レジーのブログ LDB

「歌は世につれ、世は歌につれ」でもなくなってきた時代に。  ※15/4/23 世の中の状況を鑑みてfc2からこちらに移しました

ご連絡はレジーのポータルの「contact」よりどうぞ。(ブログ外の活動もまとめてあります)

2014年01月

【第4回】あの1023円で何が買えたか? -もはや誰も顧みない90sJ-POPを勝手に供養する-

レジー「前回の予告通り、今回は『あの1023円で何が買えたか? -もはや誰も顧みない90sJ-POPを勝手に供養する-』の4回目をお送りします」

司会者「第3回が7月だったので結構間が空きましたね」

レジー「いろいろとタイミングがね。意外とファンがいるらしいですよこの企画。お待たせしました。久々なのでルールを改めて」

アマゾンを巡回して「1円で買える90年代半ば~後半デビューのさして売れなかった人たち」のCDを3作品発見して回収(送料340円×3枚、総計1023円)→その中身について自分の思い出も交えて話をする

司会者「これまで取り上げたのはこの辺です」

第1回:After me/rough laugh/CURIO
第2回:cool drive makers/ZEPPET STORE/ROBOTS
第3回:SMILE/オセロケッツ/坂本サトル

レジー「こうやって並べるとなんか独特の香りが立ち込めてくる感じがあるな。そう言えば、KEYTALKってバンドあるじゃないですか。何かこの人たちってここで出してるような90sバンド感をうっすら感じるんだよなあ。「ロキノン的邦ロック」みたいな概念が生まれる前のバンドサウンド」



司会者「結構人気あるみたいですね」

レジー「この曲しか知らないけどわりと好きです。というわけで本題に入ると、今回の3枚はこちら」

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司会者「さらにマイナー感が増してる気が」

レジー「まあここまできたらどれも変わらんよ。早速いきましょう」


『PEPPERLAND ORANGE ~夏の魔法~』/ PEPPERLAND ORANGE





司会者「これ販売価格10円になってますね」

レジー「僕買ったとき1円のあったんですよ。危ない危ない。これ前から取り上げたかったのに対象外になるところだった」

司会者「ペパーランドオレンジは1998年にメジャーデビュー、1999年に活動休止となりました。動画で貼った『夏の魔法』がポカリスエットのCMソングとして使われていました」



レジー「この曲しか知らなかったけど、ほんとに一瞬しか活動してなかったんだ。ちなみにこのアルバムにはセルフライナーノーツが入ってるんだけど、これ読むといろんなこと考えすぎて混乱してる感じがにじみ出てて、活動が長続きしなかった理由も何となくわかった気になってしまう」

司会者「少し引用してみましょう」

凝りに凝ったアルバムを作ろうと思えば、今すぐにでも出来たけれど「果たしてそれで良いのか?」と疑問を持ったのです。
(中略)
俺達が直に「見て、聴いて、触れて、感じたもの」だけを身体に吸収して、消化出来た物だけを「筋の通った俺達のやり方」で吐き出して行こうと思っています。二人で一緒にやっているから、一つの物の「見方、感じ方」が違って当たり前です。だからこそ「二つの個性の幅」を出して行けた方が良いと思っています。
「当たり前」になりたくないし、ちっぽけな概念にも縛られたくない。常に「現在」であり続けながら、みんなと一緒に成長して行きたいと思っています。そして、ペパーランドオレンジはユニットではなくて間違いなく「バンド」です。


レジー「正直なところこれ読んだだけだとどういう文脈でこの文章が出てきてファンの方はどう受け止めたかってのが全く分からないんだけど、いろいろ考えてしまうタイプの人たちだったのかね。今の時代だったらツイッターでこういうこと頻繁に発信して話題になったりしたんだろうか。で、ここで紹介した『夏の魔法』は後藤理沙の可愛さも相まってとても好きな曲でした」

司会者「後藤理沙は翌年のポカリのCMにも出演しています」



レジー「こっちのが有名かもね。センチメンタルバス」

司会者「後藤理沙はASAYANのオーディションにも出てましたね。池脇千鶴が選ばれた三井のリハウスのオーディションでした」

レジー「あれすごい一生懸命見てたんだけど、考えてみたらいわゆるアイドル的なものに初めてときめいたのがあのオーディションだった気がする。男子校ど真ん中の時期でこんなかわいい女の子たちと仲良くなりたいと思いながら見てたわ」

司会者「そんな後藤理沙もいまやAVに出る時代です」

レジー「この記事書くにあたって調べてたら中身のキャプチャが貼ってあるブログとか見つけたんだけど、全くときめかなかった。見た目の変わり様も含めてほんと辛い気持ちになった」

司会者「後藤理沙の話ばかりしてますけど肝心の音の方はどうですか」

レジー「アルバムの1曲目からわりと重めのギターが鳴ってて、想像してたよりもバンド然とした音でした。意図的に曲間が短くなってたり、コーラスワークが何気に凝ってたり、音楽的な企みのあった人たちなんだろうなあと思いました。あとは何となく歌詞が恥ずかしい感じというか、最近ここまでど直球な甘酸っぱいラブソングみたいなの意外とないんじゃないかなあ。『二人乗りの自転車』って曲があるんですけど」



司会者「デビューシングルです」

レジー「ど頭の歌詞が「二人乗りの自転車 急な坂道必死に飛ばした 強くしがみついた君の温もり幸せ感じてた」で、幼馴染の君とラムネを飲んだりふとした横顔に色気を感じたりするんですよ」

司会者「AKBの曲っぽいな」

レジー「そうですね。『二人乗りの自転車』って曲はAKBでもあるみたい」



司会者「アイドル絡みでいうと、ボーカルだった佐久間誠さんはBuono!の『消失点』の編曲などアイドル曲も手掛けてますね」



レジー「この曲は知ってたけどペパーランドオレンジの人が噛んでたは想像つかなかったわ。こういうリンクは嬉しいです」


『PRESENT』/RAZZ MA TAZZ





司会者「続いてはラズマタズです。94年メジャーデビュー、99年に解散しました」

レジー「このバンドはいつ取り上げようかとずっと思ってたんですよね。この企画のゼロ回目的な記事でも触れてるんですけど、もしかしたら「ポストミスチル」的な動きの走りなのかな」

司会者「ここで紹介した『PRESENT』は96年のリリースで、オリコン2位を記録しました」

レジー「ヘイヘイヘイにも出たし売れかけたんだよね」

司会者「以前「象の小規模なラジオ」に出させていただいたときにも言及しましたね」

レジー「そうですね。あの辺のやり取り印象的だったから書き起こしてみます。動画を貼った『Season Train』を流した後のパーソナリティーの皆さんとの会話です」

