February 14, 2011

ルーベンス マリー・ド・メディシスの生涯 24作品+マリー・ド・メディシスの運命

Marie-1

Destiny of marie de medici (マリー・ド・メディシスの運命)



La naissance de la reine a Florence -3

The Birth of Marie de' Medici(マリーの誕生)



Apollon-1

Marie's Education(マリーの教育)



Henri IV (le Grand-2

Henry IV Receives the Portrait(アンリ4世へ肖像画の贈呈)



La remise de l'anneau a Florence-6

The Marriage(結婚)



Marie-7

The Landing at Marseilles(マルセイユ上陸)



La Naissance du dauphin -2

The Meeting at Lyons(リヨンでの会見)



The Birth of Louis XIII

The Birth of Louis XIII(ルイ13世の誕生)



Institution of the Regency

Institution of the Regency(摂政制度)


Coronation of Marie de' Medici-2

Coronation of Marie de' Medici(マリー・ド・メディシスの戴冠式)


Apotheosis of Henry IV

Apotheosis of Henry IV(アンリ4世の神格化)



The Council of the Gods

The Council of the Gods(神々の評議会/マリーの統治


The Capture of Juliers-2

The Capture of Juliers(ユリエール(ジュリエール)の陥落)


The Exchange of Princesses

The Exchange of Princesses(王女の交換)



The Happiness of the Regency

The Happiness of the Regency(摂政政治の至福)↑下部分切れた



The Majority of Louis XIII

The Majority of Louis XIII(成人したルイ13世)



The Flight from Blois

The Flight from Blois(ブロワ城の脱出)



The Treaty of Angouleme

The Treaty of Angoulême(アングレーム条約)


The Peace of Angers

The Peace of Angers(アンジェの平和)



The Queen's Reconciliation with Her Son

The Queen's Reconciliation with Her Son(完全なる和解)


The Triumph of Truth

The Triumph of Truth(真理の勝利)


 
ここまでの21作が神話を織り交ぜたマリー・ド・メディシスの生涯になる。息子ルイ13世との和解後に、マリー・ド・メディシス本人から、ルーベンスに依頼した作品だ。

ルーヴル美術館所蔵で、24作品が連作と言われているが、生涯の物語としてはこの21作目までだと思うが、このあと紹介するミネルヴァに扮するマリー・ド・メディシスは、この連作で常にミネルヴァに導かれているところがあるので、その最後の肖像画で「The End」なのかもしれない。

ご存知の方が多く、僕から作品解説するほどではないけれど、一応サラッと。

「運命」で、ゼウス(ユピテル/ジュピター)とその妻ヘーラー(ユノー)が定めているのだろうか。運命の三女神のパルカイは何かくじ引きのように選定しているようだ。ノーナ(妊娠の女神)、デクマ(出産の女神)、モルタ(死の女神)の三女神。

「誕生」は、ゼウスや運命の三女神が定めたように、メディチ家に誕生した。あのカトリーヌ・ド・メディチ(カトリーヌ・ド・メディシス)と従姉妹になるらしい。

「教育」では、知恵の女神ミネルヴァ、商業だけではなく錬金術をも象徴するメリクリウス、そして三美神が教育係。
 
「肖像画の贈呈」はアンリ4世。ゼウスとヘーラー、そして彼らを象徴する鷲、孔雀を供に、天使は肖像画を手渡す場面。
 
アンリ4世はカトリーヌ・ド・メディチ(カトリーヌ・ド・メディシス)の娘マルグリット・ド・ヴァロワ(王妃マルゴ)と離婚。

「結婚」では、代理人との指輪を交換。ヤコポ・ディ・キメンティ・ダ・エンポリは、カトリーヌ・ド・メディチ(カトリーヌ・ド・メディシス)とマリー・ド・メディシスのそれぞれの結婚の場面を対画として残した。前者はヴァロワ家の終焉、後者のマリー・ド・メディシスはスペイン・ブルボン朝の幕開けらしく、それぞれに重要人物たちも描かれているらしい。リンク先の記事最後にある。

「マルセイユ上陸」では、姉のマントヴァ公妃、叔母のトスカナ大公妃とともに、「フランス」の擬人像に出迎えられている。城壁の形をした冠を被る女性が「マルセイユ」の擬人像になる。

この海路を守るのはトリトン、ネプトゥヌスにプロテウス。マリー・ド・メディシスの頭上では「名声」がラッパを吹いている。アルテ・ピナコテークには油彩の下絵が所蔵されている。

「リヨンでの会見」では、アンリ4世との対面だ。ライオンが「リヨン」の擬人像。天上ではゼウスとヘーラーたちが。この天上の夫婦と同じく、地上のこの夫婦も、夫の愛人の多さに悩まされる。

「ルイ13世の誕生」ではのちにわが子に幽閉されることとなるマリー・ド・メディシスだが、その暗示が描かれているのかもしれない。

「摂政政治」は、青地に金百合の宝珠をアンリ4世と二人で手にしているのは、不在の場合に国政の全権をマリーに与える布告をしたため。

「戴冠式」では、ドイツ遠征にむけ、統治権を委託し、サン・ドニ聖堂で王妃の威厳を裏付けた戴冠。マルグリット・ド・ヴァロワ(王妃マルゴ)もこの戴冠式を祝っている姿が描かれている。リンク先記事から確認してほしい。

「アンリ4世の神格化」は、アンリ4世の暗殺と王位を継いだ息子ルイ13世の摂政となるマリー・ド・メディシスが描かれている。喪服の王妃は「フランス」から王権を象徴する宝珠を受け取り、「摂政統治」を象徴する蛇、玉座には「賢明」の擬人像と王妃の背後にミネルヴァがいる。

時の翁クロノスがアンリ4世を天上に導き、暗殺者の大蛇が死に瀕している。

「摂政政治の至福」では世界を表す天球に手を乗せ、右手に公正と正義の寓意である天秤を掲げて、息子ルイ13世に幽閉されるいわれなき王妃の姿を描いている。

そして最後の「真理の勝利」で、ルイ13世と向き合う姿で描かれて、時の翁クロノスが真理の擬人像を導いているところでおしまい。

Les trois Parques filant la destinée de Marie de Médicis

Petrus Paulus Rubens

これはマリー・ド・メディシスの運命の三時代(1622-25)を描いている。右が「運命」、左が「真理の勝利」、中央はその時の翁クロノスが真理の擬人像を導いているところだ。


Marie de Medicis

ミネルヴァに扮するマリー・ド・メディシス

ルーヴル美術館では、このミネルヴァに扮するマリー・ド・メディシスの肖像画を、「マルセイユ上陸」でも描かれたメディチ家のトスカーナ大公妃とトスカーナ大公の肖像画を両脇に、三枚並んで飾られている。

無題

この二人の間に「ミネルヴァに扮するマリー・ド・メディシス」がある。

結局、リシュリューがルイ13世の宰相となって1631年にマリー・ド・メディシスはフランスを追放される。この息子との和解がきっかけになって完成された1625年からわずか6年後のことだった。

removeremove at 01:13│TrackBack(1)バロック 

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1. ルーベンス Peter Paul Rubens  [ RE+nessance ]   March 02, 2011 20:54
前記事「アントワープ王立美術館 ルーベンス」で、こう書いた。 結構コミュニケーション能力に長けているし、人のマネジメントもうまい。上手に自分の作品とコラボしたり、他の画家に描かせたり、助手に模写させたり、ルーベンスが週に数枚を仕上げていく工程をきっちり管