レジーのブログ LDB

「歌は世につれ、世は歌につれ」でもなくなってきた時代に。  ※15/4/23 世の中の状況を鑑みてfc2からこちらに移しました

ご連絡はレジーのポータルの「contact」よりどうぞ。(ブログ外の活動もまとめてあります)

2013年12月

2013年のお礼、あとはCDJ話を少々

レジー「28日にカウントダウンジャパンに行ってきました」

司会者「あっちゃんどうでしたか」

レジー「んー、どうなんだろうね。可愛かったけどそれ以上の感想があんまり」

司会者「あら」

レジー「特別歌がうまいわけでもなければいろんなストーリーから切り離されてスタンドアローンになったときに「佇まいに圧倒的な存在感がある!」みたいなタイプでもないから、今回のバンドやら衣装やらの「ロック」路線とは相性あんまりよくなかった気がするなあ。新曲は嫌いじゃなかったけどね。たとえば大島優子がこういうことやるならわかるし成立すると思うんだけど。それはそれでいかにもすぎるんだろうか」

司会者「歌う女優さんと言ってもいろんなタイプがいますよね」

レジー「以前同じフェスで見た柴咲コウは出てきただけでほんと華があったし、松たか子ワンマンで見た時は声量すごく迫力あったんだけど、あっちゃんはどっちのタイプでもないですね。個人的には今までの曲がわりとギターポップ風味だったりするし、それこそ今回の坂本真綾のバックでやってたような人たちと一緒に清涼感方向でいった方がいいんじゃないかなと思ってます」

司会者「あっちゃん以外はどうでしたか」

レジー「くるりぶっちぎりでしたよ。この人たちは完全にその辺のバンドとは違うところに行ったね。すごかった。あとSalley楽しみにしてたんだけど人少なかったね」



司会者「きゃりーともかぶってましたしね」

レジー「CDJ前後で動画をツイートしたりしてるんだけどほんとに反応がないんだよね。こういう王道ポップスものは応援していきたいです」

司会者「結局参加したのは初日だけだったんですよね」

レジー「うん。他の日はWOWOW見つつツイッターで参加する人の様子を見て楽しんでました。てか「クリープハイプでサークルモッシュしましょう☆」みたいなツイートいくつも見たんだけどあれほんとにやったのかな。一部該当ツイートが削除されたりしてたけど」

司会者「事前に告知してやるわけですね」

レジー「そういうツイートしてる人のプロフィールを見てあーほんとにいるんだねこういう人みたいに勉強になりました。別にサークルモッシュ自体がダメとは思わないんですけど」

司会者「かつては全然参加してたしね」

レジー「てか自分から発生させたりしてた」




司会者「SNSなんてない時代の昔話ですね」

レジー「それこそ99年フジロックのハイスタ『mosh under the rainbow』の映像をVHSに録画してほんとテープ擦り切れるまで見てたから。ただ、なんかそれをやるぞ!って思ってライブに行くってのが気持ち悪いなあと。ひたちなかの道すがらでもそんなツイートしましたが」




司会者「この辺はいろんな問題が絡み合ってますね」

レジー「個人的に思うのは、音楽を好きになることが「必修科目から選択科目になった」って話を以前したんですけど。で、選択科目とった人の中にも「自分で選択したので黙々と楽しみたい」タイプと「自分の選択を皆で共有して一人じゃないことを実感したい」タイプがいて、後者の人たちと「邦ロック」と呼ばれる音楽の結びつき方がものすごく強固だなと改めて感じます。セグメント内でのコミュニケーション欲求がすごい。これが単なる世代論なのか、メディア環境の変容で片づけられる話なのか、もっと違う要因があるのかはいずれちゃんと論じてみたいです。あとは来年のひたちなかの日程が発表されたんだよね

司会者「金土日の開催から、土日×2の開催になりました」

レジー「これどうすんだろうね」

司会者「JOIN ALIVEと同じ形式になったと

レジー「行ったことないからイメージわいてないんだけど、JOIN ALIVEは「サタデー券・サンデー券」なんてのも売ってたりするんだね。今まで金曜日有休とって3日間行くってのが当たり前だったから、ちょっといろいろ考えないといかんな」

司会者「間に挟まれる月から金はあの公園閉鎖されるんですかね」

レジー「全然わかんないけど、前ブログに冗談で書いたフェスコン実施みたいな話がほんとにあるんじゃねーかと思ってたりする。せっかくステージ組んで1週間何もしないのってもったいないから何かやろうって発想になりそうだし。ここはまだ情報がないので引き続き追っていきたいと思います」

司会者「CDJ周りではこんな感じですかね。あとは大みそかなので今年を振り返っていただけると」

レジー「そうですね、年間ベストは曲・アルバム共に発表したのでそちらを見ていただければ。あとはライブか。今年は例年以上に行ったけど、一番インパクトあったのはトライセラの中野サンプラザです」

司会者「そのライブについてはこちらに書きました

レジー「ご本人からも反応あってびっくりした。まだ雑誌で文章書いてないタイミングだったのでインターネットすげーって思った」




司会者「このツイートは今見返しても面白い。このライブは来年パッケージ化されますね」



レジー「絶対買いです。あと思いつくところだと、1月のくるり武道館、2月のザ・チャレンジの企画で見たパスピエ、7月のユニゾンと堂島孝平の対バン、ひたちなかで見た9nine、10月の森は生きているツアーファイナル、12月のPerfumeドームあたりかな。抜け漏れあるかもですが」

司会者「TIFも相当興奮してましたね

レジー「そうですね、あれほんと楽しかったなー。来年もやるなら必ず行きます」

司会者「あとはこのブログそのものについて振り返っていただけると」

レジー「まあ今年はいろいろターニングポイントになる1年だったなと思います。あれよあれよという間に広がっていったので面白かったですよ。今年やったことはこっちの記事にまとまってますので良ければ見てみてください」

司会者「春から『QUICK JAPAN』、夏から『MUSICA』に寄稿するようになりましたね」

レジー「そういう目標を立ててやってたわけではないから「達成した!」みたいな感慨があったじゃないけど、単純に自分が読んでた雑誌に自分の文章が載るってのは嬉しかったです。あとキンドル本も出ました。自分のことを掘り下げるきっかけにもなりました」



