2015年08月25日

処方箋薬支出の増大により、一世帯当たりの医療関連費は今年も増加

一世帯当たりの医療関連費は引き続き増加

保険数理コンサルティング会社ミリマンは、2015年5月に発表した調査レポートの中で、2015年の一世帯当たりの年間推定医療関連費※が、対前年6.3%増の$24,671に達したと発表しました。【図表1】 
※ 雇用主提供の医療保険プラン(PPOプラン)に加入する4人家族(大人2人、子供2人)を想定し、ミリマン社が算出した保険数理分析の結果。


図表1



従業員へのコスト転嫁

雇用主と従業員の医療関連費負担割合については、雇用主負担が約6割($14,198)、従業員負担は約4割(従業員負担分保険料$6,408+医療費自己負担額$4,065)と前年同水準でした。 従業員負担額の増加率は8.0%と雇用主の増加率5.0%を上回り、ここ数年の従業員へのコスト転嫁傾向が、今年も続いていると言えます。


新薬発売により処方箋薬支出が増加

一世帯当たりの年間推定医療関連費の増加についてミリマン社は、処方箋薬に対する支出が急増したことが主な原因であると報告しています。医療関係の調査を手掛ける IMS Institute社によると、2014年の米国における処方箋薬支出総額は、対前年13.1%増の3,739億ドルでした。新薬発売が相次いだことや既存ブランド薬の価格上昇、ブランド薬の特許切れが例年に比べ少なかったこと等が支出急増につながったと IMS Institute社は分析しています。


雇用主提供の処方箋薬給付保険の動向

カイザーファミリー財団の従業員ベネフィットに関する調査レポート(2014年)によると、雇用主提供プランに加入する従業員のほぼ全員(99%)が処方箋薬をカバーする保険に加入しており、そのうち90%がジェネリック薬・Preferred Brand薬・Non-Preferred薬など、分類別に異なるCopayやCoinsuranceが設定されたプランに加入しています。そのうち最も利用されているプランは3分類(60%)ですが、4分類またはそれ以上に分類されたプランの加入者は増加傾向にあります。費用負担方法については、引き続きCopayが主流となっています。

図表2



注目される高額処方箋薬(Specialty Drug)

その中でも特にSpecialty Drugに関連した支出は、対前年26.5%増と、処方箋薬支出全体の3分の1を占めるまで著しく増加しています。一般的にSpecialty Drugとは、特別な保存・取扱い・投与方法を必要とする高額処方箋薬で、癌など深刻な病気の治療に利用されます。2014年は例として1錠1,000ドルを超えるC型肝炎治療の新薬が支出を押し上げる結果となりました。今後もSpecialty Drugに関連した支出は上昇を続け、2020年までに処方箋薬全体の約半分を占めると予想されています。


処方箋薬支出の抑制に向けた対応策

処方箋薬支出の抑制に向けた企業の対応策としては、事前承認制度などの管理プログラムやコスト削減を誘導する保険プランの導入【図表2】、また、Formularyと呼ばれる保険プランでカバーされる処方箋薬リストの絞り込みなどがあります。Specialty Drugについては診療所や病院などで投与されることがあるため、処方箋薬給付保険ではなく医療保険に給付請求される場合があることも気をつける必要があります。



***当記事は一般的な情報を提供することを目的としており、法律上、会計・税務上、従業員向け福利厚生上、医療上等のいかなる専門的なアドバイスの提供を目的としたものではありません。連邦法・州法は変更する可能性がありますので、最新情報・詳細及び特定の企業・個人への影響についてのアドバイスにつきましては、顧問弁護士にご相談ください。***




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2012年10月14日

消費者心理指標5年ぶりの上昇

世界、そして国内の経済にたちこめる暗雲にも関わらず、アメリカの消費者は2007年秋以来最高の楽天的気分でいるようです。ミシガン大学とトムソンロイターからの予想外に強気の消費者心理のレポートは、年末にかけてのホリデーショッピングシーズンにはこの指数がさらに予想を上回ることを示唆しています。

指数はこの10月、83.1まで跳ね上がり、前月から5ポイント上昇、2007年秋以来最高の指数となりました。 

分析家は低成長が続く中、もっと低い指数を予想していましたが、現在の資産状況と将来の見通し、そして又所得が7.5万ドル以上とそれ以下の世帯の両方で前月より上昇しました。

このミシガン市場調査レポートは今週発表されたポストリセッションを示唆する3番目のレポートです。

その最初のレポートは9月の失業率で3年半ぶりに7.8%へと減少し、そして失業保険申請者数も2008年2月から最低のレベルまで減少しました。

このレポートについてバークレーズバンクのエコノミストは「労働市場と所得状況が改善しているため消費者心理指数は上昇し続けるだろう。」とコメントを発表していますが、一方でキャピタルエコノミックスのエコノミスト、アサフ氏は「この指標は資産とガソリン価格に左右されがちだ。今の指標は労働市場の影響で上昇しているが、この改善が下四半期の消費増大にどう繋がるかを懸念している。」と述べています。


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2012年10月05日

どうなる?大統領選後の医療保険改革

2012 11 6日に行われる米国大統領選挙に向け、 8 2730日には共和党大会が、 9 46日には民主党大会が開催されるなど、選挙戦がいよいよ本格化してきました。共和党大会ではロムニー前マサチューセッツ州知事とライアン下院予算委員長が、民主党大会ではオバマ大統領とバイデン副大統領が、大統領候補・副大統領候補として正式に指名され、受諾演説を行いました。

NBC News/Wall Street Journalが実施した最新の世論調査( 9 1216日実施)では、オバマ大統領支持が 50%、ロムニー氏支持が 45%と、オバマ大統領が 5ポイントリードとなっていますが、予断は許さない状況です。

大統領選の争点の中でも注目を集めているのは、今年 6月に連邦最高裁で大部分が合憲判決を受けた医療保険改革法です。2010 3月の成立当時から同法は米国民の間で賛否両論が続いており、連邦最高裁の合憲判決後に NPRが行った世論調査では、同法に対する「不支持」が 48%と、「支持」の 43%を上回りました。しかしオバマ大統領が再選されれば、同法が大きく形を変えることはないと見られています。

一方ロムニー氏は、医療保険改革法について反対の立場をとってきたものの、あるテレビ番組のインタビューでは「保険会社に対する既往症患者の謝絶(加入拒否)や差別的保険料設定の禁止」など、同法の一部は存続させつつ、独自の代替案を提示すると主張しています。

ロムニー氏のこの発言について、政府や一部の専門家は、仮に「既往症患者の謝絶(加入拒否)や差別的保険料設定の禁止」が存続となり「個人の医療保険加入義務化」が廃止となった場合、健康な加入者が減る一方、健康リスクが高い加入者の割合が増え、保険料高騰につながると指摘しています。



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