江戸原「これがまた懐かしい、RAZZ MA TAZZで『Season Train』でした」

レジー「こういう場で改めて聴くとちょっと恥ずかしい気持ちになるのはなんでですかね(笑)」

成川「衒いのないメジャーコード・・・(笑)」

江戸原「『MERRY-GO-ROUND』ではないんですね」




レジー「なんで『Season Train』かというと、これも恥ずかしい話なんですけど高校のとき僕これバンドでコピーしてたんですよ」

一同「(笑)」

レジー「この鼻にかかった歌い方をしてた記憶があります」

江戸原「90年代のバンドの鼻にかかった歌声は何なんですかね。でも当時の音は何か統一感ありますよね」

レジー「この辺はミスチル・スピッツ以降の歌をちゃんと聴かせるロックバンドフォーマットというか」

江戸原「ちょっと世代が下のやなはるに聞いてみましょうか。これ初めて聴きましたか」

やなはる「初めて聴きました。バンド名も初めて知りました」

江戸原「どんな感じでしたか」

やなはる「OLが聴けるロック」

(一同爆笑)

司会者「この「OLロック」って名言ですよね」

レジー「音の特徴を絶妙に表している。あとは帯に時代の空気を感じる文言が」

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司会者「先着10万名」

レジー「今ならこんなこと軽々しくできないよね。10万枚ってもはやヒットの基準だもんねえ。このサイトによると96年は年間チャート100位でも24万枚。隔世の感があります」


『HomeMade』/SweetShop





司会者「今回のラストはスイートショップです。99年にメジャーデビュー、2003年に解散。このアルバムは99年リリースのファーストアルバムです」

レジー「このアルバムも当時の作品の御多分に漏れず、管楽器などのバンド以外のミュージシャンが生音がアサインされています」

司会者「時代を感じます」

レジー「金原千恵子ストリングスとかも参加してるからね」

司会者「プロデュースはスピッツでおなじみの笹路正徳です」

レジー「ずいぶん豪華なメンツですね。で、音なんですが、これまで「ポストミスチル」的な人たちをいくつか出してきたけど、実はこれが一番「ミスチルを意識した」音のように感じました」

司会者「ミスチルの99年というと『DISCOVERY』が出たころですね」

レジー「「ポップで爽やかなミスチル」とはすでにわりと距離感あったし、そこに「ミスチルっぽい音」を当てようって意図があったんだろうか。その辺はよくわからないけど、関わってる人とか最終的なアウトプットとかから見て「90年代ミスチル・スピッツフォロワー歌ものギターバンド」の集大成的な人たちなのかもと思いました」

司会者「そのわりには知名度低いですね」

レジー「だってもう99年ですよ。くるりもナンバーガールも世の中に出て、ライジングサンの1回目が行われた年ですからね。さすがに注目されるのは難しかったんじゃなかろうか」

司会者「「ポップで爽やか」みたいな音だとゆずが売れ始めてましたしね」

レジー「僕もミュージックスクエア以外で名前聞いたことない。でもこの『雨を見てたよ』はすごく印象に残ってるんだよなあ。ラジオ音源録音して何回も聴いたわ」

司会者「ボーカルの近藤さんはバンド解散後ソロとしても活動していて、コンポーザーとしても活躍されています」

レジー「ゆきりんのソロ曲もこの人が書いてるのね」



司会者「他にもAKBやノースリーブス、あとV6とかにも曲提供しているようです」

レジー「最初のペパーランドオレンジもそうだし、以前取り上げた坂本サトルもそうだけど、この辺の人たちはわりとアイドルと接点持ってるんだよね。これはたびたび書いていることですが、アイドルがブームになってたくさん楽曲が必要になると作り手ももちろん必要になってくるわけで、そういうときに「決して売れはしなかったけどメロディメーカーとしてのセンスのある人たち」ってのが日の目を見るわけですよね。この循環は素晴らしいと思う」

司会者「才能の有効活用ですね」

レジー「さすがに最近「アイドルなんて曲も書けなくてクソ」みたいなこと言う人は減ってきてるとは思うけど、そういうことではなくて「結果的にいろいろなミュージシャンが活躍できるプラットフォームとしてのアイドルの存在意義」ってあるよねというのを改めて感じました。この企画は自分としてもいろいろ発見があるので楽しい。というわけで今回はこんな感じで」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「後ろで走らせてる企画がいくつかあるんですが、もろもろでき次第って感じで。しばしお待ちください」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

話題沸騰の企画「ネットの音楽オタクが選んだ2013年の日本のアルバム」に関する雑文

司会者「前回の紅白とサカナクションについての記事のアクセスが大爆発しました」

レジー「あれなんだったんだろうね。特に波紋を呼ぶような内容でもなかったと思うんだけど」

司会者「はてブの数もかなり久々に100を越えまして」

レジー「ホッテントリ×Gunosyの破壊力すごいなあ。まあいいや。で、今回は予告通り「ネットの音楽オタクが選んだ2013年の日本のアルバム」という先日発表された画期的なランキングについてやりたいと思います」

司会者「「pitti blog」での取り組みです」

レジー「これほんとすごいよね。ネット上で発表されてる日本の音楽に関する2013年ベストをプロ・一般問わずひたすら集めて、ランキングごとにポイントを振って集計するという」

司会者「詳細な集計方法はこちらのページでご確認ください。FAQに載っていたものを抜粋します」

データ等のページに出来る限り記載していますが、基本的には僕がGoogleやtwitterを用いて検索して見つけ出した各ブロガーの年間ベスト記事からデータを集計してランキングを作成しました。洋楽込み/邦楽込み/アイドルのみ等のジャンルに関わらず、日本の音楽作品だけを抽出して集計しています。

 採点方法は基本的に一人の持ち点は最大55Pで、「1位10P、2位9P・・・10位1P」という方式で採点しています。順不同の10選は一律5Pずつ採点しています。


レジー「集めたランキングは約260とのこと。ほんと素晴らしいです。これだけ集めるとかなり信憑性のあるデータになってるんじゃないかなと思います。なかなか既存メディアだとできないもんねこういうの」

司会者「JAPANとかMUSICAみたいな「オリコンとは違う世界観」でやってる人たちも年間ベストやらないですしね」

レジー「いろいろ事情はあるにせよつまらないと常々思ってるところです」

司会者「ミュージックマガジンは毎年やってますね年間ベスト」

レジー「今年のも見たけど、日本のロック部門であまちゃんが1位だったのがなんかピンとこなかったのとJ-POP歌謡曲の方も含めてコメントの温度感がどうも自分に合わなかったので特に読み込むこともなく立ち読みで終わってしまいました」

