レジーのブログ LDB

「歌は世につれ、世は歌につれ」でもなくなってきた時代に。  ※15/4/23 世の中の状況を鑑みてfc2からこちらに移しました

ご連絡はレジーのポータルの「contact」よりどうぞ。(ブログ外の活動もまとめてあります)

2014年02月

Dragon AshとAKB48をつなぐ「Show Must Go On」の精神

レジー「「ビクターロック祭り」に行ってきました」

司会者「ビクターと言えば最近はクリープハイプ問題ですが」

レジー「そういや出てなかったね」

司会者「サカナクションがヘッドライナーでした」

レジー「やっぱ紅白に出るバンドは大物感が違うね。ほんとに人気があるんだなーとびっくりしながら見てた。ライブ自体もサービスセットリストですごい迫力だった。他にもくるりとかCoccoとかまとめて見れてすごい贅沢でした。Cocco久々に見たいなと思って参加を決めたんですけど良かったなあ」

司会者「以前EMI ROCKSなんてイベントもありましたが、レコード会社主導のイベントも定着化しつつありますね」

レジー「音源売るだけじゃ商売的に厳しくなってるんだろうなあ」

司会者「下手すりゃちょっとしたロックフェスより豪華ですよね」

レジー「このあたりはそれなりに難しい問題もはらんでいるような気もしました」










司会者「長い目で見ると自分で自分の首を絞めるというか、焼畑農法的になっている感じもありますよね」

レジー「この辺りの動きは注視していきたいと思っています」

司会者「印象に残ってるアクトはありますか」

レジー「さっき名前挙げたのはもちろん良かったし、あとはドラゴンアッシュかっこよかったですね」

司会者「ちょうどアルバムが出たタイミングです」



レジー「予習していったよ」

司会者「好きなんですか」

レジー「正直最近そこまでリアルタイムで追ってるわけじゃないんだけど、なんだかんだでヒーローですからね僕にとっては。同世代でそういう人多いと思う」

司会者「ブレイクストーリーをリアルタイムで体験したのはでかいですね」

レジー「『BUZZ SONGS』で火が付き始めて、『Let yourself go, Let myself go』が売れて、って流れでどっぷりはまりました。『陽はまたのぼりくりかえす』のスタジオライブっぽいの見つけたけど、たぶんこれFACTORYだよねえ。これで初めて歌ってる姿を見たような気がする」



司会者「若いですね」

レジー「若くて新しい世代の人たちが出てきた、って感じがした。BSでやってた横浜アリーナのライブは録画してVHS擦り切れるくらい見た」

司会者「これも動画ありますね」



レジー「素晴らしい。この頃はジブラとあんなことになるとは思わなかった。これが99年。で、2000年のひたちなかね。この『Viva la revolution』ほんと最高だよ」



司会者「このとき初めてドラゴンアッシュ見たって人も結構いたでしょうね」

レジー「うん。僕もそうだった。この動画は今見ても胸が熱くなる」

司会者「号泣してましたよね会場で」

レジー「ほんと待ち望んでたんだよね。その後ひたちなかに毎年出て、ほぼ全部見てるけど去年は見なかったなあ。まあそのくらいの距離感です。ちゃんとしたファンではないけど動向はいつも気になってるって感じ」

司会者「この前アルバムのプロモーションで珍しくテレビに出てましたね」

レジー「「LIVE MONSTER」ね。あの『FANTASISTA』すごかったなあ」

司会者「ネットに落ちてます」

レジー「これは一見の価値あるので見てない人はリンクからぜひ。で、司会のドリカム中村正人とのトークでこんなことを話してました。最近のチャートについてみたいな話題でのやりとり」

中村「いいよねえ、AKBのファンがドラゴンアッシュ見てくれても」

Kj「どっちも好きな奴もいるかもしれないし」


司会者「いるかもしれない、というか」

レジー「それこそドラゴンアッシュが去年ひたちなかに出た日はBABYMETALと9nineが出ててどちらもすごく盛り上がってたわけで、両方見たって人たちも一定数はいたと思うんだよね。そういう状況考えても、AKBもドラゴンアッシュも好きって人は特別な層ではなくて普通に存在すると思います」

司会者「あとこんな人も

74:名無しさん@実況は禁止です:2013/02/20(水) 14:31:54.74:FRCbE9Oi0
15年前はDA聞きながらバタフライナイフを振り回してるのが
かっこいいと思ってた自分が今はAKB聞きながらサイリウムを振り回してるのか
年とったな


レジー「これ自分と同世代だろうなあ。ロック側からアイドルに流れた人たちね」

司会者「たまたまテレビでこんな話になりましたが、Kjは以前AKBについてはこんなことを言ってますね。シングル“Run to the Sun/Walk with Dreams”リリース時のインタビューです

なんというか、俺、AKB48はマジですごいと思ってるのね。やったことのないことをやってるし、青春の全てを賭してあの子たちはやってるわけなんだから。ただ、そういうAKBのメンバーを囲むのがビジネス的なものばかりじゃだめだと思う。だってビジネスマンが音楽をやってるわけじゃないんだから。……青臭くても綺麗事を言っていくのがアートだと思うし、俺らが綺麗事を言わなければ誰が言うんだよ、っていう。

今の俺にはそこはすごく見えてる。俺はAKBのファンの人たちも本当にすごいと思ってるんだ。周りからどう思われようが、働いた金でCDを何枚も買ってる人がいるわけじゃん。実は、その人達が一番俺に近いと思うんだよね。忌み嫌われてようが、それがクリエイティヴでなかろうが、格好悪かろうが、自分が応援したいから応援する。棒を振りたいから振る。あの願望みたいなエネルギーが、俺は音楽に対して、ある。AKBのライヴ中にさ、踊って、掛け声を上げて、汗かいてる人、傍から見たらすげえ滑稽じゃん? だから俺も同じように滑稽なんだと思うんだよね。でも、それでいい。人の目を気にせずエネルギッシュでいる部分では、あの人たちに俺は負けたくないと思う。


レジー「これ、結構唐突に出てくるんだけど、ちゃんとマーケットを見ているが故の発言だなと思いました。見て見ぬふりしてやってたり無関係なものと捉えてる人らよりは全然良いなと」

