大嘗祭の会場の大嘗宮の屋根仕様について、伝統ある茅葺を使わず、板葺にすると宮内庁が発表した。
大嘗祭でも消える茅葺、歴史を顧みない象徴だ、と批判されている。

天皇の代替わりに伴う11月の皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」の会場「大嘗宮」の屋根材の仕様について、宮内庁の山本信一郎長官は12日の定例記者会見で「新しい工程を追加する余裕はない。遅れは許されない」と述べた。
次から次と起こる皇室の伝統破壊、かやぶきに否定的な宮内庁長官、山本信一郎氏。

「11月に皇位継承に伴う最も重要な祭祀(さいし)である大嘗祭(だいじょうさい)が、皇居・東御苑に臨時に建設される大嘗宮(だいじょうきゅう)で執り行われる。その主要な建物が、伝統的な茅葺(かやぶ)きから板葺(いたぶ)きへ変更されることは伝統の軽視であると言わねばならない。極めて残念だ。」と産経新聞。


以下いくつかのメディア記事:


【主張】即位の礼1カ月 「伝統重視」を貫くべきだ

産経新聞 2019.9.22 05:00

https://www.sankei.com/life/news/190922/lif1909220010-n1.html

 

 天皇陛下が即位を内外に宣明される「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」まで1カ月となった。政府の式典委員会が細目を決定した。

 伝統を踏まえた儀式となることを歓迎したい。この伝統重視の姿勢を政府は貫くべきである。

 儀式では、天皇、皇后両陛下がお出ましになる経路について、昭和以前の形式を復活させる。平成の御代(みよ)替わりでは、参列者が直(じか)にお姿を見られる経路をとった。

 皇室に関わる行事はこのように、できるだけ旧例を踏むことが望ましい。国民が古くからの歴史を感じ、受け継いでいくことにもつながる。

 その観点から政府に再考してもらいたいことがある。11月に皇位継承に伴う最も重要な祭祀(さいし)である大嘗祭(だいじょうさい)が、皇居・東御苑に臨時に建設される大嘗宮(だいじょうきゅう)で執り行われる。その主要な建物が、伝統的な茅葺(かやぶ)きから板葺(いたぶ)きへ変更されることは伝統の軽視であると言わねばならない。極めて残念だ。

 大嘗祭は即位後の天皇が初めて行う新嘗祭(にいなめさい)で、国家国民の安寧や五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈られる。一世一度の祭祀であり、安易に形式を変えていいものではない。経費削減のためだとすれば本末転倒だ。

 有識者らは今年8月、「伝統を尊重した大嘗宮の御造営を求める要望書」を安倍晋三首相らに提出し、茅葺きとするよう求めた。要望書は大嘗祭を「国民統合の歴史的な形を示す重要な国家儀礼」と位置づけている。その通りである。自民党にも茅葺きにするよう求める声がある。

 即位の礼や大嘗祭に関して、憲法の政教分離原則などに反するという声が少数ながら存在するが、見当違いといえる。政府や国民は惑わされてはならない。

 天皇陛下が祈られることが、政治権力と宗教の分離を定めた憲法に反するわけがない。

 陛下が高御座(たかみくら)に昇られ、「内閣総理大臣」である首相が寿詞(よごと)を言上(ごんじょう)した後、万歳三唱し参列者が唱和する。このようなお祝いは、立憲君主である天皇を戴(いただ)く日本の国柄を示す。国民主権と少しも矛盾しない。

 即位の礼の際には、平成を上回る190以上の国や国際機関の代表の来日が予想される。万全の態勢で、警備や受け入れに臨まなければならない。

 

大嘗祭でも消える茅葺き 専門家「歴史顧みない象徴だ」

編集委員・藤生明

朝日新聞 2019550900

https://www.asahi.com/articles/ASM4P5DBKM4PULZU00Z.html

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合掌造りの茅葺き屋根のふき替え作業=岐阜県白川村荻町

 

 各国の茅葺(かやぶ)き文化について話し合う世界会議が5月、岐阜・白川郷などで開かれる。茅葺きはすっかり珍しくなり、天皇の代替わりに伴う皇室行事「大嘗祭(だいじょうさい)」でも社殿の屋根からなくなろうとしている。