司会者「今回はこのランキングを起点に話を進めるので、まだ見たことない方は先に見ていただいた方がいいですね」

150位-101位
100位-51位
50位-1位

レジー「そうですね。見た方も別ウィンドウで開きながら読んでもらうのがいいかも」

司会者「まずはどういう視点で話を始めますかね」

レジー「とりあえずランキング全体の傾向みたいな話を2つしたいんですけど、150枚全部で語るの大変なので一回上位50枚に絞って論を進めたいなと。まず、上位50枚の発売月についてカウントしてみました。それがこちら」

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司会者「四半期を追うごとに選ばれる作品数が増えますね」

レジー「年末に選ぶものだから仕方ないかなとは思うけど、上期と下期で比較すると19枚と31枚で結構差が出るね。カウントする前は12月の作品が減るのかなとか思ってけどそんなことはなかった」

司会者「この辺はリリースの分母の問題もありますから何とも言えませんね」

レジー「うん。そのあたりの深い分析はさらに誰かやってくれると嬉しいです。次に、オリコンの年間チャートとの重なりについて」

司会者「このランキングとオリコンいずれも50位以内に入った作品は以下の6作品です」

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レジー「これを多いと見るか少ないと見るかってところなんですが、個人的にはまあこのくらいだろうな重なるのはっていうのが印象です。たとえば日本のロックの変曲点みたいに言われる98年、もっともCDが売れた年でもありますが、その年のオリコン年間ランキングを見たんですけど、その年にこういうランキングやったとして両方の50位以内に入りそうなものの数ってやっぱりそのくらいだと思うんですよ」

司会者「ブリグリ、ジュディマリ、Cocco、山下達郎、スピッツ、イエモンくらいですかねえ」

レジー「もうちょっと緩く見てもせいぜいプラス2作品くらいだと思うんだよね。いつの時代もどメジャーなものと「音楽好き」が支持するものの距離感ってこのくらいなのかなとか思いました。98年以上に嗜好もメディアも細分化されてる状況を考えると、今回の結果はむしろよくこれだけ重なったなって言い方の方が正しいのかもしれないです。というのがざっくりした傾向の話。ここからランキングの中身の話をしたいなと。まず、話のとっかかりにこのブログで発表した「今年の10枚+次点」との重なり具合を見てみたのがこちらになります。カッコ内が「ネットの音楽オタクが選んだ2013年の日本のアルバム」での順位です」

(18) 1位 date course/lyrical school
(109) 2位 Signed POP/秦基博
(1) 3位 LEVEL3/Perfume
(41) 4位 Cry Like a Monster/のあのわ
(97) 5位 LIFE ANEW/高橋幸宏
(59) 6位 クルミクロニクル/クルミクロニクル
(3) 7位 lost decade/tofubeats
(28) 8位 CIDER ROAD/UNISON SQUARE GARDEN
(-) 9位 Party!!!/OK?NO!!
(117) 10位 T H E/tricot

(-) 次点 CUE/9nine
(10) 次点 ダーティーサイエンス/RHYMESTER
(144) 次点 HUE CIRCLE/YeYe
(27) 次点 Melody Palette/Negicco
(8) 次点 演出家出演/パスピエ
(36) 次点 TOWN AGE/相対性理論
(23) 次点Stranger/星野源
(102) 次点 broken record/ホシナトオル


司会者「マイ年間ベストでも全体のランキングでもトップ10に入ったのはPerfumeとtofubeatsの2作品です」

レジー「まさかPerfumeが1位とはね」

司会者「予想外でしたか」

レジー「それなりに上位だろうとは思ってたけどまさか1位だとは思わなかった。やっぱりこの人たちは史上最強のアイドルですね。「Perfumeとはアイドルか」的宗教論争は置いておくとして。ただ一つだけ言っておくとすると、たまに「こんなに支持されているPerfumeをいまだにアイドルとして語るか」みたいに言われることがあるんですけど、こういう「アイドル」そのものに対する蔑視意識が内在化されてる意見は基本無視していいんじゃないかなと思ってます。あとトーフさんに関しては納得ですね」

司会者「トップ5の5枚の中で、唯一オリコンのトップ50に入っていない作品です」

レジー「この人の立ち位置を表してる感じで面白いと思う。マイ年間ベストの話に戻ると、のあのわが話題にならなかったと言いつつ意外と上の方だったなというと、秦基博はほんと無視されてるなーという印象。マジでみんな聴こうよあのアルバム」




司会者「そういう話で言うと、OK?NO!!のアルバムが唯一150位圏外でした」

レジー「まだ知名度が低いのかなあ。おすすめですよ。インタビューもしてますので読んでない方はこちらからどうぞ」

司会者「ボーカルのreddamさんはソロアルバムも先日リリースしました」



レジー「週末の朝とかのんびりしたいときに聴きたい音ですね」

司会者「reddamさんは最近吉田ヨウヘイGroupに加入したとのこと」

レジー「吉田ヨウヘイGroupのアルバムは62位に入ってたね。僕自身は悩んで選外にしてしまいましたが、すごく良いアルバムです」





司会者「62位の吉田ヨウヘイGroupの隣に、スカートが63位で並んでます」

レジー「そうですね。このランキングっていわゆるロキノンっぽいバンドと並列で特定層にとっては敷居が高いというかどこからアクセスしていいかわからないであろう「インディー系」とか「フリーダウンロード」とかそういう類の作品がバンバン入ってるから、今まで知らなかった音楽に出会うのにほんと最適だと思います」

司会者「55位のmöscow çlubや96位のmay.eはフリーで聴けます。どちらも一部では話題になった作品です」

レジー「なかなか単発で盛り上がってるのを見てもそこに手を出せなかったりもするじゃないですか。でもこういうランキングにまとまってくると改めて聴いてみるきっかけになる。年間ベストってそういう面白さがあると思うんだけど、このランキングはその究極系だよね」




司会者「なるほど。他にマイ年間ベスト絡みで言い残したことがあれば」

レジー「そうですね、僕8位に選んだユニゾンなんですけど、このランキングだとカナブーンやクリープハイプより上なんですよ」

司会者「ユニゾンが28位、カナブーンが29位、クリープハイプが47位です」

レジー「まあクリープハイプとカナブーンを並べて語ること自体どうよって感じもするけど、「みんなでサークルモッシュ!わちゃわちゃ☆」みたいな「邦ロック好き」はあんまり自分の趣味嗜好を発信する側には行ってないのかなっていうことをこの結果見て思いました。そういう人たちが「ザ・ロキノン」みたいな年間ベストいっぱい作ってたら、この2バンドもっともっと上位にいくはずだもんね。こんな感じでここまでがマイ年間ベストと全体のランキングのズレからの話でしたが、ここからはそういうの関係なくランキングをザーッと見て気になったところについてやっていきたいと思います」

