レジーのブログ LDB

「歌は世につれ、世は歌につれ」でもなくなってきた時代に。  ※15/4/23 世の中の状況を鑑みてfc2からこちらに移しました

ご連絡はレジーのポータルの「contact」よりどうぞ。(ブログ外の活動もまとめてあります)

2014年12月

【2014年総括】マイ年間ベストいろいろ+今年の活動振り返り

2014年アルバム、2014年楽曲以外のマイべスト

司会者「今年最後の更新ということで」

レジー「直近2回のエントリーで2014年の楽曲、アルバムのマイベストを発表しました。あとしつこいですが今発売中のMUSICAでアルバムとシングル混合のベスト50を公開しています。2014年を振り返る座談会にも参加していますので、未読の方は冬休みにぜひ。巻頭の桜井さんのインタビューも面白いです。年内は宣伝モードと思っていたのでこの告知も今日までかな」

【2014年総括】マイ年間ベスト10曲
【2014年総括】マイ年間ベスト10枚

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司会者「今回はどうしますか」

レジー「とりあえずアルバムと楽曲以外の今年のベスト的なものをさらっと紹介して、あとは自分自身の2014年の活動について振り返ろうかと。まずは楽曲でもアルバムでもないけど今年ベスト級の作品を紹介しておきたいなと」

柏木由紀 / 3rd ソロライブ 『寝ても覚めてもゆきりんワールド~もっと夢中にさせちゃうぞっ♡~』



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司会者「これはたびたび言及してますね」

レジー「MUSICAのランキングにも入れたのでこのタイトルがロック雑誌に掲載されてます。これはほんとにいいライブで、彼女のパフォーマーとしてのポテンシャルが爆発してます。2013年11月の横浜アリーナが収録されてるんだけど、ピンの女性シンガーで横アリでここまでやれる人ってそんなにいないと思うんだよね」

司会者「ちなみに2014年に横浜アリーナ公演を行った女性シンガーは下記の通りです」

きゃりーぱみゅぱみゅ、MISIA、西野カナ、加藤ミリヤ、マライアキャリー、木村カエラ、aiko、miwa

レジー「マライアは置いておくとして、単発ライブに限れば日本のポップマーケットにおいてここに並べた人たちくらいの動員力はあると」

司会者「AKBとしてのファンベースがあってこそだとは思いますが」

レジー「もちろんそうなんだけど、それってつまりあのグループで上位を張ってる人はこのレベルのパワーがあるということとも言えるんだよね。ただ、人集まったからといってこういうクオリティ高いライブができるかと言ったらまた別問題で。この人以外にはいない気がする。さや姉とかいけるかな。この前の香月さんインタビューでも「柏木由紀の年の取り方はアイドル市場における一つの希望」みたいな話をしたんだけど、この人がどうなっていくかは楽しみですね」

司会者「香月さんの『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』も今年外せない1冊ですね」

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レジー「うん。2014年のマイ音楽本ベスト。今後の議論のベースとすべき本ですね。今年の音楽系の本はたにみやんさんのこのエントリにまとまってて読んだものもわりと重なってますが、ここにあがってるやつだと『遊びつかれた朝に──10年代インディ・ミュージックをめぐる対話』が良かった。あとはゆるめるモ!の運営本、それから『アイドル楽曲ディスクガイド』かな印象深いのは。どれも思考を深めるきっかけになったという意味で」

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司会者「本についてはこの4冊と。では行ったライブで良かったものはありますか」

レジー「もちろんいっぱいありますが、特に良かったものをコメント付き、順不同で5つ挙げます。他にもPerfumeの代々木とアメリカ公演ライブビューイング、ハーレムフェスタの清竜人25、この記事にも書いたフリスロのイベント、野音の原田郁子×畠山美由紀×Salyuとかが印象深いです」

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・4月 9nine(中野サンプラザ)
パフォーマンスと演出が高次元で融合したクールなステージを展開しつつも、グループの持つ可愛らしさが随所に垣間見えるライブはまさに「一つの完成形」という感じ。ここで自分内ハードルが上がってしまったので武道館はちょっと食い足りなかった。さらなる飛躍を。




・6月 東京女子流(日比谷野音)
大復活!!と叫びたくなるようなライブだった。当日のツイート貼っておきます。










・6月 UNISON SQUARE GARDEN 『fun time ACCIDENT』 w/パスピエ、go!go!vanillas (EX THEATER ROPPONGI)

『幕の内ISM』モードに入ったパスピエと斎藤さん復帰明けのユニゾン、それぞれの節目に見せたライブは「演奏が良ければ余計な演出も妙な煽りもいらない」というロックバンドのプリミティブな魅力に満ちていました。


・8月 GOING UNDER GROUND (Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE)

来年の1月で脱退するドラムの河野さんプロデュースのセットリスト。初っ端からB面の青空コウモリという泣ける選曲。とにかくいい曲が多いしある意味で今のシーンを先取りするようなことをやっていたにもかかわらずちゃんと評価されていない現状に思いを馳せてしまった。











・Shiggy Jr. presents 『なんなんスかこれ。』 w/ lyrical school、Sanabagun (新代田FEVER)

このイベントの1か月前に名古屋でShiggy Jr.見てなんかすごいことになってる!と思って東京で見たらやっぱりすごいことになってた。2015年の大爆発を期待させるステージでした。
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司会者「今年のマイベスト的なやつはこんな感じですかね」

