなのだ。[p.128
・「計測フェーズに入ると、製品開発が本当の前進につながっているのか否かの判断が課題となる。・・・誰も欲しがらない製品なら、スケジュールと予算を守って完成させても意味がない。ここでは管理会計、財務会計とは別に、新たに革新会計(innovation accounting)という手法をお勧めする。[p.107]」。「顧客の行動を分析できる行動につながる評価基準(actionable metrics)には実務的なメリットがあるのに対し、虚栄の評価基準(vanity metrics)は危険である[p.108]」。革新会計の働き(学びの中間目標)は3段階[p.160]。1)会社の現状を示すデータをMVPから得る、2)ベースラインから理想状態へ向けてエンジンのチューニングを進める、3)方向転換するか辛抱するかを判断する。
・最後に最も重要なポイントを紹介する。ピボット(pivot、方向転換)だ。構築-計測-学習のループを回りおえたとき、我々は、アントレプレナーが必ず直面する難しい問いに答えなければならない。当初戦略から方向転換するか、当初戦略を維持するか、だ。仮説にひとつでも誤りがあると・・・わかった場合は、根本的に見直して新しい戦略的仮説へと方向転換する必要がある。[p.108]」。「ピボットとは変化の一種で、製品やビジネスモデル、成長のエンジンについて根本的な仮説を新しく設定し、それを検証するための行動を指す[p.231]」。ピボットのタイプには、ズームイン型(製品機能のひとつと考えていたものが製品全体になる)、ズームアウト型(製品全体ととらえていたものをもっと大きな製品の一機能とする)、顧客セグメント型(最初の想定とは異なる顧客)、顧客ニーズ型(顧客の新しいニーズ)、プラットフォーム型(アプリケーションからプラットフォームへ、またはその逆)、事業構造型(高利益率・少量か、低利益率・大量か)、価値捕捉型(価値の捉え方を変える)、成長エンジン型(成長モデルを変える)、チャネル型(提供のチャネルを変える)、技術型(異なる技術で実現する)がある[p.231-235]。

スタートアップの成長
・「トヨタの場合、バッチサイズの縮小で工場の効率が高くなった。これに対してリーン・スタートアップの場合、・・・持続可能な事業の構築方法をできるかぎり短時間で学ぶのが目的だ。・・・バッチサイズを小さくすれば、あとあと無駄にしたと判明する時間やお金、労力を最小限に抑えられる[p.249]」。
・「成長のエンジンとは、スタートアップが持続的に成長するために必要とするメカニズムである。・・・単発の広告やメディアへの露出など、瞬間的には成長するが、長期的な成長を支えられない方法は成長のエンジンと言えない。持続的な成長とは次のようなものを言う。過去の顧客の行動が新しい顧客を呼び込む。[p.272]」。過去の顧客が持続的な成長をもたらす形式は、基本的に次の4つ。1)口コミ、2)製品の利用に伴う効果、3)有料広告を通じて、4)購入や利用のリピートを通じて[p.272-273]。
・成長エンジンには、粘着型成長エンジン(sticky engine of growth、顧客の離反率や解約率に注目が必要、新規顧客の獲得速度が解約速度を上回れば成長する)、ウィルス型成長エンジン(viral engine of growth、口コミによる成長とは違い、その製品を顧客が普通に使うだけで人から人へと認知が広まる、登録した顧客ひとりあたり何人の顧客が新たに製品を使うようになるかに注目する)、支出型成長エンジン(paid engine of growth、顧客あたりの売上を増やすか、新規顧客の獲得コストを減らすか)がある[p.274-285]。
・「会社というのは、成長のエンジンをチューニングしつつ、そのエンジンがへたったとき新しい成長の源になるべきものを開発するなど、さまざまな活動を総合的にマネジメントしなければならないのだ。・・・しかし、ポートフォリオの管理を行うには、まず、そのような予想外の急速な変化に対応できる構造や文化、規律をもった組織にしなければならない[p.290]」。順応性の高い組織(adaptive organization)とは「状況の変化に合わせてプロセスとパフォーマンスを自動的に調整する組織[p.295-296]」。「スピードアップにおいても自然なフィードバックループとなるプロセスが必要だ。スピードが速すぎれば問題が増える。すると順応プロセスによってスローダウンし、時間を無駄にしている原因の再発防止策を講じることになる。対策の効果が出れば自然にまたスピードがあがっていく。[p.298-299]」。5回のなぜ[p.298-302]や、症状が軽ければ投資も小さく、症状が重いほど投資を大きくする比例投資[p.302-303]の考え方が使える。
・「スタートアップが成長するとき、新規顧客の獲得、既存事業の管理、新しいビジネスモデルの探究といった課題と既存顧客のニーズとのバランスをとり、すべてを同時並行にこなしていく方法を学べる組織を作れるはずだ[p.330]」。破壊的イノベーションを醸成方法としては、1)少ないが確実に資源が用意されていること、2)自分たちの事業を興す権限を有していること、3)成果に個人的な利害がかかっていること、という特質が必要[p.330-334]。「社内イノベーションでは『どうすれば社内スタートアップを親組織から守れるか』が課題だとよく言われるが、私は逆に、『どうすれば親組織を社内スタートアップから守れるか』が課題だと思う[p.339]」。「企業は、4種類の仕事のマネジメントをしなければならない。まずは製品の開発・・・社内スタートアップが成長期に入ると・・・スケールアップの問題に直面する・・・新製品の市場が確立されるとルーチン的な作業が増える・・・4番目の段階は業務コストとレガシー製品が中心になる。アウトソーシング、自動化、コスト削減の時代だ[p.344-345]」。「4種類の仕事それぞれに対して異なるマネジメントを行い、それぞれの領域で部門横断的なチームが生まれるようにすればいい[p.346]」。