12位  マキシマム ザ ホルモン『予襲復讐』
143位 ONE OK ROCK『人生×僕=』


司会者「13年においてセールス的にも頑張った日本のロックアルバムとして名前の挙がる2作ですが、このランキングではずいぶんと差が出ました」

レジー「これもさっきのユニゾンとカナブーンクリープハイプ話のところと同じ話ですね。ネットでいろいろ言いたい層にホルモンは刺さってて、ワンオクはスルーされてると。そう考えるとホルモンってすごいいいバランスで支持されてるんだなあ。ただ騒ぎたいだけみたいな人たちをおさえつつ、音楽を「語りたい」人たちからも信頼されてるんだ」

司会者「『予讐復讐』については配信もレンタルもなしという流通形態が話題になりました」

レジー「正直な話、一見さんにはきつい形だよね。ワンオクはこれ見て聴いてみるかと思いレンタルしてきたんだけど、ホルモンについてはこの先聴くことがあるのかどうか」

8位 パスピエ『演出家出演』

司会者「パスピエのアルバムがトップ10に入りました」

レジー「もうさ、これ絶対レジーのブログ効果でしょ」

司会者「そうなんですかね」

レジー「そうであってほしいって感じかな。一応ネット上ではがんばって盛り上げてきた自負はあるんだけどね。とにかくこの結果はすごくうれしいですわ。僕は次点にしてしまいましたが、これから上にいくバンドの勢いが詰まったアルバムだと思ってます。あとはさっきのホルモンの話じゃないけどファン層のバランスだよなあ」

30位 片想い『片想インダハウス』
31位 禁断の多数決『アラビアの禁断の多数決』
32位 μ's『ラブライブ! μ's Best Album Best Live! Collection』

56位 Rくん『Rくん』
57位 BRAHMAN『超克』
58位 キリンジ『Ten』
59位 クルミクロニクル『クルミクロニクル』

司会者「普通のランキングでは並ばなそうな作品が続いているところをピックアップしました」

レジー「この辺はこのランキングの醍醐味だよね。若手、ベテラン、アイドル、声優、インディー、こうやって並んでるのを見るといろんな人が言ってる「2013年の日本の音楽は豊かだった」ってのをすごく実感します」

司会者「特に気になった作品とかありますか」

レジー「とりあえず『ラブライブ!』に関しては名前だけは聞いたことありましたが何も知らないので聴いてみようかなと。この前TSUTAYA行ったらレンタル中だったんだよな。代わりにこのランキングにも入ってた豊崎愛生と竹達彩奈を借りた。前者はピンとこなかったけど後者は良かったです」

122位 UNCHAIN『Love&Groove Delivery』
139位 UNCHAIN『Orange』


司会者「カバー盤とオリジナルアルバムの両方がランクインしました」

レジー「カバー盤の話はこの記事でちらっとしましたね。『Orange』も出たときに聴いたけどそこまで盛り上がらなかったんだよなあ。どうもこのバンドは最初の印象が強すぎて」

司会者「結構好きでしたもんね」

レジー「うん。ほんとに最初の方ね」



司会者「懐かしい」

レジー「こういうバンドがしっかりアルバム出して地道に支持されてるのがシーンの分厚さにつながってくると思います。僕もできる限り若いバンドだけじゃなくて継続して聴いていきたいと思いました」

26位 BELLRING少女ハート『BedHead』
27位 Negicco『Melody Palette』
125位 東京女子流『約束』

司会者「いわゆる「楽曲派」的な人の支持を集めそうな作品です」

レジー「この順位に2013年の女子流の苦境が表れてる感じがあるよね」

司会者「2012年にこの企画があったらたぶん『Limited addiction』がベルハーやNegiccoくらいのところに入ってきてた気がします」

レジー「個人的にも『約束』はあんまりのれなかったんだよね。その後のシングル含め女子流だいじょぶか?って話はこの記事とかこの記事でもしたんですけど。次のツアーには「Royal Mirrorball Discotheque」っていう期待せずにはいられないタイトルがついてるので、今年は巻き返しを期待したいと思います。ランキング個別に関してはこんな感じですかね」

司会者「わかりました。それではぼちぼちまとめていただけますと」

レジー「改めて思うけどほんとこれ集計大変だったと思うんだよね。面白い素材を提供していただいてありがとうございましたっていう話と、これって「ジャンルを横断したメディア」っていうものの一つの理想形のような感じがしました」

司会者「様々なタイプの音楽が俎上に乗ってます」

レジー「もちろんここにもかなり偏りはあるんだろうし、たとえばボカロ作品が全然ないじゃんとかいろいろケチはつけられるんだとは思うんですよ。ただ、「オリコンはジャニーズとAKB関連で独占」「その他はジャンルごとにバラバラ」って感じで「今の時代の音楽シーン」っていう大きなかたまりの輪郭みたいなものが見えづらくなっていた時代に、「音楽を好きな人が支持している作品群はこれです」っていうものが納得性のあるデータに基づいて出てきたというのはものすごく大きいことだと思う」

司会者「なるほど」

レジー「要は日本の「オルタナティブ・チャート」ってことでいいんじゃないですかね。音楽の話をする際に「オルタナティブ」って言葉はかなり形骸化しつつあって、たとえばアジカンっぽいギターバンドは全部「オルタナティブロック」みたいなよくわからん感じになってる気もするんだけど、語義から忠実に考えると「ネットの音楽オタクが選んだ2013年の日本のアルバム」の150枚ってのが日本のポップミュージックシーンにおける「オルタナティブ」、つまりオリコンとは異なる基準によって選ばれた今の時代を代表する作品になっていると。で、そのランキングの1位がPerfumeだというのが僕としては本当に喜ばしいです。というわけで今回はこんな感じで」

司会者「わかりました。では次回はどうしますか」

レジー「おそらく久しぶりに「あの1023円で何が買えたか? -もはや誰も顧みない90sJ-POPを勝手に供養する-」をやると思います」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

たかが紅白、されど紅白、そしてサカナクションがその地を踏んだ意味

司会者「休みも終わって仕事も通常営業になってますが」

レジー「すでに年末が遠い昔に感じるわ。今回の年末年始休みは体調万全でもなかったから例年よりも家にいた気がするね」

司会者「その分年末の音楽番組しっかり見れましたね」

レジー「そうね。珍しくMステスーパーライブもリアルタイムでがっつり見たよ。でもなんかこの前のはいまいちだった気が」

司会者「そうなんですか」

レジー「全体的に雑な印象を受けました」







司会者「12年のMステはすごい良かったのにね」

レジー「あのときは桑田佳祐とかB’zとかピークポイントがはっきりしてたんだけどこの前のはほんと散漫だったわ。ツイッターでマンウィズマンウィズ騒ぎながら他のアクトディスってるロキノン厨が面白かったくらいだね。一方で今回すごく良かったのが、これも毎年恒例の「クリスマスの約束」ね」