レジー「バンドキャンプで拾ったやつとかは別途まとめたいなと思います。あ、あとここまでは「今年出たもの」って括りでしたがもちろん旧譜もいろいろ聴いていて。2014年はちょっと意識して「名前や属するジャンルはなんとなく知ってるけど実はちゃんと曲やアルバムを聴いたことのない人たち」に触れました。知ったかぶりをなくそうキャンペーンというか。図書館がかなり役に立ったんですけど」

司会者「1週間3枚、脆弱な検索データベースを使っていろいろ借りました」

レジー「検索キーワードと全然関係ないのが出てくるのが謎だったんだけど、予期せず出てきたものを取り寄せてみたり。今を追うためには昔のこと知ってた方がより立体的に楽しめたりもするからねえ。当たり前だけど「世の中には自分の知らないかっこいい音楽がすでにとんでもない量で蓄積されている」ということを実感しましたわ」

司会者「新譜を追うだけが音楽の楽しみ方ってわけじゃないですしね。何か良かったのはありますか」

レジー「ぱっと思い出すのは、日本のだと美空ひばりとさだまさし。どっちもうっすら知ってるだけだったけど、アレンジに今風のものの匂いがあったりして面白かった。さだまさしの曲とかたまにストリングスアレンジがミスチルみたいだし。今年の後半くらいから「バンドのうたへの回帰」みたいなこと思っててそういう文章も書いてますが、そういうこと言うなら日本の「うた」と呼ばれるものの系譜はちゃんと見ておきたいなと思いました。外国のものだとダニーハサウェイのライブ盤が超良かった。昔からソウルミュージックに詳しい大人になりたかったんですけど」

司会者「なんですかそれは」

レジー「なんか漠然とそういう憧れがあったんだよね。で、図書館にその手のやつが意外とあったので、ディスクガイド買って「名盤」と呼ばれるやつをちょこちょこ聴いたのが2014年でした。日常的に古いの掘ってる若い人たちからすると「そんなのも聴いてなかったのw」的に言われちゃうかもしれないけど、まあ今まで縁のなかったジャンルを聴き始めるのに遅すぎるとか絶対ないし、僕としては「自分が聴くべき音楽は必ず聴くべきタイミングで出会う」って思ってます。昔聴いたビートルズのアルバムの良さがこの年になってやっとわかったとかそういうのって間違いなくあるし。だから新譜聴きたい人は新譜ばっかり聴けばいいし、「お勉強」と思ってクラシック的な作品聴いてつまんなかったら「この良さがわからない自分が悪いのかも」とか考えないで「今の自分には合わなかった」ということで放り投げちゃっていいし、でもふとしたタイミングで昔のもの聴いていいなと思ったらそういう気持ちに忠実に行動するのがいいんじゃないかななんて思いました」

司会者「聴きたいと思ったものからちょっとずつ聴いていけばいいみたいな話はMUSICAの座談会でもしましたね」

レジー「そうね。あの座談会は個人的にも今年のまとめとして意味があった。で、この流れで僕自身の活動の振り返りに行きたいなと。ここから先はおすすめの音楽や本の紹介はほぼないので、そういうのが欲しい方はここまで読んでいただければ大丈夫です。今年もありがとうございました。来年もよろしくお願いします」


2014年の個人的活動振り返り

司会者「というわけでここからは個人の活動振り返りということで」

レジー「2014年はいろいろなところで文章書いたりしたので、一旦自己採点しておきたいなと。イメージはサッカーの10点評価で。あと寄稿実績などはこちらで確認できます

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総評:5.5
ブログと外部媒体、会社の仕事とそれ以外の仕事、音楽絡みのアクティビティとその他のプライベート、いろいろなバランスに苦慮した1年。それなりに取捨選択しながらなんとか破綻なく乗り切った実感あり。ただ、一方では読書量の低下など長期的に効いてきそうなマイナスポイントもあったのでトータルでは「まあまあ」という評価。

個別評価

レジーのブログ:5.5
自分のリソース配分の中でエントリー数が減ったのは致し方ない部分もあるが、本来の軸足を置いているところなのでもう少し頑張れても良かったかも。「1023円」シリーズの意外な人気化や「音楽で食わず、音楽と生きる」に端を発したYMW出演など思わぬ副産物も。

レジーのJ-POPクロニクル:3.5
ぶっちゃけちょっと存在を忘れていました。春先にブログ多角化をトライしたものの、全然時間が取れずに頓挫。書いてる分には楽しかったんだけど。昔話系のネタが思いついたら書けるように場所だけは残しておきます。

Dive to INTERNET MUSIC:5
こちらも春先に「Dive to HYPEMACHINE」として開設し、途中で名前変更したもののあまり投稿できず。ただ、自分的には視点を広げるきっかけにはなった。今後は単に音源を貼るだけも含めてうまく活用できればと。今年聴いた韓国のポップスのまとめはこちらに書いてますので是非読んでみてください。前半に触れたバンドキャンプで見つけた音源まとめもそのうち。

レジーのポータル:6
寄稿履歴の更新やプレイリスト企画など一応年間通して完遂。ご協力いただいた方ありがとうございました。

MUSICA:6
夏から2年目に突入したディスクレビューの寄稿。出来不出来はいろいろですが、「ロック雑誌のレビューっぽいものを書く」という意識はだいぶ外せたかなと。星野源の映像作品のレビューは今年書いた文章の中で一番気に入ってます。座談会も参加できてよかった。

DAILY MUSIC:6.5
Mステ、48グループ、ジャニーズと「ザ・J-POP」に寄せた内容の文章をいろいろ書きました。結局自分はこういうミーハーな世界が好きなんだなあと改めて確認できたという意味で自分としてはとても有意義だった。西野カナもナオトインティライミもみんなが思ってるほど悪くない(中にはほんとにクソみたいなミュージシャンもいるけど、それはどのジャンルでも一緒ですよね)。