 「茅」とは屋根をふく草の総称だ。日本ではススキが一般的で、アシや稲・小麦のわらを使う地域もある。高度成長期まで日本の原風景として定着していたものの、世界会議の事務局、安藤邦廣・筑波大名誉教授(建築学)によると、茅葺き屋根は現在10万棟弱に減ったとみられる。

 消滅の危機は日本だけではない。その重要性を見つめ直そうと、国際茅葺き協会が2011年に発足した。世界会議の日本開催は初めてで、英、独、オランダなど6カ国の専門家が来日する予定だ。5月18日から5日間、白川郷京都府南丹(なんたん)市で、各国の現状や技術的な課題について意見交換する。欧州では、伝統文化としてのみならず、環境保全や資源問題としても茅葺きが見直されているという。

 安藤さんは「茅葺きは、草原の文化に共通の建築だ」という。日本の特徴は「圧倒的な厚さ」。30〜45センチの欧州に比べ、日本は総じて厚く、白川郷合掌造りのように約1メートルもある例もある。台風や多雨、寒暖差の激しさゆえの防水・断熱効果に加え、肥料の備蓄庫としての役割が茅葺きを分厚くした。

 傷んだ分は肥料に回され、茅葺きは「宝の山」として農耕を支えた。ところが戦後、化学肥料が普及したため、茅葺きは取り壊されたり、トタン板で覆われたりするようになった。

 宮内庁は昨年12月末、大嘗宮の建築計画で、前回は社殿で採用した茅葺きを、今回は費用と工期を考え板葺きにすると発表した。神社界から伝統に反するとの批判の声が上がり、安藤さんも宮内庁に計画の練り直しを訴えた。

 大嘗祭は、稲作農業を中心とした日本に古くから伝承されてきた収穫儀礼に根ざしているとされる。「茅葺きは削れないはずだ。宮内庁の決定は、歴史を顧みない社会の象徴だ」

 そう話す安藤さんは茅葺き民家の保存と活用などを通じ、文化の継承を訴え続けてきた。一つの屋根をふきかえるだけでも重労働だが、協働の喜びがある。荒れた「草原」「水辺」の利用が促され、環境保全の効果もあるという。

 安藤さんは「茅葺きを中心とした自然のサイクルは、日本独自に発達した生活文化。持続可能な社会のモデルであることを国内外に発信したい」と話す。(編集委員・藤生明)

 

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大嘗宮に茅葺き残して 文化団体「日本の原風景 世界に発信」

東京新聞 2019325 夕刊

https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201903/CK2019032502000266.html

 

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一般公開された前回の大嘗宮。中央奥は悠紀殿の茅葺き屋根。ほかの建物は板葺き屋根=1990年11月29日、皇居・東御苑で

 11月に行われる新天皇の大嘗祭(だいじょうさい)のため建設される大嘗宮に伝統の茅葺(かやぶ)き屋根を残すよう、一般社団法人「日本茅葺き文化協会」(茨城県つくば市)が宮内庁に計画変更を求めている。5月には岐阜県の世界遺産・白川郷などで国内初の「国際茅葺き会議」もあり、協会役員は「大嘗祭と茅葺き文化への理解を深め、日本の原風景の魅力を世界に発信したい」としている。 (阿部博行)

 大嘗祭は稲作を中心とした収穫儀礼に根差し、天皇が即位後初めて天照大神(あまてらすおおみかみ)と神々に新穀を供え、国の安寧と五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈る儀式。大嘗宮は大小四十近い建物で構成され、前回は主祭場の悠紀殿(ゆきでん)、主基殿(すきでん)と身を清める潔斎(けっさい)や着替えをする廻立殿(かいりゅうでん)に茅葺き屋根を残し、ほかは板葺(いたぶ)き屋根などに変えた。

 宮内庁は今回、経費節減と工期の確保のため、主要三殿も板葺きとする方針を決めた。茅葺きはススキなどイネ科の植物を使うが、良質の茅の調達が難しく、専門技術者の不足と賃金の上昇に加え、工事中の風雨対策で建物を覆う素屋根(すやね)の設置も必要となる。

 協会は二〇一〇年から茅葺き文化の振興のため活動しており、宮内庁に悠紀殿と主基殿だけでも茅葺きを残すよう再考を要望。代表理事の安藤邦広・筑波大名誉教授(70)=建築学=は「日本は昔から『豊葦原(とよあしはら)の瑞穂(みずほ)の国』と称したように稲作が国土と社会の礎であり、大嘗宮の茅葺き屋根がそれを象徴していた。今回の変更は文化的な損失になる」と指摘する。

