レジーのブログ LDB

「歌は世につれ、世は歌につれ」でもなくなってきた時代に。
対談形式はリスペクトしているこちらのブログより拝借しております。
  ※15/4/23 世の中の状況を鑑みてfc2からこちらに移しました

ご連絡はレジーのポータルの「contact」よりどうぞ。(ブログ外の活動もまとめてあります)

音楽の聴き方・聴かれ方

『ファンダム・レボリューション』と最近の欅の話 騙すなら気持ちよく騙してほしい

『ファンダム・レボリューション』と、ビジネス書としての『夏フェス革命』(セルフライナーノーツ③にかえて)

 

レジー「『ファンダム・レボリューション』読みました」


 

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司会者「『誰が音楽をタダにした?』と同じく早川書房さんからですね」



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レジー「あと解説がWIRED、もう元WIREDになっちゃうのかな、若林さん。さらにタイトルがレボリューションということで『夏フェス革命』と親戚」



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司会者「それ関係ありますか」

 

レジー「や、関係あるんですよ。この前ときわ書房志津ステーションビル店‏さんが並べて紹介してくれてて嬉しかったんですけど」

 

 

司会者「ありがとうございました」

 

レジー「2冊とも大きく言えば、消費者、ファンの動きが事業のあり方に影響与えると言う話を書いている点において共通してるんですよね」

 

司会者「確かに『ファンダム・レボリューション』では、いわゆるファンコミュニティ的なものがどうやって形成されるか、というような話と合わせて、そういういったものに対して企業サイドがブランド管理のためにどう向き合っていくべきかというような話がさまざまな事例で語られています」

 

レジー「そうそう。夏フェス革命だと「協奏」というキーワードで説明したんだけど、SNSでユーザーの動きが可視化されるようになったことで、この人たちは単なる「売り先」ではなくて「一緒にビジネスの形を生む出していく存在」として本格的に生まれ変わったんだよね。少し前からコトラーが共創とか言い出してたことが、具体的に形になりつつあると。ただ、まだその辺のケースとしてまとまってるものもそんなにない。あと、これ系の話はとてもダイナミックな変化なのに、近しいこと扱ってる学術書からはそういう感じは伝わってこない」

 

司会者「そんなタイミングで、ユーザーの動きが企業に対する何らかの働きかけとして機能する様が描かれているこの2冊が近いタイミングで出た、というのはそれなりに示唆的ですね」

 

レジー「自分で言うのもあれですけど。僕が『夏フェス革命』はビジネス書だ、というような話をしてるのはここで、『夏フェス革命』も『ファンダム・レボリューション』も、企業と消費者の関わり方の新しい繋がり方を考えるうえで参考になるような話を扱ってると思います。ほんといろんな本屋で並べて置いてほしいです。マジで関係してる方々よろしくお願いします」

 

欅坂に対して「スマートファン」じゃいられない

 

司会者「『ファンダム・レボリューション』はビジネス的な話だけじゃなくて、「ファンダム」で楽しむ人たちのいろいろな姿が描かれています」

 

レジー「全編通して面白いけど特に僕がグッときたのはスマートファンという類の話で。要は、ファンはある程度は騙されていることをわかってそこに耽溺しているみたいな話なんですけど」

すべてのファンは、ある意味でスマートファンだ。自分の愛するオブジェクトが、ターゲットに訴求するように注意深く作られたものだということを、みんな理解している。ファンダムとは、少なくとも作りものの文脈にあえて乗るということだ。(P229)

 

ファンダムには、何らかの形での騙されたふりがつきものだ。一九九五年に出版された『恐ろしい夜の街』の中で、主人公は自分がドラキュラ伯爵の亡霊につきまとわれていると信じ込んでいる。と同時に、もし自分が信じたくなければ、それを信じないこともできるとしぶしぶ認めている。ファンの多くはこの気持ちがわかるだろう。ほとんどのファンは、自分が深く愛するオブジェクトが、正確な意味では、本物でないことに気づいている。ファンは自分たちが「カモ」にされていることをわかって、そのウソに乗ることを楽しんでいる。(P229

 

すべてのファンダムは、疑いを脇に置くことが前提になる。ファンがオブジェクトに対して示す忠誠心がどれだけ強くとも、本物の忠誠はそのオブジェクトが体現する哲学に向けられている。そのふたつは全く別物だ。ファンはオブジェクトの商業的な本質に向き合うことを強いられない限り、愛するものに忠実でいられる。(P238

 

司会者「心地よく騙してほしい、夢を見させてほしいみたいな話ですね」

 

レジー「あらゆるコンテンツに当てはまる話だと思うんですけど、僕がこの辺の話で思い出したのが女性アイドルの話で。何だかんだで活動できる期間は限定されるのが実情、将来の保証もない、そういう話を理解しつつも一旦は脇に置いて応援する、みたいな構造を改めて想起しました。で、最近思うのは、やっぱ「この騙しの関係」からふっと正気に返るようなことが起こった瞬間にこの構図は崩壊するんですよね。たとえば、年末年始は欅坂46の話題がいろいろありましたが、個人的にはもうあのグループに対して心地よく騙されるのは無理そうだなと」

 

司会者「紅白で平手さんはじめ壮絶な姿がテレビに流れてましたね。その影響か、平手さんがケガでダウンして武道館公演がひらがなけやきに差し替えられるという」

 

レジー「この辺は2012年のAKBのドキュメンタリーのときから「残酷ショーの是非」みたいな話が語られてたし、そもそも総選挙はどうなんだとかいろいろ意見はあると思うんだけど、なんか欅に関しては一線を越えちゃったような印象を個人的には受けてます。平手さんの資質を面白がるのはいいとして、それを育てるというより結果的に消費するみたいな方向に進んでるグループの方針とか、蚊帳の外になってる他のメンバーのプライドは保たれているのかとか、余計なことばかり気になってきた。で、そういう視点は何かに耽溺するのは不要なわけで。前香月さんと話した時に、このあたりの論点、「アイドルだって生身の人間である」ということに対して香月さんは慎重派で僕は「言っても面白けりゃいいじゃん」みたいなスタンスだったんですが、欅についてはそうも言ってられない気持ちになってきました」

 

司会者「演者の気持ち、もしくは大げさに言ってしまうと人権に踏み込んでいいのかみたいな話にこのあたりのトピックはなっていくと思うんですけど、ポリコレ的な話がコンテンツを生むにあたっての最低限のルールになりつつあるのではという点は現代ビジネスでの宇野さん柴さん対談でも指摘されてましたね。以下は宇野さんの発言です」

 

多くの日本人が誤解しているように思えるのは、ポリティカル・コレクトネスの問題って、別に政治的、社会的な問題だけじゃなくて、逆らうことのできない商業的な要請でもあるんですよ。

 

好成績を続けている『スター・ウォーズ』の主要キャラクターが女性や黒人の若者なのもそうだし、去年世界で最もヒットしたアメコミ映画が『スパイダーマン』でもヒーローが総結集した『ジャスティス・リーグ』でもなく、単独女性ヒーローの『ワンダーウーマン』だったのもそう。

 

ポリティカル・コレクトネスに配慮しない作品が、だんだんお客さんから見向きされなくなってきてる。

 

レジー「プー・ルイのダイエット企画が燃えたけど昔のももクロの体重測定はそこまで燃えなかったのも時代なのかなとか。で、秋元康は基本的には一個前の時代のコードでエンタメを構築しようとしてるんじゃないかというのが欅で改めて垣間見えたように思えるんですが、この先ちゃんとアップデートがあるのかね。少なくとも2016年の時点では面白い素敵なグループだと思ってたので、このまま欅が「演者を痛めつけてそれを楽しむ」みたいな前時代的な話に引き続き突っ込んでいくなら結構悲しい」

 

司会者「「10年代型のアイドルカルチャーは一つの分岐点に」みたいな話は毎年言われてる気がしますが、2018年もまた違った角度からそういうことが言われそうですね」

 

