純愛とNTRのblog

NTR(寝取られ)、たまに純愛の小説を書いていくブログです。18歳未満の方は閲覧禁止ですよ!

トライアングル・トラップ〜for whom the bell tolls〜 前編

 いつもより明るい陽の灯りにつられ、彼は未だ寝息を立てている彼女を起こさぬようゆっくりベッドを抜け出すと、カーテンの僅かな隙間から窓の外を見た。

・・・雪、か・・・・

 昨日までコンクリートに覆われた都心の街は一夜にして真っ白な銀世界。雲の隙間から覗く朝陽が反射していつも以上に部屋の中を明るく照らしていた。
 人差し指で窓の水滴を拭う。外気温との差もあって、夜通し行われた飽くなき営みが僅かな結露となってその痕跡を残している。高気密設計の窓は外界の喧騒を遮断し、今ここにいる彼女と二人きりの空間を彼にとって唯一の世界にする。
 婚姻前の普遍的なカップルが欠かさない避妊という距離感を無くしてから、この二人は昨夜何度抱き合った事だろう。想い合う人の奥深くで繋がる多幸感は筆舌し難く、その感覚は二百人をとうに越える彼の過去の女達を遥かに凌駕していた。
 視線を下に向ける。
 だらんと垂れ下がるペニスと、その根元の陰毛に絡まる乾いた体液ですら愛おしく感じていた。
 睡眠不足の気怠い身体には眩し過ぎる反射光を遮る為にカーテンを再び閉めた時、彼は背後で微かに空気が動くのを感じた。
 振り向くと、ベッドの中で上半身を起こした彼女がネックレスを手に取って首に掛けようとしていた。首の後ろに両手を回し、そして長い髪の毛を緩く搔き上げると、豊かな胸の谷間に落ちそうになっているハート形のオブジェを手にとって見つめている。

「凄く似合ってるよ」
「・・・・」

 武瑠が隣に滑り込んでも、紗綺は何も言わずに大事そうに両手でそのオブジェを撫でているだけ。ただその表情は柔らかく、触れると壊れてしまいそうな弱々しさも孕んでいた。
 細く長い彼女の指先は、小さくて繊細なアクセサリーを触れるに似つかわしい。それは昨夜の嵐のような逢瀬で、彼のペニスを激しく、暴力的に擦り上げ、自らの口中に射精を促す為の役目を果たさせるには、あまりに不釣り合いかもしれない。だけど、アンバランスであればあるほど、彼は彼女の心からのその行動に胸を掻き毟りたくなるほどの嫉妬を覚えていた。

この人は、他人のもの

 お互い気持ちを打ち明け、両想いである事が分かり、それでもなお幼馴染の親友を選ぶその心を引き寄せる手段がない事を悟った時、たとえそれを彼女が認めようとしなくても、彼は二番目の他人というポジションに甘んじる事を決めた。人生の半分を懸けるに相応しい相手をこの手から逃す事などあり得ないからだ。紗綺のいない人生など、武瑠にとっては死んだも同然。
 汗だくになりながら抱き合ったにも関わらず、いまだ彼女の首筋から漂う甘い香。何度愛し合ってもそのフェロモンが尽きないのは昔からの事。
 瑞々しい太腿に人差し指で触れる。弾くような若々しさと、柔らかくてスベスベな感触に彼は下腹部が脈動する気配を感じた。数え切れない回数の射精を繰り返した後で尚、だ。
 すっと滑り上げ、切れ上がる股のラインをなぞる。一番柔らかそうなそこを往復すると、微かに身をよじる彼女。その先に触れた陰毛は、やはり彼のと同じで硬くガサついていた。
 そのままお腹を這い上がり、底が見える深い臍の中に指を入れて刺激するのもいつもの事。中に微かに残る精液の滑りを指先に感じながら、なおも身体の中心を縦に走る窪みに沿って撫で上げる。そして見事な造形を誇る乳房を下から持ち上げ、その重量感を両手で感じ取る。それでもまだネックレスを大事そうに弄る紗綺の横顔を見つめながら、お碗型の頂点にあるピンク色の乳首を「ちゅぷっ」と口に含んだ。
 既に硬くなったそこが柔らかい口中粘膜に包まれた瞬間、「んっ・・・」と声を漏らす彼女の両手からオブジェが零れ落ち、深い胸の間に挟み込まれてしまった。
 乳首を舌でねぶりながら、片手でもう一方の乳房を揉む。見た目は中身がみっちりと詰まってパンパンに張り詰めた様なのに、実際は指の間からムニュリとはみ出す柔らかな肉の感触は、いつでも彼の興奮を最大限に昇華してくれる。
 乳首から唇を離し、舌で鎖骨を舐め上げた時、乱れた前髪の奥に彼女の諦めの瞳を垣間見た。ゆっくりと顔をこちらに向ける紗綺の唇は半開き、そしてその奥に蠢く赤い舌先に夢中でむしゃぶりついた。唇と唇が隙間なく接合し、唾液で滑るまま擦り合わせ、中で暴れ回るお互いの舌を必死に絡め合った。いつしか片手は恋人繋ぎでしっかりと握り合い、武瑠は鼻孔を擽る紗綺の芳香を胸一杯に吸い込んでいた。ドロドロになるまでセックスに没頭した次の朝にも関わらず、彼女もまた彼を欲する情欲に溢れていることに覚えるこの上ない感動。やがて紗綺のもう一方の手は武瑠のペニスを握り、彼の嗜好に合わせた愛撫をそこに仕掛けてくる。親指の腹でカリ首を強弱つけながらずりずりと刺激し、溢れる透明な液体を掌で亀頭にまぶし、包み込むようにグネグネとこね回す。
 何年もの間肌を重ねてきた二人は、お互いの身体の全てを知り尽くしていた。セックスの回数、濃度では間違いなくダントツの相手。特に最近ではほぼ毎日夜が更けるまで愛し合ってきた。恐らく千回以上は抱き合った仲だから、彼女がこの後どうして欲しいのか、どうしてくれるのか、彼には大体の見当がついていた。
 紗綺は唇を離すと、無表情の中にも僅かにはにかむ目元、恥ずかしそうにする時の彼女の次の行動は予想した通りだった。腰まで掛かった毛布の中に頭を潜り込ませると、すぐにペニスは温かい紗綺の口の中に包まれた。夜通し絶頂のてっぺんで、蕩けるような眼差しを絡め合いながら何度も昂まっていた彼と彼女なのに、今はどうやらフェラチオする所すら見られたくない紗綺が取ったこの仕草もまた定番。頭隠して尻隠さずの状態。こんな矛盾した彼女の可愛さもまた彼にとっては掛け替えのない魅力に他ならなかったのだ。
 四つん這いになった彼女の腰から下が布団から丸出しになっていた。五本の指で、肉付きの良い尻を握る。そして弾くようにした時の、ぷるんっ、と震える弾力性に溢れた様相が武瑠の興奮の滾りに油を注ぐ。シックスナインの形に移行し、目の前の彼女の秘めやかな部分を凝視する。気が遠くなる程繰り返された抽送運動の所為で、少しだけ開いている大陰唇は既に濡れ光っており、そこは息を吹きかける度にキュッと閉まる。布団の中では、秘部を曝け出してそこを見られている羞恥心を紛らわすかのように、彼女が唇によるピストン運動に拍車をかけていた。彼がたゆやかな尻肉を鷲掴み、開いたりとじたりするその都度、くぱぁ、と中を晒す穴を見ていると、フェラチオの快感と合わさってムズムズとした射精感が押し寄せてくる。昂まりは紗綺も同じようで、武瑠の胸に密着した柔らかいお腹が忙しなく収縮を繰り返していた。
 彼らは布団を蹴り飛ばすとそのまま上下逆転し、両肘で彼女の両脚の裏腿を限界まで押し広げると、そのポッカリと開いた穴の中に強引に舌を差し入れていった。

「んっ!んんっ!あふぅっ!・・・んあっ!」
「チュッ・・・紗綺・・・ああ、紗綺・・・チュルル・・・」
「あぐっ!・・・だめ、そこ・・・・んんんっ、んっ!いやっ・・・」
「凄えエロい・・・紗綺の、ここ・・・」
「やだっ、ダメ・・・いやっ・・・」