リーン・スタートアップ活動の意味
・「いまの経済は相変わらず無駄が多い。無駄の原因は組織の効率が悪いからではなく、まちがった仕事をしているからだ――しかも産業規模で。ピーター・ドラッカーが指摘しているように、『やってはいけないことをすばらしい効率で行うほど無駄なことはない』のだ。[p.357]」。「世界はどんどんスピードアップしており、・・・古いアプローチでは対応しきれなくなった。その結果、プロジェクトが失敗すると経営幹部の責任にされることが多いが、これはもともと不可能な要求をしているに等しい。・・・非難の種はいくらでもあるが、リーダーや投資家がどう行動すべきなのか、その指針になる理論はあまりに少ない。この苦境に立ち向かうのがリーン・スタートアップ活動だ。イノベーションにおける無駄の大半は、その原因さえつかめば防げると我々は考えている。仕事の進め方について関係者全員の考え方を変えることさえできればいい。もっとがんばれと労働者に言うだけでは駄目だ。いまの問題自体、まちがったことをがんばりすぎるのが原因なのだから。・・・重要なのは定量的な目標を設定することではなく、その目標を達成するための方法を整えることだ。科学的手法を使えば、新しい製品やサービスを中心に持続可能な組織を作る方法をみつけるという喫緊のイノベーション課題に対応できる――それがリーン・スタートアップ活動の考え方である。[p.358-359]」

・「テイラーがいまも生きていて、アントレプレナーやイノベーターのマネジメントを見たら笑うはずだ。我々が束ねる科学者やエンジニアは20世紀初頭の人間にはまぶしすぎるほどの技術力を持っているが、その彼らを組織化するマネジメント手法には科学的な厳密性がほとんど感じられない。私は、これをあえてニセ科学と呼びたい。・・・ビジョンの構成要素をひとつずつ実験にかけるのではなく、自分たちのビジョンに都合のよいデータを選んで成功劇場に酔うイノベーションチームが多すぎる。いや、それどころか、ステルスモードにとどまってデータのないゾーンを作り、顧客のフィードバックや外部に対する責任などを一切なくした果てしない『実験』を進めることもある。全体的な尺度のグラフで因果関係を説明しようとするのはニセ科学だ。提出された因果関係が正しいとわかるわけがないからだ。失敗はしたが学びもあったと言い訳をするのもニセ科学だ。[p.362]」。「科学を起業に応用すれば、人間のすばらしい可能性が解き放たれるはずだと私は信じている[p.368]」
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もちろん著者の提案するリーン・スタートアップの手法が完全なものというわけではないでしょう。また、スタートアップの立場から見ると、本書に挙げられた手法は、当たり前の考え方、ということになるかもしれませんし、既存企業におけるイノベーションにどこまで有効かを明らかにすることも今後の課題でしょう。しかし、既存企業のイノベーションの問題点に関する著者の指摘にはなかなか興味深いものがあります。例えば、

