インタビューする、ではなくてされる話

司会者「ずいぶん更新が空きましたね」

 

レジー「この前のACCのインタビューから1か月くらい経ってしまった」

 

司会者「過去最長のブランクじゃないですか」

 

レジー「たぶんそうかもね。フェスがあったり、あとなんか暑くて何事にもやる気がなくなっててね」

 

司会者「涼しくなったから更新するんですか」

 

レジー「いや、まあでもその間もいろいろやってたんですよ。妙に立て込んでた気がする。具体的に何やってたかはこっちのサイトで随時更新してるので見ていただきたいんですが、個人的に印象深いやつもいくつかあったのでここでも紹介したいなと」

 

司会者「リアルサウンドにロックインジャパンの記事を書いたり、あとMUSICAにユニゾンの武道館のライブレポートを書いたりしてますね」

 

レジー「リアルサウンドのやつはゴスのこと書いてご本人に@つきで告知したら読んでもらえてよかった。ユニゾンについては、年末の座談会除けば初めてディスクレビュー以外の文章が載りました。あとは自分がインタビューされる側に回ったやつがこの1か月で2つ公開になりました」

 

司会者「「ポプシクリップ。」という音楽情報サイトの特集企画として、「レジーのブログ×ポプシクリップ。 ダブルワークによる音楽との向き合い方」という記事が掲載されました。サイト主催者の黒須誠さんとの対談です」

 

レジー「実際お話ししたのは結構前だったんだけど、このタイミングで公開になりました」

 

司会者「黒須さんとは去年の11月にあったYEBISU MUSIC WEEKENDで知り合ったんですよね」

 

レジー「そうそう。ボランティアスタッフで参加されてたみたいで。僕が出てたトークセッションの後にご挨拶しました。あのセッションは今でも「もうちょっとうまくできたと思うんだけど・・・」という悔いがあるんだけど、こうやって他の企画につながるのは面白いですね」

 

司会者「ダブルワーク、音楽とは関係のない仕事をしながら音楽の仕事にもかかわる、というようなテーマでの対談でした」

 

レジー「YMWのトークセッションもその手のやつだったし、以前ブログでもそこにフォーカスした特集をやったことがあるんだけど、個人的にはこの手の働き方というか生き方はもっと広まっていくといいんじゃないかなと思っているので今回のような形で考えてることを喋れてよかったです。黒須さんも会社員しながら音楽サイト運営やらイベント企画やらやってるんだけど、そういう共通した境遇がありながらもやり方とかは微妙に違ったりして面白かった」

 

司会者「黒須さんは「10年の間に何ができるか見極めたい」みたいな長期スパンでのイメージを持ちながら活動されてるんですよね」

 

レジー「うん。ここが僕と決定的に違うところだったかな。自分の場合はある種意識的に行き当たりばったりやっているというか、今やってることに「あるべき姿とビジョン」とか入ってきちゃうと不自由さが増すんじゃないかっていう危惧があるんですよね。とにかく目の前にある面白そうなことに飛びつき続ける中でどこまでいけるか、というスタンスは崩したくないというか。そういう無責任さみたいなものも担保しておきたいというのもある」

 

司会者「共通するポイントとしては「何事もまずは発信することが大事」というようなあたりですかね」

 

レジー「ほんと発信し続けてれば何か起こるからね。堀北真希の件だってそうでしょ。ネットに文章投げ込むのって、返事のない40通のラブレター書くようなものだったりするじゃないですか」

 

司会者「関係ないのでは。あとは黒須さんもマーケティング関連のお仕事をされているということで、最近話題になりがちな「ミュージシャンと戦略」に関する話にもなりました」

 

レジー「僕はこういう話に対していちいち言葉尻を捕らえてごちゃごちゃ言う人たちほんと苦手というか話通じないなーといつも辟易してるんだけど、実際にミュージシャンサイドのスタッフとしての立場も持ってる黒須さんならではの掘り下げがあったのでなるほどと思う部分もありました。あと印象に残ってるのはこのやり取り」

