norweign

10.12.14.tue 鑑賞
10年133分(日/カラー)TOHOシネマズなんば ☆☆☆2/3
director+screenplay: トラン・アン・ユン
original story: 村上春樹
music: ジョニー・グリーンウッド
cast:
松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子、高良健吾、玉山鉄二、
霧島れいか、初音映莉子、柄本時生、糸井重里、細野晴臣、
高橋幸宏
story:
高校時代に親友のキズキ(高良健吾)を自殺で失った
ワタナベ(松山ケンイチ)はすべてを忘れる為、
東京で大学生活を始める。
ある日、キズキの恋人だった直子(菊地凛子)と再会し、
共有の想い出を持つ二人は、彼についての話題は避けていた。
恋人を亡くしたトラウマで心を病んだ直子は、京都の山奥で
療養生活を送るようになり、ワタナベは直子を想いながらも、
大学で出会った快活な緑(水原希子)に惹かれ始める。

comment:
中学生の頃、叔父から「ノルウェイの森」を借りて、
はじめの数ページで断念して以来、この小説はノルウェイが
舞台で大人の恋愛物語だとずっと思い違いをしていた。
最近になって、ビートルズの曲名を引用したタイトルで、
日本が舞台で思春期の青年たちの話であると知った。

この映画は原作ファンに特に不評らしいけど、
原作も村上作品も読んだことがなく、先入観も期待もなしで
観たので映画として悪くなかったと思う。
原作読んでないので、前後背景がわからず唐突過ぎて
違和感ある部分もあったけど。

トラン監督の作品は「青いパパイヤの香り」「夏至」を見て
いずれもハマれなかったけど(特に「青いパパイヤ」は
評価が高く期待し過ぎて)今作が一番良く感じた。
草原や雪山の自然の描写が美しく、繰り返し映る風で揺れる
草原シーンは北欧やイギリスの地方の大自然を感じさせ、
キャストの所作や佇まいが品良く繊細で、隅々まで監督の
美意識が貫かれている。

身近で大切な人を亡くした人にしかわからない喪失感と、
性への執着心から、精神バランスを失う直子は不憫だが、
繊細過ぎて痛々しく、どうにかして彼女の力になりたいと
尽くしても振り回されるワタナベが可哀相で切なかった。
でも、二人の向く方向と距離感が違ってたんだろうな。
直子が壊れていく姿に精神的にもろい自分を重ね共鳴した。
村上氏の自伝的要素が強いらしいが、どこまで事実なんだろう。

エロいと聞いてたけど、思ったほど過激なシーンもなかったし、
松ケンのラブシーンは「人のセックスを笑うな」で見てたけど、
あの作品あまり好きじゃなかったし、今回の方が良かった。
緑が「ワタナベくんの声好きよ」と言うように、鼻声っぽく
頼りないけどアンニュイな松ケンの声は、母性本能くすぐる
あのきれいな指と薄い唇もたまらんよ〜
「銭ゲバ」でもそうだったけど、号泣するとだだっ子のように
大量なヨダレ垂れ出すのが特徴なのか、ヨダレ量スゴかった…
やっぱ松ケン良いわ観て良かった。

映画の不評の一因に「繊細な美少女」というイメージと違う
という理由で菊地凛子の評判が芳しくないらしいけど、
やはり運良く原作キャラ設定の固定観念がなかった為、
繊細で病的な脆さが伝わり、華奢で色白で雰囲気に合ってた。
「バベル」の時も病んでたけど、今回も激しく狂気的。
映りによって可憐な二十歳の乙女に見える時もあれば、
絡みシーンのアップはシミ(色白なのでソバカスが多そう)が
スゴくて、もう少し画像処理出来なかったのか…と。
松ケンと並ぶと同級生なのに年上のお姉さんに見え、
松ケン&水原希子の方が自然で似合ってる感じはした。
けど、演技や表現面では問題なかったと思う。

水原希子に関しても演技力が…って厳しい意見があるけど、
直子と対照的で、天真爛漫で小悪魔的な緑にピッタリ。
あの時代にしては現代っ子な喋り方っぽかったけど、
長台詞が多い割に、演技してるってより素な感じの喋りで、
初々しく生命力が溢れ、とにかく可愛かった!
お肌ツルツル&スレンダーで、見惚れてました

玉山鉄二演じる永沢という男は、リアルにいたら
「何言っちゃってんの?なめてんじゃないよ」と
ツッコミたくなる、ウザい冷血ナルシスト&エゴイスト。
あの時代だから言える台詞なのか、女を侮辱し過ぎ
そんな男に耐え忍び、自分の感情を押し殺す恋人は、
同情通り越してイライラした…
玉鉄は男前だけど(ファッションやヘアスタイルで時々
武田真治っぽく見えた)60〜70年代の細身ファッションで
結構ムチムチしてて意外、ちょっと残念な感じだった。。
(細身の松ケンは着こなして似合ってた)

終盤のワタナベとレイコさんの絡みは唐突過ぎて不自然で、
なくても良かった気がするし(原作ではもっとエピソードが
あったらしいけど)直子の付き添いという印象しか残らず、
関係性が曖昧に思えた。
霧島れいかという女優さんは知らなかったけどキレイな人で
(原田美枝子っぽい雰囲気の美人)かなり年上女の設定とは
思ったけど、同い年と知って驚いた。お肌がキレイ!

冒頭と回想シーンだけで少ない出演ながら、高良健吾の
カッコ良さにドキッ!特にビリヤードのシーンにクラッ
イイ男二人(松ケン&高良)に囲まれニヤける凛子、羨まし。
その後、絶望のドン底に突き落とされるのですが…
残した人間の人生を狂わせた罪な男、キヅキが自殺に至った
エピソードはもう少し欲しかった。。
細野氏、高橋氏、糸井氏など、ゲスト出演も豪華でした。

これから観る方は、原作への想い入れを抑え、少し切り離して
映画として割り切って観ると、感じ方も違うのではないかな。
一般評見てると、村上ファンには相当な想い入れがあり、
何度も繰り返して読むくらい好きな人も多いようで、
その独特の表現や感動は、映画で伝え切れてないみたいで、
どれほど味わい深い小説なのか確認してみたいし、
伝説の原作も読んでみたいと思う。
私は映画を先に観たので、原作読んだら「全然違うじゃーん」
てやっぱ感じるのかな〜?


余談1.
友人がアクセサリー協力したらしく、女優陣のアクセを観察し
探せなかったけど、 エンドクレジットをチェックしてたら
ショップ名見付けて「すごーい!」と感動

余談2.
ビートルズは曲によって好きでとりわけファンじゃないけど、
「ノルウェイの森」は素敵な曲で好き。
で、youtubeで歌詞見て(聴いて)「norwegign wood」と
「knowing she would」のWミーニング知って、なるほど