VIVA LA ROCKからフェス文化を考える、ことを考える

 

レジー「すでにちょっと前の話の気がしますが、去年に続いてVIVA LA ROCKに行ってきました」

 

司会者「昨年と同じく53日、4日、5日の開催でした。来年はさいたまスーパーアリーナの改修で528日、29日の実施になるようですね」

 

レジー「僕が行ったのは3日と5日です。見たのはこんな感じ。どっちも滞在時間短かったからがっつりってわけでもないけど。5日はパスピエ終わった後ガーデンでヨギー終わるくらいまでビール飲んでて、会場出たらあっという間に新宿のデパ地下に着いた。首都圏でやるフェスの楽さを体感しました」

 

3

インディゴ、くるり、アンセム企画、オーサム2曲、キック、スピッツ

 

5

Shiggy Jr.、フォーリミ、キュウソ、ユニゾン、パスピエ

 

司会者「3日は特に混んでましたね」

 

レジー「スピッツ効果かな。このフェスはブッキングバランスがいいよね。ど真ん中のロックバンドから、インディー周りの新しい人たちまで。今回は同じタイミングでJAPAN JAM BEACHという「いわゆるロックフェス」な感じのラインナップのフェスがあったからより特徴が出たというか」

 

司会者「ジャパンジャムはビバラロックに比べるとわりと保守的な感じの並びでしたね」

 

レジー「それこそ得意のアイドル出せばもっと差別化できると思うけどね。この辺は今年のひたちなかの最終的な顔ぶれと合わせて考えると面白いかも」

 

司会者「多様な出演者で「シーンのショーケース」的に機能するフェスなので、ここを起点にしたわかりやすいオーディエンス論みたいな話も出てますね」

 

2015-05-07 –WASTE OF POPS 80s-90s 

たにみやんアーカイブ VIVA LA ROCKとオーディエンスの「ノリ」の話

 

レジー「どっちも面白かった。これ系のネタで行った日に気になったやつだと、パスピエはやっぱサークルモッシュいらんよね、って話かしら。やっぱりあれは何度見てもおかしいと思う。パスピエは前のエリアで見てたからほんとに目の前でサークルモッシュが発生してたんだけど、あれってなんとなく仕切ってる感じの奴がいるんだよね。「はいここはみんな下がって輪になってー」みたいなジェスチャーをしながらコントロールしてる感を出してるんだけど、オーディエンス論を次に進めるにはああいう人へのインタビューを行わないといかんなと。それこそ大学の卒論とかで取り組んでる人とかいたら話聞いてみたい」

 

司会者「確かに興味深いですね。あんまりそういう現場の声を掘り下げてるメディアもないような」

 

レジー「ね。俯瞰から見たオーディエンスのあり方話ということに関しては、だいぶ状況が固まってきたなあとさっきあげた2つの記事読んで思いました。マクロなところで考えると、結局は今までのいろんな流れの帰結なんだよね。「ロックバンド」に限らず大型会場でのコンサートの客の動きがみんな一緒とか、もっと飛躍すると盆踊りとか、そういうものとのつながりというか」

 

司会者「盆踊りですか」

 

レジー「以前CDJのアストロアリーナで誰かがDJやってたとき上から見てたんだけど、「日曜日よりの使者」で盛り上がってる人たちが盆踊り会場みたいに見えたことがあって。そういう比較もあるかなと思った。とりあえず「カルチャーとしてのフェスのノリ」は、今後も多少の流行り廃りはあれど「これの次に何が来る」とかそういう類の話ではなくて、一つの行動様式としての固まったのかなという印象です。個人的にはそんな状況にアーティストサイドがどうアプローチしていくかってところに興味があって、直近でリアルサウンドに書いた原稿はそんな視点も意識してるのでぜひ読んでもらえると嬉しいです」

 

 

スターステージで展開されたいろいろな「日本のロック」

 

司会者「今回はなんだかんだスターステージ、一番大きいステージにいることが多かったですね」

 

レジー「そうね。やっぱりスピッツですよ。良かった。考えてみたらワンマンはいつも行けてないしロックインジャパンでしか見たことないんだよ。だから屋内で見たの初めてだったんだよね。何かよりありがたいものに見えた」

 

司会者「演奏上手いですよね」

 