・「やってみよう(ジャスト・ドゥー・イット)」型起業[p.80
・虚栄の評価基準[p.174
・成功劇場(偽りの成長で成功しているかのように見せる)[p.118
・不備な計画をきちんと実行してしまう「失敗を達成する」[p.321
・巨大バッチ死のスパイラル[p.261
・プロフェッショナルになろうというまちがった欲望を持ち、柔軟性を失って官僚的になる[p.293
・起きる可能性のある問題をすべて防止しようとした結果、いつまでたっても製品が出荷できなくなる過剰アーキテクチャー[p.293

などの事例を挙げています。既存企業のこうした問題を考えてみても、イノベーションの具体的かつ効果的な進め方の確立が求められているとは言えないでしょうか。単なるスタートアップのハウツーとしてだけではなく、こうしたイノベーションの問題に対処する手法としてリーン・スタートアップの考え方は重要なように思いますがいかがでしょうか。


文献1:Eric Ries, 2011、エリック・リース著、井口耕二訳、「リーン・スタートアップムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす」、日経BP社、2012.
原著表題:The Lean Startup: How Today’s Entrepreneurs Use Continuous Innovation to Create Radically Successful Businesses

参考リンク



スタートアップ企業と既存企業におけるイノベーションの方法(ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー2013年8月号特集「起業に学ぶ」より)

既存企業と、いわゆるベンチャー企業やスタートアップ企業とでは、研究開発や新規事業立上のやり方は異なる、という一般的なイメージがあると思います。本ブログでは、主に既存企業における研究開発部門のミドルマネジャーにとって役に立ちそうなことを取り上げたいと思っていますので、今までベンチャーやスタートアップといった、いわゆる起業活動についてはあまり触れてきませんでした。しかし、最近は既存企業にとってもスタートアップから学ぶべきことがある、という見方があるようです。

今回は、ダイヤモンドハーバードビジネスレビュー2013年8月号特集「起業に学ぶ」の中から興味深く感じられた3つの記事を取り上げて、スタートアップ企業と既存企業のイノベーションの方法について考えてみたいと思います。

