司会者「前回までインタビューシリーズということでしたが」


レジー「何と期せずしても今回もインタビュー記事になってしまった。この前まとめて告知した後に決まった話なので大目に見てください。というわけで、今回は6月22日に3枚目のアルバム『Awesome City Tracks 3』をリリースしたAwesome City Clubのatagiさん、PORINさん、マツザカさんへのインタビューをお届けします」

ACCアー写
 


司会者「このブログには昨年のクラウドファンディングシングル「アウトサイダー」以来、約1年ぶりの登場です


レジー「この1年のオーサムといえばライブが劇的に良くなっているってイメージなんですが、アルバム前に発表された「Don’t Think, Feel」のMVがめちゃくちゃ素晴らしかった。パフォーマンス面での進化も含めて堪能できて最高」


 


司会者「圧倒的メジャー感」


レジー「この曲は音もMVもすごくストレート、奇を衒わずに直球をがつんと投げ込んできてるところがいいなと思って、アルバムにもそういうモードが表れています。前作『Awesome City Tracks 2』のときもかなりバンドとしての素を見せている感じだったのでそのままスムーズに今作へ流れていったのかなと思っていましたが、実際には紆余曲折あって辿り着いた境地だったようです。まずはそんな話からどうぞ」



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 「Awesome City Clubって何なんだ?」

---昨日ツイッターで、マツザカさんが「めっちゃいい曲が出来た」ってツイートしているのを見ました。


マツザカ「ああ、今新曲作っているんですよ」

---もう次のアルバム用の。

マツザカ「まあアルバムに向けてがっつり作っているとかじゃないんですけど、とりあえず新曲を」

---絶えず作っている感じなんですか?

atagi「僕ら、ストック曲ってのがあんまりなくて(笑)。毎回、レコーディングが終わるたびに「よし作るぞ!」って制作期間に入るんですよ」

マツザカ「今回は余裕持って始めた方だよね」

PORIN「そうだね(笑)。学んだね、いろいろ」

---なるほど。今回の『Awesome City Tracks(※以下ACT) 3』も、前作のレコーディング終わってからばーっと作ったんですか?
 
PORIN「曲によりけりですね。「Vampire」は制作期間に入る前からありました」

atagi「それが基本軸になって、そこから広げていくような形でいろんな曲を作っていったんですけど・・・」

マツザカ「『ACT2』が出てから年始くらいまでに作っていた曲は、一旦全部ボツにしているんです」

---そうなんですか。

マツザカ「だから「Vampire」以外の今回入っている曲は、それ以降に作ったものです」

---どういうきっかけでそんなに大胆な決断をしたんでしょうか。

マツザカ「なんて言うんですかね・・・いろいろあって、みたいな感じなんですけど(笑)。最初このアルバムを作り始めるときに、新しいこと、今までと違うオーサムを見せようって気持ちが強かったんですよね。それでアルバムタイトルも『ACT3』じゃないものにしようなんて話もあったりして。そういうモードで作っていたのが年始までの曲たちなんですけど、何をやってもうまくいかない感じがどうも続いたんですよね。こだわっているんだけどおいしくないご飯、みたいな。で、そこから、「新しいことをやろう」とかっていうのにとらわれなくてもいいんじゃないか?ってなって、それから2か月くらいで収録曲を作り直しました」

atagi「潜在的に「何か新しいことをしなきゃ」みたいな雰囲気があったんですけど、その辺の具体的なイメージをメンバー5人でちゃんと共有できていなくて、にもかかわらず「アルバムにどの曲を使うか」みたいな話に進んじゃったりしていたんですよね。で、「ほんとにこのままでいいの?」ということになり・・・そのままアルバムを作ることもできたんですけど、ここは勇気を出してルネッサンスしよう!と(笑)」

PORIN、マツザカ「(笑)」

---(笑)。

atagi「再生しよう、ということになりました。かなり色んなことを考え込んでしまったんですけど、結果的にはそうやって考え込んだ分、その反動ですごく開けた作品になったと思っています」