司会者「「AKBのメンバーを囲むのがビジネス的なものばかりじゃだめだと思う」ってのはほんとその通りですね」

レジー「ねえ。このインタビューは2012年の夏ごろだけど、ますますそういう傾向強まってる気がするわ。で、このドラゴンアッシュとAKBって話をもうちょい続けたいんですけど。この前リリースされたドラゴンアッシュの『THE FACES』というアルバムですが、冒頭に『The Show Must Go On』という曲が入ってます」

司会者「アルバムのテーマ曲的な位置づけですね」

レジー「そうですね。Kj自身も座右の銘だと言っている言葉です。以下はMUSICA2月号のインタビュー」

---この言葉、馬場さんが亡くなった2ヵ月後くらい、つまり2012年の6月末に、”Run to the Sun”の配信リリースに際してウチで記事を作るにあたって建志さんに直筆のメッセージが欲しいってお願いしたんですよ。で、色紙に書いてもらったんですけど、その時に書いてくれたのが、まさに「The Show Must Go On」というひと言で。

Kj「あ、その時からすでにあったんだ!・・・ヤバい、間違った認識のまんまインタヴュー30本くらい受けたわ(笑)。そっか、そんな早い段階からあったのか」

---その時に曲ができてたかどうかはわからないですけど。

Kj「いや、曲はなかった。俺の中の座右の銘だよね」

---なるほど。このスローガンこそが、今回のアルバムの芯であり、そして今のDragon Ashを走らせるものだと思うんですが。

Kj「間違いないね」


司会者「”The show must go on.”、辞書的には「止めるわけにはいかない, 問題があっても続けなければならない」という意味です。ショーは誰かがセリフを間違えても止めることはできないし、いろんなトラブルがあっても続けなければならない。そこから転じて、一般的な物事においても同様に事情があってもやりとげなければならない、という意味で使われる言葉のようです」

レジー「これよりもずいぶん前に『Life goes on』っていう曲もあったけど、あのときの「人生は続く」っていうメッセージよりも強い言葉だよね。で、この「The show must go on」って言葉を聞いたときに最初に思い出したのがAKBのことで。2012年の彼女たちのドキュメンタリー映画のタイトルにこの言葉が使われてます」

司会者「『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』ですね。震災以降の取組み、3回目の総選挙と西武ドーム公演、アイドルの恋愛を巡る問題などが取り上げられています」





レジー「シリアスな現実があってもそれと向き合いながらこのグループは前に進んでいくんだ、という意味合いがこめられたタイトルなんだと思う。で、もちろんKjがこの言葉に行きついたきっかけだったと思われる大事なメンバーの死って話とAKBについての「シリアスな現実」ってのはレベル感が全く違うけど、どちらのグループもいろんな毀誉褒貶に晒されながら今のポジションを得たわけですよね。全くベクトルの違うことをやってるグループだけど、KjからはたまにAKBを意識しているような発言があって、その2グループが掲げたメッセージが同じ言葉に帰着してるってのは不思議な偶然だなあと思いました」

司会者「ドラゴンアッシュもブレイク当時はロック側からもヒップホップ側からもディスみたいなものがあったわけで」

レジー「そうね。そんなこと考えながら改めてあのドキュメンタリー見てると、この2つのグループの足取りってなんか重なる部分もあるんだなあとか思ったんですよね。あの映画で西武ドームでの『フライングゲット』披露ってシーンがあるんですけど。2回目の総選挙で大島優子に負けた前田敦子が3回目で1位に返り咲いてセンターの座を獲得した曲が『フライングゲット』で、それをコンサートで歌う直前にあっちゃんは過呼吸やらなんやらの体調不良に襲われて。この日のコンサートの前から心労がたたって全く本調子でなかったあっちゃんだけど、「あの」選挙で勝ち取った曲だからこそここでステージに出ないわけにはいかない。ぼろぼろの状態で出ていって、踊れるのかあっちゃん!?って感じだったのに曲が始まると渾身の笑顔でパフォーマンスをする、っていうなかなか凄まじい映像」

司会者「あの映画のハイライトの一つですね」

レジー「うん。で、これって言ってみれば99年横浜アリーナ公演の『Viva la revolution』だと思うんですよ」

司会者「はあ」

レジー「いろんな批判を受けて、ダメージを受けながら大きな支持を勝ち取った場所での勝利宣言。歌詞をあらためて見ると、このKjの言葉があっちゃんの姿とリンクするなあと」

ここに立ってる意義が欲しかった だから僕達必死で戦った
勝ちとった 小さなプライドポケットに詰め込んで またここに立ってみる
すこし誇らしげな顔の自分がいる
満面の笑みを浮かべているキミ達がすぐ目の前に見える
(『Viva la revolution』)


司会者「AKBの歌詞は一人称が「僕」の曲も多いし、そう考えると彼女たちの自己言及系の曲の歌詞って言われてもおかしくないかも」

レジー「今回のアルバムについても、僕は『Golden Life』から『Walk with Dreams』の流れがすごく好きなんですけど、この辺で歌われてることも勝手にAKBに重ね合わせながら味わってました。負けたり叩かれたりしてもそれを糧にしていく感じとか、「夢」みたいなものに対するスタンスとか、彼女たちのサウンドトラックになり得る歌だなあとか思ってたんですけど」

儚過ぎる青に 嘆いたあの夜も
星の見えぬ空 向こう照らし出す
the golden life is once
打ちのめされた日も優しくされた日も
僕らの富となる
(『Golden Life』)

ここは居場所なんてないって 本当は皆ほら使い捨て
そんな感覚 抱くよかstand up 一人一人が丸四角三角
滑稽でもそれでもいいさって OK何処へでもfree styleで
思い描いて意外な構図 誰も真似できない未来予想図
それぞれが持つダイヤモンド 一つも同じではないだろ?
そう胸張って舵取り歩く これが夢さって足取り軽く
(『Walk with Dreams』)




司会者「そんなに何でもうまくいかないっていう諦念みたいなものがありながら、それでも前に進んでいこうとする、進んでいくしかないっていう姿勢はもしかしたら重なる部分があるかもしれないですね。KjがインタビューでAKBの話をしてたのも、そういう部分へのシンパシーがどこかにあるのかもしれないというか」