 武瑠の尻に十指を立てる紗綺は、ペニスを咥えたまま唸るような嬌声をあげていた。ブレーキの外れた彼は、申し訳ないと思いつつ彼女の口をヴァギナに見立てて腰を振り出す。亀頭が紗綺の喉を押し潰そうとも、彼女は両手で武瑠の尻を目一杯広げ、時には肛門に指を差し込んだりしながら必死になってついていこうとする。
 やがて腰をガクガクと震わせてイク紗綺を見つめながら、武瑠は急速に昂まった下半身を慌てて彼女から離し、間髪入れずに、虚ろな表情で涎を口端から溢れさせながらイキ続ける彼女と正常位で繋がった。潤みきった穴であろうと、彼の太いペニスはそこを潜り抜けようとする時に相当な抵抗を感じるが、憤る程の興奮状態にある中で彼女を労わる事も出来ずに一気に奥まで貫く。恥骨同士がぶつかるよりもはるかに早く、亀頭が行き止まる。一瞬眉間に皺を寄せる紗綺を見つめながら、毛と毛が混じり合うほど紗綺の奥の奥までゆっくりと入り込む。そして仰け反る彼女の喉元を見ながら、「最後の夜」が永遠に続けば良いと願いながら、武瑠は何かに突き動かされたように一心不乱にピストン運動に耽っていった。




「そう・・・なのか・・・・」
「・・・・」

 朝食を終え、母に出されたお茶を前に、僕は両親に紗綺との縁談が無くなった事を報告した。今朝起きてからの二人の落ち着かない様子から、全てを見透かされているような気がしたし、僕自身の決意を早く二人に話したかったというのもある。
 父は一言呟いただけでそれ以上を聞いてこようとはしない。母もその隣で黙ったまま。でも、落胆の色は隠せず、僕を気遣う苦笑いの口元に、どこまでも悲しそうな眼差し。

「あなた達が決めた事なら、仕方ないね・・・」

 明るく振舞う事が罪であるかような雰囲気は、これまでの我が家にはあり得なかった。生まれ育った自宅のリビングに落ちる仄暗い影の色に、こうなってしまった原因を作った自分の不甲斐なさに泣きたくなる。あなた「達」ではない。僕が一人で決めた事なんだ。
 母も父も当然紗綺の事をよく知っていたし、付き合いが始まった時の母の喜びようを思い出すと、心が痛む。本当に、痛む。

「彼女に寂しい思いをさせてしまったから・・・」

 理由を一切聞いてこない二人に敢えて言ってみた。でもリアクションは思った通り、ない。一人の大人として敬意を払ってくれている証拠なのかもしれない。
 無言のまま、二杯目のお茶を飲む。
 時を刻む音だけが耳に残る。

「母さんから聞いたと思うけど、父さん達は午後から熱海に旅行に行くんだ。年末恒例の我が家の慰安旅行、有二も一緒に来いよ」
「温泉だよ?あっちではそういうの、無いんでしょ?久し振りに家族でどうだい?」

 なんて馬鹿息子なんだ、僕は・・・・
 一人の大人どころか、いまだに両親に気を遣わせている・・・・

 目頭が熱くなるのを必死に堪えた。こんな情けない思いは久し振りだ。親不幸にも程がある。

「うん・・・一緒に、行くよ・・・行かせてもらう」
「行かせてもらう、なんて言うなよ、水臭いな」
「じゃあもう一人分、旅館の予約追加しなきゃね」

 席を立つ母の表情は明るかった。父もニコニコと機嫌の良い時の顔をしている。
 心が張り裂けそうだ。
 僕は一体何をしているんだ。
 辛い・・・・

・・・・彼女とは・・・・紗綺とは、本当にもうダメなんだろうか?

 この時一瞬でもそう思ってしまった自分を恥じた。
結婚は誰の為のもの?自分の為?相手の為?それとも両親の為?
 今まで考えた事も無かった自問自答。答えは決まっている。その全部のはずだ。両親の悲しそうな表情に、無意識の内に後戻りしようとした僕の覚悟の浅はかさを垣間見たような気がした。
 出発まで数時間。僕は家を出て頭を冷やすことにした。僕の決心は揺るがない。たとえ何があろうと、決めた事は守り通す。今までの人生がそうだったように。




「紗綺・・・・ああっ・・・・紗綺・・・・紗綺・・・・」
「武瑠・・・好きぃ・・・・」

 言ってはいけない一言を、私は昨夜から何百回となくこの人に言っている。フィアンセと向き合う事を拒み、仮初めの愛情のはずの目の前の幼馴染と一つになって昂まる事に没頭している。

「好き・・・武瑠・・・私、あなたの事が、好き・・・・」

 縋るように抱き締める度に実感できる全身のフィット感、下半身を襲い続ける甘美な性感は、いとも容易く相手が望むその言葉達を口にさせる。

「もっと・・・・もっと欲しい・・・もっと・・・・・・お願い・・・・武瑠の・・・頂戴・・」

 武瑠とはこれで最後。そう決心する事がフィアンセとの未来を予見させてくれると思ったのに、今の目尻を熱くする涙の感触の所以は何なのだろう。複雑に入り組む自分の心の在り処に戸惑う事にも慣れたと思っていたのに、最後を迎えたこの日でさえ感じる心許なさ、いまだ把握出来ていない私自身の身体は、まるで彼に翻弄される風見鶏のよう。
 はっきりしているのは、武瑠に包まれているひとときが好きだという事。壊れかけた私を幾度となく救ってくれたこの場所が愛しくて仕方がないという事。見つめ合って通じ合う瞬間は時間と空間を曖昧にし、私にとってこれが全てであると錯覚させる。一切の躊躇を捨てた真っ直ぐな彼の視線を全身に浴びる時、多分私は女として一番綺麗でいられる。
 彼が無言で私の身体を裏返した。普段は出来れば彼の顔を見つめていたいけれど、後ろから獣のように貫かれるのも嫌いではない。
 四つん這いになる時に見えた武瑠のペニス。私と彼のとで滴る程に濡れたそれは、真上を向いたままピクピクと痙攣するようにその存在を誇示していた。
 思わずゴクリと喉が鳴る。
 昨夜から何度もセックスしているのに、それでも尚私を欲して貫こうとする槍のような象徴を見た後、私は出来るだけ卑猥に腰をくねらせ、猫のように両腕をピンと前に伸ばして高々とお尻を持ち上げた。そしておでこをシーツに付けたまま、背中を思い切りしならせて股を左右に開くんだ。お尻の穴まで晒すその格好に顔から火が出るほどの恥ずかしさを感じるけれど、彼は私のそういう姿も望んでいるはず。武瑠に名馴染まされた今の私は、彼の期待に応える事への興奮で頭がどうにかなってしまいそう。
 私の肩を背後から掴む武瑠の両手は肩甲骨へ下り、そして脇腹を掌で包み込むように撫で、腰の括れまで滑り落ちる。まるで私の身体の立体感を確認するような手つき。そのいやらしい手つきに打ち震え、それに応えたいと願う私は、彼の手がお尻に差し掛かるに連れ、股関節が許す限り股を開く。すると武瑠は両手でギュッとお尻を掴み、何もかもが開ききるまで力強く左右に広げ、じっとそこを凝視してくる。

「だ、だめ・・・恥ずかしい・・・・」
「・・・・」

 蚊の鳴くような私の声を無視して、無言でその部分を見つめ続ける武瑠。
 私のあそこやお尻の穴も、何もかも全て開いちゃっているはず。中まで全部見られているはず。あまりの恥ずかしさに膝が小刻みに震え出し、股間から透明な液体がシーツに滴るのを下から自分のお腹越しに見ていた。
 こんな恥ずかしい格好を見せらるのは武瑠だけ。見られたくないのに、見てほしいと思っている。
 相反する欲求は、彼の舌がお尻の穴に触れた瞬間、電流となって突き抜けた。

「あっ・・・・そこは・・・違うから、ああっ!」

 彼を非難する私の声を聞かずに武瑠は唾液をたっぷり乗せた舌をそこに這わせてくる。熱い吐息と共に、恥ずかしい穴の入り口を舌先で器用に、それこそ皺の一本一本をなぞるように舐めてくる。彼の想いの強さが伝わる丁寧でいやらしい愛撫で、直接は関係ない筈の子宮の奥がジンジンと痺れてくるのを感じた。武瑠がその部分に対する淫靡な欲求を抱いている事は、以前から何となく分かってはいたけれど・・・・
 彼の左手が私の背骨に沿って這い上がってくるのと同時に、右手は私の股の下からお腹を包み込み、優しく揉むように摩り始めた。前から後ろから両手でサンドイッチにされながら、ジュルジュルと涎を啜るようにあそこを強く吸引してくる武瑠。
 思わず逃げようとする身体はしっかりと挟み込まれ、お尻から内臓が全部吸い出されそうなキスの勢いに、私の下半身は言いようのない甘い感覚に覆われた。そして信じられない事に、ボタボタと音がする程沢山の愛液を溢れさせていた。

「凄え・・・」

 そう呟く彼の声はかすれていた。
 武瑠は私の体液に塗れたそこを凝視した後、掌でグチャグチャと圧迫するように刺激してきた。分厚い掌が、私のクリトリスや何もかもを押し潰し、混ぜる様に押し込んでくる。