 
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レジー 「そういう実態があるにもかかわらず、”バンドと戦略”という話は食い合わせが悪いんだなあとは最近思いました」

 

黒須 「僕の周りではバンド戦略論については特にネガティブな発言はほとんど見られなかったのですが」

 

レジー 「そうなんですね。僕の観測範囲だと、ミュージシャン、リスナー、ライター、それぞれの立場からネガティブな意見が出ているのを見かけました」

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司会者「見てるツイッターが違うんですね」

 

レジー「同じ音楽好きであっても、TLの作り方で見える世界が変わるんだなあと。めんどくさい人たちが目に入らないTLにもうちょっと寄せた方がいいのかなとか思った。ここまでが「ポプシクリップ。」での対談の話ね。で、もう一つが「徹マガ」でのインタビューです」

 

司会者「写真家でノンフィクションライターの宇都宮徹壱さんのメルマガに、「サッカー日本代表は夏フェスである」というタイトルのインタビューが掲載されました」

 

レジー「これはなかなか感慨深い。宇都宮さんのサッカー関連の記事は昔から読んでたし、松本山雅の本も持ってるよ」



司会者「振り返ってみれば昔はサッカー関係のツイートの方が多かったかもしれないですよね」

 

レジー「たまに「レジーさんはサッカーの人だと思ってフォローしていたので今の展開は不思議な感じ」みたいに言われることあるんですが、自分の好きなものを2つ重ねられてよかった。これもツイッターがつないだ縁というか、編集長で今回インタビューしてくださった澤山さんとはPerfumeファンつながりで面識があったんだよね。さっきのYMWもそうだけど、何がどうつながるかわからない。このインタビューは有料メディアなんですが、音楽×サッカーということで普段音楽メディアには書かないような話題も結構してるのでよかったらぜひ。前編、後編とも冒頭部は読めます」

 

司会者「タイトル通り、日本代表戦と夏フェスの話をしているんですか」

 

レジー「実際にはもっといろんな話をしているんだけど、ここをキーワードとして拾ってもらいました。ツイッターではよく言ってる内容だけど、ちゃんと記事になったの初めてかも。最近やっとわかってきたんだけど、この手のオーディエンス論って実は意外とやりづらいんだよね。今までわりと無警戒に手突っ込んできたけど、自らが渦中にいる中でどこまで客観性を担保できるかとか、逆にあくまでも個人の体験ですとやったときにそれをどこまで全体の話に広げられるかとか、留意しないといけないポイントが多い。そういう意味で、今回インタビューという形で話引き出してもらえたのは良かった。ほんとはこの辺の話をジャンル横断でがっつりやりたいんだけどね。読んでくださったいときんさんがドンピシャのツイートされてたので紹介します」



司会者「アイドルの話も絡めるとなるとTIFもサンプルの一つとして入ってきますね」

 

レジー「ロックフェスとアイドルフェスの受容のされ方の違いとかね。今年TIFとひたちなかに続けて行った印象でいうと、「フェスでウェイウェイしてるだけ、あいつら騒ぎたいだけだろ」話の舞台はロックフェスからアイドルフェスに移行してるのかもとか思ったりした。ウェイウェイと言うよりオラオラというか」

 

司会者「いつになく擬態語が並びますね」

 

レジー「ちょっとこの辺は言語化しづらいところというか、はっきり言ってしまうとミモフタモナイみたいな感じの部分もあるんだけど。一方で、ひたちなかの「フェスキッズうぜー」的な空気は34年くらい前と比べると薄まってきてる感じはするんだよね。自分が慣れたからなのかほんとにそうなのかは判別しづらくて、それが冒頭に書いたオーディエンス論の難しさだったりするんだけど、ちょっと空気は変わってきてるような気がするんだよなあ。その辺は機会あればまた。で、徹マガのインタビューではフェスばかりが強くなりがちな音楽業界の状況から「プラットフォームばっかり強くなっていったときにその文化はどうなってしまうんだろう」という話をしているんですけど」




