こんにちは。
神谷敦彦です。

V系が好きだと言っておきながら
V系創始者世代(?)の
LUNA SEAについて追えておらず。
結成日である5月29日の武道館公演が
2回目の参戦になります。
5月はLUNA SEA強化週間です。
(「SANDY TIME」が聴けますように)

そんな強化週間の中で
INORANさんの「ROCK AND READ 053」の
インタビューを読みました。
そこには作り手、聴き手の数だけある
「名曲の定義」なるものがありました。

「名曲の定義」をたくわえておけば
聴き逃してしまうことを防げます。
これまでもこのサイトでは
清春さん、DER ZIBETのISSAYさん、
イエモンの吉井和哉さんの
「名曲の定義」を残してきました。
>参考記事:【イエモンの吉井和哉さんが語る「名曲の三つ目の定義」 】「MUSICA volume112」のインタビューの「イエモンは『代弁者』」に寄せて

そこにINORANさんの
「1曲にいろんな感情が混じり合った曲」を
追加してみます。

【目次】
(1)音楽が心に届く速度
(2)1曲に複数の感情を見つけてみる
(3)編集後記

(1)音楽が心に届く速度
■LUNA SEAのINORANさんの「ROCK AND READ 053」インタビューからの引用
僕は1曲にいろんな感情が
混じり合った曲が好きなんですよ。
失恋したから失恋の曲ではなくて、
失恋も新しい出会いも含めてとか、
その間になにかあったりとか。
音楽の好き嫌いは
感情によるところが大きく
明確に言葉にしてくださる方に
なかなか巡り合えていませんでした。
その中でINORANさんの
「1曲に複数の感情が混ざり合った」は
聴き方を変えてくださるほど
はっきりした視点です。

例えばINORANさん原曲であり
セルフカバーもしている
LUNA SEAの「gravity」も
「1曲に複数の感情が混ざり合った」曲と
いえるかもしれません。

ミディアムバラードに乗って
別れたあとの静けさと募る思いの激しさを
感じることができます。
別れたことで失った、それでも
永遠を求めるといった相反する感情とも
いえるかもしれません。

「1曲に複数の感情」がひとの心を掴む理由は、
そういった曲は現実に即していて、
リアルに聴こえてくるからでしょう。
別れの痛みなら痛みだけを訴える曲は、
痛みの裏にある愛情や憎しみであったりといった感情を
脇に置いてしまうことになります。

曲を現実逃避、幻想にひたる手段として
楽しむこともできますが、
それ以上に現実に起きた出来事に
言葉であったり感情であったりを
数分という短い時間で与えてくれるのが
曲しか持ち得ない力なのかなと思います。

Jさんも「人の心に届く速度」という観点から
音楽と他のコンテンツを比べて
音楽の持つ力を際立たせています。
■Jさんの「ROCK AND READ 049」インタビューからの引用
俺は服とかファッションが好き。
写真も、映画も、絵も、音楽もそう。
ただ、その中で人の心に届く速度で言うと、
音楽が一番強烈で早いなと
相変わらず俺は思ってるんだ。
(中略)
この1曲がなかったら音楽を聴いてなかった、
ロックしてなかった、ライブにも行ってなかった、
そういう曲に絶対みんな出会ってるじゃない?
そういう曲に出会ったときって、
理屈じゃないんだよね。

(2)1曲に複数の感情を見つけてみる
こうして「1曲に複数の感情が混ざり合った」で曲を聴くと
これまで自分が「良い」と感じられていた以外の曲も
反応できるようになりそうです。
椎名林檎さんが著書「音楽家のカルテ」の言葉をお借りすれば
ミュージシャンは「才能を使い切って見せてくれる人」です。
究極は1曲も聴き逃すことなく
反応できるようになるのが目標です。

そのバンドを知った曲というのは
思い出深いものになります。
例えばX JAPAN。
初めて「これがXの曲」と意識して聴いたのは
「紅」でした。
サッカーの試合前に自分を鼓舞するために
聴くことが多かったので
最初は歌詞はまったく気にしていませんでした。
勝負に出る前の応援歌と捉えたっきりでした。

ある拍子に歌詞を読んだときには
傷だらけ、もっといえば血だらけになっても
愛を求める人間を歌詞の中に見つけたように思い、
戦闘モードになれるメロディーに
心の内側の痛みを乗せた歌詞という
その相反する性質に心を奪われました。

愛や温もりを求める人の本能、
求めても手に入らない絶望など
「紅」も「1曲に複数の感情が混ざり合った」曲と
言えるのだと思います。

他にも私にとってGLAYに引き込んだ曲は
「Missing You」でした。
当時の私にとって音楽は
「毒にも薬にもならない」ものでしたが、
「Missing You」は劇薬でした。

TERUさんの感情をぶつけるような激しい歌い方と、
それに乗せられていた歌詞は
別れの痛みを冬の厳しさに
なぞらえていたものでした。
心に何か浮かんでも言葉にできず、
ずっと聴いていたことを
いまでも思い出します。

GLAY⇒X JAPANと聴いたあとは
有線放送をきっかけに
Janne Da Arcを聴くようになりました。
それに両親が聴いていたB'zが
私にとっての音楽であり、四天王でした。

そのマイ四天王(?)のひとりである
Janne Da Arcを知ったきっかけになった
「Rainy~愛の調べ~」もいま思えば
「1曲に複数の感情が混ざり合った」です。
確かに育てた愛、それでも訪れる別れと
感情が交錯するなかで
最後には一歩前に進む主人公が
目に浮かびます。
悩んでいたこともすべて
肯定してくださるような曲です。

(3)編集後記
これまで聴いて感動して
でも言葉にできなかった曲も
INORANさんの「1曲に複数の感情が混ざり合った」という
視点で聴き直してみると
明確な言葉を与えられるかもしれません。

言葉にできれば誰かに伝えられますし、
残すこともできます。
やはり作り手の方の「良い曲と思う理由・定義」は
これからも追い続けたいテーマのひとつです。

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