 

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屋根の中央部を逆葺きにした奈良県の民家=日本茅葺き文化協会提供

 

 安藤さんは経費節減策として、茅の丈夫な根元を下方に向ける一般的な「真葺(まぶ)き」ではなく、穂先を下にする簡易な「逆葺(さかぶ)き」を提案する。逆葺きは平安中期の法典「延喜式(えんぎしき)」にも記された大嘗宮の屋根の葺き方で、茅の使用量と人件費が半分以下で済み、短期利用の建物に適している。

 宮内庁管理部の坪田真明部長は「板葺きにすることで、自然素材を用いて短期間に建設するという大嘗宮の伝統は維持できると考えている」と説明。逆葺きには「耐久性と防水性に不安があり、今回は日程的にも、その是非を検討している時間的な余裕は残されていない」と話している。

 茅葺きは、文化庁が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産への登録をめざす「伝統建築工匠(こうしょう)の技」の一つ。欧州の一部でも環境・資源保護の観点から再評価が進む。国際茅葺き会議は五月十七〜二十三日、岐阜県白川村の合掌造り集落や京都府南丹市美山町の茅葺き集落などを会場にイギリス、オランダ、ドイツなど七カ国の茅葺き職人がフォーラムやワークショップで交流する。

 

山本信一郎

山本 信一郎(やまもと しんいちろう、1950823 - )は、日本自治総務官僚内閣府事務次官宮内庁次長宮内庁長官を歴任。

福井県今立郡池田町出身藤島高校を経て、1973年(昭和48年)、京都大学法学部卒、同年自治省入省2008(平成20年)7月から2009(平成21年)7月まで内閣府事務次官を務めた。のち消防試験研究センター理事長。

2016(平成28年)713日にされた、第125代天皇上皇明仁が生前退位(次期皇位継承者である皇太子への譲位)の意向を示しているという報道について、「報道されたような事実は一切ない。」「その大前提となる(天皇陛下の)お気持ちがないわけだから、検討していません。」と述べたが、同年88日、約11分間のビデオを通じて第125代天皇上皇明仁自身が国民に向けて伝えた「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」で、間接的ながら自身の生前退位(譲位)への意向について言及した。

2017(平成29年)93日、秋篠宮文仁親王の長女眞子内親王と小室圭の婚約内定が発表された。宮内庁長官の山本は、小室圭について「ご結婚のお相手としてふさわしい誠に立派な方」と述べた。

Wiki


こんな記事があった:

秋篠宮さま苦言…山本宮内庁長官は官邸子飼いのヒラメ官僚

日刊ゲンダイ 2018/12/01 15:00 更新日:2018/12/01 15:00

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/242869

 

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“官邸人事”を目の当たりにしたC)JMPA

 「聞く耳を持たなかった」「非常に残念」――。秋篠宮さまに辛辣な言葉で酷評された宮内庁の山本信一郎長官。「聞く耳を持たなかったと言われるのはつらい」と苦しげに語ったが、一体どんな人物なのか。

 山本長官は京大法卒。1973年、旧自治省に入省。大臣官房審議官などを経て、2001年8月に内閣府に出向。宮内庁には、12年6月に次長として着任した。

「そつがないタイプで、発言は極めて慎重。ただ、酒好きで、酔っぱらうと周囲にボヤくこともあるという。眞子さまの婚約者について、『小室(圭)さんで大丈夫かな』と漏らしたこともあるそうです」(霞が関関係者)

  仕事ぶりについては「優秀」との評判が多く、順調に出世を果たしていったが、天皇が16年8月、生前退位の意向をにじませた「お気持ち」を表明したのをきっかけに“事件”に巻き込まれた。安倍官邸の怒りを買い、直属の上司だった風岡典之長官(当時)がクビを切られたのだ。

  「もともと生前退位に否定的な安倍官邸は、『陛下が“お気持ち表明”を思いとどまるよう、宮内庁は動くべきだった』とカンカンでした。安倍官邸は当時の長官を、任期を半年以上前倒しして更迭。次長だった山本氏を昇格させたのです」(前出の霞が関関係者)

 “官邸人事”を目の当たりにした山本長官は、皇室ではなく、安倍官邸の方を向いて仕事をしていたのではないか。

 


 

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