司会者「レビューの点数がかなり低いですね」

レジー「確かにタイトルのミスリードはあるかもだからなあ。ただ、今年出るべくして出たコンテンツだとは思ってます。これ読んで「雑談レベル」みたいにレビューしてる人は普段どんな本読んでるんだろうと思ってその他のレビュー見たらそちらも面白かったです。あとはラジオとかトークイベントとか話す場にも呼んでいただいて。実は一番楽しかったのこっちだったりします。特に象ラジオはラズマタズとかスマイルとか好き放題流したのでかなり愉快でした。機会あったらまたやりたい」

司会者「ブログでは新たにインタビューコンテンツを始めましたね」

レジー「そうですね。このあたりは個人ブログがアーティストサイドにとっても一つの「メディア」としてワークするっていう事例になったのかなと思います。てか、年末にやったトーフさんのインタビュー、内容についてはいろいろ反響あってすごい嬉しかったんだが、自分としては「こういうブログがトーフさんのインタビューを載せた」こと自体に反響あるかと思ってたら全然なかった。この「レジーのブログ」ってものがどういうものに見えてるんだろう、ってのはこの件でちょっと考えました」

司会者「ツイッターのフォロワーもずいぶん増えましたね。今年の1月1日時点で857人、今は3445人です」

レジー「そうですね。ブログにせよツイッターにせよリーチが広まった分いろいろうっとうしいノイズが出てきてるのも事実ではあります。日常生活系のツイートに反応してる輩もたまにいますから。で、そういうこと言ってる人に限って、発見された形跡を嗅ぎ付けると該当ツイート消したりするんだよね。さらには「堂々とリプすればいいのに!」とか捨て台詞言ってたり。ちょっと僕には難しすぎてついていけません」

司会者「いろんな人がいますからね」

レジー「とりあえず、ツイッターで悪口言うのはテレビの前で悪口言うのとは違うってのを理解した方がいいと思うわ。まあこれは自分にとっても言えることで、特定のバンドに対する軽いディスであっても覚悟を伴って発信しないといかんなあと。とは言えそれで縮こまってても仕方ないので、基本的にはこの先も言いたいこと言ってそれに対してポジネガどちらにしても理性的に反応してくれる人たちと思考を深めていけたらなと思っています」

司会者「わかりました。では最後に言い残したことがあれば」

レジー「まずは今年ブログ読んでいただいた方、ツイッターで絡んでいただいた方、外仕事で声かけていただいた方、全ての方にお礼申し上げます。ありがとうございました。今年は今まで以上に「音楽メディアのあり方」みたいな話が話題になってた感触がありますが、そういう問題提起に少しでも加担できていたのであれば嬉しいです。さっきも言った通り何か目的があってやっているものでもないので、来年も粛々と音楽周りの気になったことを発信していければと思いますので引き続きご贔屓のほどをよろしくお願いします」

司会者「それでは今年はこんな感じで」

レジー「来年の予定は未定ですが、年末の歌番組絡みで何か書けたらいいなあと思ってます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルと自意識、アイドルの自意識15 - Perfumeドーム公演が示したアイドルブームの先にあるもの

レジー「12月8日にPerfumeの京セラドーム大阪公演に行ってきました」

司会者「ちょっと前の話になりますね」

レジー「ほんとはもっと早くこの話やりたかったんだけど、東京ドーム終わってからじゃないとネタバレになっちゃうからね」

司会者「Perfumeファンの人たちはネタバレに関してはわりと徹底してますよね」

レジー「今回ドームで間口広がったこともあってか必ずしもそうなってない部分もあったようですが。というわけで、無事に24日25日のライブも終わったので遠慮なくライブについてやりたいと思います」

司会者「ケイクスの原稿では「24日25日は平日で日程が微妙だから確実に行ける土日の大阪へ」とのことでしたが」

レジー「それがねえ、予想外に仕事が炎上してて、水曜日くらいの段階ではもしかしたらこれ大阪行けないんじゃないか?ってのも覚悟してました」

司会者「へえ」

レジー「結局当初予定通り土曜日から大阪入りできたんだけど、会社のPC持参してちょこちょこ作業してましたよ」

司会者「サラリーマンも大変ですね」

レジー「まあこれでご飯食べてるから仕方ない。土曜日はこのブログの元ネタでもあるkenzeeさんに初めてお会いして、ここでは言えないようなネタも含めて盛り上がりました。kenzeeさんありがとうございました。その辺の話はこちらで

司会者「そして翌日、日曜日がドーム公演の日でした」

レジー「京セラドーム大阪って初めて行ったんですが、まず見つけたのがこの看板ね」

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司会者「ジャンピング禁止」

レジー「あとは物販に行きました」

司会者「普段あんまりグッズとか買わないのにね」

レジー「時間もあったし旅行気分だったから財布のひもが緩かったね。パンフレットとトートバックを買いました」

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司会者「関係ないものが混ざってますが」

レジー「これはこの前ティファニーでもらったVOGUEとのタイアップパンフレットですね。一応大人Perfumeしばりってことで。最近はこういういい女系の展開増えてておじさんは嬉しい。で、グッズも買って会場付近うろうろしてたらこんな一団に」

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司会者「みんな踊ってるんですね」

レジー「うん。本気踊りですよ。コスプレしている人もたくさんいて面白かったな。その場でどんどん参加者増えてく感じが素敵でした。周りにも見てる人いっぱいいて、それぞれ自由に楽しんでる空気が良かった。3人が絡んで踊るパートは即席で3人組になってみたり」

司会者「外国の方もいらっしゃいましたね」

レジー「あの男の人超うまいなあと思ってみてたら、ライブ本番ではアリーナ席にいたみたいであ~ちゃんに絡まれてた。ダンスコンテストに応募してたらしい。そりゃ上手なわけだ」

司会者「ライブ自体はどうでしたか」

レジー「ナタリーに東京ドーム公演のレポが出てるけど、基本的には『LEVEL3』中心のライブです。冒頭3曲がアルバムと同じ流れでテンション上がりました」

司会者「『Spring of Life』では3人が離れた場所で踊ってました」

レジー「間奏部分で座ってるあ~ちゃんを2人が起こすところどうすんのかなと思ったら、それぞれがそれぞれの動きして映像見るとちゃんと引っ張り起こしてるように見えてておお!ってなった。ちなみに僕ライブ見てるときそういう「おお!」とか「すげー!」とか「なるほど!」とかぶつぶつ言いがちなんだけど、今回隣にいた大学生くらいの女子がそれにいちいち反応してこっち見てくるのが辛かった」