「やだっ!いくっ!・・・い、いくっ!ダメっ・・・イクッ、イクッ、イクッ!・・・・あああっ!」

 身体の奥が切なくなる。武瑠のセックスに染められた私の身体が、猛烈に彼自身を欲して弾けそうになる。

「欲しいっ!武瑠の・・・ほ、欲しいっ!!」

 心からの言葉に違いなかった。クライマックスは、一つになって溶け合いたかったから。
 はしたなく叫んだその瞬間、大きく軋むベッド、そして彼の地響きの様な呻き声。裂ける程にお尻を開かれ、その中心に感じる硬くて熱い存在。私の両手はシーツを握り締め、狭い膣道をメリメリと分け入ってくるペニスの感触に息を呑んで耐えた。そう、耐えたんだ。
 何度抱き合おうと、この瞬間を何の準備も無く迎えられる筈がない。それ程大きくて硬い凶器の様なペニス。目を閉じて、息を止めてその一瞬一瞬の感覚を逃さぬ様意識をあそこに集中する。フェラチオの時に唇にいちいち引っかかる深い段差のあるカリが、膣の内壁を擦りながら入ってくるのが分かる。そして途中で狭くなった私の中をヌルッと乗り越えると、彼の長い指でさえ届かない特別な場所に向けて、巨大な亀頭が全ての肉襞を擦り、巻き込みながら突き進んで来る。
シーツを握る手に力が入る。
全身の毛が逆立つような目眩く快楽の波。
彼のペニスが子宮の入り口をノックした後、一旦少しだけ腰を引き、そして一気に貫いてきた。
 大切な場所が、愛する人と子を宿す神聖な部屋が、彼のグロテスクとも言えるペニスに押し潰されて形をグニャリと変えた。あまりの強烈な感覚に、私はシーツが破れる程に強く握るだけではなく、目の前のそれをギリギリと噛み締める。
 まともに呼吸すらできない。
 下半身が彼自身に同化したような不思議な感覚の中、私は必死になって膣を締めた。中で一段と大きくなった武瑠のペニスが、私の中の奥深くに入って孕ませたいと躍起になる彼のペニスが愛しくて堪らない。身体の深いところで抱き合う性器と性器の間に僅かな空間の存在も許したくなかった私は、中を締めながら微妙に腰をくねらせ、深いカリの溝にすら自らの柔らかい肉襞を隙間無く巻き付かせようとする。奥までみっちりと密着する多幸感は、余計な抽送作業無くして私を高みへ押し上げてくれた。
 ガクガクと小刻みに震える身体は、抑えようの無い激情の証。爪が剥がれそうになる程の渾身の力でシーツを握り締める。すると子宮を破壊する勢いで快楽のドーパミンがそこに溢れかえる。
 知らず知らずに口を伝う涎、狭まろうとする視界に抗って、世界一の男に与えられる至高の極みを享受する為に、飛ぼうとる意識に縋る。
 暴走するアクメが脳天から突き抜けた時、失神寸前の私を気遣った武瑠が私の顔を覗き込んで来た。

「紗綺、大丈夫?」
「・・・あ、うぅ・・・・」
「身体、凄く震えてるよ」
「ご、ごめんさない」

 彼の不安げな眼差しに思わず謝罪した。誰よりも最高の悦楽の瞬間を与えてくれる男性に、一旦身体を解く程の心配をさせてしまった事を恥じたんだ。
 乱れた私の前髪を整えてくれる彼の右手は暖かく、昂まり過ぎた私の身体が少しづつ落ち着きを取り戻す。

「俺達、あんま寝てないよな」
「・・・・だね」
「少し寝る?」
「大丈夫、私は。武瑠は?眠い?」
「全然」
「私も」
「てかさ、寝たら勿体無いし」
「そう?」
「時間が、経つのがさ・・嫌だからさ・・・」
「・・・・ん・・・・」

 隣に添い寝しながら私の頭を優しく撫でてくれる。こんな時、やっぱりここが一番、と思ってしまう。そして、そう思えば思うほど、相反する寂しさを感じてしまう。

「今日、何時までいい?」
「うん・・・・」

今日までなら・・・・いいよね

 弱い私が自分に言い聞かせようとする。
 本当はイブの夜で終わりにするつもりだったのに。
 彼と一夜だけの恋人を演じた後、私達は遥か昔の間柄に、身体を重ねる以前の関係に戻るはずだった。でも、彼の腕の中で揺れているうちにいつのまにか通り越してしまった24日と25日の境目。何度目かのセックスを終えた時、既に深夜2時を過ぎていた事に気づいていたけれど、私は敢えて気付かないふりをして、彼の腕の中に包まれる事を選んだ。

「夜まで、ずっと一緒にいよう」

 彼が身体を寄せてきた。右腕に押し付けられる硬い胸筋と腹筋の温もり。頰に熱い吐息を感じながら視線を下に向けると、私のお腹に置かれた武瑠の右手が少しづつ這い上がってきて左の乳房を包み込んだ。冷静でいようとも、視界に入る私のお腹が忙しなく膨らんだり引っ込んだりする生々しい動きが今の私の素直な気持ちを表していた。身体中が敏感になっている。この人に触れられたい、この人に触れたい、そう思う気持ちが尽きないどころか、益々強くなっているような気がする。

こんなの、許されない

 そう思う理性的な私を壊そうとする彼の象徴が、私の太腿で存在感をアピールしていた。
 出しても出しても終わらない精力の塊みたいな彼のペニスは、私の太腿に溢れる液体を滴らせ、ギチギチに勃起したまま。指先で触れた瞬間、彼のお腹をバチンと叩く力強さ。私を貫きたいと必死になっている欲の権化を見ていると、今この瞬間がかけがえのない尊いものだと思えてくる。

「ちょっと休む?」
「・・・・」
「ん?」
「でも、まだ・・・・でしょ?」
「え?」

 少し身体を起こして私の顔を覗くキョトンとした表情に、心の奥にしまった大切なものがいちいち擽られる。本当はこの気持ち、あの人の為にとっておきたいのに。

「武瑠・・・・まだ、いって、ないよね?」
「ああ、でも、大丈夫?疲れたろ?」
「疲れた・・・・でも」
「でも?」
「ん・・・何でもない」
「何だよそれ、気になるわ」
「・・・・」

 私は彼の硬いペニスを優しく摩る事で答えとした。

「いいのか?」
「武瑠なら、いいよ」

 彼の表情から笑顔が消えた。
 私を射抜く雄の眼差しに、自然と自分の両膝を抱えてその時を待つ姿勢をとる。
爛々と輝く眼光は、まるで捕らえた獲物を喰らう直前の肉食獣のようで、恐さすら抱く程。
彼の吐息が熱い。心なしか、呼吸も荒くなっているみたい。
興奮する。
ただ単純に、欲望丸出しの彼のこの切羽詰まった表情に私は興奮している。
一つになる為に私の両脚の間に移動した彼の股間は、盛り上がった裏筋や睾丸の裏側まで晒すほど、天を貫くが如く勃起したまま。武瑠の純然たる男を示す一番敏感な器官と私の女を証明する一番敏感な器官が一つになった時、きっと私達は人として一番満たされた宇宙の存在になるはず。この幼馴染との性交は、間違いなく誰よりも、親でさえも与えてくれる事が不可能な幸福の形そのものになり得るのだと。
 グロテスクに勃起したペニスを前に、私は両手で自らのその部分を開いた。

「ここに、挿れて・・・」

こんなの初めてだ。そこを自分で開いて見せるなんて。

「武瑠の・・チ◯ポ、挿れ・・て・・・」

頭がクラクラする程興奮している。
私は自分の口から発せられた卑猥な言葉に心酔し、昂まってしまっている。

「いやらしい女だな、紗綺は」
「貴方の、所為」

きた・・・

武瑠が私の上に体重を乗せてきた。
膝を抱えていた両手を彼の背中に回す。
 やっぱり武瑠の顔が見えるこの形が一番好き。彼の端正で男らしい顔は、私に何時間でもそれを見ていたいと思わせる。彼との逢瀬を数え切れない程繰り返しても、ベッドを離れた瞬間に次の機会を渇望する動機の一つにこのルックスがあるのは疑いようもない。彼と肌を合わせてきた女達がそうであったように。
 私達は一瞬でも視線が違うのを嫌い、瞬きも忘れて見つめ合う。そして彼は器用にペニスの先を私の入り口に添え、ゆっくりと腰を進めてきた。
 見つめ合う瞳が潤み始めようと、彼だけを見ていたい。今こうして一つになる過程でさえ、蕩けるような彼の眼差しを独り占めしていたい。
 私達は視線を絡ませ合いながら、ついに一つになった。
 感動的ですらあるこの瞬間。
 私は両脚を下から彼の下半身に絡めて、文字通り内からも外からも彼と一体になろうとする。彼もそれに呼応して強く抱き締めてくれた。
 息苦しさを感じる程の強い抱擁の中で、私は動かずして数度目のアクメを迎えた。