司会者「ここ1年くらいの問題意識ではありますよね」

 

レジー「うん。というわけで、このまま「プラットフォーム」に関する最近のホットなネタとして、サブスクリプションサービスの話にいければと」
 

 

サブスクどーよ話

 

司会者「立て続けにAWALINE MUSICApple Musicと始まったことで、音楽と関係ない場所でも話題に上ることが多かったですねサブスクについては」

 

レジー「なんか「ナウなビジネスネタ」って感じだったよね。そしてポジショントークが溢れてる感じが。あと予測も結構お花畑系が多かった気がする」

 

司会者「この辺は全サービス有料化してしばらくしてからじゃないとわからないですね」

 

レジー「ビジネスサイドに関してはほんとそうだと思う。定性的には厳しそうっていう話題も出てきてるよね。LINE MUSIC有料化に対する反応とか」

 

司会者「「音楽にお金を払う意味が分からない」という世代ならではの拒否反応だったように思えます」

 

レジー「まあ現実問題として、無料で何でも聴けちゃうもんね。もちろん有料じゃないと聴けないものはたくさんあるけど、今までで不自由してなければ「なぜ無料で事足りてたものにお金を払わなきゃいけないの?」ってなるわけで。なんかこの「文化物を作るにはお金がかかる、だから受益者はお金を払わないといけない」みたいな話は社会の授業とかに組み込んでもらった方がいいんじゃないかな。そうでもしないと本質的な解決は望めない気がする。インターネットでカットできるコストは基本的には提供コストだけで創作コストは変わらずかかってるのに、そこすら無料だと思っちゃうもんね今の環境だと」

 

司会者「文科省にロビイングしますか」

 

レジー「違法ダウンロードについてごちゃごちゃやるよりそっちの方がよっぽど効果あるかもね。で、サブスクに関してはこのブログでもたびたび紹介している「たにみやんアーカイブ」のたにみやんさんも参加している雑誌MONOQLOの特集がなかなか見ごたえありました」



司会者「ブログエントリでもこのあたりについてまとめています」

 

レジー「そこから引用するけど、ほんとサブスクって「詳しい人がより詳しくなるためのもの」「好きな人がより好きになるためのもの」なんだよね。「興味ない人を好きにするツール」ではないと思う」

 

この定額制音楽配信サービスというのは「いろんな音楽を聴く(聴きたい)」という人にはぴったりだが、「自分の好きな物(知っている物)だけしか聴きたくない」という人には全くマッチしないサービスだ。そういう人には「レコメンドとかいいから好きなの聴かせてくれよ」みたいな話になるし、月1000円という金額はおそらく普段使っている金額より遙かに高いものだろう。そして、世の中意外とそういう人は多いんじゃないかという気がしている。

 

司会者「結局検索窓に何を放り込むかでサービスをどれだけ楽しめるかが決まりますよね」

 

レジー「うん。前これとかこれで書いた「結局自分の幅でしか“いろいろ”は聴けないよね」という話ともつながる。こんな感じで正直この手のサービスが音楽市場の間口を広げるイメージはまだできてないんだけど、そういうの置いといてひとりのリスナー視点で言うとマジで最高だよね。ちょっと人生変わった感ある」

 

司会者「結局どのサービス使ってますか」

 

レジー「Apple Music一択。もともとiPhoneで音楽聴いてたからそことの親和性もそうだし、あとプレイリストのレベルが違う気がする。「朝の○○」みたいなしょうもなさそうなやつでも必ず「お、この曲は?」ってのがあるし、そこから別の曲いって、関連情報調べて・・・と無限に広がる。あとは最新の洋楽のラインナップが素晴らしいよね。使うお金は限られてる、レンタルにも出ない、それでなかなか追えてなかったリアルタイムものをぐいぐい聴いてる」

 

司会者「洋楽はこのサービスで一番ポジティブな影響を受けるマーケットかもしれないですね」

 