司会者「すごい迷惑かけてますね」

レジー「申し訳なかったけど、普段そんなことはないんだけどなあ。で、次の曲が『Magic of Love』ですよ。この記事にも書いたけどアルバムミックスのイントロが大好きなので、あれ流れたときは高揚しました」

司会者「他のアルバム曲はいかがでしたか」

レジー「『Clockwork』は後ろの映像も含めてかっこよかった。ちょっと残念だったのは『ポイント』で、クレーン的なものに乗って空中を移動するみたいな演出だったんだよね。この曲でがっつり踊るの見たかったんだけどなあ。あとはやっぱり『Party Maker』ですかね」

司会者「目玉的なパートに位置づけられてましたね」

レジー「ステージの縦、横、奥行きフルに使った演出で、当然映像とのリンクもあり。巨大なかしゆかが出てきたり、その体がパズルみたいに分断されたり、なんかちょっと狂気すら感じたわ。すさまじかった」

司会者「そこから『Spending All My Time』にいって、『コンピューターシティ』へ続きます」





レジー「『Spending All My Time』が終わった瞬間『コンピューターシティ』の最初のポーズになったのが最高だったなあ。そしてこのあとやった『エレクトロワールド』も含めて、この辺の曲は完全に体に染みついてるよね。たぶん寝起き5秒くらいでも踊れるんじゃないかってくらいの自然な感じで」

司会者「古い曲も効果的に使われてましたね」

レジー「うん。なんか『ワンルーム・ディスコ』久しぶりに見た印象なんだけど気のせいだろうか。で、『ワンルーム・ディスコ』の前後に『ジェニーはご機嫌ななめ』と『未来のミュージアム』をやってて。会場の前後を移動しながらのパフォーマンスでした」

司会者「3年前の東京ドームでも行われてた演出ですね」

レジー「このときの衣装が超かわいかった

司会者「サンタモチーフの赤白衣装です」

レジー「女子のサンタコスはほんと幸せになるね。この辺のパートは『LEVEL3』がっつりやってた前半部の緊張感との対比があって良かったです。ただ、こういう息抜き的な部分があったり面白いMCがあったりしながらも、全体にはすごくストイックなライブだったなあというのが一番の印象です。特にライブの終わり方でそう感じました」

司会者「アンコール後特にMCとかもなくアルバムのラスト曲でもある『Dreamland』が始まって、そのまますっと終わりましたね」

レジー「気品のある終わり方だった。で、今回のライブについて改めて考えたときに直近のアルバムである『LEVEL3』の話になるんですけど。このアルバムってしきりに3人が「ドーム公演のためのアルバムを作った」って発言してたじゃないですか」

司会者「そうですね」

レジー「セットリストもまずは『LEVEL3』の曲でがっつり固めて、あとは定番曲をちりばめてく感じで。逆に言うと、『LEVEL3』の楽曲以外ではあえて大きな見せ場は作ってないとも言えると思うんですよ。もちろんどの曲も良かったけど「いつも通り良い」って話であって」

司会者「とにかく『LEVEL3』というアルバムの世界観を伝えることに特化してたわけですね」

レジー「たぶんそういうことなんじゃないかなあ。アルバム後に出た『Sweet Refrain』をやらなかったのも、単純にライブ演出の詰めとリリースタイミングが合わなかったみたいな話もあったのかもだけど、「『LEVEL3』というアルバムを表現する」って立場で考えたがゆえの決断だったのかなと。で、なんでこんな話をしているかということなんですが、Perfume大好き経済学者でおなじみの小幡績さんがご本人のブログで今回のライブについてこんなことを言ってまして。大阪初日の感想です」

数々の目標を達成し

海外、というものが彼女たちにはピンと来なかった。

だから、今までのひたむきな勢いが失われている、と思っていた。

今日のオープニングから最初のトークではそれを感じた。

最初のドームのあの震えるような感覚。

それはもうここにはなかった。

突っ走る三人。

やはり、最初のドームのエンディングで彼女たちはひとつの極みに達したのだ。

あそこはひとつの区切りだったのだ。


司会者「うーん」

レジー「実際のところ「ひたむきな勢いが失われている」かはわからないんだけど、Perfumeにとっての「目標に向かって突き進む」みたいなフェーズが終わってしまったってのは確かにそうだと思うんですよね」

司会者「まあ大体のことはやっちゃいましたしね」

レジー「うん。海外にファンがいるのも確認できてるし、ドーム公演ですら今回が初めてではない。こういう流れで「念願かないました!ドームツアーです!」ってやるのは逆に不自然なわけです。で、この手の話をアイドルシーン全般に広げて見てみると、今ってこの「念願の・・・」って論法でしかいろんなものが進んでいかない感じになってますよね」

司会者「あー」

レジー「「武道館でやりたい」とか「紅白に出たい」とか、そういう目標を設定してそこに到達するまでのプロセスをゲーム的に楽しむ、ってのが行き渡りすぎちゃったんじゃないかなあと。このやり方って、じゃあ目標達成しちゃったらどうする?解散?って話になっちゃう危うさがあると常々思ってるんですけど」

司会者「AKBが東京ドームやったあとの何とも言えないぐだぐだ感はこの辺に起因しますよね。あっちゃん卒業っていうあまりにも偉大なことが起こってしまったというのを差し引いても」

レジー「4月の武道館のライブYouTubeで見たけど、5大ドームツアーが発表になった時に泣いてたのたぶんたかみなだけだった気がする。逆にあそこで泣けるたかみなすごいなって思ったけど。国立競技場ライブも何かねじ込んだ感じになってるけど、単に規模拡大競争したところでそれの意味がわからんみたいな。適切な「ゴール」を作れないから、もはや「ゲーム」が駆動しない状況になってるんじゃないかな」

司会者「国立と言えばももクロのライブも発表になりました」

レジー「あれは一応「目標」って自分たちで言ってたから意味は分かるけど、これだってやり終わっちゃったらどうすんのかなって感じはするよね。で、この辺の話って、ただただ「大きいところでやりたい」「注目される場に出ていきたい」ってことを言ってるだけで、「いい歌を歌いたい」「いい作品を作りたい」みたいなことは全然出てこないんですよ。こういう流れで見ると、今回のPerfumeの「アルバムの世界観を伝える」っていうトライの特異性が際立ちますよね」