「スタートアップ4.0 再び大企業の時代へ」(アンソニー、原題The New Corporate Garage)[文献1]
・イノベーションの世界における最近の変化とその背景:1)「若い企業は成功の手応えを感じるや否や、何十もの模倣者を相手に競争を強いられている」、2)「大企業は・・・起業家的行動を既存の能力に組み込もうとしている」、3)「大企業独自の強みを活かしたビジネスモデルを生み出すケースが増えている」。
・「大企業のなかの起業家精神を持つ個人が『カタリスト』(触媒)となって、自社のリソース、規模、強化された機動力を利用しつつ、少数の企業にしかできないやり方でグローバルな課題の解決策を開発している」。
・イノベーションの変遷
第1期:発明家が単独で発明する時代(1915年以前)
第2期:1970年ごろまで。「イノベーションが複雑化しコストがかさむようになると個人では手に負えなくなり、企業主導の取り組みが進められるようになった。・・・現在ほど企業内の官僚主義が厳格でなかったため、実験的な取り組みを喜んで受け入れる企業が多かった。・・・第2期の英雄たちは企業内研究所で働き、企業はイノベーションを利用する存在から生み出す存在へと進化した。」
第3期:1950年代末から60年代に種が蒔かれ最盛期は70年代、その後最近まで。「企業の大規模化と官僚化が進み、主流を外れた研究に取り組みにくくなり・・・イノベーターは会社を去り、志を同じくする『反逆児』たちと手を結んで、新しい会社を設立するようになった。・・・ベンチャー・キャピタルの支援を受けたスタートアップ企業が登場・・・資本市場が短期的な業績への期待を高めていくにつれ、大企業内のイノベーターは生きるのがますます難しくなった。この時代に生まれたテクノロジーと世界市場のグローバル化によって、変化のスピードは劇的に加速してきた。ある指標によると、過去50年間に企業の寿命は半分ほどになった。」
第4期:「息もつかせぬスピードと、それを可能にする状況や手段は、・・・企業内のカタリストが変革へのインパクトを持つ時代へと駆り立てた。第1期から第3期を代表する発明は技術的なブレークスルーが(すべてではないが)一般的だったが、第4期のイノベーションはビジネスモデルに関連している可能性が高い。・・・今日では、イノベーションがいままでになく容易になっている。・・・イノベーションの容易さとスピードがいまや起業家の助けとなるのと同時に、妨げにもなりうる。・・・現在、若い企業が成功を謳歌するのは驚くほど短期間であり、その後は模倣者よりも多くの資金を投じて、人材獲得競争を始めなければならない。・・・苛烈な競争環境の上に開発サイクルの短期化が重なり、スタートアップ企業が長続きする競争優位をつくり出すことはこれまでになく困難になっている。つまり、大企業を悩ませている資本市場の圧力を、同じように受けやすくなっているのだ。」
・第4期のイノベーションの(ひとつの)特徴:「第3期に見られたベンチャー・キャピタルの支援を受けたスタートアップ企業の起業家的アプローチを、第2期の企業内の研究所がかつて持っていた独自能力と組み合わせた。」
・大企業の優位性:グローバルなインフラ、ブランドの評判の高さ、パートナーとの関係、科学的知識、規制当局への対応経験、卓越したプロセス
・カタリストとは:「ミッションを重視するリーダーであり、従来なら自分の統制範囲外にある企業のリソースを手に入れて、目の前の課題に対処しようとする。彼らは社内外でネットワークや連携をつくり、大きな問題、多くの場合グローバルな問題を解決したいという願望に突き動かされる。」「今日では、イノベーションを柔軟性に富んだものにすれば、大規模な予算や部隊を持たなくとも、カタリストは大きな影響を及ぼすことができる。」「彼らは典型的なガレージ発の起業家に自分をだぶらせている。彼らのガレージには、たまたま素晴らしい道具が完備されていただけなのだ。」「カタリストに活躍してもらうには、企業はオープン・イノベーションを受け入れ、体系的にイノベーションに取り組み、意思決定の仕組みの簡素化や分散を図り、学習重視で失敗に寛容な環境をつくらなければならない。」「クリエイティブな人々をやる気にさせる方法は、自律性を持たせ、熟達度を高める機会を提供し、仕事に目的意識を植えつけることだとピンクは主張する。(注:ダニエル・ピンク「モチベーション3.0」)」
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感想:イノベーションのやり方が近年変わりつつあるという著者の主張は、まだ広く認められた考え方ではないかもしれませんが、ひとつの可能性を示した意見として傾聴に値するように思います。近年既存企業のイノベーションが苦戦し、ベンチャー企業が活躍しているのはなぜなのか、それを認識して、既存企業も改めるべきところを改め、自らの強みを活かすことで既存企業でもイノベーションが実現しやすくなるなら、その可能性を検討する価値はあると思います。