「凄え震えてる・・・イッてる?」
「ん・・・ごめん・・・」

 また武瑠を蔑ろにして私だけが果ててしまった。申し訳ない気持ちが口をついて出る。
 大きな波が収まりかけてから私は腰を振り出した。今度こそ彼に少しでも気持ち良くなってもらいたいから。

「あの・・・武瑠・・・」
「ん?」

私に合わせて腰を使い始めてくれた武瑠。

「変な事、聞いてもいい?」
「もちろん、なに?」

少しづつ加速してゆく彼のテンポ。

「武瑠って・・・色々な女の子と付き合ってたじゃん?」
「あ、ああ・・・だな」

溜息交じりの返答と裏腹に、彼のピストン運動は大きくなっていった。

「こんな事・・・あっ、聞くの・・・あっ・・・恥ずかしいけど・・・」
「・・・・」
「私って、・・・その・・・・武瑠から見て・・・・あの・・・・」

私が言い淀んでいると、彼は私の目を真っ直ぐに見ながら言った。

「お前は特別だから、決まってるよそんな事」

武瑠が腰を引く度に僅かでも身体が離れるのが切なくて、私は一緒の動きで彼を追随する。

「ダントツの一番だよ」
「ほ、本当?」
「ああ、紗綺みたいに良い女なんてこの世にはいない」
「・・・・」

 動きが一緒だから、ピストン運動によってもたらさせる摩擦は殆ど無い。けど、彼に一番と讃えられた事が嬉しくて、嬉し過ぎて、私の中で微妙に擦れるだけの性器の感触にアクメの兆しを感じた。自分でも呆れるほど敏感になっている事に今更驚くこともないけれど、高みに向かう過程で私は彼のその言葉をもう一度聞きたいと思った。

「私、一番?」
「うん、一番」
「武瑠の・・・・あっ、・・・いい・・・一番なの?」
「ああ、俺の一番、世界一だよ」

 彼と数万回目のキスをしながらその言葉を聞いた。生暖かい唾液を絡まる舌の間から交換し合っている最中でさえ、蕩けるように視線を逸らさない。密着する下腹部から奏でられるくぐもった水音は、奥深くでのまぐわいの証。

「もっと・・・・言って」
「紗綺は俺にとって最高の女だ」
「あっ、あっ、そこ・・・・いい、あんっ、あっ、もっと、もっと」
「こんなに可愛くて、料理も上手で・・・」
「んっ、あっ、あっ、あんっ!ああっ!・・・いやっ、ああ、すごくいいっ!」
「最高にエロいし・・・・」
「あっ、んっ、私っ、・・・エロい?」
「エロいよ、一番エロい」
「エロいの、好きなんでしょ?あんっ!あんっ!ああっ!んっ!ああっ!」
「メッチャ好き」
「じ、じゃあ、いいじゃん、んっ!んっ!あっ!もっと、エロい事してあげるっ、あっ!」
「このエロい胸も、狭いオ◯ンコも、最高に気持ち良いし」
「嬉しい・・・・本当、嬉しい・・・あんっ!だめっ、強いっ!ああっ、そこっ、ああ!」

 背中に回された武瑠の両腕に力が漲り、乳房が痛い程に押しつぶされているけれど全然嫌ではない。寧ろ昂まる性感に従い、私は彼の胸筋や腹筋の割れ目に自分の肌を密着させる事に夢中になっている。もっと、もっと繋がりたい、この人と気持ち良くなりたい、と。

「紗綺は?俺とのエッチ、気持ち良い?」
「凄い、凄っごく、気持ち良いよ、あ、あ、あ、ん、ああっ!ああっ、あっ、」
「なんで?なんで気持ち良いの?」
「だ、だって・・・上手だから・・・・」
「あとは?」

彼の表情が曇った。
私は、彼の言いたい事が分かる。分かるからこそ、それに応えたいと思った。
だから、言うね・・・・また、言うから、ちゃんと、言うから・・・・

「彼氏よりも、チ◯ポ大きいし・・・・」
「・・・うん・・・・」
「彼氏よりも、キスも上手だし・・・・」
「・・・・」
「一番好きな人とのセックス、気持ち良くないわけがないじゃん・・・・」
「・・・・ん、うぉぉ・・・・」
「あんっ!だめっ!・・・・あっ!イッちゃう!また、すぐイッちゃうからぁ!・・あんっ!いやっ、やだっ!ああっ、あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!あんっ!」
「いいかっ?俺の、いいのか?」
「いいっ!武瑠のっ・・・・有二のじゃ、届かないところまで、来てくれるからっ!・・・・ああっ!そこっ!最高っ!ああっ!ああっ」
「あいつのじゃ、気持ちよくなれなかったんだろ?おおぉ!」
「なれなかった・・・あの人のじゃ、全然駄目だったから・・・・あっ、あんっ!ひっ!ひっ!あひっ!ああんっ!」
「出すぞっ、いいか?どこに出して欲しい?」
「あ、す、好きな所でいいよっ!ああっ、私もっ!・・・・」
「このまま、また中で出さたい」
「いいよっ、欲しい、私も・・・欲しいっ!」
「口にも、出したいっ!」
「貴方のなら、飲みたいっ!ああっ、飲ませてっ!」
「有二の、飲みたいか?」
「武瑠のがっ・・貴方のが、いいっ、いやっ!ああっ!いきそうっ!また、い、イクッ!」

 武瑠の全身の筋肉が硬くなり、抱き締めた私の腕を振りほどく程盛り上がる。そして子宮の扉をこじ開けるように奥まで突き刺したペニスがそこで弾けた。何度も、何度も脈を打つように吐精される彼の一部を、私は薄らいで行く意識の中で身体に取り込むことだけを考えていた。




「有難うございました」

 三つ指をついた女の子に見送られると、狭くて暗い廊下を出口へと向かう。飾り気の無い事務的なドアを開けた時に視界を遮る眩しい光に目を伏せながら、それこそ隠れるようにその場所から遠ざかろうとした。まだ昼前の繁華街は人も疎らだが、そこにいてはいけないと、そしてそう思うよりも早く罪悪にも似た感情がふつふつと湧き上がる。
 地元の飲食街の裏通りの奥にある風俗街、午後の出発まで時間があった僕は、その中の一つの店に足を踏み入れた。別にそこに行こうと決めていたわけではない。まだ陽も明るいのに煌びやかに光る場末の風情のネオンが、自然と、突拍子もなく僕に取らせた行動だった。
 でも、生まれて初めてのこの風俗経験は散々たるものだった。
 僕の相手をしてくれた女の子は、どこにでもいそうな可愛らしい小柄な女の子、にっこり微笑んで服を脱がせてくれる優しさが偽りだと分かっていても、僕は素直に久し振りの女性の肌に全てを委ねようとしたんだ。
 ところが彼女の奉仕が始まろうと、僕自身は何も変わらなかった。感情移入して、その気になろうと頑張ったけれど、一切何も反応しなかった。決して彼女が悪いわけではなかったはず。それを仕事にしているだけの技術はあったと思うし。
 結局時間を延長しても僕の股間はピクリとも反応せず、彼女の申し訳無さげな表情に恐縮しながらその店を後にした。
 見上げると、厚い雲の向こうで鉛色の鈍い光を放つ冬の太陽。

情けない・・・・何もかも情けなさ過ぎる・・・・
僕は一体何がしたいのだろうか?
性欲を発散したい?
いや、違う。現に僕は全く反応できなかったのだから
単なる時間潰し?
それも違う。そもそも風俗に行くという発想自体今までの僕にはなかったのだから

 キュッ、キュッと踏み締める雪の音。
 自宅へ続く真っ白な路を見ていると、穏やかならざる心が映し出す昨日の情景。不思議な事に、そのどれもが綺麗なポートレートのようにどこか他人事だ。
 事実、容姿の秀でた男女が裸で抱き合う姿は美しい絵画のようだったけれど、薄暗い部屋の中で互いの性器を愛で合う場面はどんなAVよりも卑猥でもあった。
 冷たい両手をポッケに入れる。そして歩を緩めると自然と回顧する昨日の出来事。よく考えればあれからまだ24時間も経っていない。
 あの時、リビングを出て行った二人の背中を見ていた僕は、それから暫くして窮屈なクローゼットから出たけれど、足が震える理不尽さに下唇を噛み、音を立てる事に臆病になっている自分が信じられず、まるで背中に巨石を乗せられた奴隷の如くその場から暫く動く事が出来なかった。僅かに開いたままの寝室のドアの向こうから聞こえる二人の囁き声、僕達の部屋の筈なのに、僕の弱気な心がそこに足を踏み入れてはいけないと叫んでいたような気がした。

