2005年06月

2005年06月30日

6月30日生れのあのこたち

友達三人が誕生日をむかえた。
ひとりは21歳になって、もうふたりははたちになった。


この三人について書こうと思うのだけど、
もしかしたら名前を出されるのがいやかもしれないので、
名前は伏せておこう。


ひとりめ、21歳になった、Fくん。
彼はなんとなく、熱帯雨林のくだものようだ。
みたことも食べたこともないけれど、きっとFくんはそれに似ている。
きちんきちんと言葉をつかって、
濃厚な空気を、ちからづよく、でも淡々とつくりあげている。
話をしていると、彼のことばが、しっかりした血肉になるように感じる。


ふたりめ、はたちになった、Mくん。
彼の本名は、壮大で、ロマンチックな名前。
彼にぴったりだとおもう。
「な」「み」「だ」が、名前のなかに、このままの順で含まれている。
そんな彼は、ざっくりした麻のような人。
よく乾いているから清潔で、しっかりしているから頼もしい。
それでいて奇妙なかわいらしさとやわらかさをもっている。ふしぎだな。


さんにんめ、同じくはたちになった、Mちん。
高校のときのともだち。
あいつがはたちか、とおもうと、しみじみしてしまうから不思議だ。
あたしは、こんなに強くて、かつあたたかな人を見たことがない。
どんなとこでも、ぽんと花を咲かせるような、たんぽぽみたいな人。
彼女はめったに不満を言わない。
快適をつくりあげることができるのだ。
それはもう、あたたかな、ぽかぽかした空間。
その空間が、あたしはすごく好きだった。



さんにんとも、お誕生日おめでとう。


rasen816 at 01:13|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 日々 

2005年06月28日

お子さん


あたしは、こどもには好かれにくいです。

たぶん、警戒してるのが伝わってるんだろう、と思います。


だって、こわいんですもん。


この前、ある男の子が近寄ってきたので、
無理して笑って遊んだんですわ。

そしたら、あたしの指がその子の口の中に入ってしまい、
はぐきから血が出たんです。

あたしはすぐさま謝りました。

「ごめん!!だいじょうぶ?」

その子は、ぎゅっと睨んで、あたしを蹴り始めました。
ものすごくこわかった。
正直、泣きそうでした。
大して痛くはないのだけど、
何度も何度も蹴る、その執拗さがこわかった。


こどもは、きちんと怒ります。
謝られたからといって、正しいからといって、
怒りをうやむやにしません。


それがこわい。
どうも、ごまかしがきかない。

すこしあこがれもしますが、
やはり、いまだにこどもは苦手です。


rasen816 at 22:49|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 日々 

樹が踊りくるう


授業中、目が覚めて、
自分がねむってしまっていたことを知る。

窓の外を見ると、
樹が踊っていた。

髪の毛を振り乱しながら、
樹が踊りくるっていた。


しばしたってから、

あ、
風つよいんだな、

と気づいて、
また眠ってしまった。

rasen816 at 22:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日々 

2005年06月26日

積み木


こないだこんな夢を見ました。

下に書いた「外人がすもうやでバイト」をしていた夢とは違い、
こっちの夢は覚えています。



あたしは、つるつるの白い床にぺたりと座っていました。
そして、積み木をつみあげていました。
目の高さまでつみあげると、ぐらぐら倒れそうです。

「うわ、崩れてしまう」

あたしがそう言うと、後ろから女の人が言いました。
その人は、髪の毛が肩まで伸びていて、
あたしと同じ白いワンピースを着ていて、
なかなかの美人でした。

「崩してしまえばいいのよ」

あたしがおろおろしながら

「でも、崩してしまったあとはどうすればいいんですか」

とたずねると、彼女は

「崩れたままにしとけばいいのよ」

と言いました。
その顔は優しそうでした。



朝、目が覚めて、笑ってしまいました。

そうか、崩したままにしときゃいいのか。
そりゃ知らんかった。



崩れてしまった積み木も、おもしろい形をつくるかもしれません。

rasen816 at 16:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日々 

はじめは痛いんだってさ

ここ1週間ほど、体の調子がおかしい。

虫にさされた跡もないのに、体全体がかゆい。
だから、よく眠れない。

と、思っていたら、2日後の夜、できた。
脚全体に、無色の地図状のじんましん。


それから3日後、腹痛。
一晩寝ても痛いまま。


その次の日。
頭痛がする。
ずーん、といったらいいのか、ぎゅう、といったらいいのか。
そんな痛み。
立ちくらみが激しくて、ちかちかする。


現在、その3つが同時進行中。


ひとつひとつの症状を調べてみた。
すると、原因として共通しているものを見つけた。
「精神の緊張」


心当たりはある。

手を抜けないものが増えたのだ。
手を抜けないものが。

怒られるからではなくて。
呆れられるからでもなく。

無視されたくない。
こっちを見て欲しい。
そういう恐怖と欲が出てきたから、手を抜けない。
あたしは無視がいちばんこわい。




それが、緊張感とあんな症状を引き起こしてんだろう。

まあ、しかたないわな。
自分が気持ちよくなるためなんだもんな。
望んでやってることだもんな。



気持ちよくなるにはやっぱ最初痛いんだ

と歌ったのはドリカムだったな。


そういうわけさ。
慣れてちょうだい、体。





   好きな人やものが多すぎて
   見放されてしまいそうだ


   明日くたばるかもしれない
   だから今すぐ振り絞る



               椎名林檎「月に負け犬」




rasen816 at 15:18|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 日々 

2005年06月22日


夢日記をつけると死ぬそうです。
というフレーズが、映画「害虫」のなかに出てきた。

おおこわ。
でも、目が覚めて近くに紙とペンがあったら、夢を書き留めている。

それが読み返すとおもしろい。
時間が経つと、夢の内容をすっかり忘れるので、だれか他のひとが書いた文章のよう。
理科室の机に残された落書きをみるようで、わくわくする。



