まず、最初に点滴ポッド3つについてですが、これ本当に急変患者に投入した点滴ポッドなんでしょうか?
半田郁子氏の証言によれば、「A子ちゃんの事件もあって急変は怪しい、誰かが点滴に毒物を混ぜたのではないか」と思い
こっそり自分のポケットにしまいこんで保管していたらしいです。
しかし、使っていた点滴ポッドを副医院長とはいえ勝手にポケットにしまい込んでよく誰も不思議がりませんでしたね?
医療現場からそんな簡単に医療薬物を持ち出せるものなんだとしたらずいぶん管理のいいかげんな病院だなって思います。
話を戻しましょう。この3つの試料は本当に間違いなく患者さんに投与されていたものなんでしょうか?
また仮に実際に投与されていたものだったとして、その後半田郁子氏本人や宮城県警の誰かが後から筋弛緩剤を混入した可能性はありませんか?
えっ?そんなことするはずはないですか。そうですか。そうですよね。じゃいいです。
次いくっす。
被害者とされる血液のサンプル3本!
これさ、
被害者本人の血液ですか?
あれっ?
鑑定書に血液型が書いてませんけど…そういうものなんですか?
普通、誰かの体液なり血液なりを鑑定するときは、それが間違いなく本人のものであることを示すために、血液型調べたりDNA鑑定したりしませんか?
いや別に疑う余地がないんならいいですけど、もし間違いだったらシャレになりませんからね。
やっぱDNA鑑定だけでもしてもらわないと本人のものかどうかなんてわかりゃしませんよ。
もしかしたら鑑定のために輸送してる間に誰かが間違って他の液体と交換しちゃったかも知れないじゃないですか?
ないんですか?DNA鑑定結果
へー、無いんですか。それじゃ仕方ないですね…。
どうも証拠とされる血液について、それが被害者本人のものであることを客観的に示すデータは無いようです。
意地悪な言い方すれば、それが「人の血液」だったのかどうかも分かりませんね。
さらに、疑問があります!
K君(当時4歳 呼吸困難から回復)の血液サンプルなんですが…。
これ2000年11月4日にK君が点滴ポッド交換5分後に急変してからおよそ2時間後に採血したものだということになっています。
本当ですか?
当時現場で採血した看護師の証言によると、「採取した血液三本は全部検査会社に渡し検査結果も受け取った」らしいんですが…。
この証言が正しいとすると、どーやって半田郁子氏はK君の血液を入手することができたのでしょうか?不思議です。
ほいラスト!
A子ちゃんの尿!
これももちろんDNA鑑定とかしてないのでA子ちゃん本人のものかどうか分かんないんですけど、それよりもっと重大な問題があるんです。
(ごめん、本人のものかどうかももちろん重要)
鑑定書によると、
A子ちゃんが点滴投与により急変してから
7日後の尿から20.8ng/ml
(ナノグラムパーミリリットル)
の濃度のベクロニウム(化学式C34H57N2O4)が
検出されたとなっています!!!1
「筋弛緩剤投与7日後の尿から20.8ng/mlのベクロニウムを検出ってありえるんですか?」
いやはや、なんとも。
って麻酔科の知識に詳しくない人もいるでしょうから(ぉ 説明しますけど。
というか僕もつい最近まで詳しくなかった人なんですけどね。
ぶっちゃけ、
科学的に絶対にありえない数値なんですよ!これ!ひどすぎる!
某テレビ局が、上記の質問を日本全国81ヶ所あった特定機能病院に投げかけたらしいんですよ。
※追記 テレビ朝日ザ・スクープVTRです
仙台点滴事件第5弾(2001年12月15日)、6弾(2002年2月16日)
帰ってきた答え。
回答があった61病院のうち26病院は「わからない」…あはは、慎重なお答え。そんなのはシカト。
有効回答35病院のうち
35病院が「ありえない」…100%
0病院が「ありえる」…0%
ついでにマスキュラックス製造会社のオルガノン社にも聞いてみたんだって。
回答
文献から考察すると、ありえない。と思います
すいません、自分で説明するといいながら専門家の意見を流用しちゃいました。
それにしても凄いと思いませんか?