レジー「もちろんどこまでいっても推測の話でしかないけど、「タフに戦っている」人たちの足取りは思わぬところでリンクするんだなあなんて思いました」

司会者「わかりました。ぼちぼちまとめに入りたいのですが、実際問題としてこの2つのグループが接触する可能性とかあるんですかね」

レジー「いやー、どうなんだろうね。アイドル界隈でこれだけロック人脈の活用が進んでるのに、48グループはなかなかそういうことしないわけで」

司会者「ノースリーブスの取組みも単発で終わった感じですね

レジー「だから可能性は薄いと思うけど、Kjって女性ボーカル活かすのほんとはすごく得意じゃないですか。それこそSugar Soulの『Garden』もKj作だし、持田香織との絡みもあったり」




Dragon Ash - wipe your eyes feat... 投稿者 ASHIKASAN

司会者「Kjがアイドル曲書いたらそれこそ大事件になりますね」

レジー「うん。で、格的なことを考えるとそれをやれるアイドルはAKBだけのような気がするんだよね。組閣だなんだってそんなことで賑やかしするなら、楽曲関連で衝撃を与えてほしいです。ま、グループの構造上それがあり得ないことはもう十分わかってますけど、言うのは勝手ということで。今回はこんな感じでいかがでしょうか」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「ちょっといくつか気になってる新譜があるのでそんなことをやるかもしれないです。仕込んでいる企画もあるので予定は未定で」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

pitti blog便乗企画:マイ年間ベスト 2010年・2011年

司会者「「ネットの音楽オタクが選んだ2013年の日本のアルバム」がかなり話題になったpitti blogにて、同様の企画を2010年、2011年、2012年にて行うそうです」

レジー「すごいよね。頭が下がります」

司会者「経年で見てわかってくることもいろいろありそうですね」

レジー「前ここでも書いたけど、このチャートって日本の「オルタナティブ・チャート」だからね。4年分見ると日本の「オリコン以外の音楽」がどういうことになってたのか、たくさん発見があると思います。こちらの記事に各年のベストアルバムの募集要項が載っています。2月28日まで集めるそうなので、まだの方はぜひ」

司会者「2012年に関しては以前このブログでも選んでますよね」

レジー「うん。すでに集計していただいてます」

【2012年総括】マイ年間ベスト10枚(10位~6位)
【2012年総括】マイ年間ベスト10枚(5位~1位)


司会者「特に気になることとかがあれば」

レジー「やっぱりトマパイがどのくらい上に食い込むかってところかな」

司会者「このブログが始まったのは2012年の夏なので、2010年、2011年に関しては記事がないですね」

レジー「そうね。今まで曲は選んでたけどアルバムは選んでなかったんだよね。なので、この企画向けに2010年、2011年のアルバムを10枚選んでみました。今回はそれをお送りします」

司会者「2011年、2010年の順に行きましょうか」

レジー「カウントダウン方式で。タイトルに動画リンクを埋め込んでるので、気になるものは聴いてみてください。2014年の今から振り返って選んだものなので必ずしも当時の温度感を正確に反映しているかは分かんないですが、選んだ感じで言うとあー確かにこういう年だったなって空気を感じました。まずは2011年からどうぞ」


10. 『SOUND BURGER PLANET』/かせきさいだあ

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9. 『s(o)un(d)beams』/salyu×salyu

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8. 『Ray Of Hope』/山下達郎

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7. 『魔法のメロディ』/さよならポニーテール

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6. 『ex Negoto』/ねごと

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5. 『鼓動の秘密』/東京女子流

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4. 『megaphonic』/YUKI

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3. 『レキツ』/レキシ

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2. 『わたし開花したわ』/パスピエ

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1. 『JPN』/Perfume

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司会者「Perfumeが1位です」

レジー「これは文句なし」

司会者「2013年のランキングでは『LEVEL3』が全体の1位になってました」

レジー「『JPN』がどうだったのかというのがすごく興味がある。あとこの年に出会ったパスピエが2位。パスピエについては後追いで聴いて上にする人が結構いるような気がするので、ゲタを履いた順位になるのではと予想」

司会者「なるほど。あと印象に残ってるアルバムとかあれば」

レジー「salyu×salyuかなあ。なんかライブのユースト見て目ん玉飛び出た記憶が。結局一度も生で見れずに残念でした。あとねごとに関してはこのときが自分の中でマックスなんですよね。個人的には、このアルバムの瑞々しさを取り戻してほしいなあと思っています」

司会者「わかりました。続いて2010年です」


10. 『ファンファーレと熱狂』/andymori

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9. 『amp-reflection』/school food punishment

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8. 『ループする』/ふくろうず

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7. 『幻聴と幻想の現象』/ピロカルピン

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6. 『スポーツ』/東京事変

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5. 『友だちを殺してまで。』/神聖かまってちゃん

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4. 『本日は晴天なり』/サニーデイ・サービス

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3. 『vent』/serph

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2. 『ごめんね』/ふくろうず

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1. 『うれしくって抱きあうよ』/YUKI

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司会者「YUKIが1位ですか」

レジー「この時は何かが憑依してたよね。ひたちなかのライブもすごすぎて、大枚をはたいて国際フォーラムのライブのチケットをゲットしたわ」



司会者「2位はふくろうずで、8位と合わせて2枚入っています」

レジー「この年はふくろうずとの出会いが一番インパクトあった。かまってちゃんを見に行ったときに知ったんですよ」




司会者「シャムキャッツ見なかったんですね」

レジー「もったいないことをした。ふくろうずはパスピエみたいな後追い嵩上げもないだろうから、出てきた順位がわりと当時のポジションなんじゃないかなと思う。serphは11年になってからよく聴いてたので11年のアルバムだと勝手に思ってたんだけど、調べたら10年だったね」

司会者「あと2010年はサニーデイの復活がありましたね」

レジー「これねー、ひたちなかで見たけど感激したなあ。この人たちは青春のBGMだったので。昔の曲ほとんど歌詞覚えてて自分でびっくりした。そんな感じでこのランキング自体で存分に酒が飲めると思うんですが、とりあえずあくまでも集計用に出したものなのでこんな感じで。またランキング出揃った段階でもしかしたら何か書くかも」