何かの間違いだ

 その気持ちが僕の背中を押し、確証を得る為の歩みを進めさせた。
 10センチ程の真っ暗な隙間が迫る恐怖、何もなかった、見なかった事にするという逃避行動を促す寝室の中からの圧力。部屋中に聞こえそうな心臓の高鳴りに胸を押さえ、唾を飲み、そしてドアの前に立った。薄暗い寝室の中は、クローゼットの中の暗さに慣れた僕の目にはその詳細を網膜に映し出すには易かった。

「んっ・・・ん、ん、」

 一瞬、フィアンセのものと認識できなかったその声。苦しさと切なさの境界線上を漂う甘美な旋律が、十数年来聞き続けているその人の声だと分かった時、僕は膝から崩れ落ちるようにその場に座り込んでしまった。
にも関わらず、僕の視線は中を覗こうとしていた。下半身に力が入らなくても、顔だけは前を向こうとしていたんだ。
 そして決定的な場面を心の奥に刻んだ。
 それはトラウマなんて生易しいものではない。絶望と言う言葉の真意を生まれて初めて知った気がした。
 指が絡み合うようにきつく握られた両手、柔らかい唇を押し付け合う二人が着衣を脱ぎ捨てて裸でベッドに横たわる光景は、この十数年の歴史を嘘にするには充分過ぎた。
 夢中でキスに没頭する二人。唾液を行き来させる湿った音と、ベッドが揺れる音。絡み合った舌先が歓喜の嬌声を不条理に押さえ込み、その焦ったさが握り合った掌をギリギリと締め上げる。薄っすらと汗の滲み出る武瑠の背中が波打つように激しさを増すと、彼の尻の間から引き締まった陰嚢が前後に揺れている様までもがはっきりと見えた。

「紗綺っ!紗綺っ!」

 上半身を起こした武瑠は僕のフィアンセの名前を呼び、彼女の腰を固定するとダイナミックで、寧ろ粗暴と形容するに相応しいピストン運動を仕掛けていった。紗綺の身体は激しく揺り動かされ、鎖骨の下から急激に盛り上がるお椀型の美しい乳房が見る影もなく暴れ回る。武瑠の機関車のような抽送運動は乳房のみならず、彼女の身体全体をガクガクと振動させ、時折彼女の頭が木製のヘッドレストに打ち付けられようと全く緩む気配を見せない。
 しかし、冷静を装う僕の心配をよそに、そのような状況下でも彼女の口から出るのは相手を賞賛する言葉ばかり。僕とでは聞いたこともないような具体的で雄を奮い立たせるには余りある卑猥な言葉を口にして、その暴挙とも言える激しいセックスを鼓舞していた。

「武瑠!ああっ!凄いっ・・・・武瑠の・・・チ〇ポ・・・凄く大きいっ!・・・だから・・・もっと!・・・もっと!してっ!」

 背筋がゾワゾワした。男性器を揶揄する言葉の数々を口にするフィアンセを、僕はそんな紗綺を知らないからだ。そういう言葉を口にする事を毛嫌いする女の子だとずっと思っていたのに。

「ああっ、だめっ・・・貴方のチ〇ポっ・・・で、イっちゃうっ!また、イっちゃうからっ!・・・」

 激しく揺り動かされる紗綺の口から微かに涎が垂れていた。卑猥な言葉の数々は武瑠を興奮させるだけではなく、その恍惚とした表情が自らをも昂らせている事を証明していた。
 やがて紗綺の身体を突き刺す武瑠のピストン運動は激烈を極め、「死んじゃうっ!」と叫ぶ彼女からそれを一気に引き抜くと、彼はゴムを外して彼女の上に乗った。紗綺の両脚が武瑠の太腿に掛かったままであろうと、射精の瞬間にある彼にそれを気にする余裕は無い。押し上げられた爪先が頭の上に押し付けられるほど身体を二つ折りにされた紗綺は、胸元に突き出された武瑠の性器を両手で扱いていた。彼の野太い声と共に勢い良く射精された精液が僕達の寝室の壁をビシャっと音を立てる程に叩き、次に彼女の顔を汚し、乳房を白く染めている間にも二人は視線を逸らすことはなく、クライマックスの頂をより一層押し上げようという欲望に忠実に振舞っていた。

 気がつくと、僕の頰を伝う冷たい感触。それを拭う気にもなれない僕の目は、焦点を遠くに置いた夢想の世界に向いていた。
 何がいけなかったのか?何が僕には足りなかったのか?
 自問自答すればするほど沸々と込み上げる後悔。

僕が海外勤務をしなければ・・・・
いや、そもそもこの会社に入社しなければ・・・・

 巻き戻される僕の記憶が、鮮やかだった僕達三人の思い出が、思い出すそばから次々と黒く塗りつぶされていく。
 就職してから今までの間、幼馴染の二人に変わったところは無かった。会社の雰囲気に馴染むのに少し苦労していたように見えた紗綺も、数ヶ月ですぐに慣れたようだし、武瑠については学園生活を満喫しながらも、どこか抜けた三枚目を演じる余裕も相変わらずだったはず。

その二人がこんな事になるなんて・・・・

 横を向いたまま、後ろから紗綺を貫く武瑠。彼女の中に出し入れされる黒い性器は、薄暗い中でも異様に長く太い姿を主張する。
 彼女は汗で艶やかにうねる真っ白いお腹をこちらに曝け出し、後ろ手に武瑠の頭を引き寄せ舌を伸ばしていた。
 情熱的で官能的で幸福感に満ち溢れた逢瀬。幼馴染とは言え、将来を約束し合った僕達の間に武瑠がこんな形で入り込むのは人として許されない筈なのに、セックスで与えられた歓喜の瞬間を躊躇いなく全身で表現する紗綺を見ていると、冷静に状況を判断するには既にその能力を失いつつある僕の頭脳は、これも一つの愛の形であると受容する思考を示そうとする。それ程までに僕は武瑠の事を信頼していたという事なのだろうか。
 霞んで行く青春の日々を遡る過程で、あの頃に、僕が紗綺に告白したあの頃に戻りたいと願いつつ、掛け違えたボタンを一つづつ取り直す術を自然と考え始めていた事に驚いた。目の前で上下逆さまに重なって互いの性器を愛撫している二人の姿を目の当たりにしているのに・・・・

高校の頃が・・・一番楽しかったなぁ・・・

 現実を見て、現実から逃避する。
 声を出して泣き叫びたかった。
 嘘だと誰かに言って欲しかった。
 目まぐるしく愛撫の形を変える二人は後背位で繋がっており、そのままフィニッシュを迎える覚悟が込められた激しさで昂まろうとしていた。
 武瑠の身体が硬直し、バキバキに硬く盛り上がる腹筋。それと相反した紗綺の柔らかそうな尻が打ち付けられる度にたわわな波紋を伴って揺れる。疲労を遥かに凌駕する性欲は、汗だくの二人に一寸たりとも休む暇を与えない。

「有二より、いいだろっ?ああっ、紗綺っ!紗綺っ!」

僕の名を呼ぶな
こんな時に、僕の名を呼ぶな、武瑠

「いいっ・・・ゆ、有二よりも・・・あの人よりも・・・ずっとずっと、いい!・・・」

 圧倒的なセックスを目の当たりにしている僕は、二人のやり取りを聞いていても不思議なくらいに冷静だった。

言われなくても分かる。そんなの、誰だって分かるよ・・・・
でもな・・・・でも、君は僕のフィアンセじゃなかったのか?・・・・結婚を約束したじゃないか・・・・こんなの、あんまりじゃないか・・・・
もう・・・・君の中に、もう僕はいないのか?

