北陵クリニック事件〜あるゲーマーの考察〜
私はこの事件で起訴されている守大助さんは無実だと思っています。
なぜそう考えるか、理由を述べたいと思います。
【考察その壱】自白の信用性
みなさん、自白の信用性ってなんだか考えたことありますか?
ちょっと考えてみませんか?
うーん。
・強い圧力下ではない平常な状況で自発的に自ら犯した犯行について供述すること。
てのはどうでしょう。
圧力かけないと本当のこと言わない人もいるから難しいですか?
でも、圧力かけすぎるとやってない人までやったなんて言いだすかもしれませんから微妙ですよね。
じゃ次
・真犯人しか知りえない「秘密の暴露」があること。
これはでかい!こういうのが自白内容に含まれると信用性はぐんと高まりますね。
もひとつ
・供述内容に一貫性、具体性、合理性があり他者の証言や物的証拠と合致すること。
これは必須条件じゃないでしょうかね。言ってる内容が支離滅裂だったり他の人の証言や物的証拠と合致しないんじゃ、信用なんてとてもとても。
ところで、「背理法」ってご存知でしょうか。
ある事柄を証明するためにそれと正反対の仮定をして論理矛盾を引き出す論証法です。
√2を有理数だと仮定すると矛盾が生じる。よって√2は無理数である。
みたいな証明のやり方です。
守大助さんが本当にやったのか、やってないのか。
それは本人にしか分からない?
いやいや思考停止は止めにして考えてみましょう。
じゃ、守大助さんが真犯人だと仮定してみましょうか。
それでなんらかの矛盾が出てくれば、守大助さんは犯人じゃないと考えることができます。
じゃ、仮定始め!
彼が本当にやっていたと仮定する。
2001年1月6日朝。
事情聴収をしたいということで警察に任意同行を求められ、同行します。
「何者かが筋弛緩剤を投与した。お前がやったんだろう」
と取り調べ官から言われます。見事に図星だ。なんでわかったんだろう。
朝食昼食抜きで取り調べは続く。知らぬ存ぜぬを続けたが、全然だますことができない。
やったと言わない限り許してもらえなさそうだ。
嘘発見器まで使い出した。
ああ、もういいよ分かったよ。本当のこと言うよ。僕の負けです。
守大助氏は任意同行から1日も持たずに自白。
(間違ってたらごめんなさい。多分即日自白したはず、ひょっとしたら翌日かも)
被害者の点滴にマスキュラックスを混入した(かもしれない)と供述した。
即時逮捕。あっけない逮捕劇。
その後3日に渡り引き続き取り調べが行われる。
複数(20件?)の余罪を次々自供していった。もういいなんでもしゃべります。
しかし、犯人のみしか知らない「秘密の暴露」はなし。
混入した時間、量、動機などが曖昧で供述がころころ変わる。何かおかしい。
4日目の1月9日ようやく弁護士と接見。
弁護士の質問に対して、守大助氏は具体的なことを何一つ答えられない。
いや、本当は知ってるはずだから、答えられない演技をしたのだ。
この後におよんで彼はなんなんだろう?
弁護士が、本当はやってないんじゃいか?と聞くので待ってましたとばかりに本当はやっていないと嘘をつく。
4日目以降、自分はやっていない。自白供述は強引な取り調べで混乱状態の中言ってしまったことだと否認に転じる。
そして守大助氏はこのあと、ずっと僕はやってないの一点張り。自白を覆し完全に、全面的に否認しつづける。
以降、今日にいたるまで4年半、一貫してやっていないと嘘をつき続けている。
なんて図太い男なんだろう。
嘘をつきつづけることがどんなに精神エネルギーを消費するかは、みなさんご存知だと思います。
本当のこと言う方が全然楽なんです。だって嘘つかなくていいんだもん。
嘘をつくときの方が脳が活発に働くことは、誰かの研究で科学的にも明らかにされています。確か。
現代医療従事者が起こした稀代の無差別大量殺人である守大助氏は、さすがに相当図太い精神の持ち主です。
嘘をつき始めてもう何日たつでしょう。9月27日時点で実に1700日以上ですね。
いまだ真実を語る気配はまったくありません。
そして彼の家族、友人達は彼の嘘を信じきっています。疑り深い僕までも信じきってしまってます。
嘘をつくだけでなく、それが嘘だとばれないようにする、ほころびが出ないようにすることがどんなに大変なことか想像して下さい。
果てしなく図太い精神力と緻密な計算高さがないと無理です。僕なんかにはとても真似できません。
どーやったらここまで大嘘つき続けられるんだか。ある意味尊敬に値します。
そして、ここである疑問にぶち当たります。
ってかもうみなさんも変だなって思いますよね?
そうですよ。
そんな図太い神経の持ち主で計算高いはずの彼が、なんでたった1日足らずの取り調べで自白したんですか?
1日ですよ? 変ですよね。
これだけ嘘をつき通せる精神力と頭の良さがあるならずっと否認し続ければよかったのに、なんで即日ゲロしたのでしょうか?
僕にはその理由がどうしてもおもい当たりません。大きな、大きな矛盾です。
自分がやったことを世間にアピールしたかった?
だったら「やってない」なんて否認に転ずる必要ないでしょう。
もしかして、僕みたいに背理法で引っかかって騙される奴が出てくるのを期待してわざと「あいまいな自白」を!?
いや、それはさすがにやらんでしょう。リスク高すぎだもん。
守大助氏が、真犯人だとしたら、そんなすぐに自白なんかしないんじゃないでしょうか。
自分が罪に問われたくないのであれば、もっと頑張ればよかったのに。
彼が本当はやっていたとしてたった1日で自白するような気弱な素直な人間なんだったら、その後1700日以上も嘘をつき通すことなんてできませんよ!
しかも彼の嘘は完璧で、弁護士、家族、友人(僕含む)は、みな彼の言うことに一片の曇りも疑問も感じていません。
ハイ。仮定の話おしまい。
よって、守大助さんは犯人ではない可能性が極めて高いです。
みなさん、そうは思わないですか?
あ、それと自白の信用性についてですが、これはもっと簡単。
たった一日とはいえ、孤立無援の密室の中で朝食も昼食も抜きで複数の警察からガーガー言われたら普通の人もまいってしまいます。
その後に有罪判決を受けるなんて現実味のないリスクよりも
その場の耐え難い苦痛から逃れるために嘘の自白をしたとしても不思議ありません。
そしてその供述の中に真犯人しか知りえない秘密の暴露はなく、むしろ逆に犯人ではないからこその「無知の暴露」がありました。
また供述した内容と合致するような物的証拠は何一つ上がってないばかりでなく、そもそもいつどうやって誰にも見つからずに筋弛緩剤を混入することができたのか肝心な部分の供述はあいまいなままで、とても信用できる内容ではありません。
よって守大助さんの自白には信用性がありません。以上。チョロすぎ。
〜私信〜
守大助さんのお母さんへ
手紙と資料のご提供ありがとうございました!
微力ながら私も守大助さんが無罪を勝ち取るまで応援を続けます。
今後もよろしくお願いします。
署名に協力して下さったみなさまへ
仙台高裁へ公正な審査を求める署名は、無事に関係者の方の手に届きました。
諸事情によりお礼が遅くなってしまいましたがありがとうございました。
守大助さんのお母さんから資料「仙台点滴事件のVTR」を頂いたので、興味がある方はご連絡下さい。
ダビングして郵送します。
当然、つづきます。
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