---なるほど。前作の『ACT2』は1枚目の『ACT』に比べるとバンドとしてのナチュラルな部分やピュアな側面が出たアルバムだと思っていたし、前回のインタビューでも「バンドとして解放された」なんてお話をされていたので、今みたいな状況だったというのはちょっと意外でした。

atagi「・・・こういう心境について話すとき、意外とPORINは自分の話をしないけど、そのときどう思ってたの?」

PORIN「私は・・・メジャーでやっている以上は多くの人に届けたいなと思っているんですけど、ファーストとセカンドでは思っていたより手ごたえがなかったっていうのが本心ですね」

---もっと届くものにするためには、今回のアルバムで何かを変えなきゃいけないんじゃないかっていう意識があった。

PORIN「はい」

---皆さんそれぞれにいろんな想いがあったんですね。今回のアルバムは、セカンドで自分たちの自然体な感じとか本音を出して、その路線の延長線上にあるもの、推し進めたものっていうイメージだったんですけど、そんなにストレートにつながっているわけでもないというか。

atagi「そうですね・・・ファーストはインディー時代に自分たちだけで作っていたものをベースにしてメジャーで出して、セカンドの時はもっと音楽に対して真面目にありたいって思っていたんですけど、今度は真面目が過ぎてちょっとこじらせてしまったというか(笑)」

---(笑)。

atagi「で、結果どうなったかっていうと、真面目であるとかそうじゃないとか、どう見られたいかとか、そんな話ではなくてもっと感覚的に思ったことを発露させるのが大事で、そういうものが曲としてのエネルギーにつながっていくっていうことに気付いた。今はそういう方向に進んでいます」

---その辺の話は改めて5人でも話されたりしたんですか。

マツザカ「しましたね、かなり。ちょうど以前の曲をボツにするタイミングで、「Awesome City Clubって何なんだ?」みたいな話を5人でじっくりしたりとか・・・アルバムのテーマもそういう中で見えてきました。自分たちはダンスミュージック的なことをやっていると思っているんですけど、単純に「踊れる」だけじゃなくて「心躍る」ようなものを作りたい、とか。言葉に関しては、レジーさんが言ってくださったとおりセカンドの延長線上にあって、セカンドでもナチュラルで強い言葉を乗せられたと思っていたんですけど、もっともっとエモーショナルな部分が感じられる歌詞にしよう、と。PORINがさっき言っていたように、ファーストとセカンドで伝わらなかった人たちに伝えるためにも歌詞についてはもっと研ぎ澄ましていきたいという話をメンバーみんなで共有しました」


「Don’t Think, Feel」が示すメッセージ

---今のお話を聞くと、「Don’t Think Feel」っていう曲のタイトルがめちゃめちゃ意味ありげなものに感じられます。

マツザカ「この「Don’t Think, Feel」って言葉、最初は自分に対しての独り言みたいな感じだったんですよね。さっき話したようなバンドとしてぐちゃぐちゃしていた時期に、「いろいろ考えすぎちゃってるな」と思っている中からぽろっと出てきたもので。だからもっとネガティブな感じの曲になるかと思いきや、いしわたり(淳治)さんとやることで力強いラブソングに昇華されました」

---「考えるな、感じろ!」って、かつてのオーサムのイメージからはかなり遠い言葉ですよね。

マツザカ「はい」

---PORINさんはこの言葉を聞いたとき、どう思いました?僕の中でPORINさんは飄々としたイメージなので、こういう熱い言葉とは距離がある感じがします。

PORIN「確かに、私にはそんなに響いてなかったかもしれない・・・」

atagi、マツザカ「(爆笑)」

atagi「怖いよ」

PORIN「(笑)。でも、さっきもお話ししたとおりバンドの雰囲気があまり良くなかったから、ぴったりな言葉だなと思いました」

---この曲の歌詞はラブソングの体裁をとっていますが、自分たちを鼓舞しているような言葉にも聞こえたんですよね。

atagi「うんうん」

マツザカ「そういう側面はあると思います。1曲目の「Into The Sound」にも同じようなテーマの言葉があって、「お前も同じこと考えてたのか!わかるよ!」みたいな(笑)。結果的にではあるんですけど他の曲にもそういう意味合いのフレーズが散りばめられていて、それが作品の深みにつながったなと僕は思っているんですけど」

