2005年11月24日

鑑定書の数値について4

鑑定に回された点滴液や血液を、鑑定人が全て使い切ってしまっていたにも関わらず一審判決で証拠として採用されてしまった「鑑定書」に記載された数値などについて、より確度の高い文書を入手しました。

文書は紙媒体でA4両面印刷一枚です。
情報提供筋に公開の了承を得ていませんので、その文書に記載された内容のみ
守大助さんが起訴された5つの事例
に反映させました。情報の入手経路などについては提供者の了承を取って公開できる範囲で後日打ち明けます。

この文書は、検察が証拠として提出した鑑定書のコピーを持っている弁護団の弁護士が作成したようです。
「文責 ○○ ○(弁護士)」とありますので。
従ってこれに書かれた鑑定内容に関する数値は、マスコミを介すことなく鑑定書の数値をそのまま使用しているはずです。

この文書により、ザ・スクープで放映された数値がほぼ合っていることが判明しました。
[訂正]は、ある程度信用性があるものだと言えそうです。

A子ちゃんの血液から25.9ng/ml とか
A子ちゃんの尿から20.8ng/ml とか
Kくんの血液から16.5ng/ml とかは全部一致しました。

[追記]M子ちゃんの血中濃度については今回の文書で初めて知ることができました。
ザ・スクープではこの他に点滴液の鑑定結果を「投与量」としてナレーターがしゃべってました。今回の文書では、点滴液中濃度が示されています。
恐らく鑑定書にはこの液中濃度が明記されていて、投与量については番組が独自で投与時間と投与速度を乗じて算出したんじゃないかと思います。
投与時間や速度については有効桁数が2桁ないので(約30分とか約100ml/時間とか)投与量についての有効桁数は1桁です。誤差が±30%くらいあると思います。
±30%の誤差を考慮に入れれば、入手した文書に書かれた液中濃度と、ザ・スクープでナレーターが言っていた投与量に矛盾は生じませんでした。
確度と落としてまで、単位を液中濃度ではなく投与量にしたのは、テレビ番組というものが大衆向けだからでしょうか?
お茶の間の主婦や、中学生くらいの子供や、お年寄りにも分かりやすくするため、
「濃度」ではなく「量」にしたという理由は確かに分からなくもありません。
正確さはかなり失われてしまいますけどねー。


唯一A子ちゃんの血液採取の時間が210分後ではなく230分後だったことだけが違いました。
[訂正]のは意外でした。
単位を変えたわけでもないのに10%近く誤差があるのはどういうことなんでしょう。
採取した時間については鑑定書に記載がないのかもしれません。
もし記載があるならこの誤差は大きすぎます。
ですが、僕が意外に思ったのはその誤差の大きさよりも、「時間が更に延びた」ことの方が大きいです。
と言うのも、僕は自分の耳で「210分後」というナレーターの言葉をVTRで聞き取ったのですが、「70分後」の聞き間違いじゃないのかなって思うほどに、遅すぎるんです。
今から計算してみせますが、点滴投与から3時間以上経ってるのに、未代謝マスキュラックスが鑑定書にあるような濃度を示すなんて不自然すぎるんです。
だから230分後なんて更に遅くなるなんて何事?って感じです。
点滴投与から230分後の血液から25.9ng/mlのベクロニウムが出た?
そんな鑑定結果が信用に値するなんて、正気の沙汰とは思えません。


210分後だろうが230分後だろうがそれ程意味はないんですけどね。
未代謝のベクロニウムの血中濃度が25.9ng/mlになるなんてありえるんでしょうか。
ベクロニウムの代謝半減期は11分だと薬品の説明にも書いてあります。
220分だと、11分の20倍ですから(2の20乗)は(約100万分の1)の濃度にまで薄まります。
100万分の1で25.9ng/mlだとしたら、もともとの濃度は25900000ng/ml=25.9mg/mlということになってしまいます。
100mlあたり2590mg?
あの、北陵で使ってたのはマスキュラックス静注用4mg(検察が証拠として赤い箱の中身を写真に撮っています)なんですけど。
2590mgって何ですか?
マスキュラックス静注用4mgの800本分以上です。
80本だって北陵には置いて無いのに800本なんてあり得ません。
それとも「11分で血中濃度が半分になる」という認識が間違ってるんでしょうか?