司会者「単なる拡大路線・成長競争を終わらせた後に、「いい作品をベースにいいライブをやる」っていう表現者として当然の場所に立ったのが今回のドームツアーであると」

レジー「当たり前の話だけど、「念願の・・・」がなくたってミュージシャンの歴史は紡がれていきますからね。PerfumeはAKBよりも先にドーム公演やってるわけでこの手の規模拡大競争の先頭に立ってたとも言えるけど、そのトップランナーがそういうレースを終えて「いい作品をベースにいいライブをやる」っていうことをやった意味は大きいと思います」

司会者「文字にすると当然な感じですが、そういう視点とは異なる力学で動いてるのが今のアイドルシーンだったりしますからね」

レジー「僕は、というか僕に限らずいろんな人も言ってるけど、Perfumeってのはアイドルとして前人未到の道を切り開いてるし、他のアイドルにとってのロールモデルになるべき存在だと思っています。「動員拡大競争とそれを巡るゲーム化」みたいな話は必ず終わりがあるわけで、その次のフェーズにどうやっていくかってことをそろそろ考えるべきタイミングに来てると感じるし、そこに最初に立ち入ったのはやっぱりPerfumeだったってのはすごく納得感のある話だなあと思いました」

司会者「こういう切り替えというか発想の転換ができるかってのが、「売れたアイドル」のターニングポイントになるんですかね」

レジー「そうね。そういう意味で言うと、たとえば9nineは来年武道館が決まっててすごく楽しみなんだけど最近のシングル曲から考えると個人的には「規模拡大競争の“次”」が見えづらいのが気になってます。なんか世界観もへったくれもない気がしてるんだが、この前の舞浜のライブとかどうだったんだろ。4月の中野サンプラザ行くのでそのあたりも注目したいなと。あとももクロは以前『5TH DIMENSION』の再現とかツアーでやってたみたいだし、国立終わったらよりそういう方向に舵切ってくのかなとか。女子流の生バンドでやるライブとかも規模拡大・効率重視とは違う流れのものだよね」

司会者「48グループはどうですかねえ」

レジー「あの人たちは大箱のライブを「人を大勢集めるお祭り」としか捉えてないから、今のビジネスモデルのままだと方向転換はないと思うんだよね。だから結局キャラ頼みというか、ルーティンの中で誰かの覚醒を待つって話でしかないと思う。たぶん可能性があるのはむしろ乃木坂の方で、『16人のプリンシパル』とかすごく評判がいいじゃないですか。武道館ライブみたいなのをやりつつそういう新しいトライもしてるわけで、その2つの流れが合流していくところに面白いものがあるんじゃないかなー」



司会者「乃木坂はまだアルバムも出てないですからね」

レジー「そうね。それ聴いてからだね判断するのは。そしていまだに一度も見たことないので来年こそは。長くなってきたのでこんな感じで」

司会者「わかりました。Perfumeのライブの話からアイドルの規模拡大競争とその後みたいな話になりましたが、最後まとめていただけると」

レジー「そうですね、とにもかくにも今回のドームツアー体験できてほんとよかったです。Perfumeにとってもアイドルシーン全体にとってもすごく意味のあるライブだったと思う。作品の世界観とセットになったこういうライブをあのスケールでやれるアイドルがどんどん出てくればいいなと。来年は「初武道館組」がさらにいろいろ生まれるわけで、その人たちが「次」にどうやって進んでいくのか注視していきたいと思います。で、最後に、ちょうど今読んでる『新・日本人論』って本に載ってる『釈徹宗による井上雄彦論。』の冒頭にこんな記述がありまして」

もはや近代成長期を終えて近代成熟期社会となっている現代日本において、今なお「成長を自己目的とし、次のステージへと駆り立てる構造」なしには成り立たない世界がある。それが少年漫画の世界である。一般商業誌に掲載される少年漫画の多くは、基本的に読者を「煽る」ストーリー展開になっている。宗教社会学者・大村英昭などが言うところの「煽り型プロテスタンティズム」が、少年漫画には溢れている。



司会者「これって昨今のアイドルシーンの動向にもぴったりあてはまりますね」

レジー「僕もケイクスの原稿でここまでのPerfumeの足跡について「少年ジャンプ的世界観」みたいなこと書いたんだけど、今回のドームライブはPerfumeがいよいよ違う世界を見せてくれる「その次のフェーズ」に突入したなあというのをこれ読んで改めて感じました。というわけで、この先のPerfumeも当然のように楽しみに追っていきたいと思います」

司会者「わかりました。では次回はどうしますか」

レジー「もう今年終わるのでブログ全体の総括っぽいことやって最後にしようかな」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

【2013年総括】マイ年間ベスト特別企画:tofubeatsインタビュー 「今年の顔」の胸の内

司会者「というわけで、いろいろ煽ってきましたマイ年間ベストのスペシャル企画をお送りします」




レジー「「今年の顔」といったらこの人しかいないと思うんだよね。というわけで、今回はtofubeatsのメールインタビューをお届けします」

司会者「ここまで発表してきたマイ年間ベストにも関連作品多数です」

レジー「選んでてtofubeatsたくさんあるなと気づいて、こりゃお話聞きたいなあと思ってダメ元でお願いしてみたらOKだったんですよ。ありがたい話です。ありがとうございました」

司会者「しかもメールのレスが早い」

レジー「本気で感動しました。その辺の会社員よりよっぽど仕事できるよ」

司会者「ミュージシャンにも事務処理能力が必要な時代なんですかね」

レジー「インタビューにも出てくるけど、「メジャーに所属しつつこれまでのインディー的スタンスも残しながら活動する」みたいなことやろうとすると必然的に「自分のことは自分で」って話になってくるのかなあと思いました。そんな感じで、このインタビューでは先日までのマイ年間ベストに出てきた楽曲についてや活動そのものに関するスタンスまでいろいろと質問させていただきました。今の時代に音楽を鳴らすことについてものすごく自覚的な方だということが随所に表れていると思いますので、ぜひトーフさんの言葉を通じて2013年の空気を感じてください。それではどうぞ」

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---2013年はトーフさんにとってアルバムリリースにメジャーデビューにと非常に重要な一年だったかと思います。大雑把な質問になりますが、今年一年を振り返ってご自身にとってどんな年だったかお聞かせください。

