はじめに

 9月になりましたね。月日が流れるのも、あっという間です。子供たちの夏休みも終わりました。同時に急速に涼しくなりました。もちろん暑いのは困るのですが、朝晩の寒暖差が激しいのも困りものです。常に長袖を準備して、寒さ対策にも力を入れましょう。9月が終わり10月になると、3日目に私は50歳になります。死に一歩近づきます。

 

 さて、今回のタイトルは「蘇えりし者たち」という微妙なタイトルで、おそらくこの元ネタは『レヴェナント 蘇えりし者』(2015年、アメリカ。主演:レオナルド・ディカプリオ)ではないかと思われます。しかし、個人的には2003年の日本映画『黄泉がえり』であって欲しいと思っています。理由は実に簡単で、主役ではないのですが、私が好きな石田ゆり子が出演してるからにほかなりません。

 

 しかも、彼女は昭和44年(1969)10月3日のお生まれで、誕生日は私と同じです。何か運命的なものを(勝手に)感じます。

 

 さて、今回はおもしろかったのでしょうか!!!

 

龍雲丸、万事休す

 前回の続きです。大沢氏の守る堀江城は戦場と化し、家康(役・阿部サダヲ)は城に拉致された領民を助けることを約束しましたが、それは反故にされます。早々に船で逃げ出そうとした龍雲丸(役・柳楽優弥)は領民を見殺しにできず、城へ戻ったのですが、徳川軍の裏切りにより仲間が次々と討たれてしまいます。そして、龍雲丸も仲間を助けようとして、背後から敵に刺されてしまいました。

 

 ここまであまり書いてきませんでしたが、家康の描き方には非常に疑問を感じています。今回の大河における家康は、実におどおどしていて武将らしくなく、それなりに自分の考えはあるようですが、最後は家臣の意見に押し切られてしまいます。「実は家康は良い人なんだ」ということをアピールしたいようなのですが、これは地元(静岡県)への配慮なのでしょうか?

 

 結局、堀江城の攻撃(特に、気賀の領民たちをもろともに討ってしまうこと)に関しては、家康の意向ではなく、家臣の意見に押し切られた形になっています。要は、家康はまともに判断できないという前提ですね。本当にこんなことでいいのかと思ってしまいましたが・・・。

 

 戦いが終わり、直虎(役・柴咲コウ)ら井伊家の人々は堀江城へ駆け付け、生きている者がいないのか必死に探索をしました。すると、直虎は龍雲丸を発見し、息があることを確認します。そして、皆の力を借りて、龍潭寺へと運び込みます。

 

 龍雲丸というのは架空の人物ですが、一説によると、永禄12年(1569)の堀江城の戦いで、1,700人の農民らとともに城に籠って戦った、新田友作ではないかと指摘されています(堀川一揆)。つまり、友作は大沢方だったのですね。戦いの結果、ドラマと同じく大沢氏は敗北し、友作は逃亡したものの、10年後に見つかって処刑されたといわれています。

 

 とにもかくにも龍雲丸は瀕死の重傷を負っているので、直虎たちは必死に看病をします。大量の出血があるので、龍雲丸の口から血止めの薬を飲ませようとしますが、口元からダラダラと薬が流れて、うまく飲むことができません。そこで、直虎は薬を口に含むと、そのまま龍雲丸に口移しで薬を飲ませました。以後も、直虎は龍雲丸の体にぴたりと寄り添うなど、献身的な看護をします。

 

 これまでの直虎の淡いラブ・ロマンスは、政次(役・高橋一生)に対するものがメインで、龍雲丸については、多少そうしたものを感じる程度の演出でした。しかし、政次が死んでしまったので、誰かに恋愛感情を抱かせないといけません。そこで、龍雲丸が相手として選ばれたのでしょう。先述した友作は10年後に見つけられて処刑されたそうですが、おそらく直虎と龍雲丸の淡いラブ・ロマンスはこのまま続き、どこかの場面で龍雲丸が非業の死を遂げるのだろう、とオジサンは考えています。

 

 ついでに申しますと、この頃の医療はさほど発達していません。薬といっても民間療法的な薬草などが主で、瀕死の重傷を負った人に対して、どこまで効果があったのかは疑問です(軽いケガは別でしょうが)。むしろ、意識がないような重篤な人については、加持祈祷がメインだったのではないでしょうか。ただひたすら神仏に祈るしか、手段がなかったように思います。