---なるほど。さっきちらっとお話も出ましたが、この歌詞はいしわたりさんとの共作で書かれましたよね。これについてはどういう経緯で一緒にやることになったんですか?

マツザカ「もともと、いしわたりさんのいたスーパーカーと僕らってちょっと似てるなあと思っていたんですよね。編成とか、分業していることとか。それでいずれ一緒にやってみたいと思っていたんですけど、今回強いメッセージの曲を作りたいという狙いがあったので、じゃあこのタイミングでお願いしてみようということになりました。今回男女の掛け合いがあるんですけど、スーパーカーに「Lucky」って曲があるじゃないですか」

 

---僕すごい好きです、あの曲。

マツザカ「いいですよね。ああいう男女の目線が交錯するような曲を作りたい、っていうのは以前からぼんやりとあったんです。ただ、「Don’t Think, Feel」に関しては最初からそういうことをやろうとしていたわけでは実はなくて、いしわたりさんと作っていく中であのアイデアが生まれました」

---お一人で歌詞を書くのとはどのあたりが違いましたか?

マツザカ「いろんなことが全然違いましたね・・・僕が書いたものをいしわたりさんが添削して、そこにさらに僕のアイデアを入れて、という形でラリーを続けていったんですけど、いしわたりさんはたぶん言葉の伝わるスピードというか、ぱって聞いた瞬間にどのくらい意味が理解されるかを特に重視していたのかなと思います。ストレートなラブソングみたいな「メッセージをはっきり書く」タイプの歌詞って、僕の中ではまだ照れがあるんですよね。そういう意識でメッセージを忍ばせるくらいの感じで書いた歌詞を見せると、「それだと伝わりづらい」「ここまで言い切ろう」みたいなアドバイスをいただいたりして。そういう観点はすごく勉強になったし、自分の中にも吸収できたんじゃないかなと思っています」

---わかりました。一方でサウンドとしては、よりブラックミュージック的な要素を前面に出している感じですよね。

atagi「そうですね」

---どういった狙いで音作りを進めていったのでしょうか。

atagi「ちょうどこの曲を作る前に、何の気なしにザップ(アメリカのソウル/ファンクバンド)を聴いていて、すっごいかっこいいなと思ったんですよね。僕は以前ソウルバーで働いていたりもしてそういう音楽が好きなんですけど、日本にあるファンクって全体的に軽い印象のものが多いなとは前から思っていて。そういうのではなくて、自分が好きな「重たいファンク」みたいなのをオーサムでやれないかなというところから始まりました。最終的にはポップな歌ものに落とし込めたと思うんですけど、根底にあるファンクイズムみたいなものは意識して作りました」

 

---腰に来る感じはありつつ、とにかくポップでキラキラした楽曲になりましたよね。

マツザカ「完成するまでのバントとしてのストーリーも含めて、マジックみたいなものがかかった曲になったと思っています」

---MVもインパクトありました。それこそファーストの頃のMVに比べるとストレートさが全然違いますよね。以前はもっとコンセプチュアルで、曲の魅力をど真ん中で伝えるよりはちょっと斜めから表現していたと思うんですけど、「Don’t Think, Feel」のMVからは「もうそういうのいいから!」みたいな覚悟を感じたというか。

 



atagi「あの当時とは見ているステージが違うと思います。「いい雰囲気だよね」みたいなことは正直言われ飽きたというか(笑)。聴いている人たち、周りの人たちともっと一緒になって面白いことをやりたい、熱くなりたい、っていう気持ちが強いし、MVにもそれが表れているかなと思います」