 とめどなく溢れる涙を拭った。今度は何度も何度も拭った。目元が赤く腫れ上がろうと関係なかった。こんな事で流す涙なんか、僕はいらない。

「ああ、紗綺っ・・・最高だよっ、今夜のお前、最高だよ・・・」
「私だって・・・」
「離れたくないなぁ・・・紗綺と、ずっとこうしていたいなぁ」
「・・・・あっ、・・・・や、イクッ・・・・」

 武瑠の下でガタガタと震え出す紗綺を、彼は動きを止めて見つめていた。背骨が折れそうな程弓なりになり、シーツを握り締めた拳がワナワナと震えている。

「大丈夫?」
「ん・・・・」

 武瑠の大きな手が紗綺の重く揺れる乳房を包み込む。息も絶え絶えの彼女は彼の手に自分の手を重ね、そして振り向いてキスをねだっていた。
 乱れた前髪が邪魔で彼女の表情は窺い知れないけれど、半開きの濡れた唇のなんと淫靡なことか。自分の腕の中で将来を語り合った無邪気な彼女の姿はそこには無かった。

「今までで最高のセックス、しような?」
「・・・・うん」

 大海原を漂う船のように、武瑠の下半身が再び揺らぎ始める。

「俺の気持ちは一生変わらないから」
「・・・・」
「だけど紗綺の気持ちも尊重する・・・・」
「・・・・ごめん・・・」

 二人の会話の意図が分からなかったが、言葉を発する度に絡みつくように交わる舌と指が、少なくとも今の二人の想いを代弁しているようだった。

「だから、今夜だけは、最後だけは・・・・今までで一番の二人でいよう」
「んっ、・・・・あっ、あぁ・・・・」

 次第に強くなる摩擦運動が彼女の中を蕩けさせ、返事と嬌声の境界を曖昧にする。

「これまでで一番の夜にする」
「あっ・・・いい、そこ・・・・凄くいいっ!・・・・んっ、あっ、あっ、あっ」
「俺が高校の頃試合に負けた時、お前を抱いたあの日よりも、もっともっと最高で忘れられない夜にしたい・・・」

押し潰された紗綺の背中に武瑠が乗りながら、闘うように身体を求め合う二人を見つめる僕の耳が聞こえなくなった。

・・・・え?

 何も聞こえない。自分の鼓動の音さえ、いや、呼吸すら出来ていないのかもしれない。
 僕が感知できるのは、目の前で猛り狂ったように腰を叩きつける男の姿のみ。

た、武瑠・・・・今、なんて言った?・・・・

 双丘の間を極太の性器が激しく出入りする。指がふんわりと埋まる柔らかで豊満な紗綺のお尻を鷲掴みして、武瑠は決死の形相でクライマックスに向かっていった。

高校の頃?・・・抱いた?・・・・

 優しさなど皆無の激しいセックスは、苦渋と歓喜の相反する表情を見せる紗綺の背中に体液を放つ事で終焉を迎えた。
 汗ばんだ彼女の背中を真っ白な精液が滑るように四方八方に散らばり、尚も上書きするように武瑠の性器から迸る。何度目の行為か知る由も無いが、その量は間違いなく自分の一度目のものよりも遥かに多い。

「武瑠・・・・好き・・・・大好き・・・・・・・・もっと、もっと貴方と・・・・セックス、したい・・・・」

 最後にその声を聞いたような気がしたけれど、よく覚えていない。気付いたら、僕は雪の中にいたのだから。





「おい、有二」

その声にハッとした。

「おいおい、自分の家をもう忘れたのか?」

振り向くと父が笑っていた。

「街の方はどうだった?お前が住んでた頃に比べると、もうすっかり寂れちまっただろう?」
「ああ・・だね・・・・」

 そのあまりに温かくて仁愛に満ちた父の顔を見ていると、じんわりと熱くなる目頭を押さえずにはいられなかった。見返りを求めぬ肉親の愛情の、なんと心地良い事だろうか。

「母さんももう少しで用意できるから、有二も早く支度しないとな」
「・・・うん」

 綺麗に端に避けられた綿飴のような雪の回廊を父さんの後をついて家に入っていった。
 暖かな部屋と子供の頃から知っているこの匂い。柱や壁に刻まれた小さな傷の意味を全て覚えている。懐かしさに包まれるこの場所が、多忙を極めるアメリカでの生活に翻弄された僕の心を研ぎ澄ます。
 僕が紗綺に対して抱いていた愛情と、両親が僕に注いでくれた愛情に違いがあるなんて考えた事もなかったのに、生家にいる今感じるこの違和感は何なんだろう。
 昨日の内にバッグに入れてあった着替えを、もう一度確認している手元の感覚がない。

僕が与えた彼女への愛情が間違っていた?

 いや、決して間違いではなかったはず。なのに、心の奥深くに漂う後悔を僕が一掃できないでいるのは何故?

「有二、用意はできたかい?そろそろ行くよ?」
「あ、うん、今降りてく」

 ボストンバッグを抱えて立ち上がる。電源を切ったままの携帯に手を伸ばしたけれど、僕はやっぱりそれを持っていく事を諦めて階段を降りていった。




 軽くフリックすると雪崩のようにスマホの画面を流れる名前の数々。1,000名を超える名簿の殆どが女性の名で占められていたが、何故かスマホの持ち主はその半数以上の名前を覚えていない。一夜限りの逢瀬の筈が、本人の意思を無視して無理矢理渡された連絡先も多いから無理もないのだろう。ろくに名前も見ずに無造作に消去していくが、時折その指を止めては躊躇い、そしてやはり消して行く、という操作を繰り返していた。
 ベッドに座って右手を後ろに着き、左手で繰り返すその作業、一人一人の名前を注視する集中力が次第に削がれていくのは、身体を擽る柔らかな肌の所為。

チュプ・・チュッ・・・・チュル・・・チュッパ・・・ 
 
 武瑠は画面を見つめながら、彼の乳首を柔らかく口に含むその人の甘い香りを胸いっぱいに吸う。さわさわと身体にそよぐ柔らかい髪の毛先も心地良い。今すぐにスマホを放り出して抱き締めたいのに、それを咎められた彼はシーツを握り締めて耐え忍び、削除作業に集中しようとする。
 が、薄いTシャツ越しに押し付けられた乳房の感触に加え、キスマークが残る勢いで腹のあちこちを吸い、勃起し始めたペニスを緩やかに扱きながら脚の付け根に舌を這わせ、そして太腿、膝頭へとキスの雨を降らせる事を辞めない紗綺の奉仕に耐えるのは拷問に近かった。
 南中にある太陽から強い日差しがカーテン越しに差し込んで世の中が通常通り動いている事を知らしめようと、十時間以上裸で重なり続けている二人には無関係。最後の日を過ごしているカップルには、社会性とか時間の概念をかなぐり捨ててまで温もりを分かち合う事を優先する必要があったのだ。
 彼の前に正座した彼女は、彼の右脚への奉仕を終えると、そのまま左脚を両手で持ち、同じように指を一本一本口に含んでいった。揺れる長い髪を耳にかけながら丁寧にしゃぶり、指と指の間も伸ばした舌で唾液を塗すように舐める。その行為の一つ一つは情欲ではなく謝意を示すような献身さからなされるものであったが、あまりに扇情的な光景に、それを上から見下ろす彼のペニスの先からは透明な液体が溢れ、幹を伝っていた。

「食事作る前に、シャワー浴びてくるね・・・」

 そう言って立ち上がった彼女は、パンツの横の紐を親指に引っ掛けて少しだけ上げると、控え目な笑顔と憂のある瞳で彼を見つめながら呟いた。狂瀾怒濤さながら、ベッドや床の上で激しく絡み合いながら絶頂を貪った痕跡を微塵も感じさせない淑やかな佇まい。ただ、小さなTシャツにパンパンに詰まった丸い乳房と僅かに見えるお臍の影が彼の呼吸が鎮まるのを許さない。踵を返して部屋を出て行く彼女をベッドの上から見送ると、彼は作業途中のスマホを握り締めたまま、一呼吸おいてから部屋を出て行った。
 



 熱いシャワーを頭の上から浴びる。
 目の前の鏡に映る自分の裸を見ながら、所々に着いたキスマークを人差し指でなぞる。

「こんなに、沢山・・・」

 今までの武瑠との逢瀬ではタブーだった行為。それを今日はふざけ合いながら、寧ろ紗綺の方から誘い、そしていつしか夢中で口付け合った結果は、結局彼女には後悔以外の何物も残さなかった。
 鏡に映る自分の顔が自分ではないような錯覚と、シャワーのお湯と涙の境界線が曖昧なのが救いだと感じるのは、希求と軽蔑が彼女の中に同居する証拠。
 赤く充血した瞳を手で拭うと、ついさっきまで全てを曝け出していた相手の前に、肌の露出を極力控えるべくバスタオルを身体に巻いて向き合った。

「ご飯作ってる間に武瑠も浴びてきたら?」
「うん、そうする」

 ソファから立ち上がった武瑠は全裸。二人が愛し合った痕跡を残したままのそこを隠すそぶりもない。
 紗綺は肩が触れ合う距離ですれ違う彼に視線を向ける事も出来ずに、前を向くだけ。そしてそこにはいつもの部屋の光景、のはず。

「・・・・ん?」

 だからこそ、その違和感に気付くのにそう時間はかからなかった。
 軽く辺りを見回す。
 エアコンの微風に揺れる閉めたままのレースのカーテン。時を刻む微かな時計の音。そして壁に掛けられた彼のジャケット。
 何もかもが見慣れた物なのに、その中に見つけた、もっと懐かしくて愛着のあるキーケース。

