レジー「急に寒くなってきたよね。まだ年末って感じしないんだけど」
司会者「去年はこのくらいの時期から年間ベストの発表を始めてます」
レジー「そうね。今年はもうちょっと後ろになると思います。で、今回は年間ベストにさきがけて今年のアイドル周りの個人的総括をしたいなと。去年と同じく「アイドル楽曲大賞」に投票したので、そちらの話を起点にやります。ちょうど投票締め切られた感じですかね」
司会者「楽曲のメジャーとインディーズ、あとアルバムと推し箱、4つの部門がありました」
レジー「順を追ってやっていきます。あ、そういえば去年投票した時もそうだったんだけど、なんとなくPerfumeは除外してます。アイドルとは言えこの中で比較することになんとなく違和感があるので。同様の理由で清竜人25にも入れませんでした。そのあたり踏まえて、まずはメジャー楽曲部門から」
【メジャー楽曲部門】
1. サクラあっぱれーしょん/でんぱ組.inc
2. FRESH!!!/lyrical school
3. ななななのんのん/ななのん
4. ラブラドール・レトリバー/AKB48
5. LADY POWER/Lucky Color’s
司会者「でんぱ組が1位ですか」
レジー「今までこの人たちの曲いいと思ったことあんまりなかったんだけど、これはほんとにかっこいいよね。作者の玉屋2060%のやってるWiennersのアルバムも超よかったです。でんぱの話でいうと、直近の曲でアナログとかカセットとか出してて、なんかこう「狙い撃ち」感がすごいなと思った」
司会者「アナログレコードやカセットを聴く人の層って限られてますよね」
レジー「「アイドル」と「サブカル」の邂逅みたいな話は何年も前からある話だけど、今年はでんぱのこの売り方とかNegiccoが新しいシングルでShiggy Jr.やayUtokiOと絡んだりとか、「インディー」と呼ばれる場所にダイレクトに接近していく感じがあった気がします。来年以降どうなるのかな。2位のリリスクはtofubeats、3位のななのんは小西さんと鉄板の人たちの曲です。ななのんはインパクトあったなー」
司会者「あとはAKBの総選挙シングルが4位ですか」
レジー「選挙用に5枚買いましたけどこれはいい曲だと思いますよ。シルヴィバルタン風味」
司会者「そして5位にラッキーカラーズ」
レジー「最初インディーズ部門で探してたんだけどこっちにあった。これのおかげでキャラメルリボンの“ファーストシークレット”入れられなかったんだけど、今年はラッキーカラーズ外せないです。TIFでの運命の出会い。曲もよっしゃいくぞ系じゃなくてよい。続いてインディーズ部門」
【インディーズ/地方アイドル楽曲部門】
1. じゃじゃ馬と呼ばないで/GALETTe
2. 踊ろよ、フィッシュ/つりビット
3. Prismic Step/クルミクロニクル
4. 生きろ!!/ゆるめるモ!
5. Eye of the Wise/FantaRhyme
司会者「1位は福岡のGALETTeです」
レジー「これは確かガリバーさんのツイートで見たのかな。イントロからもう間違いないって感じで。さっきちょっと触れたキャラメルリボンもそうなんだけど、個人的にはこのあたりの「ディスコテイスト」からはドリカムの匂いを感じます。最近のアイドルソングとドリカムって結構つながってる気がする、と去年くらいから思ってるところです」
司会者「2位のつりビットは山下達郎のカバーです」
レジー「CDジャーナルの対談でも取り上げたけどこの夏感が素晴らしい。これもさっき言った「インディーへの接近」の一つと捉えてもいいのかしら。そのうち“風をあつめて”カバーするアイドルとか出てきそうだな。もういてもおかしくはないけど。クルミクロニクルはちゃんと受験終わらせてバリバリ活動してほしいです」
司会者「4位のゆるめるモ!はどうですか」
レジー「今年1回だけ見たんだけどそのときのあのちゃんのインパクトがすごかった。カリスマ性あるよね彼女。全然やる気なさそうだったけど目が離せなかったです。あとツイッターで流れてくる写真にかわいいのが多い。5位のファンタライムは、4月に表参道で見たNegiccoとの対バンがめちゃくちゃよかった。面白いことやってる人たちだと思うんだけどなかなか火がつかなくてもどかしい。夏場にインストアで見たときも「私たち売れてません」みたいなMCがあっていろいろしんどい部分もあるんだろうけど、あんまりそういうこと言わないでほしいなあとか思った。地方のグループがサステナブルにやっていけるか、みたいな話はこれからのアイドルシーンの論点になっていくよね」
