最近のもろもろとお久しぶりのこの企画

レジー「少し前の話になりますが、YEBISU MUSIC WEEKENDのトークセッションが無事終了しました。聞いていただいた方ありがとうございました」

司会者「手ごたえはいかがでしたか」

レジー「うーん、どうなんだろうね。個人的にはいろいろ悔いが残る感じではあったんだけど。まあでもこういう話をする場ってのは面白いです。文章書いて公開するのとはまた違う刺激がある」

司会者「文章書いて公開、という話でいうと最近リアルサウンドで「「うた」へと向かう若手ロックバンドたち――音楽シーンのJ-POP回帰を考察」というコラムがアップされました」

レジー「コラムというか、今年の個人的な振り返り的なものになってます。こんな動きもあったんじゃないかなという記録みたいな感じで」

司会者「こちらの反応はいかがでしょう」

レジー「今回は想像もしなかったところから思わぬ好反応があって面白かったというか嬉しかったです。やはり世の中の真実はツイッターではないところに存在するなあということを実感しました。とりあえず最近の活動報告はこんな感じで本題に入りたいんですけど、今回は久々にこちらの企画をやります」

あの1023円で何が買えたか? -もはや誰も顧みない90sJ-POPを勝手に供養する-

アマゾンを巡回して「1円で買える90年代半ば~後半デビューのさして売れなかった人たち」のCDを3作品発見して回収(送料340円×3枚、総計1023円)→その中身について自分の思い出も交えて話をする

司会者「今は送料350円になってるので1053円ですね」

レジー「ここ悩みどころですが、せっかく続けてるのでタイトルはこのまま行こうと思います。当初の予想に反してなぜか好評のこの企画、夏にCDジャーナルで松永良平さんと対談した「あたらしいシティ・ポップ おかわり 」内でも言及していただきました」



司会者「何が当たるかわかりませんね」

レジー「ねえ。これまで取り上げてきたラインナップはこんな感じです」

第1回:After me/rough laugh/CURIO
第2回:cool drive makers/ZEPPET STORE/ROBOTS
第3回:SMILE/オセロケッツ/坂本サトル
第4回:PEPPERLAND ORANGE/RAZZ MA TAZZ/SweetShop
第5回:Jungle Smile/TIMESLIP-RENDEZVOUS/the autumn stone 

司会者「並べると謎のインパクトが」

レジー「特定の世代にとっては胸がざわざわするはず。で、今回はこちら」

141118_90s6.jpg


司会者「今までとちょっと毛色が違うのも混ざってますかね」

レジー「そうかもね。最初に取り上げたいと思ってた人たちにはだいぶ手を付けてきたので、少しずつスコープを広げようかなと。では早速いきましょう」


『rumaniamania』/Rumania Montevideo





司会者「1枚目はルーマニアモンテビデオです。99年にメジャーデビューしたバンドで、『rumaniamania』はその年にリリースされたファーストアルバムです」

レジー「これは当時結構CM見た記憶があるんだよな」

司会者「ビーイング系らしい宣伝方法ですね」

レジー「動画貼ってるシングル曲の“Still for your love”は、同世代なら聴き覚えある人もわりといるのでは。サビあたまの展開が唐突で結構インパクトあった。ちゃんと聴いたのは例によって「ミュージックスクエア」でだった気がする」

司会者「ドラムボーカルのバンドです」

レジー「なかなか珍しいよね。この人たち、自分の中では位置づけが難しいというか、どう取り扱っていいのかよくわからんって感じのバンドでした。ビーイングっぽい匿名感みたいなものはありつつもMステに出てたり」

司会者「99年だとビーイングの人たちが出せば売れるって時代でもなくなってましたよね」

レジー「で、本格的なロックバンドですと言われてもこちらはドラゴンアッシュとトライセラとバインで間に合ってます的な状況でもあり。もう「98年」の後だったりするから」

