最近RELAY OF LIFE STOCKのWEBサイトに記事がアップされた(株)協進印刷の社長、江森克治さんに3.11の際に彼が見出したものづくりの本質について話していただきました。
RELAY OF LIFE STOCKの本編からは割愛させていただいたのですが、江森さんの仕事観やものづくりに対する考え方が垣間見えますので、是非読んでみてください。
<ものづくりが持つ付加価値の本質>

3.11の東日本大震災のとき、私は「おえかきちょうプロジェクト」という企画を行い、被災地にお絵かき絵本を送りました。子供のためにせめて教育テレビくらい普通にやってくれっていうツイッターのつぶやきを見て「たしかにそうだなぁ」と思ったんです。被災地ではものすごくショックを受けている子もいるだろうけど、子どもは意外と順応性があるから、今は避難所でも走り回ったりしたいんだろうなって思いました。でも実際には、避難所では静かにしなさいとか言われてぎちぎちになってしまっているわけじゃないですか。皆急いで逃げてきているから当然ゲームなどは持ってきていません。だからお絵かき絵本でもあげれば、絵を描いたり紙飛行機を作ったりいろいろできるかなって思ったんです。うちに紙なんていくらでもあるわけですから、これを何かにして送ってあげたらいいんじゃないかって思いました。うちの会社だけではなく、他の印刷会社もいっぱい紙が残ってるわけだから、余った紙や使い残った紙でいいから、協力を呼びかければ皆やってくれるだろうと思って。ただ、いかにも余ったもので作りました、みたいものを送るのは嫌だったので、どうせならちゃんとした「わぁーすごい」って子どもに言われるようなものを送ろうと思い立ちました。そこで作ったのがお絵かき絵本だったんですよ。
そのときに本来ものづくりが持つ付加価値をつけるということの本質を見たように感じます。私が作って送ったものはただ紙を製本して表紙がついてるだけなんですよ。中はただの白い紙です。だから機能的に言うとただの紙でもいいわけじゃないですか。紙をあげるのと、その製本されたものをあげるのは機能的に言うと何も変わらないわけです。でも、受け取る人の反応は全然違います。ありがたみが全く違うんです。作業的に言えば、表紙をつけて糊をつけただけなので実際には大した違いはありませんが、そこに人の想いが乗ったときに全く違うものになります。このお絵かき絵本を作ろうと思った私の想いや協力してくれた会社の想い、デザインしたデザイナーの想いなど、そういう想いがみんな乗っかっているわけですよ。それによって付加価値がついたものになる。それが伝わったときに付加価値になるんだなっていうのをすごく感じましたね。
江森さんの本編の記事はこちらから。