「春の『lost decade』のリリースからメジャーデビューEPまで、「全部1年で起きたことなのか」と自分にとっても結構ビックリな年でした。「人生の節目」って後々言うのはここらへんだなあと今も感じているのですが、一方で激動する周辺にあわせて自分は変わってしまわないかとても不安になる年でもありました。メジャーに行くことによって周囲の見方が明らかに変わっていくのを感じますし、そんな中で自分自身が大きく変化してしまわないように神戸に住むのを改めて決意したり、大きい変化の中で出来る限り自分のスタンスを維持するように特に意識した1年だったと思います」




---これまでもご自身のペースで作品をリリースして各方面で評価を得ていたトーフさんにとって、あえて「メジャーデビューする」という選択をしたのにはどんな背景があったのでしょうか。

「「もともとメジャーデビューに興味がなかったわけではない」と言うと驚かれることも多いのですが、とても興味はありました。YUKIさんのリミックスなどを受けさせていただいていた時点ではまだいろいろな人の助けもありつつほぼ個人でやっていたわけですが、そこまでやっても「インディの大学生」として扱われているのは面白い反面何かチャンスを逃しているような気もしましたし(流通の面などで)、たとえばビデオにお金をかけたりとか、「人の名義ではなく自分の名義でおもしろい物を作るための一つの手段」としてメジャーでやってみたい気持ちも前からありました。そもそもフリーからインディ的なところに行ったような流れで純粋に「段階として」という部分もありますし、メジャーでの動きとこれまでのざっくばらんな活動を両方走らせることが出来たら何かのモデルケースとして面白いかもなあと思ったという側面もあります。そんなことを考えながら実際に交渉をして、最終的に話がまとまったのがワーナーさんでした。『lost decade』では本当に自分の持ち出しでやっていたのでお金の面ややりくりについてはメジャーに行くことで逆に心配に感じる部分もあるのですが、こういうトライは出来る限り若いうちにやっておきたい、試せるものなら試したいと思ってました。あとは好きな女優さんとかにオファーしようと思ったら、やっぱり売り上げや自分の知名度だけではなくてきっちりした会社に入らないとそういうPVのオファーもできないのかな〜的な浅はかな考えが結構大きいです。これは何年も前から言っています」


---ここから、今年リリースされた作品についての質問をいくつかさせていただければと思います。レジーのブログ「マイ年間ベスト10曲」にて、dancinthruthenights『ダンシンスルーザナイト』を1位に選ばせていただきました。この曲の制作にあたっての背景や楽曲の聴きどころなどあれば教えてください。また、「架空のアニメ作品『ダブルトラブル ~4人は仲良し~』のテーマソング」という設定があるとのことですが、具体的にどんな内容のアニメをイメージされていましたか?




「僕の記憶はとても曖昧なのですが、Sugar's Campaignの2人は最初から曲の裏にあるアニメの設定をガッチリ組んで(それは僕は知らないのですが)デモを作っていて、僕らは結構ぼんやり作っていました。それぞれの楽曲が出てきて「これめっちゃアニメのOPEDっぽいやんけ」ってなって、アニメっぽいタイトルを出し合う流れになったように記憶しています」
(※注:『ダンシンスルーザナイト』は、Sugar's CampaignとDancinthruthenightsのスプリットシングル『ダブルトラブル~4人は仲良し~』としてサウンドクラウド上でリリース)


---アルバム『lost decade』には複数の女性ボーカリストが参加されていますが、「tofubeats名義の女性ボーカル曲」と「女性アイドルに提供する楽曲」では制作の際の心構えや具体的なプロセスで異なる部分はありますか?






「やはり人の名義は他人のゾーン、自分の名義は自分のゾーンに寄せるというのは考えます。たとえばリリスクの曲が僕の思っていないことかと言われたらそうでもないですが、彼女たちがあたかも言っているようにしなければいけないと思ってます。一方で自分名義のものは自分の言ってほしいことをボーカリストの方に代弁してもらって意味のあるものになればいいなと思って作ってます」


---『Don’t Stop The Music feat.森高千里』で描かれている「音楽の鳴り止まない夜」というモチーフは『朝が来るまで終わることのないダンスを』とも共通する部分があるかと思いますが(それゆえ初回盤ソノシートに収録されていたと解釈しています)、トーフさんにとっての「音楽の鳴り止まない夜」とはどのような景色が一番しっくりきますか?(→みんなでハイタッチしながら踊っているとか、少人数で静かにお酒を飲みながら体を揺らしているとか、そんな感じのイメージでお答えいただけると)






「別にそのイメージは皆さんが思ってるやつ・・・というか何でもいいんですが、個人的には家で音楽を聴きながら踊っている時が一番近いです。皆さんからクラブのことですよね〜(転じて風営法へのアンチだとよく言われますが・・・)的なことをよく言われるのですがそこまで意識していません」




---ちょうど風営法の話が出ましたが、昨年トーフさんはこの問題と絡めて『朝が来るまで終わることのないダンスを』をフリーで配信されています。トーフさんにとって、この件のようなポリティカルな出来事が楽曲を作るモチベーションになることはありますか?(『朝が来るまで終わることのないダンスを』が本来は風営法とは関係のない曲であることは認識しております)

「『朝が来るまで終わることのないダンスを』をフリーで配信したのはどっちかというとネガティブな理由なんです。あの楽曲はそもそもマルチネレコードが初めて出したCD『MP3 KILLED THE CD STAR?』のために書き下ろした曲なんですね。で、その後もライブでよくやる曲なので、他の曲と同じように少しずつ直したりして自分では聴いてたのですが、2012年になったときに風営法の問題が特に関西で表出してきたわけです。そのあたりから、もともとストレートな気持ちで作った曲がポリティカルな手段として使われるようになったんですね。「やっぱ朝まで踊れないとダメですよね!」とかいうよく知らない人からの同調圧力のようなものをかなりのレベルで感じるようになって、当時僕はこのことが相当ショックでした。なんか討論会からのオファーきたりとか。風営法自体に賛成か反対かは別に個人それぞれの意見があるわけで、風営法に反対することが正義だとは決して思いませんし(逆も然り)、問題の解決の方法はさまざまです。物事はどちらかに100%ということはありませんし、自分も「この問題とは慎重に向き合わないとな」と思っていました。そういう中で「風営法に断固反対!」みたいなスタンスだと解釈されてしまって、なんかそういう歌詞を追加で乗せられたり、あたかも僕がそういう意図で作った曲のように紹介されて、正直がっかりしたんですね。それでいろいろな方たちがそういうことをやる際の許可を取るために連絡が都度都度きて、「風営法に反対してるんです!共感しました!」みたいな意見を述べられるのがかなりつらくて・・・
 世の中に自分の曲が放たれた時点でそれはリスナーのものになるということをまだわかっていなかったので奢りみたいな部分はかなりあったと思うのですが、そういう解釈をわざわざ連絡されるのがいやだったので、みんなで適当に好きなように使ってくれと思ってフリーで配信しました。
 長くなりましたが、政治のこととか別に普通に考えてるし基本的にはポリティカルなことからは音楽やってるときくらい多少なりとも離れたいよね、と思ってるタイプです。現時点では、ですが」