司会者「わかりました。あらためて選んでみてどうでしたか」

レジー「最初にも言った通りまあこういうの聴いてたよねって感じではあるんだけど、今に比べると聴いてる量も少ないし幅も狭いね」

司会者「あー」

レジー「こうやってみると、僕自身も2010年くらいからは徐々に音楽から遠ざかっていくフェーズに入ってたのかもなあとか思った。それがブログ始めてこういうことになるんだから人生わからんね」

司会者「アウトプットする場所が固まるとインプットの質も上がりますよね」

レジー「ほんとそれを実感した。だからこれ読んでる自分と世代の近い人たちでちょっとずつ音楽に疎くなってるかも・・・みたいな人にとっては、ブログを始めるってのは一つの特効薬になるかもしれないなと思いました。今回はそんな感じで。ランキングの発表楽しみにしています」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「んー、いくつか書きたいことはあるんですがちょっと考えます」

司会者「できるだけはやめの更新を期待しています」

Shiggy Jr. インタビュー(後編) ときには「天然」に、ときには「戦略的」に

司会者「前回に引き続き、Shiggy Jr.のいけださん・はらださんへのインタビューをお送りします」

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レジー「前編の感想として「アーティスト名がたくさん出てきて面白い」というものをいくつかいただきました。特に意識してなかったけどなるほどと思いました」

司会者「意外とそういうインタビューないんですかね」

レジー「言われてみればそうなのかも。音楽やってる人である以上基本的には音楽好きなんだろうから、そういう切り口から掘っていくと話盛り上がりやすいよね」

司会者「なんだかすごく当たり前のことを言っているような気がします」

レジー「まあこれに関してはインタビューする側・される側の相性もあると思うけど。今回は自分の知ってる範囲内の名前がいろいろ出てきたから話せたけど、全然ジャンル違いのところをルーツに持ってる人だと厳しかったし。そんなこんなで、ここからは後編です。楽曲制作に関するスタンスや『Saturday night to Sunday morning』のPV裏話、情報発信についての考え方などについてお話しいただきました。それではどうぞ」

※前編はこちら

---

---バンドの話に戻ると、僕はやっぱり最初に『Saturday night to Sunday morning』聴いてびっくりしてShiggy Jr.に興味を持ったってのがあるんですけど、あの曲ははらださんが前から演奏されてたってことですよね。



しげゆきはらだ「あれはもうずいぶん前、大学2年生くらいの頃から別のバンドでやってました。こっちのバンドでやるにあたって歌詞は若干書き直して。アレンジもだいぶ変わりました」

---曲作り全般にあたってイメージというか、こんな感じにしたいみたいなのはありましたか。

はらだ「あの曲は・・・僕のバンドのイメージって、ああいう感じなんです。みんながそれぞれ好き勝手なことをやってるような雰囲気がいいなと。一応その形にはなっているとは思います」

---歌詞が変わったって話ですが、サビはそのままですか?

はらだ「サビは変わってないですね」

---僕が思ったのは、サビで「朝まで踊りとおせ」って言ってますが、「どこで朝まで踊るのかな」ってことなんですけど。

2人「(笑)」

---別にクラブ行って・・・みたいな感じの人たちでもなさそうだし。

いけだともこ「たぶん家だよね。家でヘッドホンしてる感じ」

はらだ「もうずいぶん昔に作ったのではっきり覚えてはいないんですけど、大体歌詞を書くときってあんまり内容を考えてないんですよね。ノリとかの方がよっぽど大事で。それこそ岡村靖幸とかもそうだと思うんですけど、歌を殺さない言葉であるって方が重要。最終的には意味を持つというか「ああいいな」って感じになるようにはしますけど、基本的に「こういうことが伝えたい」と思って歌詞を書いてるわけでもないというか」

---あと「パジャマパーティー」とか。パジャマパーティーとかしてんの?みたいな(笑)。

いけだ「(笑)。『今夜はパジャマ☆パーティー』は、ミニアルバムの中であの曲だけドラムの先輩(フィジー)が書いたんですけど。アルバム作るにあたってすごい短期間でデモをいっぱい作らないといけない時期があって、しげゆきくんだけじゃなくて他の人も作ろうってなって。それでテーマを決めようってことになったんですけど、当時私が「テラスハウス」にすごいはまってて(笑)。あれってパジャマパーティーって感じするじゃないですか。そんなことを言ってたら、じゃあそういう「ピンク!水色!」みたいなどポップな曲をやってみようかって話になって作ってもらいました」



---なるほど。

いけだ「だからパジャマパーティーはしてないんですけど」

はらだ「するわけないよね(笑)」

いけだ「楽しそうなもののイメージとして使ってます」

はらだ「すごいポップですよねあの曲。一番ともち(いけだ)の声にぴったりあってると思う」

---楽しげなイメージを伝えるっていうねらいがあって、その中で響きのいい言葉・メロディに乗る言葉を使ってると。

はらだ「そうですね。楽しいのがいいなあと」

いけだ「うん」

image (4)

---ちなみに『Saturday night to Sunday morning』のPVなんですけど、唐突に出てくる「時代錯誤」って言葉が妙に気になったんですが。(注:PVの35秒あたりに注目)

はらだ「やっぱり聞かれた(笑)」

いけだ「みんな気になってる(笑)」

---あれはなんですか?

いけだ「あれは深い意味はなくて・・・あのPVは「茶の間で撮る」ってことだけは決まってたので、監督さんと「寺内貫太郎一家みたいな感じで」って話をしてたんですよ。ですが、いざ当日になったら当初参加予定だった寺内貫太郎っぽい人が来れなくなったりして、ちょっとコンセプトがわかりづらくなって。で、結局「パーティー感を出していこう」ってことで落ち着いて、小道具でケーキを使うことになったんですが、せっかくだから寺内貫太郎一家の名残をいれたいと思って画像検索してたら掛け軸に「時代錯誤」って入ってて。それでケーキ屋さんで頼んでみました」

---そうなんですか。なんか深いメッセージがあるのかと・・・

いけだ「(笑)。あとはあそこに普通に名前とか入れるんじゃなくて変な方がいいよねって話はしていて。何回も見たくなるような感じにしたかったので、これなんだろう?っていうポイントがあった方が気になるかなって。茶の間にミラーボールがあるのと同じ感じで、しゅっと入ったらいいかなと」

---しゅっと入ってくるものにしてはインパクト強すぎました(笑)。

いけだ「編集でアップになってましたからね。見えないかなくらいになると思ってたんですけど(笑)」

---何を言おうとしてるんだろうかと・・・

いけだ「何かに対するアンチテーゼか?みたいな(笑)。何もないです」

---深読みしすぎて損しました(笑)。ところで、J-POPの中で女性ボーカルのバンドってずっとある流れだと思うんですけど、「その中でどういう位置づけか」みたいなことは考えたりしますか?