レジー「まあ時代のせいなのか自分のせいなのかはわかんないですけどね。最初にAKB面白い可愛いと思った2009年くらい、そこから派生していろんなアイドルグループに興味持った2011年くらいと比べると、自分の価値観も行動規範もだいぶ変わってるから。この前リリスクのフリーライブ行って、みんな可愛いし曲もいいしでどう考えても盛り上がりポイント満載で、昔なら大興奮してた気がするんだけど、なんかうまく自分ごとにできなかったなという印象もあり。それがマクロな流れを自分が感じているのか、もっとミクロな自分のコンディションの問題なのかまだ判別がついてない。ただ、僕なんか完全にいわゆるアイドルブームからこの辺に足突っ込んだタイプのわけですが、そういう人がもう遠巻きにしか見れないかもなと思っているというのはn=1の話だけど事実としてあるわけで、他にもそういう人がいるのかとかは気になるところですね。僕自身のいわゆるアイドルカルチャーとの距離もだいぶ離れてしまった感じがあるので、今年はなぜそうなったかとかも折にふれて考えてみたいなというところです。今回はこんなところで」

 

司会者「去年までの記事よりは少し短めですかね」

 

レジー「今年は長くてもこのくらいのボリュームでアップ頻度を上げたいですね。むしろもっと短くしたいくらい。次のネタは決まってませんが、そこまで日を空けずに書けたらいいなと思ってます」

 

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

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主に個人の話:いろいろインタビューされました&Apple Musicと日々の生活

インタビューする、ではなくてされる話

司会者「ずいぶん更新が空きましたね」

 

レジー「この前のACCのインタビューから1か月くらい経ってしまった」

 

司会者「過去最長のブランクじゃないですか」

 

レジー「たぶんそうかもね。フェスがあったり、あとなんか暑くて何事にもやる気がなくなっててね」

 

司会者「涼しくなったから更新するんですか」

 

レジー「いや、まあでもその間もいろいろやってたんですよ。妙に立て込んでた気がする。具体的に何やってたかはこっちのサイトで随時更新してるので見ていただきたいんですが、個人的に印象深いやつもいくつかあったのでここでも紹介したいなと」

 

司会者「リアルサウンドにロックインジャパンの記事を書いたり、あとMUSICAにユニゾンの武道館のライブレポートを書いたりしてますね」

 

レジー「リアルサウンドのやつはゴスのこと書いてご本人に@つきで告知したら読んでもらえてよかった。ユニゾンについては、年末の座談会除けば初めてディスクレビュー以外の文章が載りました。あとは自分がインタビューされる側に回ったやつがこの1か月で2つ公開になりました」

 

司会者「「ポプシクリップ。」という音楽情報サイトの特集企画として、「レジーのブログ×ポプシクリップ。 ダブルワークによる音楽との向き合い方」という記事が掲載されました。サイト主催者の黒須誠さんとの対談です」

 

レジー「実際お話ししたのは結構前だったんだけど、このタイミングで公開になりました」

 

司会者「黒須さんとは去年の11月にあったYEBISU MUSIC WEEKENDで知り合ったんですよね」

 

レジー「そうそう。ボランティアスタッフで参加されてたみたいで。僕が出てたトークセッションの後にご挨拶しました。あのセッションは今でも「もうちょっとうまくできたと思うんだけど・・・」という悔いがあるんだけど、こうやって他の企画につながるのは面白いですね」

 

司会者「ダブルワーク、音楽とは関係のない仕事をしながら音楽の仕事にもかかわる、というようなテーマでの対談でした」

 

レジー「YMWのトークセッションもその手のやつだったし、以前ブログでもそこにフォーカスした特集をやったことがあるんだけど、個人的にはこの手の働き方というか生き方はもっと広まっていくといいんじゃないかなと思っているので今回のような形で考えてることを喋れてよかったです。黒須さんも会社員しながら音楽サイト運営やらイベント企画やらやってるんだけど、そういう共通した境遇がありながらもやり方とかは微妙に違ったりして面白かった」

 

司会者「黒須さんは「10年の間に何ができるか見極めたい」みたいな長期スパンでのイメージを持ちながら活動されてるんですよね」

 

レジー「うん。ここが僕と決定的に違うところだったかな。自分の場合はある種意識的に行き当たりばったりやっているというか、今やってることに「あるべき姿とビジョン」とか入ってきちゃうと不自由さが増すんじゃないかっていう危惧があるんですよね。とにかく目の前にある面白そうなことに飛びつき続ける中でどこまでいけるか、というスタンスは崩したくないというか。そういう無責任さみたいなものも担保しておきたいというのもある」

 

司会者「共通するポイントとしては「何事もまずは発信することが大事」というようなあたりですかね」

 

レジー「ほんと発信し続けてれば何か起こるからね。堀北真希の件だってそうでしょ。ネットに文章投げ込むのって、返事のない40通のラブレター書くようなものだったりするじゃないですか」

 

司会者「関係ないのでは。あとは黒須さんもマーケティング関連のお仕事をされているということで、最近話題になりがちな「ミュージシャンと戦略」に関する話にもなりました」

 

レジー「僕はこういう話に対していちいち言葉尻を捕らえてごちゃごちゃ言う人たちほんと苦手というか話通じないなーといつも辟易してるんだけど、実際にミュージシャンサイドのスタッフとしての立場も持ってる黒須さんならではの掘り下げがあったのでなるほどと思う部分もありました。あと印象に残ってるのはこのやり取り」

 
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レジー 「そういう実態があるにもかかわらず、”バンドと戦略”という話は食い合わせが悪いんだなあとは最近思いました」

 

黒須 「僕の周りではバンド戦略論については特にネガティブな発言はほとんど見られなかったのですが」

 

レジー 「そうなんですね。僕の観測範囲だと、ミュージシャン、リスナー、ライター、それぞれの立場からネガティブな意見が出ているのを見かけました」

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司会者「見てるツイッターが違うんですね」

 

レジー「同じ音楽好きであっても、TLの作り方で見える世界が変わるんだなあと。めんどくさい人たちが目に入らないTLにもうちょっと寄せた方がいいのかなとか思った。ここまでが「ポプシクリップ。」での対談の話ね。で、もう一つが「徹マガ」でのインタビューです」

 

司会者「写真家でノンフィクションライターの宇都宮徹壱さんのメルマガに、「サッカー日本代表は夏フェスである」というタイトルのインタビューが掲載されました」

 

レジー「これはなかなか感慨深い。宇都宮さんのサッカー関連の記事は昔から読んでたし、松本山雅の本も持ってるよ」



司会者「振り返ってみれば昔はサッカー関係のツイートの方が多かったかもしれないですよね」

 

レジー「たまに「レジーさんはサッカーの人だと思ってフォローしていたので今の展開は不思議な感じ」みたいに言われることあるんですが、自分の好きなものを2つ重ねられてよかった。これもツイッターがつないだ縁というか、編集長で今回インタビューしてくださった澤山さんとはPerfumeファンつながりで面識があったんだよね。さっきのYMWもそうだけど、何がどうつながるかわからない。このインタビューは有料メディアなんですが、音楽×サッカーということで普段音楽メディアには書かないような話題も結構してるのでよかったらぜひ。前編、後編とも冒頭部は読めます」

 

司会者「タイトル通り、日本代表戦と夏フェスの話をしているんですか」

 

レジー「実際にはもっといろんな話をしているんだけど、ここをキーワードとして拾ってもらいました。ツイッターではよく言ってる内容だけど、ちゃんと記事になったの初めてかも。最近やっとわかってきたんだけど、この手のオーディエンス論って実は意外とやりづらいんだよね。今までわりと無警戒に手突っ込んできたけど、自らが渦中にいる中でどこまで客観性を担保できるかとか、逆にあくまでも個人の体験ですとやったときにそれをどこまで全体の話に広げられるかとか、留意しないといけないポイントが多い。そういう意味で、今回インタビューという形で話引き出してもらえたのは良かった。ほんとはこの辺の話をジャンル横断でがっつりやりたいんだけどね。読んでくださったいときんさんがドンピシャのツイートされてたので紹介します」



司会者「アイドルの話も絡めるとなるとTIFもサンプルの一つとして入ってきますね」

 