---「マイ年間ベスト10枚」では、lyrical school『date course』を1位に選ばせていただきました。トーフさんの書き下ろし楽曲『ひとりぼっちのラビリンス』が作品の後半に配置されることでアルバムとしての「起承転結」がよりはっきりしたものになっているという印象があるのですが、この曲の制作にあたっての背景やアルバムにおいてどんな位置づけの曲になることを想定していたか教えてください。




「リリスクの総合プロデューサーのキムさんからはざっくりとした流れは説明されていて、「オカダダさんの曲(『でも』)あたりの失恋から一連の流れで、スキットの前に位置づけたい」と最初からオファーがあって制作を始めました。「失恋してからそれを思い出す」じゃないですけど、実際に上手くいってない時期というよりは過去を振り返る感じにしようかな、みたいなゆるやかなイメージの指定は制作前からあったと思います。書き下ろしのアルバム曲ということもあり、リリスクでは過去あまりやらなかった手法もいくつかやってみた曲です。いつもより多くコーラスをやってみてもらったり、これまでは全部最初から決めて色分けした歌詞で録音していたパート割りも今回は全員録音してからこっちで割り振ってみたり(これまでそんなことしなかったのでメンバーには微妙に緊張感が走ってましたが(笑))など、新しい発見がいくつかあった曲でした。「肩の力を抜いてアルバム用にやってみよう」といった感じで制作した曲だったんですが、最終的な仕上がりはなかなか気に入っていまして、今年作った曲の中でも結構好きです。あと関係ないですけど『date course』のジャケはほんといいですし、このアルバムに自分の作らせていただいた曲が半分もはいってるのが嘘みたいです」




---9nine『CUE』に収録されている『CANDY』の歌詞に出てくる女の子像について「恥ずかしがり屋なんだけど積極的」「派手な顔じゃないんだけど実は結構可愛い」「真面目なグループの中で相対的に見るとちょっと派手」という妄想を以前ブログでしたのですが、トーフさんの中ではどんなイメージを持ってこの曲を制作されましたか?




「レジーさんがどういう妄想を具体的にしているかは謎なのですが!(笑) そんなことはさておきやっぱり男はギャップとかそういうのが好きだと思いますし、ギリギリのリアリティの範囲内でそういう理想の女の子が描けたら良いですよね」




---トーフさんがアイドルに対する距離感について書かれたこちらの文章に(同じ男子校出身者として)かなり共感しているのですが、「僕にとって少女から女性への転換期はブラックボックス」という思春期の環境がアイドルの楽曲制作に影響を与えている部分はありますか?個人的には、「ブラックボックス」であるがゆえに女の子を絶妙に美化する感じがトラックや歌詞のかわいさ・美しさにつながっているのかなと感じているのですが。

「やっぱり「そんな女の子いないよね」とか「美化しすぎなんじゃないの・・・」とか言われるときもありますが、一方で「女性の気持ち解ってますね!」と言われるときもあるのでなんか結構あてになんないな!と最近思っているところです(笑)。まあでもアイドルさんですし、やっぱ男子校育ちですから基本的にハードコア清楚好きなのでそこらへんのこう、趣味っていうんですかね、信仰心っていうんですかね、出てるんですかね・・・」


---今年でいえばdancinthruthenightsの『マジ勉NOW! feat.新井ひとみ』など、トーフさんはアイドルシーン(およびそれらを含むJ-POPという領域)とクラブミュージック界隈をつなぐ「ハブ」になっていると思います。トーフさんの意識の中に、「異なる文化を交流させよう」「リスナーにとって、普段は聴かないような音楽を聴くきっかけを作ろう」という自覚・使命感のようなものはありますか?






「使命感まではないですが、単に「この曲いいな〜」だけじゃなくていろいろ背後に情報があったほうがエンタメっつうか普通に趣味として聴きがいがあると思うし、自分もそういうのを見たり知ったりするのが好きなので、自分の曲を他人が聴くときもそういういろんな情報を背後に用意できたらなあと思います。せっかく自分の曲を好きになってもらえてもそこから何も広がらなかったらつまらないと思うので」


---最近は宇多田ヒカル『First Love』を聴きこんでいるとのことですが、90年代ではなく今年のJ-POPの作品でよく聴いたものがもしあれば教えてください。

「結構ブックオフばっかで今年のものは意外に買ってなかったかもとか今更思う部分もありますが・・・」

きゃりーぱみゅぱみゅ - にんじゃりばんばん
choochoogatagoto – A.H.(thamesbeat remix)
Predawn – tunnel light
山本精一 – I Believe in you
徳利 – あの子を抱きしめたら
泉まくら – 東京近郊路線図
星野源 - 夢の外へ



---それでは、宇多田ヒカル以外に今年のブックオフでの掘り出し物があれば教えてください。

「まあこれはブックオフに限らず中古ショップでですしベタなのもありますが」

角松敏生 – I MUST CHANGE MY LIFE & LOVE FOR ME 8cmシングル
中澤真由 全作
Human Soul – Deep Kiss アルバム
南野陽子 – GAUCHE 「マニキュアがかわく間に」
相田翔子 – Luz
木村恵子 – [M]
Cathy Dennis – Move to This
TPD – THE REMIX CHA-DANCE PARTY
篠原涼子 – RYOKO from Tokyo Performance Doll はじめTPD各作品
Yukie -日焼け 8cmシングル「もしも私なら」



---『ダンシンスルーザナイト』のようなかっこいい楽曲が無料でネットに放り出されていることに、僕のような30過ぎのパッケージカルチャー全盛時代の人間は衝撃を受けました。また、エレキングのインタビューでは「「気前が悪い」っていうのが一番嫌い」とも発言されています。マルチネでの活動も含めて、トーフさんの根底にある思想を突き詰めていくと「すべての音楽は“気前よく”フリーで聴かれるべき」というものにたどり着くのでしょうか?