---atagiさんにとってはハンドマイクでのパフォーマンスも新たな取り組みですね。

atagi「そうですね。初めてだったんですけど、意外と無理なくできました。この前メンバー5人で僕が働いていたソウルバーに遊びに行ったときに年配の方々が踊りまくっているのを見たんですけど、そういうのも記憶の片隅にありました」

マツザカ「以前「愛ゆえに深度深い」をハンドマイクでやったらどうかって話もあったんですけど、そのときはatagiがあまり乗り気じゃなくてやらなかったんですよね。今回こうやって自然にパフォーマンスできているのは、フロントマンとしての決意みたいなものができてきたんだなと」

---PORINさんはいかがですか。

PORIN「私個人としては、初めて自分の素をMVで出せたっていう実感がありますね。「人形からの脱却」じゃないですけど・・・人間味あふれるものを出すことに何の躊躇もなくなってきたし、そういう心境になれているのは今回のアルバムを作りきったからだと思います」


「一番大事なのは歌」

---「Don’t Think, Feel」に関しては、全体的に強いメッセージが込められている中でPORINさんのパートの儚い感じがかなり効いているなと思いました。

マツザカ「そうですね、あの曲のキラーフレーズだなと思っています」

atagi「あれはエポックメイキングですよね」

---あのパートに胸がキュッとしている人も多いと思うんですけど、PORINさん的にはあそこがこの曲にとって重要だ!みたいな意識ってありましたか?

PORIN「・・・いや、録るまで気づかなかったです」

マツザカ「全く興味ないってことね、この曲にね(笑)」

PORIN「そんなことはないです(笑)。ただ、今までのオーサムだったらありえない言葉づかいなんですよ、あれって。だから最初はちょっと頭の中にはてなが残りつつ・・・って感じだったんですけど、レコーディングして、MVを公開して、いろんな反応に触れる中で「みんなこういうのをいいと思うんだな」って後から理解しました」

---「Don’t Think, Feel」のPORINさんパートの歌詞って、アルバム全体のテーマともつながっているような気がしたんですよね。『ACT3』はいろんな曲に力強いフレーズがありつつも、曲のモチーフとしては気持ちが人に届かない感じとか・・・

マツザカ「はい」

---「Moonlight」は死んじゃった人をイメージしているのかな、とか。

atagi「おお、さすが」

---「届きそうで届かない」とか「いなくなっちゃう」とか、もっというと「生と死」とか、そういう現実社会において向き合わないといけないしんどいことがこのアルバムには描かれているように感じたんですよね。そういうもどかしさみたいなものがPORINさんのあの2つのフレーズに凝縮されているように思えて、そういう意味でも「Don’t Think, Feel」はアルバム全体のエッセンスが詰まっている曲なのかなと。

PORIN「なるほど」

マツザカ「新しいですね、その解釈は」

---今まで以上に現実と向き合っている感じはアルバムの最後の曲の変遷からも感じました。『ACT』の「涙の上海ナイト」は「上海」と言いつつもリアルではない空間がテーマになっていて、『ACT2』の「Lullaby for TOKYO CITY」では「東京」っていう自分たちが住む街について描かれていて、今回は「Around The World」で「世界」を題材にしつつも自分自身の内面に潜っていくような曲になっている。この変化が結構象徴的だなあと。

atagi「・・・次は何にすればいいですかね」

---「宇宙」じゃないですか。

3人「(笑)」

マツザカ「アルバムの最後の曲って、何かしら深い意味を持たせたくなってしまうんですよね。そういう曲って大体制作期間の中盤から終盤にかけてできてくることが多いんですけど、そのあたりから「ああ、アルバムができるんだな」って実感します。「Around The World」も結構ギリギリのタイミングでできました」