実際の鑑定結果なのに専門家はみんなその結果を信じないんですよ!
なんでみんな「ありえない」なんて言うのでしょう?
筋弛緩剤を投与したからこそ尿中にその主成分が見つかったんじゃないですか?
むしろ、「あーやっぱりマスキュラックス入れてたんだね」って思うのが普通ですよね?
じ、つ、は
ベクロニウムは非常に代謝、排泄が早くて1週間も人間の体内に留まってることなんてないんですよ。
これ麻酔医療関係者の常識らしいです。
具体的にいうとベクロニウムの血中濃度の半減期は11分。
11分経つと血液中の濃度は半分になる。残りの半分は代謝、排泄されてなくなっちゃうんです。
そうすると22分経つと半分の半分で4分の1ですね。33分でまた半分だから8分の1です。
110分で約1000分の1、220分なら約100万分の1、440分は8時間足らずで約1兆分の1になるってことです。
[削除2006/3/27] 取り消し線にて削除してた部分ですが、あまりに恥ずかしいので完全に削除しました
つまり半日もすれば完全に体内からなくなるベクロニウムが、投入してから1週間も経過した後の尿中に残ってるなんてことは、ありえないんです。
つまり鑑定人が間違えたのか、運びやが間違えたのか、半田郁子氏や宮城県警が間違えたのか分かりませんが、この鑑定結果は間違ってるんです!
もちろん現代科学や現代医療の常識の方こそ間違っていることもないとは言えませんが、とにかくおかしいんです!
あと弁護団がもうひとつこの鑑定結果に投げかけてる疑問があるので書いてしまいましょう。
ベクロニウムはイオン化すると分子量557になります。(詳しい人は上の化学式から調べてね)
で、質量分析した際に質量電荷比とイオン総量をグラフ化したマススペクトルっつーのがあって、それで物質の鑑定してるのですが。
鑑定結果に質量電荷比258のイオンが検出されたとあるらしいんです。
m/z258ですよ?なんか変ですね。ベクロニウムは分子量557ですからm/z557になるんじゃないですか?
ええ、確かに僕はマススペクトルは専門外なんで分かりませんよ。
でも、裁判官の田中亮一氏、根本渉氏、高木順子氏の3人も僕と一緒で質量分析については素人だと思います。
「ぜひ、公判で専門家を呼んで、この鑑定結果が本当にベクロニウムなのかどうかも確認して下さい」
大事なことです。だって別の物質を間違ってベクロニウムだって言ってたのだとしたら、証拠が証拠じゃなくなってしまいますよ。
長くなりました。
ちょっとまとめます。
大阪府警科学捜査研究所の技術吏員、西川眞弓氏と土橋均氏の鑑定結果によると渡された7つの試料全てから筋弛緩剤マスキュラックスの主成分であるベクロニウムを検出しました。
しかし、疑問があります。
疑問1 その点滴溶液が本当に事件で使用されたものであるという客観的証拠がありません。
疑問2 その血液や尿が本当に被害者のものであるという客観的証拠がありません。
疑問3 尿の鑑定結果については、科学的に全くありえない結果であり。信用に値しません。
疑問4 検出された物質が本当にベクロニウムだったのかさえ疑う余地があります。
いよいよ大詰め。本日のクライマックスです。
ここまで信憑性に欠ける鑑定結果は珍しい気もしますが、とにかく納得できませんので
再鑑定をお願いします
あと血液と尿はDNA鑑定もヨロシクね。
え?
なに?
聞こえないよ?
……
試料は鑑定で
全て使い切りました
by土橋均(証言)
はぁっ?
全量消費だって!?
残ってないの?1適も?
…あ、そう。そーなんだ。それが大阪府警本部科学捜査研究所のやり方ですか!