いけだ「あ、以前レジーさんのブログで、プリプリ、ジュディマリ、チャットモンチーときて次は誰だ?みたいなこと書いてる記事あったじゃないですか」

---あー、はいはい。(注:「アイドルと自意識、アイドルの自意識11 -AKB総選挙を終えて、改めて『ヘビーローテーション』について考えてみる」

いけだ「その記事をCD作るくらいの時に読んでて。で、しげゆきくんに図を書いて説明して、ここがいないんだって!わたしここに入りたい!って話はしました。でも彼は全然興味ないので、「うん、がんばれー」みたいに流されましたけど(笑)」

---そうなんですか。そんな形で使っていただけてるとは嬉しいです。

いけだ「ずっと読んでたので」

はらだ「そうか、全然そのやり取り覚えてない(笑)」

---ほんとに興味ないんですね(笑)。

いけだ「私は大学で日本文学科にいて「この言葉に込められた意図とは」みたいなことをやっていたので、いろんな人のインタビューとか読むの好きなんです。だからしげゆきくんって何考えてるんだろうってずっと思ってたんですけど、一年経ってほんとに何も考えてないってことがわかりました(笑)。シンプルなんです。いいことだと思うんですけど」

---そういうインタビュー記事、それこそロッキングオンとかって読んでたりしました?

いけだ「最近は読んでないですけど、チャットモンチーが出た時に読むとかそんな感じでした。高校の時から20,000字インタビューされるのが夢で、いつかかなえたいと思ってます(笑)」

---メディアの話で言うと、僕がShiggy Jr.のことを知ったのは「10,000 TRACK PROFESSIONAL」っていう「Hi-Hi-Whoopee」周りのブログからの発信だったんですけど・・・はらださん、Hi-Hi-Whoopeeはわかりますか?

はらだ「わかります、最近教えてもらいました」

いけだ「私が全部教えてます(笑)」

はらだ「ほんとにちょっとだけわかるようになりました」

いけだ「私は一時期インターネットにこもってたときがあったので」

---最初聴いたときに、いわゆるウェブメディアのコアな感じと、Shiggy Jr.が鳴らしているかなりポップな音に個人的には距離があるような気がして。それこそMステに出てる人たちとか、そういう文脈の中で語られる方が僕の中ではしっくりくるなあって直感的に思ったんですけど。たぶんライブに来てる人たちも今はかなりディープに音楽を好きな人たちが中心だと思うんですが、もっと開かれた場所で聴いてもらいたいとか、逆に聴いてほしかった人たちに届いてるとか、そのあたりで何かあれば。

はらだ「どうなんですかね・・・単純に音楽好きな人に聴いてもらえるのはいいことだなと思いますけど。この人に聴いてほしいみたいな特定のイメージは全くないし、ただいいもの作りたい、いいもの作ればみんな聴きたいでしょって気持ちでやってるので、いっぱい音楽聴いてるような人たちが自分らのCDを聴いて良いって感じてもらえるのはすごいことだなと思ってます」

いけだ「しげゆきくんはそういうメディアとかに興味がなくてひたすら作ってるんですけど、私はその間に何かできることはないかと探してて。たとえばtofubeatsさんとかも、ウェブメディアとかいろんな人を味方につけて、それでどかんとメジャーに行ったじゃないですか。あの流れが私はすごい好きで、身近な人から味方になっていって、どんどん進んでいくっていいなと思ってるんですよ。私自身ひたすらインターネットをやってた時期があったんですけど、そういうときに「サウンドクラウドで聴いてもらえるとこれだけカウンター回る」とか、「ツイッターでこの人とこの人がつぶやくとこのあたりに届く」とか、そんなことを研究していて。嫌らしく聞こえるかもしれないけど、いいものを作ったからいろんな人に聴いてほしいっていう当たり前の動機なんです。アイドルさんとか見ててもそうじゃないですか。どうにかして売ろうっていう。そういう姿勢があるのがアイドル好きな理由の一つでもあるんですけど。だからハイハイさんとか・・・私、お願い事ノートってのをやってるんですけど」

---お願い事ノート?

いけだ「はい(笑)。目標を書くもので、ずっと前からレジーさんに聴いてもらうとかも書いてて」

---そうなんですか(笑)。

いけだ「レジーさんのブログでインタビューされるとか、ハイハイさんに聴いてもらうとか、年間ランキングに入るとか、夏前から書いてて。見て!かなってる!みたいな。だから私はそういうことを意図してやってた部分があったので、届いてほしかったところに届いて嬉しいなと思ってます」

image (8)


---いいバランスなんですね。2人ともいけださんみたいにやってたら疲れちゃうかもしれないし、逆にどっちもはらださんみたいなタイプだったら届けるための偶然性が高くなっちゃうし。面白い。

いけだ「全然性格違うんですよね」

はらだ「バランスがちょうど良かったんだと思います」

---他のお三方は?

いけだ「こっち(はらだ)寄りだと思います。私がここに載ってる!って言ってもそれ何?みたいな(笑)。曲作ってる人には何も考えずにそれに専念してほしいっていう気持ちがあるので、他の届けるための作業は私がやろうと」

---ああ・・・いいお話を聞かせていただきました。

2人「(笑)」

---トーフさんが周りを味方につけて、ってのはほんとその通りですよね。どんどんフリーでばらまいて。

いけだ「今はもったいぶってても仕方ないと思うんですよ。まずはとりあえず聴いてもらいたいなと」

---発信の仕方というか役割が違うだけで、そこの考え方はお二人一致してますよね。ぼちぼちまとめに入りたいのですが、さっきお願い事ノートって話がありましたけど、そのリストの上の方にどんなことが書いてあるかっていうのをこの先の目標とつなげてお話しいただければ。

いけだ「大きいところで言うと海外でライブしたいとか・・・毎年ホールライブできるくらいになるっていうのもずっと言ってるんですけど。あとはこれだけやってて大丈夫な人になりたいです」

