こんにちは。
V系深読みライターの神谷敦彦です。

本日はR指定の「命日」の感想と解釈を書きます。
「病ンデル彼女」や「魅惑のサマーキラーズ」の印象が強かったR指定に
新しい印象を与えてくださいました。
好きな理由が増えていきます。

「命日」の読み方は「めいにち」ではなく、
「いのちのひ」が正しいのでしょうか。
Zepp Tokyoで行われたマモさんの生誕祭ライブの読み方も
「命日」と書いて「いのちのひ」と読むようですし。

■R指定「命日」




【目次】

(1)「こんな優しい声で歌うんだ」という驚き
(2)生きる意味なんていらないし、どこにも見つからない理由
(3)編集後記

(1)「こんな優しい声で歌うんだ」という驚き
優しいピアノとギターの音が聞こえてきます。
でもどこか曇っているような、湿り気のあるような。
イントロで霧のかかった森の中に立っているような感覚になります。

目を閉じながら聴くのが適した形かもしれません。
マモさんの透き通った声が優しく問いかけてきます。
高く昇っていくような声はどこまでも高音になっていきそうなほどです。

でも、これまで聴き馴染んでいたマモさんの声よりも、
どこか神や天使といった神性をまとった存在の声のような。
人間マモさんとは違ったものを感じます。

ピアノとマモさんだけの声に展開が変わり、
「生きる意味なんて」と嘆くように歌いはじめます。
歌い始めの神秘的な声から人間マモさんの声になったように思います。

徐々にドラムの音、ギターの音が絡み合って盛り上がりを見せるかと思えば、
また静かな空気になり。神性の強いマモさんの声に戻ります。

そして「残酷に」と言い放った瞬間から、
どこか不吉な場面を想像させる不安な音が鳴り響きます。
生きること、死ぬことを歌う「命日」の中でも、死を連想させます。
もしくは、コントロールできない劇的な生を象徴するかのような。

人間マモさんの声にもう一度戻ってきます。鐘の音のようなものが聞こえてきて、
祈るような静かな空気を携えています。

静かに、消え入りそうに曲は終わりました。
すべての楽器の音、マモさんの声がなくなった後にかすかに聴き取れたような音は、
心臓の音だったでしょうか。
自分の鼓動が聞こえていただけかもしれません・・・それほど余韻が残ります。

(2)生きる意味なんていらないし、どこにも見つからない理由
曲の中でも命の行方を問う人生の問いは厳かに、嘆きと祈りの部分は人間らしく。
神性の強い高音と、人間マモさんの声が交錯します。

「ひとはなぜ生まれてなぜ死んでいくのか」なんて考えるのは、
何か出来事があったからでしょうか。
古今東西の哲学者が考えてきた命題なだけに
目にすることはあっても自分の言葉で考えられる機会はなかなかありません。

「命日」の中では生きる意味を嘆きの中で手放しているように思います。
昨今の災害が浮き彫りにする命の不平等さの前では、神を代表とするような
救いをもたらす存在は不在であることが説得力を持ってしまいます。

ただ、命を手放すということの意味は決して悲観的でもネガティブな意味でもなく。
命そのものに価値があるとかないとか、自分以外の誰かが決めるのではなく
自分で命の価値をデザインしていけるというような。積極的な意味に聴こえます。

だから生きる意味なんて要らないし、どこにも見つからないと歌っているのかもしれません。
誰かが説いてくる生きる意味は要らないし、誰かが用意していて見つけるものでもなくて
自分次第で命は黒にも白にも、カラフルにもできる強さが私たちにはあるというような。

歌詞の「あの人」を聴いたとき、何人か思い浮かぶひとがいました。
それは文字通りもうここにはいないひともいれば、
現在進行系で自分を捨ててしまいに見えるひともいます。

自分の命と「あの人」の命の価値を考える機会をくれる曲でした。
「望まぬ生命」や「さらばビッチ」を続けて聴くと
R指定の死生観が浮かび上がってくるかもしれないですね。

(3)編集後記
「V系といえば暴れ曲よりバラード」を推したい欲が刺激されました。
一番バンドにつき暴れ曲と呼ばれるものはどれくらいの割合であるのでしょう。
6割くらいで、バラードが1割ならその比率はひっくり返ってもいいくらいです。
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