「逆になぜ気前を良くするかというと「お金をもらうため」という点もあるので、少し違います。お金をもらって音楽を作っているにもかかわらず、CCCDなり、コピーガードなり、30秒のみの試聴なり、運用をギッチギチに縛ることがこれまで疑問だった(気前が悪いと感じる)わけです。正直お金をもらわないとご飯食べれないですし、何らかの形で収益を得なければならないしそうしないと経済も回らないわけですが、その際に「狭くやっていくのか/広くやっていくのか」みたいな感じです。海外のアーティストがフリー配信に最近振れているように見えますが、それはあくまでも他の収益モデルが成り立っているから実現する構造で、上辺だけ輸入するのもとても危険だしあんまかっこ良くないかなと思ってます。ここらへんは見極めの時期だったり、実際どちらもメリットやデメリットもあり、フリーと課金の間にも様々な方法があるので明言は避けますが、とりあえず今のところはメジャーにも居ますし両軸走らせて様子を見ています」


---「音楽とお金」の話に関連した質問です。同じくエレキングのインタビューでは「音楽だけで食っていけるとは思っていない」とおっしゃられていましたが、才能のあるミュージシャンが「音楽だけでは食っていけない」ようなことが起こりうる状況について何か感じるところがあれば教えてください。

「「そもそもフリーで配っていて楽しくて趣味でやってたものが、たまたま確変してメジャーになって今暮らせている」という考えはあんまり変わっていません。正直僕は楽器の習熟とか人前で見せられる一芸的なことで音楽をやっているわけではないので、食えなくなる日が来ても全然おかしくないな〜とは思います(いつのまにかご飯が食べられてしまっていたように)。まあでもいつの時代も才能のある経営者は生き残って行くと思いますし、自分はさておき才能のあるミュージシャンと才能あるマネジメントがいれば今のところは食べて行けるんじゃないでしょうか」


---最後に、2014年以降の音楽シーンおよびポップカルチャー全般において、tofubeatsという存在はどんな位置を占めていきたいか、目標や野望があればお願いします。

「「アイツはなんか神戸で謎にいろいろやってんな」的に思われている立ち位置がいいかなと思ってます。とりあえず来年もディスコグラフィをたくさん増やしたいです」


---------------


司会者「何か感想などあれば」

レジー「やっぱり一番共感したのは「ハードコア清楚好き」ってところだね」

司会者「そこですか」

レジー「ここについては酒飲みながらお話ししたい。いや、でも冗談抜きにそういう思考の人のアイドル曲が素晴らしいってのはいろいろ示唆的だと思いますよ」

司会者「「フリー」についてのスタンスも面白かったですね」

レジー「うん。フリーミアムと言っちゃうと途端に軽薄な感じになるけど、こういう「攻めのフリー思想」みたいなのは音楽ビジネスに限らず見習うべきだと思った。生き方みたいな大きい話に広げてもね。交換と贈与の概念とかそういうテーマだよね。自分で言うのも何ですが、とても刺激的な内容でした。あえて神戸から動かないとか、メジャーに行きつつもそこを試すようなやり方をするとか、僕としてはトーフさんに勝手に共感してるんですよね。自分にとってのレガシーメディアとの距離の取り方とすごく近いものを感じてるというか。おこがましいですけど」

司会者「「Success is the best revenge」ってモットーとかね」

レジー「そうそう。これほんと僕もそう思ってるから。「ざまあみろ」の精神で生きてる部分大きいので。そうやっていろいろ自己投影できるミュージシャンとコミュニケーションがとれて良かったです。読んでいただいた方にとっても何かしらインスパイアされる部分があったら嬉しいですね」

司会者「トーフさん今回はご協力いただきありがとうございました」

レジー「重ねてお礼申し上げます。今回はそんな感じで」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「Perfumeのドーム公演の話ができればと思ってますが準備次第で」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

【2013年総括】マイ年間ベスト10枚(5位~1位)

レジー「というわけで、今回は「マイ年間ベスト10枚」の上位5枚をご紹介させていただきます」

司会者「「マイ年間ベスト10曲」も含めたこれまでの結果はこちらをご覧ください」

【2013年総括】マイ年間ベスト10曲(10位~6位)
【2013年総括】マイ年間ベスト10曲(次点7曲)
【2013年総括】マイ年間ベスト10曲(5位~1位)

【2013年総括】マイ年間ベスト10枚(10位~6位)
【2013年総括】マイ年間ベスト10枚(次点8枚)

レジー「例によってコピペですが、この10枚は「今年リリースされた中で僕が“好んで聴いた”10枚」であって決して「シーンを象徴する10枚」とかそういうのではないことをご理解いただければ。今回発表する5枚とも大好きな作品ですが、苦しみながら順位をつけてみました。それではどうぞ」