「これ・・・」

彼女はテーブルの前に座ると、それを手に取った。

「どうして彼の・・・有二のがここに・・・・」

 床に座り込んでいた彼女は、ハッとして立ち上がり、寝室へ向かった。
 カーテンを開けた途端、眩しい明かりが差し込み、一昼夜繰り広げられた痴態の証拠を生々しく詳らかにする。
 彼女はあちこちを見回すと、床に落ちていたネックレスを見つけ、微かに彼の体液が付着しているそれを綺麗に拭きあげた。
 おかしな気分だった。
 有るはずのないものがある。よく考えてみればこのネックレスだってそう。彼女は彼のプレゼントを断っており、昨日は彼は手ぶらでこの部屋に戻って来たはずなのに。
 湯上りの熱い体が急速に冷えて行く。

嘘、でしょ?・・・

 紗綺は部屋の鍵とネックレスを持って浴室へと駆けて行った。

「武瑠、このネックレスって・・・」
「ああ、それな。言ってくれりゃ良かったのに」
「なんで?どうしてここにあるの?」
「え?何言ってんだよ。紗綺のものなんだろ?有二にもらったんじゃ?俺が買ってやるって言ったら・・・・」
「違う!私のじゃない!」
「え?・・・・・・なにそれ・・・」
「・・・・この、鍵、は?・・・」
「それ・・・」

武瑠はシャワーの蛇口を止め、紗綺が持っていた鍵を手に取った。

「・・・有二、のか?・・」

紗綺は頷きもせず、見開いた瞳を武瑠に向けるだけ。

「このネックレス、どこにあったの?」
「テーブルの上、だけど・・・」
「・・・・」
「お、おい・・・・」
「この鍵も、昨日帰ってきた時・・・無かったよね?・・・・」
「多分・・・・」

有二が来た
昨夜この部屋に、有二が来たんだ

 彼しか持っていないはずのこのキーケースが全てを物語っていた。

それに、クリスマスだから・・・
このプレゼントもそう・・・

 有二はこういう特別な時にとびきりの優しさをくれる人だという事を、紗綺は今、この瞬間思い出していた。

「ま、まさか・・・・」

 悍ましい程の嫌悪と後悔に言葉を発する事も出来ないでいる紗綺を後ろから支える武瑠、彼もまた、正気を失った面持ちでその目は宙を泳いでいた。

「昨夜・・・・来た、ってこと?」
「・・・・」
「クリスマス、帰国する事に、なっていたのか?」

 微かに首を横に振る彼女の肩が震えていた。
 言葉を無くした二人は、そこに立ち尽くす。耳に届くのは、武瑠の身体から滴る水滴が床を叩く音だけ。

「ゆ、有二が・・・テーブルに置いていったのか・・・」

 本当の罪の深さを思い知るには、まだまだ未熟で若過ぎる二人ではあったが、少なくとも眩しい青春の日々を述懐する資格を永久に失ってしまったことを、この瞬間、悟っていた。















Twitter始めました

最近始めました。このブログを覗きに来てくれているエロい方々と会話したくて(笑)
@realloventr です。何卒よしなに・・・

さて、意図しない禁欲生活の所為か、私の中で登場人物達が踊り狂い始めました。しかもエロい事ばっかりしています(笑)忘れないように随時ポチポチスマホに打ち込んでいますが、やたらエロい場面ばっかなので、打ち込みながら勃起させています。完全に変質者です(笑)
私の脳内、いや、心の中で自己主張してるのは紗綺ちゃんですね。最近ずっと紗綺がやたらエロく挑発してきます。
でも、正直この時を待ってたのも事実です。やっと来てくれたか、って感じです。
というわけで、次回作は「トライアングル・トラップ」の続編になります。
最初は1話だけのエピローグ的なものを想定していましたが、お腹を波打たせてグラインドさせて精液をおへそに溜める彼女の挑発があまりにエロいんで、多分1話では終わりません。完全に「続編」扱いの数話構成になるかと思います。
後日談ご希望の方も結構いらっしゃったかと思いますが、あともう少しだけ、お待ちいただければと思います。

 

~曇り後晴れ、ときどきストロベリーキャンドル 外伝~  安河内浩智の憂鬱な日々(後編) (おまけ)




「あれ?開いてない・・・・まだ来てないのか・・・」

 

思わず独り言を言ってしまった。

 

5時の約束なのに・・・この寒い中、外で待つってどんな拷問だよ・・・・ったく

 

黙っていては身体が冷える一方だ。俺は小刻みに足踏みしながら両手を擦り合わせていた。以前なら彼女の方が少し早いくらいだったのに・・・・と思っていたら駆けてくる人の気配。ああ、やっと来たか・・・・

 

「ごめんね恭介君、少し待ったでしょ?」

「大丈夫っす」

「だよね、若いもんね、てかさ、少し待つくらいが丁度いいんじゃないの?」

 

焦らされる方が燃えるってか?いかにも大人の考えそうな事だよな。いいよ、つまり、今日は覚悟してますって事だよね?

 

「日曜なのに会議がちょっと長引いちゃってね、ごめんね」

 

そう言って彼女は俺の頬を両手で優しく包んでくれた。

 

「ああ、冷たい。本当ごめんねー」

「その分あっためて下さい」

「ははは、言うねー」

「時間、あるんでしょ?」

「それがさぁ、今日イブじゃない、予定入ってるんだよね。まあ30分くらいかなぁ」

「マジっすか」

「マジなのよね」

 

そう言いながら、俺たちはコートを脱ぎ、上着を脱いでいった。

 

「イブだから、彼氏とデートとか?」

「そうだよー」

「デート前にいいんすか?」

「ははは、ダメだよね、本当は」

「あ、そのままでいい!」

「え?あっ、あぁ、・・・本当、好きだよねぇ」

「それでブラだけ外して」

 

全裸になろうとする彼女をすんでのところで止めた。短いタンクトップとパンツだけ。ムチムチとした肢体を堪能するには、いきなり全裸は勿体ないってのが俺の持論。

器用にブラだけ外した彼女を後ろから抱き締めた。両腕から溢れそうな肉感的な身体からは、年齢相応の色香が放たれていた。

 

「恭介君てさ、結構ガツガツ来るよね」

「優しくされたいですか?」

「いや、これはこれでいいんだけど」

「知ってます」

 

薄いタンクトップの上から既に勃起している乳首をギリギリと摘む。

 

「あっ!あぁぁっ!いい・・・」

「メッチャ乳首立ってますね」

「だって・・・ああっ!いやっ!ああん!」

「部屋に入って10分しか経ってないのに、本当にいやらしいですね、吉富先生は」

「ごめんなさいっ・・・・」

 

首筋の芳香は確かシャネルの何番とか。微かに漂うだけの絶妙な分量が27歳の大人の嗜みなんだろう。正直この匂いだけで1回は出せる。ベタベタときつい匂いを漂わせるガキの香水の付け方とは大違いだ。

自称Hカップの胸を揉みクチャにした後、細く括れた腰を撫で回し、お臍に人差し指を差し込んで掻き回す。大きな喘ぎ声は外に聞こえるのではと懸念するに値する音量。ただ、男を歓ばす術の一つであると理解している彼女の喘ぎ声は、本当にエロい。

 

「先生、濡れ過ぎですよ・・・・」

 

耳元で囁くと、先生は身体を小刻みに震わせてイき始めていた。いかにセックスに慣れた大人の女であろうと、こう簡単にイくなんてことはないだろう。

床にへたり込んだ先生の前に、いつものように仁王立ち。すると乱れた前髪を直しながら、舌先に乗せた唾液を亀頭に垂らして行く。

 

「元気、だよね」

「若いですから」

 

唾液を指で広げ、亀頭、カリ首、竿に丹念にまぶして行く。10本の細い指のそれぞれが実に的確にツボを捉え、まるで蜘蛛の足のようにチ◯ポに絡みつく。

 

「は、早く、フェラして」

 

クスッと笑うと、先生は横笛を吹くように唇の裏の粘膜で先から根元までベロベロと何度も往復させ、そして亀頭を口に含んでグチュグチュと舌を中で回し、ディープに咥え込む。

 

「凄え・・やっぱ凄えよ・・・」

「ふふ、硬いね」

 

睾丸を絶妙なタッチで揉みほぐされ、精液が急速に駆け上がろうとする。

 

「まだダメだからね」

 

先生はそう言うといつものように俺の脚をベンチに乗せ、股の間に顔を潜らせて肛門を舐めてきた。逆手にチ◯ポを扱きつつ、お尻を二本の指で開いてそこに舌をねじ込んで舐め回してくる。中学以来何人かの女子と付き合ってきたけれど、こんな事をしてくれるのは当然吉富先生しかいない。