Real Sound:6.5
対談形式だと回避できる論理的なつながりをちゃんと詰めて書かないといけないという部分で自分にとっては訓練になった気がする。そういう意味で「レジーのブログ」との差別化はできたかと。さっしーの原稿が特にお気に入り。

その他:6
CDジャーナルにおける松永さんとのシティポップ対談はなかなか意味のあるものになったと感じています。YEBISU MUSIC WEEKENDで1時間半のトークセッションに出たのも反省材料ばかりですがいい経験になりました。
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司会者「総じて見るとブログの相対的地位が低下した感じがありますね」

レジー「ここをどうとらえるかは難しいけど、書きたいときに書きたいこと書く場として一番重要であることには変わりないので」

司会者「「書きたいこと」と無邪気に言えない部分も出てきてますけどね」

レジー「まあそこはねえ。最低限の節度を持って、というところを気をつけるしかないかなとは思うけど」

司会者「2015年はどうしますか」

レジー「前こっちにも書いた通り「バランス」のようなものは見直さざるを得ない部分があるよね。その中で何ができるかを模索したいです」

司会者「ライブにたくさん行くとかはしづらくなりますよね」

レジー「その分を音源聴くのにあててもいいしね。まあ年を重ねる中で音楽を楽しむスタイルが変わっていくのは当然というか、逆に変わらずずーっとやっていくってのも不自然だなというのが最近思ってることで。この前読んだ『融解するオタク・サブカル・ヤンキー ファスト風土適応論』にも出てきた話ですが、時代の流れを追うことはやりながらも相応の楽しみ方を見つけていきたいです。今年古典的なものを聴き始めたのもそういうことの一環ではあるよね。その辺は2015年でうまく発展させられたらなとも思っています」

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司会者「わかりました。では最後に今年全般に関して一言お願いします」

レジー「まずはこのブログにせよ他の媒体にせよ、僕の書いた文章を読んでくださった方、ほんとにありがとうございました。何かしらの発見や思考のきっかけになってたら嬉しいです。来年もマイペースにやっていければと思いますので、変わらぬご支援のほどよろしくお願いします。それではよいお年を」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

【2014年総括】マイ年間ベスト10枚

司会者「前回に引き続き、今度は今年のアルバム10枚です。ちなみに去年の10枚はこんな感じです」

1位 date course/lyrical school
2位 Signed POP/秦基博
3位 LEVEL3/Perfume
4位 Cry Like a Monster/のあのわ
5位 LIFE ANEW/高橋幸宏
6位 クルミクロニクル/クルミクロニクル
7位 lost decade/tofubeats
8位 CIDER ROAD/UNISON SQUARE GARDEN
9位 Party!!!/OK?NO!!
10位 T H E/tricot


レジー「ほんとはもうちょっと待って発表したかったというか、あと何枚か聴いてから順位付けしたかったんだけど、年末バタバタしそうなので一回ここで区切りたいと思います。当たり前すぎる話だけど別にここに入らなかったからと言って自分にとっての作品の価値が下がるわけではないし」

司会者「マイベストアルバムについても楽曲と同様に、基本的にはMUSICAで発表してますよね」

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レジー「うん。年内はMUSICA宣伝モードで行きたいのですが、2014年総括特集の座談会に参加して自分のベスト50(アルバム、シングル混在)を発表してますので是非そちらを見てください」

司会者「あの企画について何かしら反響はありますか」

レジー「僕が選んだものについてもちょろちょろあったりするけど、気になったのは編集部セレクションの50を見て勝手にがっかりしてる人とかですかね。あれについて保守的に感じる人がいるのはわかるけど、そういうところも見越して外部の人の個別ベスト50があるんじゃないかなとか思いつつ。その辺の意図は聞いたわけじゃないからわかんないけど。読者に「特集全部読め」と強いるわけにはいかないから難しいとは思うけど、もしこれ読んでくださってる方でそういう印象持った人がいたら、ぜひ改めて各人のベスト50を見ていただきたいなと。で、話戻すと、ここに挙げた10枚もMUSICAに提出したものベースで選んでます。プロセスはこんな感じ」

1. MUSICAのベスト50に選んだうちの「アルバム」としてランクインしたものを順位を維持して抽出
2. MUSICAのベスト50提出後に「これは上位に入れたい!」と思ったアルバムをピックアップ
3. 1.のランキングに2.をマージ


司会者「楽曲のものよりもシンプル」

レジー「そうね。で、楽曲の時と同じ注釈ですが、このランキングはあくまでも僕個人のマイベストであって「シーンを象徴する10枚」ではないのであしからず。それではいってみましょう」


10. 佐々木健太郎/佐々木健太郎

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9. あの街レコード/indigo la End

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8. 日出処/椎名林檎

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7. SONGS FOR THE STARLIGHT/TRICERATOPS

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6. フェイクワールドワンダーランド/きのこ帝国

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5. 猛烈リトミック/赤い公園

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4. 一つになれないなら、せめて二つだけでいよう/クリープハイプ

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3. 幕の内ISM/パスピエ

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2. Wang/王舟

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1. 時が奏でる/蓮沼執太フィル

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司会者「蓮沼執太フィルが1位です」

レジー「年初の方に聴いてこれは1位になるかもってすぐ思ったけど結局最後まで揺るがなかったね。あまり聴いたことのないタイプの音楽だったけど、上品で難解なことが行われているんだろうなと思いつつもすんなり体に馴染んでくるのが不思議でした。何度でも聴きたくなるアルバム。2月にライブ行くはずだったのに高熱出して行けなかったのがほんと悔やまれる。2位の王舟は休日の昼間に家で酒飲みながら聴くことが多かったね。最近こんなこと思ったんですけど」