「リーン・スタートアップ:大企業での活かし方 GEも活用する事業開発の新たな手法」(ブランク、原題:Why the Lean Start-Up Changes Everything)[文献2]
・リーン・スタートアップ手法:「起業リスクの低減を可能にする」。「入念なプランニングよりも試行錯誤を、直観よりも顧客からのフィードバックを、さらには、最初に全体を設計する伝統的な手法よりも反復設計を重視する。」「『リーン』(贅肉が少ない)という呼称とは裏腹に、この手法により長期的に最も大きな恩恵を得るのは大企業だと考えられる。」
・従来の起業のやり方からの教訓:1)「大多数の事業計画は、顧客と最初に接点を持った時点で無用だと判明する」。2)「まったく未知数のものに5年間の予想を要求するのは、ベンチャー・キャピタリストと旧ソビエト連邦くらいである。そのような計画は普通は虚構であり、・・・頭をひねるだけ時間の無駄である」。3)スタートアップは大企業の小型版ではない。基本計画に沿って事業を展開していくわけではないのである。最終的に成功を手にするスタートアップは、失敗を次々と経験し、たえず顧客から学びながら、当初のアイデアの修正、開発サイクルの反復、改善を重ねていく」。
・リーン・スタートアップ手法の基本原則:
1、「計画立案と調査に何カ月も費やすのではなく、まずは未検証の仮説、要は『鋭い読み』をいくつも挙げればそれでよしとする。このため、複雑な事業計画を作成する代わりに、仮説の概略を『ビジネスモデル・キャンバス』というフレームワークにまとめる。一言で述べるなら、自社と顧客のためにどう価値を創造するかを図式化する」。(注:「ビジネスモデル・キャンバス」については本ブログ別稿「ビジネスモデル・ジェネレーション」をご参照ください。)
2、「リーン・スタートアップ手法を用いる起業は、仮説を検証するために、オフィスにこもらず積極的に街へ出ていく。これを『顧客開拓(カスタマー・ディベロップメント)』と呼ぶ。」「顧客開発をしながら有効なビジネスモデルを探す」。実用最小限の製品(MVP: minimum viable product)をつくり、顧客の反応をうかがう。顧客のフィードバックから、事業上の仮説が誤っていたと判明した場合、仮説を改めるか、もしくは新たな仮説を設けて軌道修正(ピボット:pivots)を行う。ビジネスモデルの有効性を検証できたら、実行段階に移り、製品を改良し、会社としての組織体制を整える。
3、「リーン・スタートアップ手法では、ソフトウェア業界に由来する『アジャイル開発』を、顧客開発と歩調を合わせながら進める。・・・開発サイクルを短い間隔で反復(イテレーション)しながら製品を少しずつ完成に近づけていくことにより、無駄な時間やリソースを省く」(注:「アジャイル開発」については本ブログ別稿「アジャイル、スクラム、研究開発」をご参照ください。)
・「リーン・スタートアップ手法が若いテクノロジー系ベンチャーだけのものではないことは、すでに明確になりつつある。企業はコスト低減による効率向上に過去20年を費やしてきた。だが、既存のビジネスモデルの改善に力を入れるだけでは、もはや十分ではない。ほとんどの大企業は、増大する一方の外的脅威に、たゆみないイノベーションによって対処する必要がある。生き残りと成長を確実にするには、新しいビジネスモデルを考案し続けることが欠かせない。そのためにはまったく新しい組織構造と技能が求められる。」「ここ3年間でゼネラル・エレクトリック(GE)、クアルコム、インテュイットなどの大企業が、リーン・スタートアップ手法の実践に乗り出した。」
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感想:スタートアップ企業には大企業とは異なる事業立上の方法が求められることは、当然だと思います。しかし、スタートアップで有効な方法の一部を取り入れて活用することは、既存企業にとっても無意味なことではないことは、この記事からも明らかなように思われます。複雑で不確実な市場に対応するために、創発的プロセスや試行錯誤が重視されることは、時代の流れではないでしょうか。それに対応した手法として、こうした考え方を知っておくことは重要でしょう。

BOP市場で社会起業を成功させる方法 想定外のリスクにどう対応するか」(トンプソン、マクミラン、原題:Making Social Ventures Work)[文献3]
・社会起業プロジェクトから得られた5つの教訓:
新興国、BOPなど不確実性の高い市場においては、「仮説志向計画法(discovery-driven planning)が必要であるが、それだけでは十分でない。アメリカとアフリカの数カ国で、社会の最下層向けベンチャーを興そうとするプロジェクトから得られた教訓を5つのガイドラインにまとめた。