レジー「ロックフェスとアイドルフェスの受容のされ方の違いとかね。今年TIFとひたちなかに続けて行った印象でいうと、「フェスでウェイウェイしてるだけ、あいつら騒ぎたいだけだろ」話の舞台はロックフェスからアイドルフェスに移行してるのかもとか思ったりした。ウェイウェイと言うよりオラオラというか」

 

司会者「いつになく擬態語が並びますね」

 

レジー「ちょっとこの辺は言語化しづらいところというか、はっきり言ってしまうとミモフタモナイみたいな感じの部分もあるんだけど。一方で、ひたちなかの「フェスキッズうぜー」的な空気は34年くらい前と比べると薄まってきてる感じはするんだよね。自分が慣れたからなのかほんとにそうなのかは判別しづらくて、それが冒頭に書いたオーディエンス論の難しさだったりするんだけど、ちょっと空気は変わってきてるような気がするんだよなあ。その辺は機会あればまた。で、徹マガのインタビューではフェスばかりが強くなりがちな音楽業界の状況から「プラットフォームばっかり強くなっていったときにその文化はどうなってしまうんだろう」という話をしているんですけど」




司会者「ここ1年くらいの問題意識ではありますよね」

 

レジー「うん。というわけで、このまま「プラットフォーム」に関する最近のホットなネタとして、サブスクリプションサービスの話にいければと」
 

 

サブスクどーよ話

 

司会者「立て続けにAWALINE MUSICApple Musicと始まったことで、音楽と関係ない場所でも話題に上ることが多かったですねサブスクについては」

 

レジー「なんか「ナウなビジネスネタ」って感じだったよね。そしてポジショントークが溢れてる感じが。あと予測も結構お花畑系が多かった気がする」

 

司会者「この辺は全サービス有料化してしばらくしてからじゃないとわからないですね」

 

レジー「ビジネスサイドに関してはほんとそうだと思う。定性的には厳しそうっていう話題も出てきてるよね。LINE MUSIC有料化に対する反応とか」

 

司会者「「音楽にお金を払う意味が分からない」という世代ならではの拒否反応だったように思えます」

 

レジー「まあ現実問題として、無料で何でも聴けちゃうもんね。もちろん有料じゃないと聴けないものはたくさんあるけど、今までで不自由してなければ「なぜ無料で事足りてたものにお金を払わなきゃいけないの?」ってなるわけで。なんかこの「文化物を作るにはお金がかかる、だから受益者はお金を払わないといけない」みたいな話は社会の授業とかに組み込んでもらった方がいいんじゃないかな。そうでもしないと本質的な解決は望めない気がする。インターネットでカットできるコストは基本的には提供コストだけで創作コストは変わらずかかってるのに、そこすら無料だと思っちゃうもんね今の環境だと」

 

司会者「文科省にロビイングしますか」

 

レジー「違法ダウンロードについてごちゃごちゃやるよりそっちの方がよっぽど効果あるかもね。で、サブスクに関してはこのブログでもたびたび紹介している「たにみやんアーカイブ」のたにみやんさんも参加している雑誌MONOQLOの特集がなかなか見ごたえありました」



司会者「ブログエントリでもこのあたりについてまとめています」

 

レジー「そこから引用するけど、ほんとサブスクって「詳しい人がより詳しくなるためのもの」「好きな人がより好きになるためのもの」なんだよね。「興味ない人を好きにするツール」ではないと思う」

 

この定額制音楽配信サービスというのは「いろんな音楽を聴く(聴きたい)」という人にはぴったりだが、「自分の好きな物(知っている物)だけしか聴きたくない」という人には全くマッチしないサービスだ。そういう人には「レコメンドとかいいから好きなの聴かせてくれよ」みたいな話になるし、月1000円という金額はおそらく普段使っている金額より遙かに高いものだろう。そして、世の中意外とそういう人は多いんじゃないかという気がしている。

 

司会者「結局検索窓に何を放り込むかでサービスをどれだけ楽しめるかが決まりますよね」

 

レジー「うん。前これとかこれで書いた「結局自分の幅でしか“いろいろ”は聴けないよね」という話ともつながる。こんな感じで正直この手のサービスが音楽市場の間口を広げるイメージはまだできてないんだけど、そういうの置いといてひとりのリスナー視点で言うとマジで最高だよね。ちょっと人生変わった感ある」

 

司会者「結局どのサービス使ってますか」

 

レジー「Apple Music一択。もともとiPhoneで音楽聴いてたからそことの親和性もそうだし、あとプレイリストのレベルが違う気がする。「朝の○○」みたいなしょうもなさそうなやつでも必ず「お、この曲は?」ってのがあるし、そこから別の曲いって、関連情報調べて・・・と無限に広がる。あとは最新の洋楽のラインナップが素晴らしいよね。使うお金は限られてる、レンタルにも出ない、それでなかなか追えてなかったリアルタイムものをぐいぐい聴いてる」

 

司会者「洋楽はこのサービスで一番ポジティブな影響を受けるマーケットかもしれないですね」

 

レジー「うん。「もっといろいろ聴きたい人」で国内以外の音楽に手を伸ばす人はいるはずだから。今年フジロック話と合わせてやっぱ洋楽市場きついねって雰囲気あったけど、そこに関しての起爆剤にはなるかも。ただそれは純増ではなくて同じパイでの食い合いになる気もするけどね。自分の話で言うと、海外のやつをApple Musicで聴くようになってから明らかにアイドル曲を追う時間が減った。まだサービスに対する物珍しさがあるから今後はどうなるかわからんけど、今は単純に時間の取り合いでそっちが勝ってる」

 

司会者「使ってる人それぞれでそういうマインドシェアの変化が起こっているんだと思います。他に変わったことはありますか」

 

レジー「音楽に関する時間がApple Musicに集約されつつあるから、サンクラとかバンドキャンプ掘ったりハイプマシーンいじったりする時間は減ってるね。あと今まで寝る前にストレッチとかする時は録画してる「洋楽EXPREES」とかなんとなく流してたんだけど、最近は「For You」で目についたプレイリストをかけてるから録画消化がなかなかできなくなってきた。あとはツタヤに行く機会が大幅に減った。今までは過去の名盤と最近の新譜合わせて5枚で1200円みたいな借り方をよくしてたんだけど、そういう必要なくなっちゃったなあ」

 

司会者「聴けない新譜を拾うくらいですかね」

 

レジー「うん。結局ツタヤもタワレコもショールーミングのための場になりそう。この前もツタヤの新譜コーナーで並んでるやつをApple Musicにあるか確認して、ないやつを借りるってことをしてた。検索窓に放り込む情報を探すために足を運ぶ場でしかなくなるかも」

 

司会者「ここまでの話だとサブスク以外のサービスはネガティブな影響を受ける部分の方が大きそうですね」

 

レジー「全体で見るとどうなんだろうね。でもフィジカルの価値は自分の中で大暴落したよ。もうリッピング自体がめんどくさい。みんな言ってると思うけど「オフライン再生」選ぶと自分のiPhoneに飛び込んでくるあの仕組みは発明だよね。あ、自分の中で「サブスクによって価値が高まったもの」としてはディスクガイド本ですよ。これは間違いない。さっきのたにみやんさんのブログでも触れられてたけど、ここに関しては波が来るんじゃないかな。自分にとってのディスクガイド本って、今までは本買っても実際に聴く音源はほんの一部みたいな状況になりがちだったんですよ」

 

司会者「買って解説読んで満足、みたいな」

 

レジー「そういうアルバムがあることはわかった、でも音を聴いたことがないという状況。この感じは間違いなく回避できると思う。最近はディアンジェロのディスクガイドに載ってるやつ中心に聴いてるよ。もちろんなかにはApple Musicで聴けないやつもあるけど、できれば聴ける作品は全部聴きたいくらいに思っている。この本で知ったPJモートンすごい気に入りました」
 





司会者「なるほど。長くなってきたのでまとめますけど、結論としては「業界に及ぼす影響は不明だけど個人としては超楽しい」っていう話ですかね」

 