司会者「ドライブかアルコール」

レジー「Shiggy Jr.はメンバー酒飲みだけどアルコールというよりドライブっぽいとか。僕はペーパードライバーだからドライブしないけど、イメージね。王舟は完全にアルコール。ここには入ってないけど、失敗しない生き方のアルバムもお酒飲みながら聴くことが多かった。ランキングに話戻すと、パスピエは去年次点にしたんだけど今年はこうやって上の方に選べて良かったなあ。会心のアルバムだよね。それでいうと7位のトライセラ、年末に聴いてここに入れたんだけど、この人たちのアルバムをこの中に選べるというのが本当にうれしい。踊れるロックってこういうことだと思うし、3人だけなのに例によってアレンジの幅が広い。最高です」

司会者「クリープハイプもMUSICAへの提出後に聴いたものですね」

レジー「このアルバムも例によってとにかくメロディが光りまくってる。たまに言ってますが僕の中で最近のギターバンドだとクリープハイプとインディゴが双璧ですね。インディゴはこのアルバム後のシングルも2曲ともよかった」

司会者「若手のバンドだと赤い公園ときのこ帝国が入ってます」

レジー「赤い公園はとにかく開かれたポップなアルバムだったのが印象的でした。インタビューもさせてもらいましたので良ければ。きのこ帝国は結構びっくりだったなー。前のアルバムは個人的にはそこまで刺さらなかったんだけど、今回みたいなうたが前に出てきてる感じが好きです」

司会者「ソロのものだと椎名林檎と佐々木健太郎が入ってます」

レジー「椎名林檎のボーカルの説得力はやばいよね、と改めて。“ありきたりな女”からラストに向かっていく流れが好きです。佐々木健太郎はアナログフィッシュ今まで通ってなかったけどソロ作はグッときました。このアルバムは「J-POP」と「インディー」の交差点って感じだったな。ボールズのアルバムにもそういう匂いを感じたけど、ここのハイブリットにいろいろ面白いものが隠れてるんじゃないかという感触があります。この辺は来年も追っていきたいですね。これで10枚触れたかな。10曲の時と同じく、次点などはぜひMUSICAにて確認してみてください」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「年内もう一回くらい書けるかな。そしたら2014年の振り返りを改めてする感じかと思います」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

【2014年総括】マイ年間ベスト10曲

司会者「というわけで年間ベストですか」

レジー「はい。まずは楽曲単位での今年の10曲。ちなみに去年のやつはこちら」

1位 ダンシンスルーザナイト/dancinthruthenights
2位 フラッシュダンス/フジファブリック
3位 Saturday night to Sunday morning/Shiggy Jr.
4位 チョコの奴隷/SKE48
5位 Remember me/くるり
6位 ふたりは恋人/□□□
7位 トゥナイト、トゥナイト/禁断の多数決
8位 Don't Stop The Music feat.森高千里/tofubeats
9位 ミュージック/サカナクション
10位 今更/赤い公園


司会者「tofubeatsとokadadaのユニット曲が1位でした」

レジー「で、前回のエントリーにも書いた通り、今発売中のMUSICAにて楽曲・アルバム混在のマイ年間50を公開しています。詳しくはぜひそっちを見てください。今年を振り返る座談会にも参加しています」



司会者「基本はそこから抜粋ですかね」

レジー「選んだプロセスとしては下記の通り」

1. MUSICAのベスト50に選んだうちの「楽曲」としてランクインしたものを順位を維持して抽出
2. MUSICAのベスト50に選んだうちの「アルバム」としてランクインしたものの中で、「楽曲」として気に入ったものをピックアップ
3. 2.で選び出したものを1.の順位づけとマージ
4. MUSICAのベスト50提出後に「これは上位に入れたい!」と思った曲をピックアップ
5. 3.のランキングに4.をマージ


司会者「ベスト50に入ってないものもあるんですね」

レジー「うん。提出後にこれは!!ってなったやつもあったからね。そんなこんなで選んだのが下記の10曲。この企画やるたびに思うけど、ざーっと並べるとわかりやすく特徴が出ますわな。毎年の注釈ですが、このランキングはあくまでも僕個人のマイベストであって「シーンを象徴する10曲」ではないのであしからず。それではどうぞ」

10 Hold Your Hand/Perfume





9 BRIGHTER DAY/安室奈美恵





8 誰でもロンリー/YUKI





7 衣替え feat. BONNIE PINK/tofubeats





6 ひまわりの約束/秦基博





5 4月のマーチ/Awesome City Club



4 ray/BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU



3 桜の森/星野源

※動画 3:44~




2 STAND BY ME/Quattro Formaggi



1 Will♡You♡Marry♡Me?/清竜人25






司会者「清竜人25が1位です」

レジー「大げさじゃなくてこの曲聴いた時に自分の中の何かが崩壊したよね。衝撃的な楽しさだった。アイドルシーンにおける一つの「とどめ」になったような気がしています」

司会者「清竜人25についてはこちらのエントリーで掘り下げてますので良ければ

レジー「価値観の崩壊という話でいえばバンプと初音ミクのコラボもよかった。これいい曲だよね。生身の人間×ボカロって組み合わせの決定打がいきなり出てくるとは思ってなかったです」