司会者「小田和正さん仕切りの番組です」

レジー「あの番組、たまに「感動の押し売り」みたいになってる年があってそういうときはいまいちだったりするんだけど、今回はそんなのが全然なくて良かった。吉田拓郎かっこよかったし、いつもの面々は相変わらず聴かせるし、そして何と言っても桜井さんね」

司会者「登場シーンの客席の沸き立ち方に「国民的スター」感がありました」

レジー「うん。で、2人共作の『パノラマの街』がほんとに素晴らしくてねえ」

司会者「あれは良かったですね」

レジー「曲調も歌詞のテーマも『HOME』期の感じがしたんだけど、気負いなく作ればああいういち生活者に寄り添った名曲がさらっとできちゃうんだよねあの人は。そう考えるとその才能をスポイルしてるのは誰なんだって話ですな」

司会者「小田さんともマッチしてましたね」

レジー「桜井さんの歌詞特有の説教臭さは随所にあったけど、小田さんの透き通った声で歌われるとそんなに気にならないんだよね。いいバランスだった。YouTubeにはなくて貼れませんが、聴いてない方はぜひ聴いていただきたいです

司会者「あとは紅白ですね年末で言うと」

レジー「今回の紅白ほんと面白かったよね」

司会者「やっぱりあまちゃんですかね」

レジー「幸いにしてドラマ見てたので大興奮だった。ユイちゃんが東京に!とか春子さん!とか騒いでたからあのコーナー終わるときにはかなりぐったりしてたね」

司会者「はあ」

レジー「あと大島優子の卒業発表は単純に悪手だった気がしました。あまちゃん押しと北島三郎とかで番組自体がハイカロリーになるのは予想できてたわけで、あそこであんなこと言っても流れちゃうよねえ。元日のスポーツ新聞1面になってもその日テレビの露出少ないからあんまり意味ない気がするし。ファンがたくさんいる前で言った方が誰にとっても幸せだったんじゃなかろうか」

司会者「紅白ネタだと年明けいろいろネットで炎上してましたね。リアルサウンドのやつとか」

レジー「あれリアルサウンド上で削除された後も配信されてた別媒体では読めたんだけど今はそれもなくなっちゃったのね」

司会者「読んでみてどうでしたか」

レジー「うーん、面白いか面白くないかで言ったら面白くなかったけど、あんなにみんなで叩く記事なのかはわからなかった。どう考えてもふざけたノリの記事なわけで、あれに対して「まじめに聴け!」「俺の方が愛をもって書ける!」とか言ってる人たちほんと何なんだろうと思った」

司会者「その後謝罪文のようなものも出ました

レジー「せめて記事削除と同時に出せばよかったのにね」

司会者「あとこんなのもありましたね」

なぜ紅白は、演歌歌手の後ろにアイドルをはべらせるのか

レジー「これね。個人的には「アイドル=高級クラブ(もしくはキャバクラ)」って比喩を使ってる文章に出会うと読む気が大幅に減退するんだけど、あまちゃんの演出についてはその通りだなあと思いました。それよりも気になったのはここ」

「まぁ大晦日くらいは演歌でも見てやるか」という態度に始まり「まぁこういうのもあっていいよなニッポンは」とそれなりの納得をして年が暮れていく、これが、演歌の苦手な若年層が繰り返してきた、演歌を許す柔軟さだった。

司会者「この文章書いてる武田砂鉄さんは82年生まれです」

レジー「僕とほぼ同世代なんだけどまったく共感できなかった。この「若年層」ってどこの誰を指してるんだろうってのがすごい謎でした。きっと紅白って、こういう「バーチャルな「古き良き日本」」みたいなものを勝手に読み込みがちなんだよね。ちょうど年明け早々に『紅白歌合戦と日本人』という本を読んだんですけど、ここにも「紅白=安住の地」っていう話がやたらと出てきて」



司会者「紅白に日本人としての「コミュニティ」があるみたいな論旨でしたね」

レジー「この辺に紅白歌合戦というテレビ番組のすごくアンビバレントな面が現れてる感じがして。引いた視点で見ると、コンテンツとしては紅白ってそこまでスペシャルではないんですよね。この前のあまちゃんみたいなのは一種の例外で、それこそ他の年末特番の方が豪華だったりする年もあるじゃないですか。かつては「対決」っていう特別感あったのかもしれないけど、今ずいぶんそこも後退してるし。前掲書から引用します」

一九九四年と九五年に司会者としてコンビを組んだ上沼恵美子と古舘伊知郎による、対抗意識をむき出しにした丁々発止のやり取りは、古き良き時代の「紅白」を彷彿とさせた。しかし男女対抗戦という形式は、実はすでに一九九〇年代に入ったところから揺らぎ始めていた。
まず、一九九〇年ごろから、オリンピックを模した開会式が行われなくなった。優勝旗返還も選手宣誓も、なくなったのである。これによって、スポーツをモデルとする歌合戦によって男女平等を実現するという「紅白」の基本コンセプトの一つが、後景へ退くこととなった。


司会者「1979年、水前寺清子さんが司会の時の話とか同じ番組とは思えません」

司会を務めることに決まると、水前寺は紅組の歌手全員と会うことにし、本番でどのように紹介してもらいたいか、セールスポイントは何かを取材した。歌手たちのビデオも何でも見返した。当日は紅組出演者に自前で弁当を配ったり、カメラマンを手配してスナップを写真を撮ったりした。
水前寺清子のそうした熱意に触れて、出場者たちの気持ちは「紅組勝利のために」から「チータを勝たせるために」へと高まっていった。


レジー「番組内容だけで言えば紅白だって歌番組の1つに過ぎないし、MステスーパーライブやFNS歌謡祭と比較してどっちが面白いか?って視点だけでいいはずなんですよ。でもたぶん実際にはそうはなっていなくて、紅白に何かしらの特別感を見出している人が多い。たとえば例のリアルサウンドの記事が同じ内容でFNS歌謡祭を対象にやってたらここまで炎上しなかった気もするんですよね」