レジー「最初に紹介したツイートとも重なるけどこの先に何が起こるのかは正直全く分からないわけで、ミュージシャン側に全くお金が行かない未来が待っているかもしれないし、クリエティビティの面でも「単なるネットの海よりも多少は体系的に音楽をいろいろ聴ける」環境と接した若者が将来また新しい音楽を生み出すかもしれないし。その辺もいろいろ論点はありそうだけど、とりあえずいちリスナーとしてはこんなに面白いものはない。CD屋一軒自分ものになった気分というか、翌日の通勤電車で聴く音源を寝る前に探してオフラインに落としとくときのわくわく感ね。サステナブルな仕組みかはほんとによくわかんないんだけど、今はこの楽しみを存分に味わいたいなと。今回はこんな感じで。活動紹介と最近の遊び方の話で、ある意味普通のブログっぽい内容になったような」

 

司会者「次回はどうしますか」

 

レジー「またインタビュー?みたいな話もあるんですが、何か別のネタがあればまた」

 

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

今年の冬のお気に入り、そしてそれに出会うための「メディア」の役割

シャルロの衝撃

司会者「もう3月です」

レジー「ついこの前年明けたと思ってたのにあっという間ですなあ。もう春になっても良い時期だけどまだまだ寒いよね。もうちょっと冬か」

司会者「冬のJ-POPにもいろいろありますが、お気に入りとかありますか」

レジー「そうねえ、なんだろう。そのものずばりだけど、Kiroroの「冬のうた」とか好きよ」


Kiroro - Fuyu No Uta 投稿者 danetosanzo

司会者「98年の曲ですね」

レジー「やっぱこの年はいろいろ出てたんだなあ。ロックとR&Bがすごかっただけじゃないと。あとこれはクリスマス寄りだけど、Steady&Co.の「Only Holy Story」は外せないですかね」



司会者「いつ聴いてもいいですね。今年出た曲だと何かありますか」

レジー「15年の曲だとこれですね、シャルロの「ハロー・グッバイ」」



司会者「トーフさんのツイートで知ったんですよね」

レジー「うん。リンク踏んでみたらおお!ってなった。サイトによると河野直己さんという方のひとりプロジェクトとのこと。tofubeats『lost decade remixes』にも参加してます。この辺の人たちほんとに層が厚いなあ」

司会者「ボーカルは西山小雨さんという方が歌っています」

レジー「この曲、音楽だけじゃなくて、マンガや映像も合わせて「東京で暮らす二人の女の子の物語」を描く、ってプロジェクトなのね。曲はバンドキャンプ、マンガはpixivで、ってすごく今の時代感がある。マスが仕掛けるタイアップ的な手法、音楽と映像の融合みたいな話を全部自分たちでやってみましたというか。で、やり方はどうあれこれはとにかく曲がいいんですよ」

司会者「ちょっと懐かしい感じもしますよね。冒頭に挙げた昔のJ-POPにも近い感じがあるというか」

レジー「そうね。思い出したのはマイラバの「Hello,Again」だったんだけど。JUJUじゃないよ、マイラバのね」


MY LITTLE LOVER Hello, Again~昔からある場所~ 投稿者 utadalove

司会者「なぜJUJUではないと強調したのか」

レジー「他意はないです。あとはDo As Infinityとか、そういう匂いを感じる。歌の質感の作り方が丁寧というか、聴いてるだけで「息が白い感じ」が伝わってくる。イントロのアコギと打ち込みの組み合わせも絶妙に冬っぽいというか、空気が冷たい朝に外に出たときの辛さと気持ち良さが共存してる感じね。この季節の何とも言えない切なさ。で、ここまでちょっと古いJ-POPの曲をいくつか出しましたけど、自分の感覚でいうとこういう感触の曲って最近あんまり出てきてないように思えるんだよね」

司会者「あー」

レジー「反論あるかもだけど、今って表面的には「女性ボーカルのJ-POP」というジャンルのかなりの領域を「アイドルソング」が占めつつあるじゃないですか」

司会者「もちろんその中でも玉石混淆あって、というのは散々このブログでもやってる話ですね」

レジー「そういう状況を改めて見直した時に、「ポップで楽しい女性の歌」は増えてる一方で「聴き手の情感を刺激するような女性の歌」が意外と減ってるんじゃないのかなという気がする。で、そうじゃないものを探そうとするとベタッとしたお涙ちょうだい系のバラードでしょ」

司会者「そこまで単純化していいものやら」

レジー「去年局地的に「西野カナのDarlingよくね?」みたいな声が上がってたけど、これって「さらっと聴ける、でもちょっと切ない」みたいな曲を「イメージ的にはベタベタ情念の曲を歌ってそうな人」が出してきたからそのギャップで盛り上がったってのもあるのかなあと」

司会者「最近だとAKBの新曲もそういうの意識してるんですかね」

レジー「狙いはそんな気がするけど、アウトプットとしてはどうにもねえ。でも時代のキャッチの仕方というか、今いろんな人が聴きたくなってるポイントの捕まえ方としては間違ってないように思えた。アイドルソングなら去年のチームしゃちほこ「シャンプーハット」とか絶妙だった気が。あとはトーフさんの衣替えも。さすが川谷絵音、さすがtofubeatsって感じ」






加藤りまと過ごす冬の夜

司会者「シャルロ以外でよく聴いたものはありますか」

レジー「特によく聴いたのは加藤りまの『faintly lit』ですかね。タワレコで偶然知ったんだけど」

司会者「バンドキャンプでも聴けます」



レジー「以前はストロオズというユニットで活動してたみたいだけど恥ずかしながら全く知りませんでした。めちゃくちゃいいよねこれ。最近の気分に合うというか、こういう落ち着いたやつを聴きたい感じなのでぴったりです。アコギ主体で、管楽器とかいろんな楽器が絡んでくるのがすごい上品。この手の音楽って、地味だなーとか退屈だなーとか思うことがないでもないんだけど、これはほんとすんなり聴ける。初めてPredawn聴いた時にいいなって思ったときに近い感触」

司会者「今は金沢在住のようです」

レジー「北陸っていう地域的な影響もあるのかな。雪が降ってる夜に、オレンジ色の灯りがついたあったかい部屋で鳴ってるイメージ。この前初めて見たライブもそんな感じだった」

司会者「原宿のVACANTでアイスランドのKira Kiraと共演しました

レジー「あんなおしゃれ空間初めて行ったわ。この日のライブは照明が強くなくて、暖色の薄明かりの中で彼女が演奏するっていうスタイルだったんですが、それとのマッチする感じが素晴らしかった。気持ち良すぎてちょっと寝たね」

司会者「いいんですかそれは」

レジー「静かで心に平穏を呼んでくれるんだけど、癒しとかってことでもないんだよね。不思議な感覚」

司会者「最近は以前よりも静かな音楽が好きになってますよね」

レジー「なんかそんな感じだよね。こういう弾き語りが肝になってる音楽にここまでグッとくるとは思わなかった。may.eとか今改めて聴いたらもっとはまるかも。あとちょっと違うけど、その他の短編ズの淡々とした雰囲気もすごい好き。アルバム超良かったので来月ライブ見る予定だけど、また会場が原宿VACANTだった。もうあんなおしゃれ空間行くこともないだろうと思ってたのに」



  



新しい音楽との出会い方、そしてメディアの役割再考(たぶんイントロ)

司会者「シャルロも加藤りまも今年に入って知ったんですね」

レジー「そうそう。シャルロはトーフさんのツイッター、つまりネット上における感度の高い人のレコメンドで知って、加藤りまはタワレコ渋谷の試聴機、言い換えると店舗に足を運ぶことで知ったと。で、なんとなくこの2つの出会い方が象徴的というか、今の自分の音楽の掘り方を表してる気がしたので、ちょっとそんな話をここからしたいなと」

司会者「はい」

レジー「シャルロに関しては、ウェブ上の「レコメンド」ってすごい大事というか、結局それが面白いものに出会える早道だよなあと改めて実感しました」

司会者「ツイッターでいろんな人がいろんなもの勧めてますよね」

レジー「そういうの確実にキャッチしていくと、必ずどこかで新しいものにぶち当たるというか。とは言え世界中の人が発信する情報を捕まえることなんて当然できないから、どの人のレコメンドを受け取るようにするかってのが重要になるわけだけど」