犯罪捜査規範186条に違反してる気がするのは気のせいですか。
鑑定に回した試料ってそんなに少量でしたっけ?
ベクロニウム検出するだけだったら0.1mlあれば十分ですよね?
普通再鑑定できるように半分は残しますよね?
だってそーじゃないと証拠能力無いですよね?
鑑定に回した試料の量です。
A子ちゃん血液:6ml
A子ちゃん尿 :3ml
下山さん点滴 :30ml
M子ちゃん血液:1ml (これA子ちゃん事件が起こる8ヶ月以上前なんだけどよく保管してたね)
Oさん点滴 :7ml
K君血液 :5ml
K君点滴 :50ml
…十分な量あんじゃねーかコラなめんなコラ
1mlの血液も、50mlの点滴溶液も何もかも全量使い切ったんですね。土橋さんよぉ。
絶対おかしいだろ。これ。
なんできれいに全部使い切ってるのさ!
筋弛緩剤以外の毒物についてもいろいろ検査しただって?(と土橋は証言してる)
それこそ余計なお世話だろ。あとからいくらでもできるじゃんか。
ここでみなさんに質問があります。
この鑑定結果に証拠能力ってあると思いますか?
僕はもはや答える気にもなれません。アホくさくって。
ちょっと人を舐めてるといか思えないのですが、どうなんでしょう?
だって客観的に考えたって、これだけ全体量の異なる試料を全てきれいに使いきってるってのはさー。
裁判官や弁護団に再鑑定させないために証拠隠滅をはかったと疑いたくもなるよね?
変だよ、絶対。
K君のなんて50mlだよ?
一体何をそんなに検査したんだよありえないっしょ。普通に考えてさー。どーなのよ?
ちなみに一審の仙台地裁の裁判長さまだった方はこう判決でのたまってます。
信用性を疑わせる要素はない
by畑中英明(判決理由)
……土橋といい畑中といい、(以下削除)
っつーか、わざとだろ!
※追記
つい感情的になってしまいました。不適切な表現だったと思うので削除します。
もちろん、まだまだ続きます。
[2006/3/31誤字訂正]
×副医院長 → ○副院長
[2006/3/31事実誤認訂正]
試料を提供した人物について
×半田郁子 → ○半田郁子ほか
情報もと
・鑑定に回した証拠とその量について
>テレビ朝日ザ・スクープ仙台点滴事件第5弾(2001年12月15日放映)
(ネットで確認できるところ探しておきます。)
・鑑定人の個人名について
>テレビ朝日ザ・スクープ仙台点滴事件第5弾(2001年12月15日放映)
(鑑定書に名前が書いてありましたのでそれをググって確認しました)
・ベクロニウムについて
化学式、分子量、半減期などを参照(分子量イオン化するので臭化イオン(Br+)の分減算しました)
>
マスキュラックス静注用10mg
・土橋均氏の証言について
>テレビ朝日ザ・スクープ仙台点滴事件第5弾(2001年12月15日放映)
・3/30一審判決参考
>
マイタウン宮城−朝日新聞地域情報−
・3/30一審判決参考
>
人間の生に関する主観的かつ独断と偏見に満ちた批判
・一審判決参考
>
無期懲役判決リスト2004年度
・その他事件全般について参考にしました
>
司法試験受験生(当時)福太郎さんのひとりごと
(おすすめです!あと福太郎さん試験合格おめでとうございます!)
>
仙台『筋弛緩剤混入事件』冤罪疑惑(岩上安身氏「週間ポスト」)
テレビ朝日のザ・スクープ第5弾でナレーションが土橋均氏を「どばし」と言っていましたが、続編で「つちはし」に変更されていました。正しい読み方がわからないため読み仮名は削除しました。
キャスターの発言と違いナレーションなので信用してしまいました。失礼しました。
この事件、明らかに、裏があるとおもいます。本当のことはわからないけど、こんなに疑問点があるのに、このことをちゃんと伝えるマスコミの少なさに本当にこの国の怖さを感じます。どうしたらいいのでしょうかね?