てんかん病み

November 07, 2008 22:05

2a67b5e3.jpgちょっと間が空いてしまいましたが、前回のバグパイプ吹きの絵画の続きです。

この版画の下絵とされている素描をご覧下さい。バグパイプ吹きの向きが左右逆になっているのは、下絵と版画だからですが、この素描では広く背景も描かれているので様子がよくわかります。バグパイプ吹きの前後に、両脇を抱えられている婦人の姿がありますが、これは「てんかん」を病んでいる患者を、音楽療法で治療しているところとされています。バグパイプは病気治療にも使われてたのですね! 右の(版画では左の)バグパイプ吹きが後方を気にしているのは、この治療中の婦人を見ていたのです。左の(版画では右の)バグパイプ吹きはドローン管の先を患者の婦人の耳元で鳴らしているようにも見えます。

前回の版画のタイトルが「モーレンベルグ詣でのてんかん病みの巡礼」であった理由もわかりますね。版画バージョンでは、この前後の患者や介添えの人たちは描かれず、後方にいる「松葉杖をついている」人物のみが残されています。同じ場面を描いているにもかかわらず、版画と素描では雰囲気がずいぶんと違うものになっているのも興味深いです。

October 29, 2008 02:54

70fe7cd9.jpg今回の絵もピーテル・ブリューゲルの作品です。何やら怪しげな風体のバグパイプ吹きが2人。そろりそろりと歩みを進めているようですが、左の男は後ろを気にしている様子。遠くには杖をついている人物も描かれています。この2人のバグパイプ吹きも、厳密な意味では放浪楽師ではなくギルドからの「派遣社員?」だった可能性があります。

それはさておき、この絵のタイトルは「モーレンベルグ詣でのてんかん病みの巡礼」です。このタイトルとバグパイプ吹きがどういう関係なのかは、実は、この絵の下絵とされている素描を見るとよくわかるのですが、その絵は次回にご紹介することにします。

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