司会者「自分のタイムラインをどうやって作るかって話とイコールですね」

レジー「そうね。僕で言うと去年からKorean Indieってサイトのアカウントを見るようにしてたりとか、あと最近北欧の情報出してるアカウントを見始めました。ただ、あとで聴こうと思ってふぁぼに入れといて結局聴いてないみたいなやつもあるけど。これ結構いろんな人が陥ってる状況のような気がするんだけどどうなのかな。僕が曲紹介したツイートふぁぼってくれた方のうち、ほんとに聴いてる人が何%いるのか」  

司会者「ふぁぼった時点で満足しちゃう感じはありますよね。音楽に限らず、あとで読もうと思った記事とかも」

レジー「そうなんだよね。あとレコメンドって話で言うと、バンドキャンプで「自分がフォローしてる○○さんがこれを購入しました」って通知が来るわけだけど、あの仕組みいいよね。昔からバンドキャンプ使ってる人からすれば何をいまさらって話だと思うのですが、僕去年くらいからあのサイトでタグ使って掘ったりするようになったから、まだそういう新鮮な感動がある。で、そんなウェブ上ですべて完結する音楽との出会い方の対極に、実際の店舗に足を運ぶっていうある種アナログなやり方があって、加藤りまはそれで知ったと」

司会者「タワレコの渋谷店でしたね。昔から新しい音楽を知る重要な場になってますよね」

レジー「最近だと2011年の秋ごろ試聴機でパスピエと出会ったのは大きかった。ただ、今はジャンルによっては情報発信基地としてどうなんだろって思うときもあるけど。僕がよく行くのは邦楽フロアの3階だけど、エスカレーター側の壁面、つまりそのタイミングで店舗として推してると思われるCDが集まってるエリアの試聴機がほとんど全部似たようなバンドなんじゃないか?って状況になってたりするし」

司会者「いわゆる「最近のギターバンド」みたいなやつで溢れかえってますよね」

レジー「「ロキノン系」の牙城になってる感じはある。この辺はCDショップ大賞が毎年つまらないのと関連性があるのかも。新しいムーブメントを発信してるというよりは、今の流れを追随してるだけなんじゃないの、というか」

司会者「全部が全部そうではないんでしょうけど」

レジー「「シティポップ」とかそういうタグがついてる試聴機は面白いのあったりするけどね。確か加藤りまもその辺で聴いた。ただ、これだって僕が知らなかっただけで、当然耳の早い人たちはそれこそ彼女のツイッターをとっくにフォローしてたりするわけで。その辺も含めて、タワレコに関しては「ウェブで顕在化した動きをリアルな場に定着させる」みたいな役割になってる気はするよね。自分たち主導で音源を出してるTパレの人たちだって、店舗から火がつくって感じでもない気がするし」

司会者「仮にそうだったとして、ある種バーチャルな空間に漂っている空気感をタンジブルなものにするってのは意味があることだと思いますよ」

レジー「それはそうね。それにJET SETみたいなところだと、店舗発で盛り上がるものもあるだろうし。で、ここまでの話のミソは、結局どこにもいわゆるマスメディアが介在してないってことだわな」

司会者「テレビも雑誌も出てきませんね」

レジー「ここに関しては、現状それなりに音楽に接してると、マスサイズのメディアは「音楽に関するドラマ」を楽しむことはできても「音楽に関する新しい出会い」はあまり起こらないというのが最近の実感です。直近でいうとMJのNegiccoとかMステのエビ中とかインパクトある話があったけど、あれって別に「新しい出会い」じゃないもんね。雑誌はどうだろうなあ」

司会者「レビューで初めて知ったアーティストについてYouTubeで探してみる、みたいな行動パターンはあるんじゃないですか」

レジー「それはあるよね。自分もやってるし。ただ、さっき「新しいものを聴くきっかけとしてのレコメンド」って話をしたけど、そういう観点で見たときに今のインタビュー記事主体の構成が「レコメンド」という機能を果たしてるかはよくわからんよね。知らない人たちのインタビューを読むのか、って感じもするし。それで言うとMUSICAもJAPANも年末年始にやってたようなニューカマーの紹介特集とかそういうのがいいのかな。とは言えそれも結局場合によってはネットの後追いになってたりするわけで」

司会者「これに関しても、さっきのウェブと店舗の関係と同じかもしれないですね。一次情報がわんさかあるウェブの情報を形あるものに定着させるっていうのが今の役割なのかも」

レジー「そうねえ。この辺は改めてちゃんと整理したいな。結局「音楽の楽しみ方」に関する従来型メディアとウェブの関係って誰も正しく把握してないような気がしてきた。ちょうどこの前Lifeで「No Music, No Life?~音楽はいまどう聴かれているのか」っていうテーマをやってて、随所に面白い話や勉強になる話があったんだけど、タイトルの「どう聴かれているのか」って部分に関する考察は結構緩かったというかふわっとしてたなという印象があって。そんな状況もあり、とりあえず最近の自分の情報取得行動ベースで「未知の音楽とどのように出会うか」という部分について考えてみたんだけど、そこから転じて「未知の音楽と出会う、という視点でのいろいろなメディアの役割」みたいな話になったね」

司会者「想定してなかった場所に流れ着きましたね」

レジー「今の段階のざっくりした仮説は、「ムーブメントの苗木を作るのはウェブ空間における動き」「その動きは感度の高い人、もしくは小さな媒体の「レコメンド」によって浮上」「従来のメディア=テレビ、雑誌、店舗はその動きをそれぞれの場所でタンジブルな形にする役割(つまり“「ムーブメントの苗木」を作る役割”は今は持っていない)」みたいな感じかな。こういうマップを書けると、じゃあ今後音楽雑誌は音楽文化を豊かにするために何をしたらいいか、とか考えられるのでは」

司会者「足りないのはラジオ、フェス、あとは「手売り」の場所って感じでしょうか」

レジー「ちょっとこれはおいおいやっていこう。ただ単に「今はコミュニケーションを売る時代」みたいな話はもう5億回は聞いたので、そろそろその次のステップに議論を進めたいです。長くなったので今回はこんな感じで」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「思いのほか女子流の新しい曲が良かったからその辺の話するかもだけど、予定は未定でお願いします」






司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」

自分のライフステージの変化にベテランバンドの歩みを重ねる

立場が変わると音楽への態度も変わる

レジー「私事ですが、娘と暮らし始めて1週間ちょっと経ちました」

司会者「どうですか」

レジー「いやー、クソかわいいよ。ずっと眺めてられる。ブログとか書いてる場合じゃない」

司会者「おい」

レジー「当初の計画ではサイモン&ガーファンクルとカーペンターズ以外は聴かせずに育てようと思ってたんですけど」

司会者「なんですかそれは」

レジー「なんか素直な子どもに育ちそうでしょ」

司会者「はあ」

レジー「まあでもなかなかそんなわけにはいかず。リビングで流れる雑多な音楽やテレビ番組にまみれて日々成長していますよ」

司会者「好き嫌いとかあるんですか」

レジー「テレビって光って動くものだから全般的に反応するものなのかなと思いきや、この前WOWOWでやってた星野源のライブの録画見てたら特別に楽しそうに興奮してたよ。そういう人か君は、と何とも言えない気持ちになった」




司会者「偶然にしても出来すぎてますね。子ども生まれてまだそんなに時間は経ってませんが、何か価値観の変化とかはありましたか」

レジー「もちろんいろいろあるけど、この前自分でも面白かったのが、昔焼いたブルーレイを整理してたら08年の紅白のミスチルの映像が出てきて」

司会者「懐かしいですね」



レジー「「GIFT」ってそこまで好きな曲じゃないし、この演出はどっちかというと笑いながら見る感じだったんだけど、子ども抱っこしながら久々にこれ見てたら涙が止まらなくなってですね」

司会者「こういうのが刺さるようになったんですか」

レジー「理由はよくわかんないんだけど、ベタな表現の偉大さみたいなものをダイレクトに感じるようになったのかもしれない。なんなんだろうね、斜に構えることが面倒くさくなる瞬間があるというか。ちょっと話飛ぶかもですが、個人的には「音楽をたくさん聴く、掘り下げる」みたいな行為と「周囲との差異化競争」みたいな概念は絶対に切っても切れないと思っていて。どんなに「ピュアに音楽が好き」だと思ってる人であってもね」