司会者「だからこそビーイングからそういう感じのロックバンドを出したってのもあったんでしょうけど」

レジー「それはそうかも。このバンドの支持層はどのあたりだったのかな。少なくとも高校の友達の間では見当たらなかった」

司会者「音自体はどうでしたか」

レジー「90年代の後半のロックの美味しいとこどり、って感じですかね。打ち込み使ったデジロック的な雰囲気の曲があったかと思えば、当時でいえばブリグリに近いようなUK風の音があったり。あとちょっと意外だったのが、ボーカルの録音がすごい生っぽい。加工してないのでは?くらいのテクスチャーだった。ピッチがずれてるところもある気がするんだけど、それが妙にリアルというか。工業製品のような作りこみをする母体からこういうものが出てきてたのがなんか不思議に思いました。これも時代を意識してたりするのかな。ビーイング絡みの人たちに関しては、90年代前半の爆発的に売れてた人らしかほんとに知らない感じなのであまりちゃんと語れないんだけど、wikiを見ると「あーいたいたそんな人!」って名前がどっさり出てるね。そのうちこれのスピンオフ企画でビーイングアーティスト聴いてみました的なものをやってもいいかも」

司会者「ルーマニアモンテビデオは2002年に3枚目のアルバムを出して、そのまま活動が止まってしまったようです」

レジー「そういや名前聞かなくなったな、って思う間もなくって感じだったと思う。この辺の実体のなさもビーイングの人たちっぽい」


『リビング』/ザ・カスタネッツ





司会者「続いてはザ・カスタネッツです。95年メジャーデビュー、この『リビング』は翌年96年のファーストアルバムです」

レジー「このバンド、名前は知っててなんとなく曲のイメージはあったんだけど具体的にどういう人たちか実はそこまで知らなかったんですよ。で、ちょっと調べてみたらなかなかびっくりした。このインタビューとか」

司会者「もともとはフィッシュマンズとつながってる人たちなんですね」

レジー「そもそもは柏原譲がいたり茂木欣一がいたり。同じサークルに佐藤伸治もいればあとからチバユウスケも入ってくるという」

司会者「ドキドキする話ですな」

レジー「ねえ。明治学院すごい。そんなことは露知らず、「ポストミスチル/スピッツのone of themだったんでしょ」って感じで取り上げてしまった」

司会者「95年メジャーデビューのこういうバンドだとついついね」

レジー「ちょうどスピッツがブレイクした年の年末だからねえ。ミスチルも大爆発してた年だし。YouTubeでこんな動画見つけたよ」



司会者「カウントダウンTVですね」

レジー「懐かしい。で、ここでは“冬のうた”という曲の動画を貼ってますが、この曲は僕がもとからこのバンドに対して持ってたイメージにすごい近い。さわやかギターロックというか」

司会者「ボーカルはパワフルですね」

レジー「そうね。この特集でたびたび指摘してる「なぜだか鼻にかかったボーカル」ではないです。あと曲によっては単に爽やかな音ですね、って話じゃなくてパンクっぽかったりレゲエ調の曲があったりいろいろなことやってて面白かった。その辺はただのミスチルスピッツエピゴーネンとは一線を画してるって話なのかも。スピッツのルーツにパンク的な要素があることを考えても、本当の意味でそういう大きく売れた人たちとシンクロしてたと言っていいのかもしれないですね。そもそもカスタネッツの前身のバンドができたのとスピッツの結成が同じくらいみたいだから、ポスト云々かんぬんってのも失礼な話ですな」

司会者「そんなカスタネッツですが、今でも活動を継続しています

レジー「恥ずかしながらこれも知りませんでした。この前タイムスリップランデブー取り上げたときもびっくりしたけど、まだこの時代の人たちが続けていることに心から敬意を表したいです。9月にスキップカウズと対バンしてたみたいで、この組み合わせほんとに最高だなあ」


『200倍の夢』/Letit go





司会者「最後はLetit goです。95年3月デビュー、このアルバムはその年にリリースされたファーストアルバムです」

レジー「実働は1年ちょっとみたいね。グループ名で検索するとありのままでばっかり出てくるよ。この曲は以前取り上げたペパーランドオレンジと同様に、ポカリスエットのCMソングになってました」

