ケンに対する私の見立ては加藤と全く同じでした。
森の中にケンを探しに行った明たちはその痕跡を見つけました。それはケンが住んでいるであろう小屋と無数の吸血鬼の遺体です。ケンはここで一人でゲリラ戦をしているのです。もしそれが本当ならおかしな状況であると私は思いました。このように吸血鬼を倒せる実力がケンにあれば周囲を探索することも可能です。しかし彼は定住して残虐な狩りを続けていることになります。加藤が指摘をしていましたが私もケンが心を病んでしまったと思いました。度重なる捕虜生活や島での激しい戦闘でケンはおかしくなったと考えられます。
ケンはトラップを使ったり細めの丸太を尖らせて武器としています。それで吸血鬼たちを狩っていたのです。その目的はユキの情報を得る為でした。ユキは最初の村で彼と同時に敵に捕まりました。そしてケンだけが逃げ出しユキは行方不明なのです。現在も敵の捕虜となっているユキを探すためにケンはひとりで戦っていたわけです。ユキの情報を得るためであればこの所業も納得できました。ケンとユキは元々付き合っていました。この彼岸島に来てからは疎遠になっていますがケンとしては特別な感情があるはずです。