---言葉の話について続けて聞かせていただくと、PORINさんも高橋久美子さんと歌詞を共作していますよね。実際にやってみていかがでしたか。

PORIN「自分だけで歌詞を書くよりも、言葉がかなり色鮮やかになったなと思います。私が書いたら表面的に見えるものだったりえげつなくなりそうなものだったり、そういうものをいい具合にファンタジーに落とし込んでもらいました」

---メタファーをふんだんに使っている「Vampire」と<渋谷のミニシアター>から始まる写実的な「エンドロール」の対比も面白いです。

PORIN「「Vampire」はキラキラしている曲だったので歌詞もファンタジックにしたいなと思っていて、「エンドロール」はこれまでにない暗めの曲だったのでリアルな表現を心掛けました。曲調も歌詞も全然違うので、歌い方も自然と変わりました」

---「エンドロール」のつぶやくような歌い方は新境地が開けた感じですね。

PORIN「そうですね。これまでになかったPORINだと思います(笑)」

---(笑)。PORINさんボーカルの2曲って、もっとマニアックにしようと思ったらそういう仕上がりにもできると思うんですよ。リバーブいっぱいかけて、ボーカルと後ろのバランス変えて。

マツザカ「確かにそうですね」

---実際には歌がちゃんと聴こえるポップな曲になっているわけですが、もっといじりくりたい!っていう欲望みたいなものがあるんじゃないかなとか思ったんですけど・・・

atagi「いやー・・・ありましたね(笑)」

PORIN「ね」

atagi「「エンドロール」は僕が打ち込んだトラックが基本的にはそのまま使われている楽曲なんですけど、当初は裏テーマとして「オーサムなりのエイフェックス・ツインをやろう」って考えていたんですよ(笑)。ただ、作っているうちに肩の力が抜けていって」

マツザカ「エンジニアの浦本さんとは結構話し込んでたよね」

atagi「「そういうのをやりたいのもわかるけど、もっと自然でいいんじゃない?」みたいなことを言われたりしながら一緒に整理していきました」

---なるほど。オーサムがバンドとして志向している「広く届けたい」っていう話は、場合によっては音楽的な洗練性とトレードオフになる部分もあるのかなと思うんですが・・・

atagi「うーん、僕は全然そういうふうに思っていないんです。もちろん難しいバランスではありますけど、やれている人はいるわけで。僕らはボーカルありきのバンドだから一番大事なのは歌だと思うんですけど、歌のためにはサウンドが洗練されている方がいいこともあるのかなとか」

マツザカ「今のレジーさんのお話っていろんな場所で何となく共有されているテーマだと思うんですけど、実際に当事者になってみるとあんまり「これは大衆的、これは洗練」みたいな垣根は全然ないというか。僕らの判断がシンプルになってきている部分もあるんですけど、単純に「いいか悪いか」でしかないのかなと思っています」


「どーんと」「単細胞で」「遊びが必要」

---今作の制作過程で「Awesome City Clubって何なんだ?」という根源的なお話をメンバーでされたということでしたが、今回のアルバムを作り上げたことでその問いに対する答え、「オーサムらしさ」もしくは「オーサムらしくあるために必要なこと」みたいなものは見えてきましたか?

atagi「・・・これはあくまでも個人の意見なんですけど、僕としては全然見えていないです。ただ、見えなくていいかなと思っているというのが本心で、それを考えようとしているうちはなかなかクリアにならないのかなと。無意識の中にこそ答えがあると思うので、今はあえてそういう思考は切り離すようにしています」

マツザカ「僕はひとつだけ見えてきたものがあって、それは「真面目になり過ぎないこと」なのかなと思っています。セカンドで真面目になりすぎていたっていう話はさっきatagiからもありましたけど、「真面目に頑張ってクオリティ上げてきました」みたいなことばっかりやろうとしても面白いものができないなというのは最近ほんとに思っていて」