レジー「大ベテランに何をいまさら、って感じではあるけどそういう感想が思わず出てきてしまう安定感ね。「ベースの田村がステージであれだけ動く、それゆえスピッツはロックバンドだ」じゃなくて、あれだけボトムのしっかりしたバンドサウンドを聴かせてくれる「ロックバンド」がどれだけいるのかって話よね。あと印象に残ってるのは同じ日にやってた「VIVA LA J-ROCK ANTHEMS!」ですね」

 

司会者「亀田誠治、津野米咲、長岡亮介、ピエール中野がバックバンドでいろいろなボーカルを迎え入れて日本のロックの名曲を6曲」

 

レジー「これは当日の感想ツイートが全てというか」
 




司会者「特に「そばかす」が良かったと」

 

レジー「ああいう憧れ感強めのカバーってはいはいカラオケねみたいになっちゃうものが多い印象なんだけど、大森靖子のはほんとに引き込まれました。クレバの「ガッツだぜ!!」も良かった」

 

司会者「候補曲は30曲以上あったとか」

 

レジー「来年もやる感じのことがMUSICAに書いてあったしぜひ名物企画として続いてほしい。現役バリバリのミュージシャンがああいうのやるから意義がある。音楽の「縦」の流れを改めて意識するというか。そういうことなら海外の曲でやってもいいのではとか思ったけど、鹿野さんのコメントを見る限りではあえて日本の有名曲でやるっていう方針みたいね。あとこのステージで面白かったのは、5日に続けて見たキュウソとユニゾンね。キュウソ超久しぶりに見た」

 

司会者「3年くらい前にパスピエと同じイベントで見ましたね」

 

レジー「渋谷のWOMBね。その時初めて存在を知った気が。なんか内輪っぽい盛り上がりで苦手だなーと思ったことだけ記憶にあったんだけど、今回見たらそれがそのままアリーナ規模にまで広がってて本当に衝撃だった。あとMCで「邦ロック」って言ってたのもへーと思った。ミュージシャンも使う言葉なのか」

 

司会者「いろいろ喋るし客席泳いで騒いだりするキュウソに対して、次に出てきたユニゾンはMCもほとんどないシンプルなステージを展開しました」

 

レジー「これしか喋んなかったという」



司会者「新曲良かったですね」

 



レジー「中身のない言葉になりつつある「踊れるロック」に対するユニゾンなりの色付け、みたいな感じかな。で、ユニゾンってワンマンとか自分たちの企画とかだと笑えるMCも真面目に聞かせるMCもいっぱいあるわけで、フェスだと明確にやり方変えてきてるんだよね。キュウソみたいにフェスで客とコミュニケーションとりまくる人たちと、ユニゾンみたいにあえてフェスではすべてをさらけ出さない人たち。一概にどっちが良いかと悪いとかは言い切れない世界だけど、非常に興味深い対比でした」

 

 

空席の王位継承者(候補)としてのフォーリミ

 

司会者「初めて見たアクトで気になったものはありますか」

 

レジー「何といってもフォーリミだね」

 

司会者「2日間出演するということでも話題になりました」

 

レジー「そんな人気あるって知らなかったんだよね。タイムテーブル出たくらいで調べたらこの曲が超ツボだった」

 



レジー「自分の中ではエルレの「ジターバグ」を好きだった時の気持ちがよみがえる」

 



司会者「ライブはどうでしたか」

 

レジー「すごいよかった。最後の方キュウソに行くのか人の大移動が始まったのはびっくりしたけど。さっき書いた仕切る人がいるやつだけじゃなくてぐるぐる回る感じのサークルモッシュもあって、前の方でダイブしてる人の足が見えて、ライブの光景としても素敵だった」



司会者「エルレの後継ね」

 

レジー「これは自分の中でまだ生煮えの話だけど、ハイスタが作った「リア充と親和性のある爽快なパンク、メロコア」の席があって、ハイスタの後そこにエルレが座って、エルレがいなくなってからそこに適切な人がいなかったんじゃないかと思っていて」

 

司会者「ホルモンとかはどうですか」

 

レジー「ホルモンはコメディっぽい要素も入ってくるしちょっと違うんだよなあ。どっちかというと今この席にはさっきのツイートの通りカナブーンとかワンオクとかがいて、っていうのが実態だと思うんだけど。で、この「リア充、爽快」みたいなものが求められるエリアにカナブーンみたいな「実は文系的なメンタリティも持ってるロックバンド」が収まっちゃったから、「ロックのスポーツ化にシーンが全部塗りつぶされる」みたいなバランスが崩壊していく事象が起こってるんじゃないかとか考えたんだけどどうだろうか」