司会者「「AKBと三谷幸喜→トイレに行ってたので見ませんでした」ならそんなに問題にならなかったかもですね」



レジー「ここはもしかしたら人によって感覚が違うかもしれないけど。で、今年初出場だったサカナクションの山口さんが紅白のそういう特殊性みたいなものを言い当てていて」

まだ紅白出たわけじゃないけど、決まってからいろいろわかったのは、紅白って出たら「おめでとう!」って言われるんだね。

それすげぇなと思って。俺の中では紅白ってフェスなんだよね。音楽お祭りなんですよ。たとえば、ROCK IN JAPANとか出ても「おめでとうございます」って言われるわけないじゃん。だけど紅白に出ると「おめでとうございます」って言われるって、すげぇなって。こんなものがまだ日本にあるんだって思った。

(MUSICA2014年1月号 山口一郎の珍事砲弾)


司会者「こういう特別な空気を感じながらサカナクションは紅白に乗り込んだわけですね」

レジー「うん。今回の紅白出演にあたって、山口さんは「レペゼンバンドシーン」みたいなものを明確に表明していました。発表時の記者会見とか

あまりテレビに出てこなかった僕らのようなバンドが紅白歌合戦という大きな舞台に呼んでいただけるというのは、バンド界にとって勇気になるかと思いましたし、出るからには何か面白いこと、楽しんでいただけることを精一杯やらせていただきたいと思います。

司会者「番組のサイトのコメントにもそういう意識が出ています」

初の紅白歌合戦。ロックバンドとして何かしら爪跡を残せたらなと思っております。(山口一郎)

レジー「一貫してるね。で、最近の紅白における「初出場のバンド」っていうのがどういう意味合いを持っていたのかってのを確認すべく、おそらく個人の方のページだと思うんですがこちらのサイトをソースにして97年以降の「紅白初出場バンド」の一覧を作ってみました。97年ってのはたまたまここに載ってたというだけで特に意味はありません」

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司会者「毎年1つか2つなんですね」

レジー「これざーっと見てもらって、サカナクションの歪さというかこれまでの流れと違う感じを理解していただけますでしょうか。グレイラルクルナシーみたいな大きな時代の潮流だったり、超大物出演としてのミスチルや復活ネタのプリプリ、沖縄復帰30周年のBEGINや震災絡みでの猪苗代湖ズのような社会的トピックとしての出演、あとはほとんどが一発ヒット曲が出たり飛び道具的な強さがあったりというどちらかというと「芸能」的な位置づけでの出演。こういうものと今回のサカナクションは一線を画してるというか、明確に「フェス」とか「音楽雑誌」みたいなものに軸足を置いたバンドが出るケースって実は今までほぼなかったんだよね。少なくとも計測した範囲内では」

司会者「そもそもこの手の人たちは紅白に出たがらないみたいな話もありますよね。直近だとバンプ出演のガセ報道なんてのもありましたが」

レジー「そういう流れに一石を投じたい、ってのも今回の出演なんだよねきっと。2012年の段階で山口さんはこういうことを言ってます

──山口くんの言う「メディア」って、テレビとかを指してる?

そうそう。前回「ミュージックステーション」に出たとき、面白かったんですよ。出たってことも面白かったし、周りの反応も良かったし。その理由も検証したけど、テレビを見たあとにYouTubeに行くんですね、みんな。そこでこのバンドはどういうミュージシャンなのかって情報をすぐ手に入れられるようになってる。逆にミュージシャンは、お客さんが「Mステ」を観たときの反応をTwitterなんかで即座に知ることができる。そのリアルタイム性も現代っぽいなと思ったんです。だから1990年代~2000年代に表に出ないのを美学にしていたバンドの手法を踏襲しても、それ以上の効果は得られないと思ったし、今の時代っぽくないなと考えて。だったら今あるツールを利用して表に出ること、それ自体が表現としてアリだなと思ったんです。僕がいつも言う「戦略すら表現」って部分に転化できるんじゃないかと。

(ナタリー 『僕と花』リリース時インタビュー)


司会者「「あえてテレビ出ない」みたいなのは違うんじゃないかと」

レジー「この辺は最近だとtofubeatsのスタンスとかにも近いよね。もったいぶらないでどんどん発信していくことこそパイの拡大につながると。だからMステにもスマスマにも出て。そういう動きの集大成が紅白だったわけですよ。いろんなトライが最高の舞台で結実したわけで、グッときました。で、今回のポイントはもう1つあって。サカナクションは13年が初出場だったけど、12年の段階で「山口一郎」って名前だけは紅白デビューしてるんだよね」

司会者「SMAPが山口さん作の『Moment』を歌いました」

レジー「そう、SMAP。さらに遡ると、SMAPは11年でも大トリをやってます。震災のあった特別な年の最後、多くの人が“「日本」というコミュニティ”の存在を意識してしまう紅白という場で、SMAPは『not alone』、「きみを 想いを ぼくがひとりにさせない」「あの日 ぼくたちは もう一度生まれた」と歌って、さらに『オリジナルスマイル』で前向いて笑っていこうぜってメッセージを発信したわけで。それで復興が進んだり原発問題が片付いたりしたわけじゃないけど、僕あのステージ見ててすごく感動したというか、SMAPが2011年という年に区切りをつけたなって強く感じました」




司会者「その翌年も大トリ、『Moment』と『さかさまの空』の2曲を歌いました。オリンピックのテーマソングと朝ドラの主題歌、これもどちらも“「日本」というコミュニティ”につながるモチーフですね」

レジー「そう。「日本」という枠組みが読み込まれがちな場としての紅白歌合戦で、SMAPは2年続けて「日本の精神性」みたいなものを表現するパフォーマンスをしたわけで。で、そこに連なる楽曲をSMAPに提供した山口一郎率いるサカナクションというバンドが、これまで初出場したバンドとは異なる価値観を背負って紅白に出たと。つまり、今回のサカナクションは単にロックバンドとして新しいことをやったというだけじゃなくて、SMAPを介して「震災以降の日本のポップミュージックの歴史」にはっきりと足跡を残したっていう意味合いもあったと思うんです。これはものすごく大きな越境というか、単に「若者に人気の尖ったバンドが紅白に出た」ということにとどまらない価値があるんじゃないかと。それをいつもと同じやり方でぶちかましたサカナクションにはほんとに感動させられました」

司会者「すごい興奮してますね」

レジー「いやー、そりゃ興奮するでしょ。自分としては、2部があまちゃんなら1部はサカナクションだった。繰り返しサビ前で山口さんが「こうはくうたがっせーん!!」って叫んだときはまじで涙腺決壊だったわ」

司会者「普通のロックバンドは叫ぶことを許されない言葉ですからね」

レジー「うん。なんかさ、JAPANとかMUSICAとか読んでると「○○を聴いた瞬間ガッツポーズを抑えきれなかった。」みたいなレビューたまにあるじゃないですか」

司会者「あーあるある」

レジー「ああいうの見るたびにこの人は何を言ってんだろうって思ってたんだけど、今回初めてその意味がちょっとわかった気がした。全然部外者だけどやったー!!みたいなね。Mステ見てる時に発見したツイッターでマンウィズマンウィズ騒いでるロキノン厨の気持ちがわかった」