[おわびと訂正]
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、上記の計算は途中で100mlあたりの血中量が、点滴混入量にすりかわってしまっています。
ごめんなさい。眠いときに書いてしまった、完全なロジックエラー、僕のミスです。
正しい計算をするなら、A子ちゃんの循環血液量中のベクロニウム量を計算してやらないといけません。
A子ちゃんの体重を40kgとすると、循環血液量はその13分の1で計算できます。
40000÷13≒3077g
約3100mlです。
先のアホな計算を正すと、25.9mg×3100=80290
有効数字1桁で考えると約80gです。
静注用4mgのマスキュラックスの2万本分です。
そんなに大量な在庫が当時の北陵クリニックにあったんでしょうか?
(あるわけありません!)
そもそもそんなに500mlの点滴の中に入れられません!
半減期11分というのは11分で血中濃度が半分になるということではないのでしょうか?
それとも検出した物質は実はベクロニウムじゃなかったのでしょうか?
あるいは230分後という情報にあやまりがあるのでしょうか?


そうじゃなければこの鑑定書は科学的にありえない。
よって偽造された(または試料が途中ですりかえられた)ものである。というストーリーが成り立ちます。

僕はザ・スクープのナレーションやボード(番組が事件の表として作成していたもの)からこれらの数値を聞き取ったり読み取ったりしてたのですが、もっと確度の高い情報が欲しいなーなんて思っていました。
今回入手した情報は、「鑑定書」のコピーを直接見れるはずの弁護士が文責となっているので相当信用できると思います。

[追記]
そして改めて思うのですが、この鑑定書の数値を持って信用性に足るとする裁判官の馬鹿さ加減に呆れます。
そしてこんなアホな紙切れを証拠採用してアホな有罪判決しておいてなんでマスコミは何も言わないんでしょう。
マスコミが言わないので僕がブログで言うしかないのですけど、こんな非科学的な裁判がこの国で行われていて、国民はそれでいいんでしょうか?

僕が集めた情報が間違いであるならまだしもです。
鑑定書に25.9ng/mlと書かれていて、起訴状だかなんだかに230分後に採血された血液だなんて書かれているとしたら、それでも鑑定結果は信用できるのだと裁判官が言うのだとしたら・・・とんでもないことだと思います。

何度も言いますが、筋弛緩剤による事件性を立証できるはずの唯一の物的証拠である急変患者の血液、尿、患者に投与された点滴液は、鑑定人の手によって全て消費され無くなってしまいました。
守被告が無くしたんじゃありませんよ?
捜査する側の手によって無くなったんですよ?

しかも、残された鑑定書という紙切れには、どうやら科学的にありえない数値が記載されているようです。




[以下ぜんぶ追記]
警察や司法に対する信頼ゆえに、こういう権力の謀略を訴えるような情報には慎重になっている人達がいます。
それはそれで全く正しい姿勢だと思いますが、そういう人たちに対しても信じてもらえるように、こういう裏づけ情報は欲しかったです。
本当なら、鑑定書のコピーが欲しいんですけどね。(あと起訴状)

他の事件とか記事はともかく、守大助さんが犯人とされた北陵クリニック事件だけは本当に権力の謀略である可能性が極めて高いです。
そのことを、もっと多くの国民に分かってもらいたいと思っています。



しぶしぶテレ朝たたく

厳しい言い方をするならば、北陵事件の鑑定結果の矛盾を指摘することは、鑑定結果に警察の作為があったこと示唆ことであり、警察、検察の捜査に不正があると批判することになります。
国家権力の非を、マスメディアが批判するのであれば、もっと正確な情報をもとに慎重に報じた方が良いと思います。