司会者「10位から7位までは女性ボーカルが並んでいます」

レジー「Perfumeについては最近は強度重視の方にいってる中でこういうやさしい歌が出てきて嬉しかった。安室ちゃんとトーフさんのは並べて聴きたいですね。YUKIも相変わらずやることがセンス良い。ディスコやソウルミュージックの再解釈という意味では星野源の曲も当てはまると思うけど、アウトプットが全然違うのが面白いです。オーサムもそういう流れを汲みながら、“4月のマーチ”についてはJ-POP的な人懐っこさがあってグッドでした」

司会者「6位の秦基博はかなりのヒットになりましたね」

レジー「タイアップあったとはいえすごいよね。紅白出るかなと思ってたんだけど。そして何といってもQuattro Formaggiですよ。これ最高だよねほんとに」

司会者「トライセラトップス×桜井和寿ですね。今年の4月にライブで共演してます」

レジー「音源ネットになくて紹介できないのがマジで残念だな。ぜひトライセラの新しいアルバム買って聴いてほしい。“youthful days”ばりの瑞々しさですよこれ。イントロのシンプルなギターリフが始まった時点で名曲の予感だったけど、歌が始まってこれは間違いないってなった。桜井さんの歌はこういう骨太なバンドサウンドにもしっかりはまるし、2番サビが終わった後の展開がトライセラ感超あって泣ける。ほんとに素晴らしいコラボでした」

司会者「それでも1位は清竜人25と」

レジー「甲乙つけがたいですが、初めて聴いた時のインパクトを鑑みて順位をつけました。去年一昨年だと次点も発表してましたが、今年はMUSICAで50位まで載せてるから良かったらそっちで見てほしいなと思います。たぶんまだ本屋さんにあるはず。というわけでマイベスト10曲はこんな感じで。次回はマイベスト10枚に行きたいのですが、現在最終調整中ですのでしばしお待ちください」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

MUSICA 2014年総括座談会に参加しました

レジー「というわけでタイトル通りですが告知です。MUSICAの2014年の総括企画内で行われた座談会に参加しました」






司会者「大仕事でしたね」

レジー「僕MUSICAの年末特集号って2009年から保存してあるんだよね。まさか自分が出ることになるとは全く想像してなかった」

司会者「今年の「ベスト50」をアルバムシングル問わず選んで、それも見ながら参加者全員で2014年を振り返るという企画です」

レジー「ブログの年間ベスト用にメモをつけてたのを転用しました。いつものノリで選んでるので、MUSICAには普段載らないような人たちの名前もあります。好きなもの50個公開するのは頭の中を覗かれてるみたいで結構恥ずかしいですね。聴いたことないのがあったらぜひ聴いてみてほしいです」

司会者「座談会はどうでしたか」

レジー「それぞれ視点が全然違うので面白かったです。各自のベスト50にその違いが出てると思いますが。結構タイトなスケジュールで話が来て、わりとバタバタしてる時期だったから受けるか一瞬迷ったもののこういう機会は滅多にないだろうと思ってやることにしたんですが、いろいろ勉強にもなったし楽しい時間だったので参加してよかったなあと思います」

司会者「座談会当日も何気に忙しかったですよね」

レジー「そうそう、柏でサッカー見てから中野行ってユニゾン見て、そこから下北沢へっていう」

司会者「その説明聞くだけで疲れる」

レジー「なかなかタフな1日でした。ちゃんとした方々の中に一人得体のしれない人が紛れ込んじゃった感じなのに皆さん丁寧に話聞いていただけて感謝です」

司会者「有泉さん以外はほぼ初対面ですか」

レジー「小野島さんと三宅さんは完全初対面。鹿野さんはこれやるちょっと前にShiggy Jr.の自主企画の時に初めてお会いして一瞬立ち話を。「実在しないのかと思ってた」的なことを言われた」

司会者「そんなメンバーに混ざって何を話したんですか」

レジー「基本的にはこのブログとかその他の場所で書いてるような話なんかを流れの中で喋ってます。最近書いたもので言うとこの辺が下敷きになってるので、座談会読んだ方は改めてこっちも読んでいただけると面白いかも」

アイドルと自意識、アイドルの自意識21 - 『「アイドル」の読み方』を巡る香月孝史さんとの対話(前編)
アイドルと自意識、アイドルの自意識22 - 『「アイドル」の読み方』を巡る香月孝史さんとの対話(後編)
「うた」へと向かう若手ロックバンドたち――音楽シーンのJ-POP回帰を考察

司会者「今回のMUSICAは2014年総括とは別にミスチル桜井和寿のインタビューが巻頭にあります」

レジー「個人的には桜井さんが表紙の号にこういう形で出れたことに結構感激してます。インタビュー自体も相当面白いよ。桜井さんと言えば、トライセラと組んだQuattro Formaggiの曲がスーパー良い」

司会者「トライセラの新しいアルバム、『SONGS FOR THE STARLIGHT』の特典ディスクとしてついてます。今年の4月にライブでも披露されていたようで」



レジー「この曲もトライセラのアルバムも、もう少しタイミングが早かったらベスト50の上の方に入れたんだけどね。そのあたりはブログでやる年間ベストで回収したいなと」

司会者「ブログはブログでやるんですね年間ベスト」

レジー「そうね、一旦公開しちゃってはいますが一昨年去年とやってるし同じ形で残しておきたいなと。アルバムと楽曲のトップ10。楽曲ベスト初めてやったの2005年だから、今年で10回目なのか」

司会者「基本的にはMUSICAで公開したものを楽曲とアルバムにばらしていく感じですか」

レジー「それをベースにタイミング的にいれられなかったやつを追加するイメージですね。ただ、それだけだと芸がないので、何かしら違う切り口で今年の振り返りもやりたいなあとは思ってるけどまだあんまり具体的なイメージがない。思いついたら何かやります。それまでとりあえずMUSICA読んでお待ちください。今回は告知なのでこんな感じで」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

