こんにちは。
神谷敦彦です。 

解散なり活動休止された方は一日も早く戻ってきてほしいのですが、
その半面、形が変わって戻ってきた場合はまた同じ熱量で好きになれるか不安でもあります。
特にSuGからsleepyheadになった武瑠さんのようにバンドからソロになると
印象が真逆になったりもしますし。

なのでアルバム「DRIPPING」を聴くのを少し遅らせていたのですが、
もっと早く聴けば良かったです(笑)
バラード曲ともいえる「HOPELESS」を最も繰り返し聴いています。
 

本日はsleepyheadの「HOPELESS」について書いてみます。
無気力ともいえるほど消えてしまいそうな武瑠さんの声と、
もやのかかったようなMVの絵がぴったり一致しています。
そこに乗ってくる歌詞は現在進行系でした。

【目次】
(1)希望と絶望を行ったり来たりする二人
(2)せつない曲が増えていく予感
(3)編集後記

(1)希望と絶望を行ったり来たりする二人
「バラードこそ代表曲であるべき」という教義(?)を掲げている身(?)にとっては、
バラードはそのミュージシャンを好きになれるかの踏み絵にもなります。
音も声も歌詞もはっきりと聴こえてくるので、好みがわかりやすいです。

sleepyheadの「HOPELESS」はサビが真っ先に聴こえてくることもあり、
曲の始まり3秒くらいで「好き決定」と思えるものでした。
SuGの「桜雨」にも感じたように、曲の終わりと同時に
消え入りそうな武瑠さんの声は健在です。

消え入りそうなのに健在というのも矛盾していますが(笑)
>参考記事:【堕落できる、しかもふたりで】SuGの「桜雨」は「一緒に堕ちていける」理想を描く:1230話目


MVの霧のかかったような白い世界。
武瑠さんの疲れを感じさせるような表情と声。
傷つきながら悩みながらも前を向こうとする歌詞。
そのどれもが具体的な登場人物をイメージさせます。

「HOPELESS」の中には具体的な人格を持った人物を感じます。
いまも共に生きてはいても、何度か別れを選んで、
その度に傷つき、傷つけられを交換した二人でしょうか。

その傷はまだ乾いていないように思います。
二人でいることの方が喜びも大きいことは知っていながら
二人でいるから傷も深くなることを知っている二人は
歌詞の通り「二人を選べなくて」。
吐息のように歌う武瑠さんの声が胸を締めつけてきます。

この二人は「HOPELESS」の中ではハッピーエンドを迎えていないように思います。
それは曲名が望みがない、絶望的という意味を持っていることもそうですし、
曲の終わりのノイズも明るい未来だけを表現しているようには感じられませんでした。

でも「遠回りだったね~」と最後に歌う歌詞からは
これからも悪い出来事と良い出来事を二人が繰り返しながらも
一緒に生きていく道を選ぶことを示唆しているのでしょうか。

ハッピーエンドでもバッドエンドでもなく、
淡々とまた日常が続いていくような。
MVからは白い世界が描かれていましたが、
これからも二人の日常は続いていくという意味で
無色の世界という方が正確な表現かもしれません。

映画や小説がハッピーエンドで終わるといつも違和感を感じていました。
「この二人の日常は続くし、幸福続きなわけがない」と考えてしまい。
フィクションであることは理解しつつも、「フィクションだこれは」と思ってしまったら
フィクションを楽しむことはできないという辛さを抱えつつ。

そんなハッピーエンドに浸れない私にとっては
幸と不幸がこれからも続く予感のする「HOPELESS」は
ノンフィクションとして捉えることができました。
歌詞の中で生きる二人が実在しなくとも、
この二人は私たちの姿と重なります。

「桜雨」は終わってしまった大恋愛を振り切れず思い出すバラードでしたでしょうか。
「HOPELESS」は現在進行系の二人が生きているように感じられます。
曲を締めくくる歌詞がこれから次第で二人の行き先が吉とも凶にもなることを予感させます。

(2)せつない曲が増えていく予感
歌詞の9割は二人の個別具体的な感情と体験が描かれているように思えて、
残りの1割で普遍性のある歌詞を差し込んでくる。
フィクションだと思っていたら自分事になる瞬間があって、
ノンフィクションにも思えてきます。

この9割が個別的な体験の歌詞、1割が多くのひとに当てはまる歌詞というバランスは
SuG時代からの武瑠さんの歌詞スタイルなのでしょうか。
SuGからずっと追えていればわかるのですが。。。

sleepyheadになって、音楽的な変化はもちろんあるようです。
「せつない曲は増えていくと思います」というこの一言はちょっと嬉しかったです。
その代表例がSuG時代でいえば「桜雨」のようです。
「HOPELESS」のようなせつないバラードが増えるでしょうか。
■sleepyheadの「ROCK AND READ 078」インタビューからの引用
音楽的なところでいうと、バンド時代に「桜雨」とかを出したときに、
なんだか自分の趣味にメンバーをつきあわせちゃってる気がしたんですよ。
たぶん、みんなはもっとポップな曲がやりたいのに
申し訳ないな・・・・・・っていう思いがどこかにあったので、
そういう意味ではせつない曲は増えていくと思います。
(3)編集後記
MVは歌詞も表示されています。
リリック・ビデオが公開されるケースも増えました。
歌詞に注目が回帰しているのかもしれません。
好きな歌詞を刻印できるグッズがあればぜひほしい、、、
歌詞をお守りにしたいんですよね。

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