2011年11月30日

プジョー・シトロエン・ルノーのオートマ(AL4・DP0)に関するトラブルを記事にしました。

ご相談の多いトラブル事例をご紹介します。

プジョー・シトロエン・ルノーに搭載される電子制御オートマチック・トランスミッション(俗に言うところのAL4・DPO)は、搭載当初から何かとトラブルが多く、メーカー側からもいくつかの対策を用意したのは有名な話。

ところが、新車から数年が経過し、保証整備の対象外となった車輌が沢山存在する様ですね。
中古車を購入後、数ヶ月後にトラブル発生...。なんて例も珍しくはありません。

当社では、そんなトラブルを抱えたATへの整備もいくつかご用意しています。
その中でも最も作業頻度の高い内容をご紹介します。

トラブル内容
①:冷間時の走行中にエラー警告が点灯し、3速ホールド状態となる。
②:温感時の走行中にエラー警告が点灯し、3速ホールド状態となる。
③:上り坂での加速や、平坦路での加速時に、エラー警告が点灯し、3速ホールド状態となる。
④:3速ホールドにはならずとも、スノーモードとスポーツモードのランプが交互に点滅を繰り返す時がある。
⑤:高速道路を走った後の一般道で信号待ちや、停車直前に「ドン!」と大きな振動を受ける。
⑥:変速ショックがやたらと大きい
⑦:エンジンの再始動でエラーは消えるが、発生頻度が増えてきた。

などの様な症状が思い当たる場合、以下の作業をご提案しています。
電子制御AT整備メニュー
それでは、作業風景をご覧下さい。

まずは、基本中の基本。
暖機後のオイルレベルの点検です。
1ATレベル点検
2排出量
この車輌は、フルード排出量が少なかったです。
フルードレベルは非常に重要な点検項目です。

続いては、シフトポジションを感知するスイッチを点検です。
3シフトゲート4シフトゲート
R(リバース)→N(ニュートラル)
5シフトゲート4シフトゲート
D(ドライブ)→N(ニュートラル)
この様にシフトレバーを操作し、スライドスイッチの導通状況をチェックします。
チェック方法はサーキットテスタがあれば出来るのですが、当社ではこんな方法で確認します。
6テスタ画面7スイッチ診断
「BOSCH FSA」です。
このテスタの機能に、導通チェックという診断項目があります。
断線/導通のどちらかで信号音を発生させられる為、1人で診断が可能なのです。(便利!)
(スイッチはエンジンルームにある為シフトレバーの操作と導通チェックをする為には手が3本必要なのです)
右側の図は導通/断線を表示しています。
Nポジションで0Ωにならなければいけません。
この車の場合、D→Nの時は5Ωですが、R→Nの時には断線状態です。
これはスイッチの中立位置を出す為に必要です。
ここにズレが生じる事で、ATのコンピュータが適性な認識を出来なくなります。

スイッチの経年劣化により、接点が曖昧な状態になる事が多い様です。
この車は導通状態でも5Ω前後で、導通中もノイズの入力が確認出来ます。
迷わずスイッチは交換です。
AT内部の分解後は、この調整が必ず必要になる為、事前に部品の状態を確認しているのです。


一連の基本チェックが終わりました。続いては分解作業に入ります。
8カバー開く9磁石なし?
カバーを開けて、カバー内部の鉄粉吸着マグネットの状態をチェックと思ったら...。
この車には磁石が入っていません。入ってない事もまれにあるみたいですね。

マグネット無しは後で考えます。さて、分解・分解♪
10バルブボディ無しAT本体14バルブボディ
11バルブボディ12バルブボディ
13バルブボディ
どうですか。この子供心をくすぐる迷路は。童心に帰る瞬間がここにはあります。
(すぐに行き止まりの迷路なので、やる気にはなりませんが。)
つまり、非常に精密・繊細という事ですね。
よくあるケースですが、迷路の蓋(プレート)は複数のボルトで締まっています。しかし、緩んでいるのですね。
ここが緩むと迷路の気密が悪くなり、油圧が漏れます。トラブル発生の元です。

17バルブボディ15バルブボディ清掃後
16無数の穴が
迷路を徹底的に洗浄します。壁面には沢山のギラギラしたスラッジがこびり付いていますから。
光にかざしたこのプレートには無数の穴が開いています。
めちゃくちゃ小さな穴も居ます。スラッジに埋められたら...。イヤですね。
ATオイルは1年に1回交換しましょう。
(交換しなくて良いと思っている方もいらっしゃいますが、当社では交換をお勧めします。)

この部品も交換しましょう。
ソレノイドバルブ(アクチュエータ)です。
18ソレノイド新品19ソレノイド比較
手に持った方の向かって左が新品(対策品)です。エンド部の形状とコネクタの色が違います。
この他にも6つのシーケンスソレノシドバルブというアクチュエータが存在しますが、この車の場合は
そちらのトラブルは無いので、今回は交換しません。

グングンと組み付けを進めました。
さて、先ほどのマグネット・レスですが、しっかり仕込んでおきました。
車によって1個だったり、2個だったりと色々ですが2個仕込みます。
20磁石つけました
「鉄粉をしっかり吸着してくれよ~!」

冒頭にあった、スライドスイッチはこの部品です。
先ほどの理由から、交換させて頂いています。
21スイッチ交換
このスイッチを交換すると、バツグンに導通状態が良くなります。
抵抗値も導通中はピタッと0Ωで、ノイズ無しになります。

仕上げにはテスターを接続し、エラーの入力が無いか・油温は適正かなどをチェックします。
22仕上げのテスタ
合わせて自己学習値の補正や、オイル劣化カウンターの書き込みも行います。
一晩置き、完全冷間時からの走行チェック(作動チェック)を行い、完了です。

この様な作業の対象となる車は、経験上は走行距離に左右されない様です。
ATFを未交換であったり、年式によっても該当する車が存在します。

信号待ちで、エンジンの再始動を行い騙し騙しの方はお早めにご相談下さい。

























Posted by redpointparts at 20:28│ メンテナンス情報 | ルノー