さんわストアの紙
きょんきょん
さいふすてき くろい

にっちゃんがコップほしがる
外人がすもうやでバイト

バーバ1200円 「たかい」
よるから
for dinner
ちゅーせんけん



まったく意味がわからない。
笑ってしまったのは
「外人がすもうやでバイト」。
なんだそりゃ。
「for dinner」て。
そこで急に英語にした自分の心情もわからない。



夢は、無意識の欲望を示しているらしい。
心理学で習った。

夢は、意識下におさまりきれないもっともっと大きな自分、それを示してくれるもののような気がする。
自分が認識している自分なんて、ほんの一部なんだろう。


いずれにしても、「外人がすもうやでバイト」からは何も読み取れないのだが。


rasen816 at 23:34|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 日々 

2005年06月17日

文学部の、ある先生

今まで何十人もの先生に出会ってきたけど、
印象に残っている先生はどれくらいいるんだろうか。

あたしは文学部で、国文を専攻している。
きょう、演習の授業があった。
簡単に言えば、卒論の練習。

その授業の先生に、あたしはすごく興味がある。
彼はめがねをかけていて、
早口で、
江戸の研究をしている。

怒るとこわい。
きちんと怒る大学の先生は、いまのところこの人以外見たことがない。

「文学部の者が、言葉を弄するな」
と、彼は言う。
「言葉は天使にもなるし、悪魔にもなる、脅威だ。使い方を間違うんじゃない。」
「適当なこと言ってごまかすようなやつは、言葉の詐欺師だぞ」
「お前ら、絶対に自分の分野でサボるんじゃない。それは逃げだ」

あたしはこの人の授業を聞いていると、背筋がぴんとなる。
そして、息が詰まりそうになる。
温室からいきなり極寒のところへ送られたような。
だけど、そこの空気は清潔で、視界はクリアー。
そういう場所を見せてくれる彼に、あたしはつよく惹きつけられる。

「おまえらさ、なんで文学学んでんの?」
と、授業の最後に彼は言った。
「それを知るのこわいでしょ。もしもそんなもんないってことになったら、自分がここにいる意味がなくなっちゃうもんね」

すっごく悔しかった。
答えたいのに、実は答えられない自分がふがいなかった。

本末転倒だけど、理由はこれから見つける。

だけど、もしかしたら。
それを見つけたときが、ほんとの意味で文学部を卒業できるときなのかもしれない。

rasen816 at 20:24|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 日々 

2005年06月16日

ミニーとデイジー

成績表が実家にとどいたらしい。

父さんから電話があった。

「おまえ天才か。成績すげえよかったぞ。」

授業によっては簡単にいい成績をとれる場合もあるから、別にそこまですごいことではないのだけど、

「じゃろう。あたしもやっぱり天才なんだとおもう」

と、言っておいた。
すると

「ご褒美に、服を買ってやったけんの。お前に似合いそうな服」

と言う。




はなから期待はしていない。
あたしと父さんの趣味のちがいは、今までに何度も確認してきたことだ。

だけど、「いらないよ」とは言えなかった。
父さんの声は平静を装っているようにしながら、あたしの様子を伺っていたから。

いじらしくなってお礼を言うと、父さんはそっけなく電話を切った。

照れているのだ。





実家から荷物が届いた。
あけてみると、3枚のTシャツが入っている。

広げると、そこにはラインストーンで描かれたミニーとデイジー。
しろ、くろ、グレーの3色だった。

なるほど、父さんはあたしのことを考えて買っている。

父さんはこの3色をあまり好きじゃないはずだ。
好きなのは黄色とか緑とか青とか。

だけど、あたしの着そうな色を選んでいる。

父さんが、女の子の洋服屋さんで悩んでいる姿を想像すると、笑いがこみあげてきた。


夜、父さんに電話をした。
お礼を言うと、

「おう」

と言って、やはりそっけなく切った。



さてさてディズニーなんて似合うかしらね。





rasen816 at 09:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日々 

やったったらええねん

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わたしは京都で配布しているフリーペーパー、SCRAPのスタッフをやっております。

きょう、そのSCRAPで仮装をして撮影をしてきました。

次のSCRAP(7月初旬配布開始)に載るみたいです。


チャイナドレス
看護婦の制服
セーラー服
フリンジワンピース
ゆかた
きもの
ジャージ

そんなものが集まり、わたしたちは嬉々としてそれらを身に着けました。

「どういう雑誌やねんSCRAP」
「大丈夫なんか、こんなん配って」
「それにしても楽しいなぁ」
「楽しいわー」
「めっちゃ楽しいわー」

なんかもう、楽しければいいような気がしてきました。

わたしは赤いチャイナを存分に味わった後、
セーラー服にルーズソックスをはきました。

楽しい!
楽しいぞ!!



最近の編集長のモットーは
「やったったらええねん」
そうそう、やったったらええのです。

ひかれてもいいのです。
楽しければいいのです。

新刊でたら是非見てください。

SCRAP・HP
http://www.scrapmagazine.com/
SCRAP・ブログ
http://www.scrapmagazine.com/meet

rasen816 at 00:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 日々 

2005年06月12日

課題「弔辞」


以下のテーマについて、800字以内で自由に書いてください。
「あなたは突然死亡しました。あなたに対して弔辞を読む人に代わって、あなたへの弔辞を書いてください。」





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rasen816 at 11:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0) だれかの作品