司会者「なるほど。そんな感じで続いてアルバム部門に行きましょうか」
レジー「これ選んでて今年あんまりアイドルのアルバム聴いてないんだなと気づきました」
【アルバム部門】
1. Killing Me Softly/東京女子流
2. ひまつぶし/チームしゃちほこ
3. MAGI9 PLAYLAND/9nine
司会者「女子流が1位ですね」
レジー「これは文句なし。大復活って感じですか。そのあたりはこちらのエントリに書いてます」
司会者「結構広がりましたよねこの記事」
レジー「ねえ。あのエントリについて「レジーのブログから端を発した楽曲派論争」みたいなこと書いてあるの見たんだけど、論争になってたとは知らなかった。あそこの試算についてそんなわけないみたいな反応もあったけど結局その後具体的な反証とかあったのかしら。しゃちほこに関しては、スタダに関与のない僕としては思いのほか良かったって感じだったけど、エビ中もアルバム楽しかったしアルバム単位でものを考えてる人たちなんだろうか」
司会者「9nineについてはどうですか」
レジー「うーん、実は一長一短あるアルバムだなあとは思ったんだけど」
9nine『MAGI9 PLAYLAND』やっとこさ聴いたけど、ここまでわかりやすくEDMに振ってくるとは思わなかった。“With You/With Me”のアルバムバージョンとか顕著。この手の音楽が持つ爽快さと(個人的好みとしては)拭い切れない単調さが同居してる作品
— レジー (@regista13) June 23, 2014
司会者「EDMに思い切って寄せてきましたよね」
レジー「リリース前の中野サンプラザのライブがアイドル関係なく今年のベストライブの1つだったってのもあり、合わせ技一本で。武道館も行ったけどそっちはいろいろ内容的に気になる部分たくさんありました。リベンジのチャンスがあるといいのですが。で、最後に推し箱部門」
【推し箱部門】
HKT48
司会者「たくさんいる中からHKTですか。ここまで全く出てきてないのに」
レジー「これはあんまり曲とか関係ないというか、音楽的には48の中でも一番興味ないね今のところ。TIFのライブもはるっぴ筆頭に良かったけど、それよりもタレント的な部分でって感じですね」
司会者「アイドル「楽曲」大賞なのにね」
レジー「いいのいいの。9nineのアルバムが最高だったら9nineにしてたんだけどね。女子流でもよかったんだが、結局キャラで選んでしまった。48グループはテレビいっぱい出てるからやっぱり距離が近くなるよね。なんだかんだでおでかけは毎週見てるし。アイドル楽曲大賞についてはこんな感じです」
司会者「わかりました。他に今年のアイドル関連で何か振り返っておきたいことがあれば」
レジー「んー、とりあえずTIFが今年も最高だったって話でしょ」
司会者「それはただ楽しかったーでしかないと思うので触れないでいいです」
レジー「あとはそうですね、ことさらに「アイドルブーム」とか言われなくなったじゃないですか。AKB自体も失速してるみたいに言われて、ある一面では事実なんだろうし。シーンとしてのバブル的な盛り上がりがなくなったあとにどうなっていくのか、武道館はやったはいいけどその後続いていくのか、みたいな課題はここからどんどん出てくるよね。で、ここから次回の予告なんですけど、ここまでちょこちょこ話してきたような「アイドルというものを取り巻く最近の空気感」について、『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』の著者である香月孝史さんにインタビューしてきました」
司会者「あの本面白いですよね」
レジー「アイドル好きな人は今年必読の1冊ですね。というわけで、次回から2回にわたって香月さんとのアイドル談義、アイドル論のあり方から昨今のアイドルというものの条件や今後のアイドル文化の進むべき方向、さらには清竜人25とは何なのか?みたいな話をお届けします。しばしお待ちください」
司会者「できるだけ早めの更新を期待しています」