アイドルと自意識、アイドルの自意識22 - 『「アイドル」の読み方』を巡る香月孝史さんとの対話(後編)

司会者「前回に引き続き、『「アイドル」の読み方 混乱する「語り」を問う』の著者である香月孝史さんのインタビューをお届けします」



レジー「今回はこの本で示される考え方の中でとても重要なものである「アイドルは名乗ることでなるもの」という概念を起点に、今アイドルをやっていく人たちが今後どのように大人になっていくのか、年をとっていくのかというような話をしています。で、前編含めたここまでの内容を踏まえたうえで清竜人25についても考えてますのでぜひ最後まで読んでみてください。それではどうぞ」

※前編はこちら
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「名乗ればアイドル時代」の持続可能性

---本の中で述べられている「今の時代、アイドルは名乗ればなれるものなんだ」という話は僕もそうだよね!と思ったんですけど。

「最近の「アイドル」という言葉の使われ方について説明するときに、大きな前提として言わなきゃいけないことだと思っていました」

---ああいう形で明確に指摘している人が今までは意外と少なかったような気がしています。

「あまり意識されないのがなぜかというと、「アイドル」という単語が「生業としての芸能人」という意味をいまだに帯びているからだと思います。テレビ主導の時代ならば「テレビに出る」ということは「芸能界で選ばれた期待のホープ」ということだったわけで、一応今でもそういう意味でのアイドルもいるにはいますよね。ただ、今の時代はいわゆる芸能人という保証がない人でもアイドル活動ができるようになっている。つまり、「アイドル」という言葉は「≒芸能人」という意味を保持しながらも指し示す概念が広がっているんですよね。意味合いとしては「バンド」とかに近いなあと思います。グレイもラルクもサザンもバンドだし、一方で軽音楽部に入ったばかりの中学生も同じ言葉で表象されますよね」

---なるほど。「バンドやってる」って言いますよね。面白い。

「アイドルという言葉も、ニコ生で発信を始めてみただけの人も「アイドル活動してます」って言えるし、その同じ言葉が意味するものの頂上に渡辺麻友さんとか指原莉乃さんとかがいるんですよね」

---しかしみんながみんなまゆゆやさっしーになれるわけではないのに、よくアイドルになろうと思うなあと感じることも正直あります。散々アイドルが好きとか言っておいてなんなんですが。

「装備がなくても始められる、ってのはあるのかなとは思います」

---重要ですよね。大学の時アカペラサークルにいたんですが、当時ハモネプが流行ってサークルの規模が一気に大きくなったんです。で、ブームがひと段落した今はどうかというと、いまだに大勢部員がいるんですよね。あれって何かなと思ったら、お金があまりかからないのが大きいのかなと思うんですよ。だからこそ定着した。

「道具もさほどいらないですし」

---で、楽器は大変そうだけど歌だったらカラオケでうまいって言われたことはある、くらいに入口の敷居がめちゃくちゃ低い。そういう意味ではアイドルもそれに近い感じがするなあ。

「それで一回ステージの上でパフォーマンスすると気持ち良さを覚えてしまってなかなか抜け出せなくなるというか」

---ゆるめるモ!の運営の人の本を読んだときに、早くライブをさせた方がいいみたいなことを言っていて。一度人前に立つと自覚も生まれるし、やり続けるモチベーションもわいてくると。真理だなと思いました。

最初のライブの機会はできるだけ早めにもうけましょう。それは結成したという、彼女たちのモチベーションを下げさせないためでもあります。また、ステージに立つことで、それまでは頭の中でしかイメージしてなかった景色を見ることになります。
すると、アイドルになったという自覚も促すことができるのです。
アイドルごっこから、本当のアイドルになる感覚。これを体験させるのは早ければ早いほど良いです。完成度が高まるのを待っていたら、時間ばかりが過ぎてしまいます。
(『ゼロからでも始められるアイドル運営』大坪ケムタ、田家大知)




「結果的にそこで覚えた気持ち良さが呪いにもなりますけどね」

---(笑)。もちろんある程度の選別はあるものの「なろうと思ったらみんななれる」という構造の中でアイドルの数は増えていますけど、なってしまった人たちは今後どうするんですかね?今ちょうど「一度なったら逃れられない」って話がありましたが。

「うーん・・・ちょっと話逸れるかもですが、「アイドル」という言葉というかジャンルの興味深いところとして、「その後」のことをみんなが過剰に心配するっていうところがあって」

---あー、なるほどなるほど。

「アイドル特有ですよね。演劇だったら「続けたい人は続ける、就活を機に生活のバランスをシフトする人はシフトする」くらいの感じで見ていると思うんですけど、アイドルはすごく心配されやすい。10代の前半~中盤からアイドル人生が始まってしまうからというのが大きいと思いますけど」

---途中で将来の不安を感じてやめていく人たちもたくさんいますよね。

「周りは高校受験だ大学受験だってやっている中で気持ちが揺れちゃうのは仕方ないですよね。僕は「アイドルがやめたりぶれたりってことに関しては寛容に見ようよ」派です。アイドルが学業を理由でやめましたって言うのであればそれはそれとして受け止めて、その後ちょっとして復帰するんだったら優しく受け入れてあげるのがいいんじゃないかなと」