レジー「うん。「もっといろいろ聴きたい人」で国内以外の音楽に手を伸ばす人はいるはずだから。今年フジロック話と合わせてやっぱ洋楽市場きついねって雰囲気あったけど、そこに関しての起爆剤にはなるかも。ただそれは純増ではなくて同じパイでの食い合いになる気もするけどね。自分の話で言うと、海外のやつをApple Musicで聴くようになってから明らかにアイドル曲を追う時間が減った。まだサービスに対する物珍しさがあるから今後はどうなるかわからんけど、今は単純に時間の取り合いでそっちが勝ってる」

 

司会者「使ってる人それぞれでそういうマインドシェアの変化が起こっているんだと思います。他に変わったことはありますか」

 

レジー「音楽に関する時間がApple Musicに集約されつつあるから、サンクラとかバンドキャンプ掘ったりハイプマシーンいじったりする時間は減ってるね。あと今まで寝る前にストレッチとかする時は録画してる「洋楽EXPREES」とかなんとなく流してたんだけど、最近は「For You」で目についたプレイリストをかけてるから録画消化がなかなかできなくなってきた。あとはツタヤに行く機会が大幅に減った。今までは過去の名盤と最近の新譜合わせて5枚で1200円みたいな借り方をよくしてたんだけど、そういう必要なくなっちゃったなあ」

 

司会者「聴けない新譜を拾うくらいですかね」

 

レジー「うん。結局ツタヤもタワレコもショールーミングのための場になりそう。この前もツタヤの新譜コーナーで並んでるやつをApple Musicにあるか確認して、ないやつを借りるってことをしてた。検索窓に放り込む情報を探すために足を運ぶ場でしかなくなるかも」

 

司会者「ここまでの話だとサブスク以外のサービスはネガティブな影響を受ける部分の方が大きそうですね」

 

レジー「全体で見るとどうなんだろうね。でもフィジカルの価値は自分の中で大暴落したよ。もうリッピング自体がめんどくさい。みんな言ってると思うけど「オフライン再生」選ぶと自分のiPhoneに飛び込んでくるあの仕組みは発明だよね。あ、自分の中で「サブスクによって価値が高まったもの」としてはディスクガイド本ですよ。これは間違いない。さっきのたにみやんさんのブログでも触れられてたけど、ここに関しては波が来るんじゃないかな。自分にとってのディスクガイド本って、今までは本買っても実際に聴く音源はほんの一部みたいな状況になりがちだったんですよ」

 

司会者「買って解説読んで満足、みたいな」

 

レジー「そういうアルバムがあることはわかった、でも音を聴いたことがないという状況。この感じは間違いなく回避できると思う。最近はディアンジェロのディスクガイドに載ってるやつ中心に聴いてるよ。もちろんなかにはApple Musicで聴けないやつもあるけど、できれば聴ける作品は全部聴きたいくらいに思っている。この本で知ったPJモートンすごい気に入りました」
 





司会者「なるほど。長くなってきたのでまとめますけど、結論としては「業界に及ぼす影響は不明だけど個人としては超楽しい」っていう話ですかね」

 

レジー「最初に紹介したツイートとも重なるけどこの先に何が起こるのかは正直全く分からないわけで、ミュージシャン側に全くお金が行かない未来が待っているかもしれないし、クリエティビティの面でも「単なるネットの海よりも多少は体系的に音楽をいろいろ聴ける」環境と接した若者が将来また新しい音楽を生み出すかもしれないし。その辺もいろいろ論点はありそうだけど、とりあえずいちリスナーとしてはこんなに面白いものはない。CD屋一軒自分ものになった気分というか、翌日の通勤電車で聴く音源を寝る前に探してオフラインに落としとくときのわくわく感ね。サステナブルな仕組みかはほんとによくわかんないんだけど、今はこの楽しみを存分に味わいたいなと。今回はこんな感じで。活動紹介と最近の遊び方の話で、ある意味普通のブログっぽい内容になったような」

 

司会者「次回はどうしますか」

 

レジー「またインタビュー?みたいな話もあるんですが、何か別のネタがあればまた」

 

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」