5位 LIFE ANEW/高橋幸宏

AL_高橋





レジー「これは夏場によく聴きました。さわやかなアルバムだった」

司会者「この方は枯れないですね」

レジー「YMOフリークとかでは全然ないんですが、pupaとか高橋さんの活動は何か気になるんだよね。それこそ大昔にスカパラと一緒にやった曲とかも好きだったし」

司会者「『Watermelon』ですね」



レジー「あとこのアルバムはジェームスイハが参加してるのがポイント高い。この人のアルバムは思春期のBGMでしたわ」






司会者「『Let It Come Down』は名盤ですね」



レジー「うん。ほんと今でも聴けるよ」


4位 Cry Like a Monster/のあのわ

AL_のあのわ





レジー「リリース時には気づいてなかったんですが、ちょっと遅れて聴いたらとても良かったです」







司会者「もともとは好きでしたよね」

レジー「出てきたころはね。『ゆめの在りか』よく聴いてた」



司会者「この頃からだいぶ変わりましたね」

レジー「そうね。ツイートもしたけど、海外の流れとか日本の流れとかいろんなものが重なったところで鳴ってる音だなあと思いました」


3位 LEVEL3/Perfume

AL_LEVEL3.jpg





レジー「このアルバムについてはレビュー的なものをこちらの記事に書いてるのでそっちでどうぞ」

司会者「あとはcakesにもがっつり書きましたね

レジー「ドーム公演も大阪で見てきました。いやー素晴らしかったです」

司会者「感想は東京公演が終わってからですかね」

レジー「そうですね。ネタバレできるようになったタイミングでまとめて書きたいと思います」


2位 Signed POP/秦基博

AL_秦





司会者「今年1月に出たアルバムです」

レジー「これ上期よく聴いたんだけどあんまり話題にはなってなかったね。すごい良いですよ」

司会者「ひたちなかで見たライブも良かったですね」




レジー「ここまで歌える人今日本にいるのかって感じだけど、その歌を徹底的に生かす作りになってるアルバムだと思いました。サウンドとして目新しいとか革新的とかそういうのじゃないかもだけど、ただ素晴らしい歌があればポップミュージックになるんですよ。お気に入りトラックは『ひとなつの経験』ですね。超セクシー。何となく未聴の方が多い気がするのでぜひ聴いてみてください」

司会者「わかりました。それでは1位の発表にいきましょう」


1位 date course/lyrical school

AL_リリスク





レジー「というわけで1位はリリスクと相成りました」

司会者「今年の9月に出た作品です。改名して最初のアルバムですね」

レジー「女の子のラップ楽しい!ってのはもちろんのこと、とにかく作品としてのまとまりが素晴らしいと思いました」







司会者「しっかりした流れがありますよね」

レジー「特に後半の流れが最高ですわ。パーティー感とその後の切なさみたいなところはすごいリアリティがあるね。これは9位のOK?NO!!の作品でも感じたところです。あとはジャケットも良すぎるでしょ」

司会者「江口寿史さんの作品です」

レジー「パッケージも含めてパーフェクトですね。僕アナログ買ったのであの絵をあのサイズで楽しめる幸せを感じています。というわけで10枚発表しました」

司会者「改めて並べてみましょう」

1位 date course/lyrical school
2位 Signed POP/秦基博
3位 LEVEL3/Perfume
4位 Cry Like a Monster/のあのわ
5位 LIFE ANEW/高橋幸宏
6位 クルミクロニクル/クルミクロニクル
7位 lost decade/tofubeats
8位 CIDER ROAD/UNISON SQUARE GARDEN
9位 Party!!!/OK?NO!!
10位 T H E/tricot


レジー「こう見ると、自分にとって「ポップとは何か」みたいなものを考えさせるような作品が集まってるのかなあと思いました」

司会者「「ポップ」と言ってもいろいろありますからね」

レジー「うん。バンドフォーマットのギターロックのアプローチもあれば、アイドルがやるヒップホップみたいなものがあったり。聴いてて楽しいみたいなプリミティブな話ではあるけど、そういうことが自分にとってますます大事になってるんだなあと感じます。来年もそういう気付きがあるような作品に出会えればいいなと思いますわ。というわけで年間ベストの発表はこれにて終了です。お付き合いいただきありがとうございました」

司会者「わかりました。では次回はどうしましょうか」

レジー「僕この年間ベスト企画を始める際にこんなツイートをしたんですよ」




司会者「ということは次回はその「スペシャル企画」ですね」

レジー「はい。一応この年間ベストって【2013年総括】ってタグをつけてやってきたんですが、2013年を総括するんであれば今年大活躍だったあの方のお話を聞かないわけにはいかないなと。というわけで、次回はそんなインタビュー企画をお送りします。ここまで発表した音源とか聴きながらしばしお待ちください。お楽しみに」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

【2013年総括】マイ年間ベスト10枚(次点8枚)

レジー「前回の「マイ年間ベスト10枚」の10位~6位に続いて、今回は次点になったアルバム8枚を発表したいなと」

司会者「「10曲」の時に続いて今回も多いですね」

レジー「いや、これでも結構絞りましたよ。たぶん今年はほんとに豊作だったんだと思う」

司会者「ナタリーの大山さんもこんなこと言ってましたね」




レジー「まさしくその通りですね。というわけで次点といいつつ8枚もありますが、全部11位という位置づけでお願いします」


CUE/9nine

AL_9nine.jpg







ダーティーサイエンス/RHYMESTER

AL_RHYMESTER.jpg






HUE CIRCLE/YeYe

AL_YEYE.jpg






Melody Palette/Negicco

AL_negicco.jpg






演出家出演/パスピエ

AL_パスピエ






TOWN AGE/相対性理論

AL_相対性理論






Stranger/星野源

AL_hoshino.jpg






broken record/ホシナトオル




司会者「何かコメントなどあれば」

レジー「とりあえず今年はパスピエのアルバムの上位進出が期待されてたんだけど結局次点で落ち着きました。このアルバムももちろんよかったんだけど、最近はちょっとマーケットインの姿勢が過剰なんじゃないかというような気もしてます。その辺またインタビューしたいなあ

司会者「パスピエと比較されがちな相対性理論のアルバムも入ってますね」

レジー「一応アルバム出るたびに聴いてはいるんだけど、何気に今回のが一番すんなり聴けたかもしれない。アイドルだとNegiccoと9nineのアルバムをよく聴きました。Negiccoのアルバムは各所で絶賛されてるけど9nineも今作は結構いいよ」

司会者「来年は武道館が決まってます」

レジー「平日だけど行きたいなあ。ライムスターは年初に、YeYeは後半によく聴きました。あと星野源は春ごろに結構聴いたね。正直ここに入れたくなかったんだけど」

司会者「なんですかそれ」

レジー「僕が星野源に対して持っている感情は、一言で言い表すと「嫉妬」ですね」

司会者「はあ」

レジー「いやー僕なんか大したことないですよーみたいな感じで飄々とやってる感じがいちいち腹立たしいんですよね。年齢も近いのでなおさら」

司会者「確かにエッセイとかの「ダメな俺」を過剰に出してくる感じはちょっとどうかなってところもありますね」



レジー「それなのに出す歌出す歌最高っていう。そしてそんなこと言いつつエッセイも読んでるという」

司会者「『くだらないの中に』は2011年のマイ年間ベスト10曲の1位だったりします」

レジー「ほんと嫉妬の炎を燃やしながらたくさん聴きましたこのアルバムは。世代が近い話で言うとホシナトオルもそうですね。フリー配信なので聴いたことない方はぜひ。こんな感じで次点はここまで。次回は5位から1位の発表です」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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