Posted by red_chun at 02:51│Comments(7)TrackBack(0) 仙台北陵クリニック事件 

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この記事へのコメント
ザ・スクープのほうの情報源が鑑定書だとしたら一箇所でも数値が
一致しないところがあってはならないと思うけど違いますか?
だって"数字"ですよ。
大事な証拠資料なんだから「間違えました〜」で済むわけないし。
どちらかまたは両方の情報は「想像」または「捏造」ということに
なるわけだよね。
私は数字が近いかどうかよりも記事の中にこういった想像、捏造が
あることのほうが、ずっとずっと気になります。

「ほぼ一致してることがわかった」とか
「210分後だろうが230分後だろうがそれ程意味はない」
なんてことで片付けるのは赤ちゅんらしくないぞ。
ちゃんと細かいところ突っ込んでよ。
Posted by 赤い水性 at 2005年11月25日 01:46
>どちらかまたは両方の情報は「想像」または「捏造」ということになるわけだよね。
一箇所相違があったらもう「事実」じゃないという主張は少々飛躍している気がします。
もしかして赤い水性さんは当時のマスコミ報道を信用しているんですか?
あのとき流された情報のどこに信用にたる合理性があったのでしょうか。

>「ほぼ一致してることがわかった」とか
>「210分後だろうが230分後だろうがそれ程意味はない」
>なんてことで片付けるのは赤ちゅんらしくないぞ。
すみません。昨日は眠くて雑に書いてしまいました。
Posted by 赤ちゅん at 2005年11月25日 02:36
間違いなく鑑定書に明記されているはずの「濃度」について比較できる分については「完全一致」です。
但しザ・スクープではM子ちゃん血液濃度は明らかにしてくれず、Kくん、Oさん、下山さんの点滴液については「濃度」に投与した「時間」と「点滴速度」を乗じて「投与量」として表現していましたので単純比較はできませんでした。
採血時期に関しては10%近い差があるのでそれは確かに大きいのですが、鑑定書にそれが明記されているのかは不明であり、一概にどちらかが誤りであるとは現時点では言えません。(基準としているものが違うのかもしれません)
そして、僕が言いたいのは3時間以上も経って10ng/mlを超える濃度は、半減期11分だとしたら、科学的にあり得ませんってことなんです。

それから、僕は外資系じゃないので朝日に突っ込み入れることには消極的です。
Posted by 赤ちゅん at 2005年11月25日 02:40
>あのとき流された情報のどこに信用にたる合理性があったのでしょうか。
言い過ぎました。ごめんなさい>赤い水性さん
当時の報道に関して2つ矛盾を提起しておきます。
第一に、マスキュラックスを点滴に混入しても急変は起こらないと考えられます。(何十本も混入しないかぎり無理っす)このような犯行手口では事件は成立しません。
第二に、守さんが混入したとする目撃者は一人もいません。北陵ではマスキュラックスの施錠保管を怠っていたので、病院関係者なら誰でも混入することは可能でした。守さんの自白が崩れた時点で、彼を犯人だと特定することはできなくなったのです。
Posted by 赤ちゅん at 2005年11月25日 10:36
いや、すまんすまん。
挑発的な書き方しちゃったけど文章の書き方について言いたかっただけですよ。
情報源は一つしかないのに異なる数値が発表されるって気にならないですか?
210とか230って事件とは全く関係ないものなのかもしれないけどさぁ
どんな細かい事でも、自分の都合のよいように解釈してるのではないか?
とか最初から結論ありきで言ってるんじゃないのか?と読者に思われては
説得力が落ちると思いますよ。
Posted by 赤い水性 at 2005年11月25日 18:50
あらためて自分の文章読んでみると確かに今回はいい加減な書きっぷりですね。
なんか血中濃度と点滴液濃度がごっちゃになってるし…orz
眠いときに難しい文章書くものじゃないですね。
これだとむしろ逆効果になってしまいかねないかもしれません。
今度から北陵の記事はもっと慎重に丁寧に書くようにします。
ご意見、ご指摘ありがとうございました。

記事は近日中に訂正をいれます。
Posted by 赤ちゅん at 2005年11月25日 23:59
アナウンスし忘れてましたが、記事に訂正入れました。
Posted by 赤ちゅん at 2005年12月07日 02:51

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