PORIN「遊び心は大事だよね。普段からもっと遊びが必要だなとは私も思っています」

atagi「ん、それは今遊んでないからそういうことを言っているの?」

PORIN「え?遊んで・・・いる方だけど、私は」

マツザカ、atagi「(笑)」

---なるほど(笑)。

PORIN「(笑)。バンドのみんなでソウルバーに行った時もすごくいいマインドが生まれたし、ああいうことは個々でもやっていく必要があるのかなと思いました。そこからバンドとしての余裕とかおしゃれさが生まれるような気がするし、お客さんも自分たちにそういうことを期待していると思うので」

マツザカ「「こういう感じの曲はこんな人に受けそう」とか「こういう仕掛けで」とか、そういうことは自然に気にしちゃっていたりするので、「何も考えない」くらいの方が僕らにとってのちょうどいいバランスなんだろうなと思います。いろんな思考の枠組みから自由になった方が、PORINの言う遊び心も生まれるのかなと」

---まさに「Don’t Think, Feel」ですね。必要以上に考えすぎないことが大事というか。

マツザカ「そうですね。今までは「この曲は誰々っぽいからやめよう」みたいなマイルール的なものもあったんですけど、だんだんそういうのものなくなりつつあるんですよね。自分たちがいいと思うならそれを信じてどーんとやっちゃおう、っていうのが今のバンドのモードです」

atagi「仮に考え足らずだったとしても、自分たちが勢い持って「これ、良くないですか!?」って言えるものを作っていきたいですね。「単細胞で行こう!」って言ったらちょっとおかしいですけど(笑)、あれこれ考えて深みにはまって、わけわかんないことになるっていうのが一番よくない」

---なるほど。で、そんなモードのまま、新しい曲を作り始めていると。

atagi「・・・外タレのインタビューみたいなこと言いますけど、今ものすごくいい状態なんですよ(笑)。ここからツアーもあるし、またいろんな経験ができればと思っています」

マツザカ「まだバンドとして経験が浅いから、この年になっても「成長している」みたいな体験ができているんですよね。些細なことなんですが、昔ラジオのレギュラー番組をバンドでやっていたことがあって、その特番をこの前久々に収録したんですよね。で、当時はみんなしゃべれなくて僕がMCをやっていたのに、今回はPORIN大先生が回すようになったり(笑)。僕ら自身が新しい体験をしているのと同じように、お客さんにも新しいものをどんどん提示できていったらいいなと思います」

---わかりました。では最後にこの先に向けた意気込み的なものをお聞きしたいんですけど、せっかくなんでラジオも回せるようになったPORINさんにしめていただけますと。

PORIN「はい(笑)。この先の話もあったんですけど、まずは今回のアルバムがものすごくいいものになっていると思うので、ぜひ聴いていただいて、良かったらライブにも遊びに来ていただきたいです。なんか普通だな・・・(笑)」

atagi「もっとチャラいやつ、遊んでるやついこうよ(笑)」

マツザカ「どのクラブでかけてほしいの?」

PORIN「・・・渋谷のContactでお願いします!(笑)」

---(笑)。今後の作品も期待しています。ありがとうございました。

3人「ありがとうございました!」


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 司会者「インタビューは以上になります」

レジー「バンドとしてどんどんシンプルになっていってるのがよくわかる。あと洗練性と大衆性はトレードオフじゃない、って話も面白かった」

司会者「インタビュー中にもありましたが、この辺は作っている人よりも周りにいる人の方がとらわれているのかもしれないですね」

レジー「うん。紋切型のフレームだから便利なんだけど、そんな単純な二項対立の中で音楽を作っているわけじゃないんだよね。そのあたりはちょっと反省しました。1枚目から音楽的にも精神的にもだいぶ変わっていると思うけど、実はまだそれから1年と数か月しか経ってないんだよね。すごいスピードで進化しているし、この先も楽しみです。お時間いただきありがとうございました。今回はこんな感じで」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「一旦未定で。もしかしたらフェスの話かな」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」