---学業周りで言うと最近では乃木坂46の生田絵梨花さんが学業のために一時的に休んだりしてましたね。

「当然受験が終わるまで休むのかなと思ったらすぐ戻ってきたのでちょっとびっくりしました。推薦とか決まっているならいいんだけど・・・あの才能を乃木坂の組織のためだけに殉じさせるのはもったいないとか思っちゃいますね」

---乃木坂は今年神宮球場でのライブがありましたが、その下の武道館クラスのアイドルが帯状にいるじゃないですか。あの辺がどうなるかでこの先のマーケットの行く末というか、文化として定着するか否かみたいな部分が見えてくると思うんですけど。でも単純な動員の話で言うと、武道館でやってもそこまで一杯にはならなかったり、武道館でやった後のライブがホールクラスに縮小されてたり、なかなか厳しい状況にあるような気がしています。

「武道館の意味もオリコンの意味と同様に変わってきていますよね。「武道館でやる」って言ったら普段来ない人も来てくれるし、関係者もそれなりに来るし。だから1回はできると思うんですよ。「オリコン何位」というのと一緒で「武道館アーティスト」っていう肩書もつくし。ただそれも持続できる何かとは違うというか」

---肩書ですか。今思い出したんですけど、サッカーの日本代表に1試合だけ招集、出場させることを「思いやり召集」って呼んでる人がいて。たかが1試合でも、「元日本代表」と肩書がつくことでその後の人生が大きく変わるはずっていう話なんですが。そう考えると、無理な武道館を一度やるのも彼女たちの将来のためにも見守らないといけないのか・・・(笑)

「(笑)。それが慣例になっている状況に対しては素直な気持ちにはなれないですけどね」

---現状のアイドル市場って、実態はAKB、ももクロ、ハロプロというかモー娘。、あとは現実的には「その他」ですよね。象徴的だなと思ったのが、アンアンのアイドル特集でTパレ祭りの写真に「ニッチな子達」ってキャプションがついてて・・・まあそうだよなと(笑)。そのくらいの、そこそこのライブハウスいっぱい程度のサイズでも持続可能なものになっていくのか、AKBとももクロが勝ってあとの人たちは一応一回武道館やってそのまま静かにいなくなっていくみたいなゼロサムの市場になるのか、そこはどう思いますか?どうやって持続可能なモデルを作るかってのは今後の大きな課題なのかなと思っているんですけど。

「持続可能という話でいうと、動員数とかビジネスの話の手前の部分として「女性アイドルが20代をこえて30代、40代になったときにもそのスタンスと地続きでいられる」というモデルがまだないですよね。松田聖子みたいな例外はあるものの、「どんなアイドルでもこうやって年をとっていける」というフォーマットをいかに作っていくか、ということの方が先決なんじゃないかと思っています」

---Perfumeとかはどうですか。

「もちろん一つのケースとしては素晴らしいですが、みんながフォロワーになれるかというとちょっと難しいですよね。「アイドルかアーティストか」みたいな問いをはらまずに年をとっていけるというか・・・だって別に30歳でも40歳でもかわいいなんていくらでもいるじゃないですか」

---そうですね。それこそYUKIとか。

「aikoでもPUFFYでもいいんですけど、ごく自然に「かわいい」と言われるわけですし。だから「アイドルグループ内で10代の人が20代の人をババアといじる」とか、あの世代特有のやり取りだとはいえほんと不毛なんですよね。僕は一度も面白いと思ったことないんですけど」

---(笑)。

「今の10代の女の子って、たぶん平均寿命が90歳とかになると思うんですよね。そういう中で40代でも「女子」って言葉を使ったりして「かわいさ」が期限付きのものじゃなくなっているのは良いことだと思うし、自然なことでもあるし。そこに現状は年齢で制限されがちな「アイドルとしてのかわいさ」というものをどうアジャストしていくかってことが今後の論点かなと。たとえば柏木由紀さんはいわゆる「アイドルらしさ」みたいなものを自覚的に選び取っていますが、彼女が30代になった時にどういう世界を作れるだろうかっていうところには希望を託したいなとか。あとBABYMETALに関しても「少女がやっている」って部分ありきの面白さにしてはいけないと思うし、彼女たちが10年後15年後にあのステージに立っているという状況をいかに作っていけるかというのがジャンル全体として重要なんじゃないかと思います。これについては受け手の意識の問題もかなり大きいですが」






清竜人25に関する現時点での考察

---最後に、今までの話を踏まえて、という形になるかはわからないんですが、最近のアイドル関連の外せないトピックとして清竜人25についてお話ししたいんですけど・・・







「あれ、語ったら負けみたいな雰囲気もありますよね(笑)。とは言え言語化したいという欲求を刺激する存在ですよね」

---ほんとそうなんですよね、迂闊に触れると触れた側の野暮さが露呈してしまうような。一夫多妻と恋愛禁止の関係とか・・・

「そこにだけ落とし込んでもダサいわけで、どう語るかはいろいろ考えどころですよね(注:このインタビューの実施後に、リアルサウンドにて「清竜人25がアイドルシーンに持ち込む、「虚構」のエンターテインメント」が掲載)。思ったこととして、見ている側は「清竜人の夫人」というのが「設定」であることを当然わかっていますよね。それを音楽を通じて上演しているという構造がすごく演劇的だなと。一方で、今の「アイドル」というのは本人のパーソナリティや自意識がそのままステージに乗っていることに価値が見出されていますよね」

---円堂都司昭さんの『ソーシャル化する音楽』で言うところの「ライブではなくてライフ」という話ですね。AKB48のドキュメンタリー映画とか。

彼女たちは、歌唱以外の発言、表情、しぐさ、他のメンバーとのコミュニケーションのとりかたなどによってライヴ感を生む。いいかえるなら、AKB48という物語のキャラクターとしてどのように生きているかを披露するショーだ。ライヴよりもライフが売りものになっている。
(『ソーシャル化する音楽』円堂都司昭)