司会者「中山エミリね」



レジー「そうそう。この“200倍の夢”、クレジット見たら編曲が亀田誠治だった。こんなところで名前を見るとは思いませんでした。この人たちについてはほんとにこの曲のサビくらいしか知らなかったし、この企画の当初のコンセプトでもある「ポストミスチル、ポストスピッツ」的な話とはだいぶ離れた人たちだから取り上げて大丈夫かなとか勝手にちょっと不安に思ってたんですよ。でも聴いてみると意外に、というと失礼かもですがすごい面白いアルバムでした。まず“200倍の夢”に代表されるZARD感というか、90年代初頭のJ-POP的なムードはすごく強くあります。ただ、アルバムを聴いてみると角松敏生みたいなシティポップ風の曲があったり、レゲエっぽいのがあったり」

司会者「また出てきましたねレゲエ」

レジー「この時期は影響でかかったよね。僕も経緯は忘れたけどレゲエ好きですとか言ってボブマーリーのベスト盤聴いたりレゲエジャパンスプラッシュのコンピ買ったりしてたもんなあ。なんだったんだろあれ。それ以外にも90年代R&Bというか、“I love your smile”風の曲があったり」



司会者「かなり幅が広いですね」

レジー「アレンジで佐藤あつしって方が結構入ってるんだけど、この方HΛLに参加してる方なのね」

司会者「浜崎あゆみにがっつり関わってたグループです」

レジー「今でもAAAだったり48系の曲だったりをやってるみたい。まさかLetit goとあゆが関係してるとは全く知らなかったよ。このアルバムほんと良いです。この前YEBISU MUSIC WEEKENDのトーフさんが出てるセッションで「ブックオフでも買えるJ-POPの名盤」みたいな話をしてましたが、このアルバムもそこにぜひ加えてほしいです。当時の音楽シーンの雰囲気もよくわかるのではないでしょうか」

司会者「このグループですが、メンバーの脱退があったりして実働は1年ちょっとみたいですね。その後元メンバーの八塚りえさんは名義を変えていろいろ活動しているみたいです」

レジー「これもほんとに知らなかったなあ。冬ソナの曲の日本語版を歌ってたみたい」

司会者「99年にはRie名義でデビューしてますね。ZEEBRA全面プロデュースとのこと」

レジー「これも知らなかった。知らないことばっかりだ」

司会者「その時の曲、“冷たい水の中の太陽”がこちら」



レジー「シュガーソウルとかACOとかの路線。こんなことやってたのか。てかこれいい曲だね。しかしZEEBRAの名前をガツンと出してる割にはZEEBRA自身がラップしているわけではないみたいですね」

司会者「だまされた、ってテンションの方のブログを見つけたので紹介させていただきます」

CDタイトルにもなっているZEEBRAのREMIXが3曲目になっています。そもそものORIGINALにZEEBRAが参加しているのかというと、そうでもありません。2曲目も関係ありません。そして、3曲目にZEEBRAがリミキサーとして参加しているのははっきりしているのですが、ほんとにRemixを担当しているだけで、ラップでは登場しません。

レジー「確かにこれはちょっとひどいなあ。これ、便乗商法というか、すでにこのとき“Grateful Days”が超売れててZEEBRAの知名度も上がってるタイミングだったから名前を使ったんだろうね。しかし「ZEEBRAのリミックスが入ってますよ」ってタイトルをつけてそれは3曲目、そしてZEEBRAはどこにもラッパーとしては登場しないってなかなか苦しい仕様だなあ」



司会者「売り出すためにはこれしかないって判断だったのでしょうか」

レジー「ねえ。まあいいや。とりあえずLetit goから9798世代の躍進と話がつながってくるとは全く想像してなかった。この企画やると予想もしない落としどころに向かうことが多いから面白い。何かしら参考になれば幸いです。というわけで今回はこれ以上の結論もないのでこんな感じで」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「たぶんインタビュー企画になると思います。それアップしたらもう年間ベストモードだねたぶん。1年早いなあ」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」