司会者「そんなサカナクションは早速ニューシングル『グッドバイ/ユリイカ』を発売します」





レジー「年初早々に年間ベスト入りそうな曲がきましたね。で、ここに至る前に去年彼らは『sakanaction』ってアルバムを出してるわけですが、この作品は先日から話題になってる「ネットの音楽オタクが選んだ2013年の日本のアルバム」で2位にランクインしてます。というわけで、次回はこのランキングについて掘り下げたいと思います。今回はこの辺で」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

レジーのブログ エピソードゼロ -- 2007年時点のフェス考含む雑文

レジー「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」

司会者「年末年始連休もあっという間ですね」

レジー「ねえ。今日起きたら王様のブランチやってて愕然としたわ。もう普通の土日だもんね」

司会者「新年一発目の更新になりますが」

レジー「ほんとは年末の歌番組いろいろ面白かったのでそれ系の話をやろうかと思ってたんですが、ちょっと思わぬものを見つけたので予定変更で。休み中たまたま過去のmixiの日記見てたんですけど。僕昔はそっちに結構ちゃんと文章書いてたんですよ」

司会者「2006年くらいから2010年の春頃までは定期的に書いてましたよね」

レジー「ツイッター本格的に触るようになってやめちゃうんだけど。当時は行ったライブとか聴いた音楽の感想をmixiにいろいろ書いてまして」

司会者「年間ベストもそこで発表してました」

レジー「うん。で、その中で対談コンテンツ、というか自分がインタビューされてる体裁の日記みたいなのも年に何回かやってたんですよ」

司会者「kenzeeさんのブログ知る前ですよね」

レジー「その頃はJAPANとかがっつり読んでたから、そういうインタビューをイメージしてね。主には音楽ネタというよりは1年間を振り返るみたいな感じのものを書いてたんだけど、そのノリで自分の音楽の嗜好についてまとめてみようと思ってやったものもいくつかあって。で、久々にそれ読んでみたら、内容の一部がこのブログのひたちなかシリーズの元ネタになってまして」

司会者「昔から同じこと考えてるんですよね」

レジー「ほんとそうなんだよね。ブログ書き始めたときにもmixi日記のことは意識にあって一部引用したりもしてるんだけど、このインタビュー日記は特に見返してないはずなのでここまで似たようなこと言ってたとは思ってなかった。というわけで、今回はその文章を晒してみようかなと」

司会者「今回載せるのは2007年の8月に書いた文章ですね」

レジー「ちょうど会社がお盆休みだったときですね。自分のライブ遍歴を振り返る、というのがテーマです。一部動画とか挿入してる以外、文章そのものは直していません。稚拙な部分とか今さら何言ってるの的な箇所もあるけどそのまま載せてみます。レジーのブログの原点ということで、それではどうぞ」

---

●初めて行ったライブというと、誰のになるんですか?

「96年の夏、武道館でのラルクのライブですね。ツアーファイナルだったのかな?“flower”が出る直前の。当時中学3年生」

●よくチケット取れましたね。

「今では信じられない話ですが、発売日のお昼頃でまだチケットが残ってました。その日はミスチルのドームかなんかのチケットをとるべく電話していたのですが全くかからず、やむを得ずラルクにかけたらすぐにつながりました」

●そのミスチルも、いよいよ今週末に初ワンマンですね。

「そうですね、ほんと嬉しいです!11年越し、ってことになりますね」





●これまでいろいろとライブには行かれていると思いますが、ワンマンのライブで印象に残っているものはありますか?

「そうですねえ、直近のものはもちろん記憶に新しいですけど、古いものでいうと川本真琴かなあ。あれは97年ですね。渋谷公会堂」

●結構レアな体験ですね。

「1stが出た直後だったかな。あのアルバムは名盤ですよ」

●『川本真琴』ですね。

「そう。“ひまわり”とかかなり素敵ですよ。まだ曲があんまりなくて、1曲目にやった“DNA”をアンコールでももう1回やっていた覚えがあります」





●特に高校生の頃なんかは、ライブっていうのは年に2、3回の非日常体験だったわけですよね。

「それはわりと最近まで比較的続いてますね。大学生のときも、そんなに行ってないんじゃないかな?アカペラ系はなんだかんだでしょっちゅう行ってましたけど。金銭的な部分もそうだし、わざわざ電話しまくってまで行かなくても...みたいな気持ちもどこかでありましたから。天邪鬼なんで。思いついてすぐに行くようになったのは、ほんとここ1、2年の話かも」

●平日は仕事もありますしね。

「残業で行けなくなるリスクもありますから。お金だって昔よりはあるけど、無尽蔵ではないし。そういう意味では、今でも非日常体験ですよ」

●そんな非日常体験が日々の生活に挟まれることに、どんな意味を感じていますか?

「うーん、まあ単純に楽しみの1つであることは間違いないです。それを目標に頑張れたりはしますからね。そういう意味の質問ではなくて?」

●たとえば人によっては現実逃避だったり、活力の源だったり、いろいろあると思いますが。

「ああ、そういう意味でいうと逃避ではないですね。曲に感動していても、すごく現実的なことが頭に浮かんでいたりします。それはライブに集中していないわけではなくて、どっぷり浸かっていくことで逆に頭の中がクリアになっていくんですよね。いろんなこんがらがっていったものがほぐれて、急に思いも寄らないことが頭に浮かんだり大昔のことを思い出したりする。なんか脳みその普段使っていない部分が活性化されているんでしょうか」

●わかりました。ここから徐々にフェスに関する話に移っていきたいのですが、初めて行ったフェスは98年のフジロックですか?

「そうですね、唯一の東京開催。でもその前の年に、野音のスイートラブシャワーに行ってるんですよね。あれはフェスではなくてジョイントライブみたいなものだけど、いろんなアーティストを一度に見るという楽しさを知ったのはそのときだと思います。ミッシェル、山崎まさよし、ホフディラン、cocco、あとフラカンも出てたな」

●大体フェス歴10年と。

「そうなりますね。フジは98と01、サマソニは05、ロックインは00から毎年ですね。ライジングサンはいまだに行ったことないんですが」

●フェスとそのほかのライブで、臨む際の心構えの違いはありますか?もちろん遠くで行なわれたり1日がかりだったり、物理的な違いはあるとは思うのですが。

「まあそういう物理的なところが大きいですよ。で、そこをよく理解すると、必然的に楽しみ方も変わってくると。食事や休息、帰りの混雑とか総合的に見て丸1日ストレスを感じずにどう楽しむか。そこまで考えることが大事だと思ってます」

●言葉だけを聞くと、頭でっかちになってしまいそうな印象を受けますが。

「慣れるまではそういう側面も必要だと思いますけどね。何もかも自主的にしないといけないわけだから、最初は無計画だとボロボロになっちゃう可能性もあるわけで。毎年行ってるうちに自然とそんな振る舞いができるようになるし」

●何か失敗談はありますか?