 

司会者「本来は棲み分けられてた「一体になって盛り上がろう」と「内省的な気持ちを抱えながら拳を上げよう」が何となく合わさって爆発してしまった、みたいな」

 

レジー「リア充と非リアの歪な結びつき。で、フォーリミはそういうのを整理するというかそれぞれのバンドがあるべきところに収まるようなバランスを産み出すポテンシャルがあるように思えました。この辺は改めてもう少し考えてみたいです。とりあえずフォーリミは動向を追っていきたいですね。古いのも聴かなくては。あとメジャーデビューシングルが最近のシーンを研究しすぎた感があったけど、できれば「Terminal」みたいなやつをもっとやってほしい」

 

 

フェスの快適さとは VIVA LA ROCKとパンダ音楽祭

 

司会者「ビバラロックで他に気になったことはありますか」

 

レジー「もはや音楽の話じゃないんだけど、子連れの人、特にまだ乳幼児連れてる人いたのがびっくりした。うちの子よりも小さそうな赤ちゃんを抱っこひもで抱えてたんだよね。気持ちはわかるけど危ないような」

 

司会者「ビバラロック、託児所は準備されてましたね」

 

レジー「さいたまスーパーアリーナの常設の託児所があるとQAに載ってた。今回一応娘を連れていけるかどうかも考えてて調べてる中で見つけました。今まではまったく気にしてなかったところでした」

 

司会者「授乳室はありませんでした」

 

レジー「会場内にサインは見かけたけど場所自体は開放されてなかったと思う。さすがにそんな小さい子は連れてこない方がいいってことなのかなと自分の中では納得してました。まあでも、屋内だし他のフェスに比べると快適度高いから連れていきたくなる気持ちはわかる。ただ、やっぱり盛り上がって参加してる人に「乳幼児への配慮を」って言うのもさすがに酷な気がするし、難しいなあと思った。ネット上だとベビーカーの話とか炎上する問題の筆頭だけど、そのうちフェスにおける赤ん坊とマナーの話とか出てくるのかな」

 

司会者「子連れという話であれば、517日に上野で行われたパンダ音楽祭では赤ちゃんもたくさんいましたね」

 

レジー「ベビーカーで来てる人いっぱいいた。ただそれを何か厳密なルール作って管理してるかというとそういうわけでもなくて。ホームページにはベビーカー置場があるような書き方になってたけど行ってみたらそんな場所はなく、あと自由席でみんな食べ物を広げてるから席足りてなかったし。でもまあいいか、っていう気分でいられる空気だったよ。これ、たとえばビバラロックとかひたちなかで同じようなことが起こってたら結構ムッとしてると思うんだよね自分としては」

 

司会者「何が違うんでしょうか」

 

レジー「今月ビバラロックとパンダ音楽祭行って、超大規模のフェスティバルにはいつの間にか高度なホスピタリティを要求するようなモードになっていることに気づいた。ディティールまでコントロールしようとしてるんだから、だったらノーミスでやってくれよ、と。パンダ音楽祭は運営側もゆるくてごめんね~みたいなムードがあって、お客さんもいい意味でなあなあにやれてるんだよね」

 

司会者「フェスのコンセプト次第で参加者の受け取り方も変わりますよね」

 

レジー「「大型フェス」を語るときに「快適に過ごせる」みたいなワードが説明として出てくるし、その空気を作ったのはロックインジャパンですよね。初回からトイレの数とか売りにしてたし。で、その立ち上げで先頭にいたのが鹿野淳という人で、その人がビバラロックという新しいフェスを作ってやっぱりホスピタリティすごくて、みたいな流れがあるわけで。このホスピタリティ戦争に正面から参入するか、もしくはそこはゆるゆるでもみんな楽しいじゃんという空気を作っていくか、というのもこの先のフェスとかイベントを考える上で重要な論点なのかもと思いました。赤ちゃん連れどうするかみたいなのは個人的に思うところあるけど、いろいろデリケートな話にもなりそうだし割愛します。アクトの話とそれを語る言葉の話、運営の話といろいろやりましたが今回はこの辺で」

 

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

 

レジー「インタビュー企画がいくつかあり、その前に何か挟むかはタイミング次第で考えます」

 

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」