 

 結局、龍雲丸は蘇生し、南溪(役・小林薫)が口移しで薬を飲ませてくれたから助かった、と嘘を聞かされます。まあ、助かったのだから、めでたし、めでたしというところでしょう。

 

人の良い直虎

 何とか龍雲丸は助かりましたが、今度は直虎のもとに少年が訪ねてきました。この少年は「井伊谷三人衆」の鈴木重時の息子・重好です。堀江城の戦いで重時は戦死しました。重好はその菩提を弔うべく、直虎にお経をあげてほしいと依頼にやって来たのでした。本来なら、重時は近藤とともに政次を陥れたので噴飯ものです。しかし、重時には反省の気持ちがあり、政次が処刑されたあと、辞世を持参したほどです。

 

 直虎は生前の重時の言葉(=直虎の歌う様な経を聞いてみたい)と重好の熱意にほだされ、お経を唱えることにします。良い人ですね。

 

 その後、近藤の手の者が訪ねてきました。最初、龍雲丸が捕らえられるのかと焦りますが、そうではなく別に用件があるようです。それは、近藤の屋敷に重病人がいるので、診てもらえないかということでした。お互いに敵対関係にあるので、何とも不可思議な話です。

 

 直虎が訪ねてみると、なんと件の重病人とは「井伊谷三人衆」の近藤その人でした。近藤は堀江城の戦いで足に大怪我をし、もはや手に負えないような状況になったのです。そこで、直虎を頼ったわけです。直虎は近藤を一瞥すると、小刀を取り出しました。近藤は「殺すつもりか!」と怯みますが、そうではなく包帯らしきものを割き、治療をするのでした。直虎は良い人ですね。

 

 一方、氏真(役・尾上松也)と家康が和睦をすべく面会しています。ここで、氏真は家康に対して、戦争ではなく蹴鞠で決着がつけばよいのにと、とんでもないことを言います。たしかに、現在でも世界中のどこかの国で戦争は行われており、人々が苦しんでいるのは事実です。

 

 それゆえ戦争ではなく、スポーツ(オリンピックやワールドカップなど)で正々堂々と戦おうじゃないか、ということだと思います。つまり、氏真の発想というのは、「お互いに死ぬか生きるかの戦争は止めて、スポーツで代用しよう」になると思います。もうグウの音も出ませんね。

 

 ついでに言うと、家康も戦いたくないのだが、そういう状況に追い込まれてしまうのだ、と申します。まあ、たしかにそういう側面がないとは言えないのですが、「俺たちはみんな犠牲者だ」という偽善的な発想はまったく感心しません。ドラマ全体がそういう流れになりつつあります。つまり、登場人物が自らの責任を放棄し、「ほかに問題があったから、こうなってしまった」ということになっています。人のせいにしているわけです。

 

おわりに

 ほかにあげるとしたら、亥之助と直久の碁になりましょう。二人の勝負は互角ですが、それは互いの手筋が亡き政次と同じだからだと言います。二人は政次から碁を習っていたので、そうなったわけですね。私は碁をしないのですが、そんなものなのでしょうか?

 

 また、瀬戸方久(役・ムロツヨシ)は、頭を剃って僧侶になりました。彼の言い分によると、戦道具を売って金儲けをするのではなく、今度は薬を売って金儲けをしようと。ご自由にどうぞ。

 

 結局はいろいろな話が出てくるのですが、やはり話のモチーフのようなものが相変わらず理解できず、みているものの心を捉えていない気がします。普通の平凡なドラマですね。あっと驚く演出や見応える場面が欲しいというのは、変わらぬ要望です。ただ、ひたすらダラダラと続いているような気がします。

 

 今回の視聴率は、11.3%と0.1%だけ上昇しました。相変わらず低調です。前回は「24時間テレビ」が原因で視聴率が低かったのですが、今回の原因は何だったのでしょうか? 実は裏番組のテレビ東京系特別番組「緊急SOS!超巨大怪物が出た!出た!池の水ぜんぶ抜く大作戦4」の視聴率11・8%が影響したようです?

<了>


洋泉社歴史総合サイト

歴史REALWEBはこちらから!
yosensha_banner_20130607