「はい。それに対して清竜人25はむき出しのパーソナリティにヲタ ---ヲタという言葉が成立するのかわかりませんが--- が触れているわけではないですよね。実人生と地続きのリアリティに見る側が耽溺するのと、虚構の設定に見る側が耽溺するのでは、同じような盛り上がりに見えても全然違うというのはまず思いました。さらに面白いのは、じゃあ舞台上で完結していて舞台以外の姿は見えないのかというと決してそうではない。接触もあるし、ツイッターもあるし、ブログでも「清竜人の夫人という役柄を降りて実人生を歩んでいる」のが見えるんですよね。第6夫人だったら高校生活を送っているし、第3夫人だったら家のダイニングでお酒を飲んでいる。そういう姿をさらしながらも、楽しむ本体はあくまでも虚構の世界内に収斂している。そういう水準を打ち立てているので、こちらが見るときに何の心配をしないでもいいというか。ステージに乗っている人たちの人格が疲弊する構造になっていないんですよね」

---なるほど。単純に「男の人が真ん中で、その周りを女の人が踊っている」という観点でも語りがいがある気はしています。あれ見て思ったのはFNS歌謡祭とかで郷ひろみの周りをAKBが囲んでいるコラボ。

「郷ひろみっていうのも彼自身がなかなか虚構的な存在ですよね。清竜人も25内では一夫多妻制の夫っていうファンタジーを演じているわけで」

---この「男1人+女6人」っていう構成があまりに自然に成立していて、しかも超楽しいから思わず「アイドルシーンの革命!」とか言いたくなっちゃうんですけど、真ん中に清竜人がいるという時点で従来のアイドルと同じ文脈で語ること自体がどうなんだろうとも思うんですよね。結局のところ、この人たちは「アイドルシーンに対する批評」なんですかね?

「提示する楽しさという点では確実に批評になっているとは思います。ただ、アイドルとして何かを更新した、超えてしまったというのとは厳密には違うのかなと。「疑似恋愛の相対化」という話もあくまでも設定上のものであって、それこそさっしーが今のシーンで体を張って示しているものとはずいぶん位相が異なりますよね」

---確かに。

「グループの出自から考えても、アイドルシーンの盛り上がりに乗っかることもできれば距離をとることもできるわけで。それゆえ、アイドルファンでも人によっては自分ごとになっていないケースもあるのかなとかも思います」

---自分の観測範囲でいうと、あれにぶちあがってるのって「楽曲派的な人」がほとんどです。

「僕のTLでもAKBの専ヲタはあんまり反応してないですね」

---一方で、清竜人サイドから今回のプロジェクトを見ると、『MUSIC』におけるミュージカル的要素とか、ねむきゅんに提供した曲とか、これまでも披露していた音楽的な側面が盛り込まれているとも言えますよね。それゆえ、昔から清竜人を好きな人からすると「必ずしもこの曲だけが良いわけではない」みたいな意見もあるようです。





「なるほど、確かに音楽的にはつながっている部分があるんですよね。ただ、今回の清竜人25で重要なのは、あのグループが「アイドルの文脈で捉えてください」と自ら提示しているところかなと」

---「名乗ればアイドル」の話とつながってきますね。名乗ることでアイドルになれるし、受け取る側もアイドル用のチャンネルを立ち上げて楽しむ。

「いろんなアイドルが出てきたから、こっちも「アイドルです」って言われると「そうか、アイドルか」と受け取る癖がついている。そういう受け手の意識があるからこそ、「アイドル文脈」においてフレッシュなものに見えるというか」

---確かに清竜人の楽曲で女性ボーカル6人フィーチャリングしましたって言われてもここまで反応したかは怪しいですね、個人的には。

「自分のアンテナにすぐに入ったかってのはありますよね。「アイドルを見る目」で清竜人25を見ているからこそ、批評的なものとして気づかされる。もはやBiSでも何でも当たり前にアイドルとして飲み込んでしまった今の時代だからこそ、つまり「アイドルです」と名乗った瞬間から「アイドルだ」として捉えるような視点を内面化してる人が増えている今だからこそ成立している部分はあるのかなと思います」


---

司会者「インタビューは以上になります。最後に何かあれば」

レジー「アイドルと加齢の向き合い方みたいな話はやっぱり一つわかりやすい成功例が出てこないときついよね。そうすると結構スパンの長い取り組みになるし、たとえばゆきりんが10年後に新しい価値観を提示できたとしてもその間に消費されていなくなっていく人たちも当然出てくるし」

司会者「その辺は新しいシーンだから仕方ない部分はありますよね」

レジー「まあそうなんだけどね。「名乗ればアイドル」の時代になってからまだまだ日が浅いし。よくアイドルオタの人たちは「とにかくこの子たちが将来幸せになってくれればそれでいい」みたいなこと言いますよね。あれは間違いなく本心だと思うんだけど、その幸せの射程が「いつかアイドルをやめて、その後の幸せ」ということだけではなくて「いつまでもアイドルでい続けられる幸せ」みたいなものも入ってくるようになる時代がくるといいのかな。ここはアイドルにかかわってる人もアイドルが好きな人もこの先ずっと向き合っていかないといけない問いなのかなと改めて思いました。今回のインタビューは自分としても頭の整理や刺激になってとても面白かったです。香月さんありがとうございました。今回はこの辺で」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「やっとこさ年間ベストに入るかな。間に何かあればまた」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
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