1、大まかな活動範囲を決める:起業の障害、許容できる水準、事業の行動規則を想定し、「最低限許容できる成果に達するベンチャーのみに稀少な資源を配分する」。
2、社会的な力関係に注意を払う:「重要な利害関係者とそれぞれの役割、彼らが提供できる資源について詳しく把握」する。
3、仮説志向計画法を徹底させる:「当初から進化していく性質のプロジェクトであることを認識しておく。・・・最初のビジネスモデル、流通の仕組み、顧客に対する提供価値を詳しく定義しておかなければならない。・・・しかし、おそらくそれは間違いであることがわかるだろう。そこで、最初にそのベンチャー事業の仮説モデルを明確にし、可能な限り低コストでそれを立上げ、得られた事業データを使って継続的に前提を改め、最終的な解決策に至る方法を体系的に学習するという考え方を取る。・・・必ず仮説を文書化し、それを検証するための一連のチェックポイントを書き出しておかなくてはならない。」
4、撤退計画を立てる
5、意図せぬ結果を予測してみる:「よい意味でも悪い意味でも意図しなかった二次的影響が生じることを織り込んでおく」。
・「5つのガイドラインをまとめると、起業家や社会的事業だけでなく、画期的で収益性の高い市場を求めるあらゆる組織にとって、有効なフレームワークとなる」。「このガイドラインは事業の進化に伴い何度も立ち返る必要があるが、そこから規律が生まれ、目標の追求に際して限りある資源を確実に最大活用できるようになるだろう。」
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感想:ここでは、BOPにおける社会起業が取り上げられていますが、不確実なプロジェクトを扱うやり方として、仮説に基づいて実行した結果から学ぶ方法の有効性が示されていると思います。著者らによる仮説志向計画法は1995年にHBR誌で発表されていますが、それが広がり、洗練され、現在その真価を発揮しつつあるように思われます。

不確実性に対応するためには、事前に綿密な計画を立てるよりも、仮説に基づいて実行する過程から学んだことに基づいて計画を修正していくアプローチ、いわゆる創発的戦略が好ましいことは、広く認識されるようになってきていると思います。上記のマクミランの他にも、ミンツバーグやクリステンセン、ンダラジャンもそのように指摘していますし、実務家でもその考えに同意する人も多いのではないでしょうか。しかし、企業においては、なかなかそのような考え方が活用されているとは言えないように思います。おそらく、既存企業における「管理」の考え方になじみにくい、ルーチン化しにくい、定量化しにくい、不確実性を認めることは自らの能力不足を認める気がする、不安である、などの理由で容易には受け入れにくいのでしょう。しかし、上記のアンソニーの指摘にあるように、イノベーションの変遷に目を向け、最近の成功事例を真摯に分析すれば、創発的戦略の必要性は明白なものになりつつあるのではないでしょうか。ただ、実務的には、具体的な手法が未確立で利用しにくかったということはあったでしょう。これに対し、上記のブランクの記事にあるような具体的な手法が提案されているとすれば、使い難さも緩和されてきたと言えるかもしれません。既存企業のイノベーションの進め方にスタートアップのノウハウが取り入れられるようになり、起業家とのコラボレーションの可能性も高まるとすれば、最早、創発的戦略を実行する上での悩みは少なくなってきたように思います。あとは、既存企業が従来のやり方の呪縛から逃れ、新しいやり方を取り入れられるかどうかが、大きな課題になりつつあるのかもしれません。それができるかどうかが、これからの時代の企業の盛衰を決めるような気がしますが、いかがでしょうか。


文献1:Scott D. Anthony、スコット・D・アンソニー著、編集部訳、「スタートアップ4.0 再び大企業の時代へ」、Diamond Harvard Business Review, Aug. 2013, p.62.
文献2:Steve Blank、スティーブ・ブランク著、有賀裕子訳、「リーン・スタートアップ:大企業での活かし方 GEも活用する事業開発の新たな手法」、Diamond Harvard Business Review, Aug. 2013, p.40.
文献3:James D. Thompson, Ian C. MacMillan、ジェームズ・D・トンプソン、イアン・C・マクミラン著、スコフィールド素子訳、「BOP市場で社会起業を成功させる方法 想定外のリスクにどう対応するか」、Diamond Harvard Business Review, Aug. 2013, p.122.




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