司会者「ツイッターなんてまさにそういうものが可視化された場所ですよね」

レジー「うん。で、そういうのが急速にどうでもよくなってる実感はある」

司会者「それは音楽に興味がなくなっていくシグナルでは」

レジー「ちょっと前に博報堂の「生活定点」のデータが公開されてたけど、これ見ると「音楽の情報に関心があるかどうか」については昔から20代男性と30代男性で大きな断絶があることがわかるんだよね。ライフステージの変化の中でふるい落とされていく層が結構いるってことなんだろうなと。ただ、逆にそこで残った人の内実って、単なるサブカルゾンビだけではなくて変な自意識から解放されて自然に音楽を楽しんでる人も含まれてると思うんだよね。自分もうまくそうなっていくといいなあと。その辺は今までの好みとか態度に拘泥せず、流れに身を任せていきたいな」

司会者「このデータもよく見ると、20代男性と30代男性の差がだいぶ縮まってますね。96年だと-23%だったのが、14年だと-12%に」

レジー「若者の音楽に対する関心が減ってるというゆゆしき問題もあるけど、継続的に音楽を楽しめる環境が整いつつあるんだと思います。で、今回のエントリですが、自分のライフステージの変化の中で「昔から好きだったバンドの今の姿」にぐっとくることが最近多いという話をしたいなと。まずは自分の音楽の趣味に大きな影響を与えているこの世代の人たちの話題から」


枯れない97世代の現在地

司会者「昔から好きだったバンドというと、年末にトライセラのライブを見ましたね」

レジー「ツアーの追加公演がブリッツであって、当日券で行ったんだけどすごいよかったよ」







司会者「アルバムの素晴らしさをライブで堪能できましたね。アルバムに関しては去年の年間ベストでも選びましたが」

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レジー「何度でも言うけど、踊れるロックってほんとこういうことなんだよね。特にムーディーな「PUMPKIN」や、ちょっとセンチメンタルに始まってサビでばっと開ける「ポスターフレーム」が好きです。あとは「ふたつの窓」ね。「疑い合った日もあった」って歌詞が」

司会者「吉田佳史脱退の危機を乗り越えたからこそ沁みますね」

レジー「あのドキュメンタリー見たときはびっくりしたけど、この作品聴く限りでもう大丈夫ってことでいいのかな。また武道館で、って話をドキュメンタリー内で和田唱がしてたけど、ほんとこの人たちはもっと大きいところでバンバンやってしかるべきだから。年末に出たからってのもあるとは思うけど『SONGS FOR THE STARLIGHT』がそこまで話題になってないのもどうにも釈然としない。ロックキッズにこそ届いてほしいアルバムなんだけど。このアルバム買おうと思って渋谷のタワレコ行ったとき、1階で展開されてないのかなと思ってロック風味の若い男性店員に「トライセラトップスのアルバムどこですか?」って聞いたら「え?何のジャンルですか?」って言われたんですよ。お前CDショップで働くならトライセラくらい知っとけよ、という言葉が出かかったけどなんとかこらえた」

司会者「桜井和寿と共演したQuattro Formaggi「STAND BY ME」っていう大ネタもありましたしね今回のアルバムには」

レジー「ほんとそうだよ。あの曲に関しては、CD買ったファンのためのスペシャルなものにしたいって気持ちもわかる一方で、ネットで聴けるようにしてもっと評判呼ぶ形にしても良かったのになーと思った。もっと紹介したいのにもどかしい」

司会者「「STAND BY ME」の曲作りに関して和田唱のインタビューも出てました

レジー「桜井さんと音源とか歌詞を遠隔でやり取りしながら曲をくみ上げていった話がとても面白いんですが、特に印象的だったのはここ」

そうしたらこの曲、大サビがないことに気付いて。「桜井さん、大サビがあったほうがいいと思いません?」って言ったら。「そうだね、賛成」って。「作って」って言われたんで、またiPhoneのボイスメモで録音して送ったんです。そしたら「完璧! 天才!」って返事がきた。「よっしゃ! 天才いただいた!」って思いました(笑)。

司会者「桜井和寿が天才と評する和田唱」

レジー「この曲の大サビはほんとにこれぞ和田唱節だなーと思ってたので、これ読んだときには納得しまくりました。年間ベスト曲の記事にも書いたけどこれほんと素晴らしい曲なので、もっと大勢の人が聴いたらいいなあ」

司会者「和田唱絡みで言うと先日バイン田中和将との対談記事がアップされてましたね」

レジー「あれ面白かったよね。トライセラとバイン、あとドラゴンアッシュもだけど、この3つの「97世代」は僕にとっていわゆる「98世代」、くるり、スーパーカー、ナンバーガールよりも影響でかいので、感慨深い企画だった」

司会者「その辺のバンドが共演していたブラボーナイトの話も出てきます」

レジー「あとこのブログ的に関係があるのはこのあたり」

――当時のGRAPEVINEは「ポスト・ミスチル」って言われていましたよね。

田中:ああ、ありました。でも、それは逆に武器だって思った覚えがあるな。売れるもんなら売れるに越したことはないだろうっていうことは思ってたし。「ポスト・ミスチル」って言われたことに関しては「よっしゃ、言うとけ言うとけ」っていう感じでした。そんなにイラっともこなかったな。

司会者「ポストミスチルね。1023円企画の発端になってる話ですよね」

レジー「こういうインタビューとかでポストミスチル話に触れてるの初めて見た。てかバインの新しいアルバムめちゃくちゃいいよ」

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司会者「この『Burning tree』についてはMUSICAにレビュー書きましたね」

レジー「あっちにも書いたけど「MAWATA」が特に好きです。あとシングルの「Empty song」もかっこいいよね。抜けがいいというか」



司会者「でも考えてみたらバインに関しては継続的に聴いてるわけでもないですよね」

レジー「改めてディスコグラフィー見たら、ちゃんと追ってたのはアルバムだと『イデアの水槽』までだった。『イデアの水槽』が2003年で大学4年、次の『déraciné』が2005年。あとは聴いたり聴かなかったり」

司会者「なんか合わなくなったんですか」

レジー「というよりは、就職して時間も余裕もなくなったとかの方が大きそうだけど。でも何となく、あるときからバインのやってることを小難しいものに感じてちょっと遠ざかったってのもあるんだよね。ちょうどエルレとかに傾倒していく時期でもあり」

司会者「あー」

レジー「で、今回バインのレビュー書くにあたって、聴いてなかったアルバムもまとめてどさっと聴いたんだよね。そしたらどれもものすごいしっくりきて。なんでスルーしてたんだろうと。『Sing』とか超いいじゃん。ただ、リアルタイムで聴いたら反応してなかったかもしれない。実際『Sing』も一応聴いてはいたんだけど特に何も思わなかった記憶が」

司会者「好みも変わっていってるんですよねいろいろ」

レジー「バンドがキャリアを重ねて音が変わっていくのと一緒で、実は自分の好みも変わっていってるんだよね。単に新しいおいしそうなバンドを乗り換え乗り換え追いかけてるだけだと忘れがちな事実に思い当たりました」


GOING UNDER GROUNDが告げる「青春の終わり」

司会者「昔追ってたけど離れてしまったバンドの話で言うと、先月末にゴーイングアンダーグラウンドの渋谷公会堂ライブに行きましたね。ドラムの河野丈洋脱退ライブ」

レジー「ゴーイングは自分にとっての「通過してしまったバンド」の代表例なんだよね。『かよわきエナジー』も『ホーム』も聴きまくった」

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司会者「名盤ですね」

レジー「たびたび言うけど今のシーンの礎になってる作品のはずなんだけど。あと「トワイライト」の初披露がひたちなかで、号泣しながら聴いてたね」



司会者「03年のレイクですか」

レジー「当時はレイクでやったりCDJでもアースでやったり、わりとネクストブレイク的な位置づけだったよね。でもそこまで突き抜けずだったなあ。個人的にも作品が変わってもテーマとか音楽的な領域であまりポジティブな変化がない気がして徐々に聴かなくなっていった。それでもライブにはちょこちょこ行ってたんだけど」

