2014.4.27-T-DATC夜間試運転-係員待機2014.4.27-T-DATC夜間試運転-試運転2本目2014.4.27-T-DATC夜間試運転-試運転1本目51004F2014.4.27-T-DATC夜間試運転-試運転3本目11003F2014.4.27-T-DATC夜間試運転-試運転4本目81111F

東武鉄道は2014年4月12日から、川越市〜小川町間で、火・木・土曜日の終電後から翌日の初電前までの間にT-DATC(自動列車制御装置)の各種機能確認試験と乗務員の習熟訓練を目的とした試運転列車の運行を開始しました。
その試運転列車の様子を4月26日終電後(4月27日未明)に観察しました。
この日の試運転列車は確認できた範囲で4本。そのうち3本は川越市駅夜間滞泊列車を使用、1本は森林公園検修区からの列車でした。
ホームを見ると、この日の終電の3395レ到着前のホームには複数の東武鉄道の背広組係員と技術係員と乗務員が待機してました。まずは当日の112レ充当列車だった11642F+11438Fが3番線→引上線→1番線の順で入替。同時に試運転1本目になる当日の3395レ充当列車だった51004Fが2番線に入線。最終列車が川越市駅に到着してしばらくすると、下り方信号機が消灯。その後午前1時10分頃51004Fが出発、その2分続行で11642F+11438Fが出発しました。次に当日の3393レ充当列車で試運転3本目になる11003Fが引上線→2番線の順で入替し出発。試運転列車はこの3本と思い帰路に就こうとした所で、踏切が鳴動し下り方を見ると、81111Fが4番線に入線しました。到着後引上線→1番線の順で入替、入替は10両停車位置で停止し、その後81111Fは出発していきました。


ここでT-DATCについて触れたいと思います。
2006年に改訂された国土交通省の「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」では、曲線・分岐器・線路終端等に列車が進入する際に、安全上支障のない速度まで自動的に列車を減速させることができる装置の導入が義務付けられました。
これを受けて鉄道各社は、速度超過防止用ATSの整備を進めましたが、一部の会社・路線では現行ダイヤ維持を目的に運転保安装置の機能向上や更新を発表してます。
2008年度事業計画で明らかになった、東上線池袋〜小川町間のT-DATC化はこの省令改正に対応した保安装置更新の1つです。発表当初は2012年までの導入を予定してましたが、その後導入を3年延期して、2015年の導入を目指し、車両・地上双方の整備を進めてます。

東上線に導入するT-DATCは、レール伝送とトランスポンダ伝送の双方を併用したデジタル型車上演算式一段ブレーキ制御のATCです。
鉄道業界誌の記事によるとT-DATCは、枕木方向に設置したトランスポンダ地上子(無電源地上子)から線路情報が送信される為、工事等の線路情報更新の際は、該当区間の地上子電文情報を変更することで装置の簡素化が可能で、トランスポンダの機能を活用し、停車駅の誤通過防護・車両扉誤開扉防止等への拡張性も持たせた仕様です。
車上装置は、トランスポンダ伝送で区間距離・勾配等の線路情報を、レール伝送で速度情報や開通区間等をそれぞれ受信し、停止信号区間の終端までに停止する速度照査パターンを作成。これにより、現状の閉そく割を大幅に変更することなく一段ブレーキ制御を実現することが可能になります。カーブ等の速度制限区間には、速度制限用トランスポンダを設置し、トランスポンダ伝送・レール伝送双方から受信する速度制限情報により、現状の軌道回路を変更しないで、速度制限パターンを作成します。
T-DATCは先述したように、トランスポンダ地上子から線路情報が送信される為、車上データベースが不要で、今後の更新時、相直他社の車両に更新要請が必要無い所も特徴です。

T-DATC導入に関する夜間試運転を見て、東上線の線路上から信号機が姿を消す日が近づいてきたことを改めて実感しました。東武鉄道が発表した「東武東上線夜間試運転列車のお知らせ」によると、この夜間試運転は2014年12月末まで実施するそうです。