 

「ああ!先生!出るって!ああっ!」

「あんっ、ダメっ!ダメだよ、まだダメ!」

「無理無理!ああっ、先生、出るうっ!」

 

先生はなんだかんだ言っても結局慌ててチ◯ポを咥えてくれた。勿論、口内射精。そして全部飲んでくれた。

 

「凄い量・・・・」

「ごめん、昨日あんま抜いてないから」

「もう、早いよ・・・ふふふ」

 

丹念なお掃除フェラをしてくれるのもいつもの事。根元から先にかけて絞るように尿道を圧迫し、溢れ出る精液を舌を出して受ける仕草は何度見てもそそられる。

 

「あの、吉富先生、このまま、いい?」

「んー・・・」

「ダメ?」

「本当に時間無いんだよね・・・・」

 

悩みつつ、先生の右手はシコシコと俺のを扱いていた。名残惜しさ満点なのに今ひとつ踏ん切りがつかないのは、結婚を予定している彼氏とのデートの時間を心配しての事。俺を取るのか、彼氏を取るのか、そんな事考えるまでもなく明白なはずなのだが、出したばかりのチ◯ポをヌタヌタと扱いてフル勃起させようとしているのは入れる気満々だからなのでは?

俺は上から手を伸ばして薄い布地越しに豊満な乳房を揉んだ。

 

「あん、ちょっと・・・・」

 

そう言いつつも、扱く右手の速度を上げる先生。

俺はそのまま彼女をベンチに押し倒し、抵抗する気の全くない先生の下半身を大股開きにした。

 

「遅れるって、電話してよ」

 

そしてそのまま挿入。先生とは一度だってコンドームをつけた事はない。

 

「ああんっ、もうっ・・・・あっ!あんっ!あっ、そこ、いいっ!ああっ!あふっ!んっ!」

「なぁ、早く電話しなって」

「だ、だって、あんっ!・・・こんなんじゃ出来ない・・・・あああっ、いやっ!そこっ!すっごい!ああっ!」

 

俺は動きを止め、先生の携帯を手渡した。

 

「彼氏になんて電話するの?」

「職員会議で30分遅れるって・・・」

「1時間って言ってよ」

「ダメだよ、そんなの・・・」

 

泣きそうな顔が興奮を高めてくれる。堪えきれずにギリギリまで腰を引いて、そして一気に押し込んだ。その刹那、大きく喘いだ先生は携帯を床に落としてしまった。

 

「ダメじゃん、先生、落としたら」

「だって・・・・もう、絶対に動かないでよ?」

 

スマホを操作している先生の表情は相変わらず泣きそうなまま。

 

ああ、動きたい

滅茶苦茶にピストンしたい

 

「あ、利明さん?ごめん、会議が長引いていて・・・・」

 

相手に繋がると、実に凛として応対している先生。さっきまでの懸念は何だったのか?ちょっとだけ悔しいと思った。彼氏のより気持ち良いと言っていた俺のチ◯ポを奥まで入れている状態なのに、至って普通に話せている先生。口元を手で隠して余計な音が入らないように話しているその下半身、だらしなく股を開いて教え子のチ◯ポを咥えこんでいるってのに。

ピッタリと張り付いたタンクトップに浮き出る乳首、真っ白いお腹、愛液で白く染まる陰毛を見ていると・・・・

 

ダメだ・・・・我慢できないよ・・・・

 

ズルズルと腰を低く。

途端に先生が泣きそうな顔で首を横に振る。

ホイップクリームを塗ったくったような真っ白なチ◯ポ、亀頭の段差が入り口に引っ掛かるところでグッと押し込んだ。

 

「はあぅっ!」

 

必死に抑えた口元から漏れた微かな嬌声。先生は懇願するように首を横に振り、涙目で俺を見つめてくる。ちょっと悪ふざけが過ぎたか。

 

「うん、ごめんね、1時間くらい遅れるから、うん、ごめん、また連絡するね」

 

そう言って携帯を切るか切らないかでピストン運動を再開させた。

 

「ああんっ!もうっ!ダメって、言ったの、に、ああんっ!あんっ!あんっ!あんっ!いやんっ、ダメっ・・・・ああっ、あああ!」

 

円を描くように暴れる胸を見るのは男冥利に尽きると思った。掴んでも指の間からムニュリと溢れる肉感は至高の感触。先生の中で益々勃起が硬くなるのを感じた。

 

「せ、先生!出すよ、このまま!出すよ!」

「ダメっ!今日はダメっ!中はダメ!」

「な、なんで?」

「これから彼氏に会うのに・・・だから中はダメ」

 

ギリギリの所で動きを止めた。

 

「彼氏と会ったら、やっぱエッチするの?」

「そんなの分かんないけど・・・・」

「途中でやめる?」

「・・・・」

 

下腹部がジンジンする。今すぐにも射精したいと身体が求めている。なのに、俺はちょっとした遊びをしようと考えている。

 

「じゃあやめようか?先生」

「・・・・」

 

俺を見つめる先生の瞳は戸惑いの色。

 

「やっぱさ、ゆっくり動くから」

「・・・・うん」

 

意味の無い折り合いをつけた。俺だってやめたくないし。

 

「なんで・・・今日は葉月ちゃんと一緒じゃないの?」

「ああ、クリスマスは家族で過ごすんだって」

「そうなんだ・・・」

「クリスチャンでも無いんだけどね」

「不満そうね・・・・あんっ!」

「でも吉富先生が会ってくれてるから・・・」

「私は葉月ちゃんの代わり?」

「いえ、ごめんなさい」

「いいよの、別に、私達セフレなんでしょ?」

「・・・・」

「お互い様だしね・・・・あっ!そこ・・・もっと・・・」

「先生メッチャエロいっす」

「それ、褒め言葉?」

 

先生がタンクトップを脱いだ。

とても重たそうな胸がたゆんたゆんに揺れた。

 

「葉月ちゃんと比べて、どお?」

 

教師が言う事だろうか?教え子とセックスしながらその彼女と比べるなんて。

 

いや、先生もただの女って事かも・・・・

 

「先生も綺麗です」

「ありがと・・・お世辞でも嬉しいよ」

「・・・・」

「恭介君も、凄く上手だよ」

 

先生の腰を両脇から掴んでピストンを速める。

 

「マジっすか」

「あっ!あんっ!・・・すっごく、上手・・・」

 

先生はいきなり俺の首に手を回して引き寄せると、耳元でこう囁いた。

 

「好きなように動いて・・・・滅茶苦茶にして」

 

下腹部が律動するような興奮が急激に盛り上がり、俺は無我夢中で腰を動かした。恋人よりも柔らかくてふくよかな身体に抱き締められ、粘膜と粘膜を直接擦り合わせる甘美な快楽に目の前の一切を忘れて行為に没頭した瞬間だった。

 

「あっ、あっ、あっ、凄いっ、恭介君の、奥まで届いてるっ!あっ!んあっ!んんっ、いや、そこっ、あんっ!」

 

グッチャグッチャと卑猥な音が部室にこだまし、ストーブがいつしか消えてしまっている事にも気付かなかった。

 

「い、イクッ!・・・恭介君!・・・・あっ・・・・イクッ!・・・・」

 

背中を弓なりに逸らし、頭頂を支えにしてブリッヂの体勢で痙攣し出す先生の身体。俺はその上に全体重をかけたまま、ドクドクと一番深い所で射精した。二人の全身から汗が吹き出し、滑る肌と肌を密着させたまま、性器を合体させた一番敏感な部分で快楽を爆発させたんだ。一瞬、いつものように中に出してしまった事に気が怯んだが、めくるめく絶頂の快感に抗うことなど不可能で、断続して身体中を駆け巡る痺れるような快楽のまま、腰を叩きつけたんだ。

 

「き、恭介・・・・君・・・・」

 

息が上がったままの先生からは、中出しを咎める言葉は無かった。ただ、俺の名前を譫言のように呟くだけ。

 

「先生、俺が頼んだ通り、1時間遅くなってもいいんだよね?」

「・・・・」

 

何も言わない先生の身体を裏返しにし、尻を高く持ち上げた。ついさっきまで俺のチ◯ポが入っていた所がパックリと開いており、パクパクと収縮を繰り返す度に中からドロっとした精液が溢れ出てきていた。

脳髄が溶けそうな興奮で前後不覚になった俺は、そのままバックで挿入、無我夢中でセックスに没頭した。

 

もう今夜は帰さない

この女も、俺のものにする

 

結局二人が部室から出て来たのは明け方近く。人目を盗むように中から出てくると、建物の陰でキスをしてからそれぞれの帰る場所へ向かったのだった。







 

 

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