「98のフジのときは、なぜかきれい目の格好で行っちゃって服も靴もどろどろにしてダメになってしまったり。あとは前半を前の方で頑張りすぎて、午後まるまる動けなかったりしたなあ。初日はガービッジでヒートしちゃったんですよね。2日目は伝説のミッシェルで死にかけました。そりゃ演奏中断するって話です」





●今では絶対起こりえない状況ですね。

「それがあるから、身軽な服装とペース配分という観点が体にしみつきました。毎年学習です」

●一番つながりが深いのはロックインジャパンだと思いますが。

「それは間違いないですね。初回から全部行ってますから。01の初日、02の2日目、04の初日は行ってないんだよな。それ以外は行ってます」

●会場の中身も出演者も観客も、初回とは全く違うものになっていますが。

「そうですねー、まあお祭りのあり方は変わっていくものだからいいとは思うんですけど。ただ、本質的には“音楽好きが音楽を楽しむところ”であってほしいですね」

●そうじゃなくなっている部分もありますか?

「まあ来ている人たちはみんな音楽好きです、っていうと思うんだけど。でもその割には音楽に対する敬意が足りない光景に出くわすことが多いですね。DJブースで知らない曲は無視だったり、ライブ中も曲と関係なく馬鹿騒ぎしてるだけだったり。それは音楽好きを名乗るものがする行為ではないです」

●昔はそういうことなかったんですかね?

「ゼロではなかったとは思うんですけど。ここ数年目立ちますね。やっぱ間口が広がりすぎたんでしょうね。夏フェスなんて呼称が一般化して、じゃあどこに行ってみようか、となったときにロックインは行きやすいですから。知ってる日本のグループがたくさん出るし、東京の人にとっては遠いけど許容できる距離だし。レジャー感覚の人の比率が、他のフェスより高いんだと思います」

●今の世の中の風潮として、「夏フェス=いけてる夏のレジャー」みたいな感じがありますよね。

「来れば絶対楽しいから、いろんな人が来たいと思うのはいいことだと思いますよ。でも、そこのベースは音楽だから。昼寝も気持ちいいしビールもうまい。でも、それを音楽がある空間でするから意味があるわけで、それを理解した人たちがたくさんいるフェスがいいですよね。きっとフジはもうそういう場所になっているんでしょうけど。ロックインにそれを求めてはいけないのかなとも思いますが、多分僕は来年からもあのフェスに行き続けるし、できるだけ理想に近い形になっていったらいいなと思います」

●ただそれは参加者だけの問題ではなくて、主催者側の教育というか啓蒙も必要になってきますね。

「少なくとも、パフォーマンスする側は気づいていると思いますよ。今年もDJブースでダイノジがやっているときに、“ラズベリー”がかかったらちょっと盛り上がりがなくなったんですね。そしたら大谷が曲中にマイクをつかんで“曲知らなくても踊れ!”って。心ある人たちはみんな感じていることだと思います」

●あとはロッキングオンがどういう対応を見せるか。

「そうですね、商売の部分もあるから難しいとは思いますが。でも、フォレストやウィングテント作ってるのはそういう部分への対処じゃないかな。フォレストは、ほんとに音楽好きな人が集まってると思う。古き良きフェスの空気があると思います。今ひたちなかで一番好きな空間です」

●わかりました。今日はありがとうございました。フェスが終わると、夏も終わりに向かっている感じがしますね。

「そうですね、3日目からすでに切ない気持ちになりますからね。来年の夏に向けて、1日ずつ生きていければと思います」

---

司会者「何か感想があれば」

レジー「まずこの「ロックイン」っていう言い方はなんなんだろうか。どっかのビジネスホテルみたいだな」

司会者「「ロッキン」って呼称はまだ一般化してなかったはずですよね」

レジー「たぶんねえ。「ひたちなか」でもないところが面白い。「夏フェスレジャー問題」がメディアで大っぴらに語られるようになったのってほんとこの1、2年だと思うけど、参加してる実感として07年の頃からあったんだよね」

司会者「これ当時mixiじゃなくて大っぴらに出してたらどうなってましたかね」

レジー「いやー、全然広まらなかったんじゃないかな。ツイッターだって日本語サービスまだやってないような時代だし、なんとなく「まあ一部ではそんなこともあるよね」的に流れていってた気がするなあ。あとここでも書いてるダイノジのくだりはすごく印象的で。この前のひたちなかでも思い出して感慨深かったね」




司会者「オーディエンス側が成熟していってる部分も確実にありますね」

レジー「その辺は意識的な演者がいればこそって話だと思うけどね」

司会者「フェス話以外のところでも何かあれば」

レジー「そうね、この中でライブに関して「思いついてすぐに行くようになったのは、ほんとここ1、2年の話かも」なんて言ってるけど、こんなこと言いつつもライブ行ってるのせいぜい年に10回弱だと思うんですよこの頃って」

司会者「へえ」

レジー「この時期はライブよりサッカー見に行く回数の方が多かったからお金と時間の総量を考えると仕方ない部分はあるんだけど、当時社会人4年目でそこから6年くらい経ってライブに行く回数が大幅に増えることになるとは想像もできないよね。別に仕事暇になったとかそういうわけじゃ全然ないのに」

司会者「確かに。ブログやるとも思ってなかったしね」

レジー「ほんとそう。会社員になってからも趣味はどんどん広がってくし、その先には「仕事」と呼んでいいようなものも場合によっては出てきたりするわけですよ。今後雇用環境の変化だったり、あとは音楽ビジネスのあり方が多様化したりしていく中で、「音楽に関係ない会社員×社外で音楽に関わる仕事」みたいな生き方はますます増えてくんじゃないかと個人的には思ってます。今年はそんな話も随所でやっていけたらなあと。就活シーズンだったりもするしね、そういうところに対する道標ものを示せればなあとか漠然と考えてますよ。まあそのうち。とりあえず今回はこんな感じで」

司会者「わかりました。では次回はどうしますか」

レジー「んー、紅白話をやりたいなあと思いつつ、ちょうど発表された「ネットの音楽オタクが選んだ2013年の日本のアルバム」という壮大な企画について触れたいという気持ちもあり。ちょっと考えます」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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