司会者「今回のライブでも松本素生が「旅することとさよならすることしか歌わないバンドだなと改めて思った」なんて言ってましたね」

レジー「ただ、そういうテーマのバンドだからメンバーが抜けるみたいなライブに楽曲がものすごいはまるんだよね。オリジナルメンバーのよういっさんが抜けるライブ、09年の日比谷野音も行ったけどすごいグッとくるライブだった。で、今回も超良かった」

司会者「『かよわきエナジー』の1曲目のインスト「ある日、忘れものをとりに」から始まって、そのまま「センチメント・エキスプレス」に続きました」



レジー「この始まりだけで涙腺決壊だった。アンコールでよういっさんが出てきて「5人」のゴーイングで演奏したり、「トワイライト」の歌詞がこれから道を異にする丈さんとゴーイングのことを歌ってるみたいにも聴こえたし、「東京」の素生さんと丈さんのフレーズをお互い真似するみたいな掛け合いが終わってほしくない感じがしたり、心がぞわぞわするポイントがたくさんあったライブだった」

司会者「丈さんの脱退でゴーイングの青春は終わる、みたいなMCがありましたね。他にも歌いたいことがたくさんあると」

レジー「正直「青春を歌わないゴーイング」ってイメージつかないんだけど」

司会者「丈さんが抜けることでバンドとして新しいライフステージに入っていくんでしょうね。思春期にこだわっていたら今やりたいことができなくなってしまうというか」

レジー「そうね。あのMCはいろいろ思うところがあったよ。で、この辺の話を今の自分の心境に引き付けながらこのエントリのまとめ的なところに入っていきたいんですけど、やっぱり「青春」って終わるんですよ。この前noteに書いたけど、今って「青春」をいくらでも延長させられることができるんですよね。ただ、やっぱりそうやって生きていくのはどこか不自然だし、ツイッターでそういう不自然な人をいくらでも発見できるし、たぶん自分もその括りに入れられて全くおかしくないことをやってるし。最先端の音楽を知っていくことはほんとに楽しいけど、一方でそれにばかりとらわれることで何か失われるものがあるんじゃないか、カッティングエッジを志向するあまりに自分の生理にぴったり合う音楽を結果的に逃してるんじゃないかってのは去年の終わりくらいからよく考えるようになりました。で、自分が昔から好きだった人たちが単に「若くて時流に乗ってて」というのとはまた違う形で輝いているのを見て、こういう人たちの音楽こそ今の自分には必要なのかなとか思ったり」

司会者「大人には大人の聴くべき音楽があると」

レジー「んー、そういう言い方をしちゃうとそれこそ「大人のロック!」の世界になっちゃうからちょっと違うんだけどね。別に今週もボールズ見に行ってShiggy Jr.とパスピエ見に行くわけで、そういうスタイル自体は変わらないんだけど」

司会者「単なる保守化とは違うところでどうバランスをとるかは難しいですね」

レジー「ここは2つ前のエントリの「手癖で音楽を聴いていないか?」っていう自分への問いにつながるかな。「ジャンルの幅」だけじゃなくて、「時代の幅」というか。自分が年を重ねたように昔好きだったバンドも年を重ねていて、それによってますます自分にマッチした音楽をやってくれているのを見落とさないようにしたいなと。日本のポップミュージックの文化は若いバンドだけで作られてるわけじゃないし、その価値をちゃんと理解できるのも自分が年を重ねたがゆえの特権だったりするから。環境とか心境とかが変わる中で最大限楽しむにはどうしたらいいかってのは日々模索しながらやっていきたいですな。今回はこんな感じで」

司会者「わかりました。次回はどうしますか」

レジー「予定通りなら1023円企画かな。2月中にいければ」

司会者「できるだけ早め更新を期待しています」

「音楽」と「クラブ」と「ダンス」、それから「夜」と「昼」の話

レジー「ちょっと旧聞に属する話になりましたが、先日Eテレでやってた宇野常寛さんのドキュメンタリーを見ました」

司会者「10°CAFEのイベントのシーンでちらっと見切れてませんでしたか」

レジー「なんかそんなような感じもしたね。あのとき初めて宇野さんにご挨拶して、「もっと怖そうな人想像してたけどいい人そうで安心した」と言われました。どんなイメージだったんだろう。しかし天下のNHK様が密着取材ですよ。もはや有名人ですね」

司会者「もうすぐ「文化系時評アーカイブス」、去年のコンテンツ回りに関するレビューや評論をまとめたものが発売になりますね」

レジー「剛力さんが表紙の前回のやつも購入しましたが、あまり明るくないジャンルについても取り上げられてる作品を眺めるだけで何となくの雰囲気がわかっていいですね」



司会者「前回の「音楽」ジャンルについては、他ジャンルが新録の座談会が掲載されている中、「夏休みの終わりに」に載っていた「今、音楽批評は何を語るべきか?」が再録されてるだけでした。弊ブログで何度か引用している座談会です」

レジー「あれは残念だったなあ」

司会者「今回は新たに座談会を収録したようですね」










レジー「面白そうなので楽しみに待ってます」

司会者「その宇野さんですが、明日深夜に放送される2月のLifeに出演されるようですね。テーマは「夜遊びのゆくえ」ということで、予告編もアップされています

レジー「今出てる「PLANETS Vol.8」でも「僕たちは〈夜の世界〉を生きている」なんていうテーゼを掲げてるし、それ以前からも「東京は夜遊びのバリエーションが少ない(たとえば香港と比較して)」みたいなことを発言してたからそれ関連ってことなんだろうね」



司会者「予告編でもちらっと出てましたが、風営法、クラブ規制の問題についても話がおよびそうなので普段Life聴かない音楽好きな方にも関連する内容かと」

レジー「僕はいつも通りポッドキャストで聴く予定。風営法問題は僕も含めてだけどもうちょっとちゃんと理解した方がいいよね。この前も有名ミュージシャンがものすごーく単純化したツイートを流して「またかよ」って感じで辟易したんですけど。とりあえず磯部涼さんの「踊ってはいけない国、日本」を読むのがいいと思います」



司会者「この内容についてライムスター宇多丸さんと語ったポッドキャストがあったのですが、番組の方針変更で過去アーカイブが削除されて聴けなくなってしまいました」

レジー「あれほんと困っちゃうよね。まあそれはいいや。磯部さんの本にこんな一節があるんですけど」

陰謀論めいたものも含め、無数の憶測を耳にしたが、正直、本当のところは分からない。というか、むしろ、様々な理由が絡み合っていると考えるのが妥当だろう。サブ・カルチャーがカウンター・カルチャーを気取るときに陥りがちなのが、分かりやすい“敵”を想定することで問題の本質を見失ってしまうことだ。現実はもっと複雑である。

司会者「ライムスター「The Choice Is Yours」の内容に通じる話ですね」



レジー「うん。この辺りはちゃんと自分で情報をとっていくしかないよね。で、Lifeの予告編で黒幕こと長谷川プロデューサーが言ってたことが印象的でした」

学生の頃、クラブに行って夜明けごろ朝出てくると都心のビル街も昼間とは全然違う風景になっている。この「大人たちのいない空間が広がっている感じ」「夜を生きる者、みたいな感じ」にうきうきするところがあった。

司会者「あー」

レジー「この感じはすごいわかるんですよ。喧騒から抜けて、まだ寝静まってる街に放り出される感じね。壊れたビニール傘が散らばっててカラスが飛んでるようなちょっとグロテスクな光景も妙に神聖に見えたりするんだよなあ」

司会者「クラブとか行ってるんですか」

レジー「いやー最近は全く行ってないですね。直近で行ったの何年前だろうって感じ。大学生のころ、特に1、2年生の時はたまに行ってました。初めて行ったのは大学入りたての5月の連休だったと思う」

司会者「渋谷のエイジアで定期的にやってた「BUZZ NIGHT」ですね」

レジー「高校の友達と2人で行って、一晩いてくたくたになって外に出たら似たような状況になってる同じ高校の友人がいて何とも言えない気持ちになった記憶があります」

司会者「まだ未成年ですよね」

レジー「うん。当時は大したIDチェックもなかったしゆるい時代だった。普通に酒も買えたし。2000年かあれ」

司会者「「BUZZ NIGHT」はその後何度か行きましたね」

レジー「当時はBUZZの熱心な読者だったからなあ。鹿野さんのDJ楽しかったよ。ロック系からダンスミュージックまで幅広く流してて」

司会者「鹿野さんDJはいろんなところで体験してますよね」

レジー「うん。新宿時代のリキッドでやってたLIVE JAPANは何度か行ったなあ。あれはオールナイトではないか。何か高円寺とか下北沢のイベントでも見た気がする」

司会者「そんな人を派手にディスって話題になるとは思いませんでしたね

レジー「そうねえ。この前ブックオフで昔のBUZZを買ったら、2001年1月号に鹿野さんがこんなこと書いてるの発見したんですよ」

秩序の中に偶然が生まれた瞬間。これはアートの本質であるとともに、LOVEの全てでもある

司会者「あれ?」

レジー「これはアンダーワールドについて書いた文章なんですけど、この内容ってアイドルにもまさにあてはまる話なのになーと思いながら読みました。「BUZZ NIGHT」でもアンダーワールドよくかかってた思い出がある」

司会者「当時は他にどんなのがかかってたんですか」

レジー「そうねえ。特に記憶に残ってるのはダフトパンクかなあ」

司会者「ワンモアタイムね」



レジー「うわーこれ懐かしいなあ。特にPV」

司会者「松本零士ですね」

レジー「この途中でブレイクするところがほんとかっこいい。これ入ってるアルバムは聴き込みましたよ。あとはサニーデイの「魔法」とか」



司会者「素敵」

レジー「この曲は「夜遊び」ってイメージとぴったりリンクしますわ。サニーデイの最後のシングルです」

司会者「スギウラムがプロデュースでクレジットされますが、スギウラムの曲も盛り上がるタイミングでよくかかってましたね」

レジー「そうね。この曲とか。何かアニメと組み合わせた動画しか発見できなかったんですけど気にしないでください」



司会者「ちょっと時代を感じる音ではありますがかっこいいですね」

レジー「うん。爆音でこういう音楽浴びてると何か自分が特別な存在になれたような気がしてたんだと思います」

司会者「クラブっていうと何か怖そうみたいなイメージの人もいそうですがそのあたりはどうですか」

レジー「箱やイベントによるんじゃないかなー。僕自身そういう「怖い経験」ってのはしたことないけど。ナンパするために行くみたいなところはまたちょっと違うんだろうけどね」

司会者「そういう浮ついた話はありましたか」

レジー「いやー全然ないですよ。前ここでも書いたけど、「一人でいる女の人に話しかけてたら実はその人がゲストDJで来てたロッキングオン兵庫さんの連れだったみたいでイベント終了後すごい睨まれた」くらいですねエピソードは」

司会者「ケンカにならなくて良かったですね」

レジー「あれは何かへこんだわ。そう言えばいつか忘れたけど「Getting Better」行ったとき「そのTシャツ可愛いね」って女の子に話しかけられたのをふいに思い出した。あれそういうやつだったのかな」

司会者「がっつきが足りないですね」

レジー「「知らない人と話す」っていうモードでクラブ行ってなかったからなんかめんどくさくなっちゃうんだよねきっと。でかい音楽鳴ってる空間で体揺らしてること自体が楽しかったから。で、「でかい音楽鳴ってる空間で体揺らすこと自体が楽しい」ってのがわりと本質的なことだよねっていう動画を最近見つけたんですけど。数年前のものですが」



司会者「これは」

レジー「おそらくこの子たちは「クラブカルチャー」なんて知らないだろうし「こういう場所にいる俺かっこいい」みたいな意識もないだろうし、それでもこういう環境に放り込まれると体が動き出しちゃう本能みたいなのを兼ね備えてる人たちが結構いるんだろうなあと思いました」

司会者「中には耳塞いで突っ立ってる子もいますけど」

レジー「そうね。だから「体が動き出しちゃう本能」を持ってる人もいれば「自然とネガな反応を示す本能」を持ってる人もいるんだなあと。ナイトクラブ規制の話も、突き詰めていくと「耳塞いで突っ立ってる」側の人たちの「理屈じゃない拒否反応」ってことかもしれないなあとか思いました」

司会者「誰かがこの動画について「これこそ為政者たちが恐れていることなのではないか」みたいなこと書いてましたね」

レジー「「化学反応みたいで何故か怖い」ってコメントがついてたんだけど、国を統治する人からすると「自分たちが拠って立つものとは全く異なる論理」で「人々が勝手に集まって体を動かしている」って時点で脅威を感じるものなのかもしれないよね。だからと言って規制していいかってのはもちろん全く別の話です」

司会者「最近だとダイノジも「キッズジャイアン」なんてイベントをやっているようですね」

レジー「これすごいいいよねえ。ちゃんとショー仕立てにして子どもでも楽しめるように、つまり「耳塞いで突っ立っちゃう」子を作らないように工夫してるわけで。しかしこの前のブログ記事もそうだけど、「音楽が今置かれている状況を受け止めていろんなことにトライする」ってことを一番やってるのがダイノジ大谷さんなんじゃないかと思うわ。頭が下がります」

司会者「ほんとそうですね。ぼちぼちまとめに入りたいのですが、そもそも最近の音楽好きな若い人ってクラブとか行くんですかねえ」

レジー「どうなんだろうね。そもそも「音楽好きな若い人」が減ってるだろうし。ジャンル別の細分化みたいなことはどんどん進んでるだろうから、元気なイベントももちろんあるんだろうけど。でね、僕大学入りたての5月にBUZZ NIGHT行ったってさっき書きましたけど、これって高校生のころから「大学入ったらクラブとか行ってみたい!」って思ってたからなんですよ」

司会者「なんか「かっこいい音楽があるかっこいい大人の遊び場」みたいなイメージはありましたよね」

レジー「うん。「ずっと音楽が流れてる」とか「ライブじゃなくてDJ」とか「音楽好きな人が集まって爆音の中で踊る」とかいくつかキーワードがあって。で、こういうのっていまや「クラブ」じゃなくて「フェス」が提供するものになっているような気がするんですよ」

司会者「あーなるほど。「高校出たらクラブ行きたい!」が「高校出たら夏フェス行きたい!」に置き換わってるんだ」

レジー「そういう側面ってあるんじゃないかなあと。で、フェスはオールナイトのものもありますけど多くは朝から夜まで、つまり「昼」に行われるものですよね。音楽がフィジカルに発信される象徴的な記号が「夜」から「昼」に移り変わったと。ちょうど磯部さんの本でも引用されてたキックザカンクルーの「GOOD TIME!」って曲があって、これさっきあげた曲と同じくらいの時期のもので結構好きなんですけど、こんな歌詞がありまして」

万華鏡みたいなミラーボールが月の代わり 
太陽のない国の灯り




司会者「今は逆に「太陽がミラーボールの代わり」ってのがシーンの風景なんでしょうね」

レジー「そうね。それを「開かれた場所に解放された」と捉えるのか、「お行儀の良い世界に引っ張り出されてしまった」と捉えるのか、それはその人の音楽に対する価値観や距離感によりますね。ここはどっちも善し悪しある話だと思うので、結論は読んでいただけた方に投げかける感じで終わりたいと思います」

司会者「わかりました。では次回はどうしますか」

レジー「そうですね、ちょっと次回にやるかは分かんないんですが、最近の音楽シーンの環境について説明してるであろう本がいくつか出るみたいで」




  


司会者「「ソーシャル化する音楽」は目次見る限りかなり読みごたえありそうですね

レジー「そのあたりについて取り上げる準備をしていきたいと思います。別のネタは随時」

司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」
音楽に関する文章をウェブメディア・雑誌や個人ブログに書きつつ、会社ではそういうのとは関係のない仕事をしています。ツイートは音楽、アイドル、Jリーグ(柏レイソル)、読書など。12月11日に本出ます。https://t.co/Ql6NrdnKb4 お仕事のご依頼などご連絡は下記リンクからお気軽にどうぞ




 

 

 

 

 

 

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