こんにちは。
神谷敦彦です。

『高額転売反対』を共同表明するニュースが
2016年の8月22日に話題になりました。
それから状況は好転していないようにも見えますが、 
徐々にミュージシャンが転売に対して
声を挙げることが増えたように思います。

V系界隈でも、
高額転売は問題になっています。
「Stuppy Vol.15」では
DADAROMAのよしあつさんが
作品と絡めて高額転売について
考えを述べています。

ゴールデンボンバーの
鬼龍院翔さんにいたっては
ワンマンLIVEのタイトルに
「~チケットキャンプで転売禁止の巻~」という
文言も入れてますし(尊笑)
 
ミュージシャンらしい意見表明と
スタンスを買う消費行動について
今日は書いてみます。 

【目次】
(1)高額転売の楽曲化
(2)高額転売のLIVE化
(3)編集後記

(1)高額転売の楽曲化
DADAROMAは
HPのDISCOGRAPHYページに
作品の解説をつけています。
自分たちのセールスポイントの比重を
作品に置いていることが分かって
これだけで感動します。

そんなDADAROMAのよしあつさんが
「Stuppy Vol.15」で
ミニアルバム「dadaism♯3」収録の
「狼少年と毒林檎」に触れながら
高額転売についても言及しています。
■DADAROMAのよしあつさんの「Stuppy Vol.15」のインタビューからの引用
大きな衝撃だったのが、
ファンのチケット高額転売。
純粋にバンドを応援してくれているはずなのに、
どうしてそんなことをするんだろう?
でもそれに対して”嫌だ”と
言ったところで止めてはくれないし、
結局は無意味な発言にすぎない。
高額転売に対する怒りは
至る所で表明されています。
でも、表明したところで
何も変わらないという
あきらめも感じているのが
よしあつさんです。

ただ、あきらめるだけというよりも
現実を受け止めるという
力強いスタンスを感じます。
高額転売に対して憤っている暇があるなら
それによって痛みを感じている人のために
できることをしたいというスタンスです。
「クワイエットレッド」の歌詞を
思い出しました。
>参考記事:【2016年おすすめのV系の曲の感想と解釈】sukekiyo「anima」、DADAROMA「クワイエットレッド」
■DADAROMAのよしあつさんの「Stuppy Vol.15」のインタビューからの引用
社会のなかにも”おかしい”と
思うことはたくさんあって、
それに対して何をいっても変わらないんだろうけど、
でもこの生きにくいご時世で
僕は”君”が泣いている気がするんです。
だから、できる限りでできることを
続けるよ、と。
高額転売という具体的な問題から
さらには世の中の不条理にまで
話を広げていきます。
そういった悲しいできごとすらも
作品に変えてしまう
DADAROMAのスタンスは
V系らしいと感じます。

また、高額転売に対して
Noを言うだけでは無意味であると
ある種シニカルに、
でも現実を直視するスタンスも
なんだか励まされます。
ここで「Noを言い続ければ
高額転売をする人にも気持ちが伝わる!」と
夢物語を描くのではなく、
現実は現実として受け止めるスタンスも
よしあつさんの言葉からは
感じることができます。

一概には言えなくなっていますが
V系がその他の音楽と一線を画す点のひとつは
悲しみやコンプレックスを作品化したり、
ごまかしたりせず受け止めたりすることです。

それによってマイナスの体験に打ち勝ったり、
作品化することで克服したりと
聴く者に勇気を与えてくれます。

X JAPANの映画「We Are X」は
様々な命題を投げかけてきますが、
そのひとつに「私たちは
悲しみとともに生きていける」という
メッセージも含まれているように感じます。
よしあつさんの言葉にも
近いものを感じました。

(2)高額転売のLIVE化
よしあつさんの他にも
もうひとり高額転売を
作品に組み込んでいる人がいます。
それが、ゴールデンボンバーの
鬼龍院翔さんです。

ワンマンのタイトル名は
102文字と長いので
「ウィンウィン」と略しますが、
その最後には「~チケットキャンプで転売禁止の巻~」と
具体的なサービス名まで入れ込む
攻めの姿勢を見せています。

高額転売は音楽を聴かない、
支持している作品がない人にとっては
「需要に対して供給が少ないから
価格がつりあがるのは自然なこと」と
経済合理性の観点から
容認する意見がありますが
曲、LIVEだけをファンは
買っているわけではないので
この意見には同意できることは
ほぼないかと思います。

ファンはその曲、LIVEにお金を出すことで
作者のスタンスを買っています。
X JAPANや映画「We Are X」であれば
「悲しみとともに生きられる」、
DADAROMAのよしあつさんの発言であれば
「ひとりでも痛みを抱えている人がいれば歌う」などです。

音楽が売れないということの理由を
やや感情的な面から考えると、
もう音楽は溢れていていらないとも
いえるかもしれません。
では何がほしいかというと、
自分の生き方の指標にしたいと
強く思えるほどのスタンスです。

こういったスタンスは
自分ひとりでは
なかなか作り出せません。
そうなると、強く影響を受けた人物、
ミュージシャンといった
自分の心を大きく動かした人のスタンスを
自分の中に取り込みたくなります。

音楽にお金を払うことは
食べ物を買うというような
購買行動ではなく、
支持を表明するような
投票行動になっているのかもしれません。

(3)編集後記
本日は高額転売の話題から
どんな出来事も作品化する
ミュージシャンらしい姿勢、
さらにはファンがお金を払うのは
作品を超えてスタンスにあるというところまで
広げて考えてみました。

音楽は身近になりましたし
数も増えましたが
行動の指標にするようなスタンスになる
考え方は音楽に限らず
どのコンテンツにも少ないように思います。

確固としたスタンスになるような人物、バンド、作品を
作曲的に探していきます。
私にとってはV系が
スタンスを見つけやすい領域ですし。

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