はらだ「なりたいというか、ならないといけないと思う」

いけだ「それがメジャーかインディーかわからないけど、いいものを作って、ちゃんと届けて、それなりの何かが入ってきて、それを元にまた何かができるっていうサイクルに乗りたいなと」

はらだ「新しい曲もどんどん作りたいです。目標で言うと、台湾の電光掲示板で流れてるのが普通ってくらいの状況にしたい。個人的には・・・スタジオがほしいです。いずれはアゲハスプリングスみたいなことやりたいんですよ。すごい人集団というか」

---ありがとうございました。最後に、ここまで「ポップ」という言葉がたびたび出てきていますが、楽曲を作るうえでの「ポップ」の定義とかがあれば。

はらだ「そうですね・・・生活してると、何かしら音楽って聞こえてくるじゃないですか。街中で流れてる音楽ってのは特に音楽を意識していない人の耳にも馴染むわけで、広く聴いてもらうためにはそういう耳馴染みのいいキャッチーなメロと詞を作らないといけないと思っています。あとは、それがより伝わるような今っぽい音になっているのが「ポップな音楽」なのではないかと思います」

いけだ「私が思うポップって、場所も時間も年齢も性別も、普段何してるとか何聴いてるとかに関係なく、そこを飛び越えてみんなに届くものって感じなんです。「みんなの違う部分はいったん置いといて楽しもうよ」って気持ちになれるというか。そのための媒体。みんなで幸せな方に向かえる力があるのがポップの凄さだと思ってるので、そんな音楽ができるようになりたいなって思ってます」

---

司会者「何か感想などあれば」

レジー「前編も含めてですが、ほんとに対照的なお二人でした。音楽の摂取の仕方とか、メディアに関する捉え方とか。イメージで言うと曲作ってる人が戦略家でボーカルが天然、みたいな組み合わせが一般的な気が個人的にはするんですけど、Shiggy Jr.はそれが逆なのが面白かったです」

司会者「キャラは対照的でも、ポップなものを作りたいっていうところはぶれてないです」

レジー「ほんとにそこがバンドの肝なんでしょうね。そして自分たちの出すものに対しての自信も感じられるし。インタビューを通して、ますます目が離せない方々だなあと思いました。野望もすごく大きいしね。ぜひアゲハスプリングス計画は実現していただきたいです」

司会者「ライブ活動にも積極的なShiggy Jr.ですが、3月29日に下北沢モナレコードで企画ライブがあるようです」

レジー「詳細はバンドのホームページやツイッターアカウントでの情報更新をお待ちください。今回はこんな感じで。いけださんとはらださんありがとうございました」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「んーちょっと考えます。他にもインタビュー企画走らせたりもするので、そのあたりもまとまり次第」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

Shiggy Jr. インタビュー(前編) 2014ブレイク候補のルーツを紐解く

司会者「2014年一発目のインタビュー企画をお送りします」

レジー「はい。去年の11月にファーストミニアルバム『Shiggy Jr. is not a child.』して話題を呼んでいるShiggy Jr.のインタビューを2回にわたってお届けします」




司会者「かなりはまってますね」

レジー「去年初めて聴いたときほんと衝撃的だったですよ。ご存じない方はまずはこの『Saturday night to Sunday morning』を聴いてみてください」






司会者「それから呟きまくって」

レジー「広めずにはいられなかった。年間ベストでもこの曲を3位に選ばせていただきました

司会者「先日モナレコでライブも初めて見ましたね」

レジー「きっとすぐにもっと大きいところでやるんだろうなあ。そんなことを感じさせるくらいこの人たちの曲は間口広いと思います。以前この記事でも書いたけど、いわゆるど真ん中ポップな音に対する聴き手の許容度が改めて高くなってる気がするんですよね。時代の空気にもすごくマッチしてると思う。というわけで、2014年の要注目バンドであります」

司会者「そんなShiggy Jr.ですが、インタビューが公に出るのは今回が初めてとのことです」

レジー「きっと年末くらいにはすごく貴重なものになっているに違いない。お話しいただいたのは写真一番左、ボーカルのいけだともこさんとその隣のしげゆきはらださん」

shiggyjr.jpeg


司会者「はらださんは大半の曲の作詞作曲を担当しています」

レジー「全2回の前編となる今回は、Shiggy Jr.というバンドが生まれるまでの経緯やお二人の音楽遍歴についてお話しいただいています。それぞれのキャラが好対照なのにも注目しながら読んでいただければ。それではどうぞ」

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---フィガロジャポンに載ってるの見ました。(注:フィガロジャポン3月号 「〈保存版〉1年を面白くする、モノとコト/2014年の流行予報。」に掲載)




2人「ありがとうございます!」

---「シティポップス系」って書かれてましたけど(笑)。

いけだともこ「バンド組んでから、「シティポップが好きなの?」って誰かに言われたことがあって。で、「シティポップってなんだ?」みたいな(笑)。そこから調べたくらいで、正直今もよくわかってないんです。範囲が広すぎて」

---11月に『Shiggy Jr. is not a child.』がリリースされて早速全国媒体に名前が出たりしましたが、イメージ通りですか?それとも思ってたより急展開ですか?

いけだ「びっくりしてます。そういうところに載ったらいいな、いろんな人に届いたらいいなとは思ってましたけど。初ライブからまだ1年くらいしか経ってないですし・・・めっちゃ早いよね」

しげゆきはらだ「めっちゃ早い。このタイミングでこういう形で雑誌に載るとは思ってなかったです」

---今年さらにばっと広がるのを期待してるので、そのスタートになるようなインタビューになればと思ってます(笑)。

2人「よろしくお願いします(笑)」

---まずは基本情報というか、バンド結成の経緯みたいなところからご説明いただけますか。

いけだ「メンバー5人は全員同じ大学出身で、しげゆきくん以外の4人は同じ軽音楽部に所属していました。私はしげゆきくんとは在学中には交流がなくて、知り合ったのは卒業してからです。しげゆきくんは一人でコンペ向けの曲とかを作っていて、私は私で卒業して路頭に迷っていて(笑)」

---そうなんですか(笑)。

いけだ「将来どうしよう・・・みたいになってた時期があって。長い間悩んだけど、人生一回しかないし、やっぱり音楽がやりたいって腹を括ったんです。ちょうどその時期にしげゆきくんが女の子ボーカルの曲を作っていて、ボーカルやってくれる人誰かいないかなと探してたみたいで。で、今のキーボードの子(すねありか)、私としげゆきくんの唯一の共通の知り合いだったんですけど、彼女が私のことをしげゆきくんに勝手に紹介してて」

はらだ「音源をもらいました」

いけだ「私が知らない間に勝手に送られてて(笑)。それで仮歌を入れに行ったんですけど、なんとなく声と曲の感じが合うし、せっかくだからバンドやろうよってことになって。それでベースとドラムをやってたサークルの先輩(玄、フィジー)に声をかけたらいいよって言ってもらえて、キーボードも含めて5人で結成したという感じです」

---はらださん的には最初にいけださんの歌を聴いて「これだ!」みたいな感じだったんですか。

はらだ「もらった音源ではブギーバックを歌っていて」

いけだ「オリジナルバージョン、スチャダラパーと小沢健二のをサークルでコピーしてました」

はらだ「相当良かったです。どう考えても声がいいし。なんで何もやってないのかなって」

---最初に録った曲はどんな感じのものだったんですか?

はらだ「一番初めのデモは『昼ドラ』、モナレコのライブでもアンコールでやった曲。あと『サンキュー』を録りました」

いけだ「あとはしげゆきくんがボーカルをやってたバンドの曲をいろいろ聴いてて、その中でも『Saturday night to Sunday morning』がすごい好きで。ほんとに良かったから最初は誰かのコピーだと思ったんです、失礼だけど(笑)。あまりにも耳馴染みが良くて、それコピーなの?って聞いたら俺が作った曲だよってことだったので、じゃあ私も歌いたいって言ってそれも録ることになりました。全部で3曲」

---はらださんがボーカルのバンドで『Saturday night to Sunday morning』をやってたんですね。

はらだ「そうですね、黒歴史なんであんまり掘り下げたくないんですけど(笑)」

---黒歴史って(笑)。僕、『サンキュー』のはらださんのボーカルが入ってくるとこめっちゃ好きなんですよ。



はらだ「いやいやいや(笑)」

いけだ「あそこファン多いよね」

はらだ「ちょろっとだからいいんですよ」

いけだ「デモでもらう音源もすごい上手な歌が入ってるから、これを超えんと私のおる意味なくなるー!って気持ちで頑張ります(笑)」

---バンド以外で音楽をやられてたことはありますか。

はらだ「あー・・・そうですね、通ってた中学校が合唱大好き学校で。部活でもないのに、クラス全体で朝練とか帰る前の練習とかがあったんですよ。そういう学校だったんで歌はずいぶんたくさん歌ってましたけど、それくらいですね」

いけだ「私は小さいころからピアノを何となく習ってたんですが、そんなに上達せずに中学で辞めて。中学からは吹奏楽部にも入って、トロンボーンをやってました。で、管楽器で音大に行こうと思って高校もそういうコースに通ってたので、音大受験用にクラシックの声楽もやってました。結局進路変えちゃったけど、それはそれですごい楽しかったです」

---聴いてたのはどんなのでしたか?

はらだ「最初にはまったのはYUIです。すごい好きで、それでアコギを始めました。その後わりとその辺の高校生と同じようにエレキギターを持ちたがるようになり、ソロ弾きたい!みたいな感じでハードロックにいって。ディープパープルとか(笑)。大学入ったらロックっ気は落ち着いてきて、ファンクとかテクニカルな感じのものをやりたくなって。山下達郎を好きになったのもその頃です。で、今となっては完全にポップミュージックに戻ってきたって感じです」



いけだ「洋楽も邦楽も両方聴いてた?」

はらだ「どっちも聴いてた」

---いけださんはでんぱ組好きなんですよね。

いけだ「好きです(笑)。さっきも大きいモニターでライブ流れてたの歩きながら見てときめいてました(笑)」

---これまではどういうの聴いてましたか。

いけだ「高校に入るまでは宇多田ヒカルとかaikoとかみんなが普通に聴いてる音楽を聴いてたんですけど。高校に入って、ベタですけど好きな先輩がロック好きだったから私も聴き始めました(笑)。それこそ最初はゴイステとか銀杏とかブルーハーツとか。「親には聴かせられない」って感じでイヤホンで一人で「わー!!」ってなってて。好き嫌い以前に「何これ!?」みたいな。そこから聴く音楽の幅が広がって、相対性理論とか、おとぎ話とかをmF247で落として聴いてました。地元のCDショップにはインディーズの音源がなくって。あとはチャットモンチーとか、YUKIとかPerfumeとか。高校のときは田舎で情報源もそんなになかったんですけど、大学に入ってから音楽好きな人が周りに増えて、いろいろ教えてもらう中でフィッシュマンズがすごく気に入りました。あとはゆらゆら帝国とか。で、ゆらゆら帝国とかコピーしたいと思っても、どうあがいても自分の声だと想像してる感じにならなくて。ゆら帝もだめ、フィッシュマンズもダメ、サンボマスターもだめ、って何回もそういう壁にぶちあたって。そこでやっと、「よし!それならとことん自分の声を生かせる音楽をやろう!」って思ったんです。それで結局ポップなものに帰ってきたというか。ポップなのはずーっと好きなので。それこそアイドルとかも好きです」





---高校生の頃はmF247以外にはどういうところで新しい音楽に出会ってましたか?田舎で情報源ないって話でしたけど。

いけだ「当時はブログ全盛期だったと思うんですが、その頃ホリエモンが高校生ブログランキングみたいなのをやってて。その中に一人、音楽にすごく詳しい人がいたんですよ。その人が紹介してるものを追いかけて聴くみたいな感じでした。家はネット環境がいまいちだったので、そこに載ってる曲を学校のPCでYouTube開いて聴くみたいな。そのブログやってた方とは上京してから会ったんですよ。今ではすごい親友で、変わらずいい音楽を教えてもらってます。個人のブログで音楽を知るってのはその頃から変わってないですね」

---はらださんはどうですか?いけださんみたいにブログ経由で音楽探したり、あと音楽雑誌読んだりとかはしてましたか。

はらだ「いや、まったくです。自分から音楽を探しに行くってことをほとんどしないんですよ。あれ聴いた方がいいよ、って言われたら聴く感じです」

---そうなんですか。曲聴いてるといろんな情報量が詰まってる感じがしたので、音楽すごい詳しい人なのかなとか思ってたんですけど。

はらだ「全然そういう感じじゃないんですよ」

---天才系だ。

はらだ「(笑)。とにかく同じ曲、同じアルバムを何百回と聴き続けるんですよ。ポップスって大体作ってる人がかなり音楽聴いてるわけで、その人たちが思う一番いい断片が盛り込まれてるはずだから。それを延々と聴き続けるとその断片を自分のものにすることができると思うんです」

いけだ「軽音部とか入ると、「俺これも知ってるぜ」みたいなコミュニケーションあるじゃないですか。「○○が好きです」って言うと、「ということはこれ知ってる?」とか。しげゆきくんもそういう人かと思ってたらだいぶ違って、「おとぎ話知ってる?」「え、知らない・・・」みたいな。というか今も知らないでしょ」

はらだ「今も知らない。なんだろうと思って聞いてた(笑)」

---(笑)。

いけだ「ゆらゆら帝国はわかる?」

はらだ「それはわかる」

いけだ「何かそんなくらいの感じだったから、あ、そういうタイプの人もいるんだなと思いました」

---それこそ最近下北沢でライブやってるようなミュージシャンの方って、毎日レコード買いに行ってるみたいなタイプの人たちもいるじゃないですか。そういう感じじゃないんですね。

はらだ「全然違います」

いけだ「でも「これいいよ」って言うと素直に聴いてくれて、しかもすごいスピードで吸収してくるんですよ」

---さっき「何百回も聴く」ってお話でしたけど、今までで一番「これは何百回と言わず何千回も聴いたわ」って作品は何ですか?

はらだ「山下達郎の『JOY』は相当聴きました(注:1989年リリースのライブアルバム)。あれはほんと聴いた。あとなんだろう・・・大学入ったころはaikoとか。一定期間内に相当聴きまくって、ある程度したら聴かなくなるんですよ」

---エキスを吸い尽くしちゃうんですね(笑)。

いけだ「ちょっとCD貸したりすると私よりすぐ詳しくなるんですよね。何曲目のあそこがすごい!みたいな。私はどうしても歌メロに集中しがちなので」

はらだ「あとアレン・ストーンも相当聴きました。超かっこいい」



いけだ「かっこいいってずーっと言ってたよね。あとK-POPとかは?」

はらだ「少女時代最近好きで。あとケミストリーもかなり聴いた」

---11月のやつを作ったり録ったりしてたときに聴いてたのは?

はらだ「あのときはマルーン5かな」



いけだ「マルーン5っぽい音にしたいってずっと言ってて」

はらだ「でも出来上がったらそうはなってなくて(笑)。次こそは、って今でも思ってる」

---個人的には聴いててaikoっぽいなって思ったところはあります。池田さんのボーカル含めて。節回しの瞬間とかがたまに。

いけだ「ほんとですか。あんまり意識してなかったな」

はらだ「チャットモンチーが相当好きなんでしょ?」

いけだ「さっき音大進学から進路を変えたって話をしたんですけど、そのきっかけがチャットモンチーなんです。チャットモンチーをテレビで見て、全てを捨ててバンドをやろうと思った。高3の途中まで音大受験用の対策をしっかりやってたんですけど、そんなときにトップランナーって番組でチャットモンチーを見て」

---NHKの。

いけだ「はい。あれを見てめっちゃかっこいい!と思って。どのタイミングで誰が何を言うか覚えるくらい何回も録画したのを見ました。それでどうしてもバンドがやりたくなって。バンドってもっと華やかな人がやるものだと思ってたし、田舎だからか周りでやってる人も少なかったんですけど、このままやらなかったから後悔するんじゃないかと悩み続けて、それで秋くらいに先生のところ行って「バンドやりたいんで普通の大学受けます」って。受験まで2、3か月で大学のこと調べる時間もなくて。軽音部なんてどこにでもあるのにそういうことすら知らなかったから(笑)、桑田佳祐がいた大学なら軽音部もあるだろうって理由で受けました。だからチャットモンチーには歌い方とか含めてほんとに影響受けてます」

---チャットモンチーはどの辺の曲とかアルバムが好きですか。

いけだ「全部好きですけど・・・今の2人のもすごい好き」

---僕2人になってからのやつ辛くて聴けないんですよ。

いけだ「私もそうだったんですけど、DVD見て」



---僕も見ましたけど、見終わった後体重5キロくらい落ちたような感覚になりました・・・

いけだ「そっか。私はそれでかなり気持ち入っちゃって。「このくらいやらなきゃ!」みたいな。あれを見てすごい熱くなって、その後にスタジオ行ったときみんなに「どうしたの?」って言われました(笑)。昔から、熱いものとか人とかが好きなんです。『chatmonchy has come』はかなり聴いたし、一番聴いたのは『告白』かな」

---『告白』だと『海から出た魚』が一番好きです。

いけだ「まさにその曲をコピーして学園祭で演奏しました」

---そうなんですか!それ聴きたいなあ。

いけだ「『海から出た魚』、あとは『ハナノユメ』、『恋愛スピリッツ』あたりをコピーしてました」



---はらださんはチャットモンチーは?

はらだ「聴きましたよ。ともち(いけだ)に勧められて」

いけだ「バンド始めた最初のころに、私が好きなものを全部伝えると言ってたくさん音源を送っていて。まずはこれを聴いて!ってスカイプでひたすら。そのなかにチャットモンチーも入ってて」

はらだ「『告白』は結構聴きました。で、ああいうの作ろうと思ってやってみたらチャットモンチーにしかならなくて、だからやめました」

いけだ「キーが合うから歌いやすいってのもあって、それで好きだったりもするんですよね。だから昔はギターボーカルだったこともあります」

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司会者「前編はここまでです」

レジー「次回はバンドとしての楽曲制作のスタンスや、作った楽曲を広く届けるためにどんな工夫をしているかといった話を掘り下げています。今の時代のミュージシャンならではの情報発信に関する考え方なんかも出てくるので、引き続きよろしくお願いします。